JP2015157873A - 大豆加工ストリームから単離される精製Kunitzトリプシンインヒビタータンパク質 - Google Patents

大豆加工ストリームから単離される精製Kunitzトリプシンインヒビタータンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度形態で回収されるKTIタンパク質の新規アイソフォームを提供すること。【解決手段】大豆加工ストリームから精製大豆ホエータンパク質を回収するための方法が開示される。【選択図】図1D

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその内容全体を本明細書に援用する、2009年12月30日に出願された米国仮特許出願第61/291,312号明細書の優先権を主張する。
本開示は、大豆加工ストリームから単離され回収される新規Kunitzトリプシン酵素阻害物質(KTI)アイソフォームを提供し、それは少なくとも約95重量%の総KTIタンパク質濃度を有する。
タンパク質分解酵素を阻害するタンパク質は、多数の種子および他の植物貯蔵器官中に高濃度で見られることが多い。インヒビタータンパク質はまた、実質的に全ての動物組織および体液中に見られる。動物および微生物からのタンパク質分解酵素と複合体を形成して阻害する能力のために、これらのタンパク質は、長年にわたって相当数の研究の対象である。阻害物質は、医学と生物学において、タンパク質分解を研究する有益なツールになっている。プロテアーゼインヒビターは、膵臓炎、ショック、および肺気腫などのいくつかの障害に関与するプロテイナーゼの制御におけるそれらの治療的な可能性のために、そして哺乳類の受精を調節する作用物質として特に興味深い。
大豆加工ストリームは、相当量のプロテアーゼインヒビターを含有する。プロテアーゼインヒビターは、少なくともトリプシン、キモトリプシンを阻害し、そして一連の様々な重要代謝機能を制御する、多様な他の重要な膜貫通プロテアーゼを潜在的に阻害することが知られている。プロテアーゼインヒビターの局所投与は、数カ所に局在していてもまたは身体の大きな部分に関わっていてもよい、皮膚炎症の一般的な形態であるアトピー性皮膚炎などの病状において用途がある。プロテアーゼインヒビターの色素除去活性、および紫外線誘発色素沈着を予防するそれらの能力は、生体外および生体内の双方で実証されている(例えば、Paine et al.,J.Invest.Dermatol.,116:587−595[2001]を参照されたい)。プロテアーゼインヒビターはまた、創傷治癒を促進することが報告されている。例えば分泌型白血球プロテアーゼインヒビターを局所的に塗布すると、組織破壊が逆転し、創傷治癒過程を加速することが実証された。さらにセリンプロテアーゼインヒビターは、紅斑性狼瘡患者において疼痛を軽減させる一助にもなり得る(例えば、米国特許第6,537,968号明細書を参照されたい)。
天然プロテアーゼインヒビターは、穀類(オート麦、大麦、およびトウモロコシ)、芽キャベツ、タマネギ、ビート根、小麦、シコクビエ、および落花生などの多様な食物に見られる。関心のもたれる供給源は、大豆である。
大豆および他のマメ科植物から、2つの大まかなクラスのプロテアーゼインヒビタースーパーファミリーが同定されており、各クラスはいくつかのイソインヒビターを有する。Kunitzトリプシンインヒビター(KTI)は、第1のクラスの主要メンバーであり、そのメンバーはおよそ170〜200個のアミノ酸、20〜25kDaの分子量を有し、主にトリプシンに対して作用する。Kunitzトリプシンプロテイナーゼ阻害物質は、大抵は一本鎖ポリペプチドであり、4個のシステインが2つのジスルフィド架橋中に連結され、1つの反応部位がジスルフィド架橋によって画定されるループ内に位置する。第2のクラスの阻害物質は、60〜85個のアミノ酸を含有し、6〜10kDaの分子量範囲を有し、より多数のジスルフィド結合を有して、比較的熱安定性であり、独立した結合部位でトリプシンおよびキモトリプシンの双方を阻害する。ボーマン・バークインヒビター(BBI)は、このクラスの一例である。大豆中に存在するプロテアーゼインヒビターの平均レベルは、2つの最重要なプロテアーゼインヒビターであるKTIおよびBBIで、それぞれ約1.4%および0.6%である。とりわけこれらの低レベルは、臨床用途のために天然プロテアーゼインヒビターを単離することを非実用的なものとする。
先行技術は、酸抽出もアルコール抽出も、アセトン沈殿もなしに大豆タンパク質源から得られる、高い純度レベルを有するKTI生成物について、記載していない。当該技術分野で開示される、KTI生成物を単離する方法は、以下の特定の参考文献に記載されているが、高度に純粋なKTI生成物の単離はもたらされていない。J.Agric.Food Chem.39(5):862−866(1991);Protein Expression and Purification 30:167−170(2003);J.Agric.Food Chem.57(15):7022−7029(2009);FEBS Letters 294(1,2):141−143(1991);Journal of Food Science,54(3):606−617(1989);Journal of Agriculture and Food Chemistry,49(3):1069−1086(2001);Journal of Agriculture and Food Chemistry,35(2):205−209(1987);Yamamoto,M.and Ikenaka,T.,Studies on Soybean Trypsin Inhibitors.I.Purification and Characterization of Two Soybean Trypsin Inhibitors. J.Biochem.(Tokyo),62(2),141−149(1967);Birk,Y.,The Bowman−Birk inhibitor:trypsin−and chymotrypsin−inhibitor from soybeans,Int.J.Peptide Protein Res.,25(2).113−131(1985);Hwang,D.,Davis Lin,K.T.,Yang,W.,Foard,D.,Purification,Partial Characterization,and Immunological Relationships of Multiple Low Molecular Weight Protease Inhibitors of Soybean,Biochimica et Biophysica Acta,495,369−382(1977);Frattali,V.,Soybean Inhibitors − III.Properties of a low molecular weight soybean proteinase inhibitor,Journal of Biological Chemistry,244(2),274−280(1969);Kassell,B.,Trypsin and Chymotrypsin Inhibitors from Soybean,Methods in Enzymology,66(c),853(1970);Birk,Y.,Proteinase Inhibitors from Legume Seeds,Methods in Enzymology,57,697;およびBirk,Y.,Trypsin and Chymotrypsin Inhibitors from Soybeans,Methods in Enzymology,58,700。したがって高純度プロテアーゼインヒビターと変異型、具体的にはKTIの製造に適した方法と組成物に対する必要性がある。
したがって本発明は、本明細書で開示される方法を通じて、高純度形態で回収されるKTIタンパク質の新規アイソフォームについて記載する。
本発明は、概して、大豆ホエーストリームおよび大豆糖蜜ストリームをはじめとする大豆加工ストリームから単離され回収され、特定の望ましい特性を示す、新規Kunitzトリプシン酵素阻害物質(KTI)生成物を提供する。特に本発明は、少なくとも約95重量%の総KTIタンパク質濃度で表される純度を有する、KTIタンパク質の新規アイソフォームに関する。方法は、大豆ホエーから様々な他の構成要素を除去する一連の逐次分離操作を通じて大豆加工ストリームを濃縮することを伴い、KTIタンパク質の回収のための基材として適切な精製画分を生成する。本明細書の他の箇所でさらに詳述されるように、本発明によって説明される方法は、水性大豆ホエーの様々な構成要素を回収するために設計された、1つまたは複数の膜分離(濾過)操作またはクロマトグラフ分離操作を含んでなる。大豆加工ストリームの様々な構成要素の除去は、典型的には、その構成要素の除去の前および/または最中に、大豆加工ストリームを濃縮することを含んでなる。
典型的には、大豆加工ストリームからの1つまたは複数の不純物(例えば微生物またはミネラル)、1つまたは複数の大豆貯蔵タンパク質(すなわちグリシニンおよびβ−コングリシニン)、1つまたは複数の大豆ホエータンパク質、および/または1つまたは複数の糖類の除去によって、精製画分を調製する。高純度のKTIタンパク質の回収は、希釈により純度を損なう加工ストリームのその他の主要構成要素(例えば貯蔵タンパク質、ミネラル、脂質、微生物、および糖類)を除去しながら、タンパク質の拮抗物質でありおよび/または有害効果がある構成要素(例えば内毒素)の除去を通じて、タンパク質画分を精製することで、同様に総KTIタンパク質濃度を改善することによって改善される。具体的には、本開示は、少なくとも約95重量%の総KTIタンパク質濃度で表される純度を有する、KTI生成物の単離および除去をもたらす方法を提供する。
本発明の方法は、最初に、分離膜の片側と接する濾過供給ゾーンに大豆加工ストリームを導入するステップと;流体を膜に通過させて、濾過供給ゾーン内に少なくとも1つの大豆貯蔵タンパク質および少なくとも1つの大豆ホエータンパク質を含んでなる第1の残余分と、透過液ゾーン内に1つまたは複数の糖類、水、および1つまたは複数のミネラルを含んでなる第1の透過液を生成するステップと;第1の残余分またはその一部を第2の分離膜の片側と接する第2の濾過供給ゾーンに導入するステップと;流体を第2の膜に通過させて、第2の濾過供給ゾーン内に1つまたは複数の大豆貯蔵タンパク質を含んでなる第2の残余分と、第2の透過液ゾーン内に水、1つまたは複数の大豆ホエータンパク質、および糖類を含んでなる第2の透過液とを生成するステップと;含有されるイオン交換樹脂を中に含んでなるイオン交換ユニット内に、タンパク質濃縮大豆加工ストリームを導入するステップと;大豆ホエーストリームを分割してイオン交換のための複数の供給材料画分を提供するステップと;複数の供給材料画分をイオン交換ゾーン内に導入するステップと;複数の供給材料画分のそれぞれをイオン交換樹脂と接触させ、イオン交換樹脂に対する親和力によってKTI生成物を除去するステップと;イオン交換樹脂を溶出媒質と接触させてイオン交換樹脂からKTI生成物を除去して、溶出KTIタンパク質画分を形成するステップとを含む。
得られた本発明の精製KTI生成物は、配列番号1と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドからなり;少なくとも約95重量%の総KTIタンパク質濃度で表されるKTI純度をさらに有する。少なくとも約95重量%の総KTIタンパク質濃度で表されるKTI純度とは、本発明のKTI生成物の少なくとも約95重量%がKTIタンパク質からなる一方で、残りの10重量%の本発明のKTI生成物は不純物からなることを意味する。不純物は、(大豆ホエータンパク質原料次第で、貯蔵タンパク質または酸可溶性タンパク質などの)他のタンパク質、脂質、微生物、ミネラル、および糖類を含んでもよい。これに加えて、精製KTI生成物は、(i)乾燥重量基準で少なくとも約95%の総タンパク質含量;(ii)少なくとも約1500トリプシン阻害単位/gタンパク質のトリプシン阻害物質活性;および/または、(iii)約0.5内毒素単位(EU)/gタンパク質以下の総内毒素含量をさらに示す。本発明の方法によって単離されるKTI生成物の量は、1グラム程度にわずかであってもよく(実験室規模単離)、または数メートルトンであってもよい(工業的または大規模単離)。
別の態様では、本発明のKTIタンパク質を含んでなるKTI生成物は、1つまたは複数の内毒素をもたらし、総内毒素含量は、約0.1〜約5.0EU/gタンパク質、約0.1〜約2.5EU/gタンパク質、約0.1〜約1.5EU/gタンパク質、約0.1〜約1.0EU/gタンパク質、または約0.1〜約0.5EU/gタンパク質である。
本開示は、かつて達成されたことのない純度レベルのKTI生成物を対象とし、この生成物は大豆加工ストリームから回収される。これらの単離タンパク質は、究極的に、多様な医薬品用途およびパーソナルケア製品における使用に適する。したがって従来のKTI単離および精製に優る経済的利点に加えて、同様に、本開示の方法は、本方法によって提供されるKTI生成物の性質に基づいて、当該技術分野における進歩を意味する。本明細書で開示される工程の順序は、本発明の特定の一実施形態を提供する一方で、本明細書で開示される工程は、任意の順に実施されてもよいことに留意すべきである。
加工ストリームから精製大豆ホエータンパク質を回収する方法における、工程0〜4を示す概略工程図である。 加工ストリームから精製大豆ホエータンパク質を回収する方法における、工程5、6、14、15、16、および17を示す概略工程図である。 加工ストリームから精製大豆ホエータンパク質を回収する方法における工程7〜13を示す概略工程図である。 水性大豆ホエーストリームから濃縮KTI生成物を回収する方法を示す概略工程図である。 KTIのPoros HS50イオン交換画分のドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析を示す。 濃縮KTI画分のSDS−PAGE分析を示す。 HiTrap DEAE FFイオン交換画分のSDS−PAGE分析を示す。 LC−MS/MS分析されたKTIバンドを示す。 Mimo6HE画分のSDS−PAGE分析を示す。
好ましい態様の詳細な説明
本明細書に記載されるのは、大豆加工ストリームから単離される新規KTIアイソフォームであり、そのアイソフォームは、かつて達成されたことのない純度レベルをはじめとする、望ましい特性を示すことが分かっている。本明細書でさらに詳しく述べられるのは、大豆タンパク質単離物の製造において発生する(大豆ホエーストリームおよび大豆糖蜜ストリームをはじめとする)多様なマメ科植物加工ストリームから、新規KTIアイソフォームおよび他の生成物を回収する新規プロセスである。例えば本開示の方法は、KTIタンパク質の回収を提供するように選択され設計された、1つまたは複数の分離技術または方法(すなわちクロマトグラフ分離または膜分離)を含む。KTIタンパク質、および大豆ホエーストリームの1つまたは複数の他の構成要素(例えばオリゴ糖類をはじめとする様々な糖類)の回収は、複数の分離技術(例えば膜、クロマトグラフ、沈殿、遠心分離、または濾過)を利用してもよい。特定の分離技術は、加工ストリームの他の構成要素からそれを分離することで回収される、所望の構成要素によって決まる。
例えば精製KTI画分は、典型的には、大豆ホエーから、最初に1つまたは複数の不純物(例えば微生物またはミネラル)を除去し、続いて1つまたは複数の大豆貯蔵タンパク質(すなわちグリシニンおよびβ−コングリシニン)をはじめとする追加的不純物を除去し、続いて1つまたは複数の大豆ホエータンパク質(例えばBBIおよび他の非KTIタンパク質またはペプチドをはじめとする)を除去し、および/または続いて糖類をはじめとする1つまたは複数の追加的不純物を除去することで調製される。高純度形態のKTIタンパク質の回収は、希釈により純度を損なうホエーストリームのその他の主要構成要素(例えば貯蔵タンパク質、ミネラル、および糖類)を除去しながら、タンパク質の拮抗物質でありおよび/または有害効果がある構成要素(例えば内毒素)の除去を通じて、タンパク質画分を精製することで、同様に純度を改善することによって改善される。大豆ホエーの様々な構成要素除去は、典型的には、大豆ホエー構成要素を除去する前および/または最中に、大豆ホエーを濃縮するステップを含む。本明細書で開示される方法はまた、大量の水性廃棄物を処理することから生じる汚染を低下させる。
貯蔵タンパク質、糖類、ミネラル、およびその他の不純物の除去は、所望のKTIタンパク質に富み、拮抗物質または毒素であることもでき、さもなければ有害効果を及ぼすこともできる不純物を含まない画分を生じる。例えば典型的には、大豆貯蔵タンパク質富化画分を1つまたは複数の大豆ホエータンパク質に富んだ画分と共に回収することもできる。もう1種の糖類(例えばオリゴ糖類および/または多糖類)に富んだ画分もまた、典型的に調製される。したがって本方法は、KTIタンパク質の回収用基材として適した画分を提供し、水性大豆ホエーからの他の有用な生成物の回収のために使用し得る他の画分もまた提供する。例えば大豆ホエーストリームから糖類および/またはミネラルを除去することで、それから糖類をさらに分離し得る有用な画分が生成され、ひいては次の追加的な有用な画分が生じる。濃縮糖および(クエン酸を含んでもよい)ミネラル画分、および行うとしても最小の処理で廃棄され、またはプロセス水として再循環されてもよい比較的純粋な水性画分。このようにして生成されたプロセス水は、本方法を実施する上で特に有用であることもできる。したがって本方法のさらなる利点は、従来の単離物調製法と比較して、減少したプロセス水の所要量であることもできる。
本開示の方法は、少なくとも2つの点で、大豆タンパク質単離物および濃縮物を製造する従来の方法と比較して利点を提供する。言及されたように、大豆タンパク質材料を製造する従来の方法は、典型的には大豆ホエーストリーム(例えば水性大豆ホエーまたは大豆糖蜜)を廃棄する。したがって本開示の方法によって回収される生成物は、付加産物に相当し、従来の大豆タンパク質単離物および大豆タンパク質濃縮物製造との関連で、目下実現されていない収入源に相当する。さらに商品性のある生成物を回収する大豆ホエーストリームまたは大豆糖蜜の処理は、好適には、大豆ホエーストリームまたは大豆糖蜜の処理および廃棄に付随するコストを低減させる。例えば本明細書の他の箇所で詳述する本発明の様々な方法は、比較的純粋な加工ストリームを提供し、それは様々な他の工程で容易に利用され、または行うとしても最小の処理で廃棄されてもよく、それによって方法の環境影響を低下させる。本開示の方法に関連した特定のコストは存在するが、単離される付加産物の利益および廃棄物処理の最小化は、あらゆる付加費用を代償すると考えられる。
A.酸可溶性タンパク質
大豆タンパク質単離物は、典型的には、大豆貯蔵タンパク質の等電点(例えばpH約4.5)において、脱脂大豆フレークまたは大豆粉の水性抽出物から沈殿する。したがって大豆タンパク質単離物は、一般に、酸性液体媒質中で可溶性でないタンパク質を含む。同様に、2番目に最も精製された大豆タンパク質材料である、大豆タンパク質濃縮物のタンパク質は、同じく酸性液体媒質中で一般に可溶性でない。しかし本開示の方法によって回収される大豆ホエータンパク質は、一般に酸可溶性であり、すなわちそれらは酸性液体媒質中で可溶性である。
例えば本開示は、水性大豆ホエーに由来して、周囲条件(例えば約25℃の温度)において、比較的広範なpHの水性(典型的には酸性)媒質(例えばpH約2〜約10、約2〜約7、または約2〜約6を有する水性媒質)中で有利な溶解度を示す、大豆タンパク質組成物を提供する。典型的には大豆タンパク質組成物の溶解度は、1リットル当たり少なくとも約10グラム(g/L)であり、より典型的には少なくとも約15g/Lであり、なおもより典型的には少なくとも約20g/Lである。(添付の特許請求に含まれる)pH範囲にわたる溶解度への言及は、特定溶解度が、特定pH範囲内に入るいずれかのそして全てのpH値で達成されることを示唆するものと理解される。例えば約2〜約10のpH範囲にわたる少なくとも約10g/Lの溶解度への言及は、特定溶解度が、3、4、5、6などのpHで達成されることを示唆する。
本開示の方法による酸可溶性大豆タンパク質の回収は、当該技術分野における顕著な進歩に相当する。本明細書で言及されるように、典型的には廃棄される大豆ホエーストリームから、酸可溶性タンパク質が回収される。
B.Kunitzトリプシンプロテアーゼインヒビター
本明細書で考察するように、例えば大豆ホエーストリームおよび大豆糖蜜ストリームをはじめとする大豆加工ストリームは、Kunitzトリプシンインヒビター(KTI)タンパク質を含有する。このプロテアーゼインヒビターは、少なくともトリプシンを阻害し、そして一連の重要代謝機能を調節する多様な他の重要プロテアーゼを潜在的に阻害することが知られている。
本実施形態に従って単離されるKTIタンパク質は、配列番号1と少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%までも同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含んでなってもよい。一実施形態では、KTIタンパク質は、配列番号1と少なくとも70%同一であり、より好適には配列番号1と少なくとも80%同一であり、なおもより好ましくは配列番号1と少なくとも90%同一であり、最も好適には配列番号1と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなってもよい。
本実施形態の別の態様では、アミノ酸配列は、配列番号1と少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%までも同一である。
本発明の特定の態様では、2つのアミノ酸配列間の配列同一性は、アミノ酸配列を比較することで判定される。本発明の特定の態様では、配列同一性は、アミノ酸配列と、その保存アミノ酸置換とを比較することで判定され得る。本発明の別の態様では、本発明のタンパク質は、1つまたは複数の保存的置換を有し得る。本発明の別の態様では、本発明のタンパク質は、1つまたは複数の非保存的置換を有し得る。
天然アミノ酸としては、例えばアラニン(A)、アルギニン(R)、アスパラギン(N)、アスパラギン酸(D)、システイン(C)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、リジン(K)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、プロリン(P)、セリン(S)、スレオニン(T)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびバリン(V)が挙げられる。
保存的および非保存的アミノ酸置換は当業者に知られており、例えば酸性アミノ酸で別の酸性アミノ酸を置き換えることは、保存的置換と見なすこともできるのに対し、塩基性アミノ酸で酸性アミノ酸を置き換えることは、非保存的置換と見なすこともできる。同様に、極性アミノ酸で別の極性アミノ酸を置き換えることは、保存的置換と見なすこともできるのに対し、非極性アミノ酸で極性アミノ酸を置き換えることは、非保存的置換と見なすこともできる。アミノ酸は一般に、(置換が保存的または非保存的かどうかを判定する指針として使用し得る)以下のカテゴリーに分けられる。(1)極性/親水性:N、Q、S、T、K、R、H、D、E、C、およびY;(2)非極性/疎水性:G、A、L、V、I、P、F、W、およびM;(3)酸性:D、E、およびC;(4)塩基性:K、R、およびH;(5)芳香族:F、W、Y、およびH;および(6)脂肪族:G、A、L、V、I、およびP。
1つまたは複数のアミノ酸配列が配列番号1と同一でない本発明の特定の態様では、このような1つまたは複数のアミノ酸配列もまた、トリプシン活性を阻害することが知られているKTIタンパク質として機能する。これらの機能を確認する方法は本明細書に記載され、当業者に知られている。
組成物が、配列番号1と同一でない1つまたは複数のアミノ酸配列を含んでなる本発明の他の態様では、このような1つまたは複数のアミノ酸配列もまた、トリプシンを阻害することが知られているKTIタンパク質として機能する。これらの機能を確認する方法は本明細書に記載され、当業者に知られている。
KTIタンパク質は、170〜200個のアミノ酸残基と、およそ2個のジスルフィド架橋からなる。KTIタンパク質の一次構造は1973年より知られている(Koide,T.,and Ikenaka,T.,Studies on Soybean Trypsin Inhibitors.3.Amino−Acid Sequence of the Carboxyl−Terminal Region and the Complete Amino−Acid Sequence of Soybean Trypsin Inhibitor,Eur.J.Biochem.32,417,1973参照)。
本開示のKTI生成物の純度は、他のKTI生成物と比較して、かつて達成されたことのないレベルの純度に相当する。KTI画分の純度は、総KTIタンパク質濃度、比活性(トリプシン阻害物質単位/gタンパク質で測定される)、およびKTIの拮抗物質として機能する構成要素、毒素、またはKTI単位量当たりの効率を単に希釈する以上に有害効果を及ぼす他の構成要素の不在の関数である。一般に、本開示のKTI生成物の総KTIタンパク質濃度は、少なくとも約70重量%、または少なくとも約80重量%である。典型的には、本開示のKTI生成物の総KTIタンパク質濃度は、少なくとも約90重量%、好適には少なくとも約95重量%、およびより好適には少なくとも約99重量%である。
「純粋」モノマータンパク質は、一次元または二次元SDS−PAGEゲル上の電気泳動後に単一バンドを生じ、ゲル濾過、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、またはイオン交換カラムから単一の対称的吸光度ピークとして溶出され、単一セットの質量分光測定、核磁気共鳴(NMR)、またはW吸光度スペクトルシグナルを生じ、該当する場合は汚染酵素活性を含まない。絶対純度は確立され得ないので、慣例的に単純な純度基準、すなわちSDS−PAGE後に、単一バンドを超えるタンパク質が検出できないことが使用される。(Mohan,Determination of purity and yield.Methods in Molecular Biology,11,307−323(1992)を参照されたい)。図3は、一次元ゲル電気泳動に続く本発明のKTIタンパク質を示す。図3が示すように、本発明のKTIタンパク質は、等電点が異なる21kDaの分子量標準に対応する単一バンドとして示される。
KTI画分の純度は、総KTIタンパク質濃度、比活性(トリプシン阻害物質単位/gタンパク質で測定される)、およびKTIの拮抗物質として機能する構成要素、毒素、またはKTI単位量当たりの効率を単に希釈する以上に有害効果を及ぼす他の構成要素の不在の関数である。一般に、本開示のKTI生成物の総KTIタンパク質濃度は、少なくとも約70重量%、または少なくとも約80重量%である。典型的には、本開示のKTI生成物の総KTIタンパク質濃度は、少なくとも約90重量%、好適には少なくとも約95重量%、およびより好適には少なくとも約99重量%である。
KTI純度と共に、本開示のKTI生成物の総タンパク質含量は有利であり、および/または技術分野の進歩に相当する。本開示の生成物のKTIタンパク質含量は、例えばOhnishi,S.T.,and Barr,J.K.,A simplified method of quantitating proteins using the biuret and phenol reagents.Anal.Biochem.,86,193(1978)に記載されるLowry法をはじめとする、当該技術分野で知られている従来の方法によって測定することもできる。一般に、本開示のKTI生成物の総タンパク含量は、少なくとも約60重量%(乾燥重量基準)、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約85重量%である。典型的には、本開示のKTI生成物の総タンパク量含量は、少なくとも約95重量%、好適には少なくとも約98重量%、より好適には少なくとも約99重量%である。
KTIタンパク質はトリプシンのみを阻害することが知られている一方で、タンパク質含有組成物の他の構成要素(例えばBBIタンパク質)は、トリプシンとキモトリプシンの双方を阻害することが知られている。したがって本開示のトリプシン阻害調製品中のキモトリプシン阻害物質活性の不在は、KTIタンパク質の存在を示唆する。
同様に、本開示のKTI生成物のトリプシン阻害物質活性(トリプシン阻害物質単位/gタンパク質、またはTIU/gタンパク質を単位として表される)は、例えばpH8.2および37℃で、ベンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリン(BAPAニトロアニリン)を基質として、その中で1TIUが1mgのトリプシンを阻害し得る基質量と定義され、1トリプシン単位が10分間あたり0.019のΔA410に等しい方法をはじめとする、当該技術分野で知られている従来の方法によって測定されてもよい。概して本開示のKTI生成物のトリプシン阻害物質活性は、少なくとも約300TIU/gタンパク質、典型的には少なくとも約500TIU/gタンパク質、より典型的には少なくとも約950TIU/gタンパク質、およびなおもより典型的には、少なくとも約1500TIU/gタンパク質である。
KTI生成物が、目下、適していると考えられる様々な用途は、内毒素含量が比較的低いことを必要とする。例えば様々な治療用途は、KTI生成物が、製薬等級材料に適用される規制を満たすことを必要とする。したがって様々な好ましい態様では、KTI生成物の総内毒素含量は、好適には約1.5EU/gタンパク質以下、より好適には約1EU/gタンパク質以下、さらにより好適には約0.5EU/gタンパク質以下、なおもより好ましくは、約0.25EU/gタンパク質以下である。例えばこのような様々な態様に従って、KTI生成物の総内毒素含量は、典型的には約0.1〜約1.5EU/gタンパク質、より典型的には約0.1〜約1.0EU/gタンパク質、なおもより典型的には約0.1〜約0.5EU/gタンパク質(例えば約0.1〜約0.25EU/gタンパク質)である。さらにまたは代案としては、本開示のKTI生成物の総内毒素含量は、1グラムのタンパク質当たり約5.0内毒素単位(EU/gタンパク質)以下であり、または約2.5EU/gタンパク質以下である。例えば様々な態様で、総内毒素含量は、約0.1〜約5.0EU/gタンパク質、または約0.1〜約2.5EU/gタンパク質である。
本開示のKTI生成物は、上で特定される特性の1つ、組み合わせ、または全部を示してもよいものと理解される。例えば、本開示のKTI生成物は、特定されるKTI純度および総タンパク量含量を示してもよい。KTI生成物はまた、特定されるKTI純度、トリプシン阻害物質活性、および本明細書で開示される配列を示してもよい。さらなる例として、KTI生成物は、特定されるKTIタンパク質濃度および総内毒素含量を示してもよい。これらの態様で、そしてなおも別の態様で、本開示のKTI生成物は、特定される総大豆タンパク質濃度およびトリプシン阻害物質活性を示してもよい。さらなる例として、本開示のKTI生成物は、特定される総大豆タンパク質濃度および総内毒素含量を示してもよい。これらのKTI生成物の諸特性の組み合わせは例示的であり、この一覧が網羅的であることは意図されない。すなわち本開示に従って、KTI生成物は、上で特定される何れかの範囲内の上で特定される何れかの値で、上記の諸特性のあらゆる組み合わせを示してもよい。
本発明のKTIは、天然植物ベースのマトリックスからKTIを分離、単離、または精製できるようにする、あらゆる原料またはあらゆるプロセスから入手し得る。非限定的例として、天然植物ベースのマトリックスは、例えば大豆、トウモロコシ、エンドウマメ、カノーラ、ヒマワリ、ソルガム、米、アマランス、ジャガイモ、タピオカ、葛、カンナ、ルピナス、セイヨウアブラナ、小麦、オート麦、ライ麦、大麦、落花生、タチナタマメ、ハトムギ、マメ科植物、トンカマメ、フジマメ、ランスポッド(lancepods)(例えば、アップルリーフシード(apple leaf seed))、アルファルファ、スメイルメディックシード(snail medic seeds)、ライマメ、サンドマメ、インゲンマメ、ツルナシインゲンマメ、サトウキビ、キビ、材木用樹木、ホウレンソウ、チャプル(chapule)、繊毛虫類、デザートバナナ、レンズマメ、ふすま、ソラマメ、緑豆、小豆、ササゲ、ジャトロファ属、緑藻類、およびそれらの組み合わせをはじめとする、マメ科植物に由来し得る。本発明の特定の態様では、KTIは様々な加工ストリーム中で大豆から得られる。様々な大豆加工ストリームとしては、例えば水性大豆抽出物ストリーム(脱脂大豆材料からなど、その中で大豆ストリームタンパク質の構成要素が可溶性形態であるあらゆるストリーム)、水性豆乳抽出物ストリーム(その中で大豆ストリームタンパク質の構成要素が可溶性形態であるホールまたは部分的脱脂大豆材料からのあらゆるストリーム)、水性大豆ホエーストリーム(貯蔵タンパク質の沈殿または塩析から得られるあらゆるホエーストリーム;沈殿法としては熱ならびに化学処理が挙げられる)、水性大豆糖蜜ストリーム(水性大豆ホエーストリームからの水分除去によって発生するあらゆるストリーム)、水性大豆タンパク質濃縮物大豆糖蜜ストリーム(大豆タンパク質濃縮工程からの可溶性糖類のアルコール抽出からのあらゆるストリーム)、水性大豆透過液ストリーム(より小さな分子量タンパク質が膜を通過する、異なる分子量タンパク質画分の分離から得られるあらゆるストリーム)、および水性豆腐ホエーストリーム(豆腐凝固工程から得られるあらゆるホエーストリームを含む)が挙げられる。本発明の方法によって単離されるKTI生成物の量は、1グラム程度にわずかであってもよく(実験室規模単離)、または数メートルトンであってもよい(工業的または大規模単離)。
C.水性ホエーストリーム
大豆加工ストリームの一種である水性ホエーストリームおよび糖蜜ストリームは、ホールマメ科植物または油糧種子の精製過程から発生する。ホールマメ科植物または油糧種子は、多様な適切な植物に由来してもよい。非限定的例として、適切な植物としては、例えば大豆、トウモロコシ、エンドウマメ、カノーラ、ヒマワリ、ソルガム、米、アマランス、ジャガイモ、タピオカ、葛、カンナ、ルピナス、セイヨウアブラナ、小麦、オート麦、ライ麦、大麦、落花生、タチナタマメ、ハトムギ、マメ科植物、トンカマメ、フジマメ、ランスポッド(lancepods)(例えば、アップルリーフシード(apple leaf seed))、アルファルファ、スネイルメディックシード(snail medic seeds)、ライマメ、サンドマメ、インゲンマメ、ツルナシインゲンマメ、サトウキビ、キビ、材木用樹木、ホウレンソウ、チャプル(chapule)、繊毛虫類、デザートバナナ、レンズマメ、ふすま、ソラマメ、緑豆、小豆、ササゲ、ジャトロファ属、緑藻類、およびそれらの組み合わせをはじめとするマメ科植物が挙げられる。一実施形態では、マメ科植物は大豆であり、大豆の精製過程から発生する水性ホエーストリームは、水性大豆ホエーストリームである。
大豆タンパク質単離物の製造において発生する水性大豆ホエーストリームは、概して比較的希釈されており、典型的には廃棄物として廃棄される。特に水性大豆ホエーストリームは、典型的には約10重量%未満、典型的には約7.5重量%未満、なおもより典型的には約5重量%未満の総固形分を有する。例えば様々な態様で、水性大豆ホエーストリームの固形分は約0.5〜約10重量%、約1重量%〜約4重量%、または約1〜約3重量%(例えば約2重量%)である。したがって工業的大豆タンパク質単離物製造中に、処理または廃棄しなくてはならない顕著な体積の廃水が発生する。
大豆ホエーストリームは、典型的には、出発原料大豆の最初の大豆タンパク質含量のかなりの部分を含有する。本明細書の用法では「大豆タンパク質」という用語は、概して、大豆に天然のあらゆるそして全てのタンパク質を指す。天然大豆タンパク質は、概して、親水性シェルで取り囲まれる疎水性コアを有する球形タンパク質である。例えばグリシニンやβ−コングリシニンなどの貯蔵タンパク質をはじめとする、多数の大豆タンパク質が同定されている。大豆タンパク質は同様に、上記のKTIタンパク質などのプロテアーゼインヒビターを含む。大豆タンパク質はまた、レクチン、リポキシゲナーゼ、β−アミラーゼ、およびルナシンなどの赤血球凝集素も含む。大豆植物は、形質転換されて、常態では大豆植物によって発現されない他のタンパク質を産生しうることに留意されたい。本明細書の「大豆タンパク質」への言及は、このようにして生成されたタンパク質を同様に考察するものと理解される。
乾燥重量基準で、大豆タンパク質は、大豆ホエーストリームの少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、または少なくとも約20重量%(乾燥重量基準)を構成する。典型的には、大豆タンパク質は、大豆ホエーストリームの約10〜約40重量%、または約20重量%〜約30重量%(乾燥重量基準)を構成する。大豆タンパク質単離物は、典型的には、大豆の貯蔵タンパク質のかなりの部分を含有する。しかし単離沈殿後に残留する大豆ホエーストリームも、同様に1つまたは複数の大豆貯蔵タンパク質を含有する。
様々な大豆タンパク質に加えて、水性大豆ホエーストリームは、同様に1つまたは複数の炭水化物(すなわち糖類)を含んでなる。概して、糖類は大豆ホエーストリームの少なくとも約25%、少なくとも約35%、または少なくとも約45重量%を(乾燥重量基準)を構成する。典型的には、糖類は大豆ホエーストリームの約25%〜約75%、より典型的には約35%〜約65%、なおもより典型的には、約40%〜約60重量%(乾燥重量基準)を構成する。
大豆ホエーストリームの糖類は、概して1つまたは複数の単糖類、および/または1つまたは複数のオリゴ糖類または多糖類を含む。例えば様々な態様で、大豆ホエーストリームは、グルコース、果糖、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される単糖類を含んでなる。典型的には単糖類は大豆ホエーストリーム(乾燥重量基準)の約0.5%〜約10重量%、より典型的には約1%〜約5重量%を構成する。さらにこれらの態様および様々な他の態様に従って、大豆ホエーストリームは、スクロース、ラフィノース、スタキオース、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるオリゴ糖類を含んでなる。典型的にはオリゴ糖類は、大豆ホエーストリームの約30%〜約60%、より典型的には、約40%〜約50重量%(乾燥重量基準)を構成する。
水性大豆ホエーストリームはまた、典型的には、例えば様々なミネラル、フィチン酸、クエン酸、およびビタミンをはじめとする多様な構成要素を含む、灰画分を含んでなる。大豆ホエーストリーム中に典型的に存在するミネラルとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、塩化物、鉄、マンガン、亜鉛、銅、およびそれらの組み合わせが挙げられる。大豆ホエーストリーム中に存在するビタミンとしては、例えばチアミンおよびリボフラビンが挙げられる。その正確な組成にかかわらず、灰画分は、典型的には大豆ホエーストリームの約5%〜約30%、より典型的には約10%〜約25重量%(乾燥重量基準)を構成する。
水性大豆ホエーストリームはまた、典型的には、概して大豆ホエーストリームの約0.1%〜約5重量%(乾燥重量基準)を構成する、脂肪画分を含んでなる。本発明の特定の態様では、脂肪含量は酸加水分解によって測定され、大豆ホエーストリームの約3重量%(乾燥重量基準)である。
上の構成要素に加えて、水性大豆ホエーストリームはまた、典型的には、例えば様々な細菌、カビ、および酵母をはじめとする、1つまたは複数の微生物を含んでなる。これらの構成要素の比率は、典型的には、ミリリットル当たり約100〜約1×109コロニー形成単位(CFU)で変動する。本明細書の他の箇所で詳述されるように、様々な態様で、タンパク質の回収および/または単離に先だって、水性大豆ホエーストリームを処理してこれらの構成要素を除去する。
言及されたように、大豆タンパク質単離物の従来の製造は、典型的には大豆タンパク質単離物の単離後に残留する、水性大豆ホエーストリームの廃棄を含む。本開示に従って、1つまたは複数のタンパク質および様々な他の構成要素(例えば糖類およびミネラル)の回収は、比較的純粋な水性ホエーストリームをもたらす。タンパク質および1つまたは複数の構成要素が除去されていない従来の大豆ホエーストリームは、概して廃棄および/または再利用に先だって処理が必要である。本開示の様々な態様に従って、水性ホエーストリームは、行うとしても最小の処理で廃棄され、またはプロセス水として利用されてもよい。例えば水性ホエーストリームは、本開示の1つまたは複数の濾過(例えば透析濾過)操作で使用されてもよい。
大豆糖蜜ストリームは追加的タイプの大豆加工ストリームであることから、本明細書に記載される方法は、大豆タンパク質単離物の製造において発生する水性大豆ホエーストリームからのKTIタンパク質の回収に加えて、同様に、大豆タンパク質濃縮物の製造において発生する大豆糖蜜ストリームの1つまたは複数の構成要素の回収に適するものと理解される。
D.KTIタンパク質の回収
本明細書に記載される方法は、ホールマメ科植物または油糧種子の精製過程から発生する水性ホエーストリーム中に存在する、精製KTIタンパク質の回収および単離を対象とする。上で考察したように、ホールマメ科植物または油糧種子は、多様な適切な植物に由来してもよい。非限定的例として、適切な植物としては、例えば大豆、トウモロコシ、エンドウマメ、カノーラ、ヒマワリ、ソルガム、米、アマランス、ジャガイモ、タピオカ、葛、カンナ、ルピナス、セイヨウアブラナ、小麦,オート麦、ライ麦、大麦、落花生、タチナタマメ、ハトムギ、マメ科植物、トンカマメ、フジマメ、ランスポッド(lancepods)(例えば、アップルリーフシード(apple leaf seed))、アルファルファ、スネイルメディックシード(snail medic seeds)、ライマメ、サンドマメ、インゲンマメ、ツルナシインゲンマメ、サトウキビ、キビ、材木用樹木、ホウレンソウ、チャプル(chapule)、繊毛虫類、デザートバナナ、レンズマメ、ふすま、ソラマメ、緑豆、小豆、ササゲ、ジャトロファ、緑藻類、およびそれらの混合物をはじめとするマメ科植物が挙げられる。一実施形態では、マメ科植物は大豆であり、大豆精製過程から発生する水性ホエーストリームは、水性大豆ホエーストリームである。
様々な態様で、本開示は大豆タンパク質単離物の製造において発生する水性大豆ホエーストリーム中に存在する、KTIタンパク質を回収および単離する方法を提供する。本発明の方法が、大豆ホエーまたは大豆糖蜜ストリームに限定されるものではなく、多種多様なマメ科植物加工ストリームから、タンパク質および様々な他の構成要素を回収するのに使用されてもよいことに留意すべきである。様々な態様で、高比率のKTIタンパク質を含んでなる画分が、大豆ホエーストリームから回収される。
本開示の方法によって処理された大豆ホエーストリームは、概して比較的希釈されている。KTIタンパク質の回収および/または単離を促進するために、ホエーストリームは好適には、方法の初期段階で濃縮される。大豆ホエーストリームを濃縮することは、ホエーストリームからのKTIタンパク質の回収および分離を助ける。例えば本開示の好ましい実施形態では、KTIタンパク質の回収に先だって、水性大豆ホエーまたはその画分を分離膜に接触させ、水性大豆ホエーを含んでなる残余分と、水を含んでなる透過液とを形成することで、水性大豆ホエーから水を除去する。本開示の別の実施形態では、当該技術分野で知られているあらゆる方法を通じて、例えば蒸発によって、水を大豆ホエーから除去してもよい。
KTIタンパク質の回収と共に、本開示の方法は、典型的には、大豆ホエーストリーム中に存在する糖類からタンパク質を分離する。場合により、本開示の方法は、大豆ホエーストリームの糖類を1つまたは複数の画分(例えば単糖類に富む画分および/またはオリゴ糖類に富む画分)に分離するように、構成され制御されていてもよい。これは多段階で実施して、タンパク質から異なる糖類を分離してもよい。大豆ホエーストリームからの糖類の回収は、このようにしてさらなる生成流を提供する。言及されたように、糖の除去は、典型的には、それから糖類を分離し得る画分を生成し、濃縮糖画分、および行うとしても最小の処理で廃棄され、またはプロセス水として再循環されてもよい比較的純粋な水性画分の双方が生じる。
糖類を除去する残余分の処理に続き、残余分をさらに処理して追加的構成要素を除去する。言及されたように、本開示によって処理されてもよい様々な大豆ホエーストリームは、1つまたは複数のミネラル(例えばリンおよびカルシウム)を含む。1つまたは複数のミネラルの存在は、例えば膜の汚損と、回収を所望する構成要素(すなわちKTIタンパク質)からの分離の困難さによって、後処理過程に難題をもたらすこともあることが観察されている。これらの所望の構成要素の回収に加えて、概して大豆ホエーからのミネラルの除去は、目下、純度がより高いことを特徴とするKTI生成物の回収にも寄与すると考えられている。本明細書の他の箇所で詳述されるように、大豆ホエーからのミネラル除去は、概して、例えば沈殿および遠心分離をはじめとする、当該技術分野で知られている方法に従って進行させてもよい。フィチン酸が、典型的には、本方法によって処理された水性大豆ホエーストリーム中に存在するので、カルシウムおよびマグネシウムなどのミネラルは、典型的にはフィチン酸カルシウムおよびフィチン酸マグネシウムの形態で回収される。除去される他のミネラルとしては、例えばナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、マンガン、および銅もまた挙げられる。
本開示は、大豆タンパク質単離物の製造において発生する、水性大豆ホエーストリームからのKTIタンパク質の回収に適した多様な方法を包含する。概して、本開示の方法は、水性大豆ホエーストリーム特定の構成要素を分離するように設計され設定された1つまたは複数の操作を含み、それによってホエーストリームを濃縮し、精製KTIタンパク質をそれから回収できるようにする。
概して、本開示に従って、例えば以下をはじめとする、当該技術分野で良く知られている多様な分離または精製技術の何れかを利用して、水性大豆ホエー中に見られる様々な妨害性構成要素を除去し、それから精製KTIタンパク質を単離してもよい。膜分離技術(例えば限外濾過、精密濾過、ナノ濾過などの濾過、および/または逆浸透)、クロマトグラフ分離技術(例えばイオン交換クロマトグラフィー、膜クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過、および例えばアニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィーをはじめとする親和性クロマトグラフィー、模擬移動床クロマトグラフィー、膨張床吸着クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、および/または混合床イオン交換)、電気泳動、透析、微粒子濾過、沈殿、遠心分離、結晶化、およびそれらの組み合わせ。濾過用途では、濾過媒質の透過度が、サンプルの化学、分子または静電諸特性によって影響され得るが、様々な構成要素分離の主要原理は分子サイズである。本明細書の他の箇所で詳述されるように(例えば下の図1A、1B、1C、および1Dへの言及)、本開示の方法は、典型的には、除去するホエーストリームの特定構成要素次第で、1つを超えるタイプの分離膜を利用する。例えば方法の一工程は限外濾過分離膜を利用し、ナノ濾過分離膜を用いる1つまたは複数の工程がそれに続いてもよい。
不溶性固形物の除去の特定の態様では、微粒子濾過、沈殿、遠心分離、結晶化、およびそれらの組み合わせを使用してもよい。これらの方法によって除去される不溶性固形物は、典型的には20μmを超える。
精密濾過は、精密濾過膜を使用することで、固体粒子を流体から分離する方法である。適切な精密濾過膜は、例えばポリスルホン、変性ポリスルホン、セラミック、およびステンレス鋼をはじめとする当該技術分野で知られている適切な材料から構成される。精密濾過膜は、典型的には、約0.1ミクロン(μm)〜約20μmの範囲の孔径を有する。特定の態様では、精密濾過膜は約0.2μm〜約2μmにわたる孔径を有する。
限外濾過は精密濾過と類似するが、分離膜の孔径の点で異なる。限外濾過膜は、典型的には、より低い分子量を有する分子から、(例えばタンパク質をはじめとする)高分子量を有する分子を分離するのに使用される。適切な限外濾過膜は、典型的には、例えばポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニリデンフッ化物(PVDF)、再生セルロース(RC)、セラミック、ステンレス鋼、または薄膜複合材などの当該技術分野で知られている適切な材料から構成される。限外濾過膜は、典型的には約1〜約300キロダルトン(kDa)または約5〜約50kDaの分画分子量(MWCO)を有する。さらにまたは代案としては、適切な限外濾過膜は、約0.002μm〜約0.5μmの孔径を有してもよい。
ナノ濾過を使用して、流体から小分子が除去される。適切なナノ濾過膜は、典型的には、当該技術分野で知られている適切な材料(例えばポリエステル上のポリエーテルスルホン、ポリスルホン、セラミック、およびポリアミド−タイプの薄膜複合材)から構成され、典型的には約0.1〜約5kDaまたは約1〜約4kDaのMWCOを有する。さらにまたは代案としては、適切なナノ濾過膜は、約0.0009μm〜約0.009μmの孔径を有してもよい。
逆浸透(または超濾過)は、典型的には糖類の濃縮のために使用される。適切な逆浸透膜としては、概して当該技術分野で知られているもの(例えば孔径が0.5nm未満の膜)が挙げられる。
本発明の濾過工程で利用される分離膜は、単独でまたは組み合わせで、当該技術分野で知られている、1つまたは複数の立体配置に従って配置されもよい。例えば膜は、その中で(任意の分離スクリーン層と共に)膜層が共に組み合わされた、平板、またはカセットモジュールの形態に構成されてもよい。水性大豆ホエーは、概して重なりの一端の交互の溝内に導入され、流体は膜を通過して、1つまたは複数の濾液または透過液溝に入る。分離膜はまた、その中で膜の交互の層が中空の中核周囲に巻かれる、らせん巻きモジュールに配列されてもよい。水性大豆ホエーがモジュールの一端に導入される一方で、流体は膜の交互の層を通過して、モジュールのコア内に向かう。さらなる例として、分離膜は、比較的細い膜管束を含んでなる中空繊維モジュールに配列されてもよい。水性大豆ホエーがモジュール内に導入され、流体は、モジュールを通過する大豆ホエー流を横断する膜管束を通過する。適切な膜配置は、例えばその内容全体を参照によって本明細書に援用する、米国特許第6,946,075号明細書に記載される。
本発明の濾過工程は、本明細書でさらに詳しく述べるように、正流(垂線流)濾過または接線流(十字流)濾過を利用してもよい。正流または垂線流濾過では、流体(すなわち水性大豆ホエー)は、そのまま分離膜に向かって運ばれる。代案としては、接線流または十字流濾過では、流体(すなわち水性大豆ホエー)は、分離膜表面に沿って接線方向に運ばれてもよい。接線流または十字流濾過の1つの利点は、水性大豆ホエー流によって膜上に接線方向に及ぼされる摩擦または掃引力が、典型的には、流動速度を保つのを助けることである。したがって本開示の方法の様々な態様において、1つまたは複数のステップ、およびそれらの組み合わせは、十字流濾過として操作される。適切な十字流フィルターとしては、米国特許第6,946,075号明細書に記載されるものをはじめとする、概して当該技術分野で知られているものが挙げられる。液体通過は、適切には、正流および/または接線(すなわち十字)流に従って進行してもよいものと理解される。図1A、1B、1C、および1Dに示される実施形態、およびその他の態様との関連で、本明細書の他の箇所で詳述される他の膜分離ユニットを通る液体の通過は、これらの機序のどちらかまたは双方に従って進行してもよいものとさらに理解される。
本発明によって記載される方法は、大豆ホエーストリームから様々な構成物を逐次除去し、またはKTI生成物を回収または単離する、適切な分離操作または操作の組み合わせの選択を伴い、KTI生成物は、当該技術分野でかつて達成されたことのない純度レベルを有する。概して、および本明細書の他の箇所で詳述されるように、KTIタンパク質を回収する方法は、膜分離と(例えばイオン交換)クロマトグラフ分離操作の組み合わせを利用する。
本明細書の他の箇所で言及されるように、本開示の方法によって処理された水性大豆ホエーストリームは、概して比較的希釈されている。様々な態様で、水性大豆ホエーは、標的とされる個々のタンパク質の回収に先だって、水分除去により少なくとも約2(例えば約3または約6)の濃縮係数に濃縮される。
KTIタンパク質を回収する他の方法と比較して、模擬移動床(SMB)クロマトグラフィーによるKTIタンパク質の回収は、概して、少なくともある程度は水性大豆ホエーの複数サンプル処理への適応性に起因する、コスト低下、処理能力、および/または順応性の利点もまた提供してもよい。
大豆ホエーストリームの1つまたは複数の構成要素が、KTIタンパク質の回収を妨げることもあることが観察されている。例えば大豆タンパク質単離物の製造中に、典型的にはシリコーンであるケイ素化合物が、通常、Hydrite ChemicalまたはEmerald Performance Materialsから市販されるものなどのケイ素含有化合物の形態で、脱泡剤として導入されることが多い。正確な起源を問わず、有機ケイ素化合物は、典型的には、ケイ素含量を基準にして約15百万分率(ppm)まで、約10ppmまで、または約5ppmまでの濃度で、大豆ホエーストリーム中に存在する。有機ケイ素化合物の存在は大豆ホエーストリームのKTIタンパク質の回収を妨げることもあるので、概して望まれない。
したがって本明細書の他の箇所で詳述されるように、KTIタンパク質の回収および分離処理に先だって、様々な態様で、大豆ホエーストリームからシリコーンおよび/または他の有機ケイ素化合物が除去される。好適には、ケイ素化合物は、本明細書でさらに詳述するように、大豆ホエーが痕跡量以下のレベルの有機ケイ素を含有する程度まで、除去される。さらにまたは代案としては、水性大豆ホエーは、水性大豆ホエーの所望の構成要素の回収を妨げることもあり、および/または方法の最終回収生成物中で望まれない、1つまたは複数の微生物を含むこともある。
これらの妨害性構成要素を除去するために、ケイ素脱泡剤および/または1つまたは複数の微生物の保持に対して選択的である分離膜を使用して、大豆ホエーストリームを濾過して、ケイ素および/または1つまたは複数の微生物を含んでなる残余分と、水性大豆ホエーを含んでなる透過液とを得てもよい。この最初の精製で使用される(例えば精密濾過をはじめとする)特定の膜は、除去する構成要素を考慮して選択される。選択される膜のタイプ、および大豆ホエーストリームから除去する構成要素にかかわらず、好適には所望のKTIタンパク質の少なくともかなりの部分が、そして好適には実質的に全部が、残余分中に見られる。さらにこの点において、水性大豆ホエーを含んでなる透過液への言及は、1つまたは複数の不純物を除去するホエーストリームの処理が大豆ホエーストリームの他の構成要素に及ぼす影響は、たとえあったとしてもわずかであることを示唆することに留意されたい。
様々な代案の態様で、ホエーストリームに含有される細菌は、タンパク質回収に先だって加熱により死滅させてもよい。細菌を破壊するための大豆ホエーストリームの加熱様式は厳密に決定的でなく、概して、当該技術分野で知られている従来の方法に従って行ってもよい。
分離は決して100%でないため、各ストリーム中に残留構成要素があり得ることが分離技術当業者によって理解される。さらに当業者は、分離技術が出発原料次第で異なり得ることを理解する。
工程0(図1A参照)−ホエータンパク質前処理は、単離大豆タンパク質(ISP)糖蜜、ISPホエー、大豆タンパク質濃縮物(SPC)糖蜜、SPCホエー、機能性大豆タンパク質濃縮物(FSPC)ホエー、およびそれらの組み合わせをはじめとするが、これに限定されるものではない、供給流から出発し得る。ホエータンパク質前処理工程で使用し得る加工助剤としては、酸、塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、塩酸、水、蒸気、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。pHを調節した後の工程0のpHは、約3.0〜約6.0、または3.5〜5.5、または約5.3であり得る。温度は約70℃〜約95℃、または約85℃であり得る。温度保持時間は約0分間〜約20分間で異なり、または約10分間であり得る。保持時間後、ホエーストリームから沈殿物を分離するために、典型的には間欠排出ディスク清澄化遠心分離である遠心分離工程にストリームを通過させる。ホエータンパク質前処理からの生成物としては、ストリーム0a中のホエーストリーム(前処理大豆ホエー)(分子量約50キロダルトン(kDa)以下)の水相中の可溶性構成要素と、前処理大豆ホエー、貯蔵タンパク質、およびそれらの組み合わせなどのストリーム0b中の不溶性のより大きな分子量のタンパク質(約300kDa〜約50kDa)とが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程1(図1A参照)−微生物学減少(Microbiology reduction)は、前処理大豆ホエーをはじめとするが、これに限定されるものではない、ホエータンパク質前処理工程の生成物から出発し得る。この工程は、前処理大豆ホエーの精密濾過を伴う。この工程のプロセス変量および代替物としては、遠心分離、全量濾過、加熱滅菌、紫外線滅菌、精密濾過、十字流膜濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。十字流膜濾過としては、らせん巻き、平板、中空繊維、セラミック、動的または回転ディスク、ナノファイバー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程1のpHは、約2.0〜約12.0、または約3.5〜約5.5、または約5.3であり得る。温度は約5℃〜約90℃、または約25℃〜75℃または約50℃であり得る。工程1からの生成物としては、ストリーム1a中の貯蔵タンパク質、微生物、ケイ素、およびそれらの組み合わせと、ストリーム1b中の精製前処理大豆ホエーが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程2(図1A参照)−水およびミネラル除去は、ストリーム1bまたは4aからの精製前処理大豆ホエー、またはストリーム0bからの前処理大豆ホエーから出発し得る。それは水除去および部分的ミネラル除去のためのナノ濾過工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、十字流膜濾過、逆浸透、蒸発、ナノ濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。十字流膜濾過としては、らせん巻き、平板、中空繊維、セラミック、動的または回転ディスク、ナノファイバー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程2のpHは、約2.0〜約12.0、または約3.5〜約5.5、または約5.3であり得る。温度は約5℃〜約90℃、または約25℃〜75℃、または約50℃であり得る。この水除去工程からの生成物としては、ストリーム2a中の精製前処理大豆ホエーと、ストリーム2b中の水、幾種かのミネラル、一価のカチオン、およびそれらの組み合わせとが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程3(図1A参照)−ミネラル沈殿工程は、ストリーム2aからの精製前処理大豆ホエー、またはストリーム0aまたは1bからの前処理大豆ホエーから出発し得る。それはpHおよび/または温度変化による沈殿工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、撹拌または再循環反応タンクが挙げられるが、これに限定されるものではない。ミネラル沈殿工程で使用し得る加工助剤としては、酸、塩基、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、塩酸、塩化ナトリウム、フィターゼ、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程3のpHは、約2.0〜約12.0、または約6.0〜約9.0、または約8.0であり得る。温度は約5℃〜約90℃、または約25℃〜75℃、または約50℃であり得る。pH保持時間は、約0分間〜約60分間、または約5分間〜約20分間で異なり、または約10分間であり得る。ストリーム3の生成物は、精製前処理大豆ホエーと沈殿したミネラルとの懸濁液である。
工程4(図1A参照)−ミネラル除去工程は、ストリーム3からの精製前処理ホエーと沈殿したミネラルとの懸濁液から出発し得る。それは遠心分離工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、遠心分離、濾過、全量濾過、十字流膜濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。十字流膜濾過としては、らせん巻き、平板、中空繊維、セラミック、動的または回転ディスク、ナノファイバー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。ミネラル除去工程からの生成物としては、ストリーム4a中の脱ミネラル前処理ホエーと、ストリーム4b中の幾種かのタンパク質ミネラル複合体がある不溶性ミネラルとが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程5(図1B参照)−タンパク質分離および濃縮工程は、ストリーム4aからの精製前処理ホエー、またはストリーム0a、1b、または2aからのホエーから出発し得る。それは限外濾過工程を含む。限外濾過工程で使用し得る加工助剤としては、酸、塩基、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、塩酸、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。この工程のプロセス変量および代替物としては、十字流膜濾過、限外濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。十字流膜濾過としては、らせん巻き、平板、中空繊維、セラミック、動的または回転ディスク、ナノファイバー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程5のpHは、約2.0〜約12.0、または約6.0〜約9.0、または約8.0であり得る。温度は、約5℃〜約90℃、または約25℃〜75℃、または約50℃であり得る。ストリーム5aからの生成物としては、大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、貯蔵タンパク質、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム5bからの生成物としては、ペプチド、大豆オリゴ糖類、ミネラル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程6(図1B参照)−タンパク質の洗浄および精製工程は、ストリーム4aまたは5aからの大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、貯蔵タンパク質、他のタンパク質、または精製前処理ホエー、またはストリーム0a、1b、または2aからのホエーから出発し得る。それは透析濾過工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、再スラリー化、十字流膜濾過、限外濾過、水透析濾過、緩衝液透析濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。十字流膜濾過としては、らせん巻き、平板、中空繊維、セラミック、動的または回転ディスク、ナノファイバー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。タンパク質洗浄および精製工程で使用し得る加工助剤としては、水、蒸気、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程6のpHは、約2.0〜約12.0、または約6.0〜約9.0、または約7.0であり得る。温度は、約5℃〜約90℃、約25℃〜75℃、または約50℃であり得る。ストリーム6aからの生成物としては、大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、貯蔵タンパク質、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム6bからの生成物としては、ペプチド、大豆オリゴ糖類、水、ミネラル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程7(図1C参照)−水分除去工程は、ストリーム5bおよび/またはストリーム6bからのペプチド、大豆オリゴ糖類、水、ミネラル、およびそれらの組み合わせから出発し得る。それはナノ濾過工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、逆浸透、蒸発、ナノ濾過、水透析濾過、緩衝液透析濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程7のpHは、約2.0〜約12.0、または約6.0〜約9.0、または約7.0であり得る。温度は、約5℃〜約90℃、約25℃〜75℃、または約50℃であり得る。ストリーム7aからの生成物としては、ペプチド、大豆オリゴ糖類、水、ミネラル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム7bからの生成物としては、水、ミネラル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程8(図1C参照)−ミネラル除去工程は、ストリーム5b、6b、7a、および/または12bからのペプチド、大豆オリゴ糖類、水、ミネラル、およびそれらの組み合わせから出発し得る。それは電気透析膜工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、イオン交換カラム、クロマトグラフィー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。このミネラル除去工程で使用し得る加工助剤としては、水、酵素、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。酵素としては、プロテアーゼ、フィターゼ、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程8のpHは、約2.0〜約12.0、または約6.0〜約9.0、または約7.0であり得る。温度は、約5℃〜約90℃、約25℃〜50℃、または約40℃であり得る。ストリーム8aからの生成物としては、導電率が約10ミリジーメンス/センチメートル(mS/cm)〜約0.5mS/cm、または約2mS/cmの脱ミネラル大豆オリゴ糖類が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム8bからの生成物としては、ミネラル、水、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程9(図1C参照)−色除去工程は、ストリーム8a、5b、6b、12b、および/または7a)からの脱ミネラル大豆オリゴ糖類から出発し得る。それは活性炭素床を利用する。この工程のプロセス変量および代替物としては、イオン交換が挙げられるが、これに限定されるものではない。この色除去工程で使用し得る加工助剤としては、活性炭素、イオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。温度は、約5℃〜約90℃、または約40℃であり得る。9aからの生成物ストリームとしては、着色化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム9bは脱色溶液である。ストリーム9bからの生成物としては、大豆オリゴ糖類、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程10(図1C参照)−大豆オリゴ糖類分画工程は、ストリーム9b、5b、6b、7a、および/または8aからの大豆オリゴ糖類、およびそれらの組み合わせから出発し得る。それはクロマトグラフィー工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、クロマトグラフィー、ナノ濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。この大豆オリゴ糖類分画工程で使用し得る加工助剤としては、当業者なら使用樹脂に基づいて分かるであろう、pHを調節するための酸または塩基が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム10aからの生成物としては、大豆オリゴ糖類が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム10bからの生成物としては、大豆オリゴ糖類が挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程11(図1C参照)−水分除去工程は、ストリーム9b、5b、6b、7a、8a、および/または10bからの大豆オリゴ糖類から出発し得る。それは蒸発工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、蒸発、逆浸透、ナノ濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。水除去工程で使用し得る加工助剤としては、脱泡剤、蒸気、真空、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。温度は、約5℃〜約90℃、または約60℃であり得る。ストリーム11aからの生成物としては、水が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム11bからの生成物としては、大豆オリゴ糖類が挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程12(図1C参照)−大豆オリゴ糖類工程からの追加的タンパク質分離は、ストリーム7a、5b、および/または6bからのペプチド、大豆オリゴ糖類、水、ミネラル、およびそれらの組み合わせから出発し得る。それは限外濾過工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、十字流膜濾過、孔径約50kDa〜約1kDaの限外濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。十字流膜濾過としては、らせん巻き、平板、中空繊維、セラミック、動的または回転ディスク、ナノファイバー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。この糖類工程からのタンパク質分離で使用し得る加工助剤としては、酸、塩基、プロテアーゼ、フィターゼ、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程12のpHは約2.0〜約12.0、約7.0であり得る。温度は、約5℃〜約90℃、約25℃〜75℃、または約50℃であり得る。ストリーム12bからの生成物としては、大豆オリゴ糖類、水、ミネラル、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム12aからの生成物としては、ペプチド、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程13(図1C参照)−水分除去工程は、ストリーム12aからのペプチド、および他のタンパク質から出発し得る。それは蒸発工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、逆浸透、ナノ濾過、噴霧乾燥、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム13aからの生成物としては、水が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム13bからの生成物としては、ペプチド、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程14(図1B参照)−タンパク質分画工程は、ストリーム6aおよび/または5aからの大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、貯蔵タンパク質、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせから出発して実施されてもよい。それは限外濾過(孔径300kDa〜10kDa)工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、十字流膜濾過、限外濾過、ナノ濾過、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。十字流膜濾過としては、らせん巻き、平板、中空繊維、セラミック、動的または回転ディスク、ナノファイバー、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。工程14のpHは、約2.0〜約12.0、または約6.0〜約9.0、または約7.0であり得る。温度は約5℃〜約90℃、約25℃〜75℃、または約50℃であり得る。ストリーム14aからの生成物としては、貯蔵タンパク質が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム14bからの生成物としては、大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程15(図1B参照)−水分除去工程は、ストリーム6a、5a、および/または14bからの大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、および他のタンパク質から出発し得る。それは蒸発工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、蒸発、ナノ濾過、RO、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム15aからの生成物としては、水が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム15bの生成物としては、大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程16(図1B参照)−熱処理およびフラッシュ冷却工程は、ストリーム6a、5a、14b、および/または15bからの大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、および他のタンパク質から出発し得る。それは超高温工程を含む。この工程のプロセス変量および代替物としては、加熱滅菌、蒸発、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。この熱処理およびフラッシュ冷却工程で使用し得る加工助剤としては、水、蒸気、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。加熱工程の温度は、約129℃〜約160℃、または約152℃であり得る。温度保持時間は、約8秒間〜約15秒間、または約9秒間であり得る。フラッシュ冷却時には、温度は約50℃〜約95℃、または約82℃であり得る。ストリーム16からの生成物としては、大豆ホエータンパク質が挙げられるが、これに限定されるものではない。
工程17(図1B参照)−乾燥工程は、ストリーム6a、5a、14b、15b、および/または16からの大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、および他のタンパク質から出発し得る。それは乾燥工程を含む。液体供給温度は、約50℃〜約95℃、または約82℃であり得る。入口温度は、約175℃〜約370℃、または約290であり得る℃。排気温度は、約65℃〜約98℃、または約88℃であり得る。17aからの生成物ストリームとしては、水が挙げられるが、これに限定されるものではない。ストリーム17bからの生成物としては、BBI、KTI、他のタンパク質、およびそれらの組み合わせを含む、大豆ホエータンパク質が挙げられるが、これに限定されるものではない。
図1Dは大豆タンパク質単離物の製造において発生する大豆ホエーストリームから、1つまたは複数の個々のタンパク質を回収する、本開示の方法の実施形態を示す。
図1Dには示されないが、ホエータンパク質の前処理は、単離大豆タンパク質(ISP)糖蜜、ISPホエー、大豆タンパク質濃縮物(SPC)糖蜜、SPCホエー、機能性大豆タンパク質濃縮物(FSPC)ホエー、およびそれらの組み合わせをはじめとするが、これに限定されるものではない加工ストリームから出発し得る。前処理工程で使用し得る加工助剤ホエータンパク質としては、酸、塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、塩酸、水、蒸気、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。前処理工程のpHは、約3.0〜約6.0、好適には4.5であり得る。温度は約70℃〜約95℃、好適には約85℃であり得る。温度保持時間は、約0分間〜約20分間で異なり得て、好適には約10分間である。ホエータンパク質の前処理からの生成物としては、残余分中のホエーストリームの水相中の可溶性構成要素(前処理大豆ホエー)(分子量約50キロダルトン(kDa)以下)と、前処理大豆ホエー、貯蔵タンパク質、およびそれらの組み合わせなどの透過液中の不溶性の大きな分子量のタンパク質(約300kDa〜約50kDa)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
図1Dに示されるように、水性大豆ホエー1は、膜の反対側の第1の透過液ゾーン8内の圧力よりも高い圧力で分離膜7の片側に接する第1の濾過供給ゾーン6を含んでなる、膜分離ユニット5内に導入される。好適には、膜分離ユニット5は、少なくとも1つの精密濾過膜を含んでなる。
膜分離ユニット5内の分離膜7を横切る膜貫通圧力は、概して少なくとも約1psi、少なくとも約5psi、少なくとも約10psi、少なくとも約20psi、少なくとも約30psi、少なくとも約40psi、少なくとも約50psi、または少なくとも約75psiである。流体は、典型的には少なくとも約1リットル流体/時間−m2、または約1〜約400リットル流体/時間−m2の流れ方向を横断する膜断面積の体積流量または流速で膜を通過する。流速は、例えば濾過のタイプ、膜の汚損などによって影響されることもある。大豆ホエーは、典型的には約0℃〜約100℃の温度、より典型的には約25℃〜約75℃の温度で、膜分離ユニットの濾過供給ゾーン内に導入される。典型的には水性大豆ホエー1は、残余分のために体積が約5%減少する。分離膜を通過する液体通過は、第1の透過液ゾーン8内に、第1の残余分9と第1の透過液13をもたらす。第1の残余分9は、主として1つまたは複数の微生物と不溶性物質を含んでなり、特に第1の残余分9は、典型的には第1の透過液13と比較して微生物に富む。好適には、第1の残余分9は、水性大豆ホエーの微生物含量の実質的に全部でないとしても、かなりの部分を含有する。なおもより好ましくは、第1の残余分9はまた、消泡剤(例えば水性大豆ホエー中に存在する、有機ケイ素または脂質含有化合物のケイ素)のかなりの部分を含んでなり、特に好適には、消泡剤含量を基準にして、水性大豆ホエーの消泡剤含量の少なくとも約70重量%、より好適には少なくとも約80重量%、さらにより好適には少なくとも約90重量%を含んでなる。第1の透過液13は、主として、可溶性大豆貯蔵タンパク質、大豆ホエータンパク質、様々な糖類、水、ミネラル、イソフラボン、およびビタミンなどの水性大豆ホエーストリームの様々な残りの構成要素の全てを含んでなる。
再度図1Dに言及すると、第1の透過液13は、第2の透過液ゾーン20内の圧力よりも高い圧力で分離膜19の片側に接する第2の濾過供給ゾーン18を含んでなる、膜分離ユニット17内に導入される。膜分離ユニット17は、好適には分離膜19として、少なくとも1つの限外濾過膜を含んでなる。膜分離ユニット17内の分離膜19を越える膜貫通圧力は、概して少なくとも約5psi、少なくとも約10psi、少なくとも約25psi、少なくとも約50psi、少なくとも約100psi、または少なくとも約150psiである。流体は、典型的には、以下の体積流量または流速で膜を通過する。少なくとも約1リットル流体/時間−m2、または約1〜約150リットル流体/時間−m2の流れ方向を横断する膜断面積。大豆ホエーは、典型的には、約0℃〜約100℃の温度、より典型的には約25℃〜約75℃の温度で、膜分離ユニットの濾過供給ゾーン内に導入される。典型的には、水性大豆ホエー1は、少なくとも約5、または約5〜約75(例えば約25)の濃縮係数に濃縮される。限外濾過工程には透析濾過が含まれていてもよい。透析濾過体積は、典型的には、残余分1部当たり約1〜約10部の透析濾過体積に及んでもよい。
分離膜を通る液体通過は、第2の残余分21と第2の透過液25をもたらす。第2の残余分21は水性大豆ホエーのタンパク質含量の顕著な画分を含んでなり、したがってKTIタンパク質の回収のためにさらに処理される。好適には第2の残余分21は、第1の濾過供給ゾーン6内に導入された水性大豆ホエー中に存在する様々な大豆ホエータンパク質の少なくとも約25重量%〜少なくとも約90重量%(例えば少なくとも約50重量%)(乾燥重量基準)を含んでなる。
再度図1Dに言及すると、第2の透過液25は、概して、第2の残余分21中で回収されないあらゆるタンパク質と、大豆ホエーストリームの様々な他の構成要素(例えば様々な糖類、水、ミネラル、ビタミン、およびイソフラボン)とを含んでなる。図1Dには示されないが、水性ホエーストリームから個々の構成要素を単離しおよび/または除去するために、適切な分離操作に従って、第2の透過液25の構成要素をさらに処理してもよい。追加的分離工程に続いて、廃棄または使用に先立って、行うとしても最小の処理を要する、比較的純粋な水ストリームが好適には形成される。したがって本明細書に記載される本発明は、例えば環境の質を改善することで環境上の利点もまた有する。
第2の残余分21をキャリアストリーム23と合わせて、少なくとも1つのイオン交換樹脂30を含有する、イオン交換カラムまたはユニット29への供給材料24を形成する。キャリアストリームの正確な組成は、厳密に決定的ではない。典型的には、キャリアストリームのpHは、約1〜約7、より典型的には約2〜約6、なおもより典型的には約2〜約5で、なおもより典型的には約3〜約4である。KTIタンパク質の回収の様々な態様において、キャリアストリームは、例えばクエン酸ナトリウムをはじめとする非揮発性緩衝液、または例えばギ酸アンモニウムをはじめとする揮発性緩衝液を含んでなる。例えば様々な態様において、キャリアストリームは、約10〜約30ミリモル濃度(例えば20mM)の濃度で水性混合物中に対イオンを含有する、緩衝液を含んでなる。
第2の残余分21および/または供給流24のpHは大豆タンパク質の溶解度に影響を及ぼし、沈殿タンパク質はイオン交換カラムの汚損をもたらすこともある。したがって特定限度内で、イオン交換カラムへの供給材料の(例えば緩衝による)pH調節が所望されることもある。必要ならば供給材料のpHは、例えば第2の残余分の希釈、キャリアストリーム、および/または残余分とキャリアストリームの組み合わせによって提供される供給材料によって、範囲内に保たれてもよい。希釈剤の組成は厳密に決定的でなく、典型的には、当業者に容易に選択されてもよい水性媒体(例えば脱イオン水)である。供給材料のpHに影響を及ぼすのに加えて、希釈はまた、典型的には供給材料の固有イオン強度を低下させ、それはタンパク質とイオン交換樹脂の結合を促進する。さらにまたは代案としては、供給材料のpHは、キャリアストリームの選択によって制御されてもよい。
イオン交換樹脂は、第2の残余分21および供給材料24中に存在する、1つまたは複数のタンパク質の選択的保持および回収に適するように選択される。様々な態様で、イオン交換樹脂は、KTIタンパク質を非KTIタンパク質から分離するように、選択的なKTIタンパク質保持または非KTIタンパク質保持について選択される。以下の考察は、水性大豆ホエー(すなわち第2の残余分21)からのKTIタンパク質の回収および単離に注目する。しかし以下の手順は、他の標的タンパク質(例えばBBIタンパク質)ならびに水性以外の(例えば噴霧乾燥から戻された)他の各種受け入れストリームの回収のために、容易に適合できるものと理解される。
イオン交換ユニットの正確な構成にかかわらず、KTIタンパク質の回収のための適切なイオン交換樹脂としては、多様なカチオンおよびアニオン交換樹脂が挙げられる。イオン交換カラムへの供給材料次第で、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の両方がKTIタンパク質の回収に適するが、様々な態様でイオン交換樹脂はカチオン交換樹脂を含んでなる。例えばその等電点(pI)未満のpHに曝露したタンパク質は正電荷域を有する可能性がより高く、したがってカチオン交換樹脂とより密接に結合する。供給流中のほとんどのタンパク質(例えば大豆貯蔵タンパク質)は、KTI、そして供給材料の典型的なpHよりも高いpIを有する。したがってこれらのタンパク質は、典型的には樹脂とより密接に結合する。KTIタンパク質含有画分は、樹脂を適切な溶離液に接触させることにより、イオン交換カラムから容易に溶出させることもできる。
代案としては、供給材料のpHがKTIタンパク質のpIを下回るように調節して、イオン交換樹脂によるKTIタンパク質の保持を提供してもよい。他のタンパク質(例えばBBIタンパク質)もまた、樹脂に結合する。しかし所望の画分の回収は、タンパク質画分の差次的溶出のために、イオン交換樹脂を適切な溶離液と接触させることで進行させてもよい。
適切なカチオン交換樹脂としては、当該技術分野で良く知られている多様な樹脂が挙げられる。少なくとも1つの実施形態では、イオン交換樹脂は、Applied Biosystemsによって製造されるPoros 20 HSを含んでなり、これはスルホプロピル基(例えばプロピルスルホン酸、(OH)2S(O)−(CH23−)で官能化されたポリヒドロキシル化ポリマーで表面被覆された、架橋ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)マトリックスである。
再度図1Dに言及すると、供給材料24のイオン交換カラム30通過後、溶出KTIタンパク質ストリーム33を回収する。KTIタンパク質ストリーム33をさらに精製して95%以上の純度を達成するために、親和性クロマトグラフィーの使用を通じてKTIタンパク質ストリーム33を単離してもよい(図1Dには示されない)。親和性クロマトグラフィーは、典型的には単一工程で純度>95%を提供する精製技術である。それは標的分子の特定の天然のまたは追加された特性を利用して、サンプル中の全ての汚染物質から標的分子を単離する。KTIタンパク質ストリーム33を精製するために、先の工程で除去されなかった残留汚染物質、主に大豆レクチンは、親和性クロマトグラフィーを通じて容易に除去し得る。例えばN−アセチル−D−ガラクトサミン樹脂のカラム(カタログ番号A2787、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)など、あらゆる既製の特定用途向け樹脂(すなわち分離される化合物に対して特異的なリガンドがその表面に付着された樹脂)を使用して平衡化し得る。当該技術分野で知られている方法を使用して、KTIタンパク質ストリーム33を樹脂と同一の緩衝液組成に対して調節し、アフィニティカラムに注入して、それにより汚染物質を樹脂に付着させ、通過画分を精製KTI画分として収集する。
図2は、KTIタンパク質ストリーム33をはじめとする、図1Dで示される本発明の方法において単離された、様々な残余分および透過液のSDS−PAGE純度分析を図示する。レーン1は分離に先立つ大豆ホエーの組成を示し、複数成分の存在が示唆される。対照的に、レーン5は、図1Dに示される複数の分離操作に続く濃縮KTI画分(すなわちKTIタンパク質ストリーム33)を示す。2つのバンドの存在は、図1Dの分離工程に続いて、KTIタンパク質と1つの他の汚染物質(KTI画分の分子量に基づいて大豆レクチンであると推定される)が、大豆ホエーから単離されたことを示唆する。実質的に追加的構成要素を含まず、かつ高純度レベル(>95%)を有するKTI生成物を得るために、実施例に記載されるようにして、残留汚染物質(すなわち大豆レクチン)の除去を親和性クロマトグラフィーを通じて達成し得る。
図1A、1B、1C、および1Dに示されるプロセススキームは、使用出発原料や、上述の大豆ホエー構成要素の分離および回収順序に限定されるものではなく、例えば、添付の特許請求の範囲に記載されるものをはじめとする、上で論じたものと異なる加工ストリームを調製するのに利用してもよい。
E.KTIを製造する方法
特定の実施形態では、本発明のKTIタンパク質は、例えば組換え手段によって、または合成的に生成される。本発明のタンパク質の組換え生産は、当業者に知られている標準技術を使用して行われる。このような方法としては、例えば1つまたは複数のコード核酸配列を作成することが挙げられ、それは全長cDNA配列をテンプレートとして使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの方法によって実施し得る。所望の核酸配列の生成に続いて、配列を(例えば大腸菌(Escherichia coli)pCAL−n発現プラスミドをはじめとする)発現プラスミドに挿入し、次にそれを微生物に形質移入する;次に(例えば抗生物質耐性選択マーカーまたは発光選択マーカーをはじめとする)選択マーカーを使用して、所望の配列を含有するプラスミドを含有するクローン選択を実施する;所望の配列を含有するプラスミドを含有するクローンの大量生産がそれに続く;所望のクローンからペプチドを精製する(例えばGorlatov et al.Biochemistry(2002)41,4107−4116に記載される方法;米国特許第4,980,456号明細書を参照されたい)。代案としては本発明のペプチドは、合成手段または半合成手段(例えば組換え生産と合成手段の組み合わせ)によって製造し得る。
合成的製造は、例えばCarpino L.A.and Han.GY、J.(Amer.Chem.Soc.1981;37;3404−3409)に記載のフルオレニルメチロキシカルボニル(FMOC)−保護基ストラテジーを応用し、またはtert−ブトキシカルボニル(t−Boc)−保護基ストラテジーを応用することで実施し得る。ペプチドは、例えば多重ペプチド合成装置を使用して、Merrifield R.B.(J.Amer.Chem.Soc.1963;85,2149−2154)に記載の固相ペプチド合成手段によって合成される。次に粗製ペプチドを精製する。
本発明のタンパク質を合成製造するための例示的方法は、続く節に記載される。装填量0.24mmol/gで、100mgのTentagel−S−RAM(Rapp−Polymere)を市販のペプチド合成装置(PSMM(Shimadzu))に移し、そこでペプチド配列をカルボジイミド/HOBt法に従って段階的に構築する。FMOC−アミノ酸誘導体は、5倍等モル過剰量のジ−イソプロピル−カルボジイミド(DIC)、ジ−イソプロピル−エチルアミン(DIPEA)、およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を添加してあらかじめ活性化され、反応容器に移した後に樹脂担体と30分間混合された。洗浄工程は、例えばDMFの添加と、1分間にわたる完全混合によって実施される。切断工程は、例えばDMF中のピペリジンの添加と、4分間にわたる完全混合によって実施される。個々の反応および洗浄溶液の除去は、溶液を反応容器底のフリットを通して押し出すことで達成される。アミノ酸誘導体FMOC−Ala、FMOC−Arg(Pbf)、FMOC−Asp、FMOC−Gly、FMOC−His(Trt)、FMOC−Ile、FMOC−Leu、FMOC−Lys(BOC)、FMOC−Pro、FMOC−Ser(tBu)、およびFMOC−Tyr(tBu)(Orpegen)が用いられる。合成が完了したら、ペプチド樹脂を乾燥させる。トリフルオロ酢酸/TIS/EDT/水(95:2:2:1vol)による室温で2時間の処理により、ペプチドアミドを引き続いて切断する。濾過、溶液濃縮、および氷冷ジエチルエーテル添加による沈殿の手段を通じて、粗生成物を固体として得る。次に0.1%TFA中のRP−HPLCによって、60%アセトニトリル上の勾配5、流速12ml/分で40分間、および215nmにおけるUV検出の手段による溶離剤の評価で、プチドを精製する。個々の画分の純度は、分析的RP−HPLCおよび質量分析法によって判定される。
F.使用方法
本発明の様々な態様で、皮膚健康を促進するのに本発明のKTIタンパク質を使用し得る。皮膚健康促進の例としては、皮膚変色または色素沈着の減少、炎症の低下、皺の最小化、皺の除去、脱色、着色、皮膚軟化、皮膚スムージング、除毛、およびクレンジングが挙げられる。皮膚健康の他の例と、それに関連した実験法は、米国特許出願公開第20100093028号明細書、米国特許出願公開第20100092409号明細書、米国特許出願公開第20090111160号明細書、米国特許出願公開第20080249029号明細書、米国特許第6,555,143号明細書にある(Chen et al.,Photochemistry and Photobiology,2008,84:1551−1559 and Paine et al.J.Invest.Dermatol.2001 Apr;116(4):587−95もまた参照されたい)。
定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を下で定義する。
「酸可溶性」という用語は、本明細書の用法では、約2〜約7のpHを有する水媒質中において、1リットル(g/L)当たり10グラムの濃度で、少なくとも約80%の溶解度を有する物質を指す。
「大豆タンパク質単離物」または「単離大豆タンパク質」という用語は、本明細書の用法では、無水ベースで少なくとも約90%大豆タンパク質のタンパク質含量を有する大豆材料を指す。
「対象(単数)」または「対象(複数)」という用語は、本明細書の用法では、病的状態の治療を必要とする、哺乳類(好適にはヒト)、鳥、魚、爬虫類、または両生類を指し、病的状態としては、筋肉、無制御な細胞増殖、自己免疫疾患、および癌と関連付けられている疾患が挙げられるが、これに限定されるものではない。
「加工ストリーム」という用語は、本明細書の用法では、例えば水性大豆抽出物ストリーム、水性豆乳抽出物ストリーム、水性大豆ホエーストリーム、水性大豆糖蜜ストリーム、水性大豆タンパク質濃縮物大豆糖蜜ストリーム、水性大豆透過液ストリーム、および水性豆腐ホエーストリームをはじめとし、さらに例えば本明細書で開示される方法に従って中間生成物として回収され得る、液体および乾燥粉末双方の形態の大豆ホエータンパク質をはじめとする、水性ストリームまたは溶剤ストリームをはじめとする、ホールマメ科植物または油糧種子の精製過程に由来する、二次的または偶発的生成物を指す。
「大豆ホエータンパク質」という用語は、本明細書の用法では、大豆貯蔵タンパク質が典型的には不溶性であるpHで可溶性であるタンパク質を指し、BBI、KTI、ルナシン、リポキシゲナーゼ、デヒドリン、レクチン、ペプチド、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではなく、貯蔵タンパク質をさらに包含する。
本明細書全体を通じて言及されるその他のタンパク質は、ルナシン、レクチン、デヒドリン、リポキシゲナーゼ、およびそれらの組み合わせを含むが、これに限定されないと定義される。
大豆オリゴ糖類としては、糖が挙げられるが、これに限定されないと定義される。糖としては、スクロース、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース、単糖類、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されないと定義される。
本発明の要素またはその好ましい実施形態を述べる際の「a」、「an」、「the」と言う冠詞、および「said」は、1つ以上の要素を意味することが意図される。「comprising」、「including」、および「having」は、包括的であることが意図され、列挙される要素以外の追加的要素があってもよいことを意味する。
本発明の範囲を逸脱することなく、上の化合物、生成物、および方法には様々な変更を加え得るので、上の説明および下の実施例に包含される全ての事項は例示的であり、限定的でないと解釈されるものとする。
実施例1:大豆ホエータンパク質からのKTIタンパク質の回収
およそ3.7重量%の総タンパク量含量と、22.5重量%(乾燥重量基準)の総固形分を有する水性大豆ホエー(145l)をBTS−25またはMMM0.45ミクロン精密濾過膜を含有するOPTISEP 7000濾過モジュール内に導入する。膜に水性大豆ホエーを通過させると、水性大豆ホエーを含有する透過液(3.2重量%の固形分を有する132L)と、大豆ホエーの最初の細菌含量の99%以上、および大豆ホエーのケイ素脱泡剤含量の90%以上を含有する残余分とが形成される。
精密濾過モジュールからの透過液(132l)を孔径およそ100kDaを有する再生セルロース(RC)限外濾過膜を含有する、OPTISEP 7000濾過モジュール内に導入した。透過液を限外濾過膜に通過させると、糖類、ミネラル、およびビタミンを含有する第2の透過液と、およそ25.4重量%の固形分およびおよそ83重量%(乾燥ベース)の総大豆タンパク質含量を有する第2の残余分(約2L)とが形成された。
Virtis Freezemobile 25XLを使用して、凍結乾燥によって第2の残余分を乾燥させた。乾燥サンプルのアリコート(53mg)を水で最終固形分濃度25%のスラリーにして、次に混合しながら、室温で10分間インキュベートして可溶化を促進した。2000×gで10分間の遠心分離により不溶性物質を除去し、上清を20mMクエン酸ナトリウム、pH3.0でさらに5倍に希釈した。結果として起きたpH低下は、混合物の一部の構成要素の沈殿をもたらし、それを引き続いて2000×gで5分間の遠心分離によって除去した。
7×25mm Poros 50 HSカラム(0.8mlカラム床体積;Applied Biosystems)を20mMクエン酸ナトリウム、pH3.0緩衝液であらかじめ平衡化した。0.45ミクロンシリンジフィルターを通してサンプルを濾過し、0.5mlをカラムに流速1ml/分で注入した。20カラム体積の平衡緩衝液で、非結合タンパク質をカラムから洗い出し、40カラム体積の20mMクエン酸ナトリウム緩衝液、pH3.0中の0〜100%直線濃度勾配1M塩化ナトリウムを使用して、結合画分を1mlの画分中で回収した。クーマシー染色SDS−PAGEゲルを使用して、各画分を分析した。KTIappは、MWappに基づいて画分25〜32に局在した(図2参照)。画分29および30をプールし、修正Lowryタンパク質アッセイ(Sigma−Aldrich Total Protein Kit、Micro−Lowry、OnishiおよびBarr変法)を使用して、総タンパク量についてアッセイした。Kakadeらの方法(Kakade,M.L.,Simons,N.,and Liener,I.E.,1969.An Evaluation of Natural vs. Synthetic Substrates for Measuring the Antitryptic Activity of Soybeans. Cereal Chem.46:518)を使用して、KTI活性を推計した。プールしたサンプルのタンパク質濃度は0.48mg/mlであり、比活性は708 Ti単位/gタンパク質であることが分かった。濃縮KTIサンプルはまた、(Schechter,N.,Sprows,J.,Schoenberger,O.,Lazarus,G.,Cooperman,B.,and Rubin,H.,1989.Reaction of Human Skin Chymotrypsin−like Proteinase Chymase with Plasma Proteinase Inhibitors.J.Biol.Chem.264:21308−21315.Jameson,G.W.,Roberts,D.V.,Adams,R.W.,Kyle,W.S.A.,and Elmore,D.T.,1973.Determination of the Operational Molarity of Solutions of Bovineα−Chymotrypsin,Trypsin,Thrombin and Factor Xα by Spectro fluorimetric Titration.Biochem.J.131:107−117を使用して)キモトリプシン阻害活性についてもアッセイし、本質的に全く含有しないことが分かった。したがってこの実施例に記載されるようにして調製されたKTIは、汚染BBI活性を含まない。
KTI精製中に調製された様々な画分のSDS−PAGE分析を図3に示す。>95%純度を有するKTIは、親和性クロマトグラフィーを使用して、レーン5に示される残留汚染物質を除去して得られる。したがってN−アセチル−D−ガラクトサミン樹脂のカラム(カタログ番号A2787、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)は、20mM Tris、154mM NaCl、pH7.4中で平衡化される。当該技術分野で知られている方法を使用して、濃縮KTI画分をこれと同一の緩衝液組成物に対して調節し、アフィニティカラムに注入する。汚染物質を樹脂に結合させ、カラム通過画分は精製KTI画分として収集する。
実施例2:質量分析法によるKTIアイデンティティの確認
以下の手順を使用して、KTIをおよそ95%の純度(SDS−PAGE分析に基づく)に精製した。1グラムの大豆ボーマン・バークインヒビター濃縮物(BBIC、Central Soya Co.ロット番号02176−2)を20mlの20mM HEPES緩衝液、pH6.8に再懸濁し、5%(w/v)スラリーを得た。磁気撹拌棒を使用して、スラリーを撹拌プレート上で、ビーカー内において室温で20分間撹拌し材料を完全に水和して、次に10.000×gで10分間遠心分離して不溶性物質を除去した。得られた上清をデカントして0.2μmフィルターを通して濾過し、1mlの濾液を出発緩衝液(25mM Tris、pH7.5)で10mlに希釈した。次に希釈サンプルを出発緩衝液中で平衡化された1ml HiTrap DEAE FF カラム(GE Healthcareカタログ番号17−5055−01)に1ml/分の流速で直接注入した。非結合タンパク質を洗い出した後、カラムを40カラム体積の20mM Tris、pH7.5中の0−1M NaClの直線勾配で溶出した。溶出中に1mlの画分を収集し、SDS−PAGEによって分析した(図4参照)。KTIappは、画分8〜15中に同定された。画分A11は純度およそ95%のKTIを含有し、質量分析法による分析のために選択された。このようにして12.5μlのこの画分を10〜20%SDS−PAGEゲル上で分離し、クーマシー染色して、質量分析法分析のために提出した(図4参照)。
分析は、Donald Danforth Plant Sciences Center(St.Louis, MO)で実施された。このようにしてゲル内トリプシン消化手順を使用してKTIappバンドをペプチドに断片化し、QStar XLナノスプレーQTOF装置(Applied Biosciences)を使用してLC−MS/MS分析を実施した。NCBInrおよびTIGR(Glycine max)データベースの双方に対してスペクトルを検索し、それにトリプシンの(trypic)ペプチドが由来するタンパク質を同定した。バンド1AはGlycine maxからのトリプシン阻害物質サブタイプAと同定された、図5。同定された特定のペプチドは、KTIからのNELDKGIGTIISSPYR(aa 73〜88)、FIAEGHPLSLK(aa 91〜101)、IGENKDAMDGWFR(aa 132〜144)、VSDDEFNNYK(aa 148〜157)、およびNKPLVVQFQK(aa 191〜200)であった。
実施例3:膨張床吸着(EBA)クロマトグラフィーを使用したバルク大豆ホエータンパク質からのKTIの精製
総固形分1.92%の200mlの水性大豆ホエーを水酸化ナトリウムでpH6.0に調節して、10mMクエン酸ナトリウム、pH6.0中で平衡化されたMimo6HE樹脂の1×25cmカラム(UpFront Chromatography,Copenhagen Denmark)に注入した。7.5cm/分の線流速を使用して、20〜25℃で、材料をボトムアップ式にカラムに装填した。後で分析するために、カラム通過物のサンプルを定期的に収集した。非結合材料を10カラム体積の平衡緩衝液でカラムから洗い出し、次に30mM水酸化ナトリウムで溶出して結合材料を回収した。大豆ホエー粉末懸濁液のEBAクロマトグラフィー中に回収された各画分の10μlを4〜12%ポリアクリルアミドゲル上で分離して、クーマシーブリリアントブルーR250染色で染色した。カラム装填物、通過物、洗浄液、および水酸化ナトリウム溶出液サンプルのSDS−PAGE分析を図6に示す。図6の凡例。RM:原料(カラム装填物);RT1〜4:装填中に等間隔で収集された通過物(流出物);合計:総流出物画分;W:カラム洗浄液;E:カラム溶出液。装填タンパク質の大半は、通過物中に溶出することがはっきりと見られる一方で、KTIタンパク質の大半は樹脂に結合したままであった。溶出液中において、その大半がKTIである合計355mgのタンパク質を1.8mg/ml出発原料の収率で回収した。これらの条件下で、この樹脂の性能は1mlの吸収材あたり17.8mgのKTI(プラス微量汚染物質)であることが示された。
95%以上の純度を達成するために、材料を凍結乾燥し、次に最小体積の緩衝液(例えば100mM NaClを含有する20mM Tris、pH7.5)中で再度可溶化して、同一緩衝液中で平衡化されたSuperose 6サイズ排除クロマトグラフィーカラムに注入した。カラムを1分当たり流速0.5mlで展開し、溶出液の波長280nmの吸光度を連続的にモニターした。1カラム排除容積の溶出に続いて画分の収集を即座に開始し、SDS−PAGEを使用して、精製KTIのある特定の画分を見つけ出した。KTI含有画分をプールし、トリプシン阻害についてアッセイして純度を確認した。
当業者は、本明細書に記載される方法および組成物が例示的な実施形態を代表するものであり、本発明の範囲に対する制限を意図するものでないことを容易に理解するであろう。発明の範囲と精神を逸脱することなく、様々な置換と修正を本明細書で開示される本開示に加えてもよいことが、当業者にはすぐに分かるであろう。
本明細書中で言及される全ての特許および刊行物は、本発明が関係する当業者の水準を示す。全ての特許および刊行物は、各々の個々の刊行物が具体的に個々に参考として援用されて示されるかのように、同じ程度までその全体が本明細書中で参考として援用される。
本明細書に例証的に記載される本開示は、適切には、本明細書で具体的に開示されないあらゆる要素または要素群、制限または制限群の不在下で実施されてもよい。したがって例えば本明細書の各場合において、「comprising」、「consistingessentially of」、および「consisting of」の何れかは、他の2つのどちらかの用語で置き換えてもよい。用いられた用語および表現は、限定でなく説明の用語として使用され、このような用語および表現の使用において、示され記載される徴群のいかなる同等物もまたはその一部も排除することは意図されず、本開示が特許請求する範囲内で、様々な修正が可能であることが認識される。したがって本開示は、好ましい実施形態と任意の徴群によって具体的に開示されているが、本明細書で開示される概念の修正形態およびバリエーションが、当業者によって用いられてもよいものと理解すべきである。このような修正および変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の範囲内であると見なされる。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1.少なくとも約95重量%の総KTIタンパク質濃度を有する、Kunitzトリプシンインヒビター(KTI)生成物。
2.前記KTIタンパク質が、配列番号1と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列をさらに含んでなる、上記1に記載のKTI生成物。
3.前記KTIタンパク質が、配列番号1と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列をさらに含んでなる、上記1に記載のKTI生成物。
4.前記KTIタンパク質が、配列番号1と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列をさらに含んでなる、上記1に記載のKTI生成物。
5.乾燥重量基準で少なくとも約95%の総タンパク質含量をさらに含んでなる、上記1に記載のKTI生成物。
6.少なくとも約1500トリプシン阻害単位/gタンパク質のトリプシン阻害物質活性をさらに示す、上記1に記載のKTI生成物。
7.約0.5内毒素単位/gタンパク質以下の総内毒素含量をさらに含んでなる、上記1に記載のKTI生成物。
8.前記KTIタンパク質が、配列番号1と少なくとも80%同一である少なくとも1つのアミノ酸配列を含んでなる、Kunitzトリプシンインヒビター(KTI)生成物。
9.前記KTIタンパク質が、配列番号1と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、上記11に記載のKTI生成物。
10.前記KTIタンパク質が、配列番号1と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、上記11に記載のKTI生成物。
11.前記KTIタンパク質が、配列番号1と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、上記11に記載のKTI生成物。
12.少なくとも約70重量%の総KTIタンパク質濃度を有し、前記KTIタンパク質が配列番号1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、Kunitzトリプシンインヒビター(KTI)生成物。
13.乾燥重量基準で少なくとも約95%の総タンパク質含量、少なくとも約1500トリプシン阻害単位/gタンパク質のトリプシン阻害物質活性を有する、Kunitzトリプシンインヒビター(KTI)生成物。
14.約0.5内毒素単位/gタンパク質以下の総内毒素含量をさらに含んでなる、上記16に記載のKTI生成物。
15.KTIタンパク質が配列番号1と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでなり、さらにKTI生成物が、
(i)乾燥重量基準で少なくとも約95%の総タンパク質含量;
(ii)少なくとも約1500トリプシン阻害単位/gタンパク質のトリプシン阻害物質活性;および/または
(iii)約0.5内毒素単位/gタンパク質以下の総内毒素含量
の諸特性1つ以上を示す、少なくとも約95重量%KTIタンパク質の総KTIタンパク質濃度を有する、Kunitzトリプシンインヒビター(KTI)生成物。

Claims (4)

  1. 加工ストリームから大豆ホエータンパク質を回収するための方法であって、以下の工程:
    (a)ストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させることにより供給流を前処理して、水相中の大豆ホエーの可溶性構成要素を含むストリーム、および不溶性の大きな分子量のタンパク質を含むストリームを形成する工程、ここで不溶性の大きな分子量のタンパク質は貯蔵タンパク質であり;
    (b)前処理大豆ホエーを少なくとも1つの分離技術に通過させて、貯蔵タンパク質、微生物、ケイ素およびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な構成要素を含むストリーム、ならびに精製前処理大豆ホエーを含むストリームを形成する工程;
    (c)(b)の精製前処理大豆ホエーストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、精製前処理大豆ホエーを含むストリーム、ならびに水、幾種かのミネラル、一価のカチオンおよびそれらの組み合わせを含むストリームを形成する工程;
    (d)(c)の精製前処理大豆ホエーストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、精製前処理大豆ホエーおよび沈殿ミネラルの懸濁液を形成する工程;
    (e)(d)の精製前処理大豆ホエーおよび沈殿ミネラルの懸濁液を少なくとも1つの分離技術に通過させて、脱ミネラル前処理大豆ホエーを含むストリーム、およびタンパク質ミネラル複合体を有する不溶性ミネラルを含むストリームを形成する工程;
    (f)(e)の脱ミネラル精製前処理大豆ホエーストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、貯蔵タンパク質、他のタンパク質およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるタンパク質を含むストリーム、ならびにペプチド、大豆オリゴ糖類、ミネラルおよびそれらの組み合わせを含むストリームを形成する工程;
    (g)(f)のタンパク質を少なくとも1つの分離技術に通過させて、大豆ホエータンパク質、BBI、KTI、貯蔵タンパク質、他のタンパク質およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるタンパク質を含むストリーム、ならびにペプチド、水、ミネラルおよび大豆オリゴ糖類を含むストリームを形成する工程、ここで大豆オリゴ糖類はスクロース、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース、単糖類およびそれらの組み合わせからなる群より選択され;
    (h)(g)のタンパク質を少なくとも1つの分離技術に通過させて、ペプチド、大豆オリゴ糖類、水およびミネラルを含むストリーム、ならびに水およびミネラルを含むストリームを形成する工程;
    (i)(h)のストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、脱ミネラル大豆オリゴ糖類を含むストリーム、ならびにミネラル、水およびそれらの組み合わせを含むストリームを形成する工程;
    (j)(i)の脱ミネラル大豆オリゴ糖類を少なくとも1つの分離技術に通過させて、着色化合物を含むストリーム、および大豆オリゴ糖類を含むストリームを形成する工程;
    (k)(j)の大豆オリゴ糖類を少なくとも1つの分離技術に通過させて、大豆オリゴ糖類を含むストリーム、および大豆オリゴ糖類を含むストリームを形成する工程;
    (l)(k)のストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、水を含むストリーム、および大豆オリゴ糖類を含むストリームを形成する工程;
    (m)(g)のストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、大豆オリゴ糖類、水およびミネラルを含むストリーム、ならびにペプチドおよび他のタンパク質を含むストリームを形成する工程;
    (n)(m)のストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、水を含むストリーム、ならびにペプチドおよび他のタンパク質を含むストリームを形成する工程、ここでタンパク質はルナシン、レクチン、デヒドリン、リポキシゲナーゼおよびそれらの組み合わせからなる群より選択され;
    (o)(f)のストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、貯蔵タンパク質を含むストリーム、ならびに大豆ホエータンパク質、BBI、KTIおよび他のタンパク質を含むストリームを形成する工程、ここで他のタンパク質はルナシン、レクチン、デヒドリン、リポキシゲナーゼおよびそれらの組み合わせからなる群より選択され;
    (p)(o)のストリームを少なくとも1つの分離技術に通過させて、水を含むストリーム、ならびに大豆ホエータンパク質、BBI、KTIおよび他のタンパク質を含むストリームを形成する工程;ならびに
    (q)(p)のストリームを加熱、フラッシュ冷却および乾燥して、大豆ホエータンパク質を形成する工程
    を、任意の順序で実施すること含む方法。
  2. 約2〜約10のpH範囲及び約25℃の温度の酸性水媒質中において、1リットル当たり10グラム(g/L)の濃度で、少なくとも約80%の溶解度を有する大豆タンパク質を含む大豆ホエータンパク質組成物。
  3. 組成物が大豆加工ストリーム由来である請求項2に記載の大豆ホエータンパク質組成物。
  4. 酸性水媒質のpHが約2〜約7である請求項2に記載の大豆ホエータンパク質組成物。
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