JP2015155675A - 密閉型圧縮機および冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンの摺動面の面積を減らし、摺動損失を低減すると共に、シリンダ内でのピストンの傾きを抑制し、ピストンの偏摩耗の発生を防止することで、効率及び信頼性の高い密閉型圧縮機およびこれを用いた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】ピストン136は、シリンダ134の内周面と一様な隙間で摺動面を形成する円筒状のシール部160と、シール部160の後方に、シール部160と同じ半径で、側圧を支持する摺動面を形成する延長部162とを有し、前記延長部162の幅の中心をピストンの往復動の軸中心より主軸受126側にずらした構成をとしてある。これにより、摺動損失を低減することができると共に、圧縮時の負荷によりピストン136が傾くときにピストン136の傾きを緩和し、ピストン136の片当りを抑制し、ピストン136の偏磨耗を抑えることができる。
【選択図】図3

Description

本発明はピストンの摺動損失を低減した密閉型圧縮機およびこれを搭載した冷蔵庫に関するものである。
近年、地球環境保護に対する要求から家庭用冷蔵庫は、ますます省エネ化への動きが加速されている。
このような中にあって従来の密閉型圧縮機は、ピストンの外周面に非摺動面を形成してピストンとシリンダとの間の摺動損失を低減し、圧縮効率を改善している(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来技術の密閉型圧縮機について説明する。図9は特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図10は従来の密閉型圧縮機のピストンの斜視図、図11はシリンダ、ピストン、連結手段、シャフト、主軸受の模式図である。
図9において、圧縮機は潤滑油を貯留する密閉容器2内に圧縮機本体6を弾性的に支持して構成されており、圧縮機本体6は、固定子14及び回転子16を備えた電動要素10と電動要素10によって駆動される圧縮要素12とで構成されている。
圧縮要素12は、クランクシャフト18、シリンダブロック24、ピストン36、連結手段28等で構成されている。
クランクシャフト18は、回転子16を固定した主軸20と主軸20に対して偏心して形成された偏心軸22を有し、シリンダブロック24は、シリンダ34と主軸20を回転自在に軸支する軸受部26を有する。
ピストン36は、シリンダ34に往復摺動自在に挿入され、偏芯軸22の回転により連結手段28を介して往復動し、シリンダ34内の冷媒を圧縮する。
ここで、ピストン36は図10に示すようにその外周面のシール部60と横方向の力を受ける延長部62以外の外周面は凹状の非摺動部63としてある。これによりピストン36はシリンダ34内面との摺動する面積が減少し摺動損失を低減している。
特表2004−501320号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の構成では、図11の一般的な圧縮動作時の模式図に示すようにピストンが傾き、偏摩耗が発生してしまうという課題を有していた。すなわち、ピストン36は図11でピストンが傾く原理を示すように、まず初めに圧縮時の負荷によりピストン36から連結手段28を経由してクランクシャフト18の偏心軸部22に力がかかり、クランクシャフト18が軸受部26とクランクシャフト18との間のクリアランス内で傾く。次にシャフト18が傾くと連結手段28を経由してピストン3
6も傾くという現象が発生する。さらに図10に示したようにピストン36の外周面の鉛直上下面には非摺動部63を設けてあるため、ピストン36はシール部60の先端側と、延長部62と背面65と非摺動部63の3点の境界近傍66で支持されるため、シリンダ34内でのピストン36の傾きが大きくなるという現象が発生する。その結果、ピストン36はシリンダ34の内面と摺動するシール部60の先端側と、延長部62と背面65と非摺動部63の境界近傍66とが強く摺動して、偏摩耗が発生してしまい、効率や信頼性に改善の余地を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ピストンの摺動面の面積を減らして摺動損失を低減しつつ、シリンダ内でのピストンの傾きを抑制し、ピストンの偏摩耗の発生を防止して、効率が高く信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、シリンダブロックの主軸受に軸支したシャフトと、前記シャフトによって往復動されるピストンを備え、前記ピストンは、シリンダの内周面と一様な隙間を有し、摺動面を形成する円筒状のシール部と、前記シール部の後方に位置し、前記シール部と同じ半径を有し、側圧を支持する摺動面を形成する延長部とを有し、前記延長部の幅の中心を前記ピストンの往復動の軸中心より主軸受側にずらした構成としてある。
これにより、ピストンとシリンダとの摺動面積はシール部と延長部のみに減らすことができて摺動損失を低減できる。
しかも、圧縮時の負荷によりシャフトが傾き、そのシャフトの傾きによりピストンが傾くとき、延長部の幅の中心が前記ピストンの往復動の軸中心より主軸受側にずれているので、ピストンの傾きを低減するようになり、ピストンの片当りを緩和することができて、ピストンの偏摩耗の発生を抑制することができる。
本発明の密閉型圧縮機は、ピストンの摺動面積を削減してピストンとシリンダとの間の摺動損失を低減すると共に、ピストンの傾きを抑制してピストンの片当りを緩和することにより、ピストンの偏摩耗の発生を抑制することができ、密閉型圧縮機の効率と信頼性を同時に向上することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の上面断面図 (a)同実施の形態におけるピストンの背面から見た断面図、(b)同側面図 (a)同実施の形態におけるシリンダ内のピストンの姿勢を背面から見て示した模式断面図、(b)模式側断面図 同実施の形態におけるシリンダ内のピストンの位置とピストンの傾きの関係図 (a)(b)同実施の形態におけるピストンの反負荷側と負荷側の側面図(c)および背面から見た断面図 同実施の形態における1ストローク中にピストン側面に作用する荷重を示す特性図 本発明の密閉型圧縮機を搭載した冷蔵庫の概略断面図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機のピストンを示す斜視図縦断面図 圧縮動作時におけるシリンダ、ピストン、連結手段、シャフト、主軸受の模式図
第1の発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に潤滑油を貯溜すると共に、固定子と回転子を備えた電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、シリンダと前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受とを備えたシリンダブロックと、前記シリンダの内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結する連結手段と、前記シャフトに具備された給油機構とを備え、前記ピストンは、前記シリンダの内周面と一様な隙間を有し、摺動面を形成する円筒状のシール部と、前記シール部の後方に位置し、前記シール部と同じ半径を有し、側圧を支持する摺動面を形成する延長部を有し、かつ前記延長部の幅の中心を前記ピストンの往復動の軸中心より主軸受側にずらせた構成としてある。
これにより、ピストンとシリンダとの摺動面積はシール部と延長部のみに減らすことができて摺動損失を低減できるので、密閉型圧縮機の効率を向上することができると共に、圧縮時の負荷によりピストンが連結手段を経由してシャフトの偏心軸部を押すことで、シャフトが傾き、そのシャフトの傾きによりピストンが傾くとき、前記ピストンの延長部の幅の中心を前記ピストンの往復動の軸中心より主軸受側にずらせているので、ずらせていないときより前記延長部が前記シリンダに早く接触し、ピストンの傾きを低減することができるので、ピストンの片当りを緩和し、ピストンの偏摩耗の発生を抑制することができて、密閉型圧縮機信頼性を同時に向上することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の密閉型圧縮機の前記ピストンは、前記シール部および前記延長部の後方に形成され、前記シール部と前記延長部の半径より小さい半径の非摺動面で形成された捕集部を有する構成としてある。
これにより、給油機構からの潤滑油がシャフト偏心軸部の上端より飛散して捕集部に付着し、この潤滑油が捕集部より延長部やシール部へ供給されることになり、より確実にシール部をシールして、ピストンとシリンダ間の漏れを低減できると共に、潤滑作用によりピストンのシール部や延長部の摺動面の摩耗の発生を防止できて、密閉型圧縮機の効率と信頼性をより向上させることができる。
第3の発明は、特に第1または2の発明の密閉型圧縮機において、前記ピストンが上死点に向かう際に、連結手段によりシリンダの内周面に押圧される側(負荷側)の前記ピストンの延長部の幅を前記シリンダの内周面に押圧されない側(反負荷側)の前記ピストンの延長部の幅に比べ1.2倍以上広くした構成としてある。
これにより、圧縮作用に伴いピストンの側面方向に作用する荷重が大きくなる負荷側の面圧が軽減され、信頼性をより高めることができる。
第4の発明は、特に第1から3のいずれかの発明の密閉型圧縮機の前記電動要素がインバータ回路により複数の回転数で駆動される構成としてある。
これに伴い、ピストンの延長部を短くし、それに伴い前記ピストンの全長も短くして、前記ピストンを軽量化することにより、低速回転数での振動が低減されると共に、前記ピストンの慣性力が増える高速回転数時において慣性力がかかる偏心軸部やシャフトの荷重を軽減でき、さらに信頼性の高いものとすることができる。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明の密閉型圧縮機を用いた冷蔵庫である。
これにより、密閉型圧縮機の効率が高いので、冷蔵庫の消費電力を低減することができると共に、密閉型圧縮機の信頼性が向上するので、冷蔵庫の信頼性も向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2は、同実施の形態における上面断面図、図3(a)(b)は同実施の形態におけるピストンの背面から見た断面図および側面図である。図4(a)(b)は、同実施の形態におけるシリンダ内のピストンの姿勢を示した模式断面図及び模式側断面図である。図5は同実施の形態におけるシリンダ内のピストンの位置とピストンの傾きの関係図である。図6(a)(b)(c)は同実施の形態におけるピストンの反負荷側と負荷側の側面図および背面から見た断面図である。図7は1ストローク中のピストン側面に作用する荷重を示す特性図である。
図1から図4において、この密閉型圧縮機101は、密閉容器102内底部に潤滑油104を貯留すると共に、圧縮機本体106がサスペンションスプリング108により懸架されている。また、密閉容器102には、温暖化係数の低い冷媒ガスであるR600a(イソブタン)が充填されている。
圧縮機本体106は、電動要素110と、これによって駆動される圧縮要素112とからなり、密閉容器102には電動要素110に電源を供給するための電源端子113が取り付けられている。
まず、電動要素110について説明する。
電動要素110は、鋼板を積層した鉄心の複数の磁極歯に絶縁材を介して巻線(図示せず)を直接巻回した固定子114と、固定子114の内径側に配置され、永久磁石(図示せず)を内蔵した回転子116とを備えた突極集中巻方式のDCブラシレスモータである。固定子114の巻線は電源端子113を経由して密閉型圧縮機外のインバータ回路(図示せず)と導線により接続され、電動要素110は複数の回転数で駆動される。
次に、圧縮要素112について説明する。
圧縮要素112はこの実施の形態では電動要素110の上方に配設されている。
圧縮要素112を構成するシャフト118は、主軸部120と、主軸部120上端から延出し、主軸部120と平行な偏心軸部122とを備えている。また、主軸部120には回転子116が焼嵌めなどの方法で固定されている。
シリンダブロック124は、円筒形の内面を有する主軸受126と円筒状の孔であるシリンダ134を備えている。主軸受126は主軸部120が回転自在な状態で挿入されることでシャフト118を支持している。そして、圧縮要素112は、偏心軸部122に作用した荷重を偏心軸部122の下側に配置された主軸部120と主軸受126で支持する片持ち軸受の構成になっている。シリンダ134は、ピストン136が往復自在に挿入さ
れている。また、連結手段144は、両端に設けた孔部がそれぞれピストン136に取り付けられたピストンピン143(図2参照)と偏心軸部122とに嵌挿されることで、偏心軸部122とピストン136とを連結している。
シリンダ134の端面にはバルブプレート146が取り付けられ、シリンダ134およびピストン136と共に圧縮室148を形成している。さらに、バルブプレート146を覆って蓋をするようにシリンダヘッド150が固定されている。吸入マフラ152は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、シリンダヘッド150に取り付けられている。
シャフト118は、主軸部120の下端が密閉容器102内底部に貯留された潤滑油104に浸漬しており、主軸部120の外表面のらせん溝128などからなるシャフト118の下端から上端に至る給油機構130を備えている。
次に、ピストン136について説明する。
図3に示すようにピストン136の外周面には、シリンダ134の内周面に対して小さなクリアランスを確保できるようにシリンダ134の半径より小さい半径の円筒状のシール部160が形成されている。また、シール部160の後方の両側面には、シール部160と同じ半径を有しピストン136の軸方向に一定幅で延長された側圧を支持する摺動面を形成する延長部162が設置されている。また、シール部160および延長部162の後方には、延長部162の半径より小さい半径の非摺動面である捕集部164が設けてある。また延長部162の幅の中心は、ピストン136の往復動の軸中心より主軸受126側(この図では下側)にずらしてある。
また、図6に示すようにピストン136の延長部162の幅は、ピストン136がシリンダ134の内周面に押圧されて、延長部162に負荷がかかる側(図2における下向き方向、以下、負荷側という)が、反対側(以下、反負荷側という)より広くしてある。具体的には、ピストン136が下死点から上死点に向かって移動し冷媒ガスを圧縮する際に、ピストン136が連結手段144によりシリンダ134の内周面に押圧される負荷側の摺動幅Fは、反負荷側の摺動幅Gに比べ広く設定してある。本実施例においては、幅Fは幅Gの約1.6倍である。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電源端子113より電動要素110に通電されると、固定子114に発生する磁界により回転子116はシャフト118と共に図2の矢印の方向に回転する。主軸部120の回転に伴う偏心軸部122の偏心回転は、連結手段144により変換され、ピストン136をシリンダ134内で往復運動させる。そして、圧縮室148が容積変化することで、密閉容器102内の冷媒ガスを圧縮室148内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
この圧縮動作を行う際、ピストン136はシール部160及び延長部162より径の小さい捕集部164を備えているので、ピストン136とシリンダ134との摺動面積はシール部160と延長部162のみに減らすことができて摺動損失を低減でき、密閉型圧縮機の効率を向上することができる。
また、ピストン136は圧縮室148の圧力に抗して往復運動するため、その力はピストン136から連結手段144を介して、偏心軸部122に伝わり、シャフト118は反圧縮室148側に主軸受126と主軸部120との間のクリアランス内で傾く。その傾きが連結手段144を経由して図4に示すように、ピストン136のシール部160の先端
付近の上面と延長部162の捕集部164側の下側166との3点で支持するようにシリンダ134の内周面に当るのでピストン136が傾く。
しかしながら、この発明では図3に示すように延長部162をピストン136の往復動の軸中心より主軸受126側にずらしているので、ずらせていないときより前記延長部162が前記シリンダ134の内周面に早く接触し、その分、ピストン136の傾きを低減することができる。図5はピストン136の位置とピストン136の傾きを示し、同図に示すように、延長部162を主軸受126側へずらした時(A>B)は、ずらさない時(A=B)に比べてピストン136の傾きが低減していることがわかる。これにより、ピストン136の片当り度合いを低減し、ピストン136の偏摩耗を抑えることができる。
また圧縮動作を行う際、ピストン136は圧縮室148の圧力やピストン136の慣性力に抗して往復動するため、その作用力が偏心軸部122とピストンピン143を連結する連結手段144からピストン136へ伝わる。この作用力の方向は、シリンダ134の軸方向に対して斜めなので、この分力によりピストン136はシリンダ134の内周面に押し付けられる。
図7は、主軸部120の1ストローク中にピストン136がシリンダ134の内周面へ押し付けられる荷重を示す特性図であり、図中の上方向が負荷側荷重、下方向が反負荷側荷重を示す。また、破線で示した特性は、通常の運転圧力条件で低速回転数の場合の荷重であり、実線で示した特性は高圧縮比の条件で、かつ高速回転数の場合での荷重を示している。
このピストン136にかかる側圧荷重は、運転圧力条件や回転数、ピストン136などの部品の質量、シリンダ134と主軸受126との軸のオフセット量などによって変化するが、一般的には負荷側の荷重が反負荷側より大きい場合が多い。
図7の実線で示した高圧縮比の条件で、かつ高速回転数の場合、負荷側と反負荷側のそれぞれの荷重の最大値の比率はおよそ1.6:1である。また、通常圧力かつ低速回転数の場合、負荷側と反負荷側のそれぞれの荷重の最大値の比率はおよそ1.2:1である。
従って、延長部162の摺動面の幅を幅Fは幅Gの少なくとも1.2倍以上にすればよく、さらに望ましくは、幅Fを幅Gの約1.6倍とすることで最大荷重が作用した場合の左右の面圧を同等とすることができるので摺動面162Aの面圧が軽減され、耐久性を確保することができる。
この一連の圧縮動作において、密閉容器102内の冷媒ガスは、吸入工程で吸入マフラ152を介して圧縮室148内に間欠的に吸入され、圧縮行程において圧縮室148内で圧縮された後、高温高圧の冷媒ガスは吐出配管などを経由して密閉容器102からの冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
次に、給油について説明する。
シャフト118の回転に伴う給油機構130の作用により、密閉容器102の底部に貯留された潤滑油104は、シャフト118の下端より上方へ搬送され各部を潤滑し、偏心軸部122先端より飛散する。
飛散した潤滑油104の一部は、下死点付近でシリンダ134から外部へ露出したピストン136の捕集部164に付着する。その後、ピストン136の往復運動に伴い、捕集部164がシリンダ134内へ引き戻されることで、潤滑油104はピストン136とシ
リンダ134の摺動面をより確実に潤滑することができ、シール部160にも確実に潤滑油104を供給することができて、シール部160での圧縮室148の気密性を維持することができる。
特に、荷重が大きく作用する延長部162の潤滑状態が良好になるため、摩耗の発生を防止し、信頼性を向上することができる。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態1で説明した密閉型圧縮機を搭載した冷蔵庫の概略断面図である。
図8において、断熱箱体180はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱182とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱184とで構成された空間に発泡充填する断熱体186を注入して形成された断熱壁を備えている。断熱体186はたとえば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
断熱箱体180は複数の断熱区画に区分されており、上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとっている。上から冷蔵室188、並べて設けた引出し式の切替室190および製氷室192、引出し式の野菜室194、引出し式の冷凍室196となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケットを介して設けられている。上から冷蔵室回転扉198、切替室引出し扉200、製氷室引出し扉202、野菜室引出し扉204、冷凍室引出し扉206である。
また、断熱箱体180の外箱184は、天面後方を窪ませた凹み部208を備えている。冷凍サイクルは凹み部208に弾性支持して配設した密閉型圧縮機210と、断熱箱体180側面などに設けた凝縮器(図示せず)と、減圧器であるキャピラリ212と、水分除去を行うドライヤ(図示せず)と、野菜室194と冷凍室196の背面で冷却ファン214を近傍に配置して設けた蒸発器216と、吸入配管218とを環状に接続して構成されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、各断熱区画の温度設定と冷却方式について説明する。冷蔵室188は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されている。
切替室190はユーザーの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から冷蔵、野菜室温度帯まで所定の温度設定にすることができる。また、製氷室192は独立の氷保存室であり、図示しない自動製氷装置を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い−18℃〜−10℃の冷凍温度で設定されることも可能である。
野菜室194は冷蔵室188と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。凍らない程度で低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。冷凍室196は冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、たとえば−30や−25℃の低温で設定されることもある。
各室は異なる温度設定を効率的に維持するために断熱壁によって区分されているが、低コストでかつ断熱性能を向上させる方法として断熱体186で一体に発泡充填することが可能である。発泡スチロールのような断熱部材を用いるのに比べて約2倍の断熱性能とすることができ、仕切りの薄型化による収納容積の拡大などができる。
次に、冷凍サイクルの動作について説明する。
庫内の設定された温度に応じて温度センサ(図示せず)および制御部からの信号により冷却運転が開始および停止される。冷却運転の指示により密閉型圧縮機210が所定の圧縮動作を行い、吐出された高温高圧の冷媒ガスは、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリ212で減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器216に至る。
冷却ファン214の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器216内の冷媒ガスは蒸発気化され、熱交換された低温の冷気をダンパ(図示せず)などで分配することで各室の冷却が行われる。
以上のような動作を行う冷蔵庫の密閉型圧縮機210において、実施の形態1で説明した密閉型圧縮機が用いてある。
すなわち、この密閉型圧縮機210のピストン136の外周面は、シリンダ134の内周面と一様な隙間を有し、摺動面を形成する円筒状のシール部160と、シール部160の後方に位置し、シール部160と同じ半径を有し、側圧を支持する摺動面を形成する延長部162と、シール部160および延長部162より半径が小さい非摺動面である捕集部164とを備えている。
これにより、捕集部164に潤滑油が付着し、ピストン136の往復運動に伴い、捕集部164がシリンダ134内へ引き戻されることで、潤滑油104はピストン136とシリンダ134の摺動面をより確実に潤滑することができ、シール部160にも確実に潤滑油104を供給することができるので、シール部160での圧縮室148の気密性も確実に維持して、圧縮室148からの冷媒ガスの漏れを防止し、かつシール部160の後方に延長部162を設けたことにより、ピストン136に作用する側面方向の荷重を支持しながら、摺動面の面積を削減し、摺動損失を低減することで密閉型圧縮機210の効率を向上することができ、冷蔵庫の消費電力を低減することができる。
また、延長部162の幅の中心を、ピストン136の往復動の軸中心より主軸受126側にずらしているので、ピストンの傾きを抑制することができ、ピストンの片当りを低減し、ピストンの偏磨耗を抑えることができる。
また、捕集部164より潤滑油104を供給し、摺動面を潤滑することで、摺動面の摩耗の発生を防止し、密閉型圧縮機210の信頼性を向上することができるので、冷蔵庫の信頼性を向上することができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、ピストンの摺動損失を低減しながらピストンのシール部や延長部の摺動面の摩耗の発生を防止して、効率と信頼性を向上させることができるので、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置等に広く適用できる。
101、210 密閉型圧縮機
102 密閉容器
104 潤滑油
110 電動要素
112 圧縮要素
114 固定子
116 回転子
120 主軸部
122 偏心軸部
118 シャフト
124 シリンダブロック
126 主軸受
130 給油機構
134 シリンダ
136 ピストン
144 連結手段
160 シール部
162 延長部
164 捕集部

Claims (5)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯溜すると共に、固定子と回転子を備えた電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを有するシャフトと、シリンダと前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受とを備えたシリンダブロックと、前記シリンダの内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結する連結手段と、前記シャフトに具備された給油機構とを備え、前記ピストンは、前記シリンダの内周面と一様な隙間を有し、摺動面を形成する円筒状のシール部と、前記シール部の後方に位置し、前記シール部と同じ半径を有し、側圧を支持する摺動面を形成する延長部を有し、かつ前記延長部の幅の中心を前記ピストンの往復動の軸中心より主軸受側にずらした密閉型圧縮機。
  2. 前記ピストンは、シール部および延長部の後方に形成され、前記シール部と前記延長部の半径より小さい半径の非摺動面で形成された捕集部を有する請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記ピストンは、当該ピストンが上死点に向かう際に、連結手段により前記シリンダの内周面に押圧される側(負荷側)の前記ピストンの延長部の幅を、押圧されない側(反負荷側)の前記ピストンの延長部の幅より1.2倍以上広くした請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記電動要素をインバータ回路により複数の回転数で駆動する構成とした請求項1から3のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機を用いた冷蔵庫。
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