JP2018091236A - 密閉型圧縮機及びそれを用いた冷凍装置 - Google Patents

密閉型圧縮機及びそれを用いた冷凍装置 Download PDF

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【課題】信頼性の高い密閉型圧縮機とそれを用いた冷凍装置の提供。【解決手段】密閉容器内の潤滑油を偏心軸部122とコンロッド138との連結摺動部に給油する給油機構を備え、この給油機構は、シャフト118の主軸部120に設けた主軸穴部166と、前記主軸穴部に連通し端部を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における偏心軸部のコンロッドと対向する領域より上方に開口する傾斜穴168と、前記傾斜穴から分岐し他端を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における偏心軸部のコンロッドと対向する領域に開口する偏心軸穴部174と、を備えた構成としてある。これにより、偏心軸部122の摺動面に大きな欠損部分が生じることがなくピストンなどへの給油量を確保することができ、信頼性を向上することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、密閉型圧縮機およびそれを用いた冷蔵庫等の冷凍装置に関するものである。
近年、地球環境保護に対する要求から家庭用冷蔵庫等は、ますます省エネ化への動きが加速されている。
このような中にあって、従来、この種の冷蔵庫等に用いられている密閉型圧縮機には、シャフトの偏心軸部の偏心量を制限することなく、給油量を確保しながら、軸径を小さくしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら、前記従来技術の密閉型圧縮機について説明する。
図7は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図である。図8は、シャフトの上面図、図9は、図8のF−F線による断面図である。
図7から図9において、密閉容器2の底部には潤滑油4を貯留しており、圧縮機本体6は、サスペンションスプリング8によって密閉容器2に対し弾性的に支持されている。
圧縮機本体6は、固定子14および回転子16とから構成された電動要素10と、この電動要素10の上方に配設された圧縮要素12から構成されている。
圧縮要素12のシャフト18は、主軸部20と、主軸部20の上側に延出する偏心軸部22とを備えており、主軸部20はシリンダブロック24に形成された主軸受26に回転自在に軸支されるとともに、回転子16が嵌装されている。
また、シリンダブロック24は円筒状の穴部であるシリンダ34を備えており、ピストン36がシリンダ34に往復自在に挿入されるとともに、コンロッド38を介して偏心軸部22とピストン36とを連結している。
また、主軸部20の下端に取り付けられたコーン21は密閉容器2の底部の潤滑油4内に浸漬し、シャフト18は、コーン21から、主軸部20の表面に設けたらせん状の給油溝(図示せず)などを経由して、偏心軸部22へ至る給油機構30を備えている。
上記偏心軸部22および主軸部20は、図9に示すように、その少なくとも一部まで伸びる様に給油用の傾斜穴40が設けられており、傾斜穴40の一方の端部42は偏心軸部22の円筒表面上にあり、傾斜穴40の他方の端部44は主軸部20の円筒表面上にある。この傾斜穴44は給油機構30の給油経路となるもので、その傾斜穴44は主軸部20の表面から穴内面までの半径方向深さG(図8参照)が4.0mm以下になるように設定されている。
以上のように構成された従来の密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素10に通電されると、回転子16の回転に伴ってシャフト18も回転する。偏心軸部22が旋回運動することで、コンロッド38により連結されたピストン36が往復運動し、シリンダ34内で冷媒ガスを圧縮する。冷媒ガスを圧縮する際の荷重は、コンロッド38を介して偏心軸部22へ作用し、主軸部20と、主軸受26の内周面で形成されるすべり軸受で支持している。
そして、上記シャフト18の回転により潤滑油4が給油機構の一部となる傾斜穴40を介して上記主軸受26で構成するすべり軸受 部分や偏心軸部22とコンロッド38の連結摺動部 (偏心軸部22はコンロッド38の大穴に嵌合して連結されており偏心軸部外周面とコンロッド大穴内周面とが連結摺動部となっている)に給油している。
このようにこの密閉型圧縮機は、傾斜穴40を設けてすべり軸受部分や偏心軸部22とコンロッド38の連結摺動部に給油する構成としているので、偏心軸部22および主軸部20の軸径を小さくすることができ、これにより粘性損失を小さくしながら、大きい偏心量を採用することができ、優れた給油能力および機械強度を維持することが可能になっている。つまり、シャフトの軸径を小さなものとしながら大きな偏心量 で給油することが可能な給油機構となっている。
特開2013−545025号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の構成では、主軸部20から偏心軸部22へ至る傾斜穴40は、偏心軸部22の前記した連結摺動部(偏心軸部外周面とコンロッド大穴内周面の嵌合部分)の領域に直接開口するが、傾斜穴40は偏心軸部22の外周面に対して大きく傾斜しているため、端部42の開口部は傾斜穴40の断面積に比べ面積が大きくなり、連結摺動部に大きな欠損が生じる。そのため、連結摺動部に作用する荷重を充分に支持することができずに、摩耗等が発生し信頼性が低下するという課題を有していた。
また、傾斜穴40を経由してコンロッド端面へ導かれた潤滑油は、旋回するコンロッド38に付勢され慣性力によりコンロッド表面を伝って放出されて、ピストン36とシリンダ34の摺動部や、ピストンピンとコンロッド小穴の摺動部を潤滑する。
ところが、旋回するコンロッド表面を伝って放出される慣性力は、偏心軸部22から直接放出される場合に比べて小さく、飛散する範囲が狭いため、低回転時にはピストン36などへ十分な給油を行うことができず、シール不足による性能の低下や、摩耗などによる信頼性の低下が発生するという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、摩耗の発生を防止し高い信頼性を持つ密閉型圧縮機とそれを用いた冷凍装置を提供することを目的としたものである。
本発明は上記目的を達成するために、密閉容器内の潤滑油を偏心軸部とコンロッドとの連結摺動部に給油する給油機構は、シャフトの主軸部に設けた主軸穴部と、前記主軸穴部に連通し端部を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における前記偏心軸部の前記コンロッドと対向する領域より上方に開口する傾斜穴と、前記傾斜穴から分岐し他端を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における前記偏心軸部のコンロッドと対向する領域に開口する偏心軸穴部と、を備えた構成としてある。
これにより、偏心軸部とコンロッドとの連結摺動部に給油する偏心軸穴部は偏心軸部に対する傾斜が小さくなるので、摺動部の欠損を小さくすることができ、偏心軸部とコンロ
ッドとの間の連結摺動部の摺動面積を確保し、信頼性を向上することができる。またピストンとシリンダの摺動部や、ピストンピンとコンロッド小穴の摺動部への給油は、コンロッドではなく偏心軸部の上部から直接潤滑油を飛散させるので、慣性力が大きくなって低回転時においても十分な給油を行うことができ、シール不足を防止し、性能を向上するとともに、摩耗の発生を防止することができる。
本発明の密閉型圧縮機は、偏心量が大きく、軸径の小さいシャフトで給油機構を構成する際に、偏心軸部の摺動面に大きな欠損部分が生じることがないので、信頼性の低下を防止することができる。また、ピストンなどへの給油量を確保することができるので、ピストンでのシール性を確保し性能を向上させることができるとともに、潤滑状態が良好になることで信頼性を向上することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態におけるシャフトの給油機構の構成を示す模式図 同実施の形態におけるシャフトの上面図 図3のC−C線断面図 同実施の形態における傾斜穴の方向と最小肉厚の関係を示す特性図 本発明の実施の形態2における冷凍装置の概略断面図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来のシャフトの上面図 図8のF−F線断面図
第1の発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを備えたシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受とシリンダとを備えたシリンダブロックと、前記シリンダの内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結するコンロッドとを備え、前記シャフトは前記密閉容器内の前記潤滑油を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部に給油する給油機構を備え、上記給油機構は、前記シャフトの前記主軸部に設けた主軸穴部と、前記主軸穴部に連通し端部を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における前記偏心軸部の前記コンロッドと対向する領域より上方に開口する傾斜穴と、前記傾斜穴から分岐し他端を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における前記偏心軸部の前記コンロッドと対向する領域に開口する偏心軸穴部と、を備えた構成としてある。
これにより、偏心軸部のコンロッドと対向する領域より上方に開口させた傾斜穴の端部開口からピストンとシリンダの摺動部や、ピストンピンとコンロッド小穴の摺動部に給油するとともに、偏心軸部のコンロッドと対向する領域に開口させた偏心軸穴部の端部開口から偏心軸部のコンロッドとの連結摺動部に給油することになる。そして、上記偏心軸部とコンロッドとの連結摺動部に給油する偏心軸穴部は偏心軸部の途中部分から分岐して偏心軸部のコンロッドとの連結摺動領域に開口しているので、偏心軸部に対する傾斜が小さくなって摺動部の欠損を小さくすることができ、偏心軸部とコンロッドとの間の連結摺動部の摺動面積を確保し、信頼性を向上することができる。また、ピストンとシリンダの摺動部や、ピストンピンとコンロッド小穴の摺動部への給油は、コンロッドではなく偏心軸部の上部から直接潤滑油を飛散させるので、慣性力が大きくなって低回転時においても十分な給油を行うことができ、シール不足を防止し、性能を向上するとともに、摩耗の発生を防止することができる。すなわち、偏心量が大きく、軸径の小さいシャフトで給油機構
を構成する際に、偏心軸部の摺動面に大きな欠損部分が生じることがないので、信頼性の低下を防止することができると同時に、ピストンなどへの給油量を確保して性能を向上させることができ、かつ、潤滑状態が良好になることで信頼性を向上することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の密閉型圧縮機において、傾斜穴の偏心軸部への開口部の一部を封止する封止手段を有するものである。
これにより、傾斜穴へ供給された潤滑油がすべて開口部から流出することがなく、偏心軸穴部を経由して偏心軸部へ供給されるので、偏心軸部の摺動面の潤滑がより確実になり、摺動損失の増加を防止するとともに、信頼性を向上することができる。
第3の発明は、特に第2の発明の密閉型圧縮機において、偏心軸部の上部にカウンタウェイトを備え、封止手段が前記カウンタウェイトと一体に形成されるものである。
これにより、別途封止手段として部品を取り付ける必要がなく、製造コストを低減することができる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、商用電源周波数より小さい回転数を含む複数の回転数で運転されるものである。
これにより、低い回転数で、遠心力が小さい場合でも、ピストンなどへの給油量を確保することができるので、ピストンでのシール性を良好なものとすることができ、性能向上の効果が顕著であるとともに、潤滑状態が良好になることによる信頼性向上の効果も顕著なものとなる。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明の密閉型圧縮機を用いた冷凍装置である。
これにより、密閉型圧縮機の効率が高いので、冷凍装置の消費電力を低減することができるとともに、信頼性の高い密閉型圧縮機を用いたことにより、冷凍装置の信頼性も向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2は、同実施の形態におけるシャフトの給油機構の構成を示す模式図、図3は同実施の形態におけるシャフトの上面図、図4は図3のC−C線断面図である。
図1から図4において、この密閉型圧縮機は、密閉容器102の内底部に潤滑油104を貯留するとともに、圧縮機本体106がサスペンションスプリング108により密閉容器102内に内部懸架されている。また、密閉容器102には、温暖化係数の低い冷媒ガスであるR600a(イソブタン)が充填されている。また、潤滑油104は、密閉型圧縮機の高効率化により消費電力を低減するため、粘度グレードがVG8以下、望ましくは、VG5程度の粘度の低いものを使用している。
圧縮機本体106は、電動要素110と、これによって駆動される圧縮要素112とからなり、密閉容器102には電動要素110に電源を供給するための電源端子113が取り付けられている。
まず、電動要素110について説明する。
電動要素110は、鋼板を積層した鉄心の複数の磁極歯に絶縁材を介して巻線(図示せず)を直接巻回した固定子114と、固定子114の内周側に配置された永久磁石(図示せず)を内蔵した回転子116とを備えた突極集中巻方式のDCブラシレスモータである。固定子114の巻線は電源端子113を経由して密閉型圧縮機外のインバータ回路(図示せず)と導線により接続され、電動要素110は商用電源周波数より小さい回転数を含む複数の回転数で駆動される。
次に、圧縮要素112について説明する。
圧縮要素112は電動要素110の上方に配設されている。
圧縮要素112を構成するシャフト118は、垂直方向に配置され、主軸部120と、主軸部120上端から延出し、主軸部120と平行な偏心軸部122と、を備えている。また、主軸部120には回転子116が焼嵌めなどの方法で固定されている。
シリンダブロック124は、円筒形の内面を有する主軸受126を備え、主軸受126に主軸部120が回転自在な状態で挿入されることでシャフト118が支持されている。そして、圧縮要素112は、偏心軸部122に作用した荷重を偏心軸部122の下側に配置された主軸部120と主軸受126で支持する片持ち軸受の構成になっている。
また、シリンダブロック124は円筒状の穴部であるシリンダ134を備えており、ピストン136がシリンダ134に往復自在に挿入されている。そして、コンロッド138は、偏心軸部122とピストン136とを連結している。すなわち、コンロッド138は、偏心軸側端部に設けた大穴138aに偏心軸部122 を嵌合するとともに、ピストン側端部に設けた小穴138bをピストンピン136aに嵌合させて、偏心軸部122とピストン136とを連結している。
シリンダ134の端面にはバルブプレート146が取り付けられ、シリンダ134およびピストン136とともに圧縮室148を形成している。さらに、バルブプレート146を覆って蓋をするようにシリンダヘッド150が固定されている。吸入マフラ152は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、シリンダヘッド150に取り付けられている。
また、偏心軸部122の上端には、偏心軸部122と同心で直径が小さい径小部154が設けられ、カウンタウェイト156が焼嵌めなどの方法により径小部154に取り付けられている。
次に図2〜図4を用いて給油機構130について説明する。
図2に示すように、シャフト118はその下端から上向きに円筒状の穴部158が設けられており、穴部158の内部にはデバイダ162が挿入されるとともに、穴部158の下端に、中央に中心孔161を有する薄板状のエンドキャップ160が取り付けられている。また、穴部158の上端には、主軸部120表面に設けたらせん溝132の下端と連通する連通孔164が設けられている。
らせん溝132の上端には、主軸穴部166が設けられており、主軸穴部166から主軸部120および偏心軸部122の内部を通り、偏心軸部122上部の径小部154への
開口部170で開口する傾斜穴168が設けられている。
また、径小部154にはカウンタウェイト156が取り付けられており、開口部170の一部をカウンタウェイト156により封止することで、カウンタウェイト156は封止手段172を構成している。
さらに、上記傾斜穴168の途中から偏心軸部122の外周面に向って偏心軸穴部174が分岐形成されている。この偏心軸穴部174は、傾斜穴168の中間部168aと連通し、偏心軸部122外周表面のコンロッド138と対向する位置、すなわち、偏心軸部122とこれを嵌合させたコンロッド138の大穴138aとの連結摺動部における偏心軸部122のコンロッド138と対向する領域に配置された開口部174aで開口している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電源端子113より電動要素110に通電されると、固定子114に発生する磁界により回転子116はシャフト118とともに回転する。
シャフト118の回転に伴い、シャフト118の偏心軸部122は偏心回転し、コンロッド138により変換され、ピストン136をシリンダ134内で往復運動させる。そして、圧縮室148が容積変化することで、密閉容器102内の冷媒ガスを圧縮室148内に吸入し、圧縮する動作を行う。
圧縮動作を行う際の、圧縮室148の冷媒ガスによる圧縮荷重は、ピストン136やコンロッド138を介して、シャフト118の偏心軸部122へ作用する。
シャフト118は、その主軸部120が主軸受126と微小な隙間を介して対向し、この隙間に潤滑油が介在することですべり軸受を構成しており、前記偏心軸部122に作用した圧縮荷重を支持している。
また、シャフト118の回転に伴い、偏心軸部122に作用する遠心力などにより不釣合いが発生するが、カウンタウェイト156により不釣合いが軽減され、振動の発生を抑制している。
次に、給油機構130の作用効果について説明する。
密閉容器102底部の潤滑油104は、デバイダ162の中心孔161より、穴部158内へ流入する。デバイダ162の作用により、潤滑油104はシャフト118とともに回転し、遠心力が作用することで穴部158内の潤滑油104は、連通孔164よりらせん溝132へと流出する。
らせん溝132内の潤滑油は、主軸部120と主軸受126の間に形成される摺動部を潤滑しながら、粘性作用によりらせん溝132内を上方へ流れる。らせん溝132上端の主軸穴部166より、潤滑油104は傾斜穴168を経由して偏心軸部122の上方の開口部170へ至り、シャフト118の回転に伴う遠心力により密閉容器102内に飛散する。そして、飛散した潤滑油104は、ピストン136やシリンダ134などに付着し、これらの部位を潤滑する。
また、傾斜穴168内の潤滑油104の一部は、偏心軸穴部174を通って、偏心軸部122とこれを嵌合させたコンロッド138の大穴138aとの連結摺動部へ供給され、
潤滑を行う。
ここで、従来のように傾斜穴168が偏心軸部表面の摺動部に直接開口していると、傾斜穴168は偏心軸部に対して、必然的に大きく傾斜するので、傾斜穴168の断面積に比べ開口部の面積が大きくなり、偏心軸部122の摺動面に大きな欠損部分が生じることになる。
しかしながら、本発明では、傾斜穴168は、偏心軸部122のコンロッド138より上側の径小部154に開口させて、偏心軸部122の途中部分から分岐形成した偏心軸穴部174を経由して偏心軸部122へ潤滑油104を供給するようにしているので、偏心軸部122が嵌合している連結摺動部での偏心軸穴部174の偏心軸部122に対する傾斜が小さくなり、従来のように連結摺動部の欠損が大きくなって信頼性を悪化させることはない。つまり、偏心軸部122とコンロッド138との間の連結摺動部の摺動面積を確保し、信頼性を向上することができる。
従って、偏心軸部122に作用する荷重を安定して支持することが可能となり、信頼性を向上することができる。
また、潤滑油104は、旋回運動するコンロッド138のコンロッド表面を伝って放出されるのではなく、コンロッド138よりさらに上方の偏心軸部122上部の開口部170より直接飛散する形となるので、慣性力が大きく、ピストン136などへより確実に給油することができる。したがって、ピストン136などへ十分な給油を行うことができ、ピストン136でのシール性を確保し、性能の向上が可能となるとともに、潤滑状態が良好になることで信頼性を向上することもできる。
特に商用電源周波数を下回る回転数、具体的には20r/s以下の極めて低い回転数においては、コンロッド138の旋回運動の速度も低くなり、コンロッド138から潤滑油104を飛散させて給油する従来の構成では、ピストン136などへ潤滑油104を十分に供給することができない。
しかし本発明では、潤滑油104は偏心軸部122上部の開口部170より直接飛散するので、ピストン136などへより確実に給油することができる。従って、低い回転数においてもピストン136などへ十分な給油を行うことができ、ピストン136のシール性確保による性能向上と、潤滑状態が良好になることによる信頼性向上の効果が顕著となり効果的である。
また、傾斜穴168は偏心軸部122の上端面ではなく、外周面の開口部170で開口しているので、主軸部120や偏心軸部122の径が小さく偏心量が大きくても、傾斜穴168の周囲の肉厚を確保しながら、傾斜穴168の断面積を極端に小さくすることなく、傾斜穴168を構成することができる。
ここで、上記傾斜穴168などの仕様と肉厚との関係について説明しておく。
主軸部120の直径が16mm、偏心軸部の直径が14mm、偏心量9mmの場合の、傾斜穴168と主軸部120の間の最小肉厚D(図4参照)と、傾斜穴168と偏心軸部122の最小肉厚E(図4参照)の具体例を図5に示す。
偏心軸部122の軸心と主軸部120の軸心を通る平面に対する開口部170の角度A(図3参照)が大きくなるのに伴い、主軸部120の最小肉厚(D)は大きくなる。一方、偏心軸部122の最小肉厚(E)は、角度Aが約30°で最大となり、その後角度Aの増加に伴い小さくなる。
主軸部肉厚(D)と偏心軸部肉厚(E)を共に確保するためには、角度Aを30°から110°の範囲とすれば良く、さらに望ましくは、50°から100°の範囲とすればより確実に肉厚を確保しながら、傾斜穴168を構成することができる。
また、偏心軸部122の軸心と主軸部120の軸心を通る平面に対する偏心軸穴部174の開口部174aの角度(B)(図3参照)は、偏心方向に対して90°以内とすることで、遠心力により潤滑油104を開口部174aの方向へ導くことができる。これにより、偏心軸部122とコンロッド138との連結摺動部へ潤滑油104を供給することができ、摺動損失の増加を防止するとともに、信頼性を向上することができる。
また、この実施の形態の密閉型圧縮機は、傾斜穴168の開口部170の一部を封止する封止手段172を有しているので、傾斜穴168へ流入した潤滑油104のすべてが開口部170から流出することがなく、偏心軸部122の摺動部へ効率よく供給されるので、摺動部の潤滑がより確実になり、摺動損失の増加を防止するとともに、信頼性を向上することができる。
さらに、カウンタウェイト156が、封止手段172の機能を果たすので、別途部品を取り付ける必要がなく、製造コストを低減することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における冷凍装置としての冷蔵庫を示す概略断面図である。
図6において、冷蔵庫本体となる断熱箱体262はABSなどの樹脂体を真空成型した内箱264とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱266とで構成された空間に発泡充填する断熱体268を注入してなる断熱壁を備えている。断熱体268は、例えば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。発泡材としてはハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらによい。
断熱箱体262は、複数の断熱区画に区分されており、上部を回転扉式、下部を引出し式とする構成をとってある。上から冷蔵室270、並べて設けた引出し式の切替室272および製氷室274と、引出し式の野菜室276と引出し式の冷凍室278となっている。各断熱区画にはそれぞれ断熱扉がガスケットを介して設けられている。上から冷蔵室回転扉280、切替室引出し扉282、製氷室引出し扉284、野菜室引出し扉286、冷凍室引出し扉288である。
また、断熱箱体262の外箱266は、天面後方を窪ませた凹み部290を備えている。
冷凍サイクルは、凹み部290に弾性支持して配設した密閉型圧縮機292と、断熱箱体262側面などに設けた凝縮器(図示せず)と、減圧器であるキャピラリ294と、水分除去を行うドライヤ(図示せず)と、野菜室276と冷凍室278の背面で冷却ファン296を近傍に配置して設けた蒸発器298と、吸入配管300とを環状に接続して構成されている。
ここで、上記密閉型圧縮機292は、実施の形態1で説明した圧縮機を用いている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、各断熱区画の温度設定と冷却方式について説明する。冷蔵室270は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃で設定されている。
切替室272は、ユーザーの設定により温度設定を変更可能であり、冷凍室温度帯から冷蔵、野菜室温度帯まで所定の温度設定にすることができる。また、製氷室274は独立の氷保存室であり、自動製氷装置(図示せず)を備えて、氷を自動的に作製、貯留するものである。氷を保存するために冷凍温度帯であるが、氷の保存が目的であるために冷凍温度帯よりも比較的高い−18℃〜−10℃の冷凍温度で設定されることも可能である。
野菜室276は、冷蔵室270と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。凍らない程度で低温にするほど、葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。
冷凍室278は、冷凍保存のために通常−22℃〜−18℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
各室は異なる温度設定を効率的に維持するために断熱壁によって区分されているが、低コストでかつ断熱性能を向上させる方法として断熱体268で一体に発泡充填することが可能である。発泡スチロールのような断熱部材を用いるのに比べて約2倍の断熱性能とすることができ、仕切りの薄型化による収納容積の拡大などができる。
次に、冷凍サイクルの動作について説明する。
庫内の設定された温度に応じて温度センサ(図示せず)および制御基板からの信号により冷却運転が開始および停止される。冷却運転の指示により密閉型圧縮機292が所定の圧縮動作を行い、吐出された高温高圧の冷媒ガスは、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリ294で減圧されて低温低圧の液冷媒となり蒸発器298に至る。
冷却ファン296の動作により、庫内の空気と熱交換されて蒸発器298内の冷媒ガスは蒸発気化され、熱交換された低温の冷気をダンパ(図示せず)などで分配することで各室の冷却が行われる。
以上のような動作を行う冷蔵庫の密閉型圧縮機292は、実施の形態1で説明したように構成されている。
これにより、偏心量が大きく、軸径の小さいシャフトで給油機構を構成していても、偏心軸部の摺動面に大きな欠損部分が生じることがないので、信頼性の低下を防止することができる。また、ピストンなどへの給油量を確保することができるので、ピストンでのシール性を確保し密閉型圧縮機292の性能向上が可能となるとともに、潤滑状態が良好になって密閉型圧縮機292の信頼性を向上することができ、冷蔵庫の消費電力を低減することができるとともに、冷蔵庫の信頼性も向上することができる。
以上のように本発明は、密閉型圧縮機の効率と信頼性を向上し、冷凍装置の消費電力低減と信頼性向上を図ることができ、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機、業務用冷凍冷蔵庫やその他の冷凍装置等に広く適用できる。
102 密閉容器
104 潤滑油
110 電動要素
112 圧縮要素
114 固定子
116 回転子
118 シャフト
120 主軸部
122 偏心軸部
124 シリンダブロック
126 主軸受
136 ピストン
138 コンロッド
156 カウンタウェイト
166 主軸穴部
168 傾斜穴
170 開口部
172 封止手段
174 偏心軸穴部
174a 開口部
292 密閉型圧縮機

Claims (5)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯溜するとともに、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は、前記回転子が固定された主軸部と偏心軸部とを備えたシャフトと、前記シャフトの前記主軸部を軸支する主軸受とシリンダとを備えたシリンダブロックと、前記シリンダの内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記ピストンと前記偏心軸部とを連結するコンロッドとを備え、
    前記シャフトは前記密閉容器内の前記潤滑油を前記偏心軸部と前記コンロッド との連結摺動部に給油する給油機構を備え、
    上記給油機構は、前記シャフトの前記主軸部に設けた主軸穴部と、前記主軸穴部に連通し端部を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における前記偏心軸部の前記コンロッドと対向する領域より上方に開口する傾斜穴と、前記傾斜穴から分岐し他端を前記偏心軸部と前記コンロッドとの連結摺動部における前記偏心軸部の前記コンロッドと対向する領域に開口する偏心軸穴部と、
    を備えた密閉型圧縮機。
  2. 傾斜穴の偏心軸部への開口部の一部を封止する封止手段を有する請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 偏心軸部の上部にカウンタウェイトを備え、封止手段が前記カウンタウェイトと一体に形成される請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 商用電源周波数より小さい回転数を含む複数の回転数で運転される請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を用いた冷凍装置。
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