JP2015155172A - 液体収容容器 - Google Patents

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瞬 大屋
小林 淳
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忠弘 水谷
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忠弘 水谷
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Abstract

【課題】筐体に収納したインク保持部材と筐体底壁との間の大気流路において、液体供給孔に向けた液体誘導を抑制する。
【解決手段】カートリッジ4は、筐体420の底壁422に設けた複数の半円状突起427および弧状突起429にて、底壁422の壁面に、第1端壁423や第2端壁424からインク供給孔407に到る第2空間490を形成する。そして、カートリッジ4は、複数の半円状突起427および弧状突起429をX軸方向およびY軸方向において調整配置することで、蓋401から底壁422に向かう方向に底壁422を平面視したとき、第2空間490における流路Ifに沿った流路幅を、インク供給孔407に近い順に、第1流路幅D1と、この第1流路幅D1より狭い第2流路幅D2と、この第2流路幅D2より広い第3流路幅D3とする。
【選択図】図16

Description

本発明は、液体収容容器に関する。
液体を液体噴射装置に供給可能な液体収容容器としては、従来から、液体噴射装置の一例であるプリンターにインクを供給するインクカートリッジ(単に「カートリッジ」ともいう。)が知られている。このカートリッジは、細孔内に液体を保持する多孔質のインク保持材を筐体に収納し、このインク保持材の収容したインクをプリンターに供給する。
こうしたカートリッジからプリンターへの円滑なインク供給を図る上では、インク供給時におけるカートリッジ内への大気導入が不可欠である。よって、収納したインク保持部材とその下端側の筐体底壁との間に、溝や突起を形成して底壁側の大気流路を形成し、この流路を筐体側壁や筐体蓋の流路を介して筐体蓋の大気孔に連通する大気連通手法が提案されている(例えば、特許文献1等)。
米国特許6739708号公報 米国特許6776479号公報
ところで、インク保持部材と筐体底壁との間の大気流路(以下、底壁側大気流路)は、インク保持材の下端に位置するため、インクは、インク保持材から底壁側大気流路に入り込み得る。そして、こうした入り込んだインクが底壁側大気流路に留まると、当該流路に誘導されて筐体底壁のインク供給孔に流れ込んでしまうことが危惧される。底壁側大気流路に入り込んだインクが底壁側大気流路に誘導されてインク供給孔に流れ込むと、インク供給孔からプリンターへのインク供給状況が変わり、印刷品質の低下を招きかねない。上記の特許文献では、底壁側大気流路へのこうしたインクの入り込みを想定していないことから、インク保持部材と筐体底壁との間の大気流路における液体誘導を抑制することが要請されるに到った。また、液体を収容する液体収容容器から液体の供給を受ける液体噴射装置等において、小型化、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液体収容容器が提供される。この液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容容器であって、大気孔の形成された第1壁と、該第1壁に対向し、液体供給孔の形成された第2壁と、前記第1壁と前記第2壁との間に配置され、液体を保持可能な第1液体保持部材と、を備える。そして、前記第1壁は、前記第2壁に向かって突出する複数の第1突起を備え、かつ、該複数の第1突起が形成されていない領域において、前記第1液体保持部材との間に第1空間を形成し、前記第2壁は、前記第1壁に向かって突出する複数の第2突起を備え、かつ、前記複数の第2突起が形成されていない領域において、前記第1液体保持部材との間に第2空間を形成し、前記大気孔と前記第1空間と前記第2空間と前記液体供給孔とは、大気が通過可能になるよう大気流路を形成し、前記複数の第2突起は、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第2壁を平面視したとき、前記第2空間において、前記複数の第2突起のうち互いに隣接するふたつの第2突起の間に位置する流路の流路幅が、前記液体供給孔に近い順に、第1の幅と、前記第1の幅より狭い第2の幅と、前記第2の幅より広い第3の幅となるように配設されている。この形態の液体収容容器によれば、次の利点がある。
この形態の液体収容容器によっても、第1壁の大気孔から第2壁の液体供給孔まで到る大気流路のうちの第2空間における大気流路(以下、便宜上、第2空間大気流路と称する)に、第1液体保持部材から液体が入り込み得る。そして、仮に、第1液体保持部材から第2空間大気流路に液体が入り込むと、その入り込んだ液体は、液体供給孔から離れた流路部位から液体供給孔に近い流路部位に向けて誘導されて液体供給孔に流れようとする。しかしながら、この形態の液体収容容器は、第2空間大気流路における複数の第2突起のうち互いに隣接するふたつの第2突起の間に位置する流路の流路幅を一律とするのではなく、この流路の流路幅を、液体供給孔に近い順に、第1の幅と、第1の幅より狭い第2の幅と、第2の幅より広い第3の幅とする。よって、液体供給孔に向かう第2空間大気流路は、その流路幅を、液体供給孔から離れた流路部位では幅広な第3の幅とし、これに続く流路部位では幅の狭い第2の幅とし、液体供給孔に近い流路部位では第2の幅より広い第1の幅とする。このため、第2空間大気流路に入り込んだ液体は、液体供給孔に向かって第2空間大気流路を流れようとする際、幅の狭い第2の幅の流路部位に捕捉され易くなる。こうしたことから、この形態の液体収容容器によれば、第1液体保持部材から第2空間大気流路に入り込んだ液体を液体供給孔に達するまで誘導し難くできるので、液体供給孔からの安定した液体供給状況を維持できる。
(2)上記形態の液体収容容器において、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第2壁を平面視したとき、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方の側壁は他方に対し湾曲しているようにしてもよい。こうすれば、第2壁の壁面における第2突起の突起側面の立ち上がり軌跡を長くできるので、第2突起の突起側面の立ち上がり箇所での液体捕捉も可能となり、液体供給孔への液体の誘導をより有効に抑制できる。
(3)上記いずれかの形態の液体収容容器において、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向において、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方は、前記第2壁と接する第1部分と、前記第1液体保持部材と接する第2部分とを有し、前記第1部分の側壁は前記第1壁から前記第2壁に向かう方向において曲率を有するようにできる。こうすれば、次の利点がある。第2突起の第1部分の側壁が角状であると、この第1部分側壁での液体捕捉が起き易いので、第1部分側壁に捕捉された液体は、角状の第1部分側壁を伝わって大気流路を移動し易くなり、第1液体保持部材への戻りが起き難くなる。これに対し、上記形態の液体収容容器は、第2突起の第1部分側壁を第1壁から第2壁に向かう曲率で湾曲させている故に、角状の第1部分側壁の場合に比して液体を捕捉しがたくして、捕捉されなくなった液体を第1液体保持部材に戻り易くできる。よって、本形態の液体収容容器によれば、液体供給孔への液体の誘導をより有効に抑制できる。
(4)上記いずれかの形態の液体収容容器において、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記複数の第2突起を平面視したとき、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方の側壁は切欠部を有し、該切欠部は前記液体供給孔から遠ざかる側に形成されるようにできる。こうすれば、液体供給孔から遠ざかる側において、切欠部に液体を捕捉できるので、液体供給孔への液体の誘導をより有効に抑制できる。
(5)上記いずれかの形態の液体収容容器において、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記複数の第1突起を平面視したとき、前記複数の第1突起の少なくとも一つの前記第1突起は、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方と重なるよう配設されているようにできる。こうすれば、次の利点がある。仮に、第1突起と第2突起とが上記の平面視において全く重ならないとすると、第1液体保持部材は、第1壁の側の第1突起と第2壁の側の第2突起とで交互に押圧されて波打ち、第2突起の側の大気流路を閉塞してしまうことが危惧される。しかしながら、本形態の液体収容容器によれば、上記の平面視において第1突起と第2突起とが重なった箇所では、第1液体保持部材の波打ちを回避して、大気流路を第2突起周りに確実に確保するので、第2突起の側の大気流路を閉塞を抑制できる。そして、大気流路の閉塞抑制により、液体供給の際の大気導入を担保できるので、液体供給孔から液体を安定して供給できる。
(6)上記形態の液体収容容器において、前記第1液体保持部材より大きな細孔密度を有する第2液体保持部材を、前記液体供給孔を覆うように前記第1液体保持部材に重ねて配設して備え、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第1壁を平面視したとき、前記第2液体保持部材が配設されていない領域における前記複数の第2突起の総面積は、前記領域における前記複数の第1突起の総面積より大きくされているようにできる。こうすれば、第2液体吸収部材が配設されていない領域においても、第1液体保持部材の波打ちによる流路閉塞を回避可能な箇所を確保できる。よって、この形態の液体収容容器によれば、既述したように大気流路を第2突起周りに確実に確保できるので、第2突起の側の大気流路の閉塞抑制と、これを通した液体供給孔からの安定した液体供給を達成できる。
(7)上記いずれかの形態の液体収容容器において、前記第2壁は、前記第1壁に向かって突出する複数の第3突起を備え、該第3突起にて前記第2液体保持部材に接し、前記複数の第3突起が形成されていない領域において、前記第2壁と前記第2液体保持部材との間に前記第2空間に含まれる第3空間を形成し、該第3流路は、前記大気流路の内の前記液体供給孔の側の大気流路をなすようにできる。こうすれば、第1液体保持部材に重ねて配設されて液体供給孔を覆う第2液体保持部材にまで液体を誘導し難くできるので、第2液体保持部材を経て液体供給孔から供給される液体の供給状況を安定化させることができる。
(8)上記いずれかの形態の液体収容容器において、前記複数の第1突起の少なくとも一つは前記第1壁の壁面に沿って線状に延びる線状突起とされ、該線状突起は、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第1壁を平面視したとき、前記ふたつの第2突起と重なるようにできる。こうすれば、第1壁の側の第1突起と第2壁の側の第2突起とで第1液体保持部材が交互に押圧されて波打つ現象を、ふたつの第2突起の間で起こさないようにできる。よって、第2突起周りの大気流路の確保が確実となり、第2突起の側の大気流路の閉塞抑制と、これを通した液体供給孔からの安定した液体供給に有益となる。
(9)上記いずれかの形態の液体収容容器において、前記第2壁から立ち上がって前記第1壁と交差する第3壁と、前記第2壁から立ち上がって前記第1壁と交差すると共に前記第3壁に対向する第4壁と、前記第1壁の一方の端部と前記第2壁の一方の端部の間において前記第2壁から立ち上がって前記第1壁に交差する第5壁と、前記第1壁の他方の端部と前記第2壁の他方の端部の間において前記第2壁から立ち上がって前記第1壁に交差すると共に前記第5壁と対向する第6壁とで、前記第1液体保持部材を取り囲み、前記第3壁と前記第4壁との隔たりは、前記第5壁と前記第6壁との隔たりより大きく、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第1壁を平面視したとき、前記第3壁から前記第4壁に向かう方向における前記第1突起の幅は、前記第2突起の幅より小さいようにできる。こうしても、第1壁の側の第1突起と第2壁の側の第2突起とで第1液体保持部材が交互に押圧されて波打つ現象を低減できるので、第2突起周りの大気流路の確保が確実となり、第2突起の側の大気流路の閉塞抑制と、これを通した液体供給孔からの安定した液体供給により有益となる。
(10)上記形態の液体収容容器において、前記複数の第2突起は、前記複数の第3突起の突出高さより高く前記第2壁から突出しているようにできる。こうすれば、第1液体保持部材に重ねて第2液体保持部材を配設した際に、第2液体保持部材に重なった範囲の第1液体保持部材の領域と、第2液体保持部材から外れた第2空間における第1液体保持部材の領域との段差を小さくでき、第2壁側の側において第1液体保持部材を平坦とできる。このように第1液体保持部材が第2壁側の側において平坦であれば、第2液体保持部材に第1液体保持部材が重なった領域の周縁において、第1液体保持部材が第2空間に埋没してこの第2空間を閉塞させてしまう事態は、起き難くなる。よって、この形態の液体収容容器によれば、第2空間を確実に確保した上で、この第2空間が第1液体保持部材にて閉塞されてしまうことを回避可能とする。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素は全てが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
また、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、液体収容容器を備えた液体噴射装置、液体収容容器と液体噴射装置とを備えた液体噴射システム等の形態で実現することができる。
液体噴射システム1の概略構成を示す斜視図である。 液体噴射システム1の内部構成を概略的に示す斜視図である。 カートリッジ装着済みの状態でのキャリッジ8の外観を概略的に示す斜視図である。 カートリッジ未装着のキャリッジ8の概略斜視図である。 カートリッジ未装着のキャリッジ8の底面側からの概略斜視図である。 図3における6−6線に沿った概略断面図である。 カートリッジ4の外観斜視図である。 カートリッジ4の分解斜視図である。 カートリッジ4を底面側から見た外観斜視図である。 回路基板410を未装着のカートリッジ4を底面側から見た外観斜視図である。 蓋401の表裏面における溝や突起の形成の様子と蓋裏面の突起を透視して示す様子と突起の要部断面を示す説明図である。 図11における12−12線にて蓋401を断面視した様子を示す説明図である。 筐体420を−Z方向にその開口側から平面視した様子と液体保持部材460の受け座の様子並びに大気流路の形成の様子を示す説明図である。 図8における底壁422のコーナー部Kvを拡大して示すと共に要部の断面を示す説明図である。 供給孔側液体保持部材406の収納後における大気流路の様子を示す説明図である。 底壁422の上面に形成される第2空間490における流路幅の関係を拡大して示す説明図である。 底壁422の弧状突起429および半円状突起427と蓋401の第1突起470との位置関係を−Z方向に透視して平面視した様子を示す説明図である。 突起基部429aを湾曲させた形態と角状とした形態でのインク捕捉の様子を模式的に説明する説明図である。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.実施形態:
B.各種変形例:
A.第1実施形態:
A−1:液体噴射システム1の構成:
図1は液体噴射システム1の概略構成を示す斜視図、図2は液体噴射システム1の内部構成を概略的に示す斜視図である。図1および図2には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。このX軸は、後述のキャリッジ8の往復動作方向に沿った軸であり、キャリッジ8の往復動に伴う印字の際の主走査方向に沿った軸である。Y軸は、机等に水平に載置された液体噴射システム1における前後方向に沿った軸であり、キャリッジ8の往復動に伴う印字の際の副走査方向に沿った軸である。Z軸は、机等に水平に載置された液体噴射システム1における前後方向に沿った軸である。図2以降に示す各図についても必要に応じてXYZ軸を付している。図1および図2のXYZ軸は他の図のXYZ軸にも対応している。液体噴射システム1は、液体噴射装置としてのプリンター10と、2種類のカートリッジ4,5と、を備える。図2に示すように、本実施形態の液体噴射システム1では、プリンター10のカートリッジ装着部7にカートリッジ4,5が着脱可能に装着され、このカートリッジ装着部7は、インク吐出を図る吐出ヘッド8s(図6参照)を備えるキャリッジ8に装着され、通常、キャリッジ8と一体とされている。以下、カートリッジ4を「第1のカートリッジ4」と、カートリッジ5を「第2のカートリッジ5」と適宜称することとする。
第1のカートリッジ4は、単色インク、例えばブラックインクを収容する。第2のカートリッジ5は、複数の色のインクを収容するものであり、本実施形態では、内部に3つの液体収容部が区画形成されている。これにより、本実施形態の第2のカートリッジ5は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを収容する。
ここで、カートリッジ装着部7に装着されるカートリッジの数や種類は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、4つの第1のカートリッジ4をブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色インクに対応して用意し、これら4つの第1のカートリッジ4をカートリッジ装着部7に装着しても良い。また、他の色(例えば、ライトアゼンタやライトシアン)のインクを収容するカートリッジをカートリッジ装着部7に装着しても良い。このように各色のインク毎に第1のカートリッジ4を装着する場合には、第2のカートリッジ5については装着を省略すればよい。
プリンター10は、インクジェットプリンターである。図1に示すように、プリンター10は、ハウジング14と、用紙供給部カバー16と、記録部保護カバー18と、排出部カバー20と、操作部22とを備える。また、図2に示すように、プリンター10は、装置本体12を備える。
図1に示すように、ハウジング14は、装置本体12の周囲を覆って、プリンター10の外観を構成している。また、プリンター10の上面には、用紙供給部カバー16が設けられている。用紙供給部カバー16は、ハウジング14の上面に回動可能に取り付けられている。用紙供給部カバー16は、ハウジング14に対して開いた状態(図1)と、閉じた状態(図示せず)とを取り得る。用紙供給部カバー16はハウジング14に対して閉じた状態にある場合、ハウジング14の上面とともにプリンター10の上面を構成する。
用紙供給部カバー16はハウジング14に対して開いた状態にある場合、プリンター10の背面側(−Y方向側)に傾斜した状態となる。この状態において、用紙供給部カバー16の裏面は、用紙の載置面16aとして機能する。この用紙供給部カバー16がハウジング14に対して開いた状態にある場合、装置本体12の後述する用紙供給部24の用紙開口部26は、プリンター10の上方に対して開いた状態となる。このため、用紙供給部24は、載置面16aに載置された用紙を給送経路に給送可能となる。給送経路とは、印刷を行う際の用紙の移動経路である。用紙開口部26には、一対の用紙ガイド28が設けられている。一対の用紙ガイド28は、プリンター10の幅方向(X軸方向)における間隔を調節可能に構成されている。一対の用紙ガイド28は、用紙の幅方向における両端を拘束し、幅方向における用紙の位置を規定する。
また、用紙供給部カバー16がハウジング14に対して開いた状態にある場合、プリンター10の上面において記録部保護カバー18および操作部22が露出した状態となる。記録部保護カバー18は、ハウジング14に対して開いた状態(図示せず)と閉じた状態(図1)とを取り得る。記録部保護カバー18がハウジング14に対して開いた状態にある場合、ユーザーは装置本体12に設けられた記録部6にアクセス可能となる。
操作部22は、プリンター10を操作するための電源ボタン等の各種ボタンを備えている。用紙供給部カバー16がハウジング14に対して開いた状態にある場合、ユーザーが操作部22に対してアクセス可能となり、プリンター10の操作をすることができる。
さらに、ハウジング14の前面には、排出部カバー20が設けられている。排出部カバー20は、ハウジング14の前面に回動可能に取り付けられている。排出部カバー20は、ハウジング14に対して開いた状態(図1)と、閉じた状態(図示せず)とを取り得る。排出部カバー20がハウジング14に対して開いた状態にある場合、排出部カバー20は、装置本体12の排出部9から記録が実行された用紙Pをプリンター10の前方に排出する。
図2に示すように、装置本体12は、用紙供給部24と、記録部6と、排出部9と、制御部60とを備えている。
制御部60は、用紙供給部24、記録部6および排出部9に電気的に接続され、操作部22から入力された指示に基づいて各部の動作を制御する。また、制御部60は、図示しないキャリッジ駆動モーターを介してキャリッジ8の移動(X軸方向移動:主走査駆動)、および図示しないローラー駆動モーターを介した搬送ローラー軸(図示略)の回転(副走査駆動)を制御している。キャリッジ8は、その底面にカートリッジ装着部7を組み込んで備える。また、制御部60は、カートリッジ4,5が備える回路基板との間で信号のやり取りを行う。
装置本体12は、キャリッジガイドレール62を備え、このキャリッジガイドレール62に沿ってキャリッジ8を移動可能とする。キャリッジガイドレール62は、X軸方向すなわち装置本体の幅方向に延びて、キャリッジ8の底面側に設けられた軸受部409(図3参照)に組み込まれ、キャリッジ8を支持する。
カートリッジ装着部7を装着済みのキャリッジ8は、図示しないキャリッジ駆動モーターやキャリッジガイドレール62で構成されるキャリッジ搬送機構により装置本体12の幅方向(X軸方向、搬送方向)に搬送可能に構成されている。キャリッジ8が装置本体12の幅方向に搬送されることで、カートリッジ装着部7は装置本体12の幅方向に移動する。すなわち、カートリッジ4,5は、プリンター10によって搬送方向(X軸方向)に搬送される。本実施形態のように、吐出ヘッド8s(図5参照)を移動させるキャリッジ8に設けられたカートリッジ装着部7にカートリッジ4,5が装着されるプリンター10のタイプは、「オンキャリッジタイプ」とも呼ばれる。なお、キャリッジ8とは異なる部位に、不動のカートリッジ装着部7を構成し、カートリッジ装着部7に装着されたカートリッジ4,5からのインクを、フレキシブルチューブを介してキャリッジ8の吐出ヘッドに供給しても良い。このようなプリンターのタイプは、「オフキャリッジタイプ」とも呼ばれる。このときのカートリッジ4,5は着脱可能なカートリッジに限られず、固定されたインクタンクであっても良い。このインクタンクには外部からインクが注入可能なインク注入口があるものであっても良い。
液体噴射システム1の使用状態において、キャリッジ8を往復移動させる主走査方向(左右方向)に沿った軸をX軸とし、用紙を搬送する副走査方向(前後方向)に沿った軸をY軸とし、鉛直方向(上下方向)に沿った軸をZ軸とする。また、鉛直上方向が+Z軸方向であり、鉛直下方向が−Z軸方向である。なお、液体噴射システム1の使用状態とは、水平な面に設置された液体噴射システム1の状態であり、本実施形態では、水平な面はX軸およびY軸に平行な面(XY平面)である。図2に示すように、キャリッジ8は、キャリッジガイドレール62で形成されるX軸方向の直線状の搬送経路に沿って移動し、この搬送経路の+X軸端側の停止位置は、キャリッジ原点位置とされている。
A−2.カートリッジの装着状態とキャリッジ構成:
図3はカートリッジ装着済みの状態でのキャリッジ8の外観を概略的に示す斜視図、図4はカートリッジ未装着のキャリッジ8の概略斜視図、図5はカートリッジ未装着のキャリッジ8の底面側からの概略斜視図、図6は図3における6−6線に沿った概略断面図である。なお、カートリッジ装着部7は、キャリッジ8の底部に装着されている都合上、図3においては図示されていない。
図3に示すように、カートリッジ4,5の両カートリッジは、それぞれ蓋401、501の上面に、蓋を貫通した貫通孔402a,402b,502a,502bと、貫通孔402a,402bの間、および貫通孔502a,502bの間を蛇行して延びるエアー溝403,503と、注入孔402c,502cを備える。注入孔402cは、カートリッジ4の最初のインク注入に用いられる。また、カートリッジ5は、既述したようにイエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを収容することから、各色ごとに貫通孔502a,502bが設けられ、各色ごとに貫通孔502a,502bの間を蛇行して延びるエアー溝503を備える。各色ごとの注入孔502cにあっても、最初のインク注入に用いられる。そして、カートリッジ4,5の両カートリッジは、シール部材404,504を、蓋401,501の上面に接合させて、上記の貫通孔、注入孔およびエアー溝の開口を被覆する。
シール部材接合済みのカートリッジ4,5は、図4に示すようにキャリッジ8の底部に組み込まれたカートリッジ装着部7を介してキャリッジ8に装着され、その装着状態では、キャリッジ8の搬送方向(X軸方向)に並んで配置されている。この装着状態では、カートリッジ4,5がそれぞれ備える着脱機構部としての後述の係合部405,505が、キャリッジ8のカートリッジ係合腕801に係合している。このカートリッジ係合腕801は、第1のカートリッジ4と第2のカートリッジ5のそれぞれについて配設されている。ユーザーは、カートリッジ係合腕801に外力を加えることで、各係合腕を回動変位させてカートリッジごとの係合部405,505との係合を解除する。キャリッジ8とカートリッジ4,5との係合が解除されることで、ユーザーはカートリッジ4,5をキャリッジ8から取り外すことができる。なお、こうしたカートリッジの取り外しと再装着は、図2に示した第2停止位置Prにキャリッジ8が停止している時になされる。換言すれば、制御部60によりキャリッジ8がこの第2停止位置Prに停止されたときに、図1に示す記録部保護カバー18の開動作が許可され、このカバー開動作の後に、ユーザーによりカートリッジの取り外しと再装着がなされる。
図4に示すように、キャリッジ8は、カートリッジ装着部7を備え、このカートリッジ装着部7に、ブラックインク用の液体導入部710bと、イエローインク用の液体導入部710yと、マゼンタインク用の液体導入部710mと、シアンインク用の液体導入部710sと、円錐状のコイルバネ720とを備える。コイルバネ720は、カートリッジ4,5に対応して配設され、カートリッジリッジ装着時に圧縮され、カートリッジ係合腕801の係合解除の際に、カートリッジを押し上げる。弾性部材705は、環状をなし、液体導入基部703の外壁部に装着されている。
上記した各インク用の液体導入部は、カートリッジ装着部7に装着されるカートリッジ4,5の液体収容部に対応して配設されており、その大きさにおいて相違するものの、同一の構成を備える。液体導入部710bを例に挙げ説明すると、この液体導入部710bは、液体導入基部703と、金属メッシュ703sと、弾性部材705とを備える。金属メッシュ703sは、ステンレス等の耐食性を備える金属から形成された多孔質体であり、液体導入基部703の上端に組み込まれて、カートリッジ4の後述の供給孔側液体保持部材406に面接触する(図6参照)。そして、供給孔側液体保持部材406に保持されたインクは金属メッシュ703sを通過し、図5に示すようにキャリッジ8がその底面に備える吐出ヘッド8sに送り込まれる。
カートリッジ4は、図6に示すように、+Y軸方向の一端側に回路基板410を備え、この回路基板410を、傾斜した基板載置部411に固定して保持する。基板載置部411への回路基板410の固定の様子や配設位置等については、後述する。そして、カートリッジ4に備え付けられた回路基板410は、後述の端子412を有する。キャリッジ8へのカートリッジ4の装着状態において、端子412の接触部は、キャリッジ8における電極集合体810の電極に、電気的に接触する。また、カートリッジ4は、図におけるX軸方向において基板載置部411の端部を係合部405として備え、この係合部405は、キャリッジ8へのカートリッジ4の装着状態において、キャリッジ8におけるカートリッジ係合腕801に係合する。
図6は、キャリッジ8にカートリッジ4が装着された状態を示す。カートリッジ4は、液体を吸収し保持する機能を有する供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460とを有する。供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460は接触している。カートリッジ装着部7は、その底面に備える液体導入部710bの液体導入基部703の環状先端に取り付けられた金属メッシュ703sを供給孔側液体保持部材406に面接触させる。供給孔側液体保持部材406は液体導入基部703により上方に持ち上げられ、液体保持部材460を押圧する。これにより、液体保持部材460に収容済みの液体、即ちブラックインクは、供給孔側液体保持部材406と、液体導入部710bにおける液体導入基部703の金属メッシュ703sおよび吸引孔704を経て、キャリッジ8の吐出ヘッド8sに供給されることになる。つまり、キャリッジ8の液体導入部710bは、カートリッジ4から液体(ブラックインク)の導入を受け、キャリッジ8は、液体導入部710bに導入された液体(ブラックインク)を吐出ヘッド8sから噴出することになる。なお、カートリッジ5にあっても、カートリッジ4と同様に回路基板510等を備え、既述したようにキャリッジ8に装着される。
カートリッジ4は、供給孔側液体保持部材406に覆われるインク供給孔407を備える。そして、キャリッジ8が液体導入部710bに備える弾性部材705は、インク供給孔407の周囲の周縁陥没部407b(図10参照)に当接し、インク供給孔407からのインク漏れを防ぐようシールする。なお、キャリッジ8のカートリッジ装着部7への組み付けに関与するカートリッジ4の構造については後述する。
A−3.カートリッジ4の構成:
図7はカートリッジ4の外観斜視図、図8はカートリッジ4の分解斜視図、図9はカートリッジ4を底面側から見た外観斜視図、図10は回路基板410を未装着のカートリッジ4を底面側から見た外観斜視図である。図示するように、カートリッジ4は、筐体420と、蓋401と、回路基板410とを備える。蓋401は筐体420に固定され、筐体420が有する凹部421(図6参照)を覆う。この他、カートリッジ4は、供給孔側液体保持部材406と、液体保持部材460と、蓋裏面シール部材436と、シール部材404とを備える。筐体420と蓋401は、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂の成型品であり、射出成型等の適宜な成型手法にて形成される。
筐体420は、底壁422と、第1端壁423と、第2端壁424と、第1側壁425と、第2側壁426とを有する。第1側壁425と第2側壁426とにおいて、外壁がリブ428にて補強されている。底壁422は、筐体420の底面をなし、その中央にインク供給孔407を備える。この底壁422は、蓋401(詳しくは後述の蓋部430)に対向する。第1端壁423は、底壁422から立ち上がり蓋401の蓋部430に交差する。第2端壁424は、底壁422から立ち上がって蓋401の蓋部430に交差すると共に、第1端壁423に対向する。第1側壁425は、第1端壁423の一方の端部(図8における−X方向端部)と第2端壁424の一方の端部(図8における−X方向端部)の間において底壁422から立ち上がって、蓋401の蓋部430に交差する。第2側壁426は、第1端壁423の他方の端部(図8における+X方向端部)と第2端壁424の他方の端部(図8における+X方向端部)の間において底壁422から立ち上がって、蓋401の蓋部430に交差すると共に第1端壁423と対向する。
こうした壁面構成は、次のように表すこともできる。筐体420は、蓋401に対向する底壁422と、蓋401と底壁422に交差する第1端壁423と、蓋401と底壁422に交差し、第1端壁423に対向する第2端壁424と、蓋401と底壁422と第1端壁423と第2端壁424に交差する第1側壁425と、蓋401と底壁422と第1端壁423と第2端壁424に交差し、第1側壁425と対向する第2側壁426とを有する。
回路基板410は、基板表面に複数の端子412を備え、筐体420の第1端壁423に位置する。この第1端壁423には、図10に示すように、基板載置部411が形成される。この基板載置部411は、第1端壁423に対して傾斜する。そして、回路基板410は、その背面を基板載置部411に固定され、第1端壁23に対して傾斜する。回路基板410において、端子412は、図10に示すように、いわゆる千鳥状に2列に配設され、カートリッジ4がキャリッジ8に既述したように装着されると、図6に示すように、キャリッジ8の側の電極集合体810の各電極に電気的に接続される。
基板載置部411は、図11に示すように、奥側、即ち第1端壁423の外壁面側に開口413を備える。この開口413は、第1端壁423の外壁面に沿って第1端壁423の上端側から下端側までZ軸方向に延び(図8参照)、第1端壁423の上下端側で開口している。その一方、蓋401が筐体420に固定されると、開口413は、蓋401が備える後述の外方延在部431により、図11に示すように、第1端壁423の上端側で閉塞される。基板載置部411への回路基板410の固定には、基板載置部411から突出した凸部414が用いられる。図10に示すように、この凸部414が回路基板410から延びた状態において、凸部414が熱カシメされる。これにより、回路基板410は、基板載置部411に固定される。
蓋401は、蓋部430と、外方延在部431とを備える。蓋部430は、平板状とされ、筐体420の凹部421を覆う。外方延在部431は、端子412を有する回路基板410が位置する第1端壁423の側において、蓋部430から外方に延在した部分であり、屈曲延在部432と、傾斜延在部433とを有する。屈曲延在部432は、蓋401から筐体420に向かう第1方向(図8における−Z方向)に沿って蓋部430からほぼ90度に屈曲させて突出するよう延びている。この屈曲延在部432に続く傾斜延在部433は、蓋401から筐体420に向かう第1方向(図8における−Z方向)からの蓋401の平面視において、回路基板410の端子412に重なる位置まで延びている。そして、この外方延在部431は、蓋401が筐体420に固定されると、図11に示すように、開口413と重なって、この開口413を第1端壁423の上端側で閉塞する。また、外方延在部431は、蓋401が筐体420に固定されると、図7に示すように、傾斜延在部433を基板載置部411の開口413に係合させる。この他、外方延在部431は、傾斜延在部433を、第2端壁424から第1端壁423に向かう第2方向(図6および図8における+Y方向)において、回路基板410の少なくとも下段側の端子412より外方に突出している。なお、傾斜延在部433を図示する状態からより長く延在させて、回路基板410の端子412の総てより外方に突出ようにしてもよい。
図11は蓋401の表裏面における溝や突起の形成の様子と蓋裏面の突起を透視して示す様子と突起の要部断面を示す説明図、図12は図11における12−12線にて蓋401を断面視した様子を示す説明図である。これらの図に示すように、蓋401は、既述した貫通孔402a,402bと注入孔402cとエアー溝403を備えるほか、大気連通孔434と、複数のシール部材受け座437と、複数の第1突起470と、開口挿入突起401cとを備える。シール部材受け座437は、貫通孔402a,402bの周壁やエアー溝403の周壁と同じ高さで蓋401の上面から突出し、シール部材404の接合受け座となる。開口挿入突起401cは、蓋裏面の各コーナーと長辺部位および貫通孔402aの周囲に設けられており、筐体420への蓋401の接合組み付けの際、蓋体開口に入り込む。
大気連通孔434は、蓋部430の一部がY軸方向に延びた蓋部外縁に形成され、この蓋部外縁において蓋401を貫通する。そして、この大気連通孔434は、蓋401の裏面側において貫通孔402bと図示しないエアー溝で繋げられる。当該エアー溝と大気連通孔434の蓋裏面側開口および貫通孔402bの蓋裏面側開口は、蓋裏面シール部材436にてシールされる。これにより、蓋401で塞がれた筐体420の凹部421を、貫通孔402aとエアー溝403と貫通孔402bを介して、大気連通孔434にて大気開放することができる。この大気開放については、液体保持部材460と関連付けて後述する。
蓋401の裏面に形成されたそれぞれの第1突起470は、蓋401に対向する底壁422に向かって突出し、図11とそのA−A線断面、B−B線断面に示すように、蓋401の裏面に壁面に沿って線状に延びる線状突起とされている。この複数の第1突起470は、点在形成されているので、図12に示すように、第1突起470が形成されていない領域において、液体保持部材460との間に第1空間471を形成する。この第1空間471を形成する第1突起470は、図11の裏面透視図に示すように、貫通孔402bと干渉していない。よって、第1空間471は、この貫通孔402bと連通し、大気連通孔434を介して大気と連通する。第1空間471が大気と連通することによる大気開放については、後述する。
液体保持部材460は、第1保持部材461を、その左右の第2保持部材462a、462bで挟持した一体品とされ、供給孔側液体保持部材406と共に、筐体420の凹部421に収納される。図13は筐体420を−Z方向にその開口側から平面視した様子と液体保持部材460の受け座の様子並びに大気流路の形成の様子を示す説明図、図14は図8における底壁422のコーナー部Kvを拡大して示すと共に要部の断面を示す説明図、図15は供給孔側液体保持部材406の収納後における大気流路の様子を示す説明図である。
図示するように、筐体420の底壁422は、複数の半円状突起427と、複数の弧状突起429と、半円状突起427よりも径の小さい複数の小径の柱状突起480とを備える。弧状突起429は、蓋401に向かって底壁422から突出する突起であり、第1端壁423および第2端壁424の側に複数配設されている。弧状突起429のそれぞれは、−Z方向、即ち蓋401から底壁422に向かう方向に底壁422を平面視したとき、突起側壁を湾曲させていることになる。そして、弧状突起429のそれぞれは、その頂上面を受け座Za(図13参照)とし、この受け座Zaにて液体保持部材460、詳しくは液体保持部材460の第2保持部材462a、462bと接触する(図6参照)。
また、弧状突起429のそれぞれは、図14に示すように、底壁422からの立ち上がり部位である突起基部429aと、当該基部から頂上面に延びる先端部429bとで、その突起側壁形状を異なるものとしている。つまり、弧状突起429のそれぞれは、突起基部429aでは、突起側壁のZ軸方向における形状を湾曲させて、先端部429bでは、突起側壁をZ軸方向に沿って直線状に立ち上げている。換言すれば、弧状突起429は、+Z軸方向に沿って、底壁422と接する突起基部429aと、液体保持部材460と接する先端部429bとを有する。突起基部429aの側壁は、Z軸方向において、曲率を有する。なお、半円状突起427にあっても、底壁422からの立ち上がり部位において、その突起側壁のZ軸方向における形状を湾曲させている。
この他、弧状突起429のそれぞれは、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に弧状突起429を平面視したとき、弧状形状が連続する部分と、弧状形状が途切れる開口部分とを有する。開口部分は、インク供給孔407から遠ざかる第1端壁423や第2端壁424の側に位置する。
半円状突起427は、図8および図13、図14に示すように、段差形状を有しインク供給孔407の周囲に複数配設され、蓋401に向かって底壁422の底面から突出する。そして、半円状突起427のそれぞれは、段差部427b(図13参照)を備える。半円状突起427の頂上面の底壁422の底面からの高さは、弧状突起429の頂上面の底壁422の底面からの高さと同じ高さに設定される。半円状突起427の頂上面は、液体保持部材460を、液体保持部材460の第1保持部材461と第2保持部材462a、462bの繋ぎ箇所で支持する受け座Zaとして用いられる(図6、図13参照)。また、段差部427bの底壁422の底面からの高さは、受け座Zaの高さより低い。段差部427bは、供給孔側液体保持部材406を支持する受け座Zbとして用いられる(図6、図8、図15参照)。これにより、インク供給孔407は、供給孔側液体保持部材406にて覆われる。X軸方向において、第1側壁425の側に位置し、Y軸方向において互いに向かい合う半円状突起427は、共有した段差部427bを有する。この共有した段差部427bは、X軸方向に隣接する半円状突起427の受け座Zbよりも面積の広い受け座Zbとして用いられる。
上記した複数の弧状突起429と半円状突起427は、点在形成されているので、弧状突起429および半円状突起427が形成されていない領域において、底壁422と液体保持部材460の間に、第2空間490を形成する。この第2空間490は、第1端壁423或いは第2端壁424の側からインク供給孔407まで延び、上記側壁側の側壁側第2空間491と、弧状突起429から半円状突起427に掛けての供給孔側第2空間492と、半円状突起427からインク供給孔407に掛けての第3空間493に便宜上、分けられる(図13参照)。この第2空間490については、蓋401の第1空間471と共に後述する。
柱状突起480は、隣り合う半円状突起427の段差部427bの間に配設され、蓋401に向かって底壁422から突出する。そして、柱状突起480のそれぞれは、その頂上面を半円状突起427や弧状突起429の頂上面の受け座Zaより低い受け座Zbとし、この受け座Zbは段差部427bの受け座Zbと同じ高さとされている。こうした受け座の高低関係から、複数の半円状突起427および弧状突起429は、複数の柱状突起480の突出高さより高く底壁422から突出することになる。そして、それぞれの柱状突起480は、段差部427bと共に、受け座Zbで供給孔側液体保持部材406を支持する(図6、図8参照)。また、この柱状突起480は、柱状突起480が形成されていない領域において、供給孔側液体保持部材406との間に、既述した第3空間493を形成する。この第3空間493は、第2空間490の供給孔側第2空間492から延び、インク供給孔407に達する(図13参照)。そして、供給孔側液体保持部材406の収納状態において、第3空間493は、図15に示すように、この供給孔側液体保持部材406に覆われることになる。なお、柱状突起480を備えない底壁422であっても、半円状突起427とその段差部427bとが存在することから、この半円状突起427と段差部427bとでも、第2空間490の供給孔側第2空間492から延びてインク供給孔407に達する第3空間493は形成される。こうしたことから、第3空間493は、第2空間490に含まれてインク供給孔407の側の大気流路をなすと言える。
図8と図13に示すように、第1側壁425は、第2端壁424とのコーナー部に内壁リブ425aを備える。第2側壁426は、第1端壁423とのコーナー部に内壁リブ426aを備える。この両内壁リブは、底壁422の底面から筐体420の開口、即ち筐体420に固定された蓋401の下面まで延びている。よって、内壁リブ425aと内壁リブ426aは、第2端壁424或いは第1端壁423との間に、底壁422の底面から蓋401の下面まで延びている側壁凹所485を形成する。筐体420の凹部421に液体保持部材460が収納されるが、この側壁凹所485は、狭小な幅で第1端壁423と内壁リブ426aの間、或いは第2端壁424と内壁リブ425aとの間に延びることから、液体保持部材460により総てが閉塞されない。よって、側壁凹所485は、底壁422と液体保持部材460との間に、複数の弧状突起429と半円状突起427にて形成された第2空間490、詳しくは第2空間490の側壁側第2空間491と、蓋401と液体保持部材460との間に、第1突起470にて形成された第1空間471とを連通する。そうすると、蓋401の大気連通孔434(図8参照)と、当該連通孔に貫通孔402bとエアー溝403とを介して連通する貫通孔402aと、この貫通孔402aに蓋401の裏面で連通した既述した第1空間471とは、側壁凹所485を介して、第2空間490に含まれる第3空間493に連通することになる。この第3空間493はインク供給孔407に達しているので、蓋401の大気連通孔434と第1空間471と底壁422の第2空間490とインク供給孔407とは、大気を通過可能に連通し、蓋401から第1側壁425或いは第2側壁426を経て底壁422に達し、インク供給孔407に到る大気流路(以下、単に蓋底壁間大気流路と称する)を形成する。
次に、液体保持部材460と供給孔側液体保持部材406について、蓋401の貫通孔402a,402bとエアー溝403と大気連通孔434とによる凹部421の大気開放と関連付けて説明する。供給孔側液体保持部材406は、既述したようにインク供給孔407を覆うよう収納され、柱状突起480と段差部427bの受け座Zbで支持される。液体保持部材460は、既述した底壁422の半円状突起427や弧状突起429の既述した受け座Zaで支持されるように、筐体420に収納される。このように液体保持部材460が収納されると、蓋裏面シール部材436やシール部材404が接合済みの蓋401が筐体420に溶着固定され、図6や図7に示すカートリッジ4が得られる。
供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の第1保持部材461、第1保持部材461に−Y軸方向で接続する第2保持部材462a、および第1保持部材461にY軸方向で接続する第2保持部材462bは、共に多孔質樹脂材を用いることができる。多孔質樹脂材とは、液体を保持できる機能を有すれば特に限定されるものではなく、例えばウレタンフォームのような発泡部材でもよいし、ポリプロピレンを繊維状にして束にした繊維部材であってもよい。供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460とは、液体を保持するための特性が異なる。供給孔側液体保持部材406細孔の形成密度を示す細孔密度は、第1保持部材461、第2保持部材462a、462bのいずれの細孔密度よりも大きく設定されている。第1保持部材461の細孔密度は、第2保持部材462a、462bのいずれの細孔密度よりも大きく設定されている。第2保持部材462aの細孔密度と第2保持部材462bの細孔密度は、略等しく設定されている。
上記の細孔密度の大小関係より、供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の第1保持部材461および第2保持部材462a、462bは、毛管力について以下に述べる大小関係を有する。すなわち、供給孔側液体保持部材406の毛管力は、第1保持部材461の毛管力よりも大きい。第1保持部材461の毛管力は、第2保持部材462a、462bの毛管力よりも大きい。また、第2保持部材462a、462bの毛管力は、略等しい。
供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の第1保持部材461および第2保持部材462a、462bが毛管力について上記の大小関係を有することで、液体保持部材460に収容済みのインクは以下に述べる順で流通する。すなわち、毛管力の小さい部材から毛管力の大きい部材へとインクが流れる。図6に示すように、供給孔側液体保持部材406に収容済みのインクが液体導入部710bの液体導入基部703を介して吸引されて消費されると、供給孔側液体保持部材406の上面に重なっている第1保持部材461に収容済みのインクが供給孔側液体保持部材406に移動する。こうしたインク移動の駆動力は、主に供給孔側液体保持部材406の毛管力である。
第1保持部材461に収容済みのインクが供給孔側液体保持部材406に移動することで、第1保持部材461のインクが消費されると、第2保持部材462a、462bに収容済みのインクが第1保持部材461に移動する。こうしたインク移動の駆動力は、主に第1保持部材461の毛管力である。そして、貫通孔402aとこれに繋がるエアー溝403および大気連通孔434からの大気連通により、筐体420の凹部421にインクの移動量と同量の大気が導入されるため、上記したインク移動に支障は起きない。
上記のように、筐体420の凹部421に特性の異なる供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の第1保持部材461および第2保持部材462a、462bが収納されると共に、液体導入基部703に近い順に毛管力の大きい液体保持部材が配置されることで、液体保持部材460に収容されているインクを効率良く消費できる。すなわち、液体保持部材460における未使用インクの残量を低減できる。また、カートリッジ4は、凹部421への供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460との上記した収納により、液体保持部材460から、詳しくは第1保持部材461から供給孔側液体保持部材406を介してキャリッジ8の液体導入部710bにインクを移動させ、この液体導入部710bにインクを導入する。
なお、供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の第1保持部材461および第2保持部材462a、462bの毛管力が、液体導入基部703から離れるに従って小さくなる構成であれば、上記の各液体保持部材の細孔密度の大小関係は本実施形態に限定されるものではない。例えば、供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の第1保持部材461および第2保持部材462a、462bの細孔密度が等しい場合でも、各液体保持部材に撥水処理や浸水処理を行うことで上記毛管力の大小関係を有するようにしてもよい。
また、供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の第1保持部材461および第2保持部材462a、462bの細孔密度の大小関係は、次のように規定することもできる。これら各液体保持部材の細孔を蓋401から底壁422に向かう−Z軸方向(図8参照)と直交するXY平面で断面視した場合、上記の各液体保持部材の細孔密度は、それぞれの細孔のXY平面断面視における相当直径の平均値の大小で規定可能である。そして、細孔密度が大きければ、XY平面断面視における相当直径の平均値は小さくなる。よって、供給孔側液体保持部材406は、第1保持部材461に比して細孔密度が大きいので、この第1保持部材461よりXY平面断面視における相当直径の平均値は小さい。同様に、第1保持部材461は、第2保持部材462a、462bに比して細孔密度が大きいので、この第1保持部材461よりXY平面断面視における相当直径の平均値は小さい。なお、「相当直径」とは、細孔の断面積と等しい断面積円の直径とする。
次に、底壁422の上面から突出した上記の各突起で形成される第2空間490の様子について詳述する。図16は底壁422の上面に形成される第2空間490における流路幅の関係を拡大して示す説明図である。この図16は、流体の後述する流路Ifと突起との関係を右図に、流路Ifに沿った流路幅と突起との関係を左図にて示している。第2空間490は、底壁422から突出した既述した複数の半円状突起427や弧状突起429が液体保持部材460を支持することで形成され、既述した蓋底壁間大気流路の内の底壁422の上面における流路を形成する。この第2空間490は、図示するように、第1端壁423或いは第2端壁424の側の側壁側第2空間491とこれに繋がる供給孔側第2空間492と、インク供給孔407の側の第3空間493とに分けることができる。そして、弧状突起429や半円状突起427の配置位置を、図におけるX軸方向およびY軸方向で調整することで、次のような流路幅構成を備える。
図16に示すように、仮に側壁側第2空間491にインクが流れ込んだとすると、そのインクは、図示する流路Ifに沿って誘導され、インク供給孔407に達し得る。蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に底壁422を平面視したとき、側壁側第2空間491において、隣り合う弧状突起429の間を通過する流路Ifの流路幅をD3(以下、第3流路幅D3)とする。また、複数の弧状突起429は、供給孔側第2空間492或いは側壁側第2空間491との境界付近において、隣り合う弧状突起429の間を通過する流路Ifの流路幅をD2(以下、第2流路幅D2)とする。更に、複数の弧状突起429と半円状突起427は、第2空間490の供給孔側第2空間492において、隣り合う弧状突起429の間を通過する流路Ifの流路幅をD1(以下、第1流路幅D1)とする。さらに、対角に位置する弧状突起429と半円状突起427との間を通過する流路Ifの流路幅をD4(以下、第4流路幅D4)とする。
本実施形態では、弧状突起429は、X軸方向に等ピッチで配設されているが、その突起側壁が蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)の平面視において湾曲している。よって、側壁側第2空間491での流路Ifにおいては、第2流路幅D2は第3流路幅D3より狭くなる。また、供給孔側第2空間492での流路Ifにおいては、第2流路幅D2は第1流路幅D1より狭くなる。さらに、第4流路幅D4は、対角に位置する突起間を通過する流路幅であることから、隣り合う弧状突起429の間を通過する流路幅の第1流路幅D1よりさらに大きくなる。そうすると、図におけるX軸方向およびY軸方向での上記各突起の調整配置により、インク供給孔407に近い順に、流路Ifの流路幅が第4流路幅D4、第1流路幅D1、第2流路幅D2、第3流路幅D3の流路幅となり、第2流路幅D2は第1流路幅D1より狭く、第3流路幅D3は第2流路幅D2より広く、第4流路幅D4は第1流路幅D1より広くなる。
次に、底壁422の上面から突出した上記の各突起と蓋401の下面から突出した第1突起470との関係について説明する。図17は底壁422の弧状突起429および半円状突起427と蓋401の第1突起470との位置関係を−Z方向に透視して平面視した様子を示す説明図である。この図17では、蓋401は、底壁422に対向している。そして、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に蓋401の複数の第1突起470を平面視したとき、この複数の第1突起470の少なくとも一つの第1突起470は、底壁422の側の複数の半円状突起427或いは弧状突起429の少なくとも一つと重なるよう配設されている。これに加え、本実施形態では、細孔密度が大きな供給孔側液体保持部材406で図15に示すようにインク供給孔407を覆った状況において、この供給孔側液体保持部材406が配設されていない領域での第1突起470の総面積と、上記領域での半円状突起427と弧状突起429の総面積とに差を持たせた。つまり、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に蓋401の複数の第1突起470を平面視したとき、供給孔側液体保持部材406が配設されていない領域、即ち図15における供給孔側液体保持部材406と第1端壁423との間、および供給孔側液体保持部材406と第2端壁424との間の領域において、半円状突起427と弧状突起429の総面積は、第1突起470の総面積より大きく設定されている。
また、蓋401の壁面に沿って線状に延びる第1突起470の少なくとも一つは、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に蓋401を平面視したとき、底壁422の上面において隣り合う弧状突起429と重なる。この他、本実施形態では、底壁422から立ち上がった既述した第1端壁423、第2端壁424、第1側壁425および第2側壁426で液体保持部材460を取り囲み(図8参照)、第1端壁423と第2端壁424との隔たりを、第1側壁425と第2側壁426との隔たりより大きくした。そして、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に蓋401を平面視したとき、第1端壁423から第2端壁424に向かう方向における第1突起470の幅を、底壁422における弧状突起429の幅より小さくした。
なお、カートリッジ5は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを収容する点でカートリッジ4と構成が相違するが、蓋501に貫通孔502a,502bやエアー溝503等を有する等の点で共通する。よって、このカートリッジ5についても、上記したカートリッジ4のような構成とできるが、その詳細な説明については省略する。
以上説明した構成を備える本実施形態のカートリッジ4は、筐体420に収納した液体保持部材460にブラックインクを収容し、この液体保持部材460を、蓋401の複数の第1突起470と底壁422の複数の半円状突起427および弧状突起429とで、Z軸方向に沿って押さえ込んで保持する。本実施形態のカートリッジ4は、蓋401の大気連通孔434(図8参照)と第1空間471(図12参照)と底壁422の第2空間490(図13、図16参照)とインク供給孔407とを側壁凹所485を介して連通し、蓋401から第1側壁425或いは第2側壁426を経て底壁422に達し、インク供給孔407に到る蓋底壁間大気流路を形成する。
本実施形態のカートリッジ4にあっても、上記の蓋底壁間大気流路に含まれる第2空間490に、液体保持部材460からブラックインクが入り込み得る。仮に、液体保持部材460から第2空間490にブラックインクが入り込むと、その入り込んだブラックインクは、図16に示すように、第1端壁423や第2端壁424の側から流路Ifに沿って、第2空間490の側壁側第2空間491と供給孔側第2空間492と第3空間493の順に誘導されてインク供給孔407に流れようとする。しかしながら、本実施形態のカートリッジ4は、流路Ifに沿った流路幅を一律とするのではなく、図16に示すように、複数の半円状突起427および弧状突起429をX軸方向およびY軸方向において調整配置することで、蓋401から底壁422に向かう方向に底壁422を平面視したとき、流路Ifに沿った流路幅を、インク供給孔407に近い順に、第1流路幅D1と、この第1流路幅D1より狭い第2流路幅D2と、この第2流路幅D2より広い第3流路幅D3とした。よって、本実施形態のカートリッジ4は、隣り合う弧状突起429の間におけるインク供給孔407に向かう流路Ifの流路幅を、インク供給孔407から離れた側壁側第2空間491では幅広な第3流路幅D3とし、これに続く供給孔側第2空間492では幅の狭い第2流路幅D2とし、インク供給孔407に近い第3空間493に到るまでは、第2流路幅D2より広い第1流路幅D1およびこの第1流路幅D1より広い第4流路幅D4とする。このため、側壁側第2空間491に入り込んだブラックインクは、インク供給孔407に向かって側壁側第2空間491から第3空間493に流れようとする際、幅の狭い第2流路幅D2の流路部位に捕捉され易くなる。こうしたことから、本実施形態のカートリッジ4によれば、液体保持部材460から第2空間490に入り込んだブラックインクをインク供給孔407に達するまで誘導し難くできるので、インク供給孔407から液体導入部710b(図3参照)への安定したインク供給状況を維持できる。
本実施形態のカートリッジ4は、蓋401から底壁422に向かう方向に底壁422を平面視したとき、それぞれの弧状突起429と半円状突起427について、その突起側壁を湾曲させた。これにより、底壁422の壁面における弧状突起429および半円状突起427の突起側面の立ち上がり軌跡は、長くなる。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、それぞれの弧状突起429および半円状突起427の突起側面の立ち上がり箇所でのインク捕捉効率を高めることで、インク供給孔407へのインク誘導をより有効に抑制できる。
本実施形態のカートリッジ4は、図14の断面図に示すように、それぞれの弧状突起429について、底壁422からの立ち上がり部位である突起基部429aと、当該基部から頂上面に延びる先端部429bとで、その突起側壁形状を異なるものとし、突起基部429aの突起側壁を湾曲させている。図18は突起基部429aを湾曲させた形態と角状とした形態でのインク捕捉の様子を模式的に説明する説明図である。
この図18において、上段は、本実施形態の弧状突起429であり、突起基部429aは湾曲している。一方、下段は、対比する弧状突起429であり、突起基部429aは角状とされている。弧状突起429に支持された液体保持部材460では、図示するように、図中右方向にインクが流れ、このインクが、弧状突起429の突起側壁を伝わり、例えば側壁側第2空間491に流れ込む。こうしたインクの流れ込みが起きると、そのインクが突起基部429aに到達する。突起基部429aに到達したインクを突起基部429aに捕捉しようとする力は、突起基部429aの形状に起因した毛管力に依存し、角状の突起基部429aでの毛管力は、湾曲した突起基部429aより高まるので、角状の突起基部429aではインク捕捉が起き易い。これに対し、湾曲した突起基部429aでは、湾曲形状であるが故に毛管力が小さく、突起基部429aでのインク捕捉が起き難い。
液体保持部材460は、多孔質であることから、その細孔内に部材周辺のインクを引き込もうとし、液体保持部材460をインクが流れていれば、インクの引き込みは高まる。よって、突起基部429aに捕捉されたインクは、突起基部429aの形状によらずに液体保持部材460に引き込まれようとする。ところが、角状の突起基部429aでは、角状形状に起因して毛管力が大きいので、インクは、突起基部429aに捕捉された後に液体保持部材460に戻り難くなり、突起基部429aを伝わって側壁側第2空間491に移動し易くなる。一方、湾曲した突起基部429aでは、湾曲形状であるが故に毛管力が小さいので、湾曲した突起基部429aにインクが到達しても、そのインクは、突起基部429aに捕捉され難くなり、液体保持部材460の細孔内に引き込まれて戻り易くなる。こうしたことから、本実施形態のカートリッジ4によれば、インク供給孔407へのインクの誘導をより有効に抑制できる。なお、本実施形態では、総ての弧状突起429を、湾曲した突起基部429aを有するものとしたが、複数の弧状突起429の少なくとも一つを湾曲した突起基部429aを有するものとしても、有益である。
本実施形態のカートリッジ4は、図13に示すように、蓋401から底壁422に向かう方向に複数の弧状突起429を平面視したとき、開口の部位を突起側壁の一部部位を切り欠いた形状とし、この開口の部位をインク供給孔407から遠ざかる第1端壁423や第2端壁424の側に位置させている。そして、この開口の部位から弧状突起429の内壁面の側にインクを捕捉でき、この捕捉したインクを、第1端壁423や第2端壁424に向いた開口の部位から流れ出難くしている。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、インク供給孔407へのインクの誘導をより有効に抑制できる。なお、本実施形態では、総ての弧状突起429を、開口の部位をインク供給孔407から遠ざかるよう第1端壁423や第2端壁424に向いたものとしたが、複数の弧状突起429の少なくとも一つを、開口の部位が第1端壁423や第2端壁424に向いたものとしても、有益である。また、開口の部位が図13においてX軸方向に向いた弧状突起429としてもよい。
本実施形態のカートリッジ4は、図17に示すように、蓋401から底壁422に向かう方向に複数の第1突起470を平面視したとき、複数の第1突起470の少なくとも一つの第1突起470を、底壁422の側の複数の弧状突起429或いは半円状突起427と重なるように配設した。仮に、第1突起470が弧状突起429或いは半円状突起427に上記の平面視において全く重ならないとすると、液体保持部材460は、蓋401の側の第1突起470と底壁422の側の弧状突起429或いは半円状突起427とで交互に押圧されて波打ち、弧状突起429或いは半円状突起427の側の第2空間490を閉塞してしまうことが危惧される。しかしながら、本実施形態のカートリッジ4によれば、上記の平面視において第1突起470が弧状突起429或いは半円状突起427に重なった箇所では、液体保持部材460の波打ちを回避して、第2空間490を弧状突起429の周り或いは半円状突起427の周りに確実に確保するので、第2空間490を閉塞するリスクを抑制できる。そして、第2空間490の閉塞抑制により、インク供給孔407を介した液体導入部710bへのインク供給の際の大気導入を担保できるので、本実施形態のカートリッジ4によれば、インク供給孔407からインクを安定して供給でき、プリンター10の印字品質を維持できる。
本実施形態のカートリッジ4は、図8に示すように、供給孔側液体保持部材406を、インク供給孔407に重なるように液体保持部材460に重ねて配設する。そして、細孔密度が大きな供給孔側液体保持部材406で図15に示すようにインク供給孔407を塞いだ状況において、この供給孔側液体保持部材406が配設されていない領域、即ち側壁側第2空間491と供給孔側第2空間492での第1突起470の総面積と、上記領域での半円状突起427と弧状突起429の総面積とに差を持たせた。つまり、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に蓋401の複数の第1突起470を平面視したとき、供給孔側液体保持部材406が配設されていない側壁側第2空間491と供給孔側第2空間492における半円状突起427と弧状突起429の総面積を、この上下領域における第1突起470の総面積より大きくした。この様子は、図17でも示されており、この図17では、図15における供給孔側液体保持部材406の上下領域(側壁側第2空間491と供給孔側第2空間492)に六つの半円状突起427と弧状突起429が含まれているのに対し、第1突起470にあっては、二つしか含まれていない。こうした半円状突起427と弧状突起429の総面積と第1突起470の総面積との大小規定により、供給孔側液体保持部材406が配設されていない側壁側第2空間491と供給孔側第2空間492においても、液体保持部材460の波打ちによる流路閉塞を回避可能な箇所を確実に確保できる。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、既述したように大気流路を弧状突起429の周り或いは半円状突起427の周りに確実に確保することで、側壁側第2空間491と供給孔側第2空間492の閉塞抑制と、これを通したインク供給孔407からの安定したインク供給を達成できる。
本実施形態のカートリッジ4は、図11に示すように、第1突起470を蓋401の壁面に沿って線状に延びる線状突起とする。そして、本実施形態のカートリッジ4は、線状突起たる第1突起470の少なくとも一つを、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に蓋401を平面視したとき、図17に示すように、底壁422の上面において隣り合う弧状突起429と重なるように配置した。よって、第1突起470と半円状突起427および弧状突起429で液体保持部材460が交互に押圧されて波打つ現象を、隣り合う弧状突起429の間で起こさないようにできる。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、図15や図16に示す側壁側第2空間491や供給孔側第2空間492の閉塞を回避できるほか、弧状突起429の周りの大気流路の確保が確実となる。こうしたことから、本実施形態のカートリッジ4によれば、インク供給孔407からの安定したインク供給の実効性が高まる。
本実施形態のカートリッジ4は、底壁422から立ち上がった既述した第1端壁423、第2端壁424、第1側壁425および第2側壁426で液体保持部材460を取り囲み(図8参照)、第1端壁423と第2端壁424との隔たりを、第1側壁425と第2側壁426との隔たりより大きくした。そして、蓋401から底壁422に向かう方向(−Z軸方向)に蓋401を平面視したとき、第1端壁423から第2端壁424に向かう方向における第1突起470の幅を、底壁422における弧状突起429の幅より小さくした。この様子は、図17でも示されている。仮に、第1突起470が−Y軸と並行に線状に延びていれば、−Y軸方向の第1突起470の幅は、底壁422における弧状突起429の幅より大きくなる。ところが、図17に示すように、第1突起470は、第1端壁423から第2端壁424に向かう−Y軸方向に対して傾斜して延びているので、第1突起470の−Y軸方向における幅は、第1突起470が−Y軸と並行に延びた際の−Y軸方向の幅より小さくなり、図示するように弧状突起429の幅よりも小さくなる。よって、第1突起470と弧状突起429とで液体保持部材460が交互に押圧されて波打つ現象を低減できるので、弧状突起429の周りの大気流路の確保が確実となり、弧状突起429の側の側壁側第2空間491や供給孔側第2空間492の閉塞抑制と、これを通したインク供給孔407からの安定したインク供給により有益となる。
本実施形態のカートリッジ4は、図13に示すように、隣り合う半円状突起427の段差部427bの間に柱状突起480を備え、この柱状突起480を、蓋401に向かって底壁422から突出させている。そして、本実施形態のカートリッジ4は、それぞれの柱状突起480の頂上面を半円状突起427や弧状突起429の頂上面の受け座Zaより低い受け座Zbとするので、複数の半円状突起427および弧状突起429を、複数の柱状突起480の突出高さより高く底壁422から突出させて、柱状突起480の受け座Zbにて供給孔側液体保持部材406を支持する。その上で、本実施形態のカートリッジ4は、この柱状突起480により、柱状突起480が形成されていない領域において、供給孔側液体保持部材406との間に、第2空間490の供給孔側第2空間492からインク供給孔407に到る第3空間493を形成する。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、既述したように第2空間490の側壁側第2空間491や供給孔側第2空間492において液体保持部材460による流路閉塞を回避可能なことから、液体保持部材460に重ねて配設されてインク供給孔407を覆う供給孔側液体保持部材406にまでインクを誘導し難くできる。この結果、本実施形態のカートリッジ4によれば、供給孔側液体保持部材406を経てインク供給孔407から供給される液体の供給状況を安定化させることができる。
本実施形態のカートリッジ4は、柱状突起480の受け座Zbにて供給孔側液体保持部材406を支持するに当たり、柱状突起480を、その両側の段差部427bの受け座Zbと同じ高さとしている。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、より安定して供給孔側液体保持部材406を配設できるので、この供給孔側液体保持部材406を液体導入部710bの金属メッシュ703s(図6参照)に安定して接触させる。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、インク供給孔407から供給されるインクの供給状況をより安定化させることができる。しかも、本実施形態のカートリッジ4は、第1側壁425と第2側壁426の側で向かい合う半円状突起427を、インク供給孔407の周りにおいて受け座Zbの段差部427bで繋げる。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、供給孔側液体保持部材406の安定性がより高まり、金属メッシュ703sとの安定した接触の維持、延いては、インク供給孔407からの安定したインク供給に対してより有益となる。
本実施形態のカートリッジ4は、複数の半円状突起427および弧状突起429を、複数の柱状突起480の突出高さより高く底壁422から突出させて、複数の半円状突起427および弧状突起429の受け座Zaより低い柱状突起480の受け座Zbにて供給孔側液体保持部材406を支持する。こうすることで、本実施形態のカートリッジ4は、液体保持部材460に重ねて供給孔側液体保持部材406を配設した際に、供給孔側液体保持部材406に重なった範囲の液体保持部材460の領域と、供給孔側液体保持部材406から外れた液体保持部材460の領域との段差を小さくでき、底壁422の側において液体保持部材460を平坦とできる。このように液体保持部材460が底壁422の側において平坦であれば、供給孔側液体保持部材406に液体保持部材460が重なった領域の周縁において、液体保持部材460が第2空間490、詳しくはその供給孔側第2空間492に埋没して供給孔側第2空間492を閉塞させてしまう事態は、起き難くなる。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、供給孔側第2空間492を確実に確保した上で、この供給孔側第2空間492が液体保持部材460にて閉塞されてしまうことを回避可能とする。
B.変形例:
本発明は、インクジェットプリンターおよびそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置およびその液体を収容するためのカートリッジ(液体収容容器)にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置およびその液体収容容器に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射吐出ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、および、ゾルゲル法での流体材料、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…液体噴射システム
4…カートリッジ(第1のカートリッジ)
5…カートリッジ(第2のカートリッジ)
6…記録部
7…カートリッジ装着部
8…キャリッジ
8s…吐出ヘッド
9…排出部
10…プリンター
12…装置本体
14…ハウジング
16…用紙供給部カバー
16a…載置面
18…記録部保護カバー
20…排出部カバー
22…操作部
24…用紙供給部
26…用紙開口部
28…用紙ガイド
60…制御部
62…キャリッジガイドレール
401…蓋
401c…開口挿入突起
402a…貫通孔
402b…貫通孔
402c…注入孔
403…エアー溝
404…シール部材
405…係合部
406…供給孔側液体保持部材
407…インク供給孔
407b…周縁陥没部
409…軸受部
410…回路基板
411…基板載置部
411b…基板装着ベース
412…端子
413…開口
414…凸部
420…筐体
421…凹部
422…底壁
423…第1端壁
424…第2端壁
425…第1側壁
425a…内壁リブ
426…第2側壁
426a…内壁リブ
427…半円状突起
427b…段差部
428…リブ
429…弧状突起
429a…突起基部
429b…先端部
430…蓋部
431…外方延在部
432…屈曲延在部
433…傾斜延在部
434…大気連通孔
436…蓋裏面シール部材
437…シール受け座
460…液体保持部材
461…第1保持部材
462a、462b…第2保持部材
470…第1突起
471…第1空間
480…柱状突起
485…側壁凹所
490…第2空間
491…側壁側第2空間
492…供給孔側第2空間
493…第3空間
501…蓋
502a…貫通孔
502b…貫通孔
502c…注入孔
503…エアー溝
510…回路基板
703…液体導入基部
703s…金属メッシュ
704…吸引孔
705…シール材
710b…液体導入部
710m…液体導入部
710s…液体導入部
710y…液体導入部
712…電極端子
720…コイルバネ
801…カートリッジ係合腕
810…電極集合体
P…用紙
D1…第1流路幅
D2…第2流路幅
D3…第3流路幅
D4…第4流路幅
Za…受け座
Zb…受け座
If…流路
Kv…コーナー部

Claims (10)

  1. 液体を収容可能な液体収容容器であって、
    大気孔の形成された第1壁と、
    該第1壁に対向し、液体供給孔の形成された第2壁と、
    前記第1壁と前記第2壁との間に配置され、液体を保持可能な第1液体保持部材と、を備え、
    前記第1壁は、前記第2壁に向かって突出する複数の第1突起を備え、かつ、該複数の第1突起が形成されていない領域において、前記第1液体保持部材との間に第1空間を形成し、
    前記第2壁は、前記第1壁に向かって突出する複数の第2突起を備え、かつ、前記複数の第2突起が形成されていない領域において、前記第1液体保持部材との間に第2空間を形成し、
    前記大気孔と前記第1空間と前記第2空間と前記液体供給孔とは、大気が通過可能になるよう大気流路を形成し、
    前記複数の第2突起は、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第2壁を平面視したとき、前記第2空間において、前記複数の第2突起のうち互いに隣接するふたつの第2突起の間に位置する流路の流路幅が、前記液体供給孔に近い順に、第1の幅と、前記第1の幅より狭い第2の幅と、前記第2の幅より広い第3の幅となるように配設されている、液体収容容器。
  2. 請求項1に記載の液体収容容器であって、
    前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第2壁を平面視したとき、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方の側壁は他方に対し湾曲している、液体収容容器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体収容容器であって、
    前記第1壁から前記第2壁に向かう方向において、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方は、前記第2壁と接する第1部分と、前記第1液体保持部材と接する第2部分とを有し、
    前記第1部分の側壁は前記第1壁から前記第2壁に向かう方向において曲率を有する、液体収容容器。
  4. 請求項2または請求項3に記載の液体収容容器であって、
    前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記複数の第2突起を平面視したとき、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方の側壁は切欠部を有し、該切欠部は前記液体供給孔から遠ざかる側に形成される、液体収容容器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
    前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記複数の第1突起を平面視したとき、前記複数の第1突起の少なくとも一つの前記第1突起は、前記ふたつの第2突起のうち少なくとも一方と重なるよう配設されている、液体収容容器。
  6. 請求項5に記載の液体収容容器であって、
    前記第1液体保持部材より大きな細孔密度を有する第2液体保持部材を、前記液体供給孔を覆うように前記第1液体保持部材に重ねて配設して備え、
    前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第1壁を平面視したとき、前記第2液体保持部材が配設されていない領域における前記複数の第2突起の総面積は、前記領域における前記複数の第1突起の総面積より大きくされている、液体収容容器。
  7. 請求項6に記載の液体収容容器であって、
    前記第2壁は、前記第1壁に向かって突出する複数の第3突起を備え、該第3突起にて前記第2液体保持部材に接し、
    前記複数の第3突起が形成されていない領域において、前記第2壁と前記第2液体保持部材との間に前記第2空間に含まれる第3空間を形成し、
    該第3流路は、前記大気流路の内の前記液体供給孔の側の大気流路をなす、液体収容容器。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
    前記複数の第1突起の少なくとも一つは前記第1壁の壁面に沿って線状に延びる線状突起とされ、該線状突起は、前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第1壁を平面視したとき、前記ふたつの第2突起と重なる、液体収容容器。
  9. 請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
    前記第2壁から立ち上がって前記第1壁と交差する第3壁と、
    前記第2壁から立ち上がって前記第1壁と交差すると共に前記第3壁に対向する第4壁と、
    前記第1壁の一方の端部と前記第2壁の一方の端部の間において前記第2壁から立ち上がって前記第1壁に交差する第5壁と、
    前記第1壁の他方の端部と前記第2壁の他方の端部の間において前記第2壁から立ち上がって前記第1壁に交差すると共に前記第5壁と対向する第6壁とで、前記第1液体保持部材を取り囲み、
    前記第3壁と前記第4壁との隔たりは、前記第5壁と前記第6壁との隔たりより大きく、
    前記第1壁から前記第2壁に向かう方向に前記第1壁を平面視したとき、前記第3壁から前記第4壁に向かう方向における前記第1突起の幅は、前記第2突起の幅より小さい、液体収容容器。
  10. 請求項9に記載の液体収容容器であって、
    前記複数の第2突起は、前記複数の第3突起の突出高さより高く前記第2壁から突出している、液体収容容器。
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