JP2015151284A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

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俊策 上田
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Abstract

【課題】異種ポリタイプの混入を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。主面1aを含む種結晶1と、炭化珪素原料6とが坩堝2内に配置される。炭化珪素原料6を昇華させて種結晶1の主面1a上に再結晶させることにより炭化珪素単結晶10が成長する。炭化珪素単結晶10を成長させる工程後に坩堝2内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が30%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華が終了する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素単結晶の製造方法に関し、特定的には、異種ポリタイプの混入を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
近年、半導体装置の製造用に炭化珪素基板が用いられ始めている。炭化珪素は珪素に比べて大きなバンドギャップを有する。そのため、炭化珪素基板を用いた半導体装置は、耐圧が高く、オン抵抗が低く、また高温環境下での特性の劣化が小さいといった利点を有する。
炭化珪素基板に用いられる炭化珪素単結晶は、たとえば昇華再結晶法により製造される。特開2008−222549号公報(特許文献1)には、黒鉛製の坩堝に配置された炭化珪素原料に対向する位置に種結晶が設けられた状態で、炭化珪素原料を昇華させる方法が記載されている。これにより、種結晶の表面において炭化珪素単結晶が成長する。
特開2008−222549号公報
しかしながら、特開2008−222549号公報に記載の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、種結晶の表面に成長した炭化珪素単結晶において異種ポリタイプが混入する場合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、異種ポリタイプの混入を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供することである。
本発明に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を有している。第1の主面を含む種結晶と、炭化珪素原料とが坩堝内に配置される。炭化珪素原料を昇華させて種結晶の第1の主面上に再結晶させることにより炭化珪素単結晶が成長する。炭化珪素単結晶を成長させる工程後に坩堝内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料の粉末において、表面積が90%以上炭化している粉末の数の割合が30%未満の状態で炭化珪素原料の昇華が終了する。
本発明によれば、異種ポリタイプの混入を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第1の工程を概略的に説明するための断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を概略的に説明するフロー図である。 図1の領域IIIにおける炭化珪素原料の構造を概略的に示す拡大断面模式図である。 炭化珪素原料を昇華させる前の炭化珪素原料の粉末の構造を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の第2の工程を概略的に説明するための断面模式図である。 図5の領域VIにおける炭化珪素原料の構造を概略的に示す拡大断面模式図である。 炭化珪素原料を昇華させた後の炭化珪素原料の粉末の第1の例の構造を概略的に示す断面模式図である。 炭化珪素原料を昇華させた後の炭化珪素原料の粉末の第2の例の構造を概略的に示す断面模式図である。 炭化珪素原料を昇華させた後の炭化珪素原料の第1の粉末のSEM(Scanning Electron Microscope)像である。 炭化珪素原料を昇華させた後の炭化珪素原料の第2の粉末のSEM像である。 炭化珪素原料を昇華させた後の炭化珪素原料の粉末のEDS(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)スペクトルである。
[本願発明の実施形態の説明]
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
発明者らは、炭化珪素単結晶において異種ポリタイプが混入することを抑制する方策について鋭意研究の結果、以下の知見を得て本発明を見出した。
昇華法による炭化珪素のバルク成長においては、成長雰囲気の原料ガスにおける珪素に対する炭素の割合が大きくなると、ポリタイプ4Hの炭化珪素が不安定になる。そのため、ポリタイプ4Hの炭化珪素単結晶中に、たとえばポリタイプ6Hおよびポリタイプ15Rなどの異種ポリタイプの炭化珪素が混入する。珪素は炭素よりも蒸気圧が高いため、炭化珪素結晶から珪素が離脱(昇華)しやすい。炭化珪素原料を構成する粉末が昇華する際に、珪素が昇華することにより炭素が原料粉末の表面に残される。つまり、原料粉末の表面が炭化する。原料粉末の表面の炭化が、種結晶の表面に成長する炭化珪素単結晶において異種ポリタイプの混入の原因であると考えられる。発明者は鋭意研究の結果、炭化珪素単結晶を成長させる工程後に坩堝内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料の粉末において、表面積が90%以上炭化している粉末の数の割合が30%未満の状態で炭化珪素原料の昇華を終了させることにより、効果的に異種ポリタイプの混入が抑制可能であることを見出した。
(1)実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を備えている。主面1aを含む種結晶1と、炭化珪素原料6とが坩堝2内に配置される。炭化珪素原料6を昇華させて種結晶1の主面1a上に再結晶させることにより炭化珪素単結晶10が成長する。炭化珪素単結晶10を成長させる工程後に坩堝2内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が30%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華が終了する。これにより、炭化珪素単結晶中に異種ポリタイプの混入することを効果的に抑制することができる。
(2)上記(1)に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素単結晶10を成長させる工程後に坩堝2内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が10%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華が終了する。これにより、炭化珪素単結晶中に異種ポリタイプの混入することをより効果的に抑制することができる。
(3)上記(1)または(2)に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素原料6に鉄が付着する。炭化珪素原料に鉄が付着していると、炭化珪素は、鉄と反応することにより、炭化珪素に鉄が付着していない場合よりも低い温度で昇華する。これにより、粉末表面の炭化が抑制されるため、炭化珪素単結晶に異種ポリタイプが混入することを効果的に抑制することができる。
(4)上記(3)に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素原料における鉄の割合は0.1質量ppm未満である。これにより、炭化珪素単結晶に鉄が混入することを抑制しつつ、炭化珪素単結晶に異種ポリタイプが混入することをより効果的に抑制することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、種結晶1の主面1aと平行な方向に沿った炭化珪素単結晶10の径は、100mm以上である。炭化珪素単結晶の径が大きくなると異種ポリタイプが混入しやすくなる。上記炭化珪素単結晶の製造方法は、炭化珪素単結晶の径が100mm以上の場合においてより好適に利用可能である。
[本願発明の実施形態の詳細]
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造に用いられる坩堝の構造について説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造に用いられる坩堝2は、種結晶保持部4と、原料収容部5とを主に有する。種結晶保持部4と原料収容部5とは、たとえばグラファイトからなる。種結晶保持部4は、炭化珪素単結晶からなる種結晶1を保持可能に構成されている。原料収容部5は、側面と底面とを有しており、側面と底面とにより形成された凹状の部分に炭化珪素原料6を収容可能に構成されている。種結晶保持部4を原料収容部5に組み合わせることにより、種結晶1および炭化珪素原料6が、種結晶保持部4と原料収容部5とに囲まれた空間内に配置される。種結晶1の主面1aが炭化珪素原料6の表面に対向するように、種結晶保持部4は原料収容部5に組み合わせ可能に構成されている。
原料収容部5の外周を囲うように、たとえば誘導加熱式ヒータや抵抗加熱式ヒータなどの加熱部(図示せず)が配置されている。加熱部は、原料収容部5に配置されている炭化珪素原料6が炭化珪素の昇華温度まで昇温可能に構成されている。坩堝2の外周を覆うように断熱材(図示せず)が配置されていてもよい。
図2〜図8を参照して、本発明の一実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
まず、炭化珪素原料準備工程(S10:図2)が実施される。具体的には、たとえば炭化珪素多結晶の塊を粉砕することにより、炭化珪素原料粉末が準備される。炭化珪素多結晶の粉砕は、たとえば炭化珪素多結晶の塊に対して機械的衝撃が加えられることにより行われる。炭化珪素多結晶の塊を、炭化珪素多結晶の両側から鉄を含む押圧部材で挟み込んで圧力を加えることにより、炭化珪素多結晶の塊が粉砕されて原料粉末となる。また炭化珪素多結晶の塊をすり鉢に配置し、炭化珪素多結晶の塊をすり棒で押圧することにより炭化珪素多結晶を粉砕してもよい。
炭化珪素多結晶の塊が鉄を含む材料を用いて粉砕されることによって、炭化珪素多結晶の粉末の表面に鉄(Fe)が付着する。炭化珪素多結晶の粉末の表面に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)およびマンガン(Mn)等が付着する場合もある。炭化珪素原料6における鉄の割合は、たとえば、0.1質量ppm未満であり、より好ましくは0.05質量ppm未満である。炭化珪素多結晶の粉末の表面に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)およびマンガン(Mn)等が付着する場合、炭化珪素原料6におけるニッケルの割合は、たとえば、0.05質量ppm未満であり、より好ましくは0.01質量ppm未満である。炭化珪素原料6におけるクロムの割合は、たとえば、0.2質量ppm未満であり、より好ましくは0.1質量ppm未満である。炭化珪素原料6におけるマンガンの割合は、たとえば、0.05質量ppm未満である。炭化珪素原料における鉄、ニッケル、クロムおよびマンガンの含有量は、たとえば、GDMS(Glow Discharge Mass Spectrometry)により測定可能である。
次に、炭化珪素原料の塊を粉砕することによって形成された炭化珪素原料の粉末がふるいにかけられる。これにより、たとえば最大径が100μm以上2mm以下の炭化珪素原料の粉末だけが選別される。つまり、最大径が100μm未満の粉末および最大径が2mmより大きい粉末は除去される。好ましくは、炭化珪素原料の粉末の表面に高指数面が出現するように炭化珪素の塊が粉砕される。高指数面とは、{0001}面からオフした面のことであり、たとえば(03−38)面および(11−28)面などである。これにより、炭化珪素原料の粉末の表面における炭化珪素が昇華しやすくなる。
次に、炭化珪素原料配置工程(S20:図2)が実施される。具体的には、図1を参照して、上記ふるいによって選別された炭化珪素原料6が坩堝2の原料収容部5に配置される。炭化珪素原料6の質量はたとえば1000gである。同様に、種結晶1の主面1aが、炭化珪素原料6の表面と対向するようにして種結晶保持部4により保持される。これにより、主面1aを含む種結晶1と、炭化珪素原料6とが坩堝2内に配置される。種結晶1は、たとえばポリタイプ4Hの炭化珪素単結晶から構成される。種結晶1の主面1aは、たとえば{0001}面であってもよいし、{0001}面から8°以下程度オフした面であってもよい。より具体的には、種結晶1の主面1aは、たとえば(0001)面であってもよいし、(0001)面から8°以下程度オフした面であってもよい。種結晶1の主面1aの最大径W1は、たとえば100mmである。種結晶1の主面1aの最大径W1は、好ましくは100mm以上であり、より好ましくは150mm以上である。
図3を参照して、炭化珪素原料6を昇華させる前における炭化珪素原料6は炭化珪素からなる多数の粉末6a〜6cから構成されている。図4を参照して、炭化珪素原料の粉末6aの最大径dは、たとえば100μm以上2mm以下である。炭化珪素原料6は、最大径dが100μm未満の粉末を含んでいてもよい。炭化珪素原料6を昇華させる前における炭化珪素原料6の粉末6aの表面の大部分は炭化されてない。炭化珪素原料6を昇華させる前における炭化珪素原料6の粉末6aの表面は、炭化されていない領域3bを含む。
表面が炭化されていない領域とは、エネルギー分散型X線分光分析(EDS)によって炭化珪素原料6の粉末6aの表面を測定した場合に、炭素の質量分率が珪素の質量分率以下の領域のことである。一方、表面が炭化された領域とは、EDSによって炭化珪素原料6の粉末6aの表面を測定した場合に、炭素の質量分率が珪素の質量分率よりも高い領域のことである。EDSの加速電圧はたとえば15kVである。
次に、炭化珪素単結晶成長開始工程(S30:図2)が実施される。具体的には、種結晶1および炭化珪素原料6が配置された坩堝2が、たとえばアルゴンガスおよび窒素ガスを含む雰囲気ガス中において、炭化珪素が昇華する温度まで加熱される。坩堝2は、たとえば2400℃まで加熱される。次に、坩堝2を収容している反応容器(図示せず)内の圧力がたとえば20Torrまで低減される。これにより、炭化珪素原料6が昇華を開始し、昇華した原料ガスが種結晶1の主面1a上に再結晶化する。これにより、種結晶1の主面1a上に炭化珪素単結晶10の成長が開始される。好ましくは、反応容器内の雰囲気ガスの圧力は、0.1Torr以上100Torr以下程度である。たとえば、アルゴンガスが1.0slmの流量で反応容器に導入され、かつ窒素ガスが0.2slmの流量で反応容器に導入される。種結晶1の温度は、炭化珪素原料6の温度よりも低く維持される。
次に、炭化珪素単結晶成長終了工程(S40:図2)が実施される。坩堝2の温度を2400℃程度に維持し、かつ反応容器の圧力を20Torrに維持した状態が、たとえば10時間以上240時間以下程度維持される。これにより、炭化珪素単結晶10が種結晶1の主面1a上に成長する(図5参照)。種結晶1の主面1aと平行な方向に沿った炭化珪素単結晶10の最大径W2は、たとえば100mm以上であり、好ましくは150mm以上である。たとえば坩堝2の温度を低減させたり、坩堝2の雰囲気圧力を高くしたりすることにより、炭化珪素原料6の昇華が実質的に終了する。これにより、炭化珪素単結晶10の成長が実質的に終了する。引き続き、坩堝2の温度が室温まで低減される。
次に、種結晶1の主面1a上に成長した炭化珪素単結晶10が坩堝2から取り出される。炭化珪素単結晶10の結晶成長が終了した後、坩堝2の原料収容部5に残っている炭化珪素原料6の粉末6aをランダムに複数個取り出す。粉末6aの表面をEDSで分析し、粉末6aの表面積の90%以上が炭化している粉末6aを特定する。たとえば、異なった観察方向から粉末6aの表面をSEMで観察してEDSで分析することで、粉末6aの表面積の90%以上が炭化している粉末6aを特定することができる。
図6を参照して、炭化珪素単結晶10の結晶成長が終了した後における炭化珪素原料6について説明する。炭化珪素原料6は、多数の炭化珪素からなる粉末6a〜6cにより構成される。炭化珪素原料6の粉末6a〜6cの形状は様々であるが、粉末6a〜6cの最大径dはたとえば100μm以上2mm以下程度である。炭化珪素単結晶10の結晶成長が終了した後、炭化珪素原料6の粉末6a〜6cの多くは表面積の一部が炭化していると考えられる。
図7を参照して、ある炭化珪素原料6の粉末6aの表面をEDSで分析することにより、炭化した領域3aと、炭化していない領域3bとを識別することが可能である。炭化している領域3aの面積を粉末6aの全表面積で除することにより、全表面積に対する炭化している領域3aの割合が計算可能である。図7に示す粉末6aの場合、表面積の90%以上が炭化していると考えられる。図8を参照して、別の炭化珪素原料6の粉末6bをEDSで分析すると、アイランド状に炭化していない領域3bが複数存在する。図8に示す粉末6bの場合、表面積の60%程度が炭化していると考えられる。つまり、図8に示す粉末6bは、表面積が90%以上炭化している粉末ではない。
炭化珪素単結晶10の結晶成長が終了した後、坩堝2の原料収容部5に残っている炭化珪素原料6の粉末6aをランダムに取り出した100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aの総数のうち、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合は30%未満である。言い換えれば、100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が30%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華を終了させる。好ましくは、炭化珪素単結晶10を成長させる工程後に坩堝2内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が10%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華を終了させる。より好ましくは、100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aが1つ発生する前に炭化珪素原料6の昇華を終了させる。なお、坩堝2の原料収容部5に残っている炭化珪素原料6の粉末6aにおいて炭化している粉末の割合が少ない場合、当該粉末6aを用いて、新たな炭化珪素単結晶10の結晶成長が再度行われてもよい。また坩堝2の原料収容部5に残っている炭化珪素原料6の粉末6aに、表面が炭化していない炭化珪素原料6の粉末を追加して、新たな炭化珪素単結晶10の結晶成長が再度行われてもよい。
次に、坩堝2から取り出された炭化珪素単結晶10がスライスされる。たとえば、種結晶1の主面1aと平行な方向に沿って炭化珪素単結晶10がワイヤーソーによってスライスされる。これにより、複数の炭化珪素単結晶基板が得られる。
次に、実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法の作用効果について説明する。
実施の形態に係る炭化珪素単結晶10の製造方法によれば、主面1aを含む種結晶1と、炭化珪素原料6とが坩堝2内に配置される。炭化珪素原料6を昇華させて種結晶1の主面1a上に再結晶させることにより炭化珪素単結晶10が成長する。炭化珪素単結晶10を成長させる工程後に坩堝2内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が30%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華が終了する。これにより、炭化珪素単結晶中に異種ポリタイプの混入することを効果的に抑制することができる。
また実施の形態に係る炭化珪素単結晶10の製造方法によれば、炭化珪素単結晶10を成長させる工程後に坩堝2内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が10%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華が終了する。これにより、炭化珪素単結晶中に異種ポリタイプの混入することをより効果的に抑制することができる。
さらに実施の形態に係る炭化珪素単結晶10の製造方法によれば、炭化珪素原料6に鉄が付着する。炭化珪素原料に鉄が付着していると、炭化珪素は、鉄と反応することにより、炭化珪素に鉄が付着していない場合よりも低い温度で昇華する。これにより、粉末表面の炭化が抑制されるため、炭化珪素単結晶に異種ポリタイプが混入することを効果的に抑制することができる。
さらに実施の形態に係る炭化珪素単結晶10の製造方法によれば、炭化珪素原料における鉄の割合は0.1質量ppm未満である。これにより、炭化珪素単結晶に鉄が混入することを抑制しつつ、炭化珪素単結晶に異種ポリタイプが混入することをより効果的に抑制することができる。
さらに実施の形態に係る炭化珪素単結晶10の製造方法によれば、種結晶1の主面1aと平行な方向に沿った炭化珪素単結晶10の径は、100mm以上である。炭化珪素単結晶の径が大きくなると異種ポリタイプが混入しやすくなる。上記炭化珪素単結晶の製造方法は、炭化珪素単結晶の径が100mm以上の場合においてより好適に利用可能である。
本実施例において、表面積の90%以上が炭化した原料粉末の割合を変化させて、異種ポリタイプが混入した炭化珪素単結晶の割合を調査した。
実施例としてサンプル1およびサンプル2に係る炭化珪素単結晶を製造し、比較例としてサンプル3およびサンプル4に係る炭化珪素単結晶を製造した。サンプル1に係る炭化珪素単結晶の製造方法においては、100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aが全くない状態で炭化珪素原料6の昇華を終了させた。サンプル2に係る炭化珪素単結晶の製造方法においては、100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aが1個以上存在し、かつ表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が30%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華を終了させた。サンプル3に係る炭化珪素単結晶の製造方法においては、100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が30%以上50%未満の状態で炭化珪素原料6の昇華を終了させた。サンプル4に係る炭化珪素単結晶の製造方法においては、100μm以上の最大径を有する炭化珪素原料6の粉末6aにおいて、表面積が90%以上炭化している粉末6aの数の割合が50%以上の状態で炭化珪素原料6の昇華を終了させた。上記以外の製造方法は、上記実施の形態で説明した方法と同様である。種結晶1としてポリタイプ4Hの炭化珪素単結晶を用いた。種結晶1の主面1aの直径を100mmとした。炭化珪素原料6の粉末の総重量を1000gとした。炭化珪素単結晶の成長温度を2400℃とし、成長圧力を20Torrとした。アルゴンの流量を1.0slmとし、窒素の流量を0.2slmとした。
炭化珪素単結晶の結晶成長が終了した後、坩堝2の原料収容部5に残っている炭化珪素原料6の粉末を取り出し、粉末の表面をSEMで観察した。図9を参照して、表面積の90%以上の領域が炭化している炭化珪素原料6の粉末の例を示す。相対的に黒い領域3aが炭化している領域であり、相対的に白い領域3bが炭化していない領域である。図9に示すように、粉末の表面の大部分は相対的に黒い領域3aであるため、粉末の表面の大部分が炭化している領域であると考えられる。一方、図10を参照し、表面積の50%未満程度の領域が炭化している炭化珪素原料6の粉末の例を示す。相対的に黒い領域3aが炭化している領域であり、相対的に白い領域3bが炭化していない領域である。図10に示すように、粉末の表面の多くの領域において相対的に白い領域3bが存在するため、炭化している領域はそれほど多くないと考えられる。以上のように、炭化珪素原料6の粉末をSEMで観察することにより、炭化している領域を概略的に把握することができる。
炭化珪素原料6の粉末の表面が炭化しているかどうかを詳細に調べるために、粉末の表面をEDSで分析した。図11を参照して、横軸はエネルギーを示し、縦軸は各元素の強度を示す。図11の右上には、各元素の質量比率とその確度が示されている。つまり、EDSにより各元素の質量比率が測定可能である。図11から分かるように、粉末の表面のEDS測定領域における珪素の質量比率は81.9%であり、炭素の質量比率は15.1%であり、かつ酸素の質量比率は2.9%であった。珪素の質量比率を炭素の質量比率で除した値は81.9/15.1=約5.42であった。珪素の質量比率を炭素の質量比率で除した値が1以上の場合、当該表面の領域を炭化していない領域と判断し、珪素の質量比率を炭素の質量比率で除した値が1より小さい場合、当該表面の領域を炭化している領域と判断した。各サンプルから、ランダムに最大径が100μm以上の粉末を複数個取り出し、EDSで粉末の表面を分析した。表面積の90%以上の領域が炭化している粉末の個数を数えて、表面積の90%以上が炭化した原料粉末の個数の割合を計算した。
表1を参照して、表面積の90%以上が炭化した原料粉末の割合と、異種ポリタイプが混入した割合との関係について説明する。
表面積の90%以上が炭化した原料粉末がない場合(サンプル1)、炭化珪素単結晶10に異種ポリタイプが混入した割合は、1%未満であった。表面積の90%以上が炭化した原料粉末が1個以上存在し、かつ表面積の90%以上が炭化した原料粉末の割合が30%未満の場合(サンプル2)、炭化珪素単結晶10に異種ポリタイプが混入した割合は、1%以上10%未満であった。一方、表面積の90%以上が炭化した原料粉末の割合が30%以上50%未満の場合(サンプル3)、炭化珪素単結晶10に異種ポリタイプが混入した割合は、10%以上50%未満であった。表面積の90%以上が炭化した原料粉末の割合が50%以上の場合(サンプル4)、炭化珪素単結晶10に異種ポリタイプが混入した割合は、50%以上であった。以上の結果より、表面積の90%以上が炭化した原料粉末の割合が30%未満の場合、炭化珪素単結晶10に異種ポリタイプが混入することを効果的に抑制可能であることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 種結晶
1a 主面
2 坩堝
3a 炭化している領域
3b 炭化していない領域
4 種結晶保持部
5 原料収容部
6 炭化珪素原料
6a,6b,6c 粉末
10 炭化珪素単結晶
d 最大径

Claims (5)

  1. 主面を含む種結晶と、炭化珪素原料とを坩堝内に配置する工程と、
    前記炭化珪素原料を昇華させて前記種結晶の前記主面上に再結晶させることにより炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備え、
    前記炭化珪素単結晶を成長させる工程後に前記坩堝内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する前記炭化珪素原料の粉末において、表面積が90%以上炭化している前記粉末の数の割合が30%未満の状態で前記炭化珪素原料の昇華を終了させる、炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記炭化珪素単結晶を成長させる工程後に前記坩堝内に残っており、かつ100μm以上の最大径を有する前記炭化珪素原料の前記粉末において、表面積が90%以上炭化している前記粉末の数の割合が10%未満の状態で前記炭化珪素原料の昇華を終了させる、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記炭化珪素原料に鉄を付着させる工程をさらに備えた、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記炭化珪素原料における前記鉄の割合は0.1質量ppm未満である、請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記種結晶の前記主面と平行な方向に沿った前記炭化珪素単結晶の径は、100mm以上である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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