JP2015148140A - 持出部材の設置構造、その設置施工方法、及びそれを用いた外設部材の取付構造、改修構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、屋根面に固定する第1部材1Aと、該第1部材1Aの表面側の全外周を覆う第2部材1Bと、前記第1部材1A及び前記第2部材1Bを連結する第3部材1Cとからなる持出部材1の設置構造であって、前記第1部材1Aは、屋根面に防水材12を介して固定する固定部11と該固定部11に立設した縦杆13とを備え、前記第2部材1Bは、前記第1部材1Aを覆う被覆部14の外側に屋根面に防水材15を介して接地させる接地部16を周設し、前記被覆部14には前記縦杆13を挿通させる挿通孔141を設け、前記第3部材1Cは、前記縦杆13に取り付けて締着することにより、前記第2部材1Bを屋根面に圧着するものであることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
すなわち特許文献1には、太陽電池モジュールの固定金具を屋根面に固定すると共に、この固定部分の表面側の水上側と左右両側を被覆する覆い板を配設して雨水等の浸入を防止する構造が開示されている。
また、屋根材が金属である場合、金属と金属との接触となるため、さびを生じやすく、そこから亀裂を発生させる原因となっていた。さらに、引っかけ(係合)なり、差し込みなどの構成を用いると、隙間が発生しやすく、そこから漏水の原因となっていた。
そこで、本発明は、太陽電池システムや雪止め金具等の外設部材を容易に取り付けることができ、雨水の浸入をまねくことがない持出(もちだし)部材の設置構造を提案することを目的とする。
さらに、この持出部材の第3部材の取付けに際して受部材を同時に固定しておき、該受部材に支持部材を取り付ければ、その支持部材に対して各種の外設部材や改修構造を容易に取り付けることができる。
そして、前記持出部材には、支持部材を取り付け、さらにその支持部材に対し、外設部材を取り付けたり、改修屋根を構築することができる。
前記固定部は、ビスやアンカーボルト等の固定具を用いて屋根面に固定されるが、例えば横葺き屋根上に固定する場合には、流れ方向に配された垂木等に下端が達するように打ち込むことが望ましく、例えば縦葺き屋根上に固定する場合には、母屋等の構造材(躯体)に下端が達するように打ち込むことが望ましく、設置安定性が格段に向上する。すなわち持出部材は、躯体もしくは躯体に直接又は間接的に取り付けられた垂木等の支持部材に固定されることが望ましい。
また、前記防水材は、固定部の裏面側に配されるシート状のシール材であって、例えば第1部材を金属製としても屋根面との接触を防止し、またその密着性を向上する柔軟性を有している各種シール材が好適に用いられる。
さらに、前記縦杆は、後述する第3部材を取り付けて締着できるものであり、例えば後述する図示実施例のようにボルト材が用いられるが、これに限定されるものではない。
この第2部材は、前記第1部材を覆うものであって、特にその形状を限定するものではないが、後述する図示実施例のように平面視円形状(略ハット形状)に形成すると、何れの方向から水が打ち寄せても形状的に抵抗となることがないため望ましい。
また、この第2部材に用いる防水材は、前記第1部材の固定部の裏面側に配される防水材と同一のものを用いることができる。そして、この防水材を取り付ける接地部は、前記被覆部の外周に設けられ、屋根面上に接するように配設される。
さらに、前記挿通孔は、前記第1部材の縦杆を挿通させるものであるから、縦杆の直径と略同一か僅かに大きく形成される。
この第3部材は、前記第1部材の縦杆がボルト材である場合には、それと螺合するナットが用いられる。すなわちこの第3部材であるナットを締め付けることにより、このナットはボルト材に螺合した状態で下降し、ナットの裏面で第2部材を下方へ押圧しながら下降するので、第2部材を屋根面に圧着する。
そして、この第3部材を前記縦杆に取り付ける際には、その取付部分からの漏水を防止するために防水材付きの座金を併用することが望ましい。
その際、前述のように予め設置する屋根面に応じて例えば横葺き屋根における垂木に下端が到達するように第1部材を固定することが望ましい。
その際、前記第1部材の縦杆を挿通孔から突出するように挿通させる。この状態では、第2部材は固定されておらず、その接地部は、単に屋根面上に乗せられた状態である。
その際、取付部分からの漏水を防止するために防水材付きの座金を併用することが望ましい。
そして、この第3部材を締め付けることにより、第2部材が下方に押圧されてその接地部が屋根面に圧着する。
また、以後の施工を考慮して後述する図示実施例のように受部材を第3部材の上部に接するように取り付けることが望ましい。
この外設部材の配設位置は、前記支持部材の任意の位置に取り付けることができるので、屋根面の任意の位置に取り付けることができる。
また、前記支持部材に取り付けられる改修構造としても、後述する図示実施例に限定されるものではなく、どのような形式の屋根を採用してもよい。
前記固定部11は、ビスやアンカーボルト等の固定具(図示せず)を用いて屋根面に固定されるものであり、図示実施例では、その挿着孔111が2箇所に設けられている。
図示実施例では、前記防水材12は、固定部11の裏面側に配されるシート状のシール材(ゴムシート又はシリコーンシート)であり、前記縦杆13は、ボルト材である。
この第2部材1Bは、図示実施例では、平面視円形状(略ハット形状)に形成され、防水材15は、前記第1部材1Aに用いられた防水材12と同様にシート状のシール材(ゴムシート又はシリコーンシート)であり、前記挿通孔141は、前記縦杆13の直径より僅かに大きく形成されている。
この第3部材1Cは、図示実施例では、防水材付きの座金1Dを介して前記縦杆(ボルト材)13に螺合しており、この第3部材1Cであるナットを締め付けることにより、前記第2部材1Bを屋根面に圧着する。
図示実施例の受部材2は、略矩形状の平板部21の前後端に縦片部22,22が形成される略U字状のピース材であり、平板部21の略中央には、前記縦杆13が貫通する孔211が設けられる。また、各縦片部22には、後述する支持部材3の取り付けに用いられる固定具30の取付孔221がそれぞれ2箇所に形成されている。
まず、図2の右手前側に示すように第1の工程として、屋根面に第1部材1Aを固定する。この図示実施例では屋根面は横葺き屋根であるから、予め横葺き外装材5の裏面側に水流れ方向に配設されている垂木41の位置を特定しておき、ビスである固定具17,17を固定部11の挿着孔111,111から打ち込んで垂木41に下端が達するように固定する。
次に、第2の工程として、第2部材1Bを被せるように配設するが、前記第1部材1Aの縦杆13が挿通孔141から突出するように配設する。
その後、第3の工程として、第2部材1Bから突出するボルト材である縦杆13に、ナットである第3部材1Cを取り付け、これを締め付けることにより、第2部材1Bが下方に押圧されてその接地部16が屋根面に圧着する。
なお、第3部材1Cの取付けに際し、防水材付きの座金1Dを併用した。
前記受部材2の組み付けに際しては、各縦片部22が流れ方向に直交するように微調整して組み付ける。
そして、組み付けた受部材2に対し、図2の左奥に示すように長尺な支持部材3を取り付ける。
図示実施例の支持部材3は、上面部31の前後端に縦面部32,32が形成される逆U字状の長尺材であり、桁行き方向に長尺で、その幅寸法は前記受部材2の縦片部22,22間の間隔と略同一である。また、各縦面部32の下端は内側へ折曲されている。
したがって、支持部材3は、前記持出部材1に組み付けた受部材2の縦片部22,22間に嵌め付けるように配設すればよく、この状態で固定具30を受部材2の取付孔221から打ち込んで極めて容易に取り付けることができる。
なお、この図2における41は垂木を示すが、42は躯体(C型鋼)であり、43はその上に配設された下地材であり、44は垂木41,41間に配される木毛セメント板又は断熱材である。
このように持出部材1を垂木41などの支持部材に固定することにより、設置安定性が格段に向上するものとなる。このような効果は、躯体に直接的に取り付ける場合にも果たされ、後述する図3〜図7の各実施例においても、躯体もしくは躯体に直接又は間接的に取り付けられた垂木41等の支持部材に固定するようにしたため、それぞれ同様の効果が果たされる。
水下側成形部52は、面板部51の水下縁を下方へ略鉛直状に曲げ(縦片部521)、その下端を水上側へ曲げ成形し、続いて上方へ略く字状に屈曲し(横片部522)、さらにその先端を表面側へ折り返した構成とした。
水上側成形部53は、面板部51から延在する端縁(延在部531)を表面側上方へ折り返し状に曲げ成形し、その上端を水下側下方へ折り曲げた構成とした。
そして、これらの水下側成形部52と水上側成形部53とは、敷設状態において係合する構成とした。
また、水流れ方向に隣接する太陽電池パネル8,8は、表面側の隙間に不定形のシール材83が充填され、その裏面側に配される断面略W字状のジョイント部材7bにて連結されている。
前記ジョイント部材7bは、連結部材と流水部材とを兼ねるものであって、流れ方向に配設されて排水部材を兼ねる縦桟7aと連絡されて雨水等を水下側へ流下させる役割も果たす。そして、樋状部分(流水部74)を形成する水下側の側面部72の上端が太陽電池パネル8の裏面を支持し、水上側の側面部は低く形成されている。そのため、水上側に配された太陽電池パネル8の裏面側に生じた結露水などはその裏面をつたって樋状部分に導かれる。また、樋状部分(流水部74)を形成する底面部の略中央から略垂直状に立ち上がる起立片部73は、太陽電池パネル8,8のフレーム材82,82間に配されるため、太陽電池パネル8,8の配設に際して取付位置を容易に定めることができる。
すなわち前記既設の屋根面との違いは、垂木41を取り付ける固定部材45が躯体42ではなく支持部材3に固定されるだけであって、また下地材43が無いため、固着具47が前記図3の固着具46よりも短いものが用いられている。
この縦葺き外装材9aは、面板部91の左右の側縁に裏面側が開放する内側立上り部92,92を有し、その外側に排水溝93,93、さらにその外側に傾斜状に立ち上がる外側立上り部94,94を有し、この外側立上り部94の途中(高さの中程)に、保持部材6bの被嵌合部63に係合する略く字状の嵌合部941が形成される構成である。また、前記外側立上り部94,94の上方の構成については、左右非対称であり、左方側には、保持部材6bの中央起立部64の頂部に至る延在部が設けられ、右方側には、他方側(この場合、右側に隣接する縦葺き外装材9aの左方側の外側立上り部94)にオーバーハングする重合部95が設けられている。また、この重合部95には、嵌合部941の外側に係合する略く字状の係合部が設けられている。
縦葺き外装材9aの配設に際しては、まず、内側立上り部92の裏面に保持部材6bの側端起立部65が位置するように取り付ける。なお、縦葺き外装材9aの面板部91は、予め保持部材6b,6bの側端起立部65,65間よりも幅広に形成されているので、この状態で、縦葺き外装材9aの面板部91は、下方へ突出するように湾曲されて配設される。
次に、保持部材6bの中央起立部66と側端起立部65との間に、縦葺き外装材9aの排水溝93及び外側立上り部94が位置するように配し、嵌合部941を被嵌合部63に弾性的に嵌合させる。
さらに、左方側の外側立上り部94については、そのまま中央起立部66の右側に沿わせるが、右方側の外側立上り部94については、中央起立部66の他方側(右側)に延在するようにオーバーハングさせて係合させる。
前記図2では、持出部材1の第1部材1Aは、ビスである垂木41に対して固着具17にて固定したが、この実施例では、躯体42に対してアンカーボルトである固着具17'にて固定する点が異なるだけであり、他の構成については全く同様であるから同一符号を付して説明を省略する。ピース状の受部材2を用いる点や横方向(桁行き方向)に連続する支持部材3を用いる点も同様である。
この図5の太陽電池パネル8'は、表面側に透光材が配された太陽電池81と、その側縁を保持すると共に裏面側に中空のスペース部分を備えるフレーム材83,83とが一体的に取り付けられた構成である。
また、横方向に隣接する太陽電池パネル8',8'の表面側に跨るように化粧板材84が固定具85にて取り付けられ、その裏面側には、排水部材(排水部76)を兼ねる縦桟7cが配されて連結されている。
前記縦桟7cは、水流れ方向に連続する長尺材、又は定尺材を連結した構成であって、排水部材(排水部76)を兼ね、左右の脚片75,75の下端を固定具71,71にて支持部材3に取り付けられている。また、この縦桟7cの上方には、流水部材7dが固定され、排水部76に連絡するように横方向に配設されている。
なお、前記縦桟7cは、樋状の排水部76が支持部材3上に固定した左右の脚片75,75の下端より高いレベルに位置しており、この排水部76の略中央には太陽電池パネル8',8'を支持する台状の隆起部77が設けられ、前記化粧板材84を固定する固定具85もこの隆起部77の上面に固定されている。
このようにこの実施例における縦桟7c及び流水部材7dは、前記図3の実施例における縦桟7a及びジョイント部材7bに相当するものである。
したがって、この図6には、前記図3と同じ符号を付して説明を省略する。
この図6には、側断面を示したので、太陽電池パネル8と太陽電池パネル8'が異なる以外は、前記図5(正面図)の側断面構成とほぼ等しいものである。
なお、この実施例では、側断面を示しているが、改修屋根の構成を詳しく示すため、正面から見た状態を付記している。
タイトフレーム6cは、例えば短幅の帯状鋼材を折り曲げ成形してなり、略中央の横片から左右に脚部を有し、各脚部の下端に下面が支持部材3と接する固定部である。
受支材6dは、略垂直状に起立する受支面を前後に有する側断面略U字状のピース材であり、各受支面の下方には左右に張り出した部分が形成され、その下方が前記外装材9cの第1嵌合部971が嵌合する被嵌合部68である。また、受支面の上縁を前後方向に折り曲げ、前記外装材9cの裏面を安定に保持できるようにしている。さらに、この受支面の略中央上端には、前記外装材9cの断面略U字状の第2嵌合部972を上方から嵌合可能な矩形状の溝部69が設けられている。
1A 第1部材
1B 第2部材
1C 第3部材
1D 防水材付きの座金
11 固定部
12,15 防水材
13 縦杆
14 被覆部
141 挿通孔
16 接地部
2 受部材
3 支持部材
41 垂木
42 躯体
43 下地材
44 木毛セメント板又は断熱材
5 横葺き外装材
6A〜6 保持部材
7a 縦桟
7b ジョイント部材
7c 縦桟
7d 流水部材
8,8' 外設部材(太陽電池システム)
9a,9b,9c 縦葺き外装材
9d キャップ材
この第2部材は、前記第1部材を覆うものであって、後述する図示実施例のように平面視円形状(略ハット形状)に形成され、何れの方向から水が打ち寄せても形状的に抵抗となることがない。
また、この第2部材に用いる防水材は、前記第1部材の固定部の裏面側に配される防水材と同一のものを用いることができる。そして、この防水材を取り付ける接地部は、前記被覆部の外周に設けられ、屋根面上に接するように配設される。
さらに、前記挿通孔は、前記第1部材の縦杆を挿通させるものであるから、縦杆の直径と略同一か僅かに大きく形成される。
Claims (5)
- 屋根面に固定する第1部材と、該第1部材の表面側の全外周を覆う第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材を連結する第3部材とからなる持出部材の設置構造であって、
前記第1部材は、屋根面に防水材を介して固定する固定部と該固定部に立設した縦杆とを備え、
前記第2部材は、前記第1部材を覆う被覆部の外側に屋根面に防水材を介して接地させる接地部を周設し、前記被覆部には前記縦杆を挿通させる挿通孔を設け、
前記第3部材は、前記縦杆に取り付けて締着することにより、前記第2部材を屋根面に圧着するものであることを特徴とする持出部材の設置構造。 - 第3部材の取り付けには、防水材付きの座金を併用することを特徴とする請求項1に記載の持出部材の設置構造。
- 請求項1又は2に記載の設置構造を施工する設置方法であって、
屋根面に第1部材を固定する第1の工程と、
第2部材を被せるように配設する第2の工程と、
第2部材から突出する縦杆に、第3部材を取り付け、締め付ける第3の工程と、からなることを特徴とする持出部材の設置施工方法。 - 請求項1又は2に記載の設置構造により設置された持出部材に支持部材を取り付け、該支持部材に外設部材を取り付けてなることを特徴とする外設部材の取付構造。
- 請求項1又は2に記載の設置構造により設置された持出部材に支持部材を取り付け、該支持部材上に改修屋根を構築してなることを特徴とする改修構造。
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