JP2015147874A - 水性コーティング剤、ガラスのコーティング方法及びコーティングガラス - Google Patents

水性コーティング剤、ガラスのコーティング方法及びコーティングガラス Download PDF

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菅野 真樹
Maki Sugano
真樹 菅野
小出 昌史
Masashi Koide
昌史 小出
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Abstract

【課題】本発明は、ガラス製品の外面にコーティングし、ガラス製品外面に十分な滑性を付与し、しかも耐磨耗性、耐水性にも優れるガラス用コーティング剤を提供することを目的とする。【解決手段】カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の水性分散体(A)と、ワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)で分散してなる水性分散体(B)と、水性媒体中でα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)と、を必須成分とする水性分散体樹脂組成物を使用したガラス用コーティング剤、及びガラス製品。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス製品の外面にコーティングし、ガラス製品外面に十分な滑性を付与し、しかも耐磨耗性、耐水性にも優れるコーティング剤、及びガラス製品にこのコーティング剤をコーティングする方法、ならびにこのコーティング剤を外面にコーティングしたガラス製品に関する。
ガラス容器などのガラス製品は、滑性を付与させる為に、成形直後の高温のガラス容器外面にホットエンドコーティングと言われる金属酸化物(酸化スズ、酸化チタン等)をコーティングし、さらにコールドエンドコーティングと言われるポリエチレン樹脂等のコーティングが行われている。しかし、金属酸化物コーティング皮膜と樹脂コーティング皮膜との密着不足や、樹脂コーティング皮膜の磨耗により、搬送ラインにおけるガイド汚れや、ガラス容器の滑性低下等をが問題となっている。
一方、近年のガラス容器製造ライン、食品メーカー等のガラス容器ユーザーにおける充填ラインの高速化に伴い、ガラス容器に施されたコールドエンドコーティングの磨耗やガラス容器表面からの磨耗・脱落に起因する搬送ラインの汚染の問題が顕在化してきた。
これらの課題を解決するため、ポリエチレンワックスとシランカップリング剤とを含有するコールドエンドコーティング剤の開発も行われており(特許文献1参照)、一定の成果が得られているが、ガラス容器ユーザーでのラインの更なる高速化に伴い、更に磨耗や脱落をし難いコーティングを可能にするコールドエンドコーティング剤が求められている。
従来、コールドエンドコーティング剤以外に、ガラス製品のコーティング剤として、樹脂とシランカップリング剤とを含む組成物が刊行物に記載されている(特許文献2、3)。しかしながら、同記載によれば、それらのコーティング剤により瓶表面にコーティングを施した場合、その表面滑り角は20°以上と大きい、すなわち滑性が悪いことが示されている。また、同文献に記載されたコーティング剤の具体例としては、樹脂としてポリウレタン樹脂エマルジョンまたはメタクリル酸とエチレンとの共重合体(ケミパールS−100(登録商標))を用いたものが記載されるに止まる。
また、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合体やその部分エステル体を分散安定剤として含む塗工用吸水性樹脂分散体(特許文献4)や該樹脂からなる顔料分散剤(特許文献5)、該樹脂の水性分散対の存在下、顔料を分散させた水性インキ(特許文献6,7)が知られている。しかし、これらの分散体や分散剤、水性インキは、基材、特にガラス製品に強固に接着したコーティングを形成することを目的としたものではない。
特許文献8には、無水マレイン酸/α―オレフィン共重合体と、酸化ポリエチレンと、セルロース又はセルロース誘導体からなるコーティング剤が開示されているが、金属酸化物コーティング被膜と樹脂コーティング被膜の密着不足、樹脂コーティング被膜の耐摩耗性不足により、搬送ラインガイドなどに樹脂が転写・付着し、ガイド汚れ、ガラス容器の滑性低下などを起こすという課題があった。
特開2002−241145号公報 特開昭57−145466号公報 特開昭57−3869号公報 特開平4−255704号公報 特開平1−261474号公報 特開2004−91519号公報 特開2002−91520号公報 特開2012−224824号公報
本発明の目的は、ガラス製品の外面にコーティングし、ガラス製品外面に十分な滑性を付与し、しかも耐磨耗性、耐水性にも優れるガラス用コーティング剤を提供することである。本発明の更なる目的は、本発明のガラス用コーティング剤をガラス製品の外面にコーティングすることで、ガラス製品表面の傷付き防止機能を発現し、かつガラス製品表面のコーティングの磨耗・脱落に起因する搬送ライン、特にコンベアガイドの汚染を防止できるガラス製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の水性分散体(A)と、ワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)で分散してなる水性分散体(B)と、水性媒体中でα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)とを必須成分とする水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、水性分散体樹脂組成物の不揮発成分全量中、
水性分散体(A)の不揮発成分を0.5〜30重量%、
水性分散体(B)の不揮発成分を0.5〜30重量%、
水性分散体(C)の不揮発成分を40〜99重量%、
含有することを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)が、マレイン酸もしくはマレイン酸誘導体の共重合体であることを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の酸価が、5〜500mgKOH/gであることを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、ワックス状樹脂(b1)が、ポリオレフィンワックス(b1−1)、エステルワックス(b1−2)、またはアミドワックス(b1−3)のいずれか1種類を含有することを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、コアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)のシェル部が、
芳香族含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c1)と、カルボキシル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c2)とを共重合してなる樹脂(X)であり、
コアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)のコア部が、
メチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレートと、
炭素数2から8のアルキル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c3)とを共重合してなる樹脂(Y)であることを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、樹脂(X)が、
化合物(c1)20〜70重量%と、
化合物(c2)30〜40重量%とを共重合してなる樹脂(x1)であり、
樹脂(Y)が、
メチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレート20〜50重量%と、
化合物(c3)40〜80重量%とを共重合してなる樹脂(y1)であることを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、水性分散体(A)、水性分散体(B)、及び水性分散体(C)に含有される樹脂の平均粒子径が、それぞれ、0.01〜10.0μmの範囲であることを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、更に、シラン化合物(D)を含有することを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、更に、表面改質剤(E)を含有することを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、更に、色材(F)を含有することを特徴とする上記水性分散体樹脂組成物に関する。
すなわち、本発明は、上記水性分散体樹脂組成物を用いたガラス用コーティング剤に関する。
すなわち、本発明は、ガラス基材上に、上記ガラス用コーティング剤がコーティングされてなるガラス製品に関する。
本発明により、ガラス製品外面に十分な滑性を付与し、しかも耐磨耗性、耐水性にも優れる水性コーティング剤が提供でき、更には、該水性コーティング剤により表面処理を施したガラス製品は、その製造ラインやユーザーサイド(食品工場等)でコンベアガイド等の搬送ラインを汚染することがないという特徴を有する。
本発明の水性分散体樹脂組成物は、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の水性分散体(A)と、ワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)で分散してなる水性分散体(B)と、水性媒体中でα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)と、を必須成分として含有したものである。
本発明の水性分散体樹脂組成物は、水性分散体(A)、水性分散体(B)、及び水性分散体(C)を必須として含有することにより、コーティング剤として使用した場合には、ガラス製品外面に十分な滑性を付与することで、傷付き防止機能等の耐擦傷性、さらには耐水性にも優れるコーティング層を形成することが可能となる。また、高密着性を維持するため、コーティング後の磨耗・脱落に起因する耐磨耗性が良好となり、搬送ライン、特にコンベアガイドの汚染を防止することが可能となる。
また、本発明のガラス製品とは、板ガラス、ガラス瓶、ガラス製の食器や花瓶等、ガラスを原料とした製品全てを含む。
以下、水性分散体樹脂組成物の構成成分について具体的に説明する。
<水性分散体(A)>
本発明のカルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の水性分散体(A)とは、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)をアンモニアやアルカリ金属等を含有し、必要に応じて、後述の界面活性剤(b2)を加えて水に分散した水性分散体である。水性分散体(A)の不揮発成分は10〜70重要%であることが好ましい。不揮発成分が10%以上であると、樹脂(a)の分散粒子がコーティングした際に、隙間無く融着しやすくなるため、均一なコーティング層を形成することが可能となる。70%以下であると、コーティングに最適な粘度を確保することが可能となる。
また、水性分散体(A)に含有される樹脂(a)の平均粒子径は0.01〜5.0μmの範囲であることが好ましい。平均粒子径が0.01μm以上であると、コーティング剤として使用した場合に、コーティング層が均一となり、十分な滑性を付与することが可能となる。また、5.0μm以下であると、分散安定化が図られ、水分散体を長期保存しても問題無く使用が可能となる。
カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)は、極性基であるカルボキシル基を多く持つので、ガラス面及びガラス面に施した金属酸化物膜との密着性が良くなる。また、樹脂(a)は融点が低いので、ガラス容器のコーティング剤として使用した際にコールドエンド(徐冷炉の出口付近)におけるガラス温度でも融解しやすく、ガラス面またはガラス面に施された酸化金属膜上に広い接着面積で熱融着する。このため樹脂(a)被膜は剥がれ難く、搬送ラインのガイドを汚したり、滑性低下を防止する効果を有する。
樹脂(a)としては、炭化水素を主鎖としてなり、その構造中の少なくとも一部にポリオレフィン構造を有し、側鎖、あるいは末端にカルボキシル基を有する樹脂であり、ポリオレフィン樹脂を、後からカルボキシル基含有化合物で変合成して得られた樹脂(a1)とαオレフィンとカルボキシル基含有化合物とで共重合した樹脂(a2)に大別され、前者は酸価が低く、後者は酸価が高いのが特徴である。
樹脂(a1)に用いられるポリオレフィン樹脂としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−αオレフィンブロック共重合体樹脂、プロピレン−αオレフィンランダム共重合体樹脂、プロピレン−ブテンブロック共重合体樹脂、プロピレン−ブテンランダム共重合体樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体等が挙げられる。
樹脂(a2)に用いられるαオレフィンとしては、より具体的に、例えば、エチレンやプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−エイコセン等のαオレフィンやその単独や共重合体類;
例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、3−メチルシクロペンテン、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、2−テトラシクロドデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、8−メトキシカルボニル−2−テトラシクロドデセン等のシクロオレフィンやその単独や共重合体類が挙げらる。
上記オレフィンモノマーに加えて、イソプレン、クロロプレンおよびブタジエン等のジエン系モノマーや、スチレン、アクリロニトリル等を共重合してもよい。
樹脂(a)を構成するカルボキシル基含有化合物としては、後述のカルボキシル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c2)が挙げられるが、特にアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が工業的に有利であり、本発明では生産性の点でマレイン酸もしくはマレイン酸誘導体であることが特に好ましい。
なお、無水マレイン酸/α―オレフィン共重合体の樹脂(a)の酸変性率は10重量%以上が望ましい。また、酸価が、5〜500mgKOH/gであることが好ましく、10〜300mgKOH/gの範囲が特に好ましい。酸価が5mgKOH/gであると、ガラス面またはガラス面に施された金属膜に対して、密着性が向上するだけで無く、平均粒子径も小さくすることが可能となり、より平滑な塗膜を作成することが可能となり、また、500mgKOH/g以下であると、耐水性が低下しないため好ましい。
樹脂(a)は、融点100℃以上で針入度3以下の高融点、高密度であることが望ましい。融点が100℃以上であると、本発明の水性分散体樹脂組成物をガラス容器のコーティング剤として使用した際、コールドエンドでのコーティングで溶融しにくくなり微粒子としてコーティング被膜中に存在し、針入度3以下の高密度であることによって滑性が向上し、耐摩耗性が付与される。樹脂(a)の融点の上限について制限はないが、通常の樹脂(a)の融点は140℃以下である。
ここで、針入度とは、JIS K2207、及びK2235に規定されている硬さを表す指標で有り、温度、荷重、及び時間の三つの項目が重要で有り、一般的には、温度25℃、荷重100g、時間5秒にてが示されている。工業用の硬質の樹脂は、40以下である。
本発明における樹脂(a)の重量平均分子量は500〜500,000の範囲であり、特に1,000〜200,000が好ましい。平均分子量が500未満では、水性分散体樹脂組成物をガラス容器のコーティング剤として使用した際、ガラス面への密着強度等の諸物性を低下させるだけでなく、コーティング層の耐殺傷性が低下してしまう。重量平均分子量が500,000を超えると、後述の水性分散体(C)と相溶し難くなり、またコーティング時あるいは成膜時の溶融剪断力の大きさによって、ガラス面への密着性が変化するため、一定の耐久性を得るのが非常に難しくなる。
<水性分散体(B)>
酸化ポリエチレンは、融点100℃以上で針入度3以下の高融点、高密度であることが望ましい。融点が100℃以上であると、コールドエンドでのコーティングで溶解しにくくなり微粒子としてコーティング被膜中に存在し、針入度3以下の高密度であることによって滑性が向上し、耐摩耗性が付与される。酸化ポリエチレンの融点の上限について制限はないが、通常の酸化ポリエチレンの融点は140℃以下である。

水性分散体(B)は、ワックス状樹脂(b1)を、界面活性剤(b2)を使用して、水に分散した水分散体であり、必要に応じて、アンモニアやアルカリ金属を含有する。
水性分散体(B)の不揮発成分は、水性分散体(A)と同様に10〜70%の範囲が好ましい。不揮発成分が10%以上であると、ワックス状樹脂(b1)の分散粒子がコーティングした際に、隙間無く融着しやすくなるため、均一なコーティング層を形成することが可能となる。70%以下であると、コーティングに最適な粘度を確保することが可能となる。
また、水性分散体(B)に、含有されるワックス状樹脂(b1)の平均粒子径は0.01〜10.0μmの範囲であることが好ましい。平均粒子径が0.01μm以上であると、コーティング剤として使用した場合には、コーティング層が均一となり、十分な滑性を付与することが可能となる。また、10.0μm以下であると、分散安定化が図られ、水分散体を長期保存しても問題無く使用が可能となる。
ワックス状樹脂(b1)は、融点が、50℃〜110℃の範囲であることが好ましい。融点が110℃以下であると、本発明の水性分散体樹脂組成物をガラス容器のコーティング剤として使用した際に、ワックス状樹脂(b1)が溶融し易く、ガラス面またはガラス面に施された金属酸化物膜への密着性が向上する。一方融点が50℃以上であると、内容物を充填するときの温水洗浄でワックス状樹脂(b1)が脱落し難くなる。
ワックス状樹脂(b1)は、重量平均分子量が50,000未満でJIS K7210に準じてMFR測定が不可能であるもののを通常一般に「ワックス」とよばれ、天然ワックスと合成ワックスに大別される。合成ワックスとしては半合成ワックスと全合成ワックスがある。半合成ワックスとは、天然ワックスまたはワックス様材料を、エステル化、アミド化、酸性ワックスの中和等の化学的処理により変性したものであり、ポリオレフィンワックス(b1−1)、エステルワックス(b1−2)、またはアミドワックス(b1−3)に区別される。耐熱性を考慮すると合成ワックスを用いることが好ましく、これらはそれぞれ単独、あるいは併用して使用することができる。尚、ワックス状樹脂(b1)には、カルボキシル基を含有していても問題無い。
ポリオレフィンワックス(b1−1)としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油ワックスや、水溶液中で分散可能な公知の各種ポリオレフィンを用いることができる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン又は/及びプロピレンとその他コモノマーとの共重合体が好ましく挙げられる。また、前述のαオレフィンコモノマー同士2種類以上の共重合体も用いることができ、例えばαオレフィンモノマーと酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのコモノマーとの共重合体なども挙げられる。
また、本発明の効果が得られる場合は、必要に応じて上記ポリオレフィンワックスに親水性高分子や極性モノマー及び一般的な反応性基を共重合もしくはグラフト反応させて用いても良い。なお単に共重合体という場合はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。また、水性ポリオレフィンワックスを分散させた水溶液はpHが7〜10であることが望ましい。
本発明におけるエステルワックス(b1−2)としては、キャリデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろうなどの植物系ワックス、そして蜜蝋、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス、さらにモンタンワックス、オゾケライト、セレシンなどの鉱物系ワックス等の天然ワックスが挙げられる。また、脂肪酸にアルコールが1つ以上結合した脂肪酸エステルが合成ワックスとして挙げられる。
アルコールとしては1価もしくは多価のアルコールを用いることができる。1価アルコールとしては炭素数が6以上の高級アルコールを用いることが好ましく、炭素数が10以上の高級アルコールを用いることがより好ましい。具体例としては、例えば、ミスチリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールが例示されるが、これらに限定されるものではない。また、多価アルコールとしては2価アルコールおよび3価以上のアルコールがあげられる。2価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールが、3価以上のアルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、マンニトール、ソルビトールが例示されるが、これらに限定されるものではない。本発明では、グリセリン、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトールが好ましく、グリセリン、ジペンタエリトリトールがより好ましい。
また、脂肪酸としては、カプロン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、メリシン酸など飽和脂肪酸、またはオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸等が挙げられる。また、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂肪酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸も挙げられる。本発明では、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸が好ましく、ステアリン酸または12−ヒドロキシステアリン酸のトリグリセライドがより好ましい。
市販されている脂肪酸エステルの例としては理研ビタミン社製の「リケマール」等があげられる。
本発明におけるアミドワックス(b1−3)としては、カルボン酸アミド、スルホン酸アミド、あるいはリン酸アミド等、アミド結合を有するワックスが挙げられるが、耐熱性等の点で、カルボン酸アミドが好ましく、脂肪酸アミドが特に好ましく使用される。
脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪族モノカルボン酸アミド;
N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド等のN−置換脂肪族モノカルボン酸アミド;
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪族ビスカルボン酸アミド;
N,N'−エチレン−ビス−オレイルアミド、N,N'−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N'−メチレンビスステアリン酸アミドなどのN−置換脂肪族カルボン酸ビスアミドを含む脂肪族カルボン酸アミド、あるいは水酸基をさらに有するヒドロキシ脂肪酸アミドなどが挙げられる。これらの化合物が有するアミド基は1個でも2個以上でもよい。市販されているアマイドワックスの例としては花王社製の「カオーワックス」等があげられる。
本発明のワックス状樹脂(b1)は、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよいが、耐熱性を考慮すると合成ワックスを用いることが好ましい。本発明の水性分散体樹脂組成物をコーティング剤として使用した場合には、コーティング層に十分な滑性を付与するための優位性は、(b1−1)≧(b1−2)>(b1−3)であるが、コーティング時の条件や、コーティング後のガラス製品の使用状況により、適時配合することで、良好なコーティング層を得ることが可能となる。
本発明のワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)で分散してなる水性分散体(B)のうち、界面活性剤(b2)は、極性物質と非極性物質を均一に混合させる働きを持つもので有り、本発明ではワックス状樹脂(b1)を水媒体に安定分散させる機能を有する化合物である。このような界面活性剤(b2)としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、より具体的に、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類等の非反応性のアニオン性非反応性乳化剤系界面活性剤類;
アルキルエーテル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、花王株式会社製ラテムルPD−104など)、スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、花王株式会社製ラテムルS−120、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2など)、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンH−2855A、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30など)、リン酸エステル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70など)等の反応性のアニオン系界面活性剤類等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、より具体的に、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等の非反応性のノニオン反応性乳化剤系界面活性剤類;
例えば、アルキルエーテル系(市販品としては、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、花王株式会社製ラテムルPD−420など)、アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、日本乳化剤株式会社製RMA−564など)等の反応性のノニオン反応性乳化剤系界面活性剤類等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられ、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明のワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)で分散してなる水性分散体(B)は、ワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)及び水とを混合して、ディスパー、ホモミクサー、プラネタリミキサ、あるいはニーダー等の撹拌乳化混合器を用いて、強制乳化することが知られている。これらの乳化器は、水中の非水系物質のいわゆる油滴を粉砕し、もしくは撹拌による油滴同士の衝突によって油滴を微細化し、界面活性剤(b2)によってワックス状樹脂(b1)の微粒子を安定化させる方法であり、安定な水性分散体(B)を得ることができる。また強制乳化には必要に応じて、少量の有機溶剤を使用する場合もあるが、特に問題は無い。
本発明の水性分散体(B)におけるワックス状樹脂(b1)は、水中で粒子径0.01〜1.010μmであることが好ましい。粒子径が0.10.01μm未満であると必要な耐殺傷性を得られず、1.010μmより大きいと水分散体中に均一に分散させることが難しくなり、ガラス面にコーティングした際にムラができる懸念があるため好ましくない。
<水性分散体(C)>
本発明の水性媒体中でα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイルオキシ」、及び「(メタ)アリル」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」、及び「アリル及び/又はメタリル」を表すものとする。
一般的に、α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物を重合した水性分散体は、重合体樹脂の微細な粒子が水の中に分散したものである。重合体樹脂の水性分散体は、塗工後に乾燥することで水性分散体中の水が蒸発し、残された重合体樹脂の粒子により被膜を形成するものである。本発明における水性分散体(C)を用いることにより、成膜性の向上し均一なコーティング膜が作りやすく、十分な滑性を発現することが可能である。さらに、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)粒子のバインダー樹脂としても効果がある。
本発明の水性分散体(C)のシェル部は、芳香族含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c1)と、カルボキシル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c2)とを共重合してなる樹脂(X)であり、
コア部は、メチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレートと、
炭素数2から8のアルキル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c3)とを共重合してなる樹脂(Y)である。
樹脂(X)の共重合には、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合など公知の重合方法が可能である。本発明では、反応制御および分子量制御が容易である溶液重合および塊状重合が好ましい。
シェル部(樹脂(X))は、コア部(樹脂(Y))の高分子界面活性剤として機能する。このため、本発明では、適度な親水性を有するカルボキシル基含有の化合物(c2)と、適度な疎水性を有する芳香族含有の化合物(c1)とを共重合してなるシェル部(樹脂(X)を用いることが好適である。樹脂(X)は、ガラス面にコーティングした際に、親水性のカルボキシル基がガラス面と強固な密着を形成する。芳香環は、外からの水の侵入を抑制するため、強固なコーティング層を形成することが可能である。
化合物(c1)としては、分子内に1個以上の環状構造を有するもので有り、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸9−アントリルメチル、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタレート、等の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
例えば、N−(4−カルバモイルフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(9H−フルオレン−2−イル)(メタ)アクリルアミド、(Z)−3−(フェニル)(メタ)アクリルアミド等の環状構造含有の(メタ)アクリルアミド類
例えば、(メタ)アクリル酸スルホフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸スルホベンジル、等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム−p−トルエンスルホネート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類の金属塩やアンモニウム塩類;
例えば、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン等の2官能(メタ)アクリル酸環状エステル類;
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−クロロ−4−イソプロペニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体類;
例えば、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、1−ナフチルビニルエーテル、2−ナフチルビニルエーテル等の環状ビニルエーテル類;
例えば、ビニルフェニルペンチルエーテル、ビニルフェニルヘキシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有する芳香族ビニルエーテル系単量体類;
4−ビニル安息香酸ヘキシル、4−イソプロペニル安息香酸ノニル、4−イソプロペニル安息香酸ドコシルなどの長鎖アルキル基を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
例えば、テトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテルなどの長鎖ポリアルキレンオキサイド部位を有するビニルフェニルエーテル系単量体類;
例えば、イソプロペニルフェニルメチルブチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有するイソプロペニルフェニル系単量体類;
例えば、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテルなどのポリアルキレンオキサイド部位を有するイソプロペニル系単量体類;
例えば、コハク酸ビニルフェニルノニルなどのジカルボン酸のモノ長鎖アルキルエステル系環状単量体類;
例えば、コハク酸ビニルフェニルポリ(エチレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸エチルポリ(プロピレンオキサイド)などのポリアルキレンオキサイド部位を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
例えば、スチレンスルホン酸、2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸等のアルケニル基含有環状スルホン酸類;
例えば、スチレンスルホン酸アンモニウム等のスチレンスルホン酸のアンモニウム塩類;
スチレンスルホン酸ナトリウム等のスチレンスルホン酸の金属塩類;
ビニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム等のアルケニル基含有ビニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム等の2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類等が挙げられる。
また、例えば、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールA、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールF等のα,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル等の水酸基とフェニル基の双方を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン等の水酸基含有ベンゾフェノン系(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の水酸基とフェニル基の双方を含有するベンゾトリアゾール系(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン等の水酸基とフェニル基の双方を含有するトリアジン系(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
化合物(c2)としては、分子内にカルボキシル基とα,β−エチレン性不飽和二重結合基との双方を有する化合物、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、マレイン酸、フマル酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、、イタコン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、セネシオ酸、クロトン酸、
あるいはモノ(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトンエステル等のラクトン環の開環付加により末端にカルボキシル基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、2−ビニル安息香酸、7−アミノ−3−ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸、
あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸と(メタ)アクリル酸のエステル等のカルボキシル基含有の脂肪族系のα,β−不飽和二重結合基含有カルボン酸類やその酸無水物類等が挙げられる。
さらに、前記樹脂(X)には、さらに、化合物(c1)と化合物(c2)以外の他のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c4)を使用できる。尚、樹脂(X)には後述の化合物(c3)も使用することが可能である。
他のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c4)としては、より具体的に、メタクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の炭素数9以上のアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸iso−ボルニル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロオクチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル等の脂環構造含有(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチル、ジ(メタ)アクリル酸1,3−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカニルジメチロール等の脂環構造含有のジ(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリル酸エステル、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、
あるいは(メタ)アクリル酸グリシジルラウリン酸エステル等の脂肪酸エステル系(メタ)アクリル酸エステル、
あるいは、2−(アクリロイルオキシ)エチル6−ヒドロキシヘキサノネート等の前記水酸基含有α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物に対してε−カプロラクトンラクトンの開環付加により末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、前記水酸基含有α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物に対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを繰り返し付加したアルキレンオキサイド付加(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチルなどの(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステル類;
例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ブトキシエチル等のアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系ビニルエーテル等の水酸基含有の脂肪族ビニルエーテル類;
例えば、(メタ)アリルアルコール、グリセリル(メタ)アリルエーテル、
あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アリルアルコール類ないしは(メタ)アリルエーテル類;
例えば、プロペンジオールヘプテンジオール、オクテンジオール、ジ(メタ)アクリル酸グルセロール等の複数の水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物類;
例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;
例えば、ビニルアルコール等の水酸基とエテニル基を有する単量体類;
例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、等の酸素原子を有するヘテロ環含有(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、グリシジルシンナマート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ビニルエステル類;
例えば、β−(2−フリル)(メタ)アクリルアミド、2,3−ビス(2−フリル)アクリルアミド等のヘテロ環が含有の(メタ)アクリルアミド類
例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのモノまたはジ-アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルメタンアミドなどの脂肪族系の(メタ)アクリルアミド類;
例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、、N,N−ジ(メトキシメチル)メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシ基含有の(メタ)アクリルアミド類;
例えば、(メタ)アクリルアミドスルホン酸等のスルホン酸含有の(メタ)アクリルアミド類;
例えば、4−アクリロイルモルホリン、N−(オキセタン−2−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヘテロ環状アクリルアミド類;
例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチルなどのニトリル基含有α,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
例えば、1−ビニルピロール、1−ビニル−2−イミダゾリン、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−1H−ピラゾール、1−ビニルインドール、1−ビニルインダゾール、等の窒素原子含有のヘテロ環を有するビニル基含有化合物類;
例えば、1−(メタ)アリル−1H−イミダゾール、1−(メタ)アリルピペラジン、1−(メタ)アリル−5,5−ジエチルピリミジン、N−(メタ)アリル−s−トリアジン−2,4,6−トリアミン、1、4−ジメチル−3−ビニルピペラジン、3−ビニル−1,2,4,5−テトラジン等の窒素原子含有の六員環を有するビニル基含有化合物類;
例えば、1−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、、ジ(メタ)アリルキノリン、1,2−ジ(メタ)アリル−1,2−ジヒドロイソキノリン等の窒素原子含有のヘテロ多環系エテニル基含有化合物類;
例えば、1−メチル−4,5−ジビニル−1H−イミダゾール等の窒素原子含有のヘテロ環構造と二個以上のビニル基を有する化合物類;
例えば、1−(メタ)アリル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール、1−(1−メチルプロピル)−5−(メタ)アリルピリミジン、1−(メタ)アリル−5−イソプロピルピリミジン、1−(メタ)アリルピリジン、1−(メタ)アリルピリジン、3,6−ジヒドロ−1−(メタ)アリルピリジン等の窒素原子含有のヘテロ環状構造を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
例えば、2−(メタ)アリル−1H−インドール、3−(メタ)アリル−1H−インドール、9−(メタ)アリル−9H−カルバゾール等の窒素原子含有のヘテロ多環構造を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
例えば、イミド(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性、トリ(メタ)アクリル酸イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性等の窒素原子以外に酸素原子を含むヘテロ環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、メチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどの窒素原子と酸素原子の双方を有するマレイミド誘導体類;
例えば、2−ビニルオキサゾール、2−ビニル−2−オキサゾリン等の窒素原子以外に酸素原子を含むヘテロ環状構造を有するビニル基含有化合物類;
例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、等のカルボン酸のビニルエステル類;
例えば、(メタ)アリルクロロシラン、トリエトキシビニルシラン等のアルコキシシリル基含有α,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
例えば、酢酸(メタ)アリル、プ等の飽和カルボン酸の(メタ)アリルエステル類;
例えば、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類;
例えば、アレン、1,2−ブタジエンなどのジエン類;
例えば、cis−コハク酸ジアリル、2−メチリデンコハク酸ジアリル、(E)−ブタ−2−エン酸ビニル、(Z)−オクタデカ−9−エン酸ビニル、(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15−トリエン酸ビニル等の多官能の不飽和結合を含有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテル、1−アダマンチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
例えば、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2,5−ビス(アリルオキシ)ノルボルナン、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルケニル基含有の環状化合物類;
例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレンオキサイド,2−ジメチルプロピル、等の2官能(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、トリ(メタ)アクリル酸1,2,3−プロパントリオール、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等の3官能(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘプタ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールポリアルキレンオキサイド等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類等挙げられる。特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
シェル部である樹脂(X)は、化合物(c1)20〜70重量%、化合物(c2)30〜40重量%とを共重合してなる樹脂(x1)であることが好ましい。樹脂(x1)を用いることで、ガラス面のコーティング後における外観不良をより抑制し、および密着強度がより低下し難くなる。
樹脂(X)に合成は、公知の重合開始剤を使用できる。重合開始剤は、樹脂(X)全量中、0.1〜10重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%である。なお塊状重合で合成する場合、反応温度を高温にすると重合開始剤を使用せずに共重合ができる場合がある。重合開始剤としては、有機過酸化物およびアゾ化合物が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルド等が挙げられる。
樹脂(X)は、重量平均分子量5,000〜15,000であることが好ましく、7,000〜10,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000〜15,000の範囲にあることで、ガラス面に対して、より密着し易くなり、コーティング層への水の浸透防止、コア部の共重合性、および密着強度の強化をより高い水準にまで向上できる。
前記、コアシェル型構造である水性分散体(C)のコア部は、前記シェル部である樹脂(X)の存在下、メチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレートと、炭素数2〜8のアルキル基含有α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c3)とを共重合してなる樹脂(Y)である。
樹脂(Y)は、比較的疎水性が高い炭素数2〜8のアルキル基含有α,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c3)のみを使用すると疎水性が過剰になりやすく、耐油性の低下や、樹脂(X)との親和性が低下する傾向があるが、比較的親水性が高いメチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレートを併用することで親水性・疎水性のバランスを適切に調整できるため、分散安定化が図ることが可能となる。
樹脂(Y)は親水性・疎水性のバランスが好適であるため樹脂(X)との親和性が良好で、ガラス面にコーティングするとコーティング層へ水が浸透し難い緻密な樹脂層を形成できる。また、前記緻密なコーティング層はその外観も良好である。
化合物(c3)としては、より具体的には、メタクリル酸メチル「メチルメタクリレートとも称する。」、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸1−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸iso−オクチル等が挙げられる。
樹脂(Y)の合成には、さらに上記に前述の他のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c4)、及び/または化合物(c1)を使用することで親水性・疎水性のバランスの調整、またはコアシェル型の水性分散体の安定性を向上させることができる。これらに中でも水酸基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物を使用するとコアシェル型の水性分散体の安定性をより向上できるため、好ましい。これらは1種類または2種以上を併用して使用することができる。
コア部である樹脂(Y)は、メチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレート20〜50重量%と、化合物(c3)40〜80重量%とを共重合(乳化重合)してなる樹脂(y1)であることが好ましい。樹脂(y1)を含むコーティング層は、水が浸透し難く、樹脂(X)とより親和性が高い緻密な樹脂層を形成できる。なおメチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレートは30〜45重量%であることがより好ましい。
樹脂(Y)に合成は、水溶性の重合開始剤の過硫酸塩、過酸化物、およびアゾ化合物を
使用できる。具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(K
PS)、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロ
クロライドなどが好ましい。
前記重合開始剤は、樹脂(Y)全量中、0.1〜10重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%である。
また、水溶性の重合開始剤に還元剤を併用することで、重合速度を速めるたり、低い反応温度で重合ができる。還元剤は、スコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元性の無機化合物が挙げられる
還元剤は、樹脂(Y)全量中、0.05〜5重量%含有することが好ましい。
本発明では樹脂(Y)の合成の際、樹脂(X)を中和して使用することできる。前記中和により樹脂(X)を水性化できる。中和は、塩基性化合物を使用できる。具体的には、例えば、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどのアミン類;、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物塩等が挙げられるが、これらの中でも、コーティング後の乾燥での除去が容易なアンモニアが好ましい。
樹脂(Y)の合成に際して、緩衝剤および連鎖移動剤を適宜使用できる。緩衝剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また、連鎖移動剤としては、例えばオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンが挙げられる。
樹脂(Y)の合成には、前述の界面活性剤(b2)を使用できる。
樹脂(B)の重量平均分子量は、10,0000〜1,000,000が好ましく、20,0000〜500,000がより好ましい。重量平均分子量が10,0000〜1,000,000の範囲にあることで、ガラス面にコーティング後のコーティング層への水の浸透をより抑制し、外観不良や密着強度の低下をさらに抑制し易くなる。
本発明の水性媒体中でα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)において、シェル部100重量部に対して、コア部を150重量部〜250重量部である事が好ましい。コアシェル型の水性分散体の中のコア部の量を適度に増やすことで、乳化重合が容易になり、また、コーティング層への水の浸透をさらに抑制できることで耐水性が向上する。さらに、外観不良および密着強度の低下をも抑制し易くなるため好ましい。
また、水性分散体(C)の市販品としては、例えば、BASF社製JONCRYLシリーズ、具体的にはJONCRYL67、JONCRYL678、JONCRYL693、JONCRYL52J、JONCRYLE2156、JONCRYLECO2189、JONCRYLE2651、JONCRYLFLX5010等が挙げられる。
本発明において、水性分散体樹脂組成物の不揮発成分全量中、水性分散体(A)の不揮発成分を0.5〜30重量%、水性分散体(B)の不揮発成分を0.5〜30重量%、水性分散体(C)の不揮発成分を40〜99重量%含有することが好ましい。
さらに、化合物(A)の不揮発成分を1〜20重量%、化合物(B)の不揮発成分を1〜20重量%、化合物(C)の不揮発成分を60〜98重量%含有してなることが好ましい。
化合物(A)の不揮発成分と、化合物(B)の不揮発成分が、それぞれ0.5重量部以上であると、滑性に優れガイド摩擦及び温水洗浄による滑性低下も起こりにくい。
一方、化合物(A)の不揮発成分と、化合物(B)の不揮発成分が、30重量%以下であると、滑性に優れた均一性のあるコーティング膜を形成することができ、ガラス面に対する密着性や接着性が向上する。
本発明の水性分散体樹脂組成物において使用されるカルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)、ワックス状樹脂(b1)、及びα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子は、真球度が0.8−1.0であることが望ましく、より好ましくは0.85−1.0、さらに好ましくは0.9−1.0であることが望ましい。真球度が0.8より小さいと、耐摩擦性を向上させる効果が十分に得られないため望ましくない。
本発明の水性分散体樹脂組成物において、前記、水性分散体(A)、水性分散体(B)、及び水性分散体(C)に含有される樹脂の平均粒子径が、前述したように、それぞれ、0.01〜10μmの範囲であることが重要である。粒子径が0.010.01μm未満であると必要な耐殺傷性を得られず、1.010μmより大きいと水分散体中に均一に分散させることが難しくなり、ガラス面にコーティングした際にムラができる懸念があるため好ましくない。
成分(D);
本発明の水性分散体樹脂組成物の一実施形態において、樹脂組成物は、上記必須成分に加えて、シラン化合物(D)を含有しても良い。シラン化合物(D) を使用することによって、樹脂組成物を水性コーティング剤として使用した時に、ガラス面に対する密着性をより向上させることができる。またコーティング層の耐熱性又は耐水性を向上させることが容易となる。
シラン化合物(D)としては、公知のシラン化合物を用いることができ、ガラス面及びガラス面に施した金属酸化物膜との密着性が向上するものであれば特に限定されない。例えば、アルキル系シラン、エポキシ系シラン、ハロゲン系シラン、(メタ)アクリロイル系シラン、メルカプト系シランイソシアネート系シラン、ヒドロキシル系シラン等が挙げられる。
より具体的には、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルプロピルジイソプロポキシシラン等のアルキル系シラン類;
例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリール系シラン類;
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランジアリルジメトキシシラン、ジアリルジエトキシシラン、ジアリルジイソプロポキシシラン、メチルアリルジメトキシシラン等のビニル系シラン類;
例えば、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノピロピルトリメトキシシラン塩酸塩等のアミノ系シラン類;
例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系シラン類;
例えば、クロロメチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等のハロゲン系シラン類;
例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル系シラン類;
例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン等のメルカプト系シラン類;
例えば、γ―イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系シラン類;
例えば、メチルシラン、シクロヘキシルジメチルシラン、ジメチルフェニルシラン、、ジフェニルシラン、トリフェニルシラン、トリクロロシラン、、シクロヘキサンシランや長鎖ジメチルシロキサンオリゴマーでヒドロシリル基を持ったオイル状あるいはワックス状のヒドロシリル系シラン類等が挙げられる。
また、該シラン化合物(D)としては市販製品を用いることも可能であるし、2種以上のシラン混合物を加水分解・縮合してオリゴマー化したオリゴマー系シランを使用する事もこれらシラン化合物(D)に含まれる。該シラン化合物(D)は単独または2種類以上の混合物として使用することも可能である。
本発明の水性分散体樹脂組成物にシラン化合物を用いる場合、水性分散体樹脂組成物全量中、シラン化合物は0.01〜5重量%であることが好ましい。濃度が0.01重量%に満たないとガラス面及びガラス面に施した金属酸化物膜との密着性向上が期待できない。一方5重量%を越えて高めても効果は変わらず、経済的ではない。
成分(E);
コーティング時に発生する種々の欠陥には、泡、刷毛目、オレンジピール、ハジキ、クレーター、ピンホール及び浮きまだら等がある。これらの原因としての多くは本発明の水性分散体樹脂組成物の一実施形態において、樹脂組成物は、上記必須成分に加えて、表面改質剤(E)を含有しても良い。表面改質剤(E) を使用することによって、樹脂組成物を水性コーティング剤として使用した時に、泡、刷毛目、オレンジピール、ハジキ、クレーター、ピンホール及び浮きまだら等の種々の欠陥の発生を抑制することができ、均一なコーティング層を形成することが可能となる。
これらの欠陥発生には、水や溶剤の蒸発、高分子化に伴う粘性の変化、及び表面張力の変化等が影響するため、泡の発生に起因していると考えられる。良好なコーティング膜を形成するためには、分散安定性維持、乾燥性の制御、樹脂の造膜促進に優れる点から、特に表面張力をコントロールすることが有効であり、そのため、消泡剤、レべリング剤、界面活性剤、あるいは水混和性有機溶媒等の様々な種類の表面改質剤(E)を使用することができる。
表面改質剤(E)において、消泡剤やレべリング剤の市販品としては、例えば、日信化学社製、サーフィノール420、460、SE、ダイノール604、607、ビックケミー社製BYK−381、3441、BASF社製、EfkaSL3210等が挙げられるがこれらに限らない。
表面改質剤(E)において、界面活性剤としては、上述した界面活性剤(b2)が挙げられる。
表面改質剤(E)において、水混和性有機溶媒としては、、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノールなどの一価のアルコール溶剤;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール系溶剤;
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;
N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム系溶剤;
ホルムアミド、N-メチルホルムアミド等のアミド系溶剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用して用いることができる。
本発明の水性分散体樹脂組成物に表面改質剤を用いる場合、水性コーティング剤分散体樹脂組成物全量中、表面改質剤は0.01〜20重量%であることが好ましい。濃度が0.01重量%に満たないとその表面改質効果が期待できない。一方20重量%を越えて高めても効果は変わらず、経済的ではなく、塗膜性能が低下しやすい。
成分(F);
本発明の水性分散体樹脂組成物の一実施形態において、樹脂組成物は、上記必須成分に加えて、色材(F)を含有しても良い。色材(F) を使用することによって、樹脂組成物を水性コーティング剤として使用して、ガラス面にコーティングした後、含有される染料や顔料によって、意匠性だけで無く、熱特性、電気特性、あるいは光学特性等の様々な機能性を付与することが可能となる。
色材(F)は、染料や顔料(f1)を分散樹脂で高濃度に分散させて使用される。このような染料や顔料(f1)としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料や染料が使用できる。
例えば、有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、
リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、
アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、
キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、
ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、
イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、
ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、
キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、
イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、
その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等の有機顔料類が挙げられる。
例えば、染料としては、アゾ系染料、ローダミン系染料、キノリン系染料、チアジン系染料、チアゾール系染料、キサンテン系染料、ニグロシン染料等が挙げられる。
これら色素誘導体であれば、特に問題無く使用できる。
色材(F)のうち、分散樹脂としては、上述のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂や上述の界面活性剤(b2)が使用される。分散樹脂は、染料や顔料(f1)100重量部に対し、固形分換算で10〜60重量部の範囲で使用する事が好ましい。顔料分散樹脂が顔料100重量部に対して10重量部未満であると分散安定性が低下して、水性分散体樹脂組成物の分散安定性、保存安定性が悪化する場合がある。一方、分散樹脂が染料や顔料100重量部に対して60重量部を超えると水性分散体樹脂組成物の粘度が著しく上昇し、水性分散体樹脂組成物の保存安定性に悪影響を及ぼす場合がある。また、コーティング剤として使用した場合には。コーティング層のの乾燥不良の発生や水への溶出成分が増加するため、塗膜物性(ガラス密着性、耐水摩擦性、耐ブロッキング性)についても低下する場合がある。
染料や顔料(f1)の、水への分散安定化のために、必要に応じて水溶性樹脂を使用することも可能である。
このような水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸−マレイン酸共重合体、ポリイタコン酸、等の水溶性のビニル系共重合体;
例えば、ポリイソシアネートとポリオールの重付加反応により得られるウレタン樹脂であり、親水基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリウレタン樹脂;
多価カルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂であり、親水
基の導入により樹脂全体が水溶化された水溶性ポリエステル樹脂;
メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチルセルロース、
ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボシキメチ
ルスセルロース、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、アルカリ金属セルロース硫
酸塩、セルロースグラフト重合体等のセルロース誘導体;
ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等のポリペプチド類;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以
上を併用して用いることができる。
本発明の色材(F)に水溶性樹脂を用いる場合、色材(F)全量中、水溶性樹脂は0.1〜80重量%であることが好ましい。濃度が0.1重量%に満たないとその染料や顔料の分散安定化を期待できない。一方80重量%を越えて使用すると、コーティング層の耐水性等の塗膜性能が低下しやすい。
本発明の水性コーティング剤分散体樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、前記したような成分の他に添加剤を適宜配合することが可能である。例えば、熱膨張率低減、弾性率向上、粘度調整、強度向上、靭性向上、着色向上等の観点から有機又は無機の充填剤を配合できる。このような充填剤としては、ポリマー、セラミックス、金属、金属酸化物、金属塩等を用いることができ、形状については粒子状、繊維状等特に限定されない。なお、柔軟性付与剤、可塑剤、難燃化剤、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、チクソトロピー付与剤、分散安定剤等、充填剤としてではなくポリマーブレンド、ポリマーアロイとして、樹脂組成物中に溶解、半溶解又はミクロ分散させることも可能である。
本発明の水性分散体樹脂組成物の最低造膜温度(MFT)は20℃以下である事が好ましい。20℃を超える場合には、乾燥時の造膜性が不十分となり塗膜物性が低下する場合がある。
本発明の水性分散体樹脂組成物は、上述の各成分を、当技術分野で周知の方法に従って均一に混合することによって調製することができる。水性分散体樹脂組成物は、液状、あるいはペースト状のいずれかの形態で、様々な用途に適用することができる。本発明の一実施形態において、上記、水性分散体樹脂組成物は、好ましくは、ガラス用コーティング剤の用途で使用される。ガラス用コーティング剤の用途で使用される場合の不揮発成分濃度は、5〜70%の範囲である。不揮発成分濃度が5%未満であると、ガラス面のコーティング層が不均一となり、ムラができやすいため、コーティング後の磨耗・脱落に起因する耐磨耗性が低下し、搬送ライン、特にコンベアガイドの汚染を引き起こす可能性がある。
また、70%よりも濃度が高い場合には、コーティング剤の粘度が高くなり、ガラス面のコーティング層が不均一となり、ガラス製品外面に十分な滑性を付与できないため、傷付き防止機能等の耐擦傷性、さらには耐水性にも優れるコーティング層を形成することができなくなる。
本発明の一実施形態では、水性分散体樹脂組成物をガラス用コーティング剤として使用して、代表的に0.1〜10μmの膜厚を有する樹脂層が形成される。したがって、塗膜形成の観点から、ガラス用コーティング剤の粘度は、少なくとも1〜3,500mPa・sの範囲、好ましくは10〜2,000mPa・s、及びより好ましくは20〜1,500mPa・sの範囲であることが望ましい。上記粘度が3,500mPa・s以下の場合、コーティングによって基材上に0.1〜10μmの薄膜を容易に形成することができ、透過率等の光学的特性を高めることも容易である。一方、粘度が1mPa・s以上の場合、水性分散体樹脂組成物から形成する樹脂層の膜厚を制御することが容易である。
このように、ガラス用コーティング剤の粘度を調整するために、水や上述の水混和性有機溶媒の添加により、適時、調整が可能となる。
本発明の水性分散体樹脂組成物をガラス用コーティング剤として使用した場合。概水性コーティング剤をガラス面及びガラス面に施した金属酸化物膜にコーティングする方法としては、特に制限は無く、スプレーによる吹き付け、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーター、リップコーター、コンマコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター、浸漬等の、周知の様々な方法を適用することができる。また、薄膜塗工又は厚膜塗工等の形態についても、用途に応じて、特に制限なく、選択することができる。
本発明の一実施形態では、コーティング方法の一例として、ガラス瓶等のガラス容器へのコーティング方法として、ホットエンドコーティングとコールドエンドコーティングの二つの工程が挙げられる。
第1の工程として、ホットエンドコーティングは、徐冷炉の入り口付近において、成形直後の高温のガラス容器の外面にスズ化合物(主に四塩化スズ)、チタン化合物(主に四塩化チタン)等を作用させて、ガラス容器の外面に酸化スズ、酸化チタン等の金属酸化物被膜を形成するものである。ホットエンドコーティングを行うことにより、次工程におけるコールドエンドコーティング被膜のガラス面への密着性が向上する。
次に、第2の工程として、コールドエンドコーティングにより、本発明のガラス用コーティング剤をコーティングする。コールドエンドコーティングは徐冷炉の終端付近で行うコーティングで、この時のガラス容器外面の平均温度は通常80〜120℃程度であるが、この温度をワックス状樹脂(b1)の融点よりも高く、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の融点よりも低くすることで、良好な滑性が付与され、ガイド摩擦及び温水洗浄による滑性低下が起こりにくく、ガイド汚れも防ぐことができる。
また、本発明においてコーティング後の水性コーティング剤の乾燥方法は任意であるが、上記ガラス容器のコーティング方法では、通常はガラス容器の余熱により十分に乾燥される。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
<水性分散体(C)の合成>
[合成例1〜3]
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イソプロピルアルコール60.7部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度80℃まで昇温した。次に、
2つの滴下ロートを準備し、一方に、芳香族含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c1)、カルボキシル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c2)、及び他のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c4)を仕込み3時間かけて滴下した。他方にはジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート8.0部をイソプロピルアルコール6.0部に溶解させて仕込み、4時間かけて滴下した。滴下完了後、還流温度で10時間反応を継続した後反応を終了した。さらにイソプロピルアルコールで不揮発成分を45%に調整することで合成例に示す樹脂(X)溶液を得た。
次に、攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、減圧乾燥で溶剤を除いた樹脂(X)、濃度25%のアンモニア水、及びイオン交換水を仕込んだ。撹拌しながら70℃まで昇温させて樹脂(X)を溶解した。溶解後、窒素還流下で温度80℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートを準備し、一方に、メチルメタクリレート、及び炭素数2から8のアルキル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c3)を仕込み2時間かけて滴下した。他方には、濃度20%の過硫酸アンモニウム水溶液
2.5部を仕込み2時間かけて滴下した。滴下完了後、を継続した後反応を終了した。
次いでイオン交換水で溶液の不揮発成分を45重量%に調整することでコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)を得た。
表1に示した合成例1〜4の樹脂(X)について、重量平均分子量(Mw)、及び酸価(AV)を以下の方法に従って求め、結果を表1に示した。
表2に示した合成例5〜8のコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)について、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、平均粒子径(Dm)及び凝集物の有無を以下の方法に従って求め、結果を表2に示した。
Figure 2015147874
Figure 2015147874
表1に記載の樹脂(X)、及び表2に記載の水性分散体(C)の詳細は、以下のとおりである。表1及び2において、記号「−」は、配合なしを意味している。
・成分(c1)
St:スチレン、BzMA:アクリル酸ベンジル、PhEA:アクリル酸フェノキシエチル
・成分(c2)
AA:アクリル酸、MAA:メタクリル酸
・成分(c3)
EA:アクリル酸エチル、BA:アクリル酸n−ブチル、
・成分(c4)
LA:アクリル酸ラウリル、CHA:アクリル酸シクロヘキシル、ACMO:アクリロイルモルホリン、2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル、2HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、EDMA:ジアクリル酸エチレングリコール、TESA:3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン
・その他
MA:アクリル酸メチル、MMA:メタクリル酸メチル
本発明では、上述の成分に限定されることなく、各種特性に優れた水性分散体を提供することができる。
《分子量》
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mn)の決定はポリスチレン換算で行った。
《酸価(AV》
共栓三角フラスコ中に試料を、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発成分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
《ガラス転移温度(Tg)》
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。
試料約10mgをアルミニウムパンに入れ、秤量して示差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスとして、100℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、昇温中に得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg、単位:℃)を決定した。
《平均粒子径(Dm)》
試料を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はマイクロトラック(株)日機装製)により測定をおこなった。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを平均粒子径(Dm、単位:nm、あるいはμm)とした。
《凝集物の有無》
試料を180メッシュ(100μm)のろ布で濾過し、合成時に発生する樹脂微粒子分散体1kg当たりの凝集物量を測定した。評価基準は以下の通りである。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
○:0.1g未満である
△:0.1g以上、0.5g未満である
×:0.5g以上である
<色材の製造>
[製造例1〜2]
無機顔料67.6部、水性分散体(C)26.8部、表面改質剤(E)0.4部、及びイオン交換水5.2部、をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮顔料分散液である色材(F)を得た。
[製造例3〜6]
有機顔料、あるいは染料を38.0部、水性分散体(C)27.0部、表面改質剤(E)0.4部、及びイオン交換水34.6部、をペイントコンディショナーにて2時間分散し、濃縮顔料分散液である色材(F)を得た。
表3に示した製造例1〜6の色材(F)について、不揮発成分濃度(NV)を以下の方法に従って求め、結果を表3に示した。
Figure 2015147874
表3に記載の色材(F)の詳細は、以下のとおりである。表3において、記号「−」は、配合なしを意味している。
・染料、または顔料
CR80:石原産業社製酸化チタン顔料 「タイペーク CR80」、FG7330:トーヨーカラー社製フタロシアニン顔料 「リオノールブルー FG7330」、YL−SE:日本化薬社製分散染料 「カヤロンポリエスター YL−SE」
・水性分散体(C)
J−2156:BASF社製水性分散体 「JONCRYL 2156」 不揮発成分:50%
・表面改質剤(E)
420:日信化学工業社製表面改質剤 「サーフィノール 420」
本発明では、上述の成分に限定されることなく、各種特性に優れた水性分散体を提供することができる。
《不揮発成分濃度(NV)の測定》
色材(F)、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発成分濃度(%)とした。
<水性分散体樹脂組成物>
[配合例1〜40]
1Lのポリ瓶に、カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の水性分散体(A)、ワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)で分散してなる水性分散体(B)、水性媒体中でα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)、シラン化合物(D)、表面改質剤(E)、色材(F)、その他の添加剤、及び精製水を表4に示す比率で仕込み、ホモミキサーにて、3,000回転で5分間、十分に攪拌を行い、十分に脱泡を行った後、不揮発成分濃度、約12%前後の配合例に示す水性分散体樹脂組成物を得た。
表4の比率で配合した水性樹脂分散体組成物を用い、それぞれ以下の方法でガラス積層体を作成した。
Figure 2015147874
<ガラス積層体>
[実施例1〜36][比較例1〜4]
表4に示した水性分散体樹脂組成物をガラス用コーティング剤として使用して、以下の積層体を作成した。
ホットエンドコーティングで酸化錫を施した液体用ガラス容器を用意し、それらを高温乾燥機中で115℃にて60分間保持して、十分に定着化をした。配合例に示したガラス用コーティング剤をハンド式スプレーガンのカップに充填し、スプレーガンを固定した。外表面の平均温度を110℃とした該ガラス容器をターンテーブルの中心に置き、2回転/分で回転させながらガラス用コーティング剤を約2秒間スプレーし、ガラス容器の外表面胴部にコーティング剤を塗布した。その後、乾燥させてガラス積層体を作成した。
得られたガラス積層体について、滑性(常態、温水浸漬後)及び密着性(滑性変化、外観変化)を以下の方法に従って求め、結果を同様に表5に示した。
《滑性測定(常態)》
ガラス積層体表面の滑性測定は、滑性測定機を用いて、日本ガラスびん協会規格「7.14表面滑り角度測定方法」に基づいて測定した。
測定は、3本の瓶状ガラス容器積層体を俵積みし、このサンプルを徐々に傾斜させて上部ガラス容器が滑り始めた角度すなわち滑性角度で判定し、その角度(°)が小さいほど活性が良いと判断した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
<滑性測定判断基準>
◎:滑性角度7〜10°
○:滑性角度11°〜13°
△:滑性角度14°〜16°
×:滑性角度17°以上
《温水浸漬後滑性》
ガラス積層体を65℃の温水に20分間浸漬し(C社情報、他社明細書は70℃-10分)、取り出したガラス積層体について、上記同様測定し、「温水浸漬後滑性」とした。
「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
<滑性測定判断基準>
◎:滑性角度7〜10°
○:滑性角度11°〜13°
△:滑性角度14°〜16°
×:滑性角度17°以上
<密着性試験(滑性測定)>
ガラス容器積層体を、ラインシュミレーター(LS)に2分かけた後、ガラス容器表面の傷の有無を確認した。その後、滑性測定機を用いて、日本ガラスびん協会規格「7.14表面滑り角度測定方法」に基づいて滑性を測定し、ラインシュミレーター使用前後の滑性の変化を測定した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
<判断基準>
○:滑性角度変化が3°以下で問題なし。
△:滑性角度変化が3〜7°で実用上、問題なし
×:滑性角度変化が7°以上で、滑性低下が著しい
《密着性試験(外観評価)》
上記同様、ガラス積層体を、ラインシュミレーター(LS)に2分かけた後の外観を目視にて評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
<判断基準>
◎:コーティング剤の剥がれが全くなし
○:若干端部に浮きがある
△:微少の剥がれがあるが特に問題なし
×:一部コーティング剥がれている
××:大部分コーティングが剥がれている
表5の結果より、本発明の水性分散体樹脂組成物をガラスコーティング剤として用いた場合は、ガラス積層体表面に十分な滑性を付与し、しかも耐磨耗性、耐水性にも優れることが分かる(実施例5〜36)。更に密着性試験の結果から、ガラスコーティング剤の剥がれがないことから、ガラス製品表面のコーティングの磨耗・脱落に起因する搬送ライン、特にコンベアガイドの汚染を防止することも可能である。
一方、本発明の水性コーティング剤以外の組成物は、耐摩耗性、耐水性共に本発明の水性コーティング剤より劣ることが分かる(比較例1〜4)。
Figure 2015147874

Claims (13)

  1. カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の水性分散体(A)と、
    ワックス状樹脂(b1)を界面活性剤(b2)で分散してなる水性分散体(B)と、
    水性媒体中でα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c)を重合してなるコアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)とを必須成分とする水性分散体樹脂組成物。
  2. 水性分散体樹脂組成物の不揮発成分全量中、
    水性分散体(A)の不揮発成分を0.5〜30重量%、
    水性分散体(B)の不揮発成分を0.5〜30重量%、
    水性分散体(C)の不揮発成分を40〜99重量%、
    含有することを特徴とする請求項1記載の水性分散体樹脂組成物。
  3. カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)が、マレイン酸もしくはマレイン酸誘導体の共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の水性分散体樹脂組成物。
  4. カルボキシル基含有ポリオレフィン樹脂(a)の酸価が、5〜500mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の水性分散体樹脂組成物。
  5. ワックス状樹脂(b1)が、ポリオレフィンワックス(b1−1)、エステルワックス(b1−2)、またはアミドワックス(b1−3)のいずれか1種類を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の水性分散体樹脂組成物。
  6. コアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)のシェル部が、
    芳香族含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c1)と、カルボキシル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c2)とを共重合してなる樹脂(X)であり、
    コアシェル型樹脂微粒子水性分散体(C)のコア部が、
    メチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレートと、
    炭素数2から8のアルキル基含有のα,β−エチレン性不飽和二重結合基含有化合物(c3)とを共重合してなる樹脂(Y)であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の水性分散体樹脂組成物。
  7. 樹脂(X)が、
    化合物(c1)20〜70重量%と、
    化合物(c2)30〜40重量%とを共重合してなる樹脂(x1)であり、
    樹脂(Y)が、
    メチルメタクリレートおよび/またはメチルアクリレート20〜50重量%と、
    化合物(c3)40〜80重量%とを共重合してなる樹脂(y1)であることを特徴とする請求項6記載の水性分散体樹脂組成物。
  8. 水性分散体(A)、水性分散体(B)、及び水性分散体(C)に含有される樹脂の平均粒子径が、それぞれ、0.01〜10.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の水性分散体樹脂組成物。
  9. 更に、シラン化合物(D)を含有することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の水性コーティング剤水性分散体樹脂組成物。
  10. 更に、表面改質剤(E)を含有することを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の水性コーティング剤水性分散体樹脂組成物。
  11. 更に、色材(F)を含有することを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の水性分散体樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11いずれか記載の水性分散体樹脂組成物を用いたガラス用コーティング剤。
  13. ガラス基材上に、請求項12記載のガラス製品のコーティング方法ガラス用コーティング剤がコーティングされてなるコーティングガラス製品。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019518118A (ja) * 2016-06-03 2019-06-27 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 水性防水コーティング

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