JP2015067784A - 変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物 - Google Patents

変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物 Download PDF

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和明 鎌田
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佑介 和田
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Abstract

【課題】非極性樹脂成型品等に対し優れた付着性、耐溶剤性、耐水性、耐湿性、塗工乾燥後の良好な外観を実現できる変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物の提供。【解決手段】本発明は(A)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物による変性ポリオレフィン樹脂、(B)塩基性物質、及び、(C)式(1):R−O−(ClH2lO)mH(式中、RはCnH2n+1であり、nは10以下の整数であり、lは5以下の整数であり、mは5以下の整数である。)で表される分子量200未満の化合物(D)水性媒体を含み、式(1)で表される分子量200未満の化合物以外の乳化作用を持つ界面活性剤を含まない変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物、及び該組成物を用いたプライマー、塗料、インキ又は接着剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレンをはじめとする非極性樹脂成型品を塗装する際に使用する変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物に関する。さらに詳しくは、自然乾燥から低温焼付け(100℃以下)時のプライマー用途、塗料用途、インキ用途、および接着剤用途に適した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物に関する。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂は、熱可塑性の汎用樹脂であり、安価であり、成形性、耐薬品性、耐候性、耐水性、電気特性など多くの優れた性質を有する。そのため、従来からシート、フィルム、成形物等として、幅広い分野で使用されている。しかし、ポリオレフィン系樹脂等の非極性樹脂成型品は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、金属等の極性基材とは異なり、極性が低く、且つ結晶性である。そのため、非極性樹脂成型品は、難付着性基材として知られ、同種及び異種基材同士の接着や塗装が困難であった。
この問題に対して、酸変性(不飽和カルボン酸及び/又はその無水物などによる変性)されたプロピレン系ランダム共重合体を塗装前処理剤又は接着剤とすることが提案されている。また、近年、環境問題の観点から、酸変性されたプロピレン系ランダム共重合体は、従来の溶剤系から水系へと移行している。さらに、乳化剤と酸変性されたプロピレン系ランダム共重合体とを含む組成物は、塗料化し基材へ塗工乾燥したときに、乳化剤が塗装表面にブリードアウトして外観不良が発生する問題を有していた。また、上記組成物の塗装面に別の塗料をさらに塗装する場合、塗料間の接着力が乏しくなる問題を有していた。そのため、酸変性されたプロピレン系ランダム共重合体を含むが乳化剤は含まない組成物が提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
特開2007−031472号公報 特開2009−040920号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水性樹脂組成物は、カルボキシ基含有ポリオレフィンワックスを含む原料を水の存在下加熱溶解して製造されるため、組成物中のエマルションの粒子径が大きくなりやすく、該製品の本来の目的である接着剤としての機能を十分に発揮しにくい。
特許文献2の変性ポリオレフィン樹脂水性分散体組成物は、分散媒として水のみ、又は水に2.5%以上可溶である有機溶剤を使用するが、分散媒として水のみの場合は、変性ポリオレフィン樹脂の溶解性が悪化し、組成物中のエマルションの粒子径は大きくなったり、溶解不良による凝集物の発生などにより製造効率が極端に低下するおそれがあった。また、水に2.5%以上可溶である有機溶剤を変性ポリオレフィン100部に対して、質量比50部以下で使用する場合、水に2.5%以上可溶である有機溶剤では通常変性ポリオレフィン樹脂を溶解する能力が低いため、変性ポリオレフィンの不飽和カルボン酸グラフト量を極端に上げる、又は変性ポリオレフィンの分子量を極端に下げるなどの必要があり、得られた塗膜では、耐水性の低下などが起こるため求められる塗膜物性を得ることが難しくなる。
そこで、本発明は、非極性樹脂成型品等の樹脂に対し優れた付着性、耐溶剤性、耐水性、耐湿性、塗工乾燥後の良好な外観を実現することができる、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下の〔1〕〜〔6〕を提供する。
〔1〕成分(A):不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物により、ポリオレフィン樹脂が変性された変性ポリオレフィン樹脂、
成分(B):塩基性物質、及び、
成分(C):式(1)で表される分子量200未満の化合物、及び
成分(D):水性媒体を含み、
式(1)で表される分子量200未満の化合物以外の、乳化作用を持つ界面活性剤を含まない変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
R−O−(Cl2lO)mH ・・・(1)
(式中、RはCn2n+1であり、nは10以下の整数であり、lは5以下の整数であり、mは5以下の整数である。)
〔2〕変性ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物と(メタ)アクリル酸エステルとによりポリオレフィン樹脂が変性された変性ポリオレフィン樹脂である上記〔1〕に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
〔3〕ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、及びエチレン−プロピレン−ブテン共重合体からなる群より選ばれる1以上を含むポリオレフィン樹脂である上記〔1〕又は〔2〕に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
〔4〕不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸が、無水マレイン酸、無水イタコン酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1種以上を含む上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
〔5〕塩基性物質が、常圧で沸点200℃以下のアミンである上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体を含有するプライマー、塗料、インキ又は接着剤。
本発明によれば、非極性樹脂成型品等の樹脂に対し優れた付着性、耐溶剤性、耐水性、耐湿性、塗工乾燥後の良好な外観を実現できる変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物が提供される。本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物は、接着剤、プライマー、塗料用バインダー、インキ用バインダー等の各用途において有用である。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物は、以下説明する成分(A)〜(D)を含む。
成分(A)である変性ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物により、ポリオレフィン樹脂が変性された樹脂である。
原料であるポリオレフィン樹脂としては、特に制限はないが、例えば、重合触媒としてチーグラー・ナッタ触媒或いはメタロセン触媒を用いて、エチレン又はα−オレフィンを共重合して得られるポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体が例示される。ポリオレフィン樹脂は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの樹脂の配合比は特に限定されない。
ポリオレフィン樹脂としては、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂が好ましい。
メタロセン触媒としては、公知のものが使用できる。具体的には以下に述べる成分(1)及び(2)、さらに必要に応じて(3)を組み合わせて得られる触媒が好ましい:
・成分(1);共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表4〜6族の遷移金属化合物であるメタロセン錯体;
・成分(2);イオン交換性層状ケイ酸塩;及び
・成分(3);有機アルミニウム化合物。
重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂は、分子量分布が狭い、ランダム共重合性に優れ組成分布が狭い、共重合し得るコモノマーの範囲が広いといった特徴を有する。よって、本発明におけるポリオレフィン樹脂として好ましい。
ポリオレフィン樹脂の示差走査型熱量計(DSC)による融点(Tm)は、50〜120℃であることが好ましい。本明細書においてDSCによるTmの測定は、例えば以下の条件で行うことができる。DSC測定装置(セイコー電子工業製)を用い、約10mgの試料を200℃で5分間融解後、−60℃まで10℃/minの速度で降温して結晶化した後に、更に10℃/minで200℃まで昇温して融解した時の融解ピーク温度を測定し、該温度をTmとして評価する。尚、後述の実施例におけるTmは、上述の条件で測定されたものである。
ポリオレフィン樹脂は、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体及びポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレン−ブテン共重合体を含むことがより好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られる、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体及びポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるプロピレン−ブテン共重合体を含むことがさらに好ましく、重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られるプロピレン−ブテン共重合体を50重量%以上含有することがさらにより好ましい。
本明細書においてポリプロピレンとは、基本単位がプロピレンである重合体を表す。エチレン−プロピレン共重合体とは、基本単位がエチレン及びプロピレンである共重合体を表す。プロピレン−ブテン共重合体とは、基本単位がプロピレン及びブテンである共重合体を表す。ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びプロピレン−ブテン共重合体は、それぞれの基本単位以外のオレフィン成分を少量含有していてもよい。このようなオレフィン成分は、例えば、変性ポリオレフィン樹脂の製造までの工程で混入することがある。ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びプロピレン−ブテン共重合体における上記オレフィン成分の含有量は、樹脂本来の性能を著しく損なわない量であればよい。
ポリオレフィン樹脂の成分組成は、特に限定されるものではないが、全ポリオレフィン樹脂中のプロピレン成分が60モル%以上のものが好ましい。60モル%以上であることにより、プロピレン樹脂等の非極性樹脂成型品に対する接着性を保持することができる。
本明細書において、エチレン−プロピレン共重合体及びプロピレン−ブテン共重合体は、プロピレン系ランダム共重合体と総称することがある。プロピレン系ランダム共重合体中のエチレン成分又はブテン成分とプロピレン成分とのモル比率は、好ましくは、エチレン成分又はブテン成分:プロピレン成分=5〜50:95〜50である。
ポリオレフィン樹脂の分子量は、特に限定されない。しかし、変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは30,000〜200,000であり、より好ましくは、50,000〜150,000である。このため、ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が200,000より大きい場合は、得られる変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が上述の範囲となるように、熱やラジカルの存在下で減成して、分子量を適当な範囲、例えば200,000以下となるように調整することが好ましい。尚、実施例を含む本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準物質:ポリスチレン)によって測定された値である。
上記ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物により変性されることにより、変性ポリオレフィンが得られる。
不飽和カルボン酸とは、カルボキシル基を含有する不飽和化合物を意味する。不飽和カルボン酸の誘導体とは、前記不飽和化合物のモノ又はジエステル、アミド、イミド等を意味する。不飽和カルボン酸の無水物とは、前記不飽和化合物の無水物を意味する。不飽和カルボン酸化合物、不飽和カルボン酸の誘導体及び不飽和カルボン酸の無水物としては例えば、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、アコニット酸、ナジック酸及びこれらの誘導体及び無水物;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。成分(A)の変性ポリオレフィン樹脂を得る際には、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種の化合物を単独で、または2種以上の化合物を組み合わせて、使用することができる。後者の場合、それぞれの化合物の配合比は特に限定されない。不飽和カルボン酸、その無水物及びその誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物は、好ましくは不飽和ジカルボン酸を含み、より好ましくは不飽和ジカルボン酸である。また、好ましくは、無水イタコン酸、無水マレイン酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1種以上を含み、より好ましくは、無水イタコン酸、無水マレイン酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1種以上であり、更に好ましくは無水マレイン酸である。
変性ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体のグラフト重量は、0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。0.5重量%以上であることにより、水分散体組成物を形成することが容易となり、極性の被着体に対する水分散体組成物の接着性を保つことができる。前記グラフト重量の上限は、20重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下である。20重量%以下であることにより未反応物の発生を防止し、非極性の非着体に対する接着性を保つことができ、かつこれらの効果を経済的に実現できるので好ましい。変性ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸、前記グラフト重量は、0.5〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%である。
変性ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体のグラフト重量は、アルカリ滴定法或いはフーリエ変換赤外分光法により求めることができ、後述の実施例において示す数値は本方法にて測定された数値である。
変性ポリオレフィン樹脂製造の際、ポリオレフィン樹脂にグラフト重合しない不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及びその誘導体、すなわち未反応物は、例えば貧溶媒で抽出する方法などにより、変性ポリオレフィン樹脂製造の過程で除去してもよい。
上記ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及びその誘導体以外の化合物によりさらに変性されてもよい。不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及びその誘導体以外の化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとは、分子中に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個含む化合物である。本明細書中「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を意味する。(メタ)アクリル酸エステルは、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
CH2=CR1COOR2 ・・・(2)
式(2)中、R1は、H又はCH3を表し、CH3が好ましい。R2はCn2n+1を、nは1〜18の整数を表し、nは1〜15の整数が好ましく、1〜13の整数がより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルでポリオレフィン樹脂をさらに変性することにより、得られる変性ポリオレフィン樹脂の溶剤溶解性や他樹脂との相溶性をより向上させることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、n−ブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等が挙げられる。この中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートが好ましく、これらのメタアクリレートがより好ましく、メチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、トリデシルメタアクリレートがさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルは、1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの化合物の配合比は特に限定されない。
ポリオレフィン樹脂から変性ポリオレフィン樹脂を得る方法は特に限定されず、公知の方法で行うことが可能である。以下、変性の際に用いる、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、必要に応じて用いられる(メタ)アクリル酸エステル等の化合物を、「変性剤」と総称して説明する。変性ポリオレフィン樹脂を得る方法としては例えば、変性剤をトルエン等の溶剤に加熱溶解し、ラジカル発生剤を添加する溶液法;変性剤及びラジカル発生剤を、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の機器に添加し混練する溶融混練法等が挙げられる。2種以上の変性剤を用いる場合、これらを一括添加しても、個々の変性剤を逐次添加してもよい。また、2種以上の変性剤を用いる場合、それぞれの変性剤の配合比は特に限定されない。
変性ポリオレフィン樹脂は、各変性剤がポリオレフィン樹脂に導入されていればよく、該変性剤がポリオレフィン樹脂にグラフト重合により導入されていることが好ましい。2種以上の変性剤を用いる場合、いずれの変性剤をポリオレフィン樹脂へ先にグラフト重合させるかの順序は、特に限定されない。
グラフト重合反応の際には、ラジカル発生剤を用いてもよい。ラジカル発生剤は、公知のものの中より適宜選択することができ、有機過酸化物系化合物が好ましい。ラジカル発生剤としては例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート等が挙げられる。このうち、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイドが好ましい。
ラジカル発生剤のポリオレフィン樹脂に対する添加量は、使用する変性剤の合計重量に対し、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは3重量%以上である。1重量%以上であることによりグラフト率を保つことができる。前記添加量の上限は、好ましくは100重量%以下であり、より好ましくは50重量%以下である。100重量%以下とすることにより経済的である。
成分(A)は、1種の変性ポリオレフィン樹脂単独であってもよいし、2種以上の変性ポリオレフィン樹脂の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの樹脂の配合比は特に限定されない。
成分(B)は、塩基性物質である。成分(B)を含むことにより、成分(A)の変性ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基を中和させることができ、成分(A)を水中に分散、乳化させ、良好な保存安定性を保つことができる。
塩基性物質としては例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、2,2−ジメトキシエチルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン類、ピロール、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ金属化合物などが挙げられる。中でも、乳化及び分散化の容易さという観点から、モルホリン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが好ましい。
塩基性化合物の常圧時の沸点は、200℃以下であることが好ましい。沸点が200℃を超える場合には、例えば、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を塗膜とする場合、水の除去工程の乾燥処理によって塩基性化合物を除去することが困難となる場合があり、特に低温乾燥時の塗膜の耐水性、耐湿性や、非極性樹脂成型品等の基材との接着性などが悪化する場合がある。
成分(B)は、1種の塩基性化合物単独であってもよいし、2種以上の塩基性化合物の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの化合物の配合比は特に限定されない。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物において、成分(B)の含有量は、特に規定されないが、成分(A)の変性ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して3.0倍等量以下であることが好ましい。これにより、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物のpHの過剰な上昇を抑制することができる。下限は0.5重量%以上であることが好ましい。これにより、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物のpHの過剰な低下を抑制することができる。成分(B)の含有量は、成分(A)の変性ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍等量であることが好ましい。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物のpHは、6以上が好ましく、より好ましくはpH7以上である。pH6以上であることにより、成分(A)の変性ポリオレフィン樹脂が十分に中和されるので、成分(A)が水に十分に分散し、経時的な沈殿及び分離を抑制することができ、貯蔵安定性を保持することができる。pHの上限は12以下が好ましい。これにより、成分(A)と他成分との相溶性、耐水性、耐湿性を保つことができ、作業上の安全性を保つことができる。
成分(C)は、下記一般式(1)で表される化合物である:
R−O−(Cl2lO)mH ・・・(1)
式(1)中、RはCn2n+1であり、nは10以下の整数である。nは、8以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、5以下であることがさらにより好ましく、4以下であることがとりわけ好ましい。lは5以下の整数であり、4以下の整数であることが好ましく、3以下の整数であることがより好ましい。mは5以下の整数であり、4以下の整数であることが好ましく、3以下の整数であることがより好ましく、2以下の整数であることがさらに好ましく、1であることがさらにより好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、グリコール類アルキル基とエーテル結合した構造を有し、一分子中に疎水基と親水基を持つ。そのため、成分(C)を添加することにより、変性ポリオレフィン樹脂を容易に水中に分散、乳化させることができ、得られる組成物が良好な保存安定性を保つことができるようになる。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノデシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。この中でも、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルが好ましく、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物の分子量は200未満である。これにより、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物の沸点の上昇を抑えることができるので、該組成物又は該組成物を含むプライマー等を塗工した後、塗膜の高温又は長時間乾燥を省略することができる。一般式(1)で表される化合物の分子量とは、IUPAC原子量委員会で承認された(12C=12とする)相対原子質量から求める分子量である。後述の実施例で示す分子量もこの方法により求めた。
成分(C)は、1種の一般式(1)で表される化合物単独であってもよいし、2種以上の一般式(1)で表される化合物の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの化合物の配合比は特に限定されない。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物において、成分(C)の含有量は、特に規定されないが、1wt%以上であることが好ましく、2wt%以上であることがより好ましい。上限は、15wt%以下であることが好ましく、10wt%以下であることがより好ましい。変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物の1〜15wt%であることが好ましく、さらに好ましくは2〜10wt%である。
成分(D)は水性媒体である。成分(D)を添加することにより、樹脂成分を分散又は乳化することができる。水性媒体は水及び親水性物質から選ばれる。親水性物質とは、親水性を示す物質を意味する。親水性物質は、変性ポリオレフィン樹脂が溶けない極性物質が好ましい。このような極性物質としては、例えば、アルコール系、ケトン系、エステル系の親水性物質を挙げることができ、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、n−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。
成分(D)は、1種類の水性媒体であってもよいし、2種類以上の水性媒体の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの配合比は特に限定されない。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物において、成分(D)の含有量は、特に規定されないが、変性ポリオレフィン樹脂100重量部に対して200重量部以上であることが好ましい。これにより、安定性を保つことができる。一方、上限に特段の限定はないが、輸送、塗膜化後の乾燥を容易に行うことができる程度の固形分となるように成分(D)の量を調整することが好ましい。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物は、一般式(1)で表される分子量200未満の化合物以外の乳化作用を持つ界面活性剤を実質的に含まない。これにより、非極性樹脂成型品等の基材への塗工乾燥後、付着性及び耐水性の著しい低下を防止することができ、乾燥被膜における可塑効果、ブリード現象を防止し、外観不良及びブロッキングの発生を防止することができる。
式(1)で表される分子量200未満の化合物以外の乳化作用を持つ界面活性剤とは、界面活性剤のうち、式(1)で表される分子量200未満の化合物、及び乳化作用を持たない界面活性剤以外の界面活性剤を意味する。乳化作用を持たない界面活性剤としては、消泡剤、レベリング剤を例示することができる。式(1)で表される分子量200未満の化合物以外の乳化作用を持つ界面活性剤とは、下記に例示する、ノニオン界面活性剤(乳化剤)、アニオン界面活性剤(乳化剤)、カチオン界面活性剤(乳化剤)が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリル酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物において、水中に乳化、分散した樹脂の平均粒子径は、0.3μm以下であることが好ましい。これにより、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物の貯蔵安定性及び他樹脂との相溶性を保持することができる。また、非極性樹脂成型品等の基材への付着性、耐溶剤性、耐水性、耐湿性、耐ブロッキング性等の被膜物性の低下を防止できる。尚、本発明における平均粒子径は、動的光散乱法を用いた粒度分布測定により測定することができ、後述の実施例中の数値はこの方法で得られた数値である。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物の製造方法としては、強制乳化法、転相乳化法、D相乳化法、ゲル乳化法等の公知の方法が例示される。製造方法の一例としては、成分(D)以外の成分を添加し混合後、成分(D)を添加する方法が挙げられる。成分(D)以外の成分を混合する際には、必要に応じて加熱(例えば50〜200℃)してもよい。成分(D)を添加した後、必要に応じて、組成物の固形分を調整してもよい(例えば15〜50wt%)。成分(D)を添加した後、必要に応じて、ブチルセロソルブなどの式(1)で表される分子量200未満の化合物の含有量の調整を行ってもよい。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物は、その用途、目的等に応じて、成分(E):架橋剤を含んでもよい。架橋剤とは、変性ポリオレフィン樹脂、塩基性物質等に存在する水酸基、カルボキシル基、アミノ基等と反応し、架橋構造を形成する化合物を意味する。架橋剤自体が水溶性のものを用いることができ、又は何らかの方法で水に分散されているものを用いることもできる。架橋剤としては例えば、ブロックイソシアネート化合物、脂肪族又は芳香族のエポキシ化合物、アミン系化合物、アミノ樹脂等が挙げられる。成分(E)は、1種の架橋剤であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。後者の場合、それぞれの架橋剤の配合比は特に限定されない。架橋剤の添加時期は、特に限定されず、例えば、変性ポリオレフィン樹脂を水性媒体に水性化する工程の途中、又は水性化工程の後が挙げられる。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物は、接着性が低く塗料等の塗工が困難な基材、例えば非極性樹脂成型品に対し、中間媒体として機能することができる。例えば、接着性の乏しいポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系基材同士の接着剤としても有用であり、非極性樹脂成型品等の基材の表面のプラズマ、コロナ等による表面処理の有無を問わず用いることができる。また、ポリオレフィン系基材等の非極性樹脂成型品の表面に本発明の変性ポリオレフィン樹脂をホットメルト方式で積層し、更にその上に塗料等を塗工することにより、塗料の付着安定性等を向上させることができる。さらに、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の極性基材に対しても適する。即ち、本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物は、接着剤、プライマー、塗料用バインダー、インキ用バインダー等として好適に用いることができる。
本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物は、用途、目的等に応じて、成分(A)〜(E)以外の成分を含んでもよい。該成分としては例えば、水性アクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、低級アルコール類、低級ケトン類、低級エステル類、防腐剤、消泡剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、金属塩、酸類等が挙げられる。
次に本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体〔P−E−B〕(プロピレン成分70モル%、エチレン成分10モル%、ブテン成分20モル%)の無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕10万、Tm=65℃、MAHグラフト量=2〜5%)100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール〔AMP〕4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例2]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン−ブテンランダム共重合体〔P−B〕(プロピレン成分70モル%、ブテン成分30モル%)のMAH変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量8万、Tm=70℃、MAHグラフト量=2〜5%)100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)30g、N,N−ジメチルエタノールアミン〔DMEA〕4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例3]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン−ブテンランダム共重合体(プロピレン成分80モル%、ブテン成分20モル%)のMAH変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量12万、Tm=75℃、MAHグラフト量=2〜5%)100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例4]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、ポリプロピレン〔P〕(プロピレン成分100モル%)のMAH変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量10万、Tm=70℃、MAHグラフト量=2〜5%)100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、N,N−ジメチルエタノールアミン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例5]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン−ブテンランダム共重合体(プロピレン成分60モル%、ブテン成分40モル%)のMAHとメチルメタアクリレート〔MMA〕の変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量7万、Tm=60℃、MAHグラフト量=2〜5%)100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)100g、モルホリン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例6]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン−エチレンランダム共重合体〔P−E〕(プロピレン成分90モル%、エチレン成分10モル%)のMAHとトリデシルメタアクリレート〔TDMA〕の変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量6万、Tm=75℃、MAHグラフト量=2〜5%)100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、N,N−ジメチルエタノールアミン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例7]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例3と同様の変性ポリオレフィン樹脂(プロピレン−ブテンランダム共重合体)50gと、実施例6と同様の変性ポリオレフィン樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体)50g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、モルホリン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例8]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン−ブテンランダム共重合体(プロピレン成分70モル%、ブテン成分30モル%)のMAH変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量10万、Tm=85℃、MAHグラフト量=2〜5%)100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)70g、N,N−ジメチルエタノールアミン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例9]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例2と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、N,N−ジメチルエタノールアミン4g、水酸化マグネシウム1gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例10]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例2と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、プロピレングリコールモノプロピルエーテル〔PGMPE〕(分子量=118.2)50g、モルホリン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、プロピレングリコールモノプロピルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[実施例11]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例3と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、N,N−ジエチルエタノールアミン〔DEEA〕4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[比較例1]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、トルエン30g、N,N−ジメチルエタノールアミン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、トルエンを減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却したが、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得られなかった。
[比較例2]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、トルエン80g、モルホリン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、トルエンを減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却したが、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得られなかった。
[比較例3]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、トルエン30g、n−ブタノール50g、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、トルエン、n−ブタノールの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[比較例4]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、トルエン30g、イソプロピルアルコール〔IPA〕50g、N,N−ジメチルエタノールアミン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、トルエン、イソプロピルアルコールの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[比較例5]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、トルエン30g、テトラヒドロフラン〔THF〕50g、モルホリン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、トルエン、テトラヒドロフランの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[比較例6]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、トルエン30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、N,N−ジメチルエタノールアミン4g、エマルゲン109P(ノニオン界面活性剤)10gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、トルエン、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[比較例7]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、n−ブタノール50g、モルホリン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、n−ブタノールの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却したが、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得られなかった。
[比較例8]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、イソプロピルアルコール50g、N,N−ジメチルエタノールアミン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、イソプロピルアルコールの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却したが、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得られなかった。
[比較例9]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、テトラヒドロフラン50g、モルホリン4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、テトラヒドロフランの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却したが、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得られなかった。
[比較例10]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)50g、N,N−ジメチルエタノールアミン4g、エマルゲン109P(ノニオン界面活性剤)10gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得た。
[比較例11]
撹拌機、冷却管、温度計、ロートを取り付けた4つ口フラスコ中に、実施例5と同様の変性ポリオレフィン樹脂100g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)15g、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール4gを添加し、フラスコ内温95℃で60分混練した。その後、90℃の脱イオン水290gを60分かけて添加した。引き続き、エチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて除去後、室温まで撹拌しながら冷却したが、変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を得られなかった。
実施例1〜11及び比較例1〜11で得られた変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物について、以下の試験を行った。
<試験1:貯蔵安定性>
該水分散体組成物を、ガラス製の瓶に入れて密封し、50℃の雰囲気に1ヶ月静置した。
判定評価; (良) ○ > △ > × (悪)
該水分散体組成物が凝集、増粘など状態が変化せず、また、粒子径、粘度の変化がない状態を良と判定した。
<試験片の作製>
超高剛性ポリプロピレン板の表面をイソプロピルアルコールで脱脂し、乾燥塗膜が10以上15μm以下となるよう変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物をスプレー塗装し、樹脂の融点+15℃で5分間プレヒートを行った。次に、該変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を含む1K水系ベースをスプレー塗装し10分静置後、2K水系クリアーを塗装した。その後、樹脂の融点+15℃で30分間の焼付け処理を行い試験片を作製した。この試験片を用いて以下の試験を行った。
<試験2:外観>
前記スプレー塗装によって得られた該試験片を40℃の乾燥機中で1日間静置し、目視評価によって塗装外観を評価した。
判定評価; (良) ○ > △ > × (悪)
塗膜の色、光沢ムラがない状態、艶感がある状態、また、乳化剤のブリードがない状態を良とした。
<試験3:耐ガソホール性>
試験片をレギュラーガソリン/エタノール=90/10(vol/vol)の混合溶液に浸漬し、塗膜に混合溶液が2mm浸透するまでの時間により判定した。
判定評価
×:30分未満
△:30分以上〜1時間未満
○:1時間以上〜2時間未満
◎:2時間以上
<試験4:碁盤目付着試験>
カッターナイフで塗膜上に2mm間隔で素地に達する100個の碁盤目状に切り込みを入れ、その上にセロハン粘着テープを貼った後、180°の角度で剥離し、10回剥離後の塗膜の残存を判定した。
<試験5:耐水性>
試験片を40℃の温水に10日間浸漬後、塗膜表面の膨れ状態(ブリスター)を目視で観察し、更に、カッターナイフで塗膜上に2mm間隔で素地に達する100個の碁盤目状に切り込みを入れ、その上にセロハン粘着テープを貼った後、180°の角度で剥離し、塗膜の残存する程度で判定した。また、概試験で全て剥離しなかったサンプルについては、同様の試験を連続で10回行い、10回剥離後の塗膜の残存を判定した。
表1に各実施例の製造条件及び得られる組成物の性状を示す。
Figure 2015067784
表1から、実施例の組成物は比較例の組成物と比較して、ポリプロピレン基材へ塗装した際の外観に優れていることが分かる。また、100℃以下という低温の焼付け処理でも、付着性、耐ガソホール性及び耐湿性のいずれにおいても優れていることが分かる。この結果は、本発明の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物が非極性樹脂成型品等に対し優れた付着性、耐溶剤性、耐水性、耐湿性、塗工乾燥後の良好な外観を実現でき、プライマー、塗料、インキ又は接着剤として優れていることを示している。

Claims (6)

  1. 成分(A):不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物により、ポリオレフィン樹脂が変性された変性ポリオレフィン樹脂、
    成分(B):塩基性物質、及び、
    成分(C):式(1)で表される分子量200未満の化合物、及び
    成分(D):水性媒体を含み、
    式(1)で表される分子量200未満の化合物以外の、乳化作用を持つ界面活性剤を含まない変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
    R−O−(Cl2lO)mH ・・・(1)
    (式中、RはCn2n+1であり、nは10以下の整数であり、lは5以下の整数であり、mは5以下の整数である。)
  2. 変性ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物と(メタ)アクリル酸エステルとによりポリオレフィン樹脂が変性された変性ポリオレフィン樹脂である請求項1に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
  3. ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、及びエチレン−プロピレン−ブテン共重合体からなる群より選ばれる1以上を含むポリオレフィン樹脂である請求項1又は2に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
  4. 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の無水物及び不飽和カルボン酸が、無水マレイン酸、無水イタコン酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
  5. 塩基性物質が、常圧で沸点200℃以下のアミンである請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性ポリオレフィン樹脂水分散体を含有するプライマー、塗料、インキ又は接着剤。
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