JP2015145490A - レジスト用共重合体、およびレジスト用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アダマンタン環等の環式炭化水素基と、該環式炭化水素基に結合する2個以上のシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体に基づく構成単位(1)と、ラクトン骨格および橋かけ環構造を有する構成単位(2)と、酸脱離性基を有する構成単位(3)を有するレジスト用共重合体。
【選択図】なし
Description
例えば、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト材料として、波長193nmの光に対して透明なアクリル系重合体が注目されている。該アクリル系重合体としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が提案されている(特許文献1、2等)。
本発明は、感度が良好で、形成されるレジストパターン形状が良好であり、レジストパターンをマスクにしてドライエッチングを行う際のドライエッチング耐性が良好であり、基板のドライエッチング加工を行って形成されたパターンの表面ラフネスが抑制されるレジスト用共重合体、およびこれを用いたレジスト用組成物を提供することを目的とする。
[1]下記式(1)で表される構成単位と、下記式(2)で表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位とを有するレジスト用共重合体。
式(3−1)、(3−2)中、R31、R32はそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、pは2〜4の整数を表す。
式(4−1)中、R41は水素原子またはメチル基を表す。
レジスト用共重合体とは、リソグラフィー工程において、露光及び現像によるパターン形成において、レジスト膜の形成に用いられる共重合体である。
構成単位(1)は極性基であり親水性基でもあるシアノ基を複数有する構成単位である。
構成単位(2)は極性基であるラクトン骨格を含む基を有する構成単位である。
このような構成単位(1)〜(3)を有する共重合体は、レジスト用共重合体として好適であり、特に、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用される化学増幅型レジスト用の共重合体として好適である。
<構成単位(1)>
下記式(1)で表される構成単位(1)は、該構成単位に対応する(メタ)アクリル酸エステル誘導体(以下、単量体(1)ということもある。)のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位である。
式(1)において、Z1は、単環または多環の原子団を表す。すなわち、Z1はエステル結合している炭素原子、およびシアノ基が結合している炭素原子とともに、環式炭化水素基、好ましくは橋かけ環式炭化水素基を構成する原子団を表す。環式炭化水素基の炭素数は特に限定されないが、7〜20が好ましい。この環式炭化水素基は、シアノ基以外に、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基、アミノ基などが挙げられる。
式(1)において、エステル結合している炭素原子とは、式(1)中の−Z2−C(O)−O−の酸素原子(−O−)に結合している炭素原子を意味する。i1が0の場合、該炭素原子は式(1)中のL1に結合している。i1が0、かつL1が単結合である場合、該炭素原子は(メタ)アクリロイルオキシ基に結合している。
Z1としては、例えば、ノルボルナン環などの環式テルペン炭化水素、アダマンタン環、テトラシクロドデカン環、ジシクロペンタン環、トリシクロデカン環、デカヒドロナフタレン環、ポリヒドロアントラセン環、ショウノウ環、コレステリック環等を有する原子団が挙げられる。
これらのうち、レジストに必要とされるドライエッチング耐性が高い点から、ノルボルナン環などの環式テルペン炭化水素、アダマンタン環、テトラシクロドデカン環、ジシクロペンタン環またはトリシクロデカン環を有する原子団が好ましく、炭素密度が高く、より高いドライエッチング耐性を得ることができる点からアダマンタン環を有する原子団がより好ましい。
R12とZ1とが結合し、環構造を形成するとは、R12としてのアルキル基が、Z1と結合してアルキレン基を形成し、該アルキレン基がZ1としての環式炭化水素基の一部を構成していることを意味する。
pはZ1としての環式炭化水素基が有するシアノ基の数を表し、2〜4の整数である。すなわち、2〜4個のシアノ基はZ1の原子団上の炭素原子と結合している。構成単位(1)、がシアノ基を2個以上有することにより、ドライエッチング耐性が向上しエッチング後のパターンの表面ラフネスが抑制される。pは、2または3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
Z1としての環式炭化水素基において、2個のシアノ基が同一の炭素原子に結合していてもよい。金属表面等への密着性の点からは、2〜4個のシアノ基がそれぞれ異なる炭素原子に結合していることが好ましい。
Z2は炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表す。
i1は0〜3の整数であり、解像性の点から0であることがより好ましい。
合成する際の操作性がより良好な点で構成単位(3−2)が好ましく、特に下記式(4−1)で表される構成単位(以下、構成単位(4−1)ということもある。)が好ましい。
式(4−1)において、R41は、好ましい態様も含めて式(1)におけるR11と同じである。
構成単位(1)に対応する(メタ)アクリル酸エステル誘導体(単量体(1))は、市販品から入手可能である。公知のシアノ基導入法を用いて製造することもできる。
例えば後述の式(m5)で表される単量体は、1−アダマンタノールを原料としてp−トルエンスルホニルシアニドなどのシアノ化剤を使用し、ORGANIC LETTERS Vol.13,No.21(2011),5928などに記載されている方法で製造できる。
1−アダマンタノールに対するシアノ化剤の使用量により、1−アダマンタノールへのシアノ基の付加数を制御できる。本法の場合、生成物がシアノ基を0〜3個有するもの混合物になることが有る。このときは、カラム精製、蒸留などの既知の方法で目的化合物を分離することが可能である。
下記式(2)で表される構成単位(2)は、該構成単位に対応する(メタ)アクリル酸エステル誘導体(以下、単量体(2)ということもある。)のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位である。式(2)で表される構成単位(2)はラクトン骨格および橋かけ環構造を有する構成単位である。
L’は、炭素数1〜20の、置換基を有していてもよい直鎖または分岐の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の、置換基および/またはヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、または単結合である。
L’における置換基またはヘテロ原子の例としては、式(1)のL1における置換基またはヘテロ原子の例と同じものが挙げられる。L’は有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点で単結合が好ましい。
Z5は炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表す。
i’は0〜3の整数であり、解像性の点から0であることが好ましい。
式(2)において、エステル結合している炭素原子とは、式(2)中の−Z5−C(O)−O−の酸素原子(−O−)に結合している炭素原子を意味する。i’が0の場合、該炭素原子は式(2)中のL’に結合している。i’が0、かつL’が単結合である場合、該炭素原子は(メタ)アクリロイルオキシ基に結合している。
nは0〜4の整数を表す。例えば、nが0の場合、式(2)で表される構成単位(2)中のラクトン環は4員環であり、nが4の場合は8員環である。
式(2−1)で表される構成単位、または式(2−2)で表される構成単位は、それぞれの構成単位に対応する(メタ)アクリル酸エステル誘導体(単量体)のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位である。
式(2−1)において、R21は水素原子またはメチル基を表す。耐熱性の点からはメチル基が好ましい。
式(2−1)において、R22、R23はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表す。有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点から、水素原子、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が好ましい。特に有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点で水素原子が好ましい。
A1とA2とは一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH2)k−(kは1〜6の整数を表す)]を表す。ドライエッチング耐性の点から炭素数1のメチレン鎖(メチレン基)が好ましい。
X21における置換基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる1種以上である。
m2は0〜4の整数である。m2が2以上の場合、1つの構成単位中に存在する複数のX21は互いに同じであってもよく、異なってもよい。有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点からm2が0であることが好ましい。
L2における置換基またはヘテロ原子の例としては、式(1)のL1における置換基またはヘテロ原子の例と同じものが挙げられる。L2は有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点で単結合が好ましい。
Z3は炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表す。
i2は0〜3の整数であり、解像性の点から0であることが好ましい。
式(2−1)で表される構成単位の好ましい例として下記式(6−1)〜(6−6)で表される構成単位が挙げられる。これらのうち、特により良好なドライエッチング耐性が得られやすい点で式(6−1)で表される構成単位が好ましい。
式(2−2)において、R24は水素原子またはメチル基を表す。耐熱性の点からはメチル基が好ましい。
式(2−2)において、R25、R26はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表す。有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点から、水素原子、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が好ましい。特に有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点で水素原子が好ましい。
A3、A4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、A3とA4とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH2)l−(lは1〜6の整数を表す)]を表す。ドライエッチング耐性の点から炭素数1のメチレン鎖(メチレン基)が好ましい。
X22における置換基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる1種以上である。
m3は0〜4の整数である。m3が2以上の場合、1つの構成単位中に存在する複数のX22は互いに同じであってもよく、異なってもよい。有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点からm3が0であることが好ましい。
L3における置換基またはヘテロ原子の例としては、式(1)のL1における置換基またはヘテロ原子の例と同じものが挙げられる。L3は有機溶媒への良好な溶解性が得られやすい点で単結合が好ましい。
Z4は炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表す。
i3は0〜3の整数であり、解像性の点から0であることが好ましい。
式(2−2)で表される構成単位の好ましい例として下記式(7−1)〜(7−4)で表される構成単位が挙げられる。これらのうち、特により良好なドライエッチング耐性が得られやすい点で式(7−1)で表される構成単位が好ましい。
構成単位(3)は酸脱離性基を有する構成単位である。「酸脱離性基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸脱離性基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。レジスト用組成物において、酸脱離性基を有する構成単位を有する共重合体は、酸成分と反応してアルカリ性溶液に可溶となり、レジストパターンを形成することができる。
構成単位(3)は、酸脱離性基を有する単量体から得られる。酸脱離性基を有する単量体は、酸脱離性基および重合性多重結合を有する化合物であればよく、公知のものを使用できる。重合性多重結合とは重合反応時に開裂して共重合鎖を形成する多重結合であり、エチレン性二重結合が好ましい。
単量体(3)の具体例として、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
単量体(3)は、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
これらのうち、特により良好なドライエッチング耐性が得られやすい点で式(8−1)〜(8−4)で表される構成単位が好ましい。
本発明の共重合体は繰り返し成単位(1)〜(3)の他に、必要に応じてその他の構成単位を1種以上有していてもよい。その他の構成単位は、レジスト用共重合体において公知の構成単位を用いることができる。その他の構成単位は(メタ)アクリル酸エステル誘導体であり単量体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位であることが好ましい。
その他の構成単位として、構成単位(1)に該当しない、極性基であり親水性基である基を有する構成単位を有していてもよい。また、構成単位(2)に該当しない、極性基を有する構成単位を有していてもよい。
本明細書における極性基は、シアノ基、ラクトン骨格を含む基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、アセタール構造を含む基、またはエーテル結合を含む基である。
本明細書において極性基であり親水性基である基は、これらのうち、シアノ基、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、メトキシ基、カルボキシ基、またはアミノ基である。
本発明の共重合体の全構成単位に対して、極性基(親水性基であるものを除く)を有する構成単位の含有量は、基板等への密着性の点からは、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。一方、感度および解像度の点からは、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。また、本発明の共重合体中に存在する、極性基(親水性基であるものを除く)を有する構成単位の合計量に対して、構成単位(2)の割合が50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上がより好ましく、100モル%が特に好ましい。
本発明の共重合体の全構成単位に対して、酸脱離性基を有する構成単位(3)の含有量は、感度および解像度の点からは、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。一方、基板等への密着性の点からは、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
また本発明の共重合体の全構成単位に対して、構成単位(1)〜(3)の合計の含有量が50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上がより好ましく、100モル%が特に好ましい。
本発明の共重合体は、重合溶媒の存在下で、重合開始剤を使用して、単量体(1)、(2)、および(3)を含む単量体組成物を重合させることによって得られる。重合はラジカル重合法によって行うことができ、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法を適宜用いて行うことができる。これらのうち溶液重合法が好ましく、滴下重合法を用いることがより好ましい。
これらの重合開始剤の使用適正温度は50〜150℃の範囲内にある。
エーテル類:鎖状エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(テトラヒドロフラン(THFと記すこともある。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAと記すこともある。)、γ−ブチロラクトン(γ−BLと記すこともある。)等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン(MEKと記すこともある。)、メチルイソブチルケトン(MIBKと記すこともある。)、シクロヘキサノン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
重合溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のレジスト用組成物は、本発明の共重合体を、公知のレジスト用溶媒および用途に応じた成分と混合して得られる。
本発明の共重合体はレジスト用共重合体として好適であり、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)と、レジスト用溶媒と、必要に応じて配合される任意成分を混合して化学増幅型のレジスト用組成物を調製できる。
本発明において、共重合体における各構成単位の含有割合は、各構成単位に対応する単量体を共重合して該共重合体を調製する際の、各単量体の割合に等しいとみなす。
レジスト溶媒としては、上記に重合溶媒として挙げた溶媒を用いることができる。
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト用組成物の光酸発生剤として使用可能なものの中から任意に選択できる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。光酸発生剤の使用量は、重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
化学増幅型レジスト用組成物は、含窒素化合物を含んでもよく、さらに有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体等の酸化合物を含んでいてもよい。また必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、レジスト用組成物において公知のものを適宜使用できる。
[GPC条件]
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、
試料:重合体の約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
F−80(Mw=706,000)、
F−20(Mw=190,000)、
F−4(Mw=37,900)、
F−1(Mw=10,200)、
A−2500(Mw=2,630)、
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
本方法では、レジスト用共重合体を溶媒に溶解させ、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して得られる共重合体溶液を用いた。
2インチのシリコンウエハーを被加工基板として用い、その表面に、共重合体溶液を回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間ベークして厚さ300nmの薄膜を形成したものを試験体とした。
エッチング耐性の評価は、一般的な誘導結合プラズマを用いた反応性イオンエッチング法により行なった。すなわち、真空チャンバー内に塩素ガスを導入し、真空度を75mTorr(10Pa)に設定した。プラズマ生成用アンテナに13.6MHzの高周波電界800Wを印加し、プラズマ生成位置から10cm離れた位置に試験体を設置して、基板上の薄膜の膜厚が35nm減少するまでエッチングを行った。基板の温度は室温(25℃)に制御した。エッチング開始から、膜厚が35nm減少するまでのエッチング時間を測定し、エッチング時間1分間当たりの膜厚の変化量を求めてエッチング速度とした。
本方法によれば、評価対象のレジスト用共重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いて形成された、レジストパターン(未露光部)におけるエッチング耐性を評価できる。
具体的には、エッチング速度が小さい方がエッチング耐性に優れる。すなわち、エッチング前後での膜厚の変化量が同じである場合、エッチング時間が長い方がエッチング耐性に優れる。
エッチングを行った後の試験体表面ラフネスは、走査プローブ顕微鏡(SPM)による表面形状測定にて行った。SPM装置は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、S−image(製品名)を用い、カンチレバーには、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SI−DF20(製品名)を使用した。DFMモードにて、上記試験体のエッチング部分について、表面形状の測定を行った。測定範囲は1視野(1箇所)につき400nm×400nmとし、各試験体につき4視野(4箇所)の測定を行った。各測定視野について、JIS−B0601の方法により二乗平均平方根粗さ(Rq)を算出し、各試験体における4領域平均のRqを表面ラフネスとして算出した。
本方法では、レジスト用共重合体、光酸発生剤、および溶媒を均一に混合し、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して得られる化学増幅型レジスト組成物を用いた。
まず、化学増幅型レジスト組成物を、6インチのシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間プリベーク(PAB)して、厚さ300nmのレジスト膜を形成した。
ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン社製、製品名:VUVES−4500)を用い、1ショットあたり10mm×10mmの領域を対象に、露光量の異なる18ショットの露光を行った。次いで110℃、60秒間のポストベーク(PEB)を行った後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン社製、製品名:RDA−806)を用い、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間現像し、各露光量における現像中のレジスト膜厚の経時変化をそれぞれ測定した。
Eth感度:露光量−残膜率曲線が残膜率0%と交わる露光量(mJ/cm2)。
Eth感度の値が小さいほど感度に優れる。
後述の式(m6)で表される単量体の中間体である3−シアノ−1−アダマンタノール、および後述の式(m5)で表される単量体の中間体である3,5−ジシアノ−1−アダマンタノールを合成した。
高圧水銀ランプ用反応器に1−アダマンタノール10.9g(0.08mol)、p−トルエンスルホニルシアニド29.0g(0.16mol)、ベンゾフェノン29.1g(0.16mol)を入れ、減圧乾燥した。この容器を窒素置換したグローブボックスに入れ、無水アセトニトリル1Lに溶解させた。Freeze−Thaw法によって脱気した後、高圧水銀ランプをセットした。水浴で20℃に冷却し、マグネチックスターラーで攪拌しながら紫外線を6時間照射した。反応後、減圧下でアセトニトリルを除去した後、シリカゲルカラムにて分離を行い、3−シアノ−1−アダマンタノールと3,5−ジシアノ−1−アダマンタノールを含むフラクションを各々取得した。
以上の操作を12回繰り返した後、各々の化合物のフラクションをまとめて、エバポレーターで濃縮を行い、3−シアノ−1−アダマンタノールを12.2g、3,5−ジシアノ−1−アダマンタノールを含むフラクションを36.5g得た。
還流冷却器、攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を接続した500mlナスフラスコに、合成例1で得た3−シアノ−1−アダマンタノールを12.0g(0.07mol)、酸化マグネシウム0.4g(0,01mol)、ジブチルヒドロキシトルエン30mg、トルエン100gを入れて撹拌及びエアバブリングで懸濁させた。懸濁しながら温度を80℃に上げたのち、メタクリル酸無水物18.5g(0.12mol)を30分かけて滴下した。滴下後、温度80℃で8時間反応させた後、懸濁液を室温に冷却した。
懸濁液を冷却しながら10%水酸化ナトリウム水溶液100gを加えた後、室温で1時間懸濁させた。この液をろ過して、ろ液を1L分液ロートに入れ、二層分離させ、水相を除いた。水を300g加えてトルエン相の水洗を行う操作を4回実施した。ろ過した時のろ残を水30mlで3回洗浄した後、トルエン相と一緒にした。
トルエン相にp−メトキシハイドロキノン2mgを添加し、エバポレーターで溶媒を除去することにより、後述の式(m6)で表される単量体を14.6g(0.06mol)得た。
還流冷却器、攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を接続した1Lナスフラスコに、合成例1で得た3,5−ジシアノ−1−アダマンタノールを36.0g(0.18mol)、酸化マグネシウム2.4g(0,06mol)、ジブチルヒドロキシトルエン80mg、トルエン300gを入れて撹拌及びエアバブリングで懸濁させた。懸濁しながら温度を80℃に上げたのち、メタクリル酸無水物95.6g(0.62mol)を30分かけて滴下した。滴下後、温度80℃で8時間反応させた後、懸濁液を室温に冷却した。
懸濁液を冷却しながら10%水酸化ナトリウム水溶液600gを加えた後、室温で1時間懸濁させた。この液をろ過して、ろ液を2L分液ロートに入れ、二層分離させ、水相を除いた。水を900g加えてトルエン相の水洗を行う操作を4回実施した。ろ過した時のろ残を水100mlで3回洗浄した後、トルエン相と一緒にした。
トルエン相にp−メトキシハイドロキノン6mgを添加し、エバポレーターで溶媒を除去することにより、後述の式(m5)で表される単量体を39.5g(0.15mol)得た。
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)43.2部、γ−ブチロラクトン(γ−BL)18.5部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物1を滴下漏斗より、4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持して反応溶液を得た。
(混合物1)
ラクトン骨格を含む単量体(2)として、下記式(m1)で表される単量体を35.9部、酸脱離性基を有する単量体(3)として、下記式(m4)で表される単量体を35.6部、複数のシアノ基を有する単量体(1)として、下記式(m5)で表される単量体を20.5部、溶媒としてPGMEAを55.9部とγ−BLを37.2部、および重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))6.1部の混合物。各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す(以下、同様)。
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を表1に示す(以下、同様)。
得られた重合体Aの2.0部と、溶媒であるPGMEAの14.4部およびγ−BLの3.6部とを混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して共重合体溶液を調製した。得られた共重合体溶液を用い、上記の方法でエッチング耐性および表面ラフネスを評価した。評価結果を下記の基準にしたがって表2に示す(以下、同様)。
エッチング耐性(エッチング速度)
○:4nm/分以下。
△:4nm/分より大きく、5nm/分以下。
×:5nm/分より大きい。
表面ラフネス(二乗平均平方根粗さ)
○:1nm以下。
△:1nmより大きく、2nm以下。
×:2nmより大きい。
実施例1においてPGMEAの使用量を42.6部、γ−BLの使用量を18.2部に変更した。また滴下する混合物1を下記混合物2に変更した。その他は実施例1と同様にして乾燥粉末状の重合体Bを得て、評価を行った。
(混合物2)
ラクトン骨格を含む単量体(2)として、下記式(m2)で表される単量体を33.7部、酸脱離性基を有する単量体(3)として、下記式(m4)で表される単量体を35.6部、複数のシアノ基を有する単量体(1)として、下記式(m5)で表される単量体を20.5部、溶媒としてPGMEAを55.6部とγ−BLを37.0部、および重合開始剤として前記V601(商品名)を6.1部の混合物。
実施例1においてPGMEAの使用量を40.3部、γ−BLの使用量を17.2部に変更した。また滴下する混合物1を下記混合物3に変更した。その他は実施例1と同様にして乾燥粉末状の重合体Cを得て、評価を行った。
(混合物3)
構成単位(2)に該当しない、ラクトン骨格を有する比較単量体として、下記式(m3)で表される単量体を25.8部、酸脱離性基を有する単量体(3)として、下記式(m4)で表される単量体を35.6部、複数のシアノ基を有する単量体(1)として、下記式(m5)で表される単量体を20.5部、溶媒としてPGMEAを54.4部とγ−BLを36.2部、および重合開始剤として前記V601(商品名)を6.5部の混合物。
実施例1においてPGMEAの使用量を42.1部、γ−BLの使用量を18.0部に変更した。また滴下する混合物1を下記混合物4に変更した。その他は実施例1と同様にして乾燥粉末状の重合体Dを得て、評価を行った。
(混合物4)
ラクトン骨格を含む単量体(2)として、下記式(m1)で表される単量体を35.9部、酸脱離性基を有する単量体(3)として、下記式(m4)で表される単量体を35.6部、シアノ基を1個有する比較単量体として、下記式(m6)で表される単量体を18.6部、溶媒としてPGMEAを54.2部とγ−BLを36.1部、および重合開始剤として前記V601(商品名)を6.1部の混合物。
実施例1においてPGMEAの使用量を41.7部、γ−BLの使用量を17.8部に変更した。また滴下する混合物1を下記混合物5に変更した。その他は実施例1と同様にして乾燥粉末状の重合体Eを得て、評価を行った。
(混合物5)
ラクトン骨格を含む単量体(2)として、下記式(m1)で表される単量体を35.9部、酸脱離性基を有する単量体(3)として、下記式(m4)で表される単量体を35.6部、シアノ基の代わりに親水性基であるヒドロキシ基を1個有する比較単量体として、下記式(m7)で表される単量体を17.9部、溶媒としてPGMEAを53.5部とγ−BLを35.7部、および重合開始剤として前記V601(商品名)を5.7部の混合物。
これに対して、ラクトン構成単位として、本発明の式(2)以外のラクトンを用いた比較例1の重合体Cは、レジスト組成物としたときの感度は良好であったが、エッチング耐性が劣っていた。
また親水性基を有する構成単位として本発明の式(1)以外の単量体を用いた比較例2の重合体D、および比較例3の重合体Eは、レジスト組成物としたときの感度、エッチング耐性および表面ラフネスがいずれも劣っていた。
Claims (5)
- 下記式(1)で表される構成単位と、下記式(2)で表される構成単位と、酸脱離性基を有する構成単位とを有するレジスト用共重合体。
L1は、炭素数1〜20の、置換基を有していてもよい直鎖または分岐の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の、置換基および/またはヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、または単結合を表し、
Z1は、単環または多環の原子団を表し、
R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、
R12とZ1とが結合し、環構造を形成してもよく、
pは2〜4の整数を表し、2〜4個のシアノ基はZ1の原子団上の炭素原子と結合しており、2個のシアノ基が同一の炭素原子に結合していてもよく、
Z2は、炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表し、i1は、0〜3の整数を表す。)
L’は、炭素数1〜20の、置換基を有していてもよい直鎖または分岐の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の、置換基および/またはヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、または単結合を表し、
Z’は、単環又は多環の原子団を示し、Z’とラクトン環は縮合しており、
nは0〜4の整数を表し、
Z5は、炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表し、
i’は、0〜3の整数を表す。) - 前記式(2)で表される構成単位が、下記式(2−1)で表される構成単位、および下記式(2−2)で表される構成単位からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1記載のレジスト用共重合体。
L2は、炭素数1〜20の、置換基を有していてもよい直鎖または分岐の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の、置換基および/またはヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、または単結合を表し、
R22、R23はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表し、
A1とA2とは一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH2)k−(kは1〜6の整数を表す)]を表し、
X21は、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、
m2は0〜4の整数を表し、m2が2以上の場合、複数のX21は互いに同じであってもよく、異なってもよく、
Z3は、炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表し、i2は、0〜3の整数を表す。
式(2−2)中、R24は水素原子またはメチル基を表し、
L3は、炭素数1〜20の、置換基を有していてもよい直鎖または分岐の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の、置換基および/またはヘテロ原子を有していてもよい2価の環式炭化水素基、または単結合を表し、
R25、R26はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表し、
A3、A4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基または炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基を表すか、あるいは、A3とA4とが一緒になって−O−、−S−、−NH−または炭素数1〜6のメチレン鎖[−(CH2)l−(lは1〜6の整数を表す)]を表し、
X22は、置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコールでエステル化されたカルボキシ基またはアミノ基を表し、
m3は0〜4の整数を表し、m3が2以上の場合、複数のX22は互いに同じであってもよく、異なってもよく、
Z4は、炭素数1〜12の直鎖または分岐の2価の炭化水素基を表し、i3は、0〜3の整数を表す。) - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のレジスト用共重合体を含有するレジスト用組成物。
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