JP2015139600A - 部品および洗濯機 - Google Patents

Abstract

【課題】洗濯槽に溜まった水を汲み上げて洗濯槽内の洗濯物に浴びせるための部品について、水を洗濯物に万遍なく浴びせるための構成を設ける際の困難性を低減できる部品、および当該部品を備える洗濯機を提供すること。【解決手段】部品１は、洗濯槽５の内周面５Ｅに取り付けられる本体部１２と、本体部１２の下端部１２Ｃに設けられる取込口１３と、水路１５と、本体部１２の上端部１２Ｄの表面１２Ｂに設けられる吐出口１４とを含む。取込口１３で取り込まれた洗濯槽５内の水は、水路１５によって導かれ吐出口１４から吐き出されて洗濯槽５内の洗濯物Ｓに浴びせられる。吐出口１４は、内周面５Ｅの周方向Ｙに長手であり、吐出口１４の上下の幅は、周方向Ｙにおける両端よりも中央部において狭く、本体部１２の表面１２Ｂにおいて周方向Ｙにおける吐出口１４の両外側には、凹み２１が隣接して設けられる。【選択図】図２

Description

この発明は、洗濯機に用いられる部品および当該部品を備える洗濯機に関する。

下記特許文献１〜３に開示された洗濯機には、洗濯物を収容する洗濯槽に溜まった水を汲み上げた後に吐出して洗濯槽内の洗濯物に上方から浴びせるための部品が備えられる。
特許文献１では、当該部品としての覆い部材が、洗濯槽の内周面に取り付けられる。覆い部材は、洗濯槽の内周面との間に循環水路を区画する。循環水路内で汲み上げられた水は、覆い部材の上端部に形成された吐出口から吐出され、洗濯槽内の洗濯物に浴びせられる。

特許文献２では、当該部品としての案内壁部が、洗濯槽の内周面に取り付けられる。案内壁部は、洗濯槽の内周面との間に循環水路を区画する。循環水路内で汲み上げられた水は、案内壁部の上端部に形成された吐出口から吐出され、洗濯槽内の洗濯物に浴びせられる。

特許文献３では、当該部品としての水路構成部材が、洗濯槽の内周面に取り付けられる。水路構成部材内には循環水路が形成される。循環水路内で汲み上げられた水は、水路構成部材の上端部に形成された吐出口から吐出され、洗濯槽内の洗濯物に浴びせられる。

特開２００４−１１３２７７号公報 特開平１０−３３８８３号公報 特開平８−３３６６９６号公報

特許文献１〜３の部品の吐出口から吐出されるときの水の状態は、洗濯槽内に溜められた水の水量および水位や、吐出口の高さによって大きく左右される。たとえば、水量が少なかったり、水位が吐出口よりも低く水位と吐出口との高低差が大きかったりすると、吐出口から吐出されるときの水の勢いが弱く、水の吐出範囲が狭くなる。これでは、吐出口から吐出された水を洗濯槽内の洗濯物に万遍なく浴びせることが困難である。

特許文献１では、吐出口が、洗濯槽の内周面に対する接線方向に沿って平坦となるように直線状に縁取られるので、吐出口から吐出される水は、洗濯槽の内周面の周方向へ広がることなく、洗濯槽の内周面の曲率中心側の洗濯物だけに偏って浴びせられる。

特許文献２では、案内壁部における吐出口の周囲の部分が、洗濯槽の内周面の曲率中心側へ膨出する略円弧状に形成される。同様に、特許文献３でも、水路構成部材における吐出口の周囲の部分が、洗濯槽の内周面の曲率中心側へ膨出する略円弧状に形成される。これにより、吐出口が、洗濯槽の内周面の曲率中心側へ膨出する略円弧状に縁取られるので、吐出口から吐出される水は、当該曲率中心側だけでなく洗濯槽の内周面の周方向にも向かうように扇形に広がり、洗濯物に万遍なく浴びせられる。

しかし、特許文献２および３の場合、案内壁部や水路構成部材における吐出口の周囲の部分を洗濯槽の内周面の曲率中心側へ膨出するように成形するのは困難である。

この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、洗濯槽に溜まった水を汲み上げて洗濯槽内の洗濯物に浴びせるための部品について、水を洗濯物に万遍なく浴びせるための構成を設ける際の困難性を低減できる部品、および当該部品を備える洗濯機を提供することを目的とする。
また、この発明は、水を洗濯物に一層万遍なく浴びせることができる部品、および当該部品を備える洗濯機を提供することを目的とする。

本発明は、洗濯物の出入口が上端に形成され底壁が下端に設けられた有底円筒状の洗濯槽を有する縦型洗濯機に用いられる部品であって、前記洗濯槽の内周面に対向する裏面と、前記裏面とは反対側にあり前記洗濯槽の中心軸側を臨む表面とを有し、上下に沿った姿勢で前記洗濯槽の内周面に取り付けられる本体部と、前記本体部の下端部に設けられ、前記洗濯槽内の水を前記底壁側から取り込むための取込口と、前記本体部に設けられ、前記取込口で取り込まれた水を上方へ導くための水路と、前記本体部の上端部の表面に設けられ、前記水路によって導かれた水を吐き出して前記洗濯槽内の洗濯物に上方から浴びせるための吐出口と、を含み、前記吐出口は、前記洗濯槽の内周面の周方向に長手であり、前記吐出口の上下の幅は、前記周方向における両端よりも前記周方向における中央部において狭く、前記本体部の表面において前記周方向における前記吐出口の両外側には、凹みが隣接して設けられることを特徴とする部品である。

また、本発明は、前記部品は、複数揃って前記周方向に並んだ状態で、前記洗濯槽の内周面に取り付けられ、前記部品のそれぞれは、前記本体部の表面において前記吐出口の上端を縁取るように設けられ、前記吐出口から吐き出される水を水平方向に対して斜め下方へ導くガイド部材を含むことを特徴とする。

また、本発明は、前記部品は、複数揃って前記周方向に並んだ状態で、前記洗濯槽の内周面に取り付けられ、前記部品のそれぞれは、前記吐出口において前記周方向における同じ側の一端部を塞ぐ閉塞部材を含むことを特徴とする。

また、本発明は、以上の部品を備えることを特徴とする洗濯機である。

本発明によれば、洗濯物の出入口が上端に形成された有底円筒状の洗濯槽を有する縦型洗濯機に用いられる部品は、上下に沿った姿勢で洗濯槽の内周面に取り付けられる本体部を含む。この部品は、本体部において、下端部の取込口から洗濯槽内の水を取り込み、水路によって上方へ導いて、本体部の上端部の表面の吐出口から吐き出して洗濯槽内の洗濯物に上方から浴びせることができる。
吐出口は、洗濯槽の内周面の周方向に長手である。周方向に長手の吐出口では、水路から吐出口まで上昇した水が、周方向における両端まで行き渡りにくい。しかし、吐出口の上下の幅は、周方向における両端よりも周方向における中央部において狭い。つまり、吐出口は、周方向における中央部から両端へ向けて幅広である。そのため、水路から吐出口に向かう水の勢いが弱くでも、吐出口まで上昇した水は、吐出口において当該中央部から当該両端までの全域に行き渡るので、吐出口では周方向における全域から水を広範囲に吐き出すことができる。
さらに、本体部の表面において周方向における吐出口の両外側には、凹みが隣接して設けられる。つまり、本体部の表面において吐出口の両外側に凹みを設けるだけで、吐出口が、洗濯槽の中心軸側へ膨出する略円弧状に縁取られるので、吐出口から吐出される水は、当該中心軸側だけでなく洗濯槽の内周面の周方向にも向かうように扇形に広がり、洗濯物に万遍なく浴びせられる。よって、水を洗濯物に万遍なく浴びせるための構成として略円弧状に縁取られる吐出口を設ける際の困難性を低減できる。

また、本発明によれば、部品が複数揃って周方向に並んだ状態で洗濯槽の内周面に取り付けられる場合において、部品のそれぞれでは、本体部の表面において吐出口の上端を縁取るように設けられたガイド部材が、吐出口から吐き出される水を水平方向に対して斜め下方へ導く。よって、複数の部品のそれぞれの吐出口から吐き出された水同士が洗濯槽内で衝突するとしても、各吐出口から水が水平方向または水平方向に対する斜め上方に沿って吐き出されて衝突する場合に比べて、水同士の衝突位置を洗濯槽内において出入口から下方の底壁側へ離すことができる。そのため、衝突した水が出入口の外へ飛散することを防止できるとともに、水を底壁側の洗濯物に一層万遍なく浴びせることができる。

また、本発明によれば、部品が複数揃って周方向に並んだ状態で洗濯槽の内周面に取り付けられる場合において、部品のそれぞれでは、吐出口において周方向における同じ側の一端部が閉塞部材によって塞がれる。これにより、複数の部品のそれぞれの吐出口から吐き出された水同士を極力衝突させないことによって、衝突した水が出入口の外へ飛散することを防止できるとともに、水を洗濯物に一層万遍なく浴びせることができる。

また、本発明によれば、以上の部品を備える洗濯機では、当該部品において、水を洗濯物に万遍なく浴びせるための構成を設ける際の困難性を低減できる。

図１は、この発明の一実施形態に係る部品１を備える洗濯機２において内部構造の一部を断面で示した模式的な正面図である。 図２は、洗濯機２内の洗濯槽５の縦断面正面図である。 図３は、部品１を正面側から見た斜視図である。 図４は、部品１の背面図である。 図５は、部品１の正面図である。 図６は、図５のＶＩ−ＶＩ矢視断面図である。 図７は、図５のＶＩＩ−ＶＩＩ矢視断面図である。 図８は、変形例に係る部品１の要部の正面図である。 図９は、変形例に係る部品１が複数装着された洗濯槽５の内部の模式的な平面図である。

以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図１は、この発明の一実施形態に係る部品１を備える洗濯機２において内部構造の一部を断面で示した模式的な正面図である。

まず、図１における上下方向Ｘを基準として洗濯機２の概要について説明する。上下方向Ｘのうち、上方を上方Ｘ１と称し、下方を下方Ｘ２と称する。なお、洗濯機２には、洗濯物Ｓの乾燥機能を有する洗濯乾燥機も含まれる。

洗濯機２は、筐体３と、水槽４と、洗濯槽５と、モータ６とを含む。
筐体３は、ボックス状に形成される。筐体３は、その下端に設けられた脚部３Ａが床７に上から当接することによって、床７に設置される。

水槽４は、有底円筒状に形成される。水槽４は、上端に開口部４Ａを有する略円筒状の円周壁４Ｂと、円周壁４Ｂの中空部分を下方Ｘ２から塞ぐ円板形状の底壁４Ｃとを有する。開口部４Ａは、円周壁４Ｂに連結されたカバー８によって開閉される。水槽４内には、水道水、風呂水および洗剤が溶けた液体などの水が溜められる。

洗濯槽５は、水槽４よりも一回り小さい有底円筒状に形成される。洗濯槽５は、上端に出入口５Ａを有する略円筒状の円周壁５Ｂと、円周壁５Ｂの中空部分を下方Ｘ２から塞ぐ円板形状の底壁５Ｃとを有する。そのため、洗濯槽５では、上端に出入口５Ａが形成され、下端に底壁５Ｃが設けられる。洗濯槽５は、水槽４内に同軸状で収容される。水槽４内に収容された状態の洗濯槽５は、その軸線として上下方向Ｘに延びて水平方向Ｈと直交する中心軸９を中心として回転可能である。そのため、洗濯機２は、洗濯槽５が縦に配置された縦型洗濯機である。

出入口５Ａは、開口部４Ａに下方Ｘ２から連通し、開口部４Ａおよび出入口５Ａは、カバー８によって一括開閉される。洗濯機２の使用者は、開放された出入口５Ａを介して、洗濯槽５内に洗濯物Ｓを出し入れすることができる。底壁５Ｃには、貫通孔５Ｄが形成され、水槽４内の水は、貫通孔５Ｄを介して、水槽４と洗濯槽５との間で行き来できる。

円周壁５Ｂの内周面５Ｅの上端部には、環状のバランサ１０が取り付けられる。バランサ１０は、回転時における洗濯槽５の振動を低減させるものであって、バランサ１０の内部の空洞１０Ａには、振動低減に寄与するための液体が収容される。

モータ６は、筐体３内において水槽４の底壁４Ｃの下方Ｘ２に配置される。モータ６の出力軸６Ａは、上方Ｘ１へ延びて、底壁４Ｃの円中心および洗濯槽５の底壁５Ｃの円中心を順に貫通する。出力軸６Ａは、底壁４Ｃと底壁５Ｃとの間で鍔状に張り出したフランジ部６Ｂを有し、フランジ部６Ｂが底壁５Ｃに固定されることで、洗濯槽５に連結される。モータ６が駆動されると、洗濯槽５が回転する。

出力軸６Ａにおいて底壁５Ｃよりも上方Ｘ１にはみ出た上端部には、回転翼１１が取り付けられる。回転翼１１は、いわゆるパルセータである。回転翼１１は、円盤状に形成され、その円中心に出力軸６Ａの上端部が取り付けられる。回転翼１１の上面には、放射状に配置される複数の撹拌羽根１１Ａが設けられ、回転翼１１の下面には、放射状に配置される複数のポンプ羽根１１Ｂが設けられる。モータ６が駆動されると、回転翼１１が回転し、洗濯槽５内の洗濯物Ｓが撹拌羽根１１Ａによって撹拌される。

洗濯槽５の内周面５Ｅには、前述した部品１が取り付けられる。以下では、内周面５Ｅの周方向を周方向Ｙと称し、内周面５Ｅの径方向を径方向Ｚと称する。径方向Ｚのうち、中心軸９に向う側を径方向内側Ｚ１と称し、中心軸９から離れる側を径方向外側Ｚ２と称する。径方向内側Ｚ１および径方向外側Ｚ２のいずれから見ても、上下方向Ｘと周方向Ｙとは互いに直交する。

洗濯機２に用いられる部品１の数は、任意に設定でき、単数でも複数でもよい。この実施形態では、部品１は、同形状および同寸法のものが複数揃って周方向Ｙに並んだ状態で、内周面５Ｅに取り付けられる。周方向Ｙに隣り合う部品１の間隔は、いずれの部品１同士の間で一定であってもよいし、部品１によっては異なってもよい。

部品１は、樹脂製の本体部１２を含む。本体部１２は、上下方向Ｘに長手のカバー状であり、バランサ１０と洗濯槽５の底壁５Ｃとの間に架設されて上下に沿った姿勢で、洗濯槽５の内周面５Ｅに径方向内側Ｚ１から取り付けられる。そのため、本体部１２は、洗濯槽５の内周面５Ｅに対向する裏面１２Ａと、裏面１２Ａとは反対側にあり中心軸９側を臨む表面１２Ｂとを有する。

本体部１２の下端部１２Ｃには、取込口１３が設けられ、本体部１２の上端部１２Ｄの表面１２Ｂには、吐出口１４が設けられる。本体部１２の裏面１２Ａには、上下方向Ｘに延びる水路１５が設けられる。水路１５は、洗濯槽５の内周面５Ｅによって径方向外側Ｚ２から塞がれ、下端において取込口１３に連通し、上端において吐出口１４に連通する。

回転翼１１が回転すると、洗濯槽５内の水が、回転翼１１のポンプ羽根１１Ｂによって各部品１の取込口１３に押し込まれ、洗濯槽５の底壁５Ｃ側から取込口１３に取り込まれる。取込口１３で取り込まれた水は、水路１５によって上方Ｘ１の吐出口１４まで導かれ、その後、吐出口１４から吐き出されて、太い破線矢印で示すように、洗濯槽５内の洗濯物Ｓに上方Ｘ１から浴びせられる。これにより、洗濯槽５内の水が部品１の水路１５を介して循環することによって繰り返し洗濯に用いられるので、少ない水での洗濯が可能になる。

次に、部品１について詳しく説明する。
図２は、洗濯機２内の洗濯槽５の縦断面正面図である。
図２では、２つの部品１が図示される。２つの部品１のうち、一方の部品１では、径方向内側Ｚ１から見たときの正面図が図示され、他方の部品１では、縦断面図が図示される。当該一方の部品１に示すように、それぞれの部品１において、吐出口１４は、洗濯槽５の内周面５Ｅの周方向Ｙに長手のスリットである。以下では、洗濯槽５の内周面５Ｅに取り付けられたときの部品１の姿勢を基準として説明し、その際、上下方向Ｘ、周方向Ｙおよび径方向Ｚを主に用いて方向を特定する。

図３は、部品１を正面側から見た斜視図である。
図３を参照して、部品１の本体部１２では、下端部１２Ｃより上方Ｘ１の部分は、周方向Ｙにほぼ同じ幅で上方Ｘ１に延び、下端部１２Ｃは、下方Ｘ２に向かうにつれて周方向Ｙに徐々に幅広である。

図３では、本体部１２の表面１２Ｂが、最も大きく表れて図示される。図３の本体部１２において、表面１２Ｂの裏に位置する面が、裏面１２Ａである。径方向内側Ｚ１は、本体部１２において裏面１２Ａから表面１２Ｂに向かう手前側であり、径方向外側Ｚ２は、本体部１２において表面１２Ｂから裏面１２Ａに向かう奥側である。

表面１２Ｂは、平坦面であってもよいし、湾曲面であってもよいし、平坦面と湾曲面とが組み合わされた面であってもよい。径方向内側Ｚ１から見たときにおける表面１２Ｂの外側周縁部では、下端部を除くほぼ全域が、表面１２Ｂから折れ曲がって径方向外側Ｚ２へ延びるフランジ１６をなす。

図４は、部品１の背面図である。
図４に示すように部品１の背面側である径方向外側Ｚ２から見たときのフランジ１６の全体形状は、上下が逆になった略Ｕ字状に形成される。フランジ１６のうち、本体部１２の上端に位置する上フランジ１６Ａは、周方向Ｙに沿って平坦に延びる。

上フランジ１６Ａにおいて周方向Ｙにおける中央部は、上方Ｘ１へ突出するブロック状の第１係合部１７を構成する。本体部１２には、その下端から下方Ｘ２に突出するピン状の第２係合部１８が、周方向Ｙに間隔を隔てて１対形成される。前述したように本体部１２がバランサ１０と洗濯槽５の底壁５Ｃとの間に架設された状態では、第１係合部１７がバランサ１０に下方Ｘ２から係合し、第２係合部１８が底壁５Ｃに上方Ｘ１から係合することで、本体部１２がバランサ１０および底壁５Ｃのそれぞれに位置決めされる。

本体部１２の裏面１２Ａにおいて、前述した略Ｕ字状のフランジ１６の内側の領域には、上下方向Ｘに延びる一対のリブ１９が一体的に設けられる。一対のリブ１９の上端部１９Ａは、互いに接近する方向に折れ曲がって連結され、全体として周方向Ｙに沿って延びる。そのため、一対のリブ１９の全体形状は、フランジ１６の全体形状よりも一回り小さく、上下が逆になった略Ｕ字状に形成される。これら一対のリブ１９に挟まれた空間が、前述した水路１５である。厳密には、水路１５は、一対のリブ１９と、本体部１２の裏面１２Ａと、洗濯槽５の内周面５Ｅにおいて本体部１２の裏面１２Ａに対向する領域とによって区画された上下に長い空間である。

一対のリブ１９の下端部１９Ｂは、周方向Ｙにおける互いの間隔が下方Ｘ２へ向かうにつれて徐々に広がるように傾斜して延びる。前述した取込口１３は、一対のリブ１９の下端部１９Ｂに挟まれた領域であって、下方Ｘ２へ開口される。前述した吐出口１４は、水路１５の上端に位置して、一対のリブ１９の上端部１９Ａに対して下方Ｘ２から隣接し、本体部１２を径方向Ｚに貫通する。

一対のリブ１９のそれぞれは、上下方向Ｘに沿って直線状に延びる必要はなく、途中で曲がってもよい。リブ１９の形状に応じて、周方向Ｙにおける水路１５の幅は、上下方向Ｘにおける途中で変化してもよい。

裏面１２Ａにおいて水路１５を避けた位置には、裏面１２Ａから径方向外側Ｚ２に突出する管状のボス２０が一体的に設けられる。ボス２０の個数は任意に設定でき、この実施形態では、一対のリブ１９のそれぞれの上下方向Ｘにおける略中央部に、ボス２０が２つずつ上下に並んで設けられる。各ボス２０には、洗濯槽５の内周面５Ｅに設けられたピン（図示せず）が挿入され、これにより、部品１が洗濯槽５に位置決めされる。

図５は、部品１の正面図である。図６は、図５のＶＩ−ＶＩ矢視断面図である。図７は、図５のＶＩＩ−ＶＩＩ矢視断面図である。
図５を参照して、吐出口１４の上下の幅Ｗについて、周方向Ｙにおける中央部１４Ａの幅を幅Ｗ１と称し、周方向における両端１４Ｂの幅を幅Ｗ２と称すると、幅Ｗ１は幅Ｗ２よりも狭く、幅Ｗは、両端１４Ｂから中央部１４Ａに向けて徐々に狭く形成される。つまり、吐出口１４の上下の幅Ｗは、両端１４Ｂよりも中央部１４Ａにおいて狭い。

単純に周方向Ｙに長手なだけの吐出口１４では、水路１５から吐出口１４まで上昇した水が、周方向Ｙにおける両端１４Ｂまで行き渡りにくい。しかし、本実施形態の部品１では、吐出口１４の上下の幅Ｗが両端１４Ｂよりも中央部１４Ａにおいて狭いことから、吐出口１４は、中央部１４Ａから両端１４Ｂへ向けて幅広である。そのため、水路１５から吐出口１４に向かう水の勢いが弱くでも、吐出口１４まで上昇した水は、吐出口１４において中央部１４Ａから両端１４Ｂまでの全域に行き渡るので、吐出口１４では周方向Ｙにおける全域から水を広範囲に吐き出すことができる。

図６を参照して、本体部１２の上端部１２Ｄの表面１２Ｂにおいて周方向Ｙにおける吐出口１４の両外側には、凹み２１が１つずつ隣接して設けられる。それぞれの凹み２１は、本体部１２の上端部１２Ｄにおいて、本体部１２の裏面１２Ａ側へ凹みつつ、上下方向Ｘに延びて形成される（図３も参照）。これにより、本体部１２では、上端部１２Ｄの表面１２Ｂが周方向Ｙにおける内側へ絞り込まれ、吐出口１４が、径方向内側Ｚ１へ膨出する略円弧状に縁取られる。そのため、吐出口１４は、径方向内側Ｚ１を臨むとともに、両端１４Ｂにおいて周方向Ｙも臨むように開口される。

この場合、吐出口１４から吐き出される水は、図６において破線で示すように、平面視において吐出口１４から径方向内側Ｚ１へ広がる扇状の吐出範囲Ｐ内に亘って拡散する。
本実施形態では、本体部１２の表面１２Ｂにおいて吐出口１４の両外側に凹み２１を設けるだけで、吐出口１４が、洗濯槽５の中心軸９側である径方向内側Ｚ１へ膨出する略円弧状に縁取られる。これにより、吐出口１４から吐出される水は、少ない流量であっても、径方向内側Ｚ１だけでなく周方向Ｙにも向かうように扇形の吐出範囲Ｐへと広範囲に広がり、洗濯物Ｓに万遍なく浴びせられる。よって、洗濯機２では、部品１において、水を洗濯物Ｓに万遍なく浴びせるための構成として略円弧状に縁取られる吐出口１４を設ける際の困難性を低減できる。

本体部１２に凹み２１を設ける手順としては、射出成形などによって本体部１２を成形する際に、凹み２１に応じた凸状部分を金型に設けておくことで、凹み２１を本体部１２とともに一体成形してもよい。または、成形後の本体部１２に、切削加工などによって凹み２１を後から設けてもよい。

図７を参照して、本体部１２の表面１２Ｂにおける吐出口１４の周囲には、リブ２２とガイド部材２３とが設けられる。リブ２２は、吐出口１４の下端を縁取るように吐出口１４に沿って周方向Ｙに延びつつ、径方向内側Ｚ１へ向けて水平方向Ｈに突出する。リブ２２は、水平方向Ｈに対して上方Ｘ１へ若干斜めに突出してもよい。ガイド部材２３は、本体部１２の表面１２Ｂにおいて吐出口１４の上端を縁取るように吐出口１４に沿って周方向Ｙに延びつつ、径方向内側Ｚ１へ向けて、水平方向Ｈに対して下方Ｘ２へ斜めに突出する。ガイド部材２３が下方Ｘ２へ斜めに突出する方向を、斜め下方Ｘ３と称する。

リブ２２とガイド部材２３とは、周方向Ｙに沿って平行に延び、周方向Ｙにおける両端部でつながらないので、吐出口１４の両端１４Ｂが周方向Ｙを臨んだ状態が維持される（図５および図６参照）。上下方向Ｘにおけるリブ２２とガイド部材２３との間隔が、前述した吐出口１４の幅Ｗである。

吐出口１４から吐き出される水は、リブ２２にガイドされることによって、本体部１２の表面１２Ｂに沿ってこぼれ落ちることなく、径方向内側Ｚ１へ向かう。ガイド部材２３は、リブ２２よりも径方向内側Ｚ１へ突出する。そのため、吐出口１４から吐き出されて径方向内側Ｚ１へ向かう水は、ガイド部材２３によって、水平方向Ｈに対して斜め下方Ｘ３へ導かれる。

よって、複数の部品１のそれぞれの吐出口１４から吐き出された水同士が洗濯槽５内で衝突するとしても、各吐出口１４から水が水平方向Ｈまたは水平方向Ｈに対する斜め上方に沿って吐き出されて衝突する場合に比べて、水同士の衝突位置を洗濯槽５内において出入口５Ａから下方の底壁５Ｃ側へ離すことができる（図２の太い破線矢印参照）。そのため、衝突した水が出入口５Ａの外へ飛散することを防止できるとともに、水を底壁５Ｃ側の洗濯物Ｓに一層万遍なく浴びせることができる。

図８は、変形例に係る部品１の要部の正面図である。
変形例に係る部品１は、前述したように複数揃えられることを前提とする。部品１のそれぞれは、図８において黒く塗り潰して示すように、吐出口１４において周方向Ｙにおける同じ側の一端部を塞ぐ閉塞部材２４を含む。閉塞部材２４は、リブ２２とガイド部材２３との間に架設されるブロック状であり、本体部１２と一体形成されてもよいし、本体部１２に対して後付けで取り付けられてもよい。個々の部品１を径方向内側Ｚ１から見ると、いずれの部品１においても、閉塞部材２４は、吐出口１４において周方向Ｙにおける一端部（図８では左端部）だけに設けられ、当該一端部を塞ぐ。これにより、いずれの部品１においても、吐出口１４の両端１４Ｂにおける一方のみが周方向Ｙを臨み、両端１４Ｂにおいて閉塞部材２４が設けられた他方は周方向Ｙを臨めなくなる。

図９は、変形例に係る部品１が複数装着された洗濯槽５の内部の模式的な平面図である。
図９に示すように、変形例に係る部品１を用いる場合、それぞれの部品１において吐出口１４から吐き出される水の平面視における吐出範囲Ｐは、閉塞部材２４が存在しないときに比べて、破線ハッチングが付された領域Ｑだけ狭くなる。つまり、吐出口１４から吐き出される水は、閉塞部材２４に妨げられることによって、領域Ｑには拡散しないように吐出方向が制限される。よって、複数の部品１のそれぞれの吐出口１４から吐き出された水同士を極力衝突させないことによって、衝突した水が出入口５Ａの外へ飛散することを防止できるとともに、水を洗濯物Ｓに一層万遍なく浴びせることができる。

この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、部品１の本体部１２は、カバー状であって、水路１５は、本体部１２の裏面１２Ａと裏面１２Ａにおける一対のリブ１９と洗濯槽５の内周面５Ｅとに区画された空間である。これに代え、本体部１２が中空体であって、その中空部分が水路１５となることによって、本体部１２に水路１５が内蔵されてもよい。

１ 部品
２ 洗濯機
５ 洗濯槽
５Ａ 出入口
５Ｃ 底壁
５Ｅ 内周面
９ 中心軸
１２ 本体部
１２Ａ 裏面
１２Ｂ 表面
１２Ｃ 下端部
１２Ｄ 上端部
１３ 取込口
１４ 吐出口
１４Ａ 中央部
１４Ｂ 両端
１５ 水路
２１ 凹み
２３ ガイド部材
２４ 閉塞部材
Ｈ 水平方向
Ｓ 洗濯物
Ｗ 幅
Ｘ１ 上方
Ｘ３ 斜め下方
Ｙ 周方向

Claims (4)

1. 洗濯物の出入口が上端に形成され底壁が下端に設けられた有底円筒状の洗濯槽を有する縦型洗濯機に用いられる部品であって、
   前記洗濯槽の内周面に対向する裏面と、前記裏面とは反対側にあり前記洗濯槽の中心軸側を臨む表面とを有し、上下に沿った姿勢で前記洗濯槽の内周面に取り付けられる本体部と、
   前記本体部の下端部に設けられ、前記洗濯槽内の水を前記底壁側から取り込むための取込口と、
   前記本体部に設けられ、前記取込口で取り込まれた水を上方へ導くための水路と、
   前記本体部の上端部の表面に設けられ、前記水路によって導かれた水を吐き出して前記洗濯槽内の洗濯物に上方から浴びせるための吐出口と、
   を含み、
   前記吐出口は、前記洗濯槽の内周面の周方向に長手であり、
   前記吐出口の上下の幅は、前記周方向における両端よりも前記周方向における中央部において狭く、
   前記本体部の表面において前記周方向における前記吐出口の両外側には、凹みが隣接して設けられることを特徴とする部品。
2. 前記部品は、複数揃って前記周方向に並んだ状態で、前記洗濯槽の内周面に取り付けられ、
   前記部品のそれぞれは、前記本体部の表面において前記吐出口の上端を縁取るように設けられ、前記吐出口から吐き出される水を水平方向に対して斜め下方へ導くガイド部材を含むことを特徴とする請求項１記載の部品。
3. 前記部品は、複数揃って前記周方向に並んだ状態で、前記洗濯槽の内周面に取り付けられ、
   前記部品のそれぞれは、前記吐出口において前記周方向における同じ側の一端部を塞ぐ閉塞部材を含むことを特徴とする請求項１または２記載の部品。
4. 請求項１〜３のいずれかに記載の部品を備えることを特徴とする洗濯機。

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