JP2015137353A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

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郁子 恵比澤
Ikuko Ebisawa
郁子 恵比澤
正洋 山下
Masahiro Yamashita
正洋 山下
崇史 雪田
Takashi Yukita
崇史 雪田
寛矛 兼吉
Hiromu Kaneyoshi
寛矛 兼吉
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Abstract

【課題】工業的製法において有利な高温条件下においても高分子量のオレフィン重合体を効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】式[1]で表される架橋メタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、40〜200℃の重合温度条件下において、炭素数2〜20のα−オレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
Figure 2015137353

[R1は3級炭化水素基;R2〜R8はH、炭化水素基等;Mは第4族遷移金属;Qはハロゲン原子等;jは1〜4の整数;Zは特定構造を持つフルオレン誘導体]
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン重合体の製造方法に関する。
近年、オレフィン重合用の均一系触媒として、メタロセン化合物がよく知られている。メタロセン化合物を用いてオレフィンを重合する方法(特に、α−オレフィンを重合する方法)に関しては、W.Kaminskyらによってアイソタクチック重合が報告されて以来、立体規則性や重合活性の更なる向上という視点から、多くの改良研究が行なわれている(非特許文献1)。
メタロセン化合物を用いたα−オレフィンの重合では、メタロセン化合物の配位子のシクロペンタジエニル環に置換基を導入したり、2個のシクロペンタジエニル環を架橋させたりすることにより、得られるオレフィン重合体の立体規則性や分子量が大きく変化することが知られている。
例えば、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環とが架橋された配位子を有するメタロセン化合物をプロピレン重合用触媒に用いた場合、重合体の立体規則性の観点からみると、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドではシンジオタクチックポリプロピレンが(非特許文献2)、シクロペンタジエニル環の3位にメチル基を導入したジメチルメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドではヘミアイソタクチックポリプロピレンが(特許文献1)、同様に、tert−ブチル基を導入したジメチルメチレン(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドではアイソタクチックポリプロピレンが得られる(特許文献2)。
このように、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環とが架橋された配位子を有するメタロセン化合物については多くの報告例がある。一方、フルオレン環の3,6位の置換基の種類については、報告例が極めて限定されている。具体的には、フルオレン環の3,6位にtert−ブチル基が置換したメタロセン化合物やフルオレン環の2,3位、6,7位が飽和6員環を形成しているメタロセン化合物は知られている(特許文献3)。近年、3,6位に不飽和結合が置換したフルオレン環を有するメタロセン化合物の合成の報告例が出願人よりなされている(特許文献4)。
特開平3−193796号公報 特開平6−122718号公報 国際公開第01/27124号パンフレット 国際公開第2006/126608号パンフレット
Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 24, 507 (1985) J. Am. Chem. Soc., 110, 6255 (1988)
上記メタロセン化合物を用いた重合用触媒は、重合活性、立体規則性または分子量などの視点から更なる改良が望まれている。本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、工業的製法において有利な高温条件下においても高分子量のオレフィン重合体を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の構造を有するメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、例えば以下の[1]〜[10]に関する。
[1](A)一般式[1]で表される架橋メタロセン化合物と、(B)(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(b−2)架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、(b−3)有機アルミニウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含むオレフィン重合用触媒の存在下に、40℃以上200℃以下の重合温度条件下において、炭素数2以上20以下のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
Figure 2015137353
[式[1]中、R1は3級炭化水素基であり、R2〜R8は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく;Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、Qが複数ある場合はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、jは1〜4の整数であり;Zは一般式[2]または一般式[3]で表されるフルオレン誘導体である。]
Figure 2015137353
[式[2]中、R9〜R20は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。*は結合部位を示す。]
Figure 2015137353
[式[3]中、R21〜R28は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。*は結合部位を示す。]
[2]一般式[3]で表されるフルオレン誘導体において、R21、R22、R24、R25、R27およびR28がアルキル基であり、R23およびR26が水素原子であることを特徴とする前記[1]に記載のオレフィン重合体の製造方法。
[3]一般式[1]において、R1がtert−ブチル基または1−アダマンチル基であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載のオレフィン重合体の製造方法。
[4]一般式[1]において、R7が炭素数1〜20の炭化水素基であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
[5]一般式[1]において、R2およびR8が水素原子であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
[6]オレフィン重合用触媒が、さらに担体(C)を含むことを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
[7]前記モノマーの少なくとも1種が、プロピレンであることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
[8]前記モノマーの少なくとも1種が、4−メチル−1−ペンテンであることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
[9]前記[7]または[8]に記載のオレフィン重合体の製造方法であって、無水素条件下におけるオレフィン重合活性が、50kg/mmol-M/h以上1000000kg/mmol-M/h以下(Mは、式[1]中のMと同義である)であり、かつ得られるオレフィン重合体が下記要件(ia)〜(iia)を同時に満たすことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
(ia)プロピレン由来の構成単位(P)が50モル%≦P≦100モル%
(iia)135℃デカリン中における極限粘度[η]が0.5dl/g≦[η]≦20dl/g
[10]前記[7]または[8]に記載のオレフィン重合体の製造方法であって、無水素条件下におけるオレフィン重合活性が、1kg/mmol-M/h以上1000000kg/mmol-M/h以下(Mは、式[1]中のMと同義である)であり、かつ得られるオレフィン重合体が下記要件(ib)〜(iib)を同時に満たすことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
(ib)4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位(M)が50モル%≦M≦100モル%
(iib)135℃デカリン中における極限粘度[η]が2.0dl/g≦[η]≦20dl/g
本発明によれば、特定の構造を有するメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒を用いることにより、高分子量のオレフィン重合体を効率よく製造することができる。
以下、本発明のオレフィン重合体の製造方法、前記方法で好適に用いることのできる架橋メタロセン化合物について説明する。本発明で用いられる架橋メタロセン化合物(以下「メタロセン化合物(A)」ともいう)について説明した後、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法について説明する。
なお、以下の説明において、N1以上N2以下(N1およびN2は、それぞれ数値範囲の下限値および上限値を示す)を、単に「N1〜N2」と記載することもある。例えば、炭素数2以上20以下のα−オレフィンを、「炭素数2〜20のα−オレフィン」と記載することもある。
〔メタロセン化合物(A)〕
メタロセン化合物(A)は、一般式[1]で表される。
Figure 2015137353
式[1]中、R1は3級炭化水素基であり、R2〜R8は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく;Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、Qが複数ある場合はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、jは1〜4の整数であり;Zは一般式[2]または一般式[3]で表されるフルオレン誘導体である。
Figure 2015137353
式[2]中、R9〜R20は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。*は結合部位を示す。
Figure 2015137353
式[3]中、R21〜R28は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。*は結合部位を示す。
メタロセン化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒を用いることにより、例えばプロピレン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンを重合する場合、高分子量のオレフィン重合体を効率よく製造することができる。すなわち、メタロセン化合物(A)は、オレフィン重合体、特にプロピレン重合体および4−メチル−1−ペンテン重合体を製造するためのオレフィン重合用の触媒成分として好適に用いることができる。
以下、メタロセン化合物(A)について、式[1]〜式[3]中の各基の具体例および好適例を説明するが、各々の基について記載した好ましい基の任意の組合せからなる化合物を、好ましいメタロセン化合物(A)として挙げることができる。
〈R 1 〜R 28 について〉
以下、式[1]〜式[3]におけるR1〜R28に係る各基について説明する。特に言及しない限り、式[1]〜式[3]においてR1〜R28として列挙された各基(炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基)について、以下の基を例示することができる。
炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の飽和脂環式基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基等の炭素数1〜20の炭化水素基が例示される。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等の直鎖状アルキル基;iso−プロピル基、tert−ブチル基、アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が例示される。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10である。
炭素数3〜20の飽和脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基等の脂環式多環基が例示される。飽和脂環式基の炭素数は、好ましくは5〜11である。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ビフェニル基等の非置換アリール基;o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、iso−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、キシリル基等のアルキルアリール基が例示される。アリール基の炭素数は、好ましくは6〜10である。
炭素数7〜20のアラルキル基としては、ベンジル基、クミル基、α−フェネチル基、β−フェネチル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基、ネオフィル基等の非置換アラルキル基;o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、エチルベンジル基、n−プロピルベンジル基、iso−プロピルベンジル基、n−ブチルベンジル基、sec−ブチルベンジル基、tert−ブチルベンジル基等のアルキルアラルキル基が例示される。アラルキル基の炭素数は、好ましくは7〜12である。
ケイ素含有基としては、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等のアルキルシリル基;ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等のアリールシリル基が例示される。アルキルシリル基の炭素数は1〜10が好ましい。アリールシリル基の炭素数は8〜18が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
ハロゲン含有炭化水素基としては、上記炭化水素基が有する少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子で置換してなる基が例示され、具体的には、トリフルオロメチル基等のフルオロアルキル基などのハロゲン置換アルキル基;ペンタフルオロフェニル基等のフルオロアリール基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、クロロナフチル基等のクロロアリール基、o−ブロモフェニル基、m−ブロモフェニル基、p−ブロモフェニル基、ブロモナフチル基等のブロモアリール基、o−ヨードフェニル基、m−ヨードフェニル基、p−ヨードフェニル基、ヨードナフチル基等のヨードアリール基などの上記非置換アリール基のハロゲン置換基;トリフルオロメチルフェニル基等のフルオロアルキルアリール基、ブロモメチルフェニル基、ジブロモメチルフェニル基等のブロモアルキルアリール基、ヨードメチルフェニル基、ジヨードメチルフェニル基等のヨードアルキルアリール基などの上記アルキルアリール基のハロゲン置換基;などのハロゲン置換アリール基;o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、クロロフェネチル基等のクロロアラルキル基、o−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、p−ブロモベンジル基、ブロモフェネチル基等のブロモアラルキル基、o−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、p−ヨードベンジル基、ヨードフェネチル基等のヨードアラルキル基などの上記非置換アラルキル基のハロゲン置換基などのハロゲン置換アラルキル基;等が例示される。
式[1]〜式[3]において、隣接した2つの置換基(例:R3とR4、R4とR5、R5とR6、R6とR7、R9とR10、R10とR11、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R15とR16、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R19とR20、R21とR22、R22とR23、R23とR24、R25とR26、R26とR27、R27とR28)が互いに結合して、これらの置換基が結合している環炭素とともに環を形成していてもよく、前記環形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。
本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環、ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環;ベンゼン環;水素化ベンゼン環;シクロペンテン環;フラン環、チオフェン環等のヘテロ環およびこれに対応する水素化ヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環;ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。
1は3級炭化水素基であり、炭素数は好ましくは4〜20、より好ましくは4〜12である。3級炭化水素基としては、具体的には、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−アミル基等の3級アルキル基、1−メチルシクロヘキシル基等の3級シクロアルキル基、1−アダマンチル基等の3級脂環式多環基が例示でき、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−アミル基、1−アダマンチル基が好ましく、tert−ブチル基または1−アダマンチル基が特に好ましい。R1が前記基であると好ましい理由としては、触媒構造の安定化に寄与し、生成するオレフィン重合体の立体規則性の向上へ繋がると考えられるからである。
2およびR8は水素原子であることが好ましい。R2およびR8が水素原子であると好ましい理由としては、生成するオレフィン重合体を効率的に得ることが出来ると考えられるからである。
7は炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基である。炭化水素基としては、上記で列挙した、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の飽和脂環式基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が例示され、好ましくは当該アルキル基および当該アリール基であり、より好ましくは当該アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。R7が前記基であると好ましい理由としては、触媒構造が安定化し、生成するオレフィン重合体の分子量向上に繋がると考えられるからである。
3〜R6は、それぞれ独立に水素原子、または上記で列挙した炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数3〜20の飽和脂環式基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、シクロヘキシル基である。また、R4およびR5が互いに結合してシクロペンタン環またはシクロヘキサン環等の脂環を形成していることも好ましい。これらの基が前記基であると好ましい理由としては、オレフィン重合体の安定性に寄与し、重合活性の向上に繋がると考えられるからである。
9〜R28は、それぞれ独立に水素原子、または上記で列挙した炭化水素基であることが好ましく、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の飽和脂環式基または炭素数6〜20のアリール基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、シクロヘキシル基である。また、隣接した置換基が互いに結合してシクロペンタン環またはシクロヘキサン環等の脂環や、ベンゼン環等の芳香環を形成していることも好ましい。特に好ましくはR9、R10、R13、R14、R15、R16、R19、R20、R21、R22、R24、R25、R27およびR28がメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等のアルキル基から選ばれ、R11、R12、R17、R18、R23およびR26が水素原子であることが好ましい。これらの基が前記基であると好ましい理由としては、オレフィン重合体の安定性に寄与し、重合活性の向上に繋がると考えられるからである。
メタロセン化合物(A)は、フルオレン環の2,3位および6,7位が結合して5員環を形成しているメタロセン化合物であることを特徴とする。フルオレン環の2,3位および6,7位が結合して5員環を形成していることで、メタロセン化合物(A)に配位したポリマーの側鎖部分と5員環部分との立体反発が低下するためにβ水素脱離が抑制され、オレフィン重合体の分子量が高くなると考えられる。
〈M、Qおよびjについて〉
Mは第4族遷移金属、すなわちTi、ZrまたはHfであり、好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
Qはハロゲン原子(例:フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示す。
Qにおける炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましい。炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、ネオペンチル基が例示され;炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基が例示される。Qにおける炭化水素基の炭素数は、5以下であることがより好ましい。
炭素数10以下の中性の共役または非共役ジエンとしては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエンが例示される。
アニオン配位子としては、メトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基が例示される。
孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物;テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が例示される。
Qの好ましい態様は、ハロゲン原子または炭素数1〜5のアルキル基である。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。
〈メタロセン化合物(A)の例示〉
メタロセン化合物(A)の具体例を示すが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。なお、本発明においてメタロセン化合物(A)は、単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
説明する際の便宜上、メタロセン化合物(A)のMQj(金属部分)を除いたリガンド構造を、シクロペンタジエニル誘導体部分(α)とフルオレニル部分(β)との2つに分ける。それぞれの部分構造の具体例を表1および表2に示す。
Figure 2015137353
Figure 2015137353
上記表に従えば、α7、β1の組合せからなるリガンド構造で、金属部分MQjがZrCl2の場合は下記メタロセン化合物を例示している。
Figure 2015137353
MQjの具体的な例示としては、ZrCl2、ZrBr2、ZrMe2、Zr(Me)(Et)、Zr(OTs)2、Zr(OMs)2、Zr(OTf)2、TiCl2、TiBr2、TiMe2、Ti(Me)(Et)、Ti(OTs)2、Ti(OMs)2、Ti(OTf)2、HfCl2、HfBr2、HfMe2、Hf(Me)(Et)、Hf(OTs)2、Hf(OMs)2、Hf(OTf)2などが挙げられる。Meはメチル基、Etはエチル基、Tsはp−トルエンスルホニル基、Msはメタンスルホニル基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を示す。
〈メタロセン化合物(A)の合成〉
本発明で用いられるメタロセン化合物(A)は、例えば、以下の特許公報に記載された方法に準拠して合成することができる。具体的には、特開2000−212194号公報、特開2004−168744号公報、特開2004−189666号公報、特開2004−161957号公報、特開2007−302854号公報、特開2007−302853号公報、国際公開第01/027124号パンフレット等である。
〔オレフィン重合用触媒〕
本発明のオレフィン重合体の製造方法で用いられるオレフィン重合用触媒は、上述したメタロセン化合物(A)に加えて、以下に説明する化合物(B)を含有し、さらに他の成分を含有していてもよい。
[化合物(B)]
本発明では、オレフィン重合用触媒の成分として、化合物(B)を用いる。化合物(B)は、(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(b−2)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および(b−3)有機アルミニウム化合物から選択される少なくとも1種である。これらの中では、有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)を少なくとも用いることが好ましい。有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)は生成するオレフィン重合体を効率的に得る観点から好ましい。
〈有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)〉
有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)としては、一般式[B1]で表される化合物および一般式[B2]で表される化合物等の従来公知のアルミノキサン、一般式[B3]で表される構造を有する修飾メチルアルミノキサン、一般式[B4]で表されるボロン含有有機アルミニウムオキシ化合物が例示される。
Figure 2015137353
式[B1]および[B2]において、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、好ましくはメチル基であり、nは2以上、好ましくは3以上、より好ましくは10以上の整数である。本発明では、式[B1]および[B2]において、Rがメチル基(Me)であるメチルアルミノキサンが好適に使用される。
Figure 2015137353
式[B3]において、Rは炭素数2〜10の炭化水素基であり、mおよびnはそれぞれ独立に2以上の整数である。複数あるRは相互に同一でも異なっていてもよい。修飾メチルアルミノキサン[B3]は、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムとを用いて調製することができる。このような修飾メチルアルミノキサン[B3]は、一般にMMAO(modified methyl aluminoxane)と呼ばれている。MMAOは、具体的には米国特許第4960878号および米国特許第5041584号で挙げられる方法で調製することが出来る。
また、東ソー・ファインケム社等からも、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとを用いて調製された(すなわち、一般式[B3]においてRがイソブチル基である)修飾メチルアルミノキサンが、MMAOやTMAOという商品名で商業的に生産されている。
MMAOは各種溶媒への溶解性および保存安定性が改善されたアルミノキサンである。具体的には一般式[B1]または[B2]で表される化合物等のようなベンゼンに対して不溶性または難溶性の化合物とは異なり、MMAOは脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素および芳香族炭化水素に溶解するものである。
Figure 2015137353
式[B4]において、Rcは炭素数1〜10の炭化水素基である。複数あるRdはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基である。本発明では、後述するような高温においてもオレフィン重合体を製造することができる。したがって、本発明の特徴の一つに、特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性または難溶性の有機アルミニウムオキシ化合物をも使用できることが挙げられる。また、特開平2−167305号公報に記載されている有機アルミニウムオキシ化合物、特開平2−24701号公報、特開平3−103407号公報に記載されている2種以上のアルキル基を有するアルミノキサンなども好適に使用できる。
なお、上記の「ベンゼン不溶性または難溶性の」有機アルミニウムオキシ化合物とは、60℃のベンゼンに溶解する当該化合物の溶解量が、Al原子換算で通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下である有機アルミニウムオキシ化合物をいう。
本発明において、上記例示の有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)は、単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
〈メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(b−2)〉
メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(b−2)(以下「イオン性化合物(b−2)」ともいう)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、特開2004−51676号公報、米国特許第5321106号等に記載された、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物が例示される。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も例示される。これらの中では、イオン性化合物(b−2)としては、一般式[B5]で表される化合物が好ましい。
Figure 2015137353
式[B5]において、Re+としては、H+、オキソニウムカチオン、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンが例示される。Rf、Rg、RhおよびRiはそれぞれ独立に有機基、好ましくはアリール基、ハロゲン置換アリール基を示す。
上記カルベニウムカチオンとしては、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオン等の三置換カルベニウムカチオンが例示される。
アンモニウムカチオンとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオンが例示される。
ホスホニウムカチオンとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオンが例示される。
e+としては、上記例示の中では、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンが好ましく、トリフェニルカルベニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが特に好ましい。
1.R e+ がカルベニウムカチオンの場合(カルベニウム塩)
カルベニウム塩としては、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが例示される。
2.R e+ がアンモニウムカチオンの場合(アンモニウム塩)
アンモニウム塩としては、トリアルキルアンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩が例示される。
トリアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムが例示される。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩としては、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが例示される。
ジアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートが例示される。
イオン性化合物(b−2)は、単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
〈有機アルミニウム化合物(b−3)〉
有機アルミニウム化合物(b−3)としては、一般式[B6]で表される有機アルミニウム化合物、一般式[B7]で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物が例示される。
a mAl(ORbnpq …[B6]
式[B6]において、RaおよびRbはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。
2AlRa 4 …[B7]
式[B7]において、M2はLi、NaまたはKであり、複数あるRaはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。
有機アルミニウム化合物[B6]としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリn−アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウム等のトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウム等のトリアリールアルミニウム;ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;一般式(i−C49xAly(C510z(式中、x、yおよびzは正の数であり、z≦2xである。)などで表されるイソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド等のアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;一般式Ra 2.5Al(ORb0.5(式中、RaおよびRbは式[B6]中のRaおよびRbと同義である。)で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノキシド)等のアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド等の部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリド等の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム;が例示される。
錯アルキル化物[B7]としては、LiAl(C254、LiAl(C7154が例示される。また、錯アルキル化物[B7]に類似する化合物も使用することができ、窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物が例示される。このような化合物としては、(C252AlN(C25)Al(C252が例示される。
有機アルミニウム化合物(b−3)としては、入手が容易な点から、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、有機アルミニウム化合物(b−3)は、1種で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
[担体(C)]
本発明では、オレフィン重合用触媒の成分として、担体(C)を用いてもよい。担体(C)は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
〈無機化合物〉
無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土鉱物、粘土(通常は該粘土鉱物を主成分として構成される。)、イオン交換性層状化合物(大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。)が例示される。多孔質酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2;これらの酸化物を含む複合物または混合物が例示される。複合物または混合物としては、天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOが例示される。これらの中では、SiO2およびAl23の何れか一方または双方の成分を主成分とする多孔質酸化物が好ましい。
多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、粒径が好ましくは10〜300μm、より好ましくは20〜200μmの範囲にあり;比表面積が好ましくは50〜1000m2/g、より好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり;細孔容積が好ましくは0.3〜3.0cm3/gの範囲にある。このような多孔質酸化物は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2が例示される。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に上記無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させた成分を用いることもできる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。なお、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有されるイオンが交換可能な化合物である。
具体的には、粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、合成雲母等のウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ヘクトライト、テニオライト、ハロイサイトが例示され;イオン交換性層状化合物としては、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物が例示される。具体的には、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2O等の多価金属の結晶性酸性塩が例示される。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理としては、具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理が例示される。
また、イオン交換性層状化合物は、そのイオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した層状化合物としてもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常はピラーと呼ばれる。例えば、層状化合物の層間に下記金属水酸化物イオンをインターカレーションした後に加熱脱水することにより、層間に酸化物支柱(ピラー)を形成することができる。なお、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。
インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物;Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基など);[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+等の金属水酸化物イオンが例示される。これらのゲスト化合物は、単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
また、ゲスト化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)を加水分解および重縮合して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。
無機化合物の中では、粘土鉱物および粘土が好ましく、モンモリロナイト群、バーミキュライト、ヘクトライト、テニオライトおよび合成雲母が特に好ましい。
〈有機化合物〉
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状または微粒子状の固体が例示される。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜14のα−オレフィンを主成分として合成される重合体;ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として合成される重合体;これら重合体の変成体が例示される。
[有機化合物成分(D)]
本発明では、オレフィン重合用触媒の成分として、有機化合物成分(D)を用いてもよい。有機化合物成分(D)は、必要に応じて、α−オレフィンの重合反応における重合性能およびオレフィン重合体の物性を向上させる目的で使用される。有機化合物成分(D)としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、スルホン酸塩が例示される。
[各成分の使用法および添加順序]
オレフィン重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。以下では、メタロセン化合物(A)、化合物(B)、担体(C)および有機化合物成分(D)を、それぞれ「成分(A)」〜「成分(D)」ともいう。
(1)成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(2)成分(A)を成分(C)に担持した触媒成分と、
成分(B)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(B)を成分(C)に担持した触媒成分と、
成分(A)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(A)と成分(B)とを成分(C)に担持した触媒成分を
重合器に添加する方法。
(5)成分(A)、成分(B)および成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
上記(1)〜(5)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2種は予め接触されていてもよい。成分(B)が担持されている上記(3)、(4)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。また、成分(C)に成分(A)が担持された固体触媒成分、成分(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
〔オレフィン重合体の製造方法〕
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上記オレフィン重合用触媒の存在下で、40℃以上200℃以下の重合温度条件下において、炭素数2以上20以下のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合する工程を有する。ここで「重合」とは、単独重合および共重合を総称する意味で用いる。また「オレフィン重合用触媒の存在下でモノマーを重合する」とは、上記(1)〜(5)の各方法のように、任意の方法でオレフィン重合用触媒の各成分を重合器に添加してモノマーを重合する態様を包含する。
第1の好適態様では、上記オレフィン重合用触媒の存在下で、少なくともプロピレンを重合することにより、プロピレン由来の構成単位を50〜100モル%、好ましくは55〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%の範囲で含むオレフィン重合体を製造する。ただし、プロピレン由来の構成単位の含量とプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含量との合計を100モル%とする。
第2の好適態様では、上記オレフィン重合用触媒の存在下で、少なくとも4−メチル−1−ペンテンを重合することにより、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位を50〜100モル%、好ましくは55〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%の範囲で含むオレフィン重合体を製造する。ただし、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含量と4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含量との合計を100モル%とする。
本発明では、重合は、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。不活性炭化水素媒体は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、重合に供給されうる液化オレフィン自身を溶媒として用いる、いわゆるバルク重合法を用いることもできる。
上記オレフィン重合用触媒を用いてモノマーの重合を行うに際して、オレフィン重合用触媒を構成しうる各成分の使用量は以下のとおりである。また、上記オレフィン重合用触媒において、各成分の含有量を以下のとおりに設定することができる。
(1)オレフィン重合用触媒を用いて、モノマーの重合を行うに際して、メタロセン化合物(A)は、反応容積1リットル当り、通常は10-9〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルとなるような量で用いられる。
(2)オレフィン重合用触媒の成分として有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)を用いる場合には、化合物(b−1)は、化合物(b−1)中のアルミニウム原子(Al)とメタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔Al/M〕が、通常は0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。
(3)オレフィン重合用触媒の成分としてイオン性化合物(b−2)を用いる場合には、化合物(b−2)は、化合物(b−2)とメタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−2)/M〕が、通常は1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
(4)オレフィン重合用触媒の成分として有機アルミニウム化合物(b−3)を用いる場合には、化合物(b−3)は、化合物(b−3)とメタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−3)/M〕が、通常は10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。
(5)オレフィン重合用触媒の成分として有機化合物成分(D)を用いる場合には、化合物(B)が有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−1)とのモル比〔(D)/(b−1)〕が、通常は0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で;化合物(B)がイオン性化合物(b−2)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−2)とのモル比〔(D)/(b−2)〕が、通常は0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で;化合物(B)が有機アルミニウム化合物(b−3)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−3)とのモル比〔(D)/(b−3)〕が、通常は0.01〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で用いられる。
本発明の製造方法において、モノマーの重合温度は、通常40〜200℃、好ましくは40〜180℃であり、特に好ましくは40〜150℃(換言すれば、特に好ましくは工業化可能な温度である。);重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧である。重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる二段以上に分けて行うこともできる。得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素等を存在させるか、重合温度を変化させるか、または成分(B)の使用量により調節することができる。
本発明の製造方法は、工業的製法において有利な高温条件下であっても、高い触媒活性を維持しつつ、高い分子量を有する、プロピレン重合体や4−メチル−1−ペンテン重合体等のオレフィン重合体を製造することが可能である。
特に水素は、触媒の重合活性を向上させる効果や、重合体の分子量を増加または低下させる効果が得られることがあり、好ましい添加物であるといえる。系内に水素を添加する場合、その量はモノマー1モルあたり0.00001〜100NL程度が適当である。系内の水素濃度は、水素の供給量を調整する以外にも、水素を生成または消費する反応を系内で行う方法や、膜を利用して水素を分離する方法、水素を含む一部のガスを系外に放出することによっても調整することができる。
本発明の製造方法で得られたオレフィン重合体に対しては、上記方法で合成した後に、必要に応じて公知の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処理工程を行ってよい。
〈モノマー〉
本発明の製造方法において、重合反応に供給されるモノマーは、例えば、炭素数2〜20のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のオレフィンである。
炭素数2〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げられる。直鎖状または分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセンが挙げられる。炭素数2〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種が好ましく、プロピレン、4−メチル−1−ペンテンが特に好ましい。α−オレフィンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
α−オレフィンとしてプロピレンを用いる場合、必要に応じてエチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のオレフィンAを併用することができる。プロピレンとともに用いることのできる前記オレフィンAは、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種が好ましく、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンが挙げられる。中でも、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、1−ブテンまたは4−メチル−1−ペンテンであることが特に好ましい。
α−オレフィンとしてプロピレンを用い、かつ上記オレフィンAを用いる場合、プロピレンと上記オレフィンAとの使用量比は、プロピレン:上記オレフィンA(モル比)で、通常1:10〜5000:1、好ましくは1:5〜1000:1である。
α−オレフィンとして4−メチル−1−ペンテンを用いる場合、必要に応じて4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のオレフィンBを併用することができる。4−メチル−1−ペンテンとともに用いることのできる前記オレフィンBは、炭素数2〜10のα−オレフィンから選択される少なくとも1種が好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンが挙げられる。中でも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
α−オレフィンとして4−メチル−1−ペンテンを用い、かつ上記オレフィンBを用いる場合、4−メチル−1−ペンテンと上記オレフィンBとの使用量比は、4−メチル−1−ペンテン:上記オレフィンB(モル比)で、通常1:10〜5000:1、好ましくは1:5〜1000:1である。
また、環状オレフィン、極性基含有モノマー、末端水酸基化ビニル化合物、および芳香族ビニル化合物から選択される少なくとも1種を反応系に共存させて重合を進めることもできる。また、ポリエンを併用することも可能である。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ビニルシクロヘキサン等のその他の成分を共重合してもよい。炭素数2〜20のα−オレフィン100質量部に対して、他のモノマーは、例えば20質量部以下、好ましくは15質量部以下の量で用いることができる。
環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンが挙げられる。
極性基含有モノマーとしては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和グリシジル;
が挙げられる。
末端水酸基化ビニル化合物としては、例えば、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ウンデセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の直鎖状の末端水酸基化ビニル化合物;水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセン等の分岐状の末端水酸基化ビニル化合物が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の官能基含有スチレン誘導体;3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンが挙げられる。
ポリエンとしては、ジエンおよびトリエンから選択されることが好ましい。重合反応に供給される全オレフィンに対して、ポリエンを0.0001〜1モル%の範囲内で用いることも好ましい態様である。
ジエンとしては、例えば、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等のα,ω−非共役ジエン;エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン等の非共役ジエン;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンが挙げられる。これらの中でも、α,ω−非共役ジエンや、ノルボルネン骨格を有するジエンが好ましい。
トリエンとしては、例えば、6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、6,9-ジメチル-1,5,8-デカトリエン、6,8,9-トリメチル-1,5,8-デカトリエン、6-エチル-10-メチル-1,5,9-ウンデカトリエン、4-エチリデン-1,6,-オクタジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMND)、7-メチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、7-エチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-6-プロピル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-1,7-ノナジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、4-エチリデン-1,7-ウンデカンジエン等の非共役トリエン;1,3,5-ヘキサトリエン等の共役トリエンが挙げられる。これらの中でも、末端に二重結合を有する非共役トリエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMND)が好ましい。
ジエンまたはトリエンはそれぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ジエンとトリエンとを組み合わせて用いてもよい。ポリエンの中でも、特にα,ω−非共役ジエンや、ノルボルネン骨格を有するポリエンが好ましい。
本発明のオレフィン重合体の第1の製造方法は、無水素条件下におけるオレフィン重合活性が、50kg/mmol-M/h以上1000000kg/mmol-M/h以下であり、好ましくは50kg/mmol-M/h以上100000kg/mmol-M/h以下であり、かつ得られるオレフィン重合体が下記要件(ia)〜(iia)を同時に満たすことが好ましい。重合活性におけるMは、式[1]中のMと同義である。
(ia)プロピレン由来の構成単位(P)が50モル%≦P≦100モル%
(iia)135℃デカリン中における極限粘度[η]が0.5dl/g≦[η]≦20dl/g
構成単位(P)および極限粘度[η]が上記範囲にあることにより、得られるオレフィン重合体中の金属を減少させることができ、かつ成型加工性の観点から好ましい。
また、本発明の第2のオレフィン重合体の製造方法は、無水素条件下におけるオレフィン重合活性が、1kg/mmol-M/h以上1000000kg/mmol-M/h以下であり、好ましくは1kg/mmol-M/h以上500000kg/mmol-M/h以下であり、かつ得られるオレフィン重合体が下記要件(ib)〜(iib)を同時に満たすことが好ましい。重合活性におけるMは、式[1]中のMと同義である。
(ib)4−メチル―1−ペンテン由来の構成単位(M)が50モル%≦M≦100モル%
(iib)135℃デカリン中における極限粘度[η]が2.0dl/g≦[η]≦20dl/g
構成単位(M)および極限粘度[η]が上記範囲にあることにより、得られるオレフィン重合体中の金属を減少させることができ、かつ成型加工性の観点から好ましい。
なお、上記第1および第2の製造方法において、「無水素条件下におけるオレフィン重合活性」とは、無水素条件下にオレフィン重合を行った場合の重合活性を示しているのであって、本発明の製造方法が無水素条件に限定されるわけではない。
〔オレフィン重合体〕
本発明によれば、上述した特定の構造を有するメタロセン化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、1種または2種以上の炭素数2〜20のα−オレフィンを重合することで;好ましくは、プロピレンと、必要に応じてエチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のオレフィンAとを重合することにより、または4−メチル−1−ペンテンと、必要に応じて4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のオレフィンBとを重合することにより、オレフィン重合体を効率よく製造することができる。
本発明のオレフィン重合体の一態様としては、プロピレン由来の構成単位を50モル%以上、好ましくは55モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上の範囲で含むプロピレン重合体が挙げられる。前記プロピレン重合体が共重合体であって、上述のプロピレン以外のオレフィンA由来の構成単位を含む場合は、プロピレン由来の構成単位の上限値は、好ましくは99.5モル%、さらに好ましくは99モル%である。前記プロピレン重合体が共重合体である場合は、上述のプロピレン以外のオレフィンA由来の構成単位を合計で好ましくは0.5〜20モル%、さらに好ましくは1〜10モル%の範囲で含む。ただし、プロピレン由来の構成単位の含量と前記オレフィンA由来の構成単位の含量との合計を100モル%とする。
前記オレフィンA由来の構成単位が前記範囲にあるオレフィン共重合体は、成型加工性に優れる。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の構成単位を含んでいてもよい。これらの含量は、核磁気共鳴分光法や、基準となる物質がある場合には赤外分光法等により測定することができる。
本発明のオレフィン重合体の別の一態様としては、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位を50モル%以上、好ましくは55モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上の範囲で含む4−メチル−1−ペンテン重合体が挙げられる。前記4−メチル−1−ペンテン重合体が共重合体であって、上述の4−メチル−1−ペンテン以外のオレフィンB由来の構成単位を含む場合は、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の上限値は、好ましくは99.9モル%、より好ましくは99.5モル%、さらに好ましくは99.25モル%、特に好ましくは99.1モル%である。前記4−メチル−1−ペンテン重合体が共重合体である場合は、上述の4−メチル−1−ペンテン以外のオレフィンB由来の構成単位を合計で好ましくは0.1〜50モル%、より好ましくは0.5〜45モル%、さらに好ましくは0.75〜20モル%、特に好ましくは0.9〜10モル%の範囲で含む。ただし、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含量と前記オレフィンB由来の構成単位の含量との合計を100モル%とする。
前記オレフィンB由来の構成単位が前記範囲にあるオレフィン共重合体は、成型加工性に優れる。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の構成単位を含んでいてもよい。これらの含量は、核磁気共鳴分光法や、基準となる物質がある場合には赤外分光法等により測定することができる。
これらの重合体の中でも、プロピレン単独重合体、プロピレン/エチレン共重合体、プロピレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−オクテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン/エチレン/1−オクテン共重合体、プロピレン/エチレン/1−ヘキセン共重合体、プロピレン/エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン/エチレン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−ブテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/エチレン/1−ブテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/1−ヘキセン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/エチレン/1−オクテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン/エチレン/1−ヘキセン共重合体が特に好ましい。また、これらの重合体から選択される2種以上を混合または連続的に製造することによって得られる、いわゆるブロック共重合体(インパクトコポリマー)でもよい。
本発明のオレフィン重合体は、上記で述べた構成単位を有する重合体の中でも、実質的に炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位のみからなるα−オレフィン重合体が好ましく、実質的にプロピレン由来の構成単位のみからなるプロピレン重合体、実質的に4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位のみからなる4−メチル−1−ペンテン重合体、実質的に4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位と1−オクテン由来の構成単位とのみからなる4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合体が最も好ましい。「実質的に」とは、全構成単位に対して、前記α−オレフィン重合体では炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の割合が95重量%以上であり、前記プロピレン重合体ではプロピレン由来の構成単位の割合が95重量%以上であり、前記4−メチル−1−ペンテン重合体では4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の割合が95重量%以上であり、前記4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合体では4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位と1−オクテン由来の構成単位との合計割合が95重量%以上であることを意味する。
本発明のオレフィン重合体の示差走査型熱量計(DSC)により求められる融点(Tm)は、プロピレン由来の構成単位を50〜100モル%の範囲で含むプロピレン重合体である場合は50℃以上200℃未満が好ましく、より好ましくは105〜160℃、特に好ましくは110〜160℃である。融点(Tm)が前記範囲にあるプロピレン重合体をフィルム等の成形体に応用した場合は、低温ヒートシール性に優れる。
また、本発明のオレフィン重合体の示差走査型熱量計(DSC)により求められる融点(Tm)は、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位を50〜100モル%の範囲で含む4−メチル−1−ペンテン重合体である場合は50℃以上250℃以下が好ましく、より好ましくは200〜250℃、特に好ましくは220〜250℃である。融点(Tm)が前記範囲にある4−メチル−1−ペンテン重合体をフィルム等の成形体に応用した場合は、耐熱性に優れる。
本発明のオレフィン重合体において、分子量には特に制限は無いが、プロピレン由来の構成単位を50〜100モル%の範囲で含むプロピレン重合体である場合は135℃デカリン中における極限粘度[η]は、0.5dl/g≦[η]≦20dl/gの範囲が好ましく、より好ましくは1.0dl/g≦[η]≦20dl/gの範囲であり、さらに好ましくは2.7dl/g≦[η]≦20dl/gの範囲である。[η]が前記範囲にあるオレフィン重合体は、成型加工性に優れる。
本発明のオレフィン重合体において、分子量には特に制限は無いが、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位を50〜100モル%の範囲で含む4−メチル−1−ペンテン重合体である場合は135℃デカリン中における極限粘度[η]は、好ましくは2.0dl/g≦[η]≦20dl/gの範囲が好ましく、より好ましくは2.5dl/g≦[η]≦20dl/gの範囲である。[η]が前記範囲にあるオレフィン重合体は、成型加工性に優れる。
本発明のオレフィン重合体において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される重量平均分子量は、好ましくは1万〜100万、より好ましくは8万〜50万、特に好ましくは9万〜40万である。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜8.0、より好ましくは1.5〜5.0、特に好ましくは1.8〜3.5である。
MwおよびMnは、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC-2000型を用い、以下のようにして測定することができる。分離カラムはTSKgel GNH6-HT:2本およびTSKgel GNH6-HTL:2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)と酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%とを用い、前記移動相は1.0mL/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いる。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いる。分子量分布および各種平均分子量は、汎用校正の手順に従う。
本発明のオレフィン重合体において、ASTM D1238(230℃、荷重2.16kg)に従って測定したメルトマスフローレイト(MFR;単位はg/10分)は0.1≦MFR≦150の範囲が好ましく、より好ましくは0.1≦MFR≦100の範囲である。前記範囲にあるオレフィン重合体は、成型加工性に優れる。
以上の物性値の測定条件の詳細は、実施例に記載したとおりである。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。まず、オレフィン重合体の物性・性状を測定する方法について述べる。
〔融点(Tm)、結晶化温度(Tc)〕
オレフィン重合体の融点(Tm)および結晶化温度(Tc)は、パーキンエルマー社製DSC Pyris1またはDSC7を用い、以下のようにして測定した。窒素雰囲気下(20mL/min)、試料(約5mg)を(1)230℃まで昇温して230℃で10分間保持し、(2)10℃/分で30℃まで冷却して30℃で1分間保持した後、(3)10℃/分で230℃まで昇温させた。前記(3)の昇温過程における結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(Tm)を、前記(2)の降温過程における結晶化ピークのピーク頂点から結晶化温度(Tc)を算出した。なお、実施例および比較例に記載したオレフィン重合体において、複数の結晶溶融ピークが観測された場合(例えば、低温側ピークTm1、高温側ピークTm2)には、高温側ピークをオレフィン重合体の融点(Tm)と定義した。なお、融点が前記範囲以上の場合は昇温を300℃までに変更したこと以外は前記記載どおりに行った。
〔極限粘度[η]〕
オレフィン重合体の極限粘度[η]は、離合社製自動動粘度測定装置VMR−053PCおよび改良ウベローデ型毛細管粘度計を用い、デカリン、135℃での比粘度ηspを求め、下記式より極限粘度([η])を算出した。
[η]=ηsp/{C(1+K・ηsp)}(C:溶液濃度[g/dl]、K:定数)
〔4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合体中の1−オクテン含量〕
4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合体中の1−オクテン含量は、以下の装置および条件により、13C−NMRスペクトルより算出した。
ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、溶媒はo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は60mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒、ベンゼン−d6の128ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。主鎖メチレンシグナルの積分値を用い、下記式によって1−オクテン含量を算出した。
1−オクテン含量(モル%)=[O/(O+M)]×100
ここでOはOO+MO/2、MはMM+MO/2から算出した値であり、OOは1−オクテン主鎖メチレンシグナルのピーク面積、MMは4−メチル−1−ペンテン主鎖メチレンシグナルのピーク面積、MOは4−メチル−1−ペンテンと1−オクテンが繋がる主鎖メチレンシグナルのピーク面積を示す。
〔目的物の同定〕
合成例で得られたメタロセン化合物の構造は、270MHz 1H−NMR(日本電子GSH−270)およびFD−MS(日本電子SX−102A)を用いて決定した。
〔メタロセン化合物の合成例〕
[合成例1]触媒(a)の合成
Figure 2015137353
[合成例1−1]1,1,3,6,8,8−ヘキサメチル−1H,8H−ジシクロペンタ[b,h]フルオレンの合成
窒素雰囲気下、300ml三つ口フラスコに無水塩化アルミニウム52.9g、フルオレン11g、二硫化炭素220mlを装入した。酸化メシチル16.6mLを15分間で滴下し、還流下で3時間攪拌した。放冷後、反応液を水300mlに加え、有機層を分離した。水層をヘキサン300mlで抽出し、先の有機層と合わせて、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を異性体混合物として得た。収量2.71g。
[合成例1−2]配位子(a−1):9−(5−(1−アダマンチル)−1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレニル)−9H−1,1,3,6,8,8−ヘキサメチル−1H,8H−ジシクロペンタ[b,h]フルオレンの合成
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコに1,1,3,6,8,8−ヘキサメチル−1H,8H−ジシクロペンタ[b,h]フルオレン1000mg、トルエン15mL、THF0.75mLを装入した。1.63Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液0.99mLを5分間かけて滴下し、40℃で4時間攪拌した。室温に戻した後、5−アダマンチル−1,1−ジメチル−3−メチル−1,2−ジヒドロペンタレン644mgを加えた。70℃で21時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、有機層を分離し、水層をヘキサンで抽出した。先の有機層と合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製することにより配位子(a−1)の粗成物を167mg得た。1H−NMR(CDCl3)、FD−MS測定で目的物の生成を確認した。
FD−MS:m/Z=606.4(M+
[合成例1−3]触媒(a)の合成
窒素雰囲気下、100mLシュレンクフラスコに配位子(a−1)860mg、ヘキサン30mL、シクロペンチルメチルエーテル2.48mL、α−メチルスチレン0.44mLを装入した。1.63Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.08mLを5分間かけて滴下した。70℃で4時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた固体にヘキサン20mLを加えた。ろ過により固体を回収し、減圧下で乾燥した。得られた固体860mgを100mLシュレンクフラスコに装入し、続いてジエチルエーテル25mLを装入した。ドライアイス−メタノール浴下、ZrCl4を330mg装入し、30分撹拌した。ドライアイス−メタノール浴を外し、室温に戻しながら16時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタン、ヘキサンで可溶分を抽出した。得られた溶液を濃縮し、ヘキサン2mLに溶解させ、−20℃にて再結晶した。析出した赤色固体をろ過によって回収し、ヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥させることで目的化合物を288mg(収率26%)得た。1H−NMR(CDCl3)とFD−MSの測定結果により、目的物を同定した。
1H−NMR(ppm、CDCl3):δ7.83(s,1H),7.82(s,1H),7.75(s,1H),7.55(s,1H),6.05−6.03(m,2H),6.00(d,1H),5.31(d,1H),4.05(d,1H),2.65(d,1H),2.38(s,3H),2.23−1.26(m,39H)
FD−MS:m/Z=766.2(M+
[合成例2]触媒(b)の合成
Figure 2015137353
[合成例2−1]配位子(b−1):9−(2−(1−アダマンチル)−8−メチル−3b,4,5,6,7,7a,8,8a−オクタヒドロシクロペンタインデニル)−9H−1,1,3,6,8,8−ヘキサメチル−1H,8H−ジシクロペンタ[b,h]フルオレンの合成
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコに1,1,3,6,8,8−ヘキサメチル−1H,8H−ジシクロペンタ[b,h]フルオレン1450mg、トルエン30mL、THF3mLを装入した。氷浴下、1.58Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液3.00mLを5分間かけて滴下し、室温で4時間攪拌した。(3r,5r,7r)−1−(8−メチル−3b,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロシクロペンタ[a]インデン−2−イル)アダマンタン2040mgをトルエン10mLに溶解させた溶液を加えた。室温で21時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、有機層を分離し、水層をヘキサンで抽出した。先の有機層と合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製することにより配位子(b−1)の粗成物を1.273g得た。1H−NMR(CDCl3)、FD−MS測定で目的物の生成を確認した。
FD−MS:m/Z=632.5(M+
[合成例2−2]触媒(b)の合成
窒素雰囲気下、配位子(b−1)1040mg、シクロヘキサン25mL、シクロペンチルメチルエーテル1.91mL、α−メチルスチレン0.44mLを装入した。1.58Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.15mLを5分間かけて滴下した。70℃で4時間攪拌した。溶媒を留去し、ヘキサンで洗浄した。ろ過により不溶分を回収し、減圧下で乾燥した。得られた黄色粉末519mgを100mLシュレンクフラスコに装入し、続いてジエチルエーテル40mLを装入した。ドライアイス−メタノール浴下、ZrCl4を207mg装入し、30分撹拌した。ドライアイス−メタノール浴を外し、室温に戻しながら16時間撹拌した。溶媒を留去し、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。得られた溶液を濃縮し、ヘキサンで抽出した。得られた溶液を濃縮し、ペンタンに溶解させ−20℃にて静置した。沈殿した赤色固体をろ過により除去し、ろ液を濃縮した。得られた固体をペンタンに溶解させ、−20℃にて静置した。沈殿した赤色固体をろ過により除去し、ろ液を濃縮し、減圧下で乾燥させた。FD−MSの測定結果により、目的化合物と同定した。
FD−MS:m/Z=766(M+
[合成例3]触媒(c)の合成
Figure 2015137353
[合成例3−1]配位子(c−1):9−(5−(1−アダマンチル)−1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレニル)−9H−フルオレンの合成
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコにフルオレン1.73g、tert−ブチルメチルエ−テル150mLを装入した。氷水浴下、1.63Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液4.0mLを5分間かけて滴下し、50℃で30分攪拌した。室温に戻した後、氷水浴下、5−アダマンチル−1,1−ジメチル−3−メチル−1,2−ジヒドロペンタレン2.00gを加えた。50℃で7時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した。先の有機層と合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた固体をメタノールとアセトンで洗浄することにより配位子(c−1)の粗成物を1.58g得た。1H−NMRとFD−MSの測定結果により、目的物を同定した。
FD−MS:M/Z=446(M+
[合成例3−2]触媒(c)の合成
窒素雰囲気下、100mLシュレンクフラスコに配位子(c−1)750mg、トルエン40mL、THF1mLを装入した。氷水浴下、1.63Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.16mLを5分間かけて滴下した。50℃で4時間攪拌した。溶媒を留去し、ヘキサンを50mL装入した。ドライアイス−メタノール浴下、ZrCl4を336mg装入し、徐々に室温に戻しながら16時間撹拌した。溶媒を留去し、ヘキサン、ジクロロメタンで可溶分を抽出した。得られた溶液を濃縮し、シクロヘキサンで可溶分を抽出した。溶媒を留去し、減圧下で乾燥させることで目的物213.5mg(収率21%)を得た。1H−NMRとFD−MSの測定結果により、目的物を同定した。
1H−NMR(ppm、CDCl3):8.1−7.2(8H),6.1(1H),5.3(1H),4.0(1H),2.7(1H),2.4(3H),2.1−1.6(15H),1.5−1.4(6H)
FD−MS:m/Z=604(M+
〔プロピレン単独重合〕
[実施例1A]
窒素雰囲気下、シュレンク管にメタロセン化合物として触媒(a)3.9μmolを入れ、脱水トルエン14.8mLに溶解させた後、修飾メチルアルミノキサン(商品名:TMAO341、東ソー・ファインケム株式会社製)の懸濁液0.67mL(n−ヘキサン溶媒、アルミニウム原子換算で2.96M、1.98mmol(触媒比500倍))を加え、室温で1時間攪拌を行い、触媒(a)濃度が0.00025Mの触媒溶液を調製した。
充分に窒素置換した内容積15mLのSUS製オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液0.1mL(0.05M、5μmol(触媒比200倍))と重合溶媒としてn−ヘプタン3.1mLを入れ、600回転/分にて攪拌を行った。この溶液を60℃に昇温し、次いでプロピレンで全圧が7barになるまで加圧した。
上記オートクレーブに、上記触媒溶液0.1mL(触媒(a)0.025μmol)およびn−ヘプタン0.7mLを加え、重合を開始した。60℃で5分間重合した後、少量のイソブチルアルコールを加えて重合を停止した。得られたプロピレン単独重合体を含むスラリーにメタノール50mL、少量の塩酸水溶液を加え、室温にて1時間攪拌を行った。その後、ろ過によって回収したプロピレン単独重合体を減圧乾燥し、0.476gのプロピレン単独重合体を得た。得られたプロピレン単独重合体の物性を表3に示す。
[実施例2Aおよび比較例1A]
実施例2Aおよび比較例1Aでは、使用したメタロセン化合物およびその量、ならびに重合時間を表3に記載したとおりに変えたこと以外は実施例1A同様に実験を行った。結果を表3に示す。
〔4−メチル−1−ペンテン単独重合〕
[実施例1B]
充分に窒素置換した内容積15mLのSUS製オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムの4−メチル−1−ペンテン溶液0.2mL(0.05M、10μmol(触媒比200倍))と4−メチル−1−ペンテン2.9mLを入れ、600回転/分にて攪拌を行った。この溶液を60℃に昇温した。
上記オートクレーブに、実施例1Aで得られた上記触媒溶液0.2mL(触媒(a)0.05μmol)およびn−ヘプタン0.7mLを加え、重合を開始した。60℃で10分間重合した後、少量のイソブチルアルコールを加えて重合を停止した。得られたポリマーを含むスラリーにメタノール50mL、少量の塩酸水溶液を加え、室温にて1時間攪拌を行った。その後、ろ過によってポリマーを回収し、減圧乾燥し、0.234gのポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表3に示す。
[実施例2Bおよび比較例1B]
実施例2Bおよび比較例1Bでは、使用したメタロセン化合物およびその量、ならびに重合時間を表3に記載したとおりに変えたこと以外は実施例1B同様に実験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2015137353
〔4−メチル−1−ペンテン/1−オクテン共重合〕
[実施例1C]
窒素置換した内容量1,500mLのSUS製オートクレーブに、4−メチル−1−ペンテン400mL、シクロヘキサン350mL、1−オクテン4mL、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液1.5mL(0.5M、0.75mmol(触媒比175倍))を装入した後、オートクレーブを65℃まで加熱した。オートクレーブ内の圧力が0.10MPaGになるように窒素を装入した。ここにあらかじめ混合しておいたメタロセン化合物として触媒(a)4.27μmolとメチルアルミノキサン(TMAO341)1.33mmol(Al/Zr=310、モル比)とを含むトルエン溶液を装入して65℃で18分間重合を行い、メタノールを装入して重合を停止した。得られたポリマー溶液をメタノールとアセトンとの混合溶媒(体積比1:1)2Lに加えて析出させ、ろ過によりポリマーを回収した。ポリマーは80℃で10時間減圧乾燥し、54.9gのポリマーを得た。得られたポリマーの物性を表4に示す。
[実施例2C]
実施例1Cにおいて、オートクレーブを65℃まで加熱した後にオートクレーブに35.5NmLの水素を装入し、触媒量と重合時間を表4に記載したとおりに変えたこと以外は実施例1C同様に実験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2015137353
Figure 2015137353
本発明のオレフィン重合体の製造方法により、高分子量を有し、有用なオレフィン重合体を経済的に製造することができ、本発明の製造方法は工業的に極めて価値がある。

Claims (10)

  1. (A)一般式[1]で表される架橋メタロセン化合物と、
    (B)(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、
    (b−2)架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
    (b−3)有機アルミニウム化合物
    から選択される少なくとも1種の化合物と
    を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、40℃以上200℃以下の重合温度条件下において、炭素数2以上20以下のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
    Figure 2015137353
    [式[1]中、R1は3級炭化水素基であり、R2〜R8は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく;Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、Qが複数ある場合はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、jは1〜4の整数であり;Zは一般式[2]または一般式[3]で表されるフルオレン誘導体である。]
    Figure 2015137353
    [式[2]中、R9〜R20は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。*は結合部位を示す。]
    Figure 2015137353
    [式[3]中、R21〜R28は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。*は結合部位を示す。]
  2. 一般式[3]で表されるフルオレン誘導体において、R21、R22、R24、R25、R27およびR28がアルキル基であり、R23およびR26が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  3. 一般式[1]において、R1がtert−ブチル基または1−アダマンチル基であることを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  4. 一般式[1]において、R7が炭素数1〜20の炭化水素基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  5. 一般式[1]において、R2およびR8が水素原子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  6. オレフィン重合用触媒が、さらに担体(C)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  7. 前記モノマーの少なくとも1種が、プロピレンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  8. 前記モノマーの少なくとも1種が、4−メチル−1−ペンテンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載のオレフィン重合体の製造方法であって、無水素条件下におけるオレフィン重合活性が、50kg/mmol-M/h以上1000000kg/mmol-M/h以下(Mは、式[1]中のMと同義である)であり、かつ得られるオレフィン重合体が下記要件(ia)〜(iia)を同時に満たすことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
    (ia)プロピレン由来の構成単位(P)が50モル%≦P≦100モル%
    (iia)135℃デカリン中における極限粘度[η]が0.5dl/g≦[η]≦20dl/g
  10. 請求項7または8に記載のオレフィン重合体の製造方法であって、無水素条件下におけるオレフィン重合活性が、1kg/mmol-M/h以上1000000kg/mmol-M/h以下(Mは、式[1]中のMと同義である)であり、かつ得られるオレフィン重合体が下記要件(ib)〜(iib)を同時に満たすことを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
    (ib)4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位(M)が50モル%≦M≦100モル%
    (iib)135℃デカリン中における極限粘度[η]が2.0dl/g≦[η]≦20dl/g
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018104484A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 三井化学株式会社 4−メチル−1−ペンテン重合体およびその製造方法、並びに成形体

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