JP2015131649A - 包装材及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱処理の際に、内圧の調整が容易な包装材およびそれを用いた包装体を提供する。【解決手段】容器2の上端開口2aを塞ぐ蓋部4には、加熱時の蒸気を逃がす蒸気抜き用切込み3が形成され、この切込み3を塞ぐように、基材フィルム8及びシュリンクフィルム7からなる密閉フィルム5が貼着され、加熱処理時には、シュリンクフィルム7が収縮し、収縮方向の両端部が、基材フィルム8側及び蓋部4側からそれぞれ剥離して芯状に丸まり、基材フィルム8側と蓋部4側との間に、収縮方向に直交する方向に延びる隙間を形成し、蒸気抜き用切込み3が、前記隙間を介して密閉フィルム5外の空間と連通するようにしている。【選択図】図1

Description

本発明は、電子レンジ等を使用して加熱処理される食品等を包装する包装袋や包装容器等の包装体、及び、この包装体に使用される包装用フィルム等の包装材に関する。
電子レンジでそのまま加熱調理することができるように、各種の食材や加工食品等の内容物を包装用フィルム等で構成された包装袋内に密封したり、内容物を収容した包装容器の開口部を包装用フィルム等で密封した食品が多く販売されている。
この種の食品をそのまま電子レンジで加熱調理すると、内容物等から生じる水蒸気等によって包装袋や包装容器の内圧が過剰に上昇し、これによって包装袋を構成する包装用フィルムや、包装容器の開口部を密封する包装用フィルムが破裂し、収容されている内容物が外部に飛散することになる。
このため、加熱時に袋面や容器の蓋部に自然に蒸気抜き用の孔が形成されるようにした技術が、従来から種々提案されている。
例えば、特許文献1には、包装袋のヒートシール部の一部を、電子レンジで食品を加熱した際の水蒸気等の発生に伴う内圧の上昇によって剥離させることによって、孔を開口させ、この孔を通して内部の水蒸気等を排出するようにした包装袋が開示されている。
特開平10−101154号公報
しかしながら、上記のようにヒートシール部の一部の接着強度を弱くして内圧の上昇によって剥離させて孔を開口させる従来例では、適度に剥離させて孔を開口させるという調整が容易ではなく、剥離部分の面積が適切でなく、孔が小さ過ぎると、内圧が過大となって包装袋が破裂したり、逆に、孔が大き過ぎると、包装袋から水蒸気が必要以上に排出されて調理が不十分となって食感が低下するといった課題がある。
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、加熱処理の際に、適切な内圧に調整するのが容易な包装材およびそれを用いた包装体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
(1)本発明の包装材は、加熱によって生じる蒸気を逃がすための蒸気抜き部を有すると共に、内容物を包装する蒸気抜き用包装材と、前記蒸気抜き部を塞ぐように前記蒸気抜き用包装材に貼着される密閉フィルムとを備え、前記密閉フィルムは、加熱によって収縮しない基材フィルムと加熱によって収縮変形するシュリンクフィルムとが、上下に積層されて、前記蒸気抜き用包装材に貼着され、前記シュリンクフィルムは、加熱によって収縮変形して前記基材フィルム側及び前記蒸気抜き用包装材側からそれぞれ剥離して、前記基材フィルム側と前記蒸気抜き用包装材側との間に、前記蒸気抜き部からの蒸気を逃がす隙間を形成する。
本発明の包装材では、加熱によって生じる蒸気を逃がすための蒸気抜き部を有する蒸気抜き用包装材には、前記蒸気抜き部を塞ぐように、密閉フィルムが貼着されるので、各種の食材や加工食品等の内容物を、この包装材で構成された包装袋や包装容器に収納して密封することができる。
そして、このように内容物を収納した包装袋や包装容器を、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、基材フィルムとシュリンクフィルムとが上下に積層されてなる密閉フィルムの前記シュリンクフィルムが、熱収縮によって変形して、基材フィルム側及び前記蒸気抜き用包装材側からそれぞれ剥離して、その間に蒸気抜き部からの蒸気を逃がす隙間が形成される。蒸気抜き部は、加熱による蒸気を逃がすものであって、例えば、貫通孔や切込みなどから構成され、そのサイズ、数、形状や位置等を任意に設定することができ、また、熱によって収縮変形して隙間を形成するシュリンクフィルムの材質、サイズ等を任意に設定することができ、蒸気抜き部及び隙間からの蒸気の逃がし量、したがって、包装袋や包装容器の内圧や温度の調整が容易となる。
これによって、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、内容物等から生じる水蒸気等によって、包装袋や包装容器の内圧が過剰に上昇するのが防止されて、包装袋や包装容器を構成する包装フィルム等の包装材が膨れて破裂するのを防止することができる一方、包装袋や包装容器から水蒸気が必要以上に排出されて加熱処理が不十分となるのを防止することができる。
(2)本発明の包装材の好ましい実施態様では、前記シュリンクフィルムが一軸延伸のシュリンクフィルムであり、前記基材フィルムは、前記シュリンクフィルムに比べて、該シュリンクフィルムの熱による収縮方向に長く、前記シュリンクフィルムの両端よりも前記熱による収縮方向の両側にそれぞれ延出する。
この実施態様によると、基材フィルムとシュリンクフィルムとが上下に積層されてなる密閉フィルムの前記基材フィルムは、シュリンクフィルムに比べて、該シュリンクフィルムの熱による収縮方向に長く、シュリンクフィルムの両端より延出して蒸気抜き用包装材に貼着されているので、加熱時には、シュリンクフィルムよりも長い基材フィルムは、蒸気抜き用包装材に貼着された状態を保持する一方、その下層のシュリンクフィルムが熱によって収縮変形して、基材フィルム側及び蒸気抜き用包装材側からそれぞれ剥離し、基材フィルムと蒸気抜き用包装材との間に、蒸気抜き部に連通する隙間を形成することができる。
(3)本発明の包装材の他の実施態様では、前記密閉フィルムは、下面側に第1粘着剤層を有する前記シュリンクフィルム上に、下面側に前記第1粘着剤層よりも粘着力の強い第2粘着剤層を有する前記基材フィルムが積層され、 前記密閉フィルムは、前記シュリンクフィルムの前記第1粘着剤層、及び、前記基材フィルムの前記第2粘着剤層を介して、前記蒸気抜き用包装材に貼着される。
この実施態様によると、密閉フィルムの下層のシュリンクフィルムは、第1粘着剤層を介して蒸気抜き用包装材に貼着され、シュリンクフィルムの両端よりも該シュリンクフィルムの熱による収縮方向に長い基材フィルムは、第1粘着剤層よりも粘着力の強い第2粘着剤層を介して蒸気抜き用包装材に貼着されるので、加熱時に、シュリンクフィルムの両端が、前記収縮方向に沿って中央部側へ引っ張られるように収縮して、基材フィルム側の第2粘着剤層から剥離すると共に、蒸気抜き用包装材から剥離して、粘着力の弱い蒸気抜き用包装材側へ内巻きに丸まって巻き取られる。このようにシュリンクフィルムの両端部が、丸まって巻き取られることによって、基材フィルム側と蒸気抜き用包装材側との間に、蒸気抜き用包装材の蒸気抜き部に連通する隙間を形成することができ、この隙間を介して蒸気を逃がすことができる。
(4)本発明の包装材の他の実施態様では、前記シュリンクフィルムは、熱による収縮方向に直交する方向の長さが、前記基材フィルムの前記直交する方向の長さ以上である。
この実施態様によると、シュリンクフィルムは、熱による収縮方向に直交する方向の長さが、基材フィルムの長さ以上であるので、加熱時に、シュリンクフィルムの両端部が、前記収縮方向に沿って中央部側へ引っ張られて丸まることによって形成される隙間が、前記収縮方向に直交する方向に延びて基材フィルムの外側の空間に連通し、蒸気を逃がすことができる。
(5)本発明の包装材の他の実施態様では、前記基材フィルムには、前記シュリンクフィルムに至らない深さの切込みが形成される。
この実施態様によると、基材フィルムには、シュリンクフィルムに至らない深さの切込みが形成されるので、前記切込みを境界として基材フィルムは、分離可能となっており、加熱時に、シュリンクフィルムの両端部が、熱による収縮方向に沿って中央部側へ引っ張られることによって、基材フィルム側及び蒸気抜き用包装材からそれぞれ剥離して巻き取られるのであるが、その際に、シュリンクフィルムが、丸まって前記切込みに達すると、該切込みによって分離されている基材フィルムが、シュリンクフィルムと共に一体に巻き取られることになり、これによって、シュリンクフィルムの上層の基材フィルムに開口が形成される。
(6)本発明の包装材の他の実施態様では、前記切込みが、前記シュリンクフィルムの熱による収縮方向に沿って、対向するように一対形成されると共に、各切込みが、前記基材フィルムの一部領域を部分的にそれぞれ囲むように形成される。
この実施態様によると、基材フィルムの切込みが、シュリンクフィルムの熱による収縮方向に沿って、対向するように一対形成されると共に、各切込みが、基材フィルムの一部領域を部分的にそれぞれ囲むように形成されるので、加熱時に、シュリンクフィルムの前記収縮方向の両端部が、中央部側へ引っ張られることによって、基材フィルム側及び蒸気抜き用包装材から剥離してそれぞれ巻き取られるのであるが、その際に、巻き取られる各端部のシュリンクフィルムが、各切込みにそれぞれ達すると、基材フィルムの、前記切込みによって部分的に囲まれた一部領域が、シュリンクフィルムと共に一体にそれぞれ巻き取られることになり、これによって、シュリンクフィルムの上層の基材フィルムに、各切込みにそれぞれ対応して開口が形成されることになる。
(7)本発明の包装材の更に他の実施態様では、前記切込みが、前記シュリンクフィルムの熱による収縮方向に直交する方向に、前記基材フィルムの前記直交する方向の全長に亘って直線状に形成される。
この実施態様によると、基材フィルムの切込みが、シュリンクフィルムの熱による収縮方向に直交する方向に、基材フィルムの全長に亘って直線状に形成されているので、直線状の前記切込みを境界として基材フィルムは、完全に分離されており、加熱時に、シュリンクフィルムの両端部が、熱による収縮方向に沿って中央部側へ引っ張られることによって、基材フィルム側及び蒸気抜き用包装材からそれぞれ剥離して巻き取られる際に、シュリンクフィルムが、全長に亘る直線状の切込みに達すると、該切込みによって分離されている基材フィルムの全領域が、シュリンクフィルムと共に一体に巻き取られることになり、これによって、蒸気抜き用包装材の蒸気抜き部を露出させることができる。
(8)本発明の包装材の他の実施態様では、前記切込みが、前記シュリンクフィルムの前記熱による収縮方向の一端に近接して形成される。
この実施態様によると、基材フィルムの切込みが、シュリンクフィルムの熱による収縮方向の一端に近接して形成されるので、加熱時に、シュリンクフィルムの前記一端が、熱による収縮方向に沿って中央部側へ引っ張られて、基材フィルム側及び蒸気抜き用包装材からそれぞれ剥離し、丸まって巻き取られ始めると、速い時点で前記切込みに達することになり、基材フィルムがシュリンクフィルムと共に一体に巻き取られて開口を速い時点で形成することができる。
(9)本発明の包装材の更に他の実施態様では、前記密閉フィルムは、前記基材フィルムと前記シュリンクフィルムとが、前記熱による収縮方向にずれた状態で積層され、前記基材フィルムの前記収縮方向の中央部に近接して、前記シュリンクフィルムの前記一端が位置する。
この実施態様によると、密閉フィルムは、基材フィルムとシュリンクフィルムとが、熱による収縮方向にずれた状態で積層されるので、シュリンクフィルムの熱による収縮変形が開始される両端の位置を、基材フィルムに対して任意に設定することができる。また、基材フィルムの切込みに近接するシュリンクフィルムの一端を、基材フィルムの中央部に近接して位置させることによって、
基材フィルムの中央部に近接した位置からシュリンクフィルムの熱による収縮変形が開始されると共に、速いタイミングで収縮して丸まるシュリンクフィルムと共に、基材フィルムを巻き取ることができる。
(10)本発明の包装材の他の実施態様では、前記切込みに替えて、ミシン目が形成される。
この実施態様によると、基材フィルムには、切込みに替えてミシン目が形成されるので、ミシン目を境界として基材フィルムは、分離し易くなっており、加熱時に、シュリンクフィルムの両端部が、熱による収縮方向に沿って中央部側へ引っ張られることによって、基材フィルム側及び蒸気抜き用包装材側からそれぞれ剥離して丸まって巻き取られる際に、シュリンクフィルムが、前記ミシン目に達すると、基材フィルムが分離してシュリンクフィルムと共に一体に巻き取られ、シュリンクフィルムの上層の基材フィルムに開口が形成される。
(11)本発明の包装材の更に他の実施態様では、前記蒸気抜き部が、前記蒸気抜き用包装材に形成された貫通孔、切込み、及び、ハーフカットの少なくともいずれか一つである。
電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、内容物等から生じる水蒸気等によって、本発明の包装材を用いて構成された包装袋や包装容器の内圧が上昇し、ハーフカット部分に応力が集中することによって、蒸気抜き用包装材を貫通して蒸気抜き孔が形成されることになる。
この実施態様によると、貫通孔、切込み、ハーフカットのサイズ、数、形状あるいは位置等の設定によって、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、内容物等から生じる水蒸気等による包装袋や包装容器の内圧や温度の調整が容易となり、これによって、内圧の上昇による破裂を防止することができる一方、水蒸気が必要以上に排出されるのを防止して適切な加熱処理が可能となる。
(12)本発明の包装体は、本発明に係る包装材を用いた包装体であって、 前記蒸気抜き用包装材が、前記内容物を収納した容器の開口部を密閉する蓋部を構成する。
本発明の包装体によると、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、内容物等から生じる水蒸気等によって、包装容器の内圧が過剰に上昇するのが防止されて、包装容器を構成する包装材が膨れて破裂するのを防止することができる一方、包装容器から水蒸気が必要以上に排出されて加熱処理が不十分となるのを防止することができる。
(13)本発明の包装体は、本発明に係る包装材を用いた包装体であって、前記蒸気抜き用包装材が、前記内容物を包装する包装袋の一部を構成する。
本発明の包装体によると、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、内容物等から生じる水蒸気等によって、包装袋の内圧が過剰に上昇するのが防止されて、包装袋が膨れて破裂するのを防止することができる一方、包装袋から水蒸気が必要以上に排出されて加熱処理が不十分となるのを防止することができる。
本発明の包装材で構成された包装袋や包装容器を、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、基材フィルムとシュリンクフィルムとが積層された密閉フィルムの前記シュリンクフィルムが、熱収縮によって変形して基材フィルム及び蒸気抜き用包装材からそれぞれ剥離して、基材フィルムと蒸気抜き用包装材との間に、蒸気抜き部に連通する隙間を形成して蒸気を逃がすことができる。
蒸気抜き部を構成する、例えば、貫通孔、切込み等のサイズ、数、形状あるいは位置等を適宜に設定することによって、あるいは、蒸気抜き部に連通する隙間を形成するシュリンクフィルムの材質、サイズ等を適宜に設定することによって、水蒸気の逃がし量を調整することができ、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、包装袋や包装容器の内圧や温度を調整することが可能となる。これによって、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、内圧が過剰に上昇して包装袋等が破裂するのを防止することができる一方、水蒸気が必要以上に排出されるのを防止して適切な加熱処理が可能となる。
図1は本発明の一実施形態に係る包装容器の断面図である。 図2は図1の平面図である。 図3は図1の要部の拡大断面図である。 図4は加熱調理状態を示す図1に対応する断面図である。 図5は密閉フィルムの他の構成を示す図である。 図6は密閉フィルムの他の構成を示す図である。 図7は本発明の他の実施形態に係る包装容器の断面図である。 図8は図7の平面図である。 図9は図7の要部の拡大図である。 図10は加熱調理状態を示す図7に対応する断面図である。 図11は密閉フィルムの他の構成を示す図である。 図12は本発明の他の実施形態に係る包装容器の断面図である。 図13は図12の平面図である。 図14は他の実施形態の平面図である。 図15は図14の要部の拡大断面図である。 図16は蒸気抜き部の他の構成を示す図3に対応する断面図である。 図17は蒸気抜き部の他の構成を示す図3に対応する断面図である。 図18は蒸気抜き部の他の構成を示す図3に対応する断面図である。 図19は他の実施形態に係る包装袋の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る包装体としての包装容器1の断面図であり、図2は、その平面図である。
この実施形態の包装容器1は、電子レンジ調理食品等の図示しない内容物が収納された容器2と、該容器2の上端開口2aを塞ぐと共に、加熱時の蒸気を逃がす蒸気抜き部としての蒸気抜き用切込み3が形成された蒸気抜き用包装材としての包装フィルムからなる蓋部4と、該蓋部4の蒸気抜き用切込み3を含む周辺領域に貼着されて前記蒸気抜き用切込み3を密閉する密閉フィルム5とを備えており、加熱調理前の状態では、容器2は、密閉フィルム5及び蓋部4によって密封されている。
容器2は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂製であり、内容物を収容するための上端開口2aの周辺には、外方に延びる鍔部2bが設けられており、この実施形態では、容器2は、例えば、平面視矩形である。
蓋部4は、容器2の収納部の上端開口2aを塞ぐものであり、例えば、ヒートシールによって、容器2の鍔部2bに接着される。この蓋部4を構成する包装フィルムは、特に限定はなく、公知のフィルム、例えば、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム等を使用することができ、積層フィルムであってもよい。
この蓋部4には、その中央付近に図3の一部拡大断面図に示すように、厚み方向に貫通した蒸気抜き用切込み3が形成されており、この実施形態では、図2に示すように平面視で上向き略C字状の不連続な蒸気抜き用切込み3が形成されている。
なお、蒸気抜き用切込み3は、C字状に限らず、例えば、V字状、U字状、直線状、あるいは、十字状の切込み、その他の形状であってもよく、そのサイズ、数や形成位置も必要に応じて設定すればよい。
この蒸気抜き用切込み3およびその周辺部を塞ぐように、矩形の密閉フィルム5が、蓋部4に貼着されている。
この密閉フィルム5は、熱によって収縮するシュリンクフィルム7と、熱による収縮のない樹脂フィルムからなる基材フィルム8との積層フィルムであって、第1,第2粘着剤層6a,6bを備えている。なお、図において、密閉フィルム5を構成する各層6a,6b,7,8の厚みや蓋部4を構成するフィルム等は、拡大誇張して示されている。
この密閉フィルム5では、シュリンクフィルム7を下層、基材フィルム8を上層として積層されており、シュリンクフィルム7の下面に第1粘着剤層6aが形成され、基材フィルム8の下面に、第1粘着剤層6aよりも粘着力の強い第2粘着剤層6bが形成されている。すなわち、基材フィルム8は、第2粘着剤層6bを介してシュリンクフィルム7上に積層されている。
なお、シュリンクフィルム7と基材フィルム8の間に、印刷層を設けてもよく、基材フィルム8の表面に印刷層を設けてもよい。
この実施形態では、シュリンクフィルム7は、例えば、一軸延伸のポリスチレンフィルム(OPS)であり、その上層の基材フィルム8は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムである。
一軸延伸のポリスチレンフィルムからなるシュリンクフィルム7は、加熱によって図2の矢符Bで示される収縮方向(図の左右方向)に沿って収縮する。この熱による収縮方向は、平面視矩形の密閉フィルム5の長辺に沿う方向である。
基材フィルム8及びその下面の第2粘着剤層6bは、シュリンクフィルム7に比べて、該シュリンクフィルム7の熱による収縮方向に長く、シュリンクフィルム7の両端よりも前記収縮方向の両側へ延出している。
したがって、密閉フィルム5は、下層のシュリンクフィルム7が、その下面の第1粘着剤層6aを介して蓋部4に貼着されると共に、シュリンクフィルム7の両端よりも前記収縮方向の両側に延出する基材フィルム8は、その下面の第2粘着剤層6bを介して蓋部4に貼着される。この密閉フィルム5は、シュリンクフィルム7と第1粘着剤層6aとを有するタックフィルム上に、それよりも大きな基材フィルム8と第2粘着剤層6bとを有するタックフィルムを積層して構成することができる。
第2粘着剤層6bは、上記のように第1粘着剤層6aよりも粘着力が強いので、基材フィルム8の前記収縮方向の両端部は、その間のシュリンクフィルム7よりも蓋部4に強固に粘着している。すなわち、基材フィルム8の前記収縮方向の両端部は、粘着力の強い第2粘着剤層6bによって蓋部4に強固に貼り付けられている。一方、基材フィルム8の下層のシュリンクフィルム7は、第2粘着剤層6bに比べて粘着力が弱い第1粘着剤層6aによって蓋部4に貼り付けられる。
熱収縮性を有するシュリンクフィルム7は、上記一軸延伸のポリスチレンフィルムに限らず、他のシュリンクフィルム、例えば、シュリンクPETフィルム、シュリンクPE(ポリエチレン)フィルム、シュリンクPP(ポリプロピレン)フィルム、シュリンクPV(ポリ塩化ビニル)フィルム、あるいは、PS(ポリスチレン)とPET(ポリエチレンテレフタレート)の積層系であるハイブリッドシュリンクフィルム等を使用することができ、一軸延伸に限らず、二軸延伸のシュリンクフィルムを使用してもよい。
基材フィルム8も上記PETフィルムに限らず、他の樹脂フィルム、例えば、OP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム、PEフィルム等を使用することができる。
シュリンクフィルム7と基材フィルム8との組合せとしては、上記のシュリンクOPSとPET以外に、例えば、シュリンクPETとPET、ハイブリッドシュリンクとPET、シュリンクPETとOP、シュリンクOPSとOP、ハイブリッドシュリンクとOPの組合せなどが好ましい。
以上のように構成された包装容器1を、電子レンジによって加熱調理すると、加熱によって、シュリンクフィルム7が、熱による収縮方向である図2の矢符B方向に沿って収縮しようとする。このとき、基材フィルム8の前記収縮方向に沿う両端部は、第2粘着剤層6bによって蓋部4に強固に粘着しているのに対して、基材フィルム8の下層のシュリンクフィルム7は、粘着力の弱い第1粘着剤層6aによって蓋部4に粘着しているので、シュリンクフィルム7が、熱によって収縮方向の両端部から中央部側へ引っ張られるように収縮しようとすると、前記両端部が、蓋部4から剥離すると共に、第2粘着剤層6bから剥離し、図4に示すように、粘着力の弱い蓋部4側へ内巻きで丸まって中央側へ巻き取られるように収縮変形する。
このようにシュリンクフィルム7の収縮方向の両端部が、蓋部4及び基材フィルム8側からそれぞれ剥離して内巻きで丸まって芯状に巻き取られることによって、基材フィルム8の第2粘着剤層6bと蓋部4の表面との間に、隙間Gが形成されることになる。この隙間Gは、芯状に丸まったシュリンクフィルム7によって、熱による収縮方向に直交する方向(図4の紙面に垂直な方向、図2の上下方向)に延びて密閉フィルム5の外側に連通する。これによって、蓋部4の蒸気抜き用切込み3が、前記隙間Gを介して密閉フィルム5の外側の空間に連通する。
一方、包装容器1の内容物から生じる水蒸気等によって包装容器1の内圧が上昇するが、蓋部4を貫通する蒸気抜き用切込み3を通して、図4に示すように、包装容器1内における水蒸気等が、蒸気抜き用切込み3及び隙間Gを介してシュリンクフィルム7の収縮方向に直交する方向に沿って、図2の矢符Cで示されるように、密閉フィルム5外へ排出される。これによって、包装容器1内における内圧が過剰に上昇するのを防止して、蓋部4が破裂して内容物が外部に飛散することがない。
また、蒸気抜き用切込み3及び隙間Gによって、包装容器1内の蒸気が過剰に排出されるのを防止することができるので、包装容器1内を所要の内圧に維持して内容物を蒸らすことができ、適切な加熱調理を行うことができ、蒸気を過剰に排出して食感が低下するといったこともない。
このように加熱によって密閉フィルム5のシュリンクフィルム7が収縮変形して蒸気抜き用切込み3を、隙間Gを介して密閉フィルム5の外側の空間に連通させるので、蒸気抜き用切込み3のサイズ、形状、数あるいは位置等の設定、あるいは、密閉フィルム5のシュリンクフィルム7の材質、サイズや各粘着剤層6a,6bの粘着力等の設定によって、加熱によって生じた蒸気等の排出量を調整する、したがって、包装容器1の内圧や温度を調整することができ、例えば、上記の従来例のように、剥離の度合いによって蒸気抜き用の孔の大きさが規定される構成に比べて、調整が容易となる。
特に、密閉フィルム5のシュリンクフィルム7の材質や形状等の選択、あるいは、第1,第2粘着剤層6a,6bの粘着剤の選択によって、シュリンクフィルム7が、蓋部4及び基材フィルム8側から剥離して隙間Gを形成するタイミングを調整することができ、包装容器1の内圧や温度の調整が一層容易となる。
上記実施形態では、基材フィルム8の下層の第2粘着剤層6bと蓋部4の表面との間に形成された隙間Gを介して、図2の矢符Cで示すように、密閉フィルム5の、シュリンクフィルムの熱による収縮方向に直交する方向へ蒸気を逃がすようにしたけれども、本発明の他の実施形態として、基材フィルム8に切込み等を形成し、前記隙間Gから基材フィルム8の切込み等によって形成される開口を介して蒸気を逃がすようにしてもよい。
図5は、本発明の他の実施形態の密閉フィルム51を示すものであり、同図(a)はその平面図であり、同図(b)はその断面図であり、上記実施形態に対応する部分には、同一の参照部号を付す。
この実施形態の密閉フィルム51では、シュリンクフィルム7の上層の基材フィルム81及び第2粘着剤層61bに亘って、平面視横U字状の切込み91が、対向して一対形成されている。この切込み91は、シュリンクフィルム7には達しないように形成される。この横U字状の切込み91によって、該切込み91の内側の領域A1の基材フィルム81及び第2粘着剤層61bが、部分的に囲まれ、その外側の領域の基材フィルム81及び第2粘着剤層61bと分離可能である。
その他の構成は、上記実施形態の密閉フィルム5と同様であって、上記実施形態と同様に、密閉フィルム51は、容器2の蓋部4に貼着される。
この実施形態によれば、電子レンジによって加熱調理すると、加熱によって、シュリンクフィルム7が、上記実施形態と同様に、熱による収縮方向の両端部から中央部側へ収縮しようとし、該両端部が、蓋部4から剥離する共に、第2粘着剤層6bから剥離し、粘着力の弱い蓋部4側へ内巻きで丸まって芯状に巻き取られる。
このとき、両端からそれぞれ巻き取られるシュリンクフィルム7が、切込み91に達すると、切込み91の内側の領域A1の基材フィルム81及び第2粘着剤層61bは、その外側の基材フィルム81及び第2粘着剤層61bとは分離されているので、切込み91の内側の領域A1の基材フィルム81及び第2粘着剤層61bが、シュリンクフィルム7と共に一体に巻き取られることになる。これによって、切込み91と、この切込み91に沿って巻き取られた基材フィルム81及び第2粘着剤層61bとの間に開口が生じることになる。
一方、シュリンクフィルム7の両端部が、中央部側へ巻き取られることによって、上記実施形態と同様に、基材フィルム81の第2粘着剤層61bと蓋部4の表面との間に隙間Gが形成されるので、この隙間Gと前記切込み91の部分の開口が連通する。
したがって、この実施形態によれば、蓋部4の蒸気抜き用切込み3を、隙間G、及び、切込み91の部分に形成される開口を介して密閉フィルム5外の空間に連通させることができる。また、上記実施形態と同様に、図2の矢符Cで示されるように、収縮方向に直交する方向に水蒸気等を排出することもできる。
シュリンクフィルム7の熱による収縮が始まって、出来るだけ速い時点で切込み91に沿う開口を形成して蒸気を逃がすために、各切込み91の、熱による収縮方向に沿う端部を、シュリンクフィルム7の各端部にそれぞれ近接させる、すなわち、図5の左側の切込み91は、シュリンクフィルム7の左側の端部に近接させ、右側の切込み91は、シュリンクフィルム7の右側の端部に近接させるのが好ましい。
図6は、本発明の他の実施形態の密閉フィルム52を示すものであり、同図(a)はその平面図であり、同図(b)はその断面図であり、上記実施形態に対応する部分には、同一の参照部号を付す。
この実施形態の密閉フィルム52は、図5の密閉フィルム51の横U字状の切込み91を、略横V字状の切込み92としたものであり、その他の構成及び作用効果は、図5の実施形態と同様である。
図7は、本発明の他の実施形態に係る包装容器1の断面図であり、図8は、その平面図であり、図9は、蓋部4の中央付近の拡大断面図である。
上記各実施形態の密閉フィルム5,51,52では、各シュリンクフィルム7と基材フィルム8,81,82とは、左右対称に積層された、すなわち、シュリンクフィルム7及び基材フィルム8,81,82は、熱による収縮方向に沿う両長辺の中点を通る対称軸に関して線対称であったけれども、この実施形態の密閉フィルム53では、シュリンクフィルム73は、基材フィルム83に対して熱による収縮方向の一方側(図では右側)へずれている。
この密閉フィルム53は、上記実施形態と同様に、容器2の蓋部4の中央部分に貼着され、したがって、密閉フィルム53のシュリンクフィルム73は、熱による収縮方向の一方側にずれた状態で蓋部4に貼着されている。このため、蓋部4に形成されている蒸気抜き用切込み3もシュリンクフィルム73に対応するように、ずれた位置に形成されている。
密閉フィルム53の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bには、シュリンクフィルム73の熱による収縮方向の一方(図では左側)の短辺に近接する位置に、ミシン目10が、熱による収縮方向に直交する方向に沿ってその全長に亘って直線状に形成されている。このミシン目10は、シュリンクフィルム7には達しないように形成される。この全長に亘る直線状のミシン目10を境界として、その一方側である右側の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bは、その他方側である左側の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bから分離し易くなっている。
以上のように構成された包装容器1を、電子レンジによって加熱調理すると、加熱によって、シュリンクフィルム73が、図8の矢符B方向に沿って収縮しようとする。このとき、基材フィルム83の、シュリンクフィルム73の熱による収縮方向の両端部は、第2粘着剤層63bによって蓋部4に強固に粘着しているのに対して、基材フィルム83の下層のシュリンクフィルム73は、粘着力の弱い第1粘着剤層63aによって蓋部4に粘着しているので、シュリンクフィルム73が、熱によって収縮方向の両端部から中央部へ引っ張られるように収縮しようとし、該両端部が、蓋部4から剥離する共に、第2粘着剤層63bから剥離し、粘着力の弱い蓋部4側へ内巻きで丸まって巻き取られるように収縮変形する。
このとき、収縮方向の一方(図では左)側のシュリンクフィルム73が、巻き取られてミシン目10に達すると、ミシン目10を境界として、その右側の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bの部分が、その左側の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bの部分と分離破断して、図10に示すように、シュリンクフィルム73と共に一体に丸まって巻き取られる。ミシン目10は、基材フィルム83の全長に亘って形成されているので、ミシン目10の右側の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bは、全長に亘って巻き取られ、蓋部4の蒸気抜き用切込み3が露出する。
収縮方向の他方(図で右側)側のシュリンクフィルム73の近傍の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bには、ミシン目10が形成されていないので、上記実施形態と同様に、シュリンクフィルム73が、熱によって収縮方向に収縮しようとし、蓋部4から剥離すると共に、第2粘着剤層63bから剥離し、図10に示すように、粘着力の弱い蓋部4側へ内巻きで丸まって巻き取られるように収縮変形し、隙間Gが形成される。
このようにシュリンクフィルム73の収縮方向の一方側の端部が、内巻きで巻き取られる際に、ミシン目10に達すると、このミシン目10を境界として、基材フィルム83及び第2粘着剤層63bが、収縮方向に直交する方向の全長に亘って分離破断されて、シュリンクフィルム73と共に巻き取られて蓋部4の蒸気抜き用切込み3が露出する。また、シュリンクフィルム73の収縮方向の他方側の端部が、蓋部4及び第2粘着剤層63bから剥離して内巻きで芯状に巻き取られることによって、基材フィルム83の第2粘着剤層63bと蓋部4の表面との間に隙間Gが形成されることになり、この隙間Gは、熱収縮方向に直交する方向に延びて密閉フィルム53外の空間に連通する。
このようにシュリンクフィルム73の収縮方向の一方側では、ミシン目10を境界として、シュリンクフィルム7のみならず、基材フィルム83を一体に巻き取って蓋部4の蒸気抜き用切込み3を露出させるので、効率的に蒸気を逃がすことができる。
この実施形態では、密閉フィルム53の基材フィルム83及び第2粘着剤層63bにミシン目10を形成したけれども、本発明の他の実施形態として、図11に示されるように、密閉フィルム54の基材フィルム84及び第2粘着剤層64bに、ミシン目10に替えて、直線状の切込み11を形成してもよい。この切込み11は、シュリンクフィルム74には達しないように形成される。この切込み11を境界として、その右側の基材フィルム84及び第2粘着剤層64bは、その左側の基材フィルム84及び第2粘着剤層64bから分離している。
この実施形態によれば、シュリンクフィルム74の収縮方向の一方側が、巻き取られて切込み11に達すると、この切込み11を境界として、基材フィルム84及び第2粘着剤層64bが、シュリンクフィルム74と共に巻き取られて蓋部4の蒸気抜き用切込み3が露出する。
図12及び図13は、本発明の更に他の実施形態の図1及び図2に対応する図である。
上記の各実施形態では、蓋部4は、フィルム状であったけれども、フィルム状に限らず、薄板状であってもよい。この場合、密閉フィルム5の部分が集中的に蒸気によって加熱されてシュリンクフィルム7による巻き取りが円滑に行われるように、蓋部4には、蒸気抜き用切込み3及びその周辺部が窪んだ凹部41を形成してもよい。
この実施形態によれば、電子レンジ等で加熱処理した場合に、内容物から発生する蒸気等が、蒸気抜き用切込み3を通って凹部41に導入され、この凹部41に溜まる蒸気によって、密閉フィルム5が効率的に加熱されてシュリンクフィルム7が収縮し、その両端が上記のように巻き取られて隙間Gを形成することができる。
更に、他の実施形態として、前記凹部41の領域を小さくし、シュリンクフィルム7の熱収縮方向の周縁部には、図14の平面図及び図15の要部の拡大断面図に示すように、複数の溝部42を形成してもよい。
これら複数の溝部42は、一端側が凹部41に連なっており、加熱時には、シュリンクフィルム7の熱収縮によって、密閉フィルム5のシュリンクフィルム7の両端部が、複数の溝部42が露出する位置まで巻き取られることによって、内容物から発生する蒸気等が、蒸気抜き用切込み3、凹部41、溝部42及び隙間Gを通って外部へ排出される。
この場合、密閉フィルム5のシュリンクフィルム7の両端部は、複数の溝部42が露出する位置まで巻き取られればよい。
上記の各実施形態では、加熱時の蒸気を逃がす蒸気抜き部を、切込み3で構成したけれども、本発明の他の実施形態として、例えば、図16に示すように貫通孔3aとしてもよい。なお、貫通孔3aのサイズ、数、形状等は任意に設定することができる。あるいは、図17や図18に示すように、V字状等のハーフカット3bとしてもよい。ハーフカット3bの場合には、電子レンジ等を用いて加熱処理した場合に、内容物等から生じる水蒸気等によって、包装容器1の内圧が上昇し、ハーフカット3b部分の先端に応力が集中して包装フィルムからなる蓋部4を貫通して蒸気抜き孔が形成されることになる。このハーフカット3bの場合には、加熱処理前の通常時は、蓋部4によって完全に密封されることになる。
なお、蒸気抜き部は、切込み3、貫通孔3a、ハーフカット3bを組合せて構成してもよい。
本発明は、上記の包装容器1に限らず、例えば、図19に示すように、包装フィルム4aの端部をヒートシールして構成した包装袋12に適用してもよい。包装袋12を構成する包装フィルム4aには、蒸気抜き部として、例えば、蒸気抜き用切込み3を形成し、シュリンクフィルム7及び基材フィルム8を備える密閉フィルム5を貼着する。
本発明は、上述の各実施形態の各構成、例えば、基材フィルムの切込み、基材フィルムやシュリンクフィルムの形状、蒸気抜き部、蓋部等の各構成を適宜組合せてもよいのは勿論である。
本発明は、電子レンジ等による食品の加熱調理に限らず、内容物としての医療器具等を包装した包装袋や包装容器を、加熱殺菌処理するような場合にも適用できるものである。
密閉フィルムは、シュリンクフィルムと基材フィルムとの2層であるのが好ましいが、3層以上の積層フィルムとしてもよい。
1 包装容器
2 容器
3 蒸気抜き用切込み
4 蓋部
4a 包装フィルム
5,51〜54 密閉フィルム
7,73,74 シュリンクフィルム
8,81〜84 基材フィルム
3a 蒸気抜き用貫通孔
3b 蒸気抜き用ハーフカット
1,92,11 切込み
10 ミシン目
12 包装袋

Claims (13)

  1. 加熱によって生じる蒸気を逃がすための蒸気抜き部を有すると共に、内容物を包装する蒸気抜き用包装材と、前記蒸気抜き部を塞ぐように前記蒸気抜き用包装材に貼着される密閉フィルムとを備え、
    前記密閉フィルムは、加熱によって収縮しない基材フィルムと加熱によって収縮変形するシュリンクフィルムとが、上下に積層されて、前記蒸気抜き用包装材に貼着され、
    前記シュリンクフィルムは、加熱によって収縮変形して前記基材フィルム側及び前記蒸気抜き用包装材側からそれぞれ剥離して、前記基材フィルム側と前記蒸気抜き用包装材側との間に、前記蒸気抜き部からの蒸気を逃がす隙間を形成する、
    ことを特徴とする包装材。
  2. 前記シュリンクフィルムが一軸延伸のシュリンクフィルムであり、
    前記基材フィルムは、前記シュリンクフィルムに比べて、該シュリンクフィルムの熱による収縮方向に長く、前記シュリンクフィルムの両端よりも前記熱による収縮方向の両側にそれぞれ延出する、
    請求項1に記載の包装材。
  3. 前記密閉フィルムは、下面側に第1粘着剤層を有する前記シュリンクフィルム上に、下面側に前記第1粘着剤層よりも粘着力の強い第2粘着剤層を有する前記基材フィルムが積層され、
    前記密閉フィルムは、前記シュリンクフィルムの前記第1粘着剤層、及び、前記基材フィルムの前記第2粘着剤層を介して、前記蒸気抜き用包装材に貼着される、
    請求項2に記載の包装材。
  4. 前記シュリンクフィルムは、熱による収縮方向に直交する方向の長さが、前記基材フィルムの前記直交する方向の長さ以上である、
    請求項1ないし3のずれかに記載の包装材。
  5. 前記基材フィルムには、前記シュリンクフィルムに至らない深さの切込みが形成される、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の包装材。
  6. 前記切込みが、前記シュリンクフィルムの熱による収縮方向に沿って、対向するように一対形成されると共に、各切込みが、前記基材フィルムの一部領域を部分的にそれぞれ囲むように形成される、
    請求項5に記載の包装材。
  7. 前記切込みが、前記シュリンクフィルムの熱による収縮方向に直交する方向に、前記基材フィルムの前記直交する方向の全長に亘って直線状に形成される、
    請求項5に記載の包装材。
  8. 前記切込みが、前記シュリンクフィルムの前記熱による収縮方向の一端に近接して形成される、
    請求項7に記載の包装材。
  9. 前記密閉フィルムは、前記基材フィルムと前記シュリンクフィルムとが、前記熱による収縮方向にずれた状態で積層され、前記基材フィルムの前記収縮方向の中央部に近接して、前記シュリンクフィルムの前記一端が位置する、
    請求項8に記載の包装材。
  10. 前記切込みに替えて、ミシン目が形成される、
    請求項5ないし9のいずれかに記載の包装材。
  11. 前記蒸気抜き部が、前記蒸気抜き用包装材に形成された貫通孔、切込み、及び、ハーフカットの少なくともいずれか一つである、
    請求項1ないし10のいずれかに記載の包装材。
  12. 前記請求項1ないし11のいずれかに記載の包装材を用いた包装体であって、
    前記蒸気抜き用包装材が、前記内容物を収納した容器の開口部を密閉する蓋部を構成する、
    ことを特徴とする包装体。
  13. 前記請求項1ないし11のいずれかに記載の包装材を用いた包装体であって、
    前記蒸気抜き用包装材が、前記内容物を包装する包装袋の一部を構成する、
    ことを特徴とする包装体。
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