JP2015129111A - 新規有機化合物およびそれを有するエレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶媒に対して高い溶解性を有し、消色時に可視光領域に光吸収を持たない高い透明性を有するアノード性のエレクトロクロミック性の有機化合物の提供。
【解決手段】下記式で示される有機化合物。

[A〜AはH、アルキル基、アルコキシ基等;Bの少なくとも一つは、下記式で示される置換基]

【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミック性の新規有機化合物およびそれを有するエレクトロクロミック素子に関する。
電気化学的な酸化還元反応により、物質の光学吸収の性質(呈色状態や光透過度)が変化するエレクトロクロミック(以下「EC」と省略する場合がある)材料としては種々の材料が報告されている。無機EC材料としては、WO等の金属酸化物を用いるものが知られているが、成膜方法が蒸着などに限られ大面積化に課題があった。
有機EC材料としては、ポリチオフェンやポリアニリンなどの導電性高分子や、ビオロゲン、オリゴチオフェンなどの有機低分子化合物などが知られている。
有機低分子のEC化合物としては、還元により着色する(カソード性化合物)ビオロゲン誘導体や、酸化により着色する(アノード性化合物)オリゴチオフェン誘導体等が挙げられる。
これら低分子EC化合物は、導電性高分子に比べてπ共役長が短く紫外領域に吸収を有するため、中性状態において可視光を透過する。そして、酸化状態(アノード性化合物の場合)、または還元状態(カソード性化合物の場合)において可視光を吸収する。酸化状態または還元状態の共役長は、中性状態の共役長よりも長いため、光を吸収する波長領域が可視光の領域となるためである。
つまり、有機低分子のEC化合物は、中性状態において消色し、酸化状態または還元状態において着色する。
特許文献1には、還元状態で着色するビオロゲン誘導体が記載され、非特許文献1には、酸化状態で着色するオリゴチオフェン誘導体が記載されている。
有機低分子EC化合物を用いたEC素子は、消色時に高い透明性を有する。これら低分子ECを用いたEC素子は、EC化合物を炭酸プロピレンなどの溶媒に溶解させ一対の電極で狭持したサンドイッチ型素子が知られている。
特許文献2には、ジチエノチオフェンを有する有機化合物が記載されている。ジチエノチオフェンを有する有機化合物を用いたエレクトロクロミック素子が記載されている。
特開平9−120088号公報 特開2012‐180333号公報
GUAY,J;KASAI,P;DIAZ,A et al.Chemistry of Materials.1992年、4巻、5号 1097−1105 Mei,Jianguo;Heston,Natha C.;Vasilyeva,Svetlana V.et al.Macromolecules、42巻、5号 1482‐1487
低分子EC化合物は、着色時に光学濃度(低透過率)を高くするためには、低分子EC化合物を高濃度で溶媒に溶解させることが好ましい。
非特許文献1に記載のオリゴチオフェン誘導体は溶媒に対して溶解性が低く、酸化還元反応を繰り返した場合の化合物の安定性が低い。
一方、特許文献1に記載のビオロゲン誘導体(カソード性化合物)はその分子構造に起因して溶解性は高いが、酸化還元反応を繰り返した場合の化合物の安定性が低い。
また、特許文献2に記載の有機化合物は、炭酸プロピレン等の溶媒への溶解度は十分ではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、有機溶媒に対して高い溶解性を有し、酸化還元反応の繰り返しに対して高い安定性を有するアノード性のエレクトロクロミック特性を備えた有機化合物を提供することを目的とする。
そこで、本発明は下記一般式[1]で示されることを特徴とする有機化合物。

[1]
式中、A乃至Aは水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立に選ばれる置換基を表す。
前記アリール基は置換基を有してもよい。前記アリール基が置換基を有する場合、前記置換基はハロゲン原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、置換シリル基から選ばれる。
nは1以上4以下の整数である。
式中、Bは水素原子または一般式[2]で表わされる置換基である。複数のBは同じであっても異なっていてもよい。ただし、前記複数のBのうち少なくとも1つは一般式[2]で表わされる置換基である。
一般式[2]中のXは陰イオンを表す。
は炭素原子数1以上20以下の置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。

[2]
一般式[1]におけるYは、一般式[3]乃至[6]のいずれかの構造であり、nが2以上の場合、複数のYは下記一般式[3]乃至[6]よりそれぞれ独立に選ばれる。

[3]

[4]

[5]

[6]
式中、Rは炭素原子数1以上20以下のアルキレン基である。R乃至Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、炭素原子数1以上20以下アルキルエステル基、置換基を有していてもよいアミノ基、またはシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
本発明によれば、有機溶媒に対して高い溶解性を有し、酸化還元反応を繰り返した場合に高い安定性を有する有機化合物を提供できる。そして、それを有する耐久性が高いエレクトロクロミック素子を提供できる。
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子の一例の断面模式図である。 例示化合物A−1の中性状態における紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 本実施形態に係るレンズユニットの断面模式図である。 本実施形態に係る撮像装置の断面模式図である。
本発明は、エレクトロクロミック性を有する有機化合物である。エレクトロクロミック性を有する有機化合物は、エレクトロクロミック化合物とも呼ばれる。本発明に係る有機化合物は、下記一般式[1]で示される化合物である。

[1]
一般式[1]中にYで示されるチオフェン誘導体と、それに結合しピリジウム塩を有するフェニル基と、を有する。
一般式[1]におけるA乃至Aは水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立に選ばれる置換基である。
本実施形態において、炭素原子数1以上20以下のアルキル基は、直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。
なお、本実施形態におけるアルキル基、アルコキシ基等は特にことわらない限り、直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。
乃至Aアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1または2であることがより好ましい。
具体的には、例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ビシクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。さらに、アルキル基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、例えば、トリフルオロメチル基等となっていてもよい。
中でも、メチル基、エチル基、ノルマルブチル基、またはヘキシル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
乃至Aで表わされる炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でも、環状でもよい。このアルコキシ基は、炭素原子数1以上8以下であることが好ましい。
具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が特に好ましい。
乃至Aで表されるアリール基は、例えば、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、ペリレニル基等が挙げられる。好ましくはフェニル基である。
またヘテロ原子が含まれたアリール基(複素環基)として、ピリジル基、インドリル基等が挙げられる。好ましくはピリジル基である。
上記アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、置換シリル基を置換基として有してよい。
上記アリール基が置換基として有するアリール基、アラルキル基、置換アミノ基および置換シリル基は、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。
本実施形態に係る一般式[1]において、Bは一般式[2]で示されるピリジニウム塩構造の置換基または水素原子である。ただし、一般式[1]に示される4つのBのうち少なくとも1つが一般式[2]で示されるピリジウム塩構造の置換基であり、それ以外のBは水素原子である。

[2]
一般式[2]に示されるXは陰イオンを表す。一般式[1]で示される化合物が、ピリジウム塩を複数有する場合は、Xはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
で表わされる陰イオンとしては、PF 、ClO 、BF 、AsF 、SbF 、CFSO 、(CFSOなどの陰イオンや、Br、Cl、Iなどのハロゲン陰イオンが挙げられる。好ましくはPF 、ClO 、BF 、(CFSOのいずれかである。
は置換基を有していてもよい炭素原子数が1以上20以下アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表わす。Rで表される炭素原子数が1以上20以下のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ビシクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。さらに、アルキル基中の水素原子が芳香環で置換されていてもよく、例えば、ベンジル基等となっていてもよい。
で表されるアリール基として、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基である。
一般式[1]中のYは一般式[3]乃至[6]のいずれかで示されるチオフェン誘導体である。一般式[1]中のnは1以上4以下の整数を表し、nが2以上の場合、複数のYは同じであっても異なってもよい。チオフェン誘導体は、酸化した場合に着色するEC特性を示す化合物である。

[3]

[4]

[5]

[6]
一般式[3]において、Rで表されるアルキレン基は炭素原子数1以上20以下のアルキレン基である。Rは炭素原子数1以上4以下のアルキレン基であることが好ましい。
具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基等が挙げられる。
一般式[4]乃至[6]において、R乃至Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、炭素原子数1以上20以下アルキルエステル基、置換基を有していてもよいアミノ基、またはシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
乃至Rで表される炭素原子数1以上20以下のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。このアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1または2であることがより好ましい。
具体的には、例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ビシクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。さらに、アルキル基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、例えば、トリフルオロメチル基等となっていてもよい。
中でも、メチル基、エチル基、ノルマルブチル基、またはヘキシル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
乃至Rで表わされる炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。このアルコキシ基は、炭素原子数1以上8以下であることが好ましい。
具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。
乃至Rで表されるアリール基として、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基である。R乃至Rで示されるアリール基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を置換基として有してよい。
乃至Rで表される炭素原子数1以上20以下のアルキルエステル基としては、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、tert−アミルエステル基、ヘキシルエステル基、ヘプチルエステル基、オクチルエステル基、エチルヘキシルエステル基、シクロペンチルエステル基、シクロヘキシルエステル基等が挙げられる。
本発明に係る有機化合物は、チオフェンの2位や5位にフェニル基を設けた構造となっているため、化合物のラジカルカチオン状態における安定性が高い。
さらに、一般式[1]におけるA乃至Aに水素原子以外の置換基を設けた場合、化合物のラジカルカチオン状態の安定性が高い。
すなわち、本発明に係る一般式[1]における前記A乃至前記Aは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基のいずれかであることが好ましい。
乃至Aが上記置換基である場合は、一般式[1]中にYで表わされるEC部位のチオフェン誘導体を立体障害により保護するためである。
本発明に係る有機化合物は、A乃至Aが水素原子以外の置換基の場合、この置換基により、Yで示されるチオフェン部位を包摂するような分子形状となるため、電気化学反応により生成するラジカルカチオン部位を他のエレクトロクロミック材料分子や不純物などと近づくことを抑制することができる。
そのため、A乃至Aは、置換基が少なくとも一つ設けられることが好ましく、A乃至Aのすべてが水素原子ではないこと、すなわち置換基であることがより好ましい。
乃至Aで表わされる置換基を有し、チオフェン誘導体に近づくことを抑制するので、チオフェン誘導体と他の分子とが反応する可能性が低く、その結果、化合物の安定性が高い。
さらに、A乃至Aで表わされる置換基は、メチル基などのアルキル基、メトキシ基やイソプロポキシ基などのアルコキシ基が好ましい。これらの置換基は電子供与性置換基であり、電子不足となるラジカルカチオンの安定性を高める効果があるためである。
次に、一般式[1]におけるBについて説明する。一般式[1]におけるBは一般式[2]で示される。一般式[2]はピリジウム塩構造を有する置換基である。
本発明に係る有機化合物は、一般式[2]で示される置換基をフェニル基のメタ位に有するため、極性溶媒に対する溶解度が高い。
本発明に係る有機化合物が有するピリジニウム塩構造は、極性溶媒に対して高い親和性を有するため、極性溶媒に対して高濃度に溶解することができる。
本発明に係る有機化合物が有するピリジウム塩構造の部位を、ピリジン環に置き換えた化合物であっても、ある程度の溶解度を高める効果があると考えられるが、ピリジニウム塩構造の方が溶解度が高い。
特許文献2に記載の例示化合物A−17の溶解度は1mM、例示化合物XX−8の溶解度は7mMである。それ以外の例示化合物の炭酸プロピレンに対する溶解度は概ね1乃至10mMの範囲の値であった。
一方、本発明に係る有機化合物の炭酸プロピレンに対する溶解度は、20乃至500mMの範囲であり、溶解性が大きく向上していることが確認された。
本発明に係る有機化合物は、π共役系が短く、中性状態において可視光領域に吸収帯を有さないため、高い透明性を有する。
しかし、ピリジニウム塩構造を一般式[1]に示されるフェニル基のオルト位やパラ位に設けた場合は、EC部位であるチオフェン環や末端フェニル基のπ電子系と、ピリジン環のπ電子系とが電子的に共鳴するため、分子全体の有効共役長が広がり、その吸収は長波長へシフトする。
その結果、中性状態においても可視光領域に吸収帯を有し、高い透明性を損なうおそれがある。
一方、本発明に係る有機化合物は、一般式[1]で示されるフェニル基のメタ位にピリジニウム塩構造が設けられている。メタ位にピリジニウム塩構造を有するため、チオフェン環やフェニル基のπ電子系とピリジニウム塩構造のπ電子系とが共鳴する可能性が低い。
その結果、中性状態において高い透明性を有することができる。
本発明に係る有機化合物はEC性を有するため、エレクトロクロミック素子(EC素子)に用いることができる。特に、エレクトロクロミック層が溶液で構成される溶液型のEC素子であることが好ましい。本発明に係る有機化合物は、極性溶媒に対する溶解度が高いためである。
以下に本発明に係る化合物の具体的な構造式を例示する。但し、本発明に係る化合物はこれらに限定されるものではない。
例示化合物のうちA群に示す化合物は、一般式[1]における酸化着色部位Yがジチエノチオフェンであり、一般式[1]におけるBで表わされるピリジニウム塩構造がフェニル基のメタ位に置換した化学構造である。
また、A群において、A乃至Aは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基のいずれかである。
一方、B群に示す化合物は、一般式[1]におけるYで示される部位が種々のチオフェン誘導体の化学構造からなり、nが1以上4以下の化合物例である。
上記のすべての化合物において、Bで示されるピリジニウム塩構造はフェニル基のメタ位に置換されているため、ピリジニウム塩構造は分子の吸収特性やEC特性に影響を及ぼさずに溶解性を高めることに寄与している。
よって、本発明におけるこれらの有機EC化合物では、有機溶媒に対して高い溶解性を有するとともに、消色時に可視光領域に吸収帯を有さないため透明性が高い。
(本発明に係る有機化合物の合成方法)
本発明に係る有機化合物は例えば、以下の方法で合成することができる。合成法としては、1)メタ位にハロゲン置換基を有するフェニル基とEC部位であるチオフェン化合物とをカップリング反応させた後、ハロゲン原子とピリジル基を反応させた後ピリジル基をピリジニウム塩に変換する方法、2)ピリジル基が置換されたフェニル基と、EC部位であるチオフェン誘導体とを各々合成した後、両者をカップリング反応で連結した後にピリジル基をピリジニウム塩に変換する方法等が挙げられる。
尚、本実施形態に係るEC性有機化合物のうち、上記カップリング反応は、両者のハロゲン体とボロン酸(またはボロン酸エステル)との組み合わせで、公知のPd触媒を用いた反応により合成することができる。
合成方法の一例として、Yで示されるEC部位が2,2’−ビチオフェンと、一般式[1]中に示されるフェニル基のメタ位にピリジル基が置換された化合物のカップリング反応の合成スキームを下記に示す。
式中、Xはハロゲン原子である。このXがカップリング反応により得られた有機化合物が有するピリジル基と反応することで、本発明に係る有機化合物を合成することができる。また、得られた式中の2,2’−ビチオフェン構造を他のチオフェン誘導体とすることで、本実施形態に係るEC性有機化合物を合成することができる。
本発明に係るEC性有機化合物は、エレクトロクロミック素子のEC層として用いることができる。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るEC素子について説明する。
図1のEC素子は、一対の透明電極11と、この一対の電極の間に配置されている電解質と本発明に係るEC性有機化合物とを有するEC層12と、を有するEC素子である。一対の電極は、スペーサー13によって、電極間距離が一定となっている。このEC素子は、一対の電極が一対の透明基板10の間に配置されている。
EC層12は、本発明に係る有機化合物と、電解質とを有している。このEC層は、EC化合物からなる層と、電解質からなる層とを有していてもよい。また、EC化合物と電解質とを有する溶液としてEC層を設けてもよい。本実施形態に係るEC素子は、EC層が溶液であるEC素子であることが好ましい。
次に、本実施形態に係るEC素子を構成する部材について説明する。
電解質としては、イオン解離性の塩であり、かつ溶媒に対して良好な溶解性、固体電解質においては高い相溶性を示すものであれば限定されない。中でも電子供与性を有する電解質が好ましい。これら電解質は、支持電解質と呼ぶこともできる。
電解質としては、例えば、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム塩などがあげられる。
具体的にはLiClO、LiSCN、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiPF、LiI、NaI、NaSCN、NaClO、NaBF、NaAsF、KSCN、KCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩等や、(CHNBF、(CNBF、(n−CNBF、(n−CNPF、(CNBr、(CNClO、(n−CNClO等の4級アンモニウム塩および環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。
EC性有機化合物および電解質を溶かす溶媒としては、EC性有機化合物や電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性を有するものが好ましい。
具体的には水や、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオンニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジオキソラン等の有機極性溶媒が挙げられる。
さらに、上記EC媒体に、さらにポリマーやゲル化剤を含有させて粘稠性が高いもの若しくはゲル状としたもの等を用いることもできる。
上記ポリマーとしては、特に限定されず、例えばポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ナフィオン(登録商標)などが挙げられる。
次に、透明基板および透明電極について説明する。透明基板10としては、例えば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等が用いられる他、無色あるいは有色の透明性樹脂が用いられる。なお、本実施形態において透明とは、可視光の透過率が90%以上の透過率であることを示す。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリノルボルネン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
電極材料11としては、例えば、酸化インジウムスズ合金(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化銀、酸化バナジウム、酸化モリブデン、金、銀、白金、銅、インジウム、クロムなどの金属や金属酸化物、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系材料、カーボンブラック、グラファイト、グラッシーカーボン等の炭素材料などを挙げることができる。
また、ドーピング処理などで導電率を向上させた導電性ポリマー、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。
スペーサー13は、一対の電極11の間に配置されており、本発明のEC性有機化合物を有する溶液12を収容するための空間を与えるものである。具体的には、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム、エポキシ樹脂等を用いることができる。このスペーサーにより、EC素子の電極間距離を保持することが可能である。
本実施形態に係るEC素子は、一対の電極とスペーサーとによって、形成される液体注入口を有していてもよい。液体注入口からEC性有機化合物を有する組成物を封入したのちに、封止部材により注入口を覆い、さらに接着剤等で密閉することで素子とすることができる。
封止部材は、接着剤とEC性有機化合物が接触しないように隔離する役割も担っている。封止部材の形状は、特に限定されないが、楔形等の先細り形状が好ましい。
本実施形態に係るEC素子の形成方法は特に限定されず、一対の電極基板の間に設けた間隙に、真空注入法、大気注入法、メニスカス法等によって予め調製したEC性有機化合物を含有する液体12を注入する方法を用いることができる。
本実施形態に係るEC素子は、本発明に係る有機化合物と、この有機化合物とは別種の第2の有機化合物とを有してもよい。第2の有機化合物は、一種類でも複数種種類でもよく、酸化状態で着色する化合物でも、還元状態で着色する化合物でも、その双方であってもよい。特に、還元状態で着色する化合物が好ましい。
還元状態で着色する化合物とは、還元状態における可視光の透過率が、酸化状態における可視光の透過率よりも低い化合物である。
着色時における他のEC化合物の吸収波長領域は、400nm以上800nm以下の範囲が好ましく、より好ましくは、420nm以上700nm以下である。
本実施形態に係るEC素子は、他のEC化合物を有することで、EC素子を着色させた場合の可視光領域における光の吸収率最大値と、最小値との差が34%以下であるEC素子であることが好ましい。さらに好ましくは、前記光の吸収率の最大値と最小値との差が10%以下であることが好ましい。
可視光領域の各波長における光の吸収率の差が小さいEC素子を用いれば、着色時の色ずれの少ないので、好ましい。
可視光領域の光を均一に吸収するEC素子を着色した場合、着消色時に色ずれの少ないEC素子が得られる。
一方、EC素子に用いる化合物は、酸化状態または還元状態のいずれかにおいて、吸収波長のピークが400nm以下であることが好ましい。EC素子の光の透過率を低くした場合に、高い透明性を有する素子を提供できるためである。
本実施形態に係る他のEC化合物として、例えば、下記の化合物があげられる。
酸化状態で着色する他のEC化合物としては、5,10−ジヒドロ−5,10−ジメチルフェナジン、5,10−ジヒドロ−5,10−ジエチルフェナジンなどのフェナジン系化合物、フェロセン、テトラ−t−ブチルフェロセン、チタノセンなどのメタロセン系化合物、N,N’,N,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン系化合物、1−フェニル−2−ピラゾリンなどのピラリゾン系化合物などが挙げられる。
還元状態で着色する化合物としては、N,N’−ジヘプチルビピリジニウムジパークロレート、N,N’−ジヘプチルビピリジニウムジテトラフフオロボレート、N,N’−ジヘプチルビピリジニウムジヘキサフルオロホスフェート、N,N’−ジエチルビピリジニウムジパークロレート、N,N’−ジエチルビピリジニウムジテトラフルオロボレート、N,N’−ジエチルビピリジニウムジヘキサフルオロホスフェート、N,N’−ジベンジルビピリジニウムジパークロレート、N,N’−ジベンジルビピリジニウムジテトラフルオロボレート、N,N’−ジベンジルビピリジニウムジヘキサフルオロホスフェート、N,N’−ジフェニルビピリジニウムジパークロレート、N,N’−ジフェニルビピリジニウムジテトラフロロボレート、N,N’−ジフェニルビピリジニウムジヘキサフロロホスフェートなどのビオロゲン系化合物、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノンなどのアントラキノン系化合物、フェロセニウムテトラフルオロボレート、フェロセニウムヘキサフルオロホスフェートなどのフェロセニウム塩系化合物、スチリル化系化合物などが挙げられる。
本発明に係るエレクトロクロミック素子は、エレクトロクロミック化合物として、酸化状態で着色する本発明に係る有機化合物と還元状態で着色する上述のビピリジニウム塩の化合物とを有する場合は、エレクトロクロミック化合物として、ピリジニウム塩を有さない酸化着色型の有機化合物と還元着色型のビピリジニウム塩の化合物とからなる場合に比べて、素子の耐久性に優れる。
これは、本発明に係る有機化合物が分子内にカチオン性のピリジニウム塩を有しており、同じくカチオン性の還元着色型ビピリジニウム塩との静電反発により分子間衝突が起こりにくいためであると考えられる。
本実施形態に係るEC素子は消色時に高い透明性を有するとともに、本発明に係る有機化合物が有機溶媒に対して高い溶解性を有することから着色時に高い光学濃度を与え、透過率を低くすることが可能であり、カメラ等の撮像素子への入射光量を大きく減光する際に好適に用いることができる。
本実施形態に係るEC素子は、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材に用いることができる。
光学フィルタは、本実施形態に係るEC素子と、EC素子に接続されている能動素子とを有している。能動素子は、EC素子に接続されている形態は、直接に接続されていても、間接に接続されていてもよい。能動素子は、EC素子の透過率を制御するためのスイッチング素子が挙げられる。スイッチング素子は、TFTやMIM素子が挙げられる。TFTは、薄膜トランジスタとも呼ばれる。TFTの構成材料は、半導体や酸化物半導体が用いられる。具体的には、アモルファスシリコンでも、低温ポリシリコンでも、InGaZnOを構成材料とする半導体であってもよい。
本実施形態に係るレンズユニットは、複数のレンズと、EC素子を有する光学フィルタとを有している。光学フィルタは、複数のレンズの間またはレンズの外側のいずれに設けられていてもよい。光学フィルタは、レンズの光軸上に設けられることが好ましい。
本実施形態に係る撮像装置は、光学フィルタと、この光学フィルタを通過した光を受光する受光素子とを有する。
撮像装置は、カメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等が挙げられる。撮像装置は、受光素子を有する本体と、レンズを有するレンズユニットが分離できる形態でもよい。
撮像装置本体と、レンズユニットが分離できる形態においては、撮像時に撮像装置とは別体の光学フィルタを用いる形態でもよく、光学フィルタは、レンズユニットの外側、レンズユニットと受光素子との間、レンズユニットが複数のレンズを有する場合は、レンズの間に配置されていてもよい。
本実施形態に係る窓材は、一対の透明基板と、EC素子と、EC素子の透過率を制御するための能動素子を有している。この能動素子は、EC素子に接続されている。EC素子に接続されている形態は、直接に接続されていても、間接に接続されていてもよい。窓材は航空機、自動車、住宅などの窓に用いることができる。
EC素子を有する窓材は、電子カーテンを有する窓材と呼ぶこともできる。
図3は、本実施形態に係る光学フィルタとそれを有するレンズユニットを表わす模式図である。
光学フィルタ101は、有機EC素子と、有機EC素子に接続されている能動素子と、を有し、レンズユニット102内に配置されている。
レンズユニット102は、複数のレンズあるいは複数のレンズ群を有するユニットである。例えば、図3において、レンズユニットは、第1のレンズ104、第2のレンズ105、第3のレンズ106、第4のレンズ107の4つのレンズを有する。4つのレンズはそれぞれが複数のレンズから構成されていてもよい。また、レンズは、4つに限られない。
レンズユニットは、例えば、第2のレンズと第3のレンズの間隔を変化させて変倍を行い、該第4のレンズを移動させてフォーカスを行う。
レンズユニット102は、例えば、第2のレンズと第3のレンズとの間に開口絞り108を有し、また、第3のレンズと第4のレンズとの間に光学フィルタ101を有する構成があげられる。もちろん、他の位置、例えば、第1のレンズと第2のレンズとの間に光学フィルタを有していてもよい。
図4は本実施形態に係る光学フィルタを有する撮像装置の模式図である。レンズユニット102の構成要素は図3と同様である。
レンズユニット102はマウント部材(不図示)を介して撮像装置103に着脱可能に接続されている。
ガラスブロック109はローパスフィルタやフェースプレートや色フィルター等のガラスブロックである。
また、受光素子110は、レンズユニットを通過した光を受光するセンサ部であって、CCDやCMOS等の撮像素子が使用できる。また、フォトダイオードのような光センサであっても良く、光の強度あるいは波長の情報を取得し出力するものを適宜利用可能である。
図4では、光学フィルタ101は、受光素子110の直前に設けられているが、本実施形態はこの形態に限られず、例えば、第4のレンズとガラスブロック109との間に設けられてもよい。
EC素子が消色状態では高透明性を発揮できるので入射光に対して充分な透過光量が得られ、また着色状態では入射光を確実に遮光及び変調した光学的特性が得られる。また酸化還元繰り返し特性に優れるので、素子寿命が長い素子とすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例中のEC特性を示す部位や、構造中のフェニル基の置換基を適宜変更することで、所望のEC性有機化合物を合成することができる。
[実施例1]
<例示化合物A−1の合成>
(1)XX−3の合成:1Lの反応容器で、2−ブロモ−ジチエノチオフェン:6.03g(21.8mmol)、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸:7.16g(43.7mmol)をトルエン(437ml)中で混合し、窒素で溶存酸素を除去した。
次にPd(OAc):98mg(0.437mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos):448mg(1.09mmol)およびりん酸三カリウム:23.2g(109.2mmol)を窒素雰囲気下添加し、140℃にて加熱還流し24時間反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘプタン/クロロホルム=9/1)により分離精製し、黄色油状のXX−2を得た(4.66g、収率67.6%)。
次いで500mlの反応容器で、得られたXX−2:2.4g(7.63mmol)を無水テトラヒドロフランに溶解し、−78℃まで冷却した。この溶液に1.65Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(5.09ml、8.39mmol)をアルゴン雰囲気下滴下し、30分撹拌した後、イソプロポキシピナコールボラン:2.34ml(11.45mmol)を加え室温で1.5時間反応を行った。
反応液に水を加えて反応を停止させた後、減圧濃縮し、残渣をメタノールで分散洗浄することによりXX−3を得た(3.05g、収率90.7%)。
(2)XX−5の合成:100ml反応容器に、XX−3:661mg(1.5mmol)、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン:566mg(2.0mmol)をトルエン/エタノール(6ml/3ml)混合溶媒で混合し、窒素で溶存酸素を除去した。
さらに、Pd(PPh:57.8mg(0.05mmol)および炭酸ナトリウム水溶液(1M):6mlを窒素雰囲気下添加した後、65℃で7時間、加熱反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/クロロホルム(9/1)により分離精製し、XX−4を得た(0.74g)。
次いで得られたXX−4:260mg(0.55mmol)、4−ピリジルボロン酸ピナコールエステル:147mg(0.715mmol)をトルエン/エタノール(6ml/3ml)混合溶媒中100ml反応容器で混合し、窒素で溶存酸素を除去した。次にPd(PPh:24mg(0.02mmol)および炭酸ナトリウム水溶液(1M):6mlを窒素雰囲気下添加した後、80℃で6時間、加熱反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル)により分離精製し、XX−5を得た(257mg)。
(3)A−1の合成:25mlの反応容器で、XX−5:217mg(0.46mmol)、ベンジルブロミド:156mg(0.63mmol)をトルエン(6ml)に溶解し、110℃で4時間、反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、淡黄色の析出物を濾別した。これに酢酸エチル(40ml)および水(50ml)を加え撹拌後、水層にKPF(1.5g)を加え、アニオン交換反応を行った。水層に酢酸エチルをさらに添加し、有機層を回収・濃縮乾燥し、目的の化合物A−1を得た(142mg)。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定の測定により、得られた化合物の構造確認を行った。その結果、ピーク積分値の比がその構造と良く一致したので、得られた化合物は例示化合物A−1であることを確認した。NMRスペクトルの測定結果を以下に示す。
H−NMR(THF−d)δ(ppm):9.14(d,2H),8.57(d,2H),8.45(s,1H),8.39(s,1H),8.02−7.97(m,2H),7.73(t,1H),7.66(d,2H),7.55−7.47(m,3H),7.21(s,1H),7.03(s,1H),5.94(s,2H),2.38(s,3H),2.26(s,6H).
得られた例示化合物A−1をクロロホルムに溶解し、この溶液について紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製V−560)を用いて測定した吸収スペクトル図を図2に示す。
吸収ピークが最大強度となるλmaxは紫外領域である355.5nmであった。例示化合物A−1は可視光領域全体にわたって吸収を持たないので、透明な材料である。
[実施例2]
<例示化合物B−1の合成>
(1)XX−6の合成:100ml反応容器に、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン:2.09g(7.4mmol)、4−ピリジルボロン酸ピナコールエステル:1.01g(4.9mmol)をトルエン/エタノール/蒸留水(6ml/3ml)混合溶媒で混合し、窒素で溶存酸素を除去した。さらに、Pd(PPh:185mg(0.16mmol)および炭酸ナトリウム水溶液(1M):6mlを窒素雰囲気下添加した後、80℃で6時間、加熱反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル)により分離精製し、XX−6を得た(1.13g)。
(2)B−1の合成:50mlの反応容器で、(1)で得たXX−6:113mg(0.48mmol)、XX−7:80mg(0.22mmol)を、トルエン/エタノール(6ml/3ml)混合溶媒で混合し、窒素で溶存酸素を除去した。さらに、Pd(PPh:24mg(0.02mmol)および炭酸ナトリウム水溶液(1M):6mlを窒素雰囲気下添加した後、100℃で6.5時間、加熱反応を行った。尚、XX−7は3,4−ジメチルチオフェンを出発原料として、非特許文献2に記載の合成法に倣って合成した化合物である。
反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/エタノール(5/1)により分離精製し、XX−8を得た(51mg)。
次いで、得られたXX−8:51mg(0.12mmol)、ベンジルブロミド:364mg(0.17mmol)をトルエン(10ml)に溶解し、100℃で6時間、反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、淡黄色の析出物を濾別した。これに酢酸エチル(40ml)および水(50ml)を加え撹拌後、水層にKPF(3g)を加え、アニオン交換反応を行った。水層に酢酸エチルをさらに添加し、有機層を回収・濃縮乾燥し、目的の化合物B−1を得た(41mg)。NMRスペクトルの測定結果を以下に示す。
H−NMR(THF−d)δ(ppm):9.09(d,4H),8.57(d,4H),8.19(s,2H),8.04(d,2H),7.83(d,2H),7.76(t,2H),7.64(d,4H),7.54−7.49(m,6H),5.93(s,4H),2.37(s,6H).
得られた例示化合物B−1をクロロホルムに溶解し、この溶液について実施例1と同様に吸収スペクトルを測定した結果、吸収ピークが最大強度となるλmaxは紫外領域である311.5nmであった。例示化合物B−1は可視光領域全体にわたって吸収を持たないので、透明な材料である。
[実施例3および比較例1]
<炭酸プロピレンへの溶解度>
実施例1で得られた化合物A−1、実施例2で得られた化合物B−1、および比較例として化合物A−1のピリジニウム塩前駆体Ref−1の3つの化合物について、EC素子溶媒である炭酸プロピレンへの溶解度を測定した。
尚、比較例の化合物Ref−1の分子構造は下記に示す通りであり、化合物A−1のピリジニウム塩部位がイオン化されていない構造であるピリジル基が置換された構造である。結果を表1に示す。
実施例化合物A−1およびB−1は炭酸プロピレンに対して高い溶解度を示したのに対して、ピリジニウム塩構造となっていない比較例化合物Ref−1は8mMの濃度でも濁りが見られた。これらの結果は、ピリジニウム塩構造を置換基として有する本発明に係る化合物A−1およびB−1が炭酸プロピレンに対して高い溶解度を有することを示すものである。
<エレクトロクロミック素子の作製および特性評価>
電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウムを0.1Mの濃度で炭酸プロピレンに溶解させ、次いで実施例1の有機化合物A−1を40.0mMの濃度で溶解させ、EC媒体を得た。
次いで透明導電膜(FTO)付きのガラス基板(下部電極)の周辺部に、着消色領域を規定する開口部を残して絶縁層(SiO)を形成し、基板間隔を規定するPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製メリネックスS、125μm厚)を透明電極膜付きガラス基板(上部電極)で狭持した後、EC媒体注入用の開口部を残してエポキシ系接着剤により素子周辺部を封止し、注入口付き空セルを作製した。
次に前述の素子開口部より、上で得られたEC媒体を真空注入法により注入後、開口部を周辺部と同様にエポキシ系接着剤により封止し、EC素子とした。
作製直後の本EC素子は可視光領域全域にわたり、80%前後の透過率を示し、高い透明性を有していた。
この素子に電圧を1.6V印加すると、酸化着色部位であるジチエノチオフェン誘導体の酸化種に由来する吸収(λmax=493nm)を示し、素子は着色した。電圧印加時のこの波長における透過率は1.5%と低い透過率を示した。
さらに−0.5V印加すると消色し、可逆的な着消色を示した。このように、実施例1の有機化合物A−1を用いた素子は、酸化還元に伴い着色時と消色時の光学濃度差の大きなエレクトロクロミック特性を示すことが確認された。
一方、比較例の化合物Ref−1を4.0mMの濃度で溶解させた素子も同様に作製し、そのエレクトロクロミック特性を評価した結果、酸化着色時の吸収ピーク波長(494nm)における透過率は65%と透過率変化量は小さかった。
この結果は、実施例1の化合物A−1は比較例のRef−1に比べ、着色時に大きな透過率変化量を実現することができることを示している。
これは、化合物A−1は構造中のフェニル基にピリジニウム塩構造を含む分子構造により、炭酸プロピレンに対して高い溶解性を示すためである。
以上のように本発明は、消色時に可視光領域に光吸収を示さない高い透明性を有するとともに、有機溶媒に対して高い溶解性を有する化合物を提供できる。またそれを有する耐久性の高いEC素子を提供することができる。
本発明に係る有機化合物は、消色時における高い透明性および有機溶媒に対する高い溶解性を有する化合物である。またEC素子に用いた場合には、有機溶媒に対する溶解度が高いため、着色時に低い透過率を与えることが可能であり、EC素子、それを用いた光学フィルタ、レンズユニットおよび撮像装置等に利用することができる。
10 透明基板
11 透明電極
12 EC化合物を含んだ組成物
13 スペーサー

Claims (14)

  1. 下記一般式[1]で示されることを特徴とする有機化合物。

    [1]
    式中、A乃至Aは水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立に選ばれる置換基を表す。
    前記アリール基は置換基を有してもよい。前記アリール基が置換基を有する場合、前記置換基はハロゲン原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、置換シリル基から選ばれる。
    nは1以上4以下の整数である。
    式中、Bは水素原子または一般式[2]で表わされる置換基である。複数のBは同じであっても異なっていてもよい。ただし、前記複数のBのうち少なくとも1つは一般式[2]で表わされる置換基である。
    一般式[2]中のXは陰イオンを表す。
    は炭素原子数1以上20以下の置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わす。

    [2]
    一般式[1]におけるYは、一般式[3]乃至[6]のいずれかの構造であり、nが2以上の場合、複数のYは下記一般式[3]乃至[6]よりそれぞれ独立に選ばれる。

    [3]

    [4]

    [5]

    [6]
    式中、Rは炭素原子数1以上20以下のアルキレン基である。R乃至Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、炭素原子数1以上20以下アルキルエステル基、置換基を有していてもよいアミノ基、またはシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
  2. 前記Xが、PF 、ClO 、BF 、AsF 、SbF 、CFSO 、(CFSO、Br、Cl、Iのいずれかである請求項1に記載の有機化合物。
  3. 前記Xが、PF 、ClO 、BF 、(CFSOのいずれかである請求項1または2に記載の有機化合物。
  4. 前記Rが、ベンジル基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機化合物。
  5. 前記A乃至前記Aの少なくとも一つが前記アルキル基、前記アルコキシ基または前記置換基を有してもよいアリール基のいずれかである請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
  6. 一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されているエレクトロクロミック層を有するエレクトロクロミック素子であって、
    前記エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック化合物および電解質を有し、前記エレクトロクロミック化合物は請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機化合物であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  7. 前記エレクトロクロミック層は前記有機化合物とは、別種の第2のエレクトロクロミック化合物をさらに有する請求項6に記載のエレクトロクロミック素子。
  8. 前記第2のエレクトロクロミック化合物は、還元状態における可視光の透過率が酸化状態における可視光の透過率よりも低い化合物である請求項7に記載のエレクトロクロミック素子。
  9. 着色時における可視光の吸収率の最大値と、着色時における可視光の吸収率の最小値との差が34%以下である請求項6乃至8のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
  10. 着色時における可視光の吸収率の最大値と、着色時における可視光の吸収率の最小値との差が10%以下である請求項6乃至9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
  11. 請求項6乃至10のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子に接続されている能動素子とを有することを特徴とする光学フィルタ。
  12. 複数のレンズと、請求項11に記載の光学フィルタとを有することを特徴とするレンズユニット。
  13. 請求項11に記載の光学フィルタと、前記光学フィルタを通過した光を受光する受光素子とを有することを特徴とする撮像装置。
  14. 一対の透明基板と、前記一対の基板の間に配置されている請求項6乃至10のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子に接続されている能動素子とを有することを特徴とする窓材。
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