JP6991731B2 - 有機化合物、エレクトロクロミック化合物、及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材 - Google Patents

有機化合物、エレクトロクロミック化合物、及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材 Download PDF

Info

Publication number
JP6991731B2
JP6991731B2 JP2017076185A JP2017076185A JP6991731B2 JP 6991731 B2 JP6991731 B2 JP 6991731B2 JP 2017076185 A JP2017076185 A JP 2017076185A JP 2017076185 A JP2017076185 A JP 2017076185A JP 6991731 B2 JP6991731 B2 JP 6991731B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
organic compound
electrochromic
image pickup
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017076185A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017206499A (ja
Inventor
悟史 井川
潤 山本
憲司 山田
哲也 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to US15/591,832 priority Critical patent/US10310350B2/en
Publication of JP2017206499A publication Critical patent/JP2017206499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6991731B2 publication Critical patent/JP6991731B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、有機化合物、エレクトロクロミック化合物、及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材に関する。
エレクトロクロミック素子(EC素子)は、一対の電極と、この一対の電極の間に配置されているエレクトロクロミック層(EC層)とを有する素子である。一対の電極に電圧を印加することで、EC層を通過する光の光量を調整することができる。
このようなEC素子には、電気化学的な酸化還元反応が可逆的に進行することにより、物質の光学吸収の性質(呈色状態や光透過度)が変化するエレクトロクロミック性(EC性)を有するエレクトロクロミック化合物(EC化合物)が用いられている。有機低分子のEC化合物としては、還元により着色するカソード性EC化合物であるビオロゲン誘導体や、酸化により着色するアノード性EC化合物であるフェナジン誘導体等がある。
これらのEC化合物を用いて、自動車の調光ミラーや、電子ペーパー等にEC素子を応用することが行われてきた。これらの装置は、EC化合物の選択によって多様な色調の表示が可能であるという特性を利用している。EC素子を利用する上で、多様な色調の材料を開発することが広汎な用途への可能性を示唆している。
特許文献1には、4,4’-ビピリジニウムを構成する2つのピリジル基の少なくとも一方の炭素原子にアルキル基が導入されているビオロゲン誘導体が記載されている。先行文献1には、具体例として、アルキル基が4,4’-ビピリジニウムの2,2’位に結合したビオロゲン誘導体、及び、アルキル基が4,4’-ビピリジニウムの3,3’位に結合したビオロゲン誘導体が記載されている。
特開昭61-148162号公報
しかし、先行技術1に記載のアルキル基が4,4’-ビピリジニウムの2,2’位に結合したビオロゲン誘導体は、着色状態における吸収ピークの波長が、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基を有さないビオロゲンとほぼ同じであった。また、アルキル基が4,4’-ビピリジニウムの3,3’位に結合したビオロゲン誘導体は、吸収ピークの波長が長波長帯域に現れるが、酸化還元反応が可逆的に進行せず、EC性を有さない。
上述の課題に鑑み、本発明は、着色状態で、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基が導入されていないビオロゲンよりも長波長帯域に吸収ピークを有し、且つ、電気化学的な酸化還元反応が可逆的に進行する有機化合物を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての有機化合物は、下記一般式(1)で表わされることを特徴とする。
Figure 0006991731000001

式(1)において、R1は、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基またはシクロヘキシルオキシ基を表す。X及びXは、置換基を有してもよいアルキル基、シクロヘキシル基、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよいアラルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。前記アルキル基の水素原子はフッ素原子に置き換わってよい。前記アルコキシ基の水素原子がハロゲン原子に置き換わってよい。A 及びA は、それぞれ独立に一価のアニオンを表す。
本発明の一側面としての有機化合物によれば、着色状態で、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基が導入されていないビオロゲンよりも長波長帯域に吸収ピークを有し、且つ、電気化学的な酸化還元反応が可逆的に進行する有機化合物を提供できる。
実施形態に係るエレクトロクロミック素子の構成の一例を説明する断面模式図。 実施形態に係る撮像装置の構成を説明する断面模式図。 例示化合物A-6の着色状態と消色状態の紫外可視吸収スペクトル。 例示化合物B-3の着色状態と消色状態の紫外可視吸収スペクトル。 例示化合物B-8の着色状態と消色状態の紫外可視吸収スペクトル。 例示化合物D-1の着色状態と消色状態の紫外可視吸収スペクトル。 比較例1、2のそれぞれの比較化合物の着色状態と消色状態の紫外可視吸収スペクトル。 例示化合物H-1の着色状態と消色状態の紫外可視吸収スペクトル。
本発明の有機化合物は、エレクトロクロミック性(EC性)を有する有機化合物である。EC性とは、電気化学的な酸化還元反応が可逆的に進行することにより、物質の光学吸収の性質(呈色状態や光透過度)が変化し、その色調が変化する性質である。なお、本実施形態において、着色するとは、特定の波長の透過率が低くなることを言う。以降の説明では、EC性を有する有機化合物を、エレクトロクロミック化合物(EC化合物)とも呼ぶ。
本発明に係る有機化合物は、下記一般式(1)で表わされることを特徴とするエレクトロクロミック化合物である。
Figure 0006991731000002

一般式(1)において、Rはアルキル基またはアルコキシ基を表す。X及びXは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよいアラルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。A 及びA は、それぞれ独立に一価のアニオンを表す。
で表わされるアルコキシ基は、直鎖状でも、分岐状でも、よい。Rで表わされるアルコキシ基は、炭素原子数1以上8以下であることが好ましく、炭素原子数1以上8以下の直鎖状であることがより好ましい。Rで表わされるアルコキシ基は、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ基、オクチルオキシ基が挙げられる。 はシクロヘキシルオキシ基であってもよい。また、アルコキシ基が有する水素原子がハロゲン原子に置き換わってもよい。
及びXで表わされる置換基を有してもよいアルキル基は、炭素原子数1以上8以下が好ましく、直鎖状でも、分岐状でも、よい。X及びXで表わされるアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、オクチル基が挙げられる。 及びX は、シクロヘキシル基となってもよい。
及びXで表わされるアルキル基の水素原子がフッ素原子に置き換わってもよい。また、X及びXで表わされるアルキル基が有する炭素原子が、エステル基、シアノ基に置き換わってもよい。
また、X及びXで表わされるアルキル基の末端が多孔質電極へ吸着するための吸着基またはその酸エステル基を有していてもよい。吸着基又はその酸エステル基の具体例としては、カルボキシル基及びカルボキシルエステル基、スルホン酸基及びスルホン酸エステル基、ホスホン酸基及びホスホン酸エステル基、トリアルコキシシリル基等が挙げられる。さらに、有機溶媒への溶解性を向上するため、アルキル基の末端がピリジニウム、キノリニウム等のイオン性基を有していてもよい。
及びXで表わされる置換基を有してもよいアリール基は、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基等が挙げられる。
及びXで表わされるアリール基が置換基を有する場合は、置換基として、ハロゲン原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、または、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の少なくともいずれかを有してよい。また、X及びXで表わされるアリール基の置換基としてのアルキル基またはアルコキシ基の水素原子がフッ素原子に置き換わってもよい。
また、X及びXで表わされる置換基を有してもよいアリール基は、その置換基のアルキル基の末端が多孔質電極へ吸着するための吸着基またはその酸エステル基を有していてもよい。吸着基またはその酸エステル基の具体例としては、カルボキシル基及びカルボキシルエステル基、スルホン酸基スルホン酸エステル基、ホスホン酸基及びホスホン酸エステル基、トリアルコキシシリル基等が挙げられる。さらに、有機溶媒への溶解性を向上するため、アルキル基の末端がピリジニウム、キノリニウム等のイオン性基を有していてもよい。
、Xで表される置換基を有していてもよいアラルキル基は、具体的にはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(1)においてX、Xがアラルキル基の場合とは、アラルキル基が有するアリール基がアルキル基を介して4,4’-ビピリジニウムの窒素原子と結合していることを言う。X、Xで表されるアラルキル基が置換基を有する場合、置換基として、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、または炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を有してよい。なお、有機化合物のラジカルの安定性の観点から、X及びXは、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基がより好ましい。
、A は、同じでも異なっていてもよく、PF 、ClO 、BF 、AsF 、SbF 、CFSO 、(CFSOなどの陰イオンや、Br、Cl、Iなどのハロゲン陰イオンから選ばれる。好ましくはPF 、ClO 、BF 、CFSO 、(CFSOのいずれかである。また、より好ましくは、A とA とが同一のアニオンである。
本発明に係る有機化合物は、一般式(1)で表わされる構造であるため、溶媒に溶解させた場合、高い透明性を有する化合物である。
また、一般式(1)で表わされる有機化合物は、還元することにより着色するカソード性のEC化合物である。すなわち、一般式(1)で表わされる有機化合物は、電気化学的な酸化還元反応が可逆的に進行し、酸化還元反応によって光学吸収の性質(呈色状態や光透過度)が変化する化合物である。
一般式(1)で表わされる有機化合物は、還元状態(着色状態)において、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基を有さないビオロゲンと比較して長波長帯域に吸収ピークを有する。
ここで、本明細書における「吸収ピーク」とは、有機化合物の吸収スペクトルにおいて、ある波長帯域において吸光度が極大となり、且つ、その半値幅が20nm以上のものと定義する。半値幅とは、吸収スペクトルにおける吸光度が、極大値における吸光度の半分の値(半値)となる波長の幅である。吸収ピークの波長とは、上述の条件を満たす吸収ピークにおいて、吸光度が極大となる波長である。
一般式(1)で表わされる有機化合物は、着色状態で630nm以上750nm以下の波長帯域に吸収ピークを有することが好ましい。より好ましくは、一般式(1)で表わされる有機化合物は、着色状態で650nm以上750nm以下の波長帯域に吸収ピークを有する。これは、4,4’-ビピリジニウムの3位にRで表わされるアルキル基またはアルコキシ基を導入することにより、着色状態での化合物の平面性が、置換基を有さないビオロゲンと異なるためであると考えられる。4,4’-ビピリジニウムの片側のピリジンの3位にアルキル基またはアルコキシ基を導入することにより、着色状態で平面性が向上し、その結果、吸収ピークが長波長側に現れる。
このように、本実施形態の有機化合物によれば、着色状態で長波長帯域に吸収ピークを有し、且つ、酸化還元反応が可逆的に進行する有機化合物を提供できる。
一般式(1)で表わされる有機化合物は、還元状態におけるラジカルの安定性が高く、酸化還元サイクルにおける耐久安定性が高い。そのため、一般式(1)で表わされる有機化合物をエレクトロクロミック素子(EC素子)に用いれば、耐久安定性の高いEC素子を得ることができる。一般式(1)で表わされる有機化合物のうち、X及びXが置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基の有機化合物は、X及びXがアラルキル基の有機化合物よりもラジカルの安定性がより高い。
一般式(1)で表わされる有機化合物を製造する方法について、特に制限はないが、例えば、以下に示す方法によって製造することができる。
一般式(1)で表わされる有機化合物は、X、Xがアルキル基、アラルキル基の場合、まず、下記一般式(2)で表わされる有機化合物(中間体1)とハロゲン化物とを所定の溶媒中で反応させる。ここで使用する溶媒は、特に制限はないが、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒を用いることが好ましい。その後、所望のアニオンを含む塩と所定の溶媒中でアニオン交換反応させることにより得ることができる。ここで使用する溶媒としては、ハロゲン体及び所望のアニオンを含む塩の両方を溶解させることのできる溶媒を使用することが好ましい。
、Xがアリール基の場合、2,4-ジニトロフェニルハライドと反応した後、アリールアミンと反応させ、アニオンを含む塩と所定の溶媒中でアニオン交換反応させることにより、一般式(1)で表される有機化合物を得ることができる。また、溶媒及び反応温度を選択することによって、片側のイミンだけ反応させることもできる。反応を繰り返すことによって、二つのイミンに互いに異なる置換基を導入することも可能である。
Figure 0006991731000003

中間体1の製造方法は特に制限はないが、例えば、以下に示す方法によって製造するこができる。以下に、中間体1の合成ルートの一例を示す。
中間体1の合成ルート内のRは一般式(1)と同様の置換基を表わし、Xはハロゲン原子を表す。中間体1は、3位にアルキル基またはアルコキシ基を有する4-ハロゲン化ピリジンと4-ピリジルボロン酸とのカップリング反応で合成することができる。
Figure 0006991731000004

以下に一般式(1)で表わされる有機化合物の具体的な構造式を例示する。ただし、本発明に係る一般式(1)で表わされる有機化合物は、これらに限定されるものではない。
なお、下記に例示する有機化合物のうち、A群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルキル基且つX、Xが置換基を有していてもよいアルキル基の場合の有機化合物の一例である。また、B群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルキル基且つX、Xが置換基を有していてもよいアリール基の場合の有機化合物の一例である。C群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルキル基且つX、Xが互いに異なる場合の有機化合物の一例である。D群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルキル基且つX、Xが置換基を有していてもよいアラルキル基の有機化合物の一例である。E群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルコキシ基且つX、Xが置換基を有していてもよいアルキル基の場合の有機化合物の一例である。F群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルコキシ基且つX、Xが置換基を有していてもよいアリール基の場合の有機化合物の一例である。G群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルコキシ基且つX、Xが互いに異なる場合の有機化合物の一例である。H群は、一般式(1)において、Rが置換基を有していてもよいアルコキシ基且つX、Xが置換基を有していてもよいアラルキル基の有機化合物の一例である。
Figure 0006991731000005
Figure 0006991731000006
Figure 0006991731000007
Figure 0006991731000008
Figure 0006991731000009
Figure 0006991731000010
Figure 0006991731000011

上述したように、一般式(1)で表わされる有機化合物によれば、着色状態において、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基が導入されていないビオロゲンよりも長波長帯域に吸収ピークを有する有機化合物を提供できる。また、一般式(1)で表される有機化合物は、酸化還元反応が可逆的に進行する有機化合物である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態の有機化合物は、EC性を有し、EC素子のエレクトロクロミック層(EC層)に用いることができる。以下、図1を参照しながら本実施形態に係るEC素子について説明する。
図1は、本実施形態のEC素子15の構成の一例を示す模式図である。EC素子15は、一対の電極11と、この一対の電極11の間に配置されているEC層12と、一対の基板10と、スペーサー13と、を有する。一対の電極11は、スペーサー13によって、電極間距離が一定となるように構成されている。本実施形態のEC素子15は、一対の電極11が、一対の基板10の間に配置されている。本実施形態のEC素子15は、一対の電極11と、EC層12と、一対の基板10と、スペーサー13と、を有するが、EC素子15は一対の電極11とEC層12とを少なくとも有していればよく、基板10及びスペーサー13を有していなくてもよい。
EC層12は、電解質と、本実施形態のエレクトロクロミック性の有機化合物と、を有している。このEC層12は、EC化合物からなる層と、電解質からなる層と、を有していてもよい。また、EC化合物と電解質とを有する溶液としてEC層12を設けてもよい。本実施形態に係るEC素子15は、EC層12が溶液であることが好ましい。
次に、本実施形態に係るEC素子15を構成する部材について説明する。
電解質としては、イオン解離性の塩であり、かつ溶媒に対して良好な溶解性、固体電解質においては高い相溶性を示すものであれば限定されない。中でも電子供与性を有する電解質が好ましい。これら電解質は、支持電解質と呼ぶこともできる。
電解質としては、例えば、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム塩などがあげられる。
具体的にはLiClO、LiSCN、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiPF、LiI、NaI、NaSCN、NaClO、NaBF、NaAsF、KSCN、KCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩等や、(CHNBF、(CNBF、(n-CNBF、(n-CNPF、(CNBr、(CNClO、(n-CNClO等の4級アンモニウム塩および環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。
EC性有機化合物および電解質を溶かす溶媒としては、EC性有機化合物や電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性を有するものが好ましい。
具体的には、水や、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオンニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジオキソラン等の有機極性溶媒が挙げられる。
さらに、上述のEC媒体に、さらにポリマーやゲル化剤を含有させて粘稠性が高いもの若しくはゲル状としたもの等を用いることもできる。
上記ポリマーとしては、特に限定されず、例えばポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ナフィオン(登録商標)などが挙げられる。
次に、基板10および電極11について説明する。基板10は、透明基板である事が望ましい。なお、本実施形態において透明とは、可視光の透過率が90%以上の透過率であることを示す。
基板10の材料としては、例えば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等が用いられる他、無色あるいは有色の透明性樹脂が用いられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリノルボルネン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
電極11は、透明な電極であることが望ましい。本実施形態では、一対の電極11の両方を透明電極としたが、これに限らず、一対の電極11の一方を透明電極にするなど、用途に応じて適宜材料を選べばよい。
電極11の材料としては、例えば、酸化インジウムスズ合金(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム亜鉛(IZO(登録商標))、酸化銀、酸化バナジウム、酸化モリブデン、金、銀、白金、銅、インジウム、クロムなどの金属や金属酸化物、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系材料、カーボンブラック、グラファイト、グラッシーカーボン等の炭素材料などを挙げることができる。また、ドーピング処理などで導電率を向上させた導電性ポリマー、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。
さらに、電極上に多孔質電極を有していてもよい。多孔質電極は表面および内部に微細孔を有した多孔質形状、ロッド形状、ワイヤ形状等表面積が大きい材料が好ましい。多孔質電極の材料は、例えば、金属、金属酸化物、カーボン等が適用できる。より好ましくは酸化チタン、酸化スズ、酸化鉄、酸化ストロンチウム、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化コバルト等の金属酸化物である。
スペーサー13は、一対の電極11の間に配置されており、本実施形態のEC性の有機化合物を有する溶液(EC層12)を収容するための空間を与えるものである。スペーサー13の材料としては、具体的には、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム、エポキシ樹脂等を用いることができる。このスペーサーにより、電極11間距離を保持することが可能である。
本実施形態に係るEC素子15は、一対の電極11とスペーサー13とによって形成された空間にEC性有機化合物を有する組成物を注入する注入口(不図示)を有していてもよい。注入口からEC性有機化合物を有する組成物を封入したのちに、封止部材により注入口を覆い、さらに接着剤等で密閉することで素子とすることができる。封止部材は、接着剤とEC性を有する有機化合物が接触しないように隔離する役割も担っている。封止部材の形状は、特に限定されないが、楔形等の先細り形状が好ましい。
本実施形態に係るEC素子15の形成方法は特に限定されない。例えば、EC素子15の形成方法は、一対の電極11としての電極基板の間に設けた間隙に、真空注入法、大気注入法、メニスカス法等によって予め調製したEC性有機化合物を含有する液体を注入してEC層12とする方法を用いることができる。
EC素子15は、本実施形態の有機化合物と、この有機化合物とは別種の第2の有機化合物とを有してもよい。第2の有機化合物は、一種類でも複数種類でもよく、酸化状態で着色する化合物でも、還元状態で着色する化合物でも、その双方の性質を有する化合物であってもよい。本実施形態に係る有機化合物は還元状態において着色する化合物なので、第2の有機化合物は、酸化状態で着色する化合物であることが好ましい。
酸化状態で着色する化合物とは、酸化状態における可視光の透過率が、還元状態における可視光の透過率よりも低い化合物である。
本実施形態の有機化合物は、他の色の着色材料と組み合わせることによって、所望の色を発色することができる。着色時における別種の有機化合物は、400nm以上800nm以下の範囲に吸収波長を有することが好ましく、より好ましくは、420nm以上700nm以下に吸収波長を有することである。
なお、特定の範囲に吸収波長を有するとは、吸収スペクトルの吸収ピークの少なくとも1つが特定の波長範囲にあればよい。
本実施形態の材料と他の材料を複数組み合わせることによって、可視領域を全て吸収し、黒色着色するEC素子を作製することもできる。
本実施形態に係る第2の有機化合物として、例えば、下記の化合物があげられる。
酸化状態で着色する他のEC化合物としては、5,10-ジヒドロ-5,10-ジメチルフェナジン、5,10-ジヒドロ-5,10-ジエチルフェナジンなどのフェナジン化合物、フェロセン、テトラ-t-ブチルフェロセン、チタノセンなどのメタロセン化合物、N,N’,N,N’-テトラメチル-p-フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン化合物、1-フェニル-2-ピラゾリンなどのピラゾリン化合物などが挙げられる。
還元状態で着色する化合物としては、N,N’-ジヘプチルビピリジニウムジパークロレート、N,N’-ジヘプチルビピリジニウムジテトラフルオロボレート、N,N’-ジヘプチルビピリジニウムジヘキサフルオロホスフェート、N,N’-ジエチルビピリジニウムジパークロレート、N,N’-ジエチルビピリジニウムジテトラフルオロボレート、N,N’-ジエチルビピリジニウムジヘキサフルオロホスフェート、N,N’-ジベンジルビピリジニウムジパークロレート、N,N’-ジベンジルビピリジニウムジテトラフルオロボレート、N,N’-ジベンジルビピリジニウムジヘキサフルオロホスフェート、N,N’-ジフェニルビピリジニウムジパークロレート、N,N’-ジフェニルビピリジニウムジテトラフロロボレート、N,N’-ジフェニルビピリジニウムジヘキサフロロホスフェートなどのビオロゲン化合物、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノンなどのアントラキノン化合物、フェロセニウムテトラフルオロボレート、フェロセニウムヘキサフルオロホスフェートなどのフェロセニウム塩化合物、スチリル化合物などが挙げられる。
第2の有機化合物としては、上記の中でもフェナジン化合物、フェロセン化合物、メタロセン化合物、フェニレンジアミン化合物、ピラゾリン化合物のいずれかであることが好ましい。また、第2の有機化合物として、上記一般式(1)で表される別種の有機化合物を含んでいてもよい。すなわち、EC素子15は、それぞれが一般式(1)で表わされる二つ以上の互いに異なる有機化合物を有していてもよい。
本実施形態に係るEC素子15が有するEC層12に含まれる化合物は、公知の方法により抽出し、分析することで、EC素子15に含まれていることを確認することができる。例えば、クロマトグラフィーにより抽出し、NMRで分析することが挙げられる。また、エレクトロクロミック層が固体である場合は、TOF-SIMSなどにより、分析することができる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態のEC素子15は、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置等に用いることができる。本実施形態では、一般式(1)で表わされる有機化合物をEC層に含むEC素子を用いた光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置について述べる。
本実施形態に係る光学フィルタは、本実施形態のEC素子15と、EC素子15に接続されている能動素子と、を有する。能動素子は、EC素子15を駆動し、EC素子15を通過する光の光量を調整する能動素子である。能動素子は、例えば、トランジスタやMIM素子等が挙げられる。トランジスタは、活性領域にInGaZnOなどの酸化物半導体を有していてもよい。
EC素子15を、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置に用いた場合、特に温度によってEC素子15の着色状態の色は、変化しないことが望まれる。着色が変化してしまうと、光学フィルタの色がずれてしまい、目的とする画像に色変化を与えてしまう。また、温度変化によって、着色量に変化が起こることも考えられるが、この課題に対しては、駆動電圧や駆動時間を変化させることによって対応できる。
EC素子15を用いるレンズユニットは、上述の光学フィルタと、撮像光学系と、を有する。撮像光学系は、複数のレンズを有するレンズ群である。レンズユニットが有する光学フィルタは、レンズとレンズとの間に配置してもよいし、撮像装置に取り付けられた場合に、レンズよりも撮像素子側に配置されるように設けられていてもよい。また、撮像装置に取り付けられた場合に、光学フィルタがレンズよりも外側に配置されるように設けられていてもよい。
EC素子15を用いる撮像装置は、撮像光学系と、上述の光学フィルタと、光学フィルタを透過した光を受光する撮像素子と、を有する。本実施形態に係る撮像装置は、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラである。本実施形態に係る撮像装置が有する光学フィルタは、撮像素子の直前に設けられてもよい。撮像素子の直前とは、撮像素子と光学フィルタとの間に配置されている部材がないことを意味する。撮像装置がレンズを有する場合は、レンズの外側に設けられてもよい。光学フィルタをレンズの外側に設けるとは、光学フィルタと、撮像素子との間にレンズが配置されるように光学フィルタを配置することを指す。また、撮像装置がレンズを複数有する場合は、レンズとレンズとの間に設けられてもよい。
図2(a)は、本実施形態の撮像装置100を示す模式図である。本実施形態の撮像装置100は、レンズユニット102と、撮像ユニット103と、を有し、レンズユニット102はマウント部材(不図示)を介して撮像ユニット103に着脱可能に接続されている。撮像ユニット103は、ガラスブロック109と、撮像素子110と、を有する。
レンズユニット102は、複数のレンズあるいはレンズ群を含む撮像光学系を有するユニットであり、絞りより撮像素子110側でフォーカシングを行うリアフォーカス式のズームレンズである。
レンズユニット102は、撮像光学系と、開口絞り108と、光学フィルタ101と、を有する。レンズユニット102の撮像光学系は、物体側より順に正の屈折力の第1のレンズ群104、負の屈折力の第2のレンズ群105、正の屈折力の第3のレンズ群106、及び正の屈折力の第4のレンズ群107、の4つのレンズ群を含む。開口絞り108は、第2のレンズ群105と第3のレンズ群106との間に配置されている。光学フィルタ101は、第3のレンズ群106と第4のレンズ群107との間に配置されている。
第2のレンズ群105と第3のレンズ群106との間隔を変化させて変倍を行うことで、第4のレンズ群107の一部のレンズ群を移動させてフォーカスを行う。第1乃至第4のレンズ群、開口絞り108、光学フィルタ101を通過した光が撮像素子110に受光されるよう、各部材が配置されている。撮像素子110が受光する光の光量は開口絞り108および光学フィルタ101を用いて調整を行うことができる。光学フィルタ101は、本実施形態のEC素子15を有する。
ガラスブロック109はローパスフィルタやフェースプレートや色フィルタ等のガラスブロックである。
撮像素子110は、レンズユニット102を通過した光を受光するセンサ部であって、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子を使用できる。また、フォトダイオードのような光センサであっても良く、光の強度あるいは波長の情報を取得し出力するものを適宜利用可能である。
本実施形態の撮像装置は、一例として、EC素子15を用いる光学フィルタ101が光学レンズユニット内の第3のレンズ群と第4のレンズ群の間に配置されている。本実施形態の撮像装置は、光学フィルタ101の位置はその配置に限定されるものではなく、開口絞り108の前あるいは後のいずれに配置しても良く、第1~第4のレンズ群のいずれの前、後、レンズ群の間であっても良い。
なお、光の収束する位置に配置することで、光学フィルタの面積を小さくできるなどの利点がある。また、本発明の撮像装置では、レンズユニットの形態も適宜選択可能であり、リアフォーカス式の他、絞りより前でフォーカシングを行うインナーフォーカス式であってもよく、その他方式であってもよい。また、ズームレンズ以外にも魚眼レンズやマクロレンズなどの特殊レンズも適宜選択可能である。
さらに、本実施形態の撮像装置は、一例として、光学フィルタ101がレンズユニット102の内部に配置されている。本実施形態の撮像装置は、光学フィルタ101のうちのEC素子15がレンズユニット内に存在し、EC素子15の駆動装置はレンズユニット外、すなわち撮像ユニットに配置されていてもよい。このような場合には、配線を通してレンズユニット内のEC素子15とEC素子15の駆動装置が接続され、駆動制御する。
図2(b)に、本実施形態の撮像装置の構成の別の一例の模式図を示す。図2(b)に示した撮像装置では、光学フィルタ101が、撮像ユニット103の内部に配置されている。このように、光学フィルタ101が、撮像ユニット103の内部に配置されていてもよい。
光学フィルタ101は、撮像ユニット103の内部のガラスブロック109と撮像素子110との間に配置されている。撮像ユニット103自体が光学フィルタ101を内蔵する場合、接続されるレンズユニット102は光学フィルタを持たなくても良いため、既存のレンズユニットを用いることができる。
図2(a)、図2(b)は撮像装置100の構成の一例である。撮像素子110が光学フィルタ101を通過した光を受光するよう配置されていればよく、光学フィルタ101は、撮像素子110とガラスブロック109との間以外の位置に配置されていてもよい。
このような撮像装置100は、光量調整と撮像素子の組合せを有する製品などがあげられ、例えば、カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話やスマートフォン、PC、タブレットなどの撮像部位であってもよい。
(第4の実施形態)
第2の実施形態のEC素子15は、窓材に用いることができる。本実施形態では、一般式(1)で表わされる有機化合物をEC層に含むEC素子15を用いた窓材について述べる。
EC素子15を用いる窓材は、EC素子15と、EC素子15に接続されている能動素子と、を有する。一対の基板10を透過する光の光量をEC素子15により調整することができる。この窓材を、窓枠などと組み合わせれば、窓になる。窓材は例えば、自動車の窓、飛行機の窓、建材の窓等に用いることができる。なお、EC素子15を用いた窓材においても、EC素子15は必ずしも基板10及びスペーサー13を有していなくてもよく、一対の電極11とEC層12を有していればよい。
以下、実施例について説明していくが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<例示化合物A-2の合成>
Figure 0006991731000012

例示化合物A-2の合成は、まず、中間体2を合成した。反応容器に、3-メチル-4-クロロピリジン塩酸塩(0.58g、3.6mmol)、4-ピリジルボロン酸(0.65g、5.3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(65mg、0.07mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(45mg、0.16mmol)、リン酸三カリウム(n水和物)(2g)、ジオキサン(10ml)、及び水(6ml)を仕込み、窒素気流下、8時間加熱還流で撹拌を行った。反応終了後、反応液を濃縮した後、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後に減圧乾固を行った。シリカゲルカラムクロマト(溶離液:クロロホルム/メタノール=30/1)で精製後、ジイソプロピルエーテル/ヘキサンで再結晶を行い、中間体2を0.54g(収率:90%)得た。
NMR測定により、中間体2の構造を確認した。
H NMR(CDCl,500MHz) σ(ppm):8.72(m,2H),8.56(s,1H),8.53(d,1H),7.26(m,2H),7.14(d,1H),2.29(s,3H).
次に、中間体2から例示化合物A-2を合成した。反応容器に、中間体2(170mg、1mmol)、1-ブロモヘプタン(537mg、3mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド10mlを仕込み、窒素気流下、100℃で8時間撹拌を行った。反応終了後、反応液に酢酸エチルを滴下し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄し例示化合物A-2を375mg(収率:71%)得た。
NMR測定により、例示化合物A-2の構造を確認した。
H NMR(DMSO-d6,500MHz) σ(ppm):9.31(d,2H),9.27(s,1H),9.16(d,1H),8.37(d,2H),8.19(d,1H),4.68(t,2H),4.64(t,2H),2.44(s,3H),1.97(m,4H),1.40-1.20(m,16H),0.86(t,6H).
(実施例2)
<例示化合物A-6の合成>
例示化合物A-6は、例示化合物A-2から合成した。まず、例示化合物A-2(106mg、0.2mmol)を水に溶解した。ヘキサフルオロリン酸カリウム(200mg)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行った。析出した結晶をろ過、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテルで順次で洗浄し、例示化合物A-6を129mg(収率:98%)得た。
NMR測定により、例示化合物A-6の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):8.86(d,2H),8.75(s,1H),8.69(d,1H),8.07(d,2H),7.90(d,1H),4.61(t,2H),4.56(t,2H),2.41(s,3H),2.02(m,4H),1.46-1.26(m,16H),0.91(t,6H).
(実施例3)
<例示化合物B-3の合成>
Figure 0006991731000013

例示化合物B-3の合成は、まず、中間体3を合成した。中間体2(1.7g、10mmol)、2,4-ジニトロブロモベンゼン(7.4g、30mmol)、及びN,N,-ジメチルホルムアミド(100ml)を反応容器に仕込み、100℃で24時間撹拌を行った。反応終了後、析出した結晶をろ過し、アセトニトリルで洗浄して、中間体3を4.7mg(収率:70%)得た。
反応容器に、中間体3を(332mg、0.5mmol)、o-トルイジン(536mg、5mmol)、及びエタノール(10ml)を仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下する。続いて室温で3時間撹拌した後、さらに、イソプロピルアルコールを加えて再結晶を行い、例示化合物B-3を374mg(収率:82%)得た。
NMR測定により例示化合物B-3の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.00(d,2H),8.89(s,1H),8.83(d,1H),8.33(d,2H),8.12(d,1H),7.76-7.66(m,2H),7.64-7.51(m,6H),2.57(s,3H),2.27(s,3H),2.25(s,3H).
(実施例4)
<例示化合物B-8の合成>
Figure 0006991731000014

例示化合物B-8は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、p-トルイジン(161mg、1.5mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-8を408mg(収率:88%)得た。
NMR測定により例示化合物B-8の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.12(d,2H),9.04(s,1H),8.96(d,1H),8.28(d,2H),8.12(d,1H),7.69-7.64(m,4H),7.62-7.57(m,4H),2.56(s,3H),2.53(m,6H).
(実施例5)
<例示化合物D-1の合成>
実施例1と同様の方法で合成した中間体2(170mg、1mmol)、ベンジルブロミド(376mg、2.2mmol)、及びアセトニトリル(10ml)を反応容器に仕込み、窒素気流下で8時間加熱還流を行った。反応終了後、析出した結晶をろ過した後、アセトニトリルで洗浄を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下した。続いて、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した後、イソプロピルアルコールで洗浄を行い、例示化合物D-1を494mg(収率:77%)得た。
NMR測定により例示化合物D-1の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):8.90(d,2H),8.82(s,1H),8.75(d,1H),8.05(d,2H),7.89(d,1H),7.53-7.49(m,10H),5.81(s,2H),5.75(s,2H),2.34(s,3H).
(実施例6)
<エレクトロクロミック素子の作製および特性評価>
本実施例では、一般式(1)で表わされる有機化合物を用いたEC素子を作成し、その特性評価を行った。本実施例のEC素子で用いた一般式(1)で表わされる有機化合物には、実施例2の例示化合物A-6、実施例3の例示化合物B-3、実施例4の例示化合物B-8、及び実施例5の例示化合物D-1のいずれかを用いた。電解質としての過塩素酸テトラブチルアンモニウムを、0.1Mの濃度でプロピレンカーボネート(炭酸プロピレン)に溶解させ、次いで一般式(1)で表わされる有機化合物を40.0mMの濃度で溶解させることにより、EC媒体を得た。
EC素子は、基板10として、電極11としての透明導電膜(透明電極膜)付きのガラス基板を用いた。一対の透明導電膜(ITO)付きのガラス基板の四方の端部に絶縁層(SiO)を形成した。基板間隔を規定するスペーサーとしてのPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製メリネックス(登録商標)S、125μm厚)を、一対の透明電極膜付きガラス基板の間に配置した。その後、EC媒体注入用の注入口を残して、エポキシ系接着剤によりガラス基板とPETフィルムとを接着し、封止した。以上のように、注入口付き空セルを作製した。
次に前述の注入口より、上述の方法で得られたEC媒体を真空注入法により注入後、注入口をエポキシ系接着剤により封止し、EC素子とした。
作製直後の本実施例のEC素子は、例示化合物A-6、B-3、B-8、D-1のいずれの化合物を用いたEC素子においても、可視光領域全域にわたり80%前後の透過率を示し、高い透明性を有していた。
また、本実施例のEC素子に、3.0Vの電圧を印加すると、EC素子に含まれる有機化合物の還元種に由来する吸収を示し、いずれもEC素子は緑色に着色した。さらに、-0.5Vの電圧を印加すると、消色し、可逆的な着色および消色した。すなわち、本実施例のEC素子は、着色状態と消色状態とを可逆的に変化でき、EC性を有する。
図3~図6に、本実施例のEC素子の着色状態及び消色状態における紫外可視吸収スペクトルを示した。図3は、例示化合物A-6を用いたEC素子の紫外可視吸収スペクトルである。図4は、例示化合物B-3を用いたEC素子の紫外可視吸収スペクトルである。図5は、例示化合物B-8を用いたEC素子の紫外可視吸収スペクトルである。図6は、例示化合物D-1を用いたEC素子の紫外可視吸収スペクトルである。
本実施例のEC素子における、例示化合物A-6、B-3、B-8、D-1のそれぞれの還元種に由来する吸収の吸収ピークの波長を、以下に示す。
例示化合物A-6:400nm、655nm
例示化合物B-3:408nm、650nm
例示化合物B-8:445nm、704nm
例示化合物D-1:402nm、654nm
このように、一般式(1)で表わされる有機化合物は、還元状態(着色状態)で650nm以上の波長帯域に吸収ピークを有する。
(比較例1)
実施例1~4の例示化合物の代わりに比較化合物1を用いた以外は、実施例6と同様の方法でEC素子を作製した。比較化合物1は、以下の構造式(3)で表わされる有機化合物で、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基が導入されていないビオロゲン化合物である。
Figure 0006991731000015

本比較例のEC素子に3.0Vの電圧を印加すると、比較化合物1の還元種に由来する吸収を示した。図7(a)に、比較化合物1を用いたEC素子の紫外可視吸収スペクトルを示した。比較化合物1の還元種に由来する吸収の吸収ピークの波長は、400nm、608nmであった。
このように、一般式(1)で表わされる有機化合物は、還元状態(着色状態)において、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基が導入されていないビオロゲン化合物よりも波長帯域に吸収ピークを有する有機化合物である。
(比較例2)
実施例1~4の例示化合物の代わりに比較化合物2を用いた以外は、実施例6と同様の方法でEC素子を作製した。比較化合物2は、以下の構造式(4)で表わされる有機化合物で、4,4’-ビピリジニウムの2位にメチル基を有するビオロゲン誘導体である。
Figure 0006991731000016

本比較例のEC素子に3.0Vの電圧を印加すると、比較化合物2の還元種に由来する吸収を示した。図7(b)に、比較化合物2を用いたEC素子の紫外可視吸収スペクトルを示した。比較化合物2の還元種に由来する吸収の吸収ピークの波長は、397nm、602nmであった。
比較化合物2の還元種に由来する吸収の吸収ピークの波長は、比較化合物1の還元状態における吸収ピークの波長とほぼ同じ波長であった。
(比較例3)
比較のために、比較化合物3を用いたEC素子を作成した。実施例1~4の例示化合物の代わりに比較化合物3を用いた以外は、実施例6と同様の方法でEC素子を作製した。比較化合物3は、以下の構造式(5)で表わされる有機化合物で、4,4’-ビピリジニウム骨格の3、3’位にメチル基を有するビオロゲン誘導体である。
Figure 0006991731000017

本比較例のEC素子に3.0Vの電圧を印加すると、比較化合物3の還元種に由来する吸収を示した。比較化合物3の還元種に由来する吸収の吸収ピークの波長は、795nmであった。さらに、-0.5Vの電圧を印加したところ、着色状態が保持された。すなわち、比較化合物3は、電気化学的な酸化還元反応が不可逆であった。
(実施例7)
<酸化還元サイクルの耐久安定性>
本実施例では、上述の各実施例の有機化合物について、耐久安定性の測定を行った。耐久安定性の測定は、作用電極にグラッシーカーボン、対向電極に白金、参照電極に銀を用い、各有機化合物を溶解した溶液を用いて行った。各有機化合物を溶解した溶液は、支持電解質としてのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩の炭酸プロピレン溶液(0.1mol/L)中に、各有機化合物を5.0×10-4mol/Lの濃度となるように溶解した溶液である。この溶液に対し、各有機化合物の還元電位(vs.Ag/Ag)/3秒間の定電位還元と、0V(vs.Ag/Ag)/3秒間の定電位酸化からなる矩形波電位を30000回繰り返し印加した。矩形波電位を30000回印加する前(酸化還元サイクル前)および矩形波電位を30000回印加した後(酸化還元サイクル後)のCV測定における還元ピーク電流量の変化を表1に示す。ここで、還元ピーク電流変化率とは、初期の電流量を100%とし、そこに初期の電流量からの変動量を加算して示したものである。
Figure 0006991731000018

表1に示したように、一般式(1)で表わされる有機化合物は、還元ピーク電流変化率が高く、酸化還元サイクル後であっても電流量の変化が小さいことがわかる。そのため、一般式(1)で表わされる有機化合物は、酸化還元サイクルの耐久安定性に優れた化合物であると言える。なかでも、一般式(1)で表わされる有機化合物のうち、X、Xのそれぞれがアリール基またはアルキル基である化合物は、還元ピークの電流変化率が100%に近い値を示しており、特に高い耐久安定性を有している。なお、比較化合物1は、還元ピーク電流変化率が0%であり、酸化還元反応が不可逆であった。
(実施例8)
<例示化合物B-7の合成>
Figure 0006991731000019

例示化合物B-7は、実施例1の中間体2の合成において、原料の3-メチル-4-クロロピリジン塩酸塩を3-エチル-4-ブロモピリジン塩酸塩に変える以外は、実施例1と同様の合成方法で中間体4を合成した。さらに、実施例3の中間体3の合成において、原料の中間体2を中間体4に変える以外は、同様の合成方法で中間体5を合成した。
Figure 0006991731000020

反応容器に、中間体5を(339mg、0.5mmol)、o-トルイジン(536mg、5mmol)、及びエタノール(10ml)を仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下した。続いて室温で3時間撹拌した後、析出した結晶をろ過し、イソプロピルアルコールで洗浄を行い、例示化合物B-7を256mg(収率:78%)得た。
NMR測定により例示化合物B-7の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):8.99(d,2H),8.88(s,1H),8.81(d,1H),8.29(d,2H),8.12(d,1H),7.72-7.66(m,2H),7.63-7.52(m,6H),2.90(m,2H),2.27(s,3H),2.25(s,3H),1.26(t,3H).
(実施例9)
<例示化合物B-9の合成>
Figure 0006991731000021

例示化合物B-9は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、4-tert-ブチルアニリン(229mg、1.5mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をエチルアルコールで再結晶し、例示化合物B-9を424mg(収率:85%)得た。
NMR測定により例示化合物B-9の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.13(d,2H),9.05(s,1H),8.97(d,1H),8.28(d,2H),8.13(d,1H),7.69-7.64(m,4H),7.62-7.57(m,4H),2.56(s,3H),1.42(s,9H),1.41(s,9H).
(実施例10)
<例示化合物B-11の合成>
Figure 0006991731000022

例示化合物B-11は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2-メチル-4-メトキシアニリン(412mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、トリフルオロメチルスルホン酸ナトリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-11を274mg(収率:77%)得た。
NMR測定により例示化合物B-11の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.00(d,2H),8.89(s,1H),8.84(d,1H),8.26(d,2H),8.11(d,1H),7.48(m,2H),7.24(m,2H),7.10(m,2H),3.91(s,3H),3.90(s,3H),2.53(s,3H),2.51(s,3H),2.50(s,3H).
(実施例11)
<例示化合物B-5の合成>
Figure 0006991731000023

例示化合物B-5は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2,4-ジメチルアニリン(364mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-5を282mg(収率:84%)得た。
NMR測定により例示化合物B-5の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.00(d,2H),8.85(s,1H),8.80(d,1H),8.29(d,2H),8.13(d,1H),7.48-7.34(m,6H),2.55(s,3H),2.48(s,3H),2.47(s,3H),2.22(s,3H),2.20(s,3H).
(実施例12)
<例示化合物B-6の合成>
Figure 0006991731000024

例示化合物B-6は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2,5-ジメチルアニリン(364mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-6を285mg(収率:85%)得た。
NMR測定により例示化合物B-6の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):8.97(d,2H),8.85(s,1H),8.79(d,1H),8.31(d,2H),8.15(d,1H),7.54-7.45(m,4H),7.39(s,1H),7.34(s,1H),2.56(s,3H),2.46(s,3H),2.45(s,3H),2.22(s,3H),2.20(s,3H).
(実施例13)
<例示化合物B-12の合成>
Figure 0006991731000025

例示化合物B-12は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、3,4,5-トリメチルアニリン(203mg、1.5mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-12を426mg(収率:88%)得た。
NMR測定により例示化合物B-12の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.09(d,2H),9.01(s,1H),8.93(d,1H),8.25(d,2H),8.10(d,1H),7.43(s,4H),2.56(s,3H),2.46(s,6H),2.45(s,6H),2.34(s,3H),2.33(s,3H).
(実施例14)
<例示化合物B-14の合成>
Figure 0006991731000026

例示化合物B-14は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2-メトキシアニリン(370mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-14を270mg(収率:80%)得た。
NMR測定により例示化合物B-14の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.02(d,2H),8.91(s,1H),8.86(d,1H),8.28(d,2H),8.13(d,1H),7.75(m,2H),7.62(m,2H),7.40(m,2H),7.30(m,2H),3.93(s,3H),3.92(s,3H),2.54(s,3H).
(実施例15)
<例示化合物B-15の合成>
Figure 0006991731000027

例示化合物B-15は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2-アミノビフェニル(508mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をアセトニトリル/イソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-15を467mg(収率:90%)得た。
NMR測定により例示化合物B-15の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):8.87(m,3H),8.62(d,1H),8.01(d,2H),7.87(m,2H),7.83-7.68(m,7H),7.38(m,6H),7.19(m,4H),2.30(s,3H).
(実施例16)
<例示化合物B-16の合成>
Figure 0006991731000028

例示化合物B-16は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2-フェノキシアニリン(556mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-16を323mg(収率:81%)得た。
NMR測定により例示化合物B-16の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.13(d,2H),9.01(s,1H),8.97(d,1H),8.25(d,2H),8.09(d,1H),7.78-7.64(m,4H),7.45(m,6H),7.28(m,2H),7.14(m,6H),3.93(s,3H),3.92(s,3H),2.50(s,3H).
(実施例17)
<例示化合物B-17の合成>
Figure 0006991731000029

例示化合物B-17は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2,6-ジメチルアニリン(606mg、5mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-17を228mg(収率:68%)得た。
NMR測定により例示化合物B-17の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):8.96(d,2H),8.81(s,1H),8.77(d,1H),8.41(d,2H),8.25(d,1H),7.57(m,2H),7.44(m,4H),7.28(m,2H),2.57(s,3H),2.13(s,3H),2.12(s,3H).
(実施例18)
<例示化合物B-20の合成>
Figure 0006991731000030

例示化合物B-20は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、ジエチル-3-メチル-4-アミノベンジルホスホネート(772mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をアセトニトリル/イソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-20を323mg(収率:81%)得た。
NMR測定により例示化合物B-20の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.00(d,2H),8.88(s,1H),8.82(d,1H),8.31(d,2H),8.15(d,1H),7.55-7.46(m,6H),4.07(m,8H),3.33(d,2H),3.29(d,2H),2.56(s,3H),2.26(s,3H),2.24(s,3H),1.29(t,12H).
(実施例19)
<例示化合物B-22の合成>
Figure 0006991731000031

例示化合物B-22は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、2-トリフルオロメチルアニリン(483mg、3mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-22を424mg(収率:83%)得た。
NMR測定により例示化合物B-22の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.13(d,2H),9.00(s,1H),8.96(d,1H),8.39(m,2H),8.24(d,1H),8.13(m,2H),8.08-7.98(m,4H),7.88(d,1H),7.80(d,1H),2.56(s,3H).
(実施例20)
<例示化合物B-23の合成>
Figure 0006991731000032

例示化合物B-23は、中間体3から合成した。中間体3(332mg、0.5mmol)、4-(トリフルオロメトキシ)アニリン(266mg、1.5mmol)、及びエタノール(10ml)を反応容器に仕込み、加熱還流下8時間撹拌を行った。反応終了後、エタノールを真空除去した後、酢酸エチルを加え、沈殿を析出させた。ろ過を行い、得られた結晶を水に溶解させ、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(1g)を溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行い、析出した結晶をろ過した。得られた結晶をイソプロピルアルコールで再結晶し、例示化合物B-23を421mg(収率:80%)得た。
NMR測定により例示化合物B-23の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):9.13(d,2H),9.05(s,1H),8.98(d,1H),8.32(d,2H),8.16(d,1H),7.90(m,4H),7.71(d,4H),2.56(s,3H).
(実施例21)
<エレクトロクロミック素子の作製および特性評価>
本実施例では、実施例6と同様の手法により、一般式(1)で表わされる有機化合物を用いたEC素子を作成し、その特性評価を行った。一般式(1)で表わされる有機化合物としては、実施例8~20で合成した例示化合物B-5、B-6、B-7、B-9、B-10、B-11、B-12、B-14、B-15、B-16、B-17、B-20、B-22、B-23を用いた。
本実施例のEC素子における、それぞれの還元種に由来する吸収の吸収ピークの波長を表2に示す。
Figure 0006991731000033

また、本実施例のEC素子に、3.0Vの電圧を印加し、EC素子に含まれる有機化合物の還元種に由来する吸収を示した後、さらに、-0.5Vの電圧を印加すると、いずれのEC素子も消色した。すなわち、本実施例のEC素子は、着色状態と消色状態とを可逆的に変化でき、EC性を有する。
以上の様に、一般式(1)で表わされる有機化合物は、還元状態(着色状態)で650nm以上の波長帯域に吸収ピークを有する。
(実施例22)
<例示化合物H-2の合成>
Figure 0006991731000034

反応容器に3-メトキシ-4-ブロモピリジン塩酸塩(0.81g、3.6mmol)、4-ピリジルボロン酸(0.65g、5.3mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) (65mg、0.07mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(45mg、0.16mmol)、りん酸三カリウム(n水和物)2g、ジオキサン10ml、水6mlを仕込み、窒素気流下、8時間加熱還流で撹拌を行った。反応終了後、反応液を濃縮した後、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後に減圧乾固を行った。シリカゲルカラムクロマト(溶離液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製後、ジイソプロピルエーテルで再結晶を行い、中間体6を0.38g(収率:57%)得た。
NMR測定によりこの化合物の構造を確認した。
H NMR(CDCl,500MHz) σ(ppm):8.69(m,2H),8.42(s,1H),8.37(d,1H),7.49(m,2H),7.26(d,1H),3.95(s,3H).
中間体6(186mg、1mmol)、ベンジルブロマイド(513mg、3mmol)、アセトニトリル10mlを反応容器に仕込み、窒素気流下、8時間加熱還流を行った。反応終了後、反応液に酢酸エチルを滴下し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄し例示化合物H-2を423mg(収率:80%)得た。
NMR測定によりこの化合物の構造を確認した。
H NMR(DMSO-d6,500MHz) σ(ppm):9.40(m,3H),9.07(d,1H),8.46(d,2H),8.31(d,1H),7.65(m,2H),7.60(m,2H),7.47(m,6H),5.93(s,2H),5.92(s,2H),4.08(s,3H).
(実施例23)
<例示化合物H-1の合成>
例示化合物H-2を(118mg、0.2mmol)を水に溶解した。ヘキサフルオロリン酸カリウム200mgを溶解した水溶液を滴下し、室温で3時間撹拌を行った。析出した結晶をろ過、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテルで順次で洗浄し、例示化合物H-1を116mg(収率:88%)得た。
NMR測定によりこの化合物の構造を確認した。
H NMR(CDCN,500MHz) σ(ppm):8.88(d,2H),8.66(s,1H),8.55(d,1H),8.25(d,2H),8.01(d,1H),8.31(d,1H),7.52(m,10H),5.80(s,2H),5.79(s,2H),4.07(s,3H).
(実施例24)
<エレクトロクロミック素子の作製および特性評価>
本実施例では、実施例21と同様の手法により、一般式(1)で表わされる有機化合物を用いたEC素子を作成し、その特性評価を行った。本実施例では、一般式(1)で表わされる有機化合物として、実施例23で合成した例示化合物H-1を用いた。
作製直後の本実施例のEC素子は、可視光領域全域にわたり80%前後の透過率を示し、高い透明性を有していた。
本実施例のEC素子に電圧を3.0V印加すると、例示化合物H-1の還元種に由来する吸収(λmax=428nm,638nm)を示し、EC素子は緑色に着色した。さらに-0.5V印加すると消色した。図8は、本実施例のEC素子の紫外可視吸収スペクトルである。光源には、オーシャンオプティクス社のDH‐2000S重水素、ハロゲン光源を用いた。
また、このEC素子において、10秒の着色状態と、10秒の消色状態とを1000回繰り返した結果、着色状態及び消色状態の吸収スペクトルは、それぞれ変化は観察されなかった。
以上のように、上述の実施形態及び実施例に係る有機化合物によれば、着色状態において、4,4’-ビピリジニウムの炭素原子に置換基が導入されていないビオロゲンよりも長波長帯域に吸収ピークを有する有機化合物を提供できる。また、上述の実施形態及び実施例に係る有機化合物によれば、電気化学的な酸化還元反応が可逆的に進行する有機化合物を提供できる。
また、上述の実施形態及び実施例に係る有機化合物は、高い耐久安定性を有する。そのため、上述の実施形態及び実施例に係る有機化合物は、高い耐久安定性を求められるEC素子に利用可能である。
上述の実施形態及び各実施例に係る有機化合物は、EC性を有するエレクトロクロミック化合物であり、EC素子、及びそれを用いた光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材等に利用することができる。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1)で表わされることを特徴とする有機化合物。
    Figure 0006991731000035

    式(1)において、R1は、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基またはシクロヘキシルオキシ基を表す。X及びXは、置換基を有してもよいアルキル基、シクロヘキシル基、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよいアラルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。
    前記アルキル基の水素原子はフッ素原子に置き換わってよい。前記アルコキシ基の水素原子がハロゲン原子に置き換わってよい。
    及びA は、それぞれ独立に一価のアニオンを表す。
  2. 一般式(1)において、X及びXは、それぞれ独立に、炭素原子数1以上8以下の前記アルキル基または前記フェニル基であることを特徴とする請求項に記載の有機化合物。
  3. 酸化還元反応により色調が変化するエレクトロクロミック化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機化合物。
  4. 一般式(1)において、A 及びA は、同一のアニオンであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の有機化合物。
  5. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に配置されているエレクトロクロミック層と、を有し、
    前記エレクトロクロミック層は、請求項1からのいずれか一項に記載の有機化合物を含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  6. 前記エレクトロクロミック層は、前記有機化合物と別種の有機化合物をさらに有することを特徴とする請求項に記載のエレクトロクロミック素子。
  7. 前記別種の有機化合物は、フェナジン化合物、フェロセン、メタロセン化合物、フェニレンジアミン化合物、ピラゾリン化合物のいずれかであることを特徴とする請求項に記載のエレクトロクロミック素子。
  8. 前記エレクトロクロミック層は、電解質と前記有機化合物とを有する液体であることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
  9. 請求項5から8のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、
    前記エレクトロクロミック素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする光学フィルタ。
  10. 前記能動素子が、前記エレクトロクロミック素子を駆動することにより、前記エレクトロクロミック素子を通過する光の光量を調整することを特徴とする請求項に記載の光学フィルタ。
  11. 請求項9または10に記載の光学フィルタと、
    複数のレンズを有する撮像光学系と、を有することを特徴とするレンズユニット。
  12. 複数のレンズを有する撮像光学系と、
    請求項9または10に記載の光学フィルタと、
    前記光学フィルタを透過した光を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
  13. 複数のレンズを有する撮像光学系を取り付け可能な撮像装置であって、
    請求項9または10に記載の光学フィルタと、
    前記光学フィルタを透過した光を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
  14. 一対の基板と、
    前記一対の基板の間に配置されている請求項5から8のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、
    前記エレクトロクロミック素子に接続されている能動素子と、を有し、
    前記エレクトロクロミック素子により前記一対の基板を透過する光の光量を調整することを特徴とする窓材。
JP2017076185A 2016-05-12 2017-04-06 有機化合物、エレクトロクロミック化合物、及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材 Active JP6991731B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/591,832 US10310350B2 (en) 2016-05-12 2017-05-10 Organic compound, electrochromic compound, and electrochromic element, optical filter, lens unit, imaging device, and window component having same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016096254 2016-05-12
JP2016096254 2016-05-12

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017206499A JP2017206499A (ja) 2017-11-24
JP6991731B2 true JP6991731B2 (ja) 2022-01-12

Family

ID=60416330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017076185A Active JP6991731B2 (ja) 2016-05-12 2017-04-06 有機化合物、エレクトロクロミック化合物、及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6991731B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3771736B1 (en) 2019-07-31 2023-11-15 Ricoh Company, Ltd. Electrochromic element
CN114524764B (zh) * 2022-02-18 2023-08-18 南京邮电大学 一类新型不对称紫精化合物及其制备方法与应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001519922A (ja) 1997-04-02 2001-10-23 ジェンテクス・コーポレーション 予め選択された色を生ずることのできる改良されたエレクトロクロミック媒体
CN103059831A (zh) 2012-11-14 2013-04-24 仝泽彬 电致变色材料及电致变色器件
JP2018529754A (ja) 2015-07-08 2018-10-11 エシロール・アンテルナシオナル エレクトロクロミック化合物及びそれらを含有する光学物品

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61148162A (ja) * 1984-12-20 1986-07-05 Nippon Sheet Glass Co Ltd ビオロゲン誘導体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001519922A (ja) 1997-04-02 2001-10-23 ジェンテクス・コーポレーション 予め選択された色を生ずることのできる改良されたエレクトロクロミック媒体
CN103059831A (zh) 2012-11-14 2013-04-24 仝泽彬 电致变色材料及电致变色器件
JP2018529754A (ja) 2015-07-08 2018-10-11 エシロール・アンテルナシオナル エレクトロクロミック化合物及びそれらを含有する光学物品

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BARLTROP,J.A. et al,The synthesis and electrochemical study of new electrochromic viologen-based materials,Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 2: Physical Organic Chemistry(1972-1999),1984年,No.3,p.367-71
KAMOGAWA,H. et al,Photochromism of benzylviologens containing methyl groups on pyridinium rings and embedded in solid poly(N-vinyl-2-pyrrolidone) matrix,Bulletin of the Chemical Society of Japan,1985年,Vol.58, No.8,p.2443-4
MILES,M.H. et al,Electrochromic films involving Prussian blue and viologen materials,Proceedings of SPIE-The International Society for Optical Engineering,1990年,Vol.1323, No.Opt. Thin Films 3,p.200-9

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017206499A (ja) 2017-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6900202B2 (ja) 有機化合物、エレクトロクロミック素子、エレクトロクロミック装置、光学フィルタ、撮像装置、レンズユニット及び窓材
US9701671B2 (en) Organic compound, electrochromic element containing the same, optical filter, lens unit, imaging device, and window component
US10310350B2 (en) Organic compound, electrochromic compound, and electrochromic element, optical filter, lens unit, imaging device, and window component having same
JP6598693B2 (ja) 有機化合物、それを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材
WO2017154681A1 (ja) 有機化合物、エレクトロクロミック素子、エレクトロクロミック装置、光学フィルタ、撮像装置、レンズユニット及び窓材
JP2018024624A (ja) 有機化合物及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルム、レンズユニット、撮像装置
JP6429575B2 (ja) 新規有機化合物およびそれを有するエレクトロクロミック素子
US10907091B2 (en) Organic compound and electrochromic element
JP6991731B2 (ja) 有機化合物、エレクトロクロミック化合物、及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材
JP7030552B2 (ja) 有機化合物、エレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置および窓材
JP2017197477A (ja) 有機化合物、及びそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材
US11940704B2 (en) Organic compound, and electrochromic element, optical filter, image pickup apparatus, window, and electrochromic mirror containing the same
US11815778B2 (en) Organic compound and electrochromic element
JP7030632B2 (ja) 有機化合物、有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、撮像装置、窓およびエレクトロクロミックミラー
US20230416222A1 (en) Organic compound and electrochromic element
JP7166939B2 (ja) 有機化合物及びエレクトロクロミック素子
JP2021109862A (ja) 有機化合物及びエレクトロクロミック素子
EP3839007B1 (en) Organic compound and electrochromic element
JP2022070461A (ja) 有機化合物、エレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、および窓
JP6921590B2 (ja) 有機化合物、およびそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材
WO2020004085A1 (ja) 有機化合物およびそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像素子及び窓
JP2021011441A (ja) 有機化合物、およびそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルム、レンズユニット、撮像装置、窓材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211012

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211012

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20211021

TRDD Decision of grant or rejection written
C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20211026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211208

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6991731

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151