JP2014156421A - 新規有機化合物、エレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置および窓材 - Google Patents

新規有機化合物、エレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置および窓材 Download PDF

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Abstract

【課題】消色時に可視光領域に光吸収を持たない高い透明性と着色時の長波長域吸収を両立し、また酸化還元繰り返し時の安定性を有するエレクトロクロミック性の有機化合物およびそれを有するエレクトロクロミック素子の提供。
【解決手段】一般式[1]

[式中、A1乃至A4はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R1は水素原子または置換基を表す。R2は置換基を表す。MおよびLはそれぞれ独立に連結基を表す。nは1乃至3で表わされる整数である。置換基は、炭素原子数1以上20以下のアルキル基が挙げられる。]で示される有機化合物およびそれを有するエレクトロクロミック素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、エレクトロクロミック性の新規有機化合物およびそれを有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置および窓材に関する。
電気化学的な酸化還元反応により、物質の光学吸収の性質(呈色状態や光透過度)が変化するエレクトロクロミック(以下「EC」と省略する場合がある)材料としては種々の材料が報告されている。無機EC材料としては、WO等の金属酸化物を用いるものが知られているが、成膜方法が蒸着などに限られ大面積化に課題があった。
有機EC材料としては、特許文献1に記載の導電性高分子や、特許文献2に記載のビオロゲン誘導体等の有機低分子化合物などが知られている。
特許文献1の導電性高分子は、モノマーの電解重合によりEC層を電極上に直接形成できる。EC層を形成するこれら導電性高分子としてはポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等が知られている。これら導電性高分子を電気化学的に酸化または還元すると、主鎖のπ共役鎖長が変わり、最高被占有分子軌道(HOMO)の電子状態が変化し、吸収波長が変化する。
これら導電性高分子は、長いπ共役系を持ち、中性状態で可視光領域に吸収を有するため着色しており、そして、酸化により吸収波長が長波長側(赤外領域側)へシフトする。赤外領域側へシフトすると、可視光領域に吸収を有さなくなるので、EC素子は消色する。
一方、有機低分子のEC化合物としては、酸化により着色する(アノード性化合物)オリゴチオフェン誘導体や、還元により着色する(カソード性化合物)ビオロゲン誘導体等が挙げられる。これら低分子EC化合物は、導電性高分子に比べてπ共役長が短いため、消色状態で高透明性を有し、酸化反応(アノード性化合物の場合)、または還元反応(カソード性化合物の場合)により生成するラジカルカチオンが、可視光領域に吸収を有することで着色する。特許文献2においては、アノード性およびカソード性の両方のEC化合物の溶液を一対の電極間に配置したEC溶液およびECデバイスを開示している。
特開昭56−67881号公報 特開平9−120088号公報
有機EC材料は、安定性が低く、また消色状態においても消色が十分でない場合がある。
特許文献1の導電性高分子は中性状態で可視光領域に吸収帯を有する。そのため電気化学反応が不十分な部分がある場合は、酸化状態においても消え残りが生じ、高透明性を発現することは困難である。
また導電性高分子は、一般的に不安定なラジカルカチオンを分子内で非局在化することで安定性を高めている。しかし、その安定性は十分ではなく、酸化還元反応を繰り返した場合、材料が劣化し性能が低下する課題がある。
一方、有機低分子EC化合物を用いた溶液素子においては、素子全体の電荷バランスを考慮して、アノード性およびカソード性の両方のEC化合物を用いた素子が特許文献2に開示されている。
しかし、このアノード性およびカソード性EC化合物を用いた溶液型素子においては、Advanced Materials,2001年13巻783ページで指摘されているように、一方の電極で生成した酸化着色種ともう一方の電極で生成した還元着色種とが溶液中を拡散し衝突することで、電子移動が行われ元の中性種に戻り消色する(いわゆる自己消色)が起こることが知られている。すなわち着色状態を保つためには、この自己消色を補うために常に電流を流す必要があり、消費電力が大きくなる課題があった。
また、これらオリゴチオフェン系化合物に代表される低分子EC化合物は導電性高分子に比べて共役長が短いため、酸化時のラジカルカチオン安定性にも課題があった。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、消色時に可視光領域に光吸収を持たない高い透明性と酸化還元の繰り返し時の安定性を有し、また素子化した際にも自己消色が抑制された、アノード性とカソード性のエレクトロクロミック性部位を兼ね備えた有機化合物を提供するものである。また、本発明は、前記有機化合物を有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置および窓材を提供するものである。
上記の課題を解決する有機化合物は、下記一般式[1]で示されることを特徴とする化合物である。
(式中、A1乃至A4はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基から選ばれる基を表す。
ただし、A1およびA2のうち少なくともいずれか一方、かつA3およびA4のうち少なくともいずれか一方は前記アルキル基、前記アルコキシ基または前記アリール基である。
前記アリール基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基または炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を置換基として有していてもよい。
R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上20以下のアルキルエステル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基を表す。
前記アリール基は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を置換基として有していてもよい。
R2は炭素原子数1以上20以下のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはアラルキル基である。
Lはメチレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミド基、酸素原子または硫黄原子であり、Mは炭素原子数1以上20以下のアルキレン基である。
はピリジニウム塩と対を形成する陰イオンを表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式中、Yは下記一般式[2]乃至[5]のいずれかで表わされる構造からなり、nは1から3の整数である。nが2または3の場合、複数のYは下記一般式[2]乃至[5]よりそれぞれ独立に選ばれる。
式中、R3は、炭素原子数1以上20以下の分岐していても良いアルキレン基を表わす。R4からR9は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、炭素原子数1以上20以下アルキルエステル基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。)
上記の課題を解決するエレクトロクロミック素子は、一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されているエレクトロクロミック層を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック化合物および電解質とを有し、
前記エレクトロクロミック化合物は上記の有機化合物であることを特徴とする。
上記の課題を解決する光学フィルタは、上記のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子に接続されたTFT素子とを有することを特徴とする。
上記の課題を解決するレンズユニットは、上記の光学フィルタと、撮像光学系とを有することを特徴とする。
上記の課題を解決する撮像装置は、上記の光学フィルタと、撮像光学系と、前記光学フィルタを通して撮像する撮像素子とを有することを特徴とする。
また、上記の課題を解決する撮像装置は、上記のエレクトロクロミック素子を駆動するための回路と、外部からの光を受光する撮像素子とを有することを特徴とする。
上記の課題を解決する窓材は、上記のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子を駆動するための回路とを有することを特徴とする。
本発明によれば、消色時に可視光領域に光吸収を持たない高い透明性と酸化還元繰り返し時の安定性を有し、また素子化した際にも自己消色が抑制された、アノード性とカソード性のエレクトロクロミック性部位を兼ね備えた有機化合物を提供することができる。
また、本発明は、前記有機化合物を有するエレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置および窓材を提供することができる。
本発明のさらなる効果として、低電圧駆動効果が挙げられる。本発明の化合物はアノードで酸化される部位とカソードで還元される部位を有することから、アノードでの酸化とカソードでの還元を協奏して行えるため、低電圧で酸化電流および還元電流を流せるという効果がある。
本発明に係るエレクトロクロミック素子の一例の断面模式図である。 本発明の実施例における例示化合物A−1の中性状態における紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 実施例2のエレクトロクロミック素子の着消色時における透過率スペクトルを示す図である。 実施例2のエレクトロクロミック素子における着色時の素子断面の光学顕微鏡写真である。 比較例1のエレクトロクロミック素子における着色時の素子断面の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る有機化合物は、下記一般式[1]で示されることを特徴とする。
(式中、A1乃至A4はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基から選ばれる基を表す。
ただし、A1およびA2のうち少なくともいずれか一方、かつA3およびA4のうち少なくともいずれか一方は前記アルキル基、前記アルコキシ基または前記アリール基である。
前記アリール基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基または炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を置換基として有していてもよい。
R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上20以下のアルキルエステル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基を表す。
前記アリール基は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を置換基として有していてもよい。
R2は炭素原子数1以上20以下のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはアラルキル基である。
Lはメチレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミド基、酸素原子または硫黄原子であり、Mは炭素原子数1以上20以下のアルキレン基である。
はピリジニウム塩と対を形成する陰イオンを表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式中、Yは下記一般式[2]乃至[5]のいずれかで表わされる構造からなり、nは1から3の整数である。nが2または3の場合、複数のYは下記一般式[2]乃至[5]よりそれぞれ独立に選ばれる。

式中、R3は、炭素原子数1以上20以下の分岐していても良いアルキレン基を表わす。R4からR9は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、炭素原子数1以上20以下アルキルエステル基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。)
前記A1およびA2の少なくともいずれか一方、かつA3およびA4の少なくともいずれか一方は、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基であることが好ましい。
前記A1およびA2の少なくともいずれか一方、かつA3およびA4の少なくともいずれか一方はメトキシ基であることが好ましい。
本発明の有機化合物は、一般式[1]で示される構造中、nが2または3の場合、Yは上記一般式[2]乃至[5]よりそれぞれ独立に選ばれる。
本発明に係る有機化合物は、一般式[1]で示される構造のように、Yで示される酸化により着色するチオフェン骨格からなる部位と、還元により着色するビオロゲン骨格からなる部位を含む。さらに、Yで表わされるチオフェン骨格からなる構造には、オルト位に置換基を有するフェニル基が導入された構造(ケージ部位)が連結された化学構造から構成されている。
まず、酸化により着色する部位であるチオフェン骨格について説明する。一般式[1]においてYで示される部位は、チオフェン誘導体の化学構造からなり、nが2または3の場合、Yは上記一般式[2]乃至[5]よりそれぞれ独立に選ばれる。
式[2]において、R3は炭素原子数1以上20以下の分岐していても良いアルキレン基を表わす。R3で表わされる炭素原子数1以上20以下のアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基等が挙げられる。
式[3]から[5]において、R4からR9は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、炭素原子数1以上20以下アルキルエステル基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
アリール基は、置換基として炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を有してよい。
R4乃至R9で表される炭素原子数が1以上20以下のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、また環状でもよい。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ビシクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。さらに、アルキル基中の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよく、例えば、トリフルオロメチル基等となっていてもよい。
これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、ノルマルブチル基、またはヘキシル基が好ましい。より好ましくは、メチル基またはエチル基である。
R4乃至R9で表わされるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。
R4乃至R9で表されるアリール基として、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、ペリレニル基等が挙げられる。またヘテロ原子が含まれたアリール基として、ピリジル基、インドリル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基またはピリジル基である。
上記アリール基が有してもよい置換基として、ハロゲン原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、置換シリル基が挙げられる。
R4乃至R9で表される炭素原子数1以上20以下のアルキルエステル基としては、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、tert−アミルエステル基、ヘキシルエステル基、ヘプチルエステル基、オクチルエステル基、エチルヘキシルエステル基、シクロペンチルエステル基、シクロヘキシルエステル基等が挙げられる。
他にR4乃至R9で表される置換基としては、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等の置換アミノ基、シアノ基が挙げられる。
nは1から3で表わされる整数である。nが2または3の場合、複数のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
次に、酸化着色部位であるチオフェン骨格に連結した、ケージ部位を形成するオルト位に置換基を有するフェニル基の構造について説明する。
一般式[1]において、A1乃至A4はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基から選ばれる基を表す。
ただし、A1およびA2のうち少なくともいずれか一方、かつA3およびA4のうち少なくともいずれか一方は前記アルキル基、前記アルコキシ基または前記アリール基である。前記アリール基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基または炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を置換基として有していてもよい。
A1乃至A4で表される置換基の具体例は、上述したR4からR9に導入される置換基であるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルエステル基の具体例と同様である。
これらA1乃至A4の置換基を有するフェニル基の役割について説明する。
π共役系が短い本発明に係る有機化合物においては、中性状態において可視光領域に吸収帯を有さないため、高い透明性を維持できる。しかし、酸化着色型のEC特性を示す部位であるオリゴチオフェン構造は、そのラジカルカチオンの安定性が導電性高分子と比べた場合低い。
そこで、本発明に係る有機化合物はチオフェン部位に、オルト位に置換基A1乃至A4を有するフェニル基を導入している。
本発明は、酸化により生成するラジカルカチオン部位を上記フェニル基がオルト位に有する置換基A1乃至A4による立体障害により保護する効果を有する。
ラジカルカチオンの不安定性は、ラジカルの高い反応性によるラジカル同士の再結合や、ラジカルによる他分子の水素引き抜き等に起因する。つまり、ラジカルと他分子との接触によりラジカルが反応することに起因する。
そのため、チオフェン部位と結合するオルト位に置換を有するフェニル基による立体障害の効果がラジカルカチオンの安定性を高める効果は高い。その理由は、立体障害基が他分子との接触を抑制するためである。
さらに、この立体障害性基A1乃至A4を持つフェニル基(ケージ部位)の構造は、生成するラジカルカチオン部位を他のエレクトロクロミック材料分子や不純物などとして存在する他の基質による攻撃から守る役割を持つので、Yで表わされるチオフェン部位を包摂するような分子形状がより望ましい。
従って、フェニル基に導入する置換基はより嵩高いことが望ましい。
一方、化合物の極性溶媒への溶解性を高めるためには、立体障害性基A1乃至A4はアルコキシ基等の極性置換基を用いることが望ましいため、立体障害基として用いるものはメトキシ基以上の嵩高いものが特に好ましい。
また、ケージ部位とチオフェン部位に電子的な共鳴構造が少ないものが望ましく、ケージ部位に芳香環などπ電子系を持つ構造を用いる場合にはケージ部位とチオフェン部位の電子共鳴効果を少なくすることで、チオフェン部位に局在的に存在するHOMO(最高被占分子軌道)のケージ部位へのしみだしを減少させることができる。
実際の分子においては熱運動による揺らぎや量子化学的な揺らぎがあるので分子軌道は断絶しないものの、ケージ部位とチオフェン部位のπ電子の軌道が直交している場合には共鳴が極めて少ないので、チオフェン部位と連結するケージ部位であるフェニル基はチオフェン部位の分子面に対しより直交していることが望ましい。
この観点では該フェニル基の両オルト位を置換基で置換したものが片側置換の化合物に比べより望ましい。
また、チオフェン部位の電子密度を上げることでチオフェン部位に生成したラジカルカチオンを安定化させることができるので、ケージ部位のフェニル基の置換基A1乃至A4としては電子供与性の置換基がより望ましい。
電子供与性が高く立体障害性が大きい置換基としてはイソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、エチルヘキシルオキシ基などが特に望ましい。
本実施形態に係るチオフェン部位とケージ部位とが形成する2面角は90°に近いことが好ましい。なぜならば、共役構造を有する分子は平面性が高いので、他分子との反応は共役面の垂直方向で起こるからである。
以下の表1に、一例としてジチエノチオフェン環とフェニル環との2面角を分子軌道計算により求めた値を示す。尚、ジチエノチオフェンは一般式[1]におけるYに相当し、一般式[5]におけるR8およびR9がともに水素原子で表わされるEC特性を示す部位であり、水素原子またはメチル基が置換されたフェニル基がケージ部位に相当する。
尚、2面角の計算には、Gaussian 03※ Revision D.01を用いて基底状態の構造最適化計算を行なった。量子化学計算法は、密度汎関数法(Density Functional Theory)を採用し、汎関数にはB3LYPを用いた。
基底関数はGaussian 03,Revision D.01では6−31Gを用いた。
※Gaussian 03,Revision D.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,J.A.Montgomery,Jr.,T.Vreven,K.N.Kudin,J.C.Burant,J.M.Millam,S.S.Iyengar,J.Tomasi,V.Barone,B.Mennucci,M.Cossi,G.Scalmani,N.Rega,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,M.Klene,X.Li,J.E.Knox,H.P.Hratchian,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,P.Y.Ayala,K.Morokuma,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,V.G.Zakrzewski,S.Dapprich,A.D.Daniels,M.C.Strain,O.Farkas,D.K.Malick,A.D.Rabuck,K.Raghavachari,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,Q.Cui,A.G.Baboul,S.Clifford,J.Cioslowski,B.B.Stefanov,G.Liu,A.Liashenko,P.Piskorz,I.Komaromi,R.L.Martin,D.J.Fox,T.Keith,M.A.Al−Laham,C.Y.Peng,A.Nanayakkara,M.Challacombe,P.M.W.Gill,
B.Johnson,W.Chen,M.W.Wong,C.Gonzalez,and J.A.Pople,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2004.
このように、置換基A1乃至A4が立体障害性基として働き、かつEC特性を示すジチエノチオフェン部位とケージ部位が有する面とが90°に近い角度で交わるので好ましい。
これらケージ部位となるフェニル基に置換した基A1からA4以外の置換基(一般式[1]におけるR1)は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上20以下のアルキルエステル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基を表す。R1で表される置換基の具体例は、上述したR4乃至R9に導入される置換基であるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルエステル基の具体例と同様である。
これらの置換基のうち、電子供与性の置換基はコアのチオフェン部位の電子密度を高める効果がある。置換基の電子供与により酸化電位が低くなり、EC素子とした際の駆動電圧を低くする効果、および酸化により生成するラジカルカチオンの安定性を高める効果がある。
そのため、R1で表される置換基としては、特にメチル基、エチル基、メトキシ基、イソプロポキシ基、ジメチルアミノ基が好ましい。これらの置換基は電子供与性が高いためである。
次に、還元により着色する部位であるビオロゲン骨格について説明する。一般式[1]においてビオロゲン骨格に置換した基R2は、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはアラルキル基である。
R2で表される炭素原子数が1以上20以下のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、また環状でもよい。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。R2で表わされるアリール基としては、フェニル基、トリル基などが挙げられる。R2で表わされるアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
Lはメチレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミド基、酸素原子または硫黄原子であり、Mは炭素原子数1以上20以下のアルキレン基である。Mで表わされるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、オクチレン基等が挙げられる。
これらLおよびMで表わされる基は、酸化着色型のチオフェン部位と還元着色型のビオロゲン部位を共有結合で連結し、かつ両部位のπ電子共役系を断絶する役割を持つ。チオフェン部位とビオロゲン部位のπ電子がお互いに共鳴した構造を有している場合には、本来の両部位の独立したエレクトロクロミック特性が失われたり、その吸収波長が変化し高透明性が失われたりするためである。
一般式[1]におけるXは、ピリジニウム塩と対を形成する陰イオンを表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。具体的には、Cl、Br、Iなどのハロゲンアニオン、ClO 、PF 、BF 、AsF 、SbF 、CFSO 、(CFSOなどのアニオンが挙げられ、有機溶媒中でこれらEC化合物を用いる場合にはClO 、PF 、BF 、(CFSOが好ましい。
以下に本発明に係る化合物の具体的な構造式を例示する。但し、本発明に係る化合物はこれらに限定されるものではない。
例示化合物のうちA群に示す化合物は、一般式[1]における酸化着色部位Yがジチオフェンであり、種々の立体障害基A1乃至A4が置換したフェニル基が保護した化学構造である。また、還元着色型ビオロゲン部位の置換基R2やピリジニウム塩と対を形成するアニオンX、チオフェン部位とビオロゲン部位を連結するMやLは種々の化学構造を導入することが可能であることを示している。
一方、B群に示す化合物は、一般式[1]におけるYで示される部位が種々のチオフェン誘導体の化学構造からなり、nが1、2または3の場合の化合物例である。
上記のすべての化合物において、A1からA4で示される立体障害性基は置換フェニル基のオルト位に存在するため、そのケージ効果によりYで示されるチオフェン部位を立体障害で保護する骨格となっている。また、酸化着色型のチオフェン部位と還元着色部位であるビオロゲン部位とは、アルキレン基をベースとした骨格により連結されているため、π共役系は断絶しており、各々独立したEC特性を示す。
よって、本発明におけるこれらの有機EC化合物では、消色時の高い透明性と、酸化還元反応の繰り返しに対する耐久性が高い。
本発明に係る有機化合物の合成法としては、1)末端にハロゲン化アルキル基を有するチオフェン誘導体を合成し、ビオロゲン部位と反応させる方法、2)酸化着色部位であるチオフェン誘導体と、還元着色部位であるビオロゲン誘導体とを各々合成した後、両者をアルキレン基で連結する方法等が挙げられる。
尚、本実施形態に係るEC性有機化合物のうち、酸化着色部位(一般式[1]におけるYで示される部位)であるチオフェン誘導体と、A1からA4で示される立体障害性基を有するフェニル基とのカップリング反応は、両者のハロゲン体とボロン酸(またはボロン酸エステル)との組み合わせで、公知のPd触媒を用いたカップリング反応により合成することができる。
合成方法の一例として、Yで示される酸化着色部位が2,2’−ビチオフェンの化合物の合成スキームを下記に示す。(下記スキームでは、A1からA4で表わされるフェニル基の置換基はA1とA2だけで表わし、ビチオフェン部位を中心として分子が対称の場合を示している)
式中、Xはハロゲン原子であり、A1およびA2は末端ユニットフェニル基の置換基である。式中の2,2’−ビチオフェン構造を他のチオフェン誘導体とすることで、本実施形態に係るEC性有機化合物を合成することができる。
本発明に係るEC性有機化合物は、公知のエレクトロクロミック素子構成として用いることができる。
以下、図面を参照しながら本発明に係るEC素子について説明する。図1は、本発明に係るEC素子の実施形態の一例を示す断面模式図である。
図1のEC素子は、一対の透明電極11と、この一対の電極の間に配置されている電解質と本発明に係るEC性有機化合物とを有するEC層12から構成されるEC素子である。一対の電極は、スペーサー13によって、電極間距離が一定となっている。このEC素子は、一対の電極が一対の透明基板10の間に配置されている。
EC層12は、本発明に係るEC性有機化合物と、電解質とを有している。このEC層は、EC化合物からなる層と、電解質からなる層とを有していてもよい。また、EC化合物と電解質とを有する溶液としてEC層を設けてもよい。
本発明に係るEC化合物は、第一の電極(アノード)でチオフェン部位が酸化により着色し、第一の電極と対向する第二の電極(カソード)でビオロゲン部位が還元により着色する。すなわち、電圧印加により第一の電極(アノード)近傍に存在した分子は電気化学反応によりチオフェン部位が電子を失い、第二の電極(カソード)近傍に存在した分子はビオロゲン部位が電子をもらい、ともに着色種が生成する。これら2種のEC特性を示す部位を分子内に有するため、その部位に由来する着色吸収帯が異なれば、単一の化合物で複数の幅広い帯域に可視吸収を示す。
従来、アノード性EC化合物とカソード性EC化合物を混合した溶液を用いたEC素子では、両極で生成した2種類の着色種(ラジカルカチオン)同士が、溶液中を拡散し互いに衝突し電子移動を起こす。そのため2種類のラジカルカチオンは消滅する、すなわち酸化還元反応前の物質になるため、消色するという課題があった。
本発明に係る化合物においても、第一の電極で生成した着色分子(ラジカルカチオンはチオフェン部位)と、第二の電極で生成した別の着色分子(ラジカルカチオンはビオロゲン部位)とが衝突し電子移動反応が起こる。しかし、第二の電極で生成したビオロゲン部位のラジカルカチオンは、第一の電極から拡散してきた着色分子の構造中、ケージ部位で立体的に保護されたチオフェン部位ラジカルカチオンより、ケージ部位が無いジカチオンのビオロゲン部位に対して電子移動が起こりやすいと予想される。ビオロゲン部位のラジカルカチオンからジカチオンのビオロゲンに電子移動が起こった場合には、着色するビオロゲン分子が入れ替わっただけであり、ラジカルカチオンとして存在するビオロゲン部位の濃度は変わらない。その結果、相対的に消色が抑制される結果になると考えている。
また従来のアノード性EC化合物またはカソード性EC化合物を単独で用いたEC素子においては、駆動電圧が高くなる課題があった。本発明に係る化合物の代表例として例えば実施例1の化合物は、チオフェン部分が酸化される酸化ピーク電位が0.55V(vs.Ag/Ag+)、ビオロゲン部位が還元される還元ピーク電位が約0.64V(vs.Ag/Ag+)であり、電極間に酸化還元の発生する0.5V近傍以上の電圧を印加するとアノード側で酸化が起こると同時にカソード側で還元が起こることにより、電極間に過剰な電圧をかけなくても電流が流れることが分かった。本発明に係る化合物は、分子内に存在する酸化部位と還元部位が各々パイ電子共鳴構造を有し、かつ各々の共役構造が互いに断絶されているため、酸化および還元電位を超える電圧を対向する電極間に印加することにより、両極板面で酸化および還元反応が同時に起こると考えられる。この効果は作用極、対向極、および参照極で構成される三電極による測定時よりも、対向極に過電圧をかけられない実施例2等の一対の電極(作用極と対向極)からなるエレクトロクロミック素子において効果が顕著である。
次に、本実施形態に係るEC素子を構成する部材について説明する。
電解質としては、イオン解離性の塩であり、かつ溶媒に対して良好な溶解性、固体電解質においては高い相溶性を示すものであれば限定されない。中でも電子供与性を有する者が好ましい。
電解質としては、例えば、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム塩などがあげられる。
具体的にはLiClO、LiSCN、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiPF、LiI、NaI、NaSCN、NaClO、NaBF、NaAsF、KSCN、KCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩等や、(CHNBF、(CNBF、(n−CNBF、(n−CNPF、(CNBr、(CNClO、(n−CNClO等の4級アンモニウム塩および環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。
EC性有機化合物および電解質を溶かす溶媒としては、EC性有機化合物や電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性を有するものが好ましい。
具体的には水や、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオンニトリル、ベンゾニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジオキソラン等の有機極性溶媒が挙げられる。
さらに、上記EC媒体に、さらにポリマーやゲル化剤を含有させて粘稠性が高いもの若しくはゲル状としたもの等を用いることもできる。
上記ポリマーとしては、特に限定されず、例えばポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ナフィオン(登録商標)などが挙げられる。
次に、透明基板および透明電極について説明する。透明基板10としては、例えば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等が用いられる他、無色あるいは有色の透明性樹脂が用いられる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリノルボルネン、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
電極材料11としては、例えば、酸化インジウムスズ合金(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化銀、酸化バナジウム、酸化モリブデン、金、銀、白金、銅、インジウム、クロムなどの金属や金属酸化物、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系材料、カーボンブラック、グラファイト、グラッシーカーボン等の炭素材料などを挙げることができる。
また、ドーピング処理などで導電率を向上させた導電性ポリマー(例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体など)も好適に用いられる。
本実施形態に係る光学フィルタにおいては、光学フィルタとしての透明性も必要とされるため、可視光領域に光吸収を示さないITO、FTO、IZO、NESA、導電率を向上させた導電性ポリマーが特に好ましく用いられる。導電率を向上させる方法は公知のものを利用することができる。
これらはバルク状、微粒子状など様々な形態で使用できる。尚、これらの電極材料は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
スペーサー13は、一対の電極11の間に配置されており、本発明のEC性有機化合物を有する溶液12を入れるための空間を与えるものである。具体的には、ポリイミド、テフロン(登録商標)、フッ素ゴム、エポキシ樹脂等を用いることができる。このスペーサーにより、EC素子の電極間距離を保持することが可能である。
本実施形態に係るEC素子は、一対の電極とスペーサーとによって、形成される液体注入口を有していてもよい。注入口からEC性有機化合物を有する組成物を封入したのちに、封止部材により注入口を覆い、さらに接着剤等で密閉することで素子とすることができる。
封止部材は、接着剤とEC性有機化合物が接触しないように隔離する役割も担っている。封止部材の形状は、特に限定されないが、楔形等の先細り形状が好ましい。
本実施形態に係るEC素子の形成方法は特に限定されず、一対の電極基板の間に設けた間隙に、真空注入法、大気注入法、メニスカス法等によって予め調製したEC性有機化合物を含有する液体12を注入する方法を用いることができる。
本実施形態に係るEC素子は、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材に用いることができる。
本実施形態に係るEC素子は消色時に高い透明性を有するとともに、耐久性が高く、また自己消色が抑制されているため、カメラ等の撮像素子への入射光量の制御および入射波長分布特性の制御に好適に用いることができる。入射波長分布の制御は撮像時の色温度変換に有効である。
すなわち、EC素子を撮像素子につながる撮像光学系の光路内に設けることにより、撮像素子が受光する光量もしくは入射波長分布特性を制御することができる。撮像光学系とはレンズ系ともいうことができる。撮像光学系は、複数のレンズを有するレンズユニット等が挙げられる。
本実施形態に係るEC素子は、トランジスタと接続された場合、光学フィルタとして機能する。トランジスタとしては、例えば、TFTやMIM素子等が挙げられる。
本実施形態に係る撮像装置は、撮像素子と光学フィルタを有する撮像光学系とを有する。撮像装置が有するEC素子は、撮像光学系の前であっても、撮像素子の直前であっても、配置される位置は問わない。
撮像光学系または撮像装置のいずれかがエレクトロクロミック素子を駆動するための回路を、有していることが好ましい。
EC素子が消色状態では高透明性を発揮できるので入射光に対して充分な透過光量が得られ、また着色状態では入射光を確実に遮光及び変調した光学的特性が得られる。また酸化還元繰り返し特性に優れるので、素子寿命が長い素子とすることができる。
また、本実施形態に係るエレクトロクロミック素子は、窓ガラス等の窓材に設けられてもよい。窓材に用いることで、電子カーテンや透過フィルタ等の役割を担うことができる。窓材に設けられる場合には、公知の窓材の材料を用いることができ、強化ガラス等の間にエレクトロクロミック素子を配置することで構成することができる。
エレクトロクロミック素子を有する窓材は、住宅の窓、飛行機の窓、自動車や列車の車窓、時計や携帯電話の表示面のフィルタとして用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例中のEC特性を示す部位や、2種のEC部位を連結する部位の構造を適宜変更することで、所望のEC性有機化合物を合成することができる。
[実施例1]
<例示化合物A−1の合成>
下記に示す反応により、例示化合物A−1の有機化合物を合成した。
(1)XX−1の合成:100mLの反応容器で、5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェン:8.9g(27.5mmol)、2,4,6−トリメトキシフェニルボロン酸ネオペンチルグリコールエステル:3.85g(13.7mmol)をトルエン/エタノール/蒸留水(50ml/20ml/40ml)混合溶媒で混合し、窒素で溶存酸素を除去した。
次いで、Pd(PPh:0.31g(0.27mmol)および炭酸ナトリウム:2.9g(27.4mmol)を窒素雰囲気下添加した後、70℃で18時間、加熱反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/クロロホルム(3/1))により分離精製し、薄黄色の固体XX−1を得た(4.20g)。
(2)XX−3の合成:300mlの反応容器で、3,5−ジメチル−4−ブロモフェノール:9.32g(46.4mmol)、1,4−ジブロモブタン:50g(232mmol)、炭酸カリウム:12.82g(92.8mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、70ml)/テトラヒドロフラン(THF、70ml)に溶解し、60℃に加熱し6時間、反応を行った。反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘプタン→ヘプタン/酢酸エチル(10/1))により分離精製し、無色の液体XX−2を得た(8.62g)。
得られたXX−2:6.52g(19.4mmol)をTHF100mlに溶解し、−78℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウム(1.63Mヘキサン溶液)15.5mlを滴下し−78℃で1時間攪拌した。この溶液に、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン:5.4g(29.1mmol)を添加し、さらに30分後、反応溶液を室温に戻し、そのまま室温で18時間撹拌した。
水を加え反応を停止した後、酢酸エチルで抽出・水洗・減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘプタン/酢酸エチル=15/1)により分離精製し、白色粉末のXX−3を得た(4.71g)。
(3)XX−4の合成:100ml反応容器に、XX−1:4.2g(10.2mmol)、XX−3:4.7g(12.3mmol)をトルエン/エタノール/蒸留水(25ml/12ml/25ml)混合溶媒で混合し、窒素で溶存酸素を除去した。
次いで、Pd(PPh:0.35g(0.31mmol)および炭酸ナトリウム:1.7g(20.4mmol)を窒素雰囲気下添加した後、80℃で12時間、加熱反応を行った。
反応溶液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘプタン/酢酸エチル(10/1→5/1))により分離精製し、淡黄色の固体XX−4を得た(5.1g)。
(4)A−1の合成:100ml反応容器に、XX−4:2.0g(3.40mmol),1−へプチル−4−(4−ピリジル)ピリジニウムブロミド:0.99g(3.40mmol)を、アセトニトリル(25ml)に溶解し、110℃にて18時間反応を行った。反応溶液を室温まで冷却後、赤色析出物を濾別し、アセトニトリルで洗浄した。次いで、酢酸エチル(50ml)および水(50ml)を加え攪拌後、水層にKPF(3g)を加え、アニオン交換反応を行った。水層に酢酸エチルをさらに添加し、有機層を回収・濃縮乾燥し、目的の化合物A−1を得た(1.73g)。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定の測定により、化合物A−1の構造確認を行った結果、ピーク積分値の比がその構造と良く一致した。NMRスペクトルの測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCN)σ(ppm):8.93(d,2H),8.88(d,2H),8.37(m,4H),7.28(d,1H),7.22(d,1H),7.15(d,1H),6.73(d,1H),6.70(s,2H),6.31(s,2H),4.73(t,2H),4.59(t,2H),4.05(t,2H),3.83(s,9H),2.15(s,6H),1.5−1.2(br,14H),0.87(t,3H).
得られた例示化合物A−1をアセトニトリルに溶解し、この溶液について紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製V−560)を用いて測定した吸収スペクトル図を図2に示す。
吸収ピークが最大強度となるλmaxは紫外領域である348.5nmであった。例示化合物A−1は可視光領域全体にわたって吸収を持たないので、透明な材料である。
[実施例2および比較例1]
<エレクトロクロミック素子の作製>
電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウムを0.1Mの濃度で炭酸プロピレンに溶解させ、次いで実施例1の有機化合物A−1を16.0mMの濃度で溶解させ、EC媒体を得た。
次いで透明導電膜(FTO)付きのガラス基板(下部電極)の周辺部に、着消色領域を規定する開口部を残して絶縁層(SiO)を形成し、基板間隔を規定するPETフィルム(帝人デュポンフィルム社製メリネックス(R)S、125μm厚)を透明電極膜付きガラス基板(上部電極)で狭持した後、EC媒体注入用の開口部を残してエポキシ系接着剤により素子周辺部を封止し、注入口付き空セルを作製した。
次に前述の素子開口部より、上で得られたEC媒体を真空注入法により注入後、開口部を周辺部と同様にエポキシ系接着剤により封止し、EC素子とした。
<EC素子の特性評価>
作製直後の本EC素子は可視光領域全域にわたり、80%前後の透過率を示し、高い透明性を有していた。
この素子の消色時の透過率、および電圧を1.3V印加した際の透過率スペクトルの変化を図3に示す。電圧を印加すると、酸化着色部位であるチオフェン誘導体の酸化種に由来する吸収(λmax=555nm)、および還元着色部位であるビオロゲン誘導体の還元種に由来する吸収(λmax=607nm)を示し、素子は着色した。さらに−0.5V印加すると消色し、可逆的な着消色を示した。このように、実施例1の有機化合物を用いた素子は、酸化還元に伴うエレクトロクロミック特性を示すことが確認された。
本実施例の素子のサイクリックボルタンメトリ(CV)測定における酸化ピークの立ち上がり電圧は1.1Vであった。一方、化合物A−1のチオフェン部位(ジチオフェン骨格)のみからなる化合物を用いた同様の素子における酸化ピークの立ち上がり電圧は2.9Vと高い値であり、本発明に係る化合物を用いたEC素子は低電圧駆動が可能であった。
<自己消色の有無>
電圧印加による着色時の素子断面写真を図4に示す。本実施例においては、第一の電極で生成したチオフェン構造由来の着色種(橙色)と第二の電極で生成したビオロゲン構造由来の着色種(青色)が拡散により衝突する電極間中間部付近において消色はみられず、橙色と青色が混色した黒っぽい着色が観察された。
一方、比較例1として、アノード性およびカソード性の2種のEC化合物を混合した溶液素子を作製した。EC化合物として実施例1の化合物の代わりに、アノード性EC化合物として実施例1の酸化着色部位に類似の化学構造を有する下記XX−10(16.0mM)、カソード性EC化合物として公知のエチルビオロゲンジパークロレートXX−11(16.0mM)とを混合した溶液素子を本実施例と同様に作製し、そのEC特性および自己消色性を確認した。
この比較例1において、電圧印加による着色時の素子断面写真を図5に示した。第一の電極で生成した着色種と第二の電極で生成した着色種が拡散により衝突する電極間中間部付近において、自己消色による白色部分が確認された。
[実施例3および比較例2]
<酸化還元サイクルの耐久安定性>
本発明に係る有機EC化合物におけるチオフェン部位の酸化還元サイクルに対する耐久安定性を評価した。実施例1の酸化着色部位と類似の化学構造を有するXX−10、および比較例2として末端ユニットであるフェニル基のオルト位に置換基を有さない化合物Ref−1を用いた。Ref−1の構造式は下記に示した通りであり、Chemistry of Materials,10巻,1166頁(1998)に従って合成した化合物である。
耐久性の測定は、作用電極にグラッシーカーボン、対向電極に白金、参照電極に銀を用い、電解質としてのテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩のジクロロメタン溶液(0.1mol/L)中、各化合物を溶解(1.0×10−4mol/L)した溶液で行った。
この溶液について、化合物の酸化電位以上の電位/10秒間の定電位酸化と、0V(vs.Ag/Ag+)/10秒間の定電位還元からなる矩形波電位プログラムを10000回繰り返した。10000回の酸化還元サイクル前および後のサイクリックボルタンメトリ(CV)測定における酸化ピーク電流量の変化が20%未満を○、20%以上を×とした。結果を表2に示す。
比較例2の化合物Ref−1は、約1500回の酸化還元サイクルで酸化ピーク電流量が20%減少し劣化したのに対して、本発明に係る化合物の酸化着色部位と同等の化学構造であるXX−10は、10000回の酸化還元サイクル後も酸化電流量の変化は20%未満であり、安定した酸化還元サイクルを示した。
これら酸化還元サイクルの耐久安定性は、比較例のRef−1に比べ、本発明に係る化合物が優れている。
これは、末端ユニットフェニル基に含まれる嵩高い置換基が、酸化時に不安定なラジカルを生成するコア部位を立体的に保護しているためである。
同時にケージ部位のフェニル基に電子供与性のアルコキシ基が置換されていることにより、酸化時に電子不足となるコア部位(ラジカルカチオン)の副反応や劣化反応を抑制し、結果として耐久安定性が高められているためである。
以上のように本発明は、消色時に可視光領域に光吸収を示さない高い透明性と酸化還元繰り返し時の安定性を有し、また素子化した際にも自己消色が抑制された有機化合物を提供することができる。
本発明の有機化合物は、消色時に可視光領域に光吸収を持たない高い透明性と酸化還元繰り返し時の安定性を両立し、また素子化した際にも自己消色を抑制することができるので、EC素子、それを用いた光学フィルタ、レンズユニットおよび撮像装置等に利用することができる。
10 透明基板
11 透明電極
12 EC層
13 スペーサー

Claims (9)

  1. 下記一般式[1]で示されることを特徴とする有機化合物。

    (式中、A1乃至A4はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基から選ばれる基を表す。
    ただし、A1およびA2のうち少なくともいずれか一方、かつA3およびA4のうち少なくともいずれか一方は前記アルキル基、前記アルコキシ基または前記アリール基である。
    前記アリール基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基または炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を置換基として有していてもよい。
    R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上20以下のアルキルエステル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基を表す。
    前記アリール基は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を置換基として有していてもよい。
    R2は炭素原子数1以上20以下のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはアラルキル基である。
    Lはメチレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミド基、酸素原子または硫黄原子であり、Mは炭素原子数1以上20以下のアルキレン基である。
    はピリジニウム塩と対を形成する陰イオンを表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    式中、Yは下記一般式[2]乃至[5]のいずれかで表わされる構造からなり、nは1から3の整数である。nが2または3の場合、複数のYは下記一般式[2]乃至[5]よりそれぞれ独立に選ばれる。

    式中、R3は、炭素原子数1以上20以下の分岐していても良いアルキレン基を表わす。R4からR9は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、炭素原子数1以上20以下アルキルエステル基、置換基を有していても良いアミノ基、またはシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。)
  2. 前記A1およびA2の少なくともいずれか一方、かつA3およびA4の少なくともいずれか一方は、炭素原子数1以上20以下のアルコキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
  3. 前記A1およびA2の少なくともいずれか一方、かつA3およびA4の少なくともいずれか一方はメトキシ基であることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
  4. 一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されているエレクトロクロミック層を有するエレクトロクロミック素子であって、
    前記エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック化合物および電解質とを有し、
    前記エレクトロクロミック化合物は請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機化合物であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  5. 請求項4に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子に接続されたTFT素子とを有することを特徴とする光学フィルタ。
  6. 請求項5に記載の光学フィルタと、撮像光学系とを有することを特徴とするレンズユニット。
  7. 請求項5に記載の光学フィルタと、撮像光学系と、前記光学フィルタを通して撮像する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項4に記載のエレクトロクロミック素子を駆動するための回路と、外部からの光を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
  9. 請求項4に記載のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子を駆動するための回路とを有することを特徴とする窓材。
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