JP2015128943A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラック軸曲がりによる過剰な操舵トルクの発生を検出し、運転者に警告を早期に発することのできる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ラック軸5の異常を検出するラック軸異常検出部32を備え、ラック軸異常検出部32は、モータ回転角度センサ22から検出したモータの回転角度の絶対値が所定モータ回転角度θ1以上、且つ、トルクセンサ26から検出した操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上、且つ、上記状態が所定回数以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯する構成とした。
【選択図】図3
【解決手段】ラック軸5の異常を検出するラック軸異常検出部32を備え、ラック軸異常検出部32は、モータ回転角度センサ22から検出したモータの回転角度の絶対値が所定モータ回転角度θ1以上、且つ、トルクセンサ26から検出した操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上、且つ、上記状態が所定回数以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯する構成とした。
【選択図】図3
Description
本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、電動モータにより操舵補助を行う電動パワーステアリング装置では、通常路であっても、悪路であっても、単に操舵トルクと車速によってアシスト力を決めている。そして、一般的には、車速が遅いほど、アシスト力を高め操舵フィーリングの向上を図っている。
一方、上記方法では、高速時に異常に操舵力が低下するため、例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置では、電動モータの付勢開始操舵トルクを車速の増加に応じて大きくすることで、操舵フィーリングの向上を図っている。
しかし、上記方法はいずれも、操舵トルクに従って、アシスト力を増減させている。
そのため、車両が走行中に縁石に乗り上げたり、車両との接触等によりステアリングに過剰な逆入力が入った結果、ラック軸に車両後方側(又は、前方側)への外力が発生し、ラック軸に曲がりが発生する場合がある。その結果、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクが発生し、アシスト力が急激に増加する虞があった。
そのため、車両が走行中に縁石に乗り上げたり、車両との接触等によりステアリングに過剰な逆入力が入った結果、ラック軸に車両後方側(又は、前方側)への外力が発生し、ラック軸に曲がりが発生する場合がある。その結果、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクが発生し、アシスト力が急激に増加する虞があった。
本発明の目的は、ラック軸曲がりによる過剰な操舵トルクの発生を検出し、運転者に警告を早期に発することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、モータによって操舵系にステアリング操作を補助するアシスト力を付与すべく設けられた操舵力補助装置と、前記操舵力補助装置からのアシスト力を転舵輪に伝えるラック軸と、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、前記操舵トルク検出手段から検出した操舵トルクと、前記車速検出手段から検出した車速からアシスト力を生成するアシスト力生成手段と、前記アシスト力生成手段に基づいて、前記操舵力補助装置の駆動源であるモータに対して駆動電力を供給することにより、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、前記ラック軸の異常を検出するラック軸異常検出手段を備え、前記ラック軸異常検出手段は、前記モータ回転角度検出手段から検出したモータの回転角度の絶対値が所定回転角度以上、且つ、前記操舵トルク検出手段から検出した操舵トルクの変化量の絶対値が所定操舵トルク以上、且つ、上記状態が所定回数以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯すること、を要旨とする。
本請求項の電動パワーステアリング装置では、ラック軸の異常を検出するラック軸異常検出手段を備え、ラック軸異常検出手段は、モータ回転角度検出手段から検出したモータの回転角度の絶対値が所定回転角度以上、且つ、操舵トルク検出手段から検出した操舵トルクの変化量の絶対値が所定操舵トルク以上、且つ、上記状態が所定回数以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯する構成とした。
即ち、ラック軸に曲がりが発生し、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクが発生しやすい領域として、ステアリング回転数が1回転以上した場合が考えられる。そして、その領域では、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、操舵トルクの変化が急激に発生する。この状態が複数回発生した場合には、明らかにラック軸に異常が発生していると考えられるので、異常警告を点灯する。
その結果、ラック軸曲がりによる過剰な操舵トルクの発生を検出し、運転者に警告を早期に発することができ、操舵フィーリングの向上が図れる。
本発明によれば、ラック軸曲がりによる過剰な操舵トルクの発生を検出し、運転者に警告を早期に発することのできる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、コラム型の電動パワーステアリング装置(以下、EPSという)に具体化した本発明の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更されるようになっている。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更されるようになっている。
また、EPS1は、モータ21を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ24(操舵力補助装置)と、EPSアクチュエータ24の作動を制御するECU27とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ24は、コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ21は、減速機構23を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。そして、同モータ21の回転を減速機構23により減速してコラムシャフト8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU27には、車速センサ25(車速検出手段)、トルクセンサ26(操舵トルク検出手段)、及びモータ回転角度センサ22(モータ回転角度検出手段)が接続されており、ECU27は、これら各センサの出力信号に基づいて、車速V、操舵トルクτ、及びモータ回転角度θmを検出する。
尚、トルクセンサ26はツインレゾルバ型のトルクセンサである。ECU27は、図示しないトーションバーの両端に設けられた一対のレゾルバの各出力信号に基づいて操舵トルクτを演算する。また、ECU27は、これら検出される各状態量に基づいて目標アシスト力を演算し、その駆動源であるモータ21への駆動電力の供給を通じて、EPSアクチュエータ24の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する。
次に、本実施形態のEPS1における電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態のEPS1の制御ブロック図である。同図に示すように、ECU27は、モータ制御信号を出力するマイコン29(制御手段)と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ24の駆動源であるモータ21に三相の駆動電力を供給する駆動回路部40、及びモータ21に通電されるU相電流値Iu、V相電流値Iv、及びW相電流値Iwを検出するための電流センサ30u、30v、及び30wとを備えている。
図2は、本実施形態のEPS1の制御ブロック図である。同図に示すように、ECU27は、モータ制御信号を出力するマイコン29(制御手段)と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ24の駆動源であるモータ21に三相の駆動電力を供給する駆動回路部40、及びモータ21に通電されるU相電流値Iu、V相電流値Iv、及びW相電流値Iwを検出するための電流センサ30u、30v、及び30wとを備えている。
駆動回路部40は、直列に接続された一対のスイッチング素子を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる公知のPWMインバータ(図示せず)である。また、マイコン29の出力するモータ制御信号は、駆動回路部40を構成する各スイッチング素子のオンデューティ比を規定するものとなっている。モータ制御信号が各スイッチング素子のゲート端子に印加され、モータ制御信号に応答して、各スイッチング素子がオン/オフすることにより、バッテリ28の電源電圧に基づく三相のモータ駆動電力を生成して、モータ21へと出力する構成になっている。
ECU27には、モータ21のモータ回転角度θmを検出するためのモータ回転角度センサ22が接続されている。そして、マイコン29は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ21のU相電流値Iu、V相電流値Iv、W相電流値Iw、及びモータ回転角度θm、並びに上記操舵トルクτ、及び車速Vに基づいて、駆動回路部40にモータ制御信号を出力する。
以下に示す各制御ブロックは、マイコン29が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。マイコン29は、所定のサンプリング周期で上記各状態量を検出し、所定周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
図2に示すように、マイコン29は、モータ21を制御するq軸電流指令値Iq*を演算するIq*電流指令値演算部31(アシスト力生成手段)と、駆動回路部40を制御するモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部44、及びラック軸の異常を検出するラック軸異常検出部32(ラック軸異常検出手段)を備えている。
マイコン29は、U相電流値Iu、V相電流値Iv、及びW相電流値Iwをd/q座標系に写像することにより(d/q変換)、同d/q座標系における電流フィードバック制御を実行する。そして、駆動回路部40を構成するFETのオン/オフタイミングを決定するDUTY指令値をPWM出力部38で生成し、そのDUTY指令値に基づいてゲートオン/オフ信号の出力を実行する。
Iq*電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクτ、及び車速Vに基づいて、q軸電流指令値Iq*を、操舵トルク/q軸電流指令値マップ(図略)より決定する。尚、操舵トルク/q軸電流指令値マップは、同じ操舵トルクの場合、車速Vが小さいほど、大きなq軸電流指令値Iq*を決定するように構成されている。
モータ制御信号生成部44は、d/q変換演算部34、q軸PID制御部35、d軸PID制御部36、d/q逆変換演算部37、及びPWM出力部38で構成されている。
d/q変換演算部34に入力されたU相電流値Iu、V相電流値Iv、及びW相電流値Iwは、d/q変換され、q軸電流値Iq、及びd軸電流値Idとなる。そして、q軸電流値Iqは、減算器53に入力される。減算器53は、Iq*電流指令値演算部31から出力されたq軸電流指令値Iq*から、q軸電流値Iqを減算したq軸偏差電流値ΔIqをq軸PID制御部35に入力する。そして、q軸PID制御部35で演算されたq軸電圧指令値Vq*は、d/q逆変換演算部37に入力される。
一方、d/q変換演算部34で変換されたd軸電流値Idは、減算器54に入力される。減算器54は、d軸電流指令値Id*(Id*=0)から、d軸電流値Idを減算したd軸偏差電流値ΔIdをd軸PID制御部36に入力する。d軸PID制御部36で演算されたd軸電圧指令値Vd*は、d/q逆変換演算部37に入力される。
d/q逆変換演算部37に入力されたq軸電圧指令値Vq*、及びd軸電圧指令値Vd*は、d/q逆変換演算部37により、U相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*、及びW相電圧指令値Vw*に変換されPWM出力部38に入力される。
ラック軸異常検出部32には、操舵トルクτ、及びモータ回転角度θmが入力される。そして、ラック軸異常検出部32からは、車両パネル等に取り付けられたラック軸異常点灯部33にラック軸異常警告を点灯させる、ラック軸異常確定フラグFLGAL2が出力される。
次に、本実施形態のマイコン29によるラック軸異常検出部32の処理手順について図3に基づいて説明する。
最初に、マイコン29は、モータ回転角度θmを読み込む(ステップS100)。次に、マイコン29は、操舵トルクτを読み込む(ステップS101)。続いて、マイコン29は、モータ回転角度θmの絶対値が、第1所定モータ回転角度θ1(所定回転角度)以上か否かを判定する(ステップS102)。
最初に、マイコン29は、モータ回転角度θmを読み込む(ステップS100)。次に、マイコン29は、操舵トルクτを読み込む(ステップS101)。続いて、マイコン29は、モータ回転角度θmの絶対値が、第1所定モータ回転角度θ1(所定回転角度)以上か否かを判定する(ステップS102)。
モータ回転角度θmの絶対値が、第1所定モータ回転角度θ1以上か否かを判定することによって、ラック軸に曲がりが発生し、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクが発生しやすい領域として、ステアリング回転数が1回転以上したか、否かが判定できる。
そして、マイコン29は、モータ回転角度θmの絶対値が、第1所定モータ回転角度θ1以上の場合(ステップS102:YES)には、過剰な操舵トルクが発生しやすい領域である、ステアリング回転数が1回転以上したと判断する。続いて、マイコン29は、操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上か否かを判定する(ステップS103)。
操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上か否かを判定することによって、ラック軸に曲がりが発生し、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクτが発生したか、否かが判定できる。
そして、マイコン29は、操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上の場合(ステップS103:YES)には、ラック軸に曲がりが発生し、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクτが発生したと判断する。そして、マイコン29は、ラック軸異常検出フラグFLGAL1をセットする(ステップS104)。
次に、マイコン29は、モータ回転角度θmの絶対値が、第2所定モータ回転角度θ2より小さいか否かを判定する(ステップS105)。モータ回転角度θmの絶対値が、第2所定モータ回転角度θ2より小さいか否かを判定することによって、例えば、一旦ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクが発生しやすい領域までステアリング2が操舵された後、過剰な操舵トルクが発生しない領域であるステアリング2の中央領域まで、ステアリング2が戻されたか否かが判定できる。
そして、マイコン29は、モータ回転角度θmの絶対値が、第2所定モータ回転角度θ2より小さい場合(ステップS105:YES)には、ステアリング2が中央領域までステアリング2が戻されたと判断し、ラック軸異常検出フラグFLGAL1がセットされていることを加味して、ラック軸異常確定カウンターCTRをインクリメントする(ステップS106)。
次に、マイコン29は、ラック軸異常確定カウンターCTRのカウンターが、ラック軸異常確定カウンターカウントアップCTR0(所定回数)したか否かを判定する(ステップS107)。そして、マイコン29は、ラック軸異常確定カウンターCTRのカウンターが、ラック軸異常確定カウンターカウントアップCTR0した場合(ステップS107:YES(所定回数以上継続))には、ラック軸異常確定フラグFLGAL2をセットする(ステップS108)。次に、マイコン29は、ラック軸異常確定フラグFLGAL2をラック軸異常点灯部33に送信し、ラック軸異常警報ランプを点灯(ステップS109)し、処理を終える。
一方、マイコン29は、ラック軸異常確定カウンターCTRのカウンターが、ラック軸異常確定カウンターカウントアップCTR0していない場合(ステップS107:NO)には、ラック軸異常検出フラグFLGAL1をリセット(ステップS110)し、処理を終える。
また、マイコン29は、モータ回転角度θmの絶対値が、第2所定モータ回転角度θ2以上の場合(ステップS105:NO)には、モータ回転角度θmの絶対値が、第2所定モータ回転角度θ2より小さくなるまで、ステップS105の処理を継続する。
更に、マイコン29は、操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0より小さい場合(ステップS103:NO)、又は、モータ回転角度θmの絶対値が、第1所定モータ回転角度θ1より小さい場合(ステップS102:NO)には、処理を終える。
次に、上記のように構成された本実施形態のEPS1の作用及び効果について説明する。
ラック軸5の異常を検出するラック軸異常検出部32を備え、ラック軸異常検出部32は、モータ回転角度センサ22から検出したモータの回転角度の絶対値が所定モータ回転角度以上、且つ、トルクセンサ26から検出した操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上、且つ、上記状態がラック軸異常確定カウンターカウントアップCTR0以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯する構成とした。
ラック軸5の異常を検出するラック軸異常検出部32を備え、ラック軸異常検出部32は、モータ回転角度センサ22から検出したモータの回転角度の絶対値が所定モータ回転角度以上、且つ、トルクセンサ26から検出した操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上、且つ、上記状態がラック軸異常確定カウンターカウントアップCTR0以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯する構成とした。
このような構成としたことで、ラック軸5に曲がりが発生し、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、過剰な操舵トルクτが発生しやすい領域として、ステアリング回転数が1回転以上した場合が考えられる。そして、その領域では、ラック軸曲がりとラックハウジングとの干渉により、操舵トルクτの変化が急激に発生する。この状態が複数回発生した場合には、明らかにラック軸5に異常が発生していると考えられるので、異常警告を点灯する。
その結果、ラック軸曲がりによる過剰な操舵トルクτの発生を検出し、運転者に警告を早期に発することができ、操舵フィーリングの向上が図れる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、モータ回転角度センサ22から検出したモータの回転角度の絶対値が所定モータ回転角度以上、且つ、トルクセンサ26から検出した操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上、且つ、上記状態がラック軸異常確定カウンターカウントアップCTR0以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯する構成とした。しかし、これに限らず、ラック軸異常警告を車両内にアナウンスする構成としてもよい。
・本実施形態では、モータ回転角度センサ22から検出したモータの回転角度の絶対値が所定モータ回転角度以上、且つ、トルクセンサ26から検出した操舵トルクτの変化量の絶対値が所定操舵トルクτ0以上、且つ、上記状態がラック軸異常確定カウンターカウントアップCTR0以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯する構成とした。しかし、これに限らず、ラック軸異常警告を車両内にアナウンスする構成としてもよい。
・本実施形態では、本発明をコラムアシストEPSに具体化したが、本発明をラックアシストEPSやピニオンアシストEPSに適用してもよい。
・本実施形態では、本発明をEPSアクチュエータ24の駆動源であるモータ21として、三相のブラシレスDCモータに具体化したが、本発明をDCモータ、誘導モータ、及びステッピングモータとしてもよい。
1:電動パワーステアリング装置(EPS)、2:ステアリング、
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
8:コラムシャフト、9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:タイロッド、12:転舵輪、21:モータ、
22:モータ回転角度センサ(モータ回転角度検出手段)、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、
25:車速センサ(車速検出手段)、26:トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、27:ECU、28:バッテリ、29:マイコン(制御手段)、
30u、30v、30w:電流センサ、
31:Iq*電流指令値演算部(アシスト力生成手段)、
32:ラック軸異常検出部(ラック軸異常検出手段)、33:ラック軸異常点灯部、34:d/q変換演算部、
35:q軸PID制御部、36:d軸PID制御部、37:d/q逆変換演算部、
38:PWM出力部、40:駆動回路部、44:モータ制御信号生成部、
53、54:減算器、
V:車速、τ:操舵トルク、τ0:所定操舵トルク、θm:モータ回転角度、
θ1:第1所定モータ回転角度(所定回転角度)、
θ2:第2所定モータ回転角度、
Iu:U相電流値、Iv:V相電流値、Iw:W相電流値、
Iq*:q軸電流指令値、Iq:q軸電流値、ΔIq:q軸偏差電流値、
Id*:d軸電流指令値、Id:d軸電流値、ΔId:d軸偏差電流値、
Vq*:q軸電圧指令値、Vd*:d軸電圧指令値、
Vu*:U相電圧指令値、Vv*:V相電圧指令値、Vw*:W相電圧指令値、
CTR:ラック軸異常確定カウンター、
CTR0:ラック軸異常確定カウンターカウントアップ(所定回数)、
FLGAL1:ラック軸異常検出フラグ、
FLGAL2:ラック軸異常確定フラグ、
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
8:コラムシャフト、9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:タイロッド、12:転舵輪、21:モータ、
22:モータ回転角度センサ(モータ回転角度検出手段)、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、
25:車速センサ(車速検出手段)、26:トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、27:ECU、28:バッテリ、29:マイコン(制御手段)、
30u、30v、30w:電流センサ、
31:Iq*電流指令値演算部(アシスト力生成手段)、
32:ラック軸異常検出部(ラック軸異常検出手段)、33:ラック軸異常点灯部、34:d/q変換演算部、
35:q軸PID制御部、36:d軸PID制御部、37:d/q逆変換演算部、
38:PWM出力部、40:駆動回路部、44:モータ制御信号生成部、
53、54:減算器、
V:車速、τ:操舵トルク、τ0:所定操舵トルク、θm:モータ回転角度、
θ1:第1所定モータ回転角度(所定回転角度)、
θ2:第2所定モータ回転角度、
Iu:U相電流値、Iv:V相電流値、Iw:W相電流値、
Iq*:q軸電流指令値、Iq:q軸電流値、ΔIq:q軸偏差電流値、
Id*:d軸電流指令値、Id:d軸電流値、ΔId:d軸偏差電流値、
Vq*:q軸電圧指令値、Vd*:d軸電圧指令値、
Vu*:U相電圧指令値、Vv*:V相電圧指令値、Vw*:W相電圧指令値、
CTR:ラック軸異常確定カウンター、
CTR0:ラック軸異常確定カウンターカウントアップ(所定回数)、
FLGAL1:ラック軸異常検出フラグ、
FLGAL2:ラック軸異常確定フラグ、
Claims (1)
- モータによって操舵系にステアリング操作を補助するアシスト力を付与すべく設けられた操舵力補助装置と、
前記操舵力補助装置からのアシスト力を転舵輪に伝えるラック軸と、
操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記モータの回転角度を検出するモータ回転角度検出手段と、
前記操舵トルク検出手段から検出した操舵トルクと、前記車速検出手段から検出した車速からアシスト力を生成するアシスト力生成手段と、
前記アシスト力生成手段に基づいて、前記操舵力補助装置の駆動源であるモータに対して駆動電力を供給することにより、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前記制御手段は、前記ラック軸の異常を検出するラック軸異常検出手段を備え、
前記ラック軸異常検出手段は、前記モータ回転角度検出手段から検出したモータの回転角度の絶対値が所定回転角度以上、且つ、前記操舵トルク検出手段から検出した操舵トルクの変化量の絶対値が所定操舵トルク以上、且つ、上記状態が所定回数以上継続した場合には、ラック軸異常警告を点灯すること、
を特徴とする電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014001414A JP2015128943A (ja) | 2014-01-08 | 2014-01-08 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014001414A JP2015128943A (ja) | 2014-01-08 | 2014-01-08 | 電動パワーステアリング装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014001414A Pending JP2015128943A (ja) | 2014-01-08 | 2014-01-08 | 電動パワーステアリング装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015128943A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3875348A1 (en) | 2020-03-02 | 2021-09-08 | Jtekt Corporation | Steering control apparatus |
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2014
- 2014-01-08 JP JP2014001414A patent/JP2015128943A/ja active Pending
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