JP2012153355A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ巻線の抵抗を通して電源リップル吸収用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる際に、モータが回転しないようにし、運転者に不快感を与えない電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】駆動制御部15は、モータ1に流す駆動電流指令値を、d−q座標系に変換した電流値指令値Id*,Iq*により付与し、電源リレー11が非導通状態に変化した後に、d軸の電流指令値Id*を所定値とし、q軸の電流指令値Iq*を0とするとともに、モータ回転角センサ5から検出したモータ回転角θを検出値に固定し、モータ制御信号を生成するモータ制御信号出力部16により、電流リップル吸収用のコンデンサ12に蓄積された電荷をモータ1の巻線の一部を通して流した。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来の電動パワーステアリング装置では、直流電源にてブラシレスモータを駆動する際にPWMインバータ(以下、インバータという)が用いられる。インバータの直流電源側にはこの直流電源から供給される直流電圧を平滑する電流リップル吸収用コンデンサが設けられる。また、直流電源とインバータとの間には、両者の間の接続を開閉するための電源リレーが設けられる。次回の電源オン時に電源リレーの溶着あるいは断線の故障検査を正しく行うためには、電源オフ時に電源リレーをオフした後コンデンサに蓄積された電荷を放電する必要がある。そこで、例えば、2つの電源線の間に放電用回路として抵抗を設け、電源リレーがオフ状態となった後、コンデンサに蓄積された電荷を抵抗を通して放電させる方法がある。
しかしながら、このような抵抗を使用してコンデンサに蓄積された電荷を放電させると、電動パワーステアリング装置の動作時の消費電流が増大し、あるいは、放電用の抵抗を必要とするため回路が大型化し、電動パワーステアリング装置のコストが高くなる。そこで、放電のための専用の回路を用いずに、直流電源とインバータの間の電源リレーがオフした後にインバータを動作させ、コンデンサからモータの巻線に電流を流し、コンデンサに蓄積された電荷を放電させる電動パワーステアリング装置がある。(例えば、特許文献1参照)
上述のようにモータ巻線の抵抗を通してコンデンサから電荷を放電させる際には、モータを回転させるときと同じ処理を行って、モータが回転しないよう、インバータの動作を制御する必要がある。このため、電源リレーがオフの状態で、モータの駆動電流が流れる間、モータが回転しないように、インバータに含まれる6個のスイッチング素子(MOS−FET等)を制御している。
特開2008−94342号公報
ところが、モータの回転位置を検出するためモータのロータに取付けられるレゾルバ等の回転角センサの検出値に誤差が含まれていると(例えば、回転角センサをモータに組み付けた時の組み付け誤差等)、モータの各相電流の制御のため設定したd−q座標系がずれて、モータへの駆動電流指令値にモータにトルクを付与するトルク電流成分が生じ、モータがわずかに回転する可能性がある。
このため、モータの回転や振動がステアリングホイールに伝わり、運転者に不快感を与えるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モータ巻線の抵抗を通して電流リップル吸収用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる際に、回転角センサの検出誤差があってもモータが回転しないようにし、運転者に不快感を与えない電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電源と、車両のステアリング機構に与えられる操舵補助力を発生させるモータと、前記モータの回転角を検出するモータ回転角センサと、電流リップル吸収用のコンデンサと、複数のスイッチング素子を含み、前記モータに駆動電流を供給するモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路を制御する駆動制御部と、前記電源と前記モータ駆動回路との間の接続を開閉する電源スイッチとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記駆動制御部は、前記モータに流す駆動電流指令値を、d−q座標系に変換した電流指令値により付与し、前記電源スイッチが非導通状態に変化した後に、前記d軸の電流指令値を所定の値とし、前記q軸の電流指令値を0とするとともに、前記モータ回転角センサから検出した前記モータ回転角を検出値に固定し、前記モータの巻線の一部に、前記コンデンサに蓄積された電荷が流れることを要旨とする。
上記構成によれば、電源オフ時に電流リップル吸収用のコンデンサに蓄積された電荷は、モータ駆動回路とモータ巻線を通って放電される。このとき、モータ回転角の検出値を固定することにより、駆動電流指令値を設定したd−q座標系がモータ回転角に追従して回転しないのでモータは回転しない。したがって、電流リップル吸収用のコンデンサに蓄積された電荷を放電する際に、モータが回転しないため、車両のステアリング機構において、モータの不必要な回転や振動の発生を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、電源と、車両のステアリング機構に与えられる操舵補助力を発生させるモータと、前記モータの回転角を検出するモータ回転角センサと、電流リップル吸収用のコンデンサと、複数のスイッチング素子を含み、前記モータに駆動電流を供給するモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路を制御する駆動制御部と、前記電源と前記モータ駆動回路との間の接続を開閉する電源スイッチとを備えた電動パワーステアリング装置において、前記駆動制御部は、前記モータに流す駆動電流指令値を、d−q座標系に変換した電圧指令値により付与し、前記電源スイッチが非導通状態に変化した後に、前記d軸の電圧指令値を所定の値とし、前記q軸の電圧指令値を0とするとともに、前記モータ回転角センサから検出した前記モータ回転角を検出値に固定し、前記モータの巻線の一部に、前記コンデンサに蓄積された電荷が流れることを要旨とする。
上記構成によれば、電源オフ時に電流リップル吸収用のコンデンサに蓄積された電荷は、モータ駆動回路とモータ巻線を通って放電される。このとき、モータ回転角の検出値を固定することにより、電圧指令値を設定したd−q座標系がモータ回転角に追従して回転しないのでモータは回転しない。したがって、電流リップル吸収用のコンデンサに蓄積された電荷を放電する際に、モータが回転しないため、車両のステアリング機構において、モータの不必要な回転や振動の発生を抑制できる。
請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記駆動制御部は、前記コンデンサの放電制御時に動作する放電時間監視手段を設けることを要旨とする。
上記構成によれば、電流リップル吸収用のコンデンサに蓄積された電荷を放電する際に放電制御時間を監視するので、電源とモータ駆動回路との間の接続を開閉する電源スイッチの故障発生を判断できる。
モータ巻線の抵抗を通して電源リップル吸収用コンデンサに蓄積された電荷を放電させる際に、モータが回転しないようにし、運転者に不快感を与えない電動パワーステアリング装置を提供できる。
電動パワーステアリング装置の構成を示す概念図。 電動パワーステアリング装置に含まれるモータ制御回路の回路図。 本発明の第1の実施形態における電動パワーステアリング装置の制御ブロック図。 本発明の第1の実施形態における放電制御の処理手順を示すフローチャート図。 本発明の第2の実施形態における電動パワーステアリング装置の制御ブロック図。 本発明の第2の実施形態における放電制御の処理手順を示すフローチャート図。
以下、本発明の実施形態について、図に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両の構成と共に示す概略図である。
図1に示す電動パワーステアリング装置10は、モータ1、減速機2、トルクセンサ3、車速センサ4、モータ回転角センサ5(以下、回転角センサという)、および、電子制御ユニット(Electronic
Control Unit :以下、ECUという)6を備えたコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図1に示すように、ステアリングシャフト102の一端にはステアリングホイール101が固着されており、ステアリングシャフト102の他端はラックピニオン機構103を介してラック軸104に連結されている。ラック軸104の両端は、タイロッドおよびナックルアームからなる連結部材105を介して車輪106に連結されている。運転者がステアリングホイール101を回転させると、ステアリングシャフト102は回転し、これに伴いラック軸104は往復運動を行う。ラック軸104の往復運動に伴い、車輪106の向きが変わる。
電動パワーステアリング装置10は、運転者の負荷を軽減するために、以下に示す操舵補助を行う。トルクセンサ3は、ステアリングホイール101の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクτを検出する。車速センサ4は、車速Vを検出する。回転角センサ5は、モータ1のロータの回転位置(モータ回転角)θを検出する。回転角センサ5は、例えばレゾルバで構成される。
ECU6は、車載バッテリ(以下、バッテリという)100から電力の供給を受け、操舵トルクτ、車速Vおよびモータ回転角θに基づきモータ1を駆動する。モータ1は、ECU6によって駆動されると、操舵補助力を発生させる。減速機2は、モータ1とステアリングシャフト102との間に設けられる。モータ1で発生した操舵補助力は、減速機2を介して、ステアリングシャフト102を回転させるように作用する。
この結果、ステアリングシャフト102は、ステアリングホイール101に加えられる操舵トルクτと、モータ1で発生した操舵補助力の両方によって回転する。このように電動パワーステアリング装置10は、モータ1で発生した操舵補助力を車両のステアリング機構に与えることにより操舵補助を行う。
図2は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置10に含まれるモータ制御回路の回路図である。図2に示すモータ制御回路は、電源リレー11、コンデンサ12、モータ駆動回路13を備え、このモータ制御回路は、ECU6の内部に設けられ、電源であるバッテリ100に接続される。
図2において、モータ1は、3相の巻線(U相巻線Uc,V相巻線Vc,W相巻線Wc)を有する3相ブラシレスモータである。電源リレー11は、コンデンサ12およびモータ駆動回路13をバッテリ100に接続するか否かを切り替える電源スイッチである。電源リレー11は、電動パワーステアリング装置10の動作時にはオン状態(導通状態)、停止時にはオフ状態(非導通状態)となる。
モータ駆動回路13は、スイッチング素子として、6個のMOS−FET(U1,U2,V,V2,W1,W2)を含んでいる。図2に示すように、MOS−FET U1とU2は直列に接続され、MOS−FET
V1とV2は直列に接続され、MOS−FET W1とW2は直列に接続される。このように6個のMOS−FETを2個ずつ直列に接続して形成された3つの回路は、2本の電源線L1,L2の間に並列に設けられる。MOS−FET
U1とU2の接続点は、U相巻線Ucの一端に接続される。MOS−FET V1とV2の接続点は、V相巻線Vcの一端に接続される。MOS−FET W1とW2の接続点は、W相巻線Wcの一端に直接接続される。モータ1の3相の巻線の他端は、共通の接続点(以下、中性点Qという)に接続される。
駆動制御部15は、モータ駆動回路13に含まれる6個のMOS−FETを制御する。より詳細には、駆動制御部15には、操舵トルクτ、車速Vおよびモータ回転角θが入力される。駆動制御部15は、これらのデータに基づき、モータ1に供給すべき3相の駆動電流(U相電流、V相電流およびW相電流)の目標値(目標電流)を決定し、後述する電流センサにより検出した電流(各相電流値Iu,Iv,Iw)を目標電流に一致させるためのPWM信号を出力する。駆動制御部15から出力された各相のPWM信号は、モータ駆動回路13に含まれる6個のMOS−FETのゲート端子にそれぞれ供給される。
コンデンサ12は、2本の電源線L1,L2の間に設けられる。コンデンサ12は電荷を蓄積し、バッテリ100からモータ駆動回路13に流れる電流が不足するときには蓄積した電荷を放電する。このように、コンデンサ12は、電流リップル吸収用のコンデンサとして機能する。
本実施形態の電動パワーステアリング装置10では、電源リレー11がオフ状態となった後、コンデンサ12に蓄積された電荷は、オン状態のMOS−FET、およびモータ1の巻線を通って放電される。
例えば、U相電流Iuが正、V相電流Ivが負、W相電流Iwが0である場合(2相の駆動電流が0でない場合の例)には、MOS−FET U1、V2がオン状態に制御され、MOS−FET
U2、V1、W1、W2はオフ状態に制御される。この場合、コンデンサ12に蓄積された電荷は、MOS−FET U1、U相巻線Uc、V相巻線Vc、およびMOS−FET
V2を通る電流経路で放電される。
あるいは、U相電流Iuが正、V相電流Ivが負、W相電流Iwが負である場合(3相の駆動電流が0でない場合の例)には、MOS−FET U1、V2、W2がオン状態に制御され、MOS−FET
U2、V1、W1はオフ状態に制御される。この場合、コンデンサ12に蓄積された電荷は、MOS−FET U1、およびU相巻線Ucを経由して中性点Qに至り、中性点Qで2分岐して、一方はV相巻線Vc、およびMOS−FET
V2を経由し、他方はW相巻線Wc、およびMOS−FET W2を経由する電流経路(図2に白抜き矢印で記載した経路)で放電される。なお、コンデンサ12に蓄積された電荷を放電するための電流経路は、電源リレー11がオフ状態となったときのモータ回転角θに応じて異なる。
次に、本実施形態の電動パワーステアリング装置10における電気的構成について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の電動パワーステアリング装置10の制御ブロック図である。ただし、この図では、コンデンサ12に蓄積された電荷を放電する放電制御時の説明のために必要な部分に関してのみ示している。図3に示すように、電動パワーステアリング装置10は、ECU6、モータ1、およびバッテリ100を備える。モータ1は、ブラシレスモータであり、モータ回転角θを検出するためのモータ回転角センサ5を有する。ECU6は、モータ制御信号を出力する駆動制御部15と、そのモータ制御信号に基づいて、モータ1に3相の駆動電力を供給するモータ駆動回路13と、モータ1に通電される各相電流値Iu、Iv、Iwを検出するための電流センサ20u、20v、20wとを備える。
モータ駆動回路13(図2参照)は、直列に接続された一対のスイッチング素子(MOS−FET等)を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる公知のインバータである。
駆動制御部15は、上記各電流センサ20u、20v、20w、回転角センサ5の出力信号に基づき検出されたモータ1の各相電流値Iu、Iv、Iw、およびモータ回転角θに基づいて、電流フィードバック制御を実行する。具体的に駆動制御部15は、モータ駆動回路13を構成する各MOS−FET(U1,U2,V1,V2,W1,W2)のオンデューティ比を規定するモータ制御信号をモータ駆動回路13に出力する。モータ制御信号が印加されると、モータ駆動回路13では、モータ制御信号に応答して、各MOS−FET(U1,U2,V1,V2,W1,W2)がオン/オフする。これによりモータ駆動回路13は、バッテリ100の電源電圧に基づく3相のモータ駆動電力を生成して、モータ1へ出力する。
以下に示す駆動制御部15は、ECU6に内蔵されたマイクロコンピュータ(CPU)が実行するコンピュータプログラムにより実現される演算処理である。CPUは、所定のサンプリング周期で上記各状態量を検出し、所定周期毎に以下の各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
図3に示すように、駆動制御部15は、上記モータ制御信号を生成するモータ制御信号出力部16を備える。モータ制御信号出力部16は、d/q変換演算部21と、PI制御演算部22、23と、d/q逆変換演算部24と、PWM変換部25とにより構成される。詳述すると、d/q変換演算部21には、電流センサ20u、20v、20wにより検出された各相電流値Iu、Iv、Iw、および回転角センサ5により検出されたモータ回転角θが入力される。d/q変換演算部21は、入力されたモータ回転角θに基づいて、各相電流値Iu、Iv、Iwをd/q座標系のd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換する。
d/q変換演算部21により演算されたd軸電流値Idおよびq軸電流値Iq、並びにd軸電流指令値Id*は、それぞれd、q各軸に対応するPI制御演算部22,23に入力される。本実施形態では、d軸に対応するPI制御演算部22には、d軸電流指令値Id*として所定値が入力され、q軸に対応するPI制御演算部23には、q軸電流指令値Iq*として0(Iq*=0)が入力される。そして、PI制御演算部22は、d軸電流指令値Id*とd軸電流値Idとの偏差に基づくフィードバック制御(比例・積分制御)によりd軸電圧指令値Vd*を演算する。同様に、PI制御演算部23は、q軸電流指令値Iq*とq軸電流値Iqとの偏差に基づくフィードバック制御(比例・積分制御)によりq軸電圧指令値Vq*を演算する。
各PI制御演算部22、23により演算されたd軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*は、回転角センサ5により検出されたモータ回転角θとともにd/q逆変換演算部24に入力される。d/q逆変換演算部24は、放電制御を実行するために固定されたモータ回転角θに基づきd軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を3相の相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換し、PWM変換部25に出力する。
次に、本発明の第1の実施形態の駆動制御部15による放電制御の処理手順について説明する。
本実施形態おいて、駆動制御部15は、図4のフローチャートに示すステップ401〜ステップ407の各処理を実行する。
図4に、ECU6の動作の流れを示す。この図に示されるように、駆動制御部15は、イグニッションスイッチがオフされると、電源リレー11をオフさせ(ステップ401)、放電制御時間タイマを起動させる(ステップ402)。続いて、モータ回転角θを回転角センサ5により検出される最新値に固定し(ステップ403)、d軸電流指令値Id*を所定値に、またq軸電流指令値Iq*を0に、それぞれ設定し制御を実行する。(ステップ404)
駆動制御部15は、このような制御を実行しながら各相電流値Iu,Iv,Iwが0A近傍に小さくなったか否かを判断する(ステップ405)。各相電流値Iu,Iv,Iwのいずれかが、所定範囲値ε1より大きい場合(Iu,Iv,Iw>ε1、ステップ405:NO)、すなわち、各相電流値Iu,Iv,Iwがゼロ近傍の所定範囲外にある場合、フローをステップ406に移行させる。
また、各相電流値Iu,Iv,Iwが、所定範囲値ε1以下の場合(Iu,Iv,Iw≦ε1、ステップ405:YES)、放電制御を終了し、固定値に設定されていたモータ回転角θを解除し(ステップ407)、ECU6への電源供給がオフされる。
ステップ406において、駆動制御部15は、放電制御時間タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップ406)。放電制御時間タイマがタイムアップした場合(ステップ406:YES)、電源リレー11に故障が発生したと判断し放電制御を終了し、固定値に設定されていたモータ回転角θを解除し(ステップ406)、ECU6への電源供給がオフされる。
また、放電制御時間タイマがタイムアップしていない場合(ステップ406:NO)、駆動制御部15は、d軸電流指令値Id*による放電制御を継続する。
以上に示すように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置10では、電源リレー11がオフ時に電流リップル吸収用のコンデンサ12に蓄積されている電荷は、モータ1の回転に必要な電流経路の一部(具体的には、オン状態のMOS−FET、および、モータ1の巻線)を通って放電される。したがって、電流リップル吸収用のコンデンサ12に蓄積された電荷を専用の回路を用いないで放電することができる。よって、電動パワーステアリング装置を小型・低コスト化するとともに、電動パワーステアリング装置の消費電流を低減することができる。
また、駆動制御部15は、電源リレー11がオフ時に、2相以上の駆動電流が0ではなく、かつ、当該駆動電流の供給を受けてもモータ1が回転しないように、モータ駆動回路13に含まれる6個のMOS−FETを制御する。このため、電源リレー11がオフ時にモータ駆動回路13からモータ1に対して駆動電流が供給されるが、この駆動電流の供給を受けてもモータ1は回転しない。したがって、モータ1が不必要に回転して、車両のステアリング機構に不必要な操舵補助力を与えることを防止することができる。
次に、上記のように構成された本実施形態の電動パワーステアリング装置10の作用および効果について説明する。
上述のように、第1の実施形態によれば、電源リレー11をオフさせ、インバータが直流電源100に接続されていない場合、コンデンサ12が放電終了したと見なせるまで、モータ回転角θを固定し、d軸電流指令値Id*を所定値に、q軸電流指令値Iq*を0にそれぞれ設定するようにしたため、モータ1のロータにかかるトルクを実質的に0にしながらコンデンサ12の電荷をモータ1の巻線にて消費放電させることができる。これにより、モータ回転角θに何らかの誤差が含まれている場合であっても、この誤差によるq軸電流Iqの影響を軽減することができ、放電時のモータ1の回転および振動を低減できる。このため、電動パワーステアリング装置10において運転者に不快感を与えることがない。
図5は、本発明の第2の実施形態の電動パワーステアリング装置10の制御ブロック図である。ただし、この図では、コンデンサ12に蓄積された電荷を放電する放電制御時の説明のために必要な部分に関してのみ示している。図5に示すように、電動パワーステアリング装置10は、ECU6、モータ1、およびバッテリ100を備える。モータ1は、ブラシレスモータであり、モータ回転角θを検出するための回転角センサ5を有する。ECU6は、モータ制御信号を出力する駆動制御部15と、そのモータ制御信号に基づいて、モータ1に3相の駆動電力を供給するモータ駆動回路13を備える。
モータ駆動回路13(図2参照)は、直列に接続された一対のスイッチング素子(MOS−FET等)を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる公知のインバータである。
駆動制御部15は、モータ駆動回路13を構成する各MOS−FET(U1,U2,V1,V2,W1,W2)のオンデューティ比を規定するモータ制御信号をモータ駆動回路13に出力する。モータ制御信号が印加されると、モータ駆動回路13では、モータ制御信号に応答して、各MOS−FET(U1,U2,V1,V2,W1,W2)がオン/オフする。これによりモータ駆動回路13は、バッテリ100の電源電圧に基づく3相のモータ駆動電力を生成して、モータ1へ出力する。
以下に示す駆動制御部15は、ECU6に内蔵されたCPUが実行するコンピュータプログラムにより実現される演算処理である。CPUは、所定のサンプリング周期で上記状態量を検出し、所定周期毎に以下の各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
図5に示すように、駆動制御部15は、上記モータ制御信号を生成するモータ制御信号出力部16を備える。モータ制御信号出力部16は、d/q逆変換演算部24と、PWM変換部25とにより構成される。
本実施形態では、d軸電圧指令値Vd*として所定値が設定され、q軸電圧指令値Vq*として0(Vq*=0)が設定される。d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*は、回転角センサ5により検出されたモータ回転角θとともにd/q逆変換演算部24に入力される。d/q逆変換演算部24は、放電制御を実行するために固定されたモータ回転角θに基づきd軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を3相の相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換し、PWM変換部25に出力する。
次に、本発明の第2の実施形態の駆動制御部15による放電制御の処理手順について説明する。
本実施形態おいて、駆動制御部15は、図6のフローチャートに示すステップ601〜ステップ607の各処理を実行する。
図6に、ECU6の動作の流れを示す。この図に示されるように、駆動制御部15は、イグニッションスイッチがオフされると、電源リレー11をオフさせ(ステップ601)、放電制御時間タイマを起動させる(ステップ602)。続いて、モータ回転角θを回転角センサ5により検出される最新値に固定し(ステップ603)、d軸電圧指令値Vd*を所定値に、またq軸電圧指令値Vq*を0に、それぞれ設定し制御を実行する。(ステップ604)
駆動制御部15は、このような制御を実行しながらコンデンサ12の一方の電極電位(図2に示すPIG点の電位)であるインバータ電圧値Vpigが0V近傍に小さくなったか否かを判断する(ステップ605)。インバータ電圧値Vpigが、所定範囲値ε2より大きい場合(Vpig>ε2、ステップ605:NO)、すなわち、インバータ電圧値Vpigがゼロ近傍の所定範囲外にある場合、フローをステップ606に移行させる。
また、インバータ電圧値Vpigが、所定範囲値ε2以下の場合(Vpig≦ε2、ステップ605:YES)、放電制御を終了し、固定値に設定されていたモータ回転角θを解除し(ステップ607)、ECU6への電源供給がオフされる。
ステップ606において、駆動制御部15は、放電制御時間タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップ606)。放電制御時間タイマがタイムアップした場合(ステップ606:YES)、電源リレー11に故障が発生したと判断し放電制御を終了し、固定値に設定されていたモータ回転角θを解除し(ステップ607)、ECU6への電源供給がオフされる。
また、放電制御時間タイマがタイムアップしていない場合(ステップ606:NO)、駆動制御部15は、d軸電圧指令値Vd*による放電制御を継続する。
第2の実施形態によれば、電源リレー11をオフさせ、インバータがバッテリ100に接続されていない場合、コンデンサ12が放電終了したと見なせるまで、モータ回転角θを固定し、d軸電圧指令値Vd*を所定値に、q軸電圧指令値Vq*を0にそれぞれ設定するようにしたため、モータ1のロータにかかるトルクを実質的に0にしながら、より短時間でコンデンサ12の電荷をモータ1の巻線にて消費放電させることができる。これにより、モータ回転角θに何らかの誤差が含まれている場合であっても、この誤差によるq軸電圧Vqの影響を軽減することができ、放電時のモータ1の回転および振動を抑制できる。このため、電動パワーステアリング装置10において運転者に不快感を与えることがない。
なお、本発明は、上述したコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置だけでなく、ピニオンアシスト型やラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
1:モータ、2:減速機、3:トルクセンサ、4:車速センサ、5:回転角センサ、
6:ECU、10:電動パワーステアリング装置(EPS)、11:電源リレー、
12:コンデンサ、13:モータ駆動回路、15:駆動制御部、
16:モータ制御信号出力部、20u、20v、20w:電流センサ、
21:d/q変換演算部、22,23:PI制御演算部、24:d/q逆変換演算部、
25:PWM変換部、100:バッテリ、101:ステアリングホイール、
102:ステアリングシャフト、103:ラックピニオン機構、104:ラック軸、
105:連結部材、106:車輪、τ:操舵トルク、V:車速、θ:モータ回転角、
Iu、Iv、Iw:各相電流値、Iq*:q軸電流指令値、Id*:d軸電流指令値、
Id:d軸電流値、Iq:q軸電流値、Vd*:d軸電圧指令値、Vq*:q軸電圧指令値、
Vu*、Vv*、Vw*:各相電圧指令値、Uc,Vc,Wc:各相巻線、
U1,U2,V1,V2,W1,W2:MOS−FET、ε1,ε2:所定範囲値、
Vpig:インバータ電圧値、L1,L2:電源線

Claims (3)

  1. 電源と、
    車両のステアリング機構に与える操舵補助力を発生させるモータと、
    前記モータの回転角を検出するモータ回転角センサと、
    電流リップル吸収用のコンデンサと、
    複数のスイッチング素子を含み、前記モータに駆動電流を供給するモータ駆動回路と、
    前記モータ駆動回路を制御する駆動制御部と、
    前記電源と前記モータ駆動回路との間の接続を開閉する電源スイッチと、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記駆動制御部は、
    前記モータに流す駆動電流指令値を、d−q座標系に変換した電流指令値により付与し、
    前記電源スイッチが非導通状態に変化した後に、前記d軸の電流指令値を所定の値とし、前記q軸の電流指令値を0とするとともに、
    前記モータ回転角センサから検出した前記モータ回転角を検出値に固定し、前記モータの巻線の一部に、前記コンデンサに蓄積された電荷が流れることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 電源と、
    車両のステアリング機構に与えられる操舵補助力を発生させるモータと、
    前記モータの回転角を検出するモータ回転角センサと、
    電流リップル吸収用のコンデンサと、
    複数のスイッチング素子を含み、前記モータに駆動電流を供給するモータ駆動回路と、
    前記モータ駆動回路を制御する駆動制御部と、
    前記電源と前記モータ駆動回路との間の接続を開閉する電源スイッチと、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記駆動制御部は、
    前記モータに流す駆動電流指令値を、d−q座標系に変換した電圧指令値により付与し、
    前記電源スイッチが非導通状態に変化した後に、前記d軸の電圧指令値を所定の値とし、前記q軸の電圧指令値を0とするとともに、
    前記モータ回転角センサから検出した前記モータ回転角を検出値に固定し、前記モータの巻線の一部に、前記コンデンサに蓄積された電荷が流れることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記駆動制御部は、前記コンデンサの放電制御時に動作する放電時間監視手段を設けることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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