JP2015124545A - 改装サッシ及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態に係る改装サッシは、マンションの壁の開口部に納められた引違い窓タイプの改装サッシである。本実施形態に係る改装サッシは、カバー工法によって形成される。
なお本明細書において、「見付方向」とは、マンションの壁の開口部に納められた引違い窓における障子の面方向(即ち、左右方向)を意味し、「見込方向」とは、屋内外方向(即ち、奥行き方向)を意味する。また、左右方向は、屋内側から見た左右方向を意味する。また、共通する構成については、同一の規則性に従った符号を付す。
図1に示すように、改装サッシ1は、いずれも長尺状の上横枠100、下横枠200、左縦枠300及び右縦枠400により矩形に枠組みされた窓枠10と、該窓枠10内に開閉可能に嵌め込まれた内障子20及び外障子30と、を備える。
外障子30は、いずれも長尺状の上横框31、下横框32、左縦框(戸先框)33及び右縦框(召外框)34により矩形に枠組みされた框体35と、框体35内に嵌め込まれて固定されたガラス36と、を含んで構成される。
屋内側部110Aは、その屋外側面に後述する第1取付部材130が当接するとともに、その屋内側面に後述する第2取付部材150が連結される。
既設ガイドレール110B,110Cは、改装前に使用されていた障子用のガイドレールである。
屋外側部110Dは、その屋内側面に後述する第1取付部材130が当接するとともに、その屋外側面に後述する新設枠120に取り付けられたカバー材120Eが当接する。
第1取付部材130は、既設枠110に新設枠120を取り付けるための部材である。第1取付部材130は、略平板状であり、その上面に既設ガイドレール110B,110Cの先端が当接する。見込方向の略中央に形成された凸部において、第1取付部材130はねじ7Bにより既設枠110にねじ止めされる。
第1取付部材130は、その屋内側端部に、上方に立設され且つその先端が屋内側に屈曲して既設枠110の屋内側部110Aに当接する屋内側係合部130Aを備える。また、第1取付部材130は、その屋外側端部に、上方に立設されて既設枠110の屋外側部110Dの屋内側面に当接する屋外側係合部130Bを備える。これら屋内側係合部130Aと屋外側係合部130Bにより、第1取付部材130は既設枠110に係合する。
屋内側部120Aには、額縁部材160が取り付けられるとともに、その屋内側面には、第2取付部材150が第3気密部材3Aを介して当接する。
新設ガイドレール120Bは、内障子20用のガイドレールであり、新設ガイドレール120Cは、外障子用ガイドレールである。これら新設ガイドレール120B,120Cには、後述する内障子20又は外障子30の上端部に取り付けられた上部振れ止め部材51,52が係合する。これにより、内障子20又は外障子30が窓枠10内を見付方向にスムーズにスライド可能となっている。
屋外側部120Dは、外障子30よりも屋外側に設けられ、外障子30の上端部と上下方向において重複するまで下方に延出することで、外障子30の上端部を覆っている。
第1額縁部材161と第2額縁部材162は、互いに上下方向に逆向きの折り返し部を有し、これら折り返し部同士が互いに嵌合され且つその嵌合深さが調整可能であることで、新設枠120の上下方向の位置ずれが吸収されて位置調整される。
屋内側部210Aは、上述の連結金具211を介して既設の木製額縁212に固定されるとともに、その上端部は、後述する第2取付部材250に第1気密部材1Bを介して当接する。
既設ガイドレール210B,210Cは、改装前に使用されていた障子用のガイドレールである。
屋外側部210Dは、その屋内側面に後述する第2取付部材250の階段状部250Cの屋外側端部が当接するとともに、その屋外側面に後述する新設枠220の屋外側で下方に延びる屋外側垂設部220Dが当接する。
水平部250Aは、その上面に後述する額縁部材260が取り付けられ、その下面に上述した既設枠210の屋内側部210Aの上端部が第1気密部材1Bを介して当接する。
垂設部250Bは、その屋外側面に取り付けられた第3気密部材3Bを介して、新設枠220の屋内側部220Aに当接する。
階段状部250Cは、その上面が後述する新設枠220と当接し、新設枠220にねじ7Gによりねじ止めされる。また、階段状部250Cの屋外側端部は、既設枠210の既設ガイドレール210Cと屋外側部210Dとの間に嵌合する。
屋内側部220Aには、額縁部材260が取り付けられるとともに、その屋内側面には、第2取付部材250の垂設部250Bが第3気密部材3Bを介して当接する。
新設ガイドレール220Bは、内障子20用のガイドレールであり、新設ガイドレール220Cは、外障子用ガイドレールである。これら新設ガイドレール220B,220Cには、内障子20又は外障子30の底部に取り付けられた戸車56a,56bが、転動可能に係合する。
屋外側垂設部220Dは、第2取付部材250の階段状部250Cの屋外側端部とともに、既設枠210の屋外側部210Dにねじ7Hによりねじ止めされる。
上横框本体21aの上部に形成された開口には上部振れ止め部材51が設けられ、この上部振れ止め部材51に上述の新設ガイドレール120Bが係合する。
上横框垂設部21bと上横框屋内側部21cの下端部とにより、緩衝部材55aを介してガラス26の上端部が挟持される。
下横框立設部22bと下横框屋内側部22cの上端部とにより、緩衝部材55aを介してガラス26の下端部が挟持される。
屋内側部310Aは、その屋外側面に後述する第1取付部材330が当接するとともに、その屋内側面に後述する第2取付部材350が連結される。
リブ310Bは、改装前に使用されていた障子のガイドであり、その屋外側面に後述する第1取付部材330が当接する。
屋外側部310Cは、その屋内側面に第1取付部材330が当接するとともに、その屋外側面に後述する新設枠320に取り付けられたカバー材320Eが当接する。
第1取付部材330は、既設枠310に新設枠320を取り付けるための部材である。第1取付部材330は、略平板状であり、見込方向の略中央に形成された凸部において、第1取付部材330は既設枠310にねじ7Jによりねじ止めされる。
第1取付部材330は、その屋内側端部において、既設枠310側(左側)に延出して既設枠310に当接する屋内側係合部330Aを備える。また、第1取付部材330は、その屋外側端部に、既設枠310側に延出して既設枠310の屋外側部310Cの屋内側面に当接する屋外側係合部330Bを備える。これら屋内側係合部330Aと屋外側係合部330Bにより、第1取付部材330は既設枠310に係合する。
屋内側部320Aには、後述する額縁部材360が取り付けられるとともに、その屋内側面には、後述する第2取付部材350が第3気密部材3Cを介して当接する。
リブ320Bは、後述する左縦框(戸先框)33の戸先側に取り付けられた中間振れ止め部材62に当接する。
屋外側部320Cは、外障子30よりも屋外側に設けられ、閉じた状態の外障子30の左端部と左右方向において重複するまで障子側に延出することで、外障子30の左端部を覆っている。
また、新設枠保護部材320Dの内障子20側の下部には、排水孔61aを備える内障子ストッパー61が設けられる。この内障子ストッパー61により、内障子20の開放時に、クレセント錠40が左縦枠300に衝突するのが回避され、左縦枠300やクレセント錠40の破損が回避される。
第1額縁部材361と第2額縁部材362は、互いに見付方向に逆向きの折り返し部を有し、これら折り返し部同士が見付方向に移動可能に係合することで、新設枠320の見付方向の位置ずれが吸収されて位置調整される。
左縦框本体33aの左縦枠300側に形成された開口には中間振れ止め部材62が設けられ、この中間振れ止め部材62に上述のリブ320Bが係合する。
左縦框延出部33bと左縦框屋内側部33cの障子側端部とにより、緩衝部材63aを介してガラス36の左縦框側(戸先側)端部が挟持される。
左縦框本体23aの内障子側に形成された開口には、ガラス26の左縦框側端部が挿入され、その開口縁によりガラス26の左縦框側端部が緩衝部材65aを介して挟持される。
また、左縦框本体23aの屋内側の全面を覆って保護するための左縦框保護部材23cが上下方向に延設されている。
クレセント錠40は、左縦框保護部材23cの外障子30側の見込面に取り付けられた基部43と、操作用レバー42と、操作用レバー42に連動して回転し、上述のクレセント受け金具45に係合するクレセント金具41と、基部43に設けられたサブロック44と、を備える。
図4は、図2に示す改装サッシ1の上横枠100部分の拡大図である。図4に示すように、第2取付部材150は、略水平に延びる水平部151と、水平部151から垂直に上方に延びる垂直部152と、を含んで構成される。
ここで、延出部153の基端部と先端部には、既設枠110の屋内側部110Aに向かって延びるリブ153A,153Bが設けられており、先端部のリブ153Bは、基端部のリブ153Aよりも長く延出している。そのため、延出部153が既設枠110の屋内側部110Aにねじ止めされると、延出部153及び垂直部152を介して、水平部151の屋外側端部に取り付けられた第3気密部材3Aを、新設枠120の屋内側部120Aに強く押圧する力が作用する。その結果、第3気密部材3Aの中空部が強く押し潰されることで、より高い気密性が確保されるようになっている。
ここで、延出部353の基端部と先端部には、既設枠310の屋内側部310Aに向かって延びるリブ353A,353Bが設けられており、先端部のリブ353Bは、基端部のリブ353Aよりも長く延出している。そのため、延出部353が既設枠310の屋内側部310Aにねじ止めされると、延出部353及び見付部352を介して、見込部351の屋外側端部に取り付けられた第3気密部材3Cを、新設枠320の屋内側部320Aに強く押圧する力が作用する。その結果、第3気密部材3Cの中空部が強く押し潰されることで、より高い気密性が確保されるようになっている。
ただし、新設枠側気密部材として、第2気密部材2A〜2Dとは別の第4気密部材を四隅に設けてもよい。
図7及び図8は、本実施形態に係る改装サッシ1の第2気密部材の配置を示す縦断面図である。図9及び図10は、本実施形態に係る改装サッシ1の第2気密部材の配置を示す斜視図である。図11は、本実施形態に係る改装サッシ1の気密部材の配置を模式的に示す正面図である。
なお、図7及び図8では、新設枠や各障子等の記載を省略して示しており、図9及び図10では、新設枠の記載を省略して示している。
図8では、左下の隅に設けられた第2気密部材2Cと第2取付部材350(第1気密部材1C及び第3気密部材3Cを含む)との位置関係と、右下の隅に設けられた第2気密部材2Dと第2取付部材450(第1気密部材1D及び第3気密部材3Dを含む)との位置関係を示している。
また図9では、屋内側から見て左上の隅に設けられた第2気密部材2Aを示している。図10では、屋内側から見て右下の隅に設けられた第2気密部材2Dを示している。
第3気密部材3Aは、縦断面視で第2気密部材2A(2B)の下側部201A(201B)上に位置しており(図7参照)、第3気密部材3Aの延設方向の両末端は、第2気密部材2Bの下側部201B上に配置されていることが分かる(図11参照)。
第3気密部材3Bは、縦断面視で第2気密部材2Cと重複しており(図7参照)、第3気密部材3Bの延設方向の両末端は、第2気密部材2Cに当接して圧着していることが分かる(図11参照)。
第3気密部材3Cは、横断面視で第2気密部材2C上に位置しており(図8参照)、第3気密部材3Cの延設方向の両末端は、第2気密部材2A,2Cに当接して圧着されていることが分かる。
なお、第1気密部材1Dは第1気密部材1Cと同様であり、第3気密部材3Dは第3気密部材3Cと同様である。
同様に、新設枠側気密部材としての4つの第3気密部材3A〜3Dは、窓枠10の四隅において、それぞれ第2気密部材2A〜2Dに当接して圧着されることで、互いに連結されていることが分かる。即ち、新設枠側気密部材は窓枠10の四周に亘って連続して設けられている。
図12は、本実施形態に係る改装サッシ1の施工手順を示す図である。具体的には、改装サッシ1の上枠100部分の拡大図である。図12に示すように、本実施形態に係る改装サッシ1の施工方法は、新設枠取付工程と、ライナー挿入工程と、接合工程と、を有する。
具体的には、第1気密部材1Aを介して第2取付部材150を下方から、既設枠110の屋内側部110Aの下端部に押し当てる。このとき、上側の隅に設けられた第2気密部材2A,2Bを圧縮して押し潰しながら、第3気密部材3Aをケンドン式に嵌め込む。これにより、嵌め込んだ後も第2気密部材2A,2Bの反発力が確保され、高い気密性が得られるようになる。
本実施形態に係る改装サッシ1では、既設枠(110,210,310,410)の屋内側部(110A,210A,310A,410A)と新設枠(120,220,320,420)の屋内側部(120A,220A,320A,420A)とに跨って両枠の延設方向に延び、両屋内側部を接合するための第2取付部材(150,250,350,450)を設けた。
また、既設枠(110,210,310,410)と第2取付部材(150,250,350,450)との接合部には、当該接合部の隙間を塞ぐ第1気密部材(1A,1B,1C,1D)を設けるとともに、新設枠(120,220,320,420)と第2取付部材(150,250,350,450)との接合部には、当該接合部の隙間を塞ぐ第3気密部材(3A,3B,3C,3D)を設けた。そして、第1気密部材(1A,1B,1C,1D)及び第3気密部材(3A,3B,3C,3D)のいずれか一方又は両方は、両枠の四周に亘って連続して設けた。
また、本実施形態によれば、このような簡単な構造で高い気密性が得られ、製造コストを削減できる。さらには、上記気密部材により、既設枠の変形や新設枠取り付け時の施工誤差等による隙間の発生を防止でき、施工精度のバラツキを抑制できるため、施工性を向上できる。
また、屋外側に気密パッキンを設けた場合には、塗装吹き付け等により表面が荒れて高い気密性が得られないところ、本実施形態では屋内側に第1気密部材及び第3気密部材を設けたため、そのような不具合を回避できる。
これに対して本実施形態によれば、新設枠とは別体の第2取付部材を用いるため、ライナー挿入のための切り欠き加工が不要であり、上述のような不具合を回避でき、コストや手間を削減できる。
また本実施形態では、新設枠側気密部材は、第2取付部材(150,250,350,450)の延設方向に沿って延びる長尺状の4つの第3気密部材(3A,3B,3C,3D)と、両枠の四隅に設けられた4つの第2気密部材(2A,2B,2C,2D)を含んで構成するとともに、第3気密部材(3A,3B,3C,3D)と第2気密部材(2A,2B,2C,2D)を当接させた。
これにより、既設枠側気密部材及び新設枠側気密部材が両枠の四周に亘って連続するため、上記効果がより確実に発揮される。また、両枠の四隅において、第1〜第3気密部材間の隙間を目視で確認でき、現場での不具合の発生を回避できる。
この施工方法によれば、簡易な方法により、高い気密性を有する改装サッシが得られる。
1A〜1D…第1気密部材(既設枠側気密部材)
2A〜2D…第2気密部材(既設枠側気密部材、新設枠側気密部材)
3A〜3D…第3気密部材(新設枠側気密部材)
110,210,310,410…既設枠
110A,210A,310A,410A…既設枠の屋内側部
120,220,320,420…新設枠
120A,220A,320A,420A…新設枠の屋内側部
150,250,350,450…第2取付部材(取付部材)
Claims (8)
- 建物の開口部に取り付けられた既設枠の内周面を覆うように取り付けられる新設枠を備える改装サッシであって、
前記既設枠の屋内側部と前記新設枠の屋内側部とに跨って両枠の延設方向に延びて設けられ、両屋内側部を接合するための取付部材と、
前記既設枠と前記取付部材との接合部に設けられ、当該接合部の隙間を塞ぐ既設枠側気密部材と、
前記新設枠と前記取付部材との接合部に設けられ、当該接合部の隙間を塞ぐ新設枠側気密部材と、を備え、
前記既設枠側気密部材及び前記新設枠側気密部材のいずれか一方又は両方は、両枠の四周に亘って連続して設けられることを特徴とする改装サッシ。 - 前記既設枠側気密部材は、前記取付部材の延設方向に沿って延びる長尺状の4つの第1気密部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の改装サッシ。
- 前記既設枠側気密部材は、前記両枠の四隅に設けられた4つの第2気密部材を含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載の改装サッシ。
- 前記既設枠側気密部材は、前記第1気密部材が前記第2気密部材に当接することで、前記両枠の四周に亘って連続することを特徴とする請求項3に記載の改装サッシ。
- 前記新設枠側気密部材は、前記取付部材の延設方向に沿って延びる長尺状の4つの第3気密部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の改装サッシ。
- 前記新設枠側気密部材は、前記両枠の四隅に設けられた4つの第4気密部材を含んで構成されることを特徴とする請求項5に記載の改装サッシ。
- 前記新設枠側気密部材は、前記第3気密部材が前記第4気密部材に当接することで、前記両枠の四周に亘って連続することを特徴とする請求項6に記載の改装サッシ。
- 請求項1から7いずれかに記載の改装サッシの施工方法であって、
前記既設枠の内周面に前記新設枠を取り付ける新設枠取付工程と、
前記既設枠と前記新設枠との間に形成された隙間に、屋内側からライナーを挿入するライナー挿入工程と、
前記取付部材により、前記既設枠の屋内側部と前記新設枠の屋内側部を接合する接合工程と、を有し、
前記接合工程は、前記既設枠側気密部材を介して前記取付部材を前記既設枠に押し当てた状態で、屋内側から前記取付部材を前記既設枠に締結することで、前記新設枠側気密部材を新設枠に押し当てることを特徴とする改装サッシの施工方法。
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