JP2015124338A - 摺動部材用被膜組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、摩擦特性及び耐摩耗性などのフリクションが改善された摺動部材用被膜組成物を提供する。【解決手段】湿式条件で使用される摺動部材用被膜組成物であって、耐熱性樹脂及び3〜30体積%のシリコーンゴムパウダーを含み、被膜組成物の膜厚(d)に対するシリコーンゴムパウダーの平均粒径(φ)の比(φ/d)が0.5〜3である摺動部材用被膜組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、摺動部材用被膜組成物及び該被膜組成物を摺動面に備えた摺動部材に関する。
自動車では、エンジン、トランスミッションなど様々な機器に摺動部材が用いられており、そのような摺動部材の摺動特性を向上させるために様々な開発がされている。摺動部材の摩擦係数を低減させることは自動車の燃費の向上にも繋がるので、特に重要視されている。
これらの摺動部材は、潤滑油を用いた湿式条件で使用されるが、近年、エンジンの小型化・軽量化への要求が高まり、ピストン周りにおいてもピストンスカートの面積の減少や、ピストンスカート表面とシリンダボア間のクリアランスの減少を招くなど、摺動部材の潤滑状態はますます厳しいものになってきている。
摺動部材の摩擦係数を低減させるための一つの手段として、樹脂の被膜組成物がピストンスカート部などの摺動部材に適用されている。このような被膜組成物は、多くの場合、耐熱性樹脂及び添加剤を含む。添加剤としては、アルミナが耐摩耗性を向上させることや、二硫化モリブデン、グラファイトやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が摩擦特性を向上させることが知られている。また、添加剤としてシリコーンゴムパウダーを用いた摺動部材用被膜組成物も知られている。
例えば、特許文献1には、繊維状物質、結合剤及び摩擦調整剤を含む摩擦材組成物において、結合剤として熱硬化性樹脂とゴム組成物との混合結合剤を使用し、また摩擦調整剤の一部がカシューダストと平均粒径が0.1〜50μmのシリコーンゴムパウダーとの混合物を造粒したものであり、かつカシューダスト100重量部に対してシリコーンゴムパウダーを0.05〜31重量部の割合で含有する摩擦材組成物が記載されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂中に、潤滑剤としてのシリコーンオイル及び/又はシリコーンポリマー1〜40重量%とシリコーンゴムパウダー0.1〜10重量%とを混在させたことを特徴とする耐摩耗性熱可塑性樹脂組成物が記載されている。特許文献2では、シリコーンゴムパウダーは、シリコーンオイル及び/又はシリコーンポリマーなどのシリコーン分が樹脂表面にブリードアウトするのを抑制するために用いられている。
しかし、このような被膜組成物を摺動部材に適用した場合であっても、オイルがほとんどない境界潤滑状態である上死点や、流体潤滑と境界潤滑との中間状態であり、比較的流体潤滑状態に近い混合状態である下死点近傍では、ピストンなどの摺動部材の速度がゼロとなり、油膜が形成されないため、摩擦が大幅に増大する。
従って、上死点・下死点において摺動部材の摩擦特性及び耐摩耗性などのフリクションを低減することが求められている。
特許第3838400号公報 特開2000-109702号公報
前記のように、従来の被膜組成物を摺動部材に適用した場合、上死点・下死点近傍では摩擦が大幅に増大するため、摩擦特性及び耐摩耗性などのフリクションについては改善の余地がある。
それ故、本発明は、摩擦特性及び耐摩耗性などのフリクションが改善された摺動部材用被膜組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、摺動部材用被膜組成物にシリコーンゴムパウダーを配合し、被膜組成物の膜厚に対するシリコーンゴムパウダーの平均粒径(φ/d)を制御することにより、摩擦特性及び摩耗特性が改善されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)湿式条件で使用される摺動部材用被膜組成物であって、耐熱性樹脂及び3〜30体積%のシリコーンゴムパウダーを含み、被膜組成物の膜厚(d)に対するシリコーンゴムパウダーの平均粒径(φ)の比(φ/d)が0.5〜3である摺動部材用被膜組成物。
(2)潤滑油を含まない(1)の摺動部材用被膜組成物。
(3)耐熱性樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂から選択される少なくとも1種である(1)又は(2)の摺動部材用被膜組成物。
(4)ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン及びグラファイトから選択される少なくとも1種の固体潤滑剤をさらに含む(1)〜(3)のいずれかの摺動部材用被膜組成物。
(5)アルミナ及びシリカから選択される少なくとも1種の硬質粒子をさらに含む(1)〜(4)のいずれかの摺動部材用被膜組成物。
(6)被膜組成物の膜厚(d)が5〜20μmである(1)〜(5)のいずれかの摺動部材用被膜組成物。(7)シリコーンゴムパウダーの平均粒径が2.5μm〜60μmである(1)〜(6)のいずれかの摺動部材用被膜組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかの摺動部材用被膜組成物を摺動面に備えた摺動部材。
本発明により、摩擦特性及び耐摩耗性に優れた摺動部材用被膜組成物及び摺動面に該被膜組成物を備えた摺動部材を提供することが可能となる。
図1は摩擦特性の評価方法の概略を示す図である。 図2は摩耗特性の評価方法の概略を示す図である。 図3は本発明の実施例における、実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた摩擦係数を示す図である。 図4は本発明の実施例における、実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた摩耗量を示す図である。 図5は本発明の実施例における、実施例6及び比較例4〜9で得られた摩擦係数を示す図である。 図6は本発明の実施例における、実施例7〜20及び比較例1で得られた摩擦係数を示す図である。 図7は本発明の実施例における、実施例7〜20及び比較例1で得られた焼付荷重を示す図である。 図8は焼付特性の評価方法の概略を示す図である。 図9は剥離特性の評価方法の概略を示す図である。 図10は本発明の実施例におけるφ/dと摩擦係数との関係を示す図である。 図11は本発明の実施例における、実施例23及び比較例1の被膜組成物のFMEPの差を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
1. 摺動部材用被膜組成物
本発明は摺動部材用被膜組成物に関する。本発明の被膜組成物は、潤滑油を用いた湿式条件で使用される摺動部材用の被膜組成物である。
本発明の摺動部材用被膜組成物は、耐熱性樹脂及びシリコーンゴムパウダーを含む。シリコーンゴムパウダーは吸油性成分であり、潤滑油を用いた湿式条件下での摺動部材の摺動中に、シリコーンゴムパウダー分子への潤滑油の吸油と、シリコーンゴムパウダー分子からの潤滑油の排出が可逆的に起こる。原則的には、圧力が作用するとシリコーンゴムパウダー分子に吸油された潤滑油が排出され、圧力がかからなくなると、シリコーンゴムパウダー分子が潤滑油を吸油する。このような効果を有するシリコーンゴムパウダーを含む本発明の被膜組成物は、ピストンなどの摺動部材の速度がゼロとなる上死点・下死点近傍においても、自発的に油膜を形成し、摩擦を低減することができる。また、本発明の摺動部材用被膜組成物は、好ましくは、シリコーンオイルなどの潤滑油を含まない。ここで、潤滑油を含まない摺動部材用被膜組成物とは、湿式条件で使用される前の組成物が潤滑油を含まないことを意味し、湿式条件下で摺動した際、摺動にともない潤滑油を吸油した組成物は、本発明の被膜組成物に含まれる。被膜組成物が、シリコーンオイルなどの潤滑油を含まないことによって、塗膜強度を高めることができる。
本発明の摺動部材用被膜組成物に用いられる耐熱性樹脂は、特に限定されずに、100℃以上、好ましくは150℃以上の熱変形温度を有するものである。耐熱性樹脂の例としては、特に限定されずに、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリアミノアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂及び全芳香族ポリエステル樹脂などを挙げることができるが、接着性、耐薬品性、強度などの観点から、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂が好ましく、被膜を形成する際の作業性と摩擦による発熱に対する耐熱性の観点からポリアミドイミド樹脂が更に好ましい。これらの耐熱性樹脂は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合使用してもよい。
組成物中の耐熱性樹脂の含有量は、被膜組成物の強度を維持する観点から、被膜組成物に対して好ましくは40体積%〜97体積%、更に好ましくは60体積%〜90体積%、特に好ましくは70体積%〜85体積%である。
本発明の摺動部材用被膜組成物は、シリコーンゴムパウダーを3〜30体積%、好ましくは5〜20体積%含む。組成物中のシリコーンゴムパウダーの含有量がこの範囲であると、優れた摩擦低減効果が得られ、耐摩耗性を維持することもできる。
本発明の摺動部材用被膜組成物において、被膜組成物の膜厚(d)に対するシリコーンゴムパウダーの平均粒径(φ)の比(φ/d)は0.5〜3であり、好ましくは0.8〜1.2である。φ/dが0.5未満であると、シリコーンゴムパウダーが摺動面に表れるまでに時間がかかり、また、摺動面におけるシリコーンゴムパウダーの面積率が小さいため、充分な摩擦低減効果が得られない。また、φ/dが3より大きい場合には、シリコーンゴムパウダーが、摺動中に被膜組成物から脱離し易いため、充分な摩擦低減効果が得られない。
シリコーンゴムパウダーの平均粒径は、前記の特定のφ/dの値を満たすものであれば特に限定されないが、充分な摩擦低減効果を得るためには、好ましくは2.5μm〜60μm、更に好ましくは5μm〜20μmである。平均粒径はレーザー回折散乱法によって決定することができる。
本発明の摺動部材用被膜組成物の膜厚は、好ましくは5〜20μmである。被膜組成物の膜厚がこの範囲であると、例えば、ピストンスカートに用いて充分なフリクション低減効果を得ることができる。
本発明の摺動部材用被膜組成物は、摩擦特性を向上させるために、1種以上の固体潤滑剤をさらに含むことができる。本発明の組成物に用いることができる固体潤滑剤としては、特に限定されずに、例えば、ポリテトラフルオロチエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド及びポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素化合物、二硫化モリブデン(MoS2)及び二硫化タングステン(WS2)などの硫化物、グラファイト(黒鉛)、フッ化グラファイト、窒化硼素、マイカなどの層状鱗片状物質、鉛、亜鉛、銅などの軟質金属、メラミンシアヌレートなどが挙げられるが、広い温度範囲における高い自己摺動性の維持の観点から、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン及びグラファイトが好ましい。これらは1種のみを単独で使用しても良く、2種以上を併用してもよい。
組成物中の1種以上の固体潤滑剤の含有量は、特に限定されずに用いる固体潤滑剤の種類に応じて選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレンは20体積%以下の量で、二硫化モリブデンは30体積%以下の量で、グラファイトは20体積%以下の量で組成物に含まれる。固体潤滑剤をこの範囲の量で用いると、充分な摩擦低減効果が得られ、耐焼付特性に影響を及ぼさず、さらに、被膜が摺動部材の基材から剥離することなく充分な強度を保つことができる。
固体潤滑剤の平均粒径は、特に限定されずに、被膜の膜厚に応じて選択することができるが、好ましくは0.1μm〜30μmである。平均粒径がこの範囲であると、例えば、膜厚が5μm〜20μmである場合に、固体潤滑剤が被膜から脱離せず、摩擦係数に悪影響を及ぼさないためである。
また、本発明の摺動部材用被膜組成物は、耐摩耗性及び耐焼付特性を向上させるために、1種以上の硬質粒子をさらに含むことができる。本発明の組成物に用いることができる硬質粒子としては、特に限定されずに、アルミナ(酸化アルミニウム)(Al2O3)、水酸化アルミニウム、アルミナホワイト、シリカアルミナ、ジルコニア、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ケイ素、二酸化チタン、酸化鉄、長石、軽石、正長石、イリジウム、石英、シリカ、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、クロム、ボロンカーバイト、タングステンカーバイト、シリコーンカーバイト、ダイヤモンドなどが挙げられるが、アルミナ及びシリカが好ましい。硬質粒子は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
組成物中の1種以上の硬質粒子の含有量は、樹脂コーティングの強度を保つことができる量であれば特に限定されず、例えば、アルミナは10体積%以下の量で組成物に含まれる。
硬質粒子の平均粒径は、特に限定されずに、被膜の膜厚に応じて選択することができるが、好ましくは0.1μm〜20μmである。平均粒径がこの範囲であると、例えば、膜厚が5μm〜20μmである場合に、硬質粒子が被膜から脱離せず、摩擦係数に悪影響を及ぼさないためである。
本発明の被膜組成物は、前記の成分以外の他の一般的な添加剤を含むこともできる。添加剤としては、固体潤滑剤や硬質粒子を分散させるための分散剤、硬質粒子への親和性の向上や接着性向上を補助するシランカップリング剤、表面張力をコントロールするレベリング剤や界面活性剤、チクソトロピック特性をコントロールする増粘剤、顔料などが挙げられる。顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄などに代表される着色顔料、錆の発生を抑制する防錆顔料、被膜の性状をコントロールする体質顔料などが挙げられる。
本発明の被膜組成物は、前記の耐熱性樹脂、シリコーンゴムパウダー、並びに必要に応じて固体潤滑剤、硬質粒子及び他の一般的な添加剤を含む混合物を調製し、この混合物を摺動部材の基材にコーティングすることによって得ることができる。
本発明において、摺動部材とは摺動部分を有する機械部品を意味し、具体的には、湿式クラッチ、エンジンのピストン、ギヤ、スプライン、軸受、ワッシャー、動弁系部品などが挙げられる。本発明の摺動部材は、潤滑油を用いた湿式条件で摺動させることを意図したものである。
本発明の摺動部材の基材は、各種装置の摺動部品であれば形状などに特に限定はなく、金属系基材、セラミックス系基材、樹脂系基材などいずれであってもよいが、金属製であることが好ましい。基材を構成する金属としては、鋳鉄、鋼、アルミニウムに加えてCu、Mg、Znなどを含むアルミニウム合金、銅に加えてZn、Al、Snなどを含む銅合金などが好ましい。
基材にコーティングされる混合物は、前記の成分の他に、耐熱性樹脂を溶解するための有機溶剤を含むことができる。本発明に用いる有機溶剤は、特に限定されずに耐熱性樹脂の種類に応じて選択される。例えば、耐熱性樹脂としてポリアミドイミド樹脂を用いる場合には、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)及びγ-ブチロラクトンなどを用いることができる。また、エポキシ樹脂を用いる場合には、メチルエチルケトン及びトルエンなどを用いることができる。
混合物は、例えば、耐熱性樹脂を有機溶剤に溶解した溶解液を準備し、この溶解液にシリコーンゴムパウダー、並びに必要に応じて固体潤滑剤、硬質粒子及び他の一般的な添加剤などの成分を加え、混合することによって得ることができる。
混合物の基材へのコーティング方法としては、特に限定されずに、スプレーコーティングなどの公知のコーティング方法を用いることができ、その後、耐熱性樹脂を乾燥、硬化させることができる条件で焼成することにより、被膜組成物を得ることができる。焼成条件は、特に限定されずに、例えば、100℃〜370℃の温度で30分〜3時間である。
2. 摺動部材
本発明は、潤滑油の存在下で摺動される摺動面に摺動部材用被膜組成物を備えた摺動部材にも関する。本発明の摺動部材は、摺動面の被膜組成物がシリコーンゴムパウダーを含み、被膜組成物の膜厚に対するシリコーンゴムパウダーの平均粒径(φ/d)が特定の範囲であることを特徴とし、これにより、優れた摩擦特性及び耐摩耗特性を示す。
本発明の摺動部材に用いる潤滑油としては、特に限定されずに、例えば、ATF(オートマチック・トランスミッションオイル)、CVTF(無段変速機オイル)、ギヤ油などの駆動系油、ガソリン、軽油などの燃料油、エンジン油などが挙げられる。
本発明の摺動部材は、ピストン、軸受及びワッシャーなどであることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
1. テストピースの作成
80体積%のポリアミドイミド樹脂(HPC-5000-30:日立化成工業株式会社製)をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解した。得られたポリアミドイミド樹脂の溶解液に3体積%のシリコーンゴムパウダー(KMP-598:信越化学工業社製:平均粒径13μm)を加え、ニーダーで1時間混練を行い、混合物を得た。
得られた混合物を鋳造アルミAC8Aよりなるプレート形状の基材表面にスプレーコーティングを行い、180℃で90分間焼成してN-メチル-2-ピロリドンを揮発させることにより、膜厚10μm、φ/d=1.3の被膜組成物が形成した摩擦特性評価用のテストピースを作製した。
また、得られた被膜組成物を鋳造アルミAC8Aよりなるブロック形状の基材表面に、スプレーコーティングを行い、180℃で90分間焼成してN-メチル-2-ピロリドンを揮発させることにより、膜厚10μmの被膜組成物が形成した摩耗特性評価用のブロックテストピースを作製した。
2. 摩擦特性評価
図1に示すように、直径10mmのSUJ2よりなる軸受球を平板テストピース上面に押しつけて、摩擦特性を評価した。エンジン油をプレート上(58×38mm)に1mg均一に滴下して、荷重10N、摺動速度2Hz(最大0.1m/s)にて50往復揺動試験における平均摩擦係数を評価した。この試験は油量が微量であり、貧潤滑条件下での試験であるため、ピストン挙動における上下死点付近での潤滑状態を再現した試験であるといえる。
3. 摩耗特性評価
図2に示すように、ブロックテストピースを回転するねずみ鋳鉄FC250よりなる相手材円筒テストピースの側面に押し付けて、摩耗特性を評価した。エンジン油(80℃)においてならし運転後、試験面圧30MPaにて一定時間の摩耗試験を行った後の被膜の摩耗深さを測定して、摩耗特性を評価した。
実施例2〜5
シリコーンゴムパウダーの含有量を5、10、20、30体積%に変え、それに対応してポリアミドイミド樹脂の量を変えた以外は実施例1と同様にした。実施例2〜5の被膜組成物の組成は表1に示した。
比較例1
従来の被膜組成物として、有機溶剤としてN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を用い、86体積%のポリアミドイミド樹脂、7体積%の二硫化モリブデン(MoS2)、2体積%のグラファイト及び5体積%のテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)を含む組成物を用いた。この被膜組成物は、特開平7-97517号公報に記載の通りに調製した。表1に、比較例1の被膜組成物の組成を示した。
比較例2、3
シリコーンゴムパウダーの含有量を1、50体積%に変え、それに対応してポリアミドイミド樹脂の量を変えた以外は実施例1と同様にした。比較例2、3の被膜組成物の組成は表1に示した。
Figure 2015124338
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた摩擦係数を図3に示した。実施例1〜5及び比較例3では、比較例1及び2に対して摩擦係数が著しく低減した。実施例1〜5を比較例1と比較すると、吸油性成分であるシリコーンゴムパウダーを添加することにより、摩擦係数が大幅に低減することが示された。また、シリコーンゴムパウダーの含有量の増加にともない、摩擦係数の低減が認められるが、その含有量が30体積%以上になると、摩擦係数の値はほぼ一定値(0.02〜0.03)に漸近していた。シリコーンゴムパウダーによる摩擦低減効果は絶大であり、例えば、シリコーンゴムパウダーを20体積%配合することにより(実施例4)、比較例1に対して約80%の摩擦低減効果が得られた。
また、実施例1〜5及び比較例1〜3の摩耗量をグラフに表したものを図4に示した。シリコーンゴムパウダーの含有量の増加にともなって摩耗量は増加し、シリコーンゴムパウダーが50体積%の場合(比較例3)、摩耗量は約14μmとなり、材料の信頼性を保つことができる下限の約10μmよりも摩耗量が大きかった。
図3及び図4より、被膜組成物中のシリコーンゴムパウダーの含有量は、3〜30体積%であることが好ましく、5〜20体積%であることが更に好ましい。
また、実施例1〜5の被膜組成物の油吸収量及び材料の油吸収量は、比較例1のものよりも優れていた。
実施例6
ポリアミドイミド樹脂をエポキシ樹脂(1007:三菱化学株式会社製)(ただし、硬化剤としてアミノ樹脂(J-820-60:DIC株式会社製)を使用)に代えた以外は実施例4と同様にした。表2に、実施例6の被膜組成物の組成を示した。
比較例4〜9
シリコーンゴムパウダーを用いずに(比較例4)、又はシリコーンゴムパウダーに代えて、二硫化モリブデン(MoS2)(比較例5)、グラファイト(比較例6)、テフロン(登録商標)(比較例7)、シリコーンレジン(比較例8)、ナイロン(比較例9)を用いる以外は実施例4と同様にした。表2に、比較例4〜9の被膜組成物の組成を示した。
Figure 2015124338
実施例6及び比較例4〜9で得られた摩擦係数を図5に示した。実施例6は、実施例4と同程度の摩擦係数を示し、本発明の耐熱性樹脂として、ポリアミドイミド樹脂と同様にエポキシ樹脂を用いることができた。また、シリコーンゴムパウダーを用いない場合(比較例4)や、シリコーンゴムパウダーに代えて吸油特性の極めて低い固体潤滑剤である二硫化モリブデン(MoS2)(比較例5)、グラファイト(比較例6)や、同様に吸油特性の極めて低い樹脂であるシリコーンレジン(比較例8)、ナイロン(比較例9)を用いた場合と比較して、シリコーンゴムパウダーを用いた実施例4、6では優れた摩擦低減効果が示された。
また、シリコーンゴムパウダーを用いた実施例4、6の被膜組成物の油吸収量及び材料の油吸収量は、比較例4〜9のものよりも優れていた。
[固体潤滑剤及び硬質粒子の配合量の摩擦係数、焼付特性及び剥離特性への影響]
実施例7〜20では、固体潤滑剤及び硬質粒子の配合量の摩擦係数への影響を評価した。実施例7〜9では、固体潤滑剤として二硫化モリブデン(MoS2)をそれぞれ所定の量で用い、それに対応してポリアミドイミド樹脂の量を変えた以外は実施例4と同様にした。実施例10〜12では、固体潤滑剤としてグラファイトをそれぞれ所定の量で用い、それに対応してポリアミドイミド樹脂の量を変えた以外は実施例4と同様にした。実施例13〜15では、固体潤滑剤としてテフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)をそれぞれ所定の量で用い、それに対応してポリアミドイミド樹脂の量を変えた以外は実施例4と同様にした。実施例16、17では、固体潤滑剤として二硫化モリブデン(MoS2)、グラファイト及びテフロン(登録商標)をそれぞれ所定の量で用い、それに対応してポリアミドイミド樹脂の量を変えた以外は実施例4と同様にした。実施例18〜20では、固体潤滑剤として二硫化モリブデン(MoS2)、グラファイト及びテフロン(登録商標)をそれぞれ所定の量で用い、硬質粒子としてアルミナ(Al2O3)をそれぞれ所定の量で用い、それに対応してポリアミドイミド樹脂の量を変えた以外は実施例4と同様にした。表3に、実施例7〜20の樹脂組成物の組成を示した。
Figure 2015124338
実施例7〜20で得られた摩擦係数及び焼付特性をそれぞれ図6及び7に示し、剥離特性の評価結果を表3に示した。焼付特性及び剥離特性の評価は以下の通り行った。
〈焼付特性の評価〉
焼付特性を評価するためのテストピースとしては、摩擦特性評価用のテストピースを使用した。図8に示すように、回転する平板テストピースをねずみ鋳鉄FC250よりなる相手材の円筒テストピースの端面に押しつけて、焼付特性を評価した。試験条件は、エンジン油中(80℃)においてならし運転後、試験荷重をステップアップさせた時の試験面圧20MPa時の摩擦係数にて摩擦特性を評価し、さらに試験荷重をステップアップさせ、平板テストピースの樹脂組成物の被膜が摩滅、又は剥離したときに相手剤と基材とが直接接触し、トルクが急上昇する荷重(焼付荷重)にて焼付特性を評価した。
〈剥離特性の評価〉
剥離特性を評価するためのテストピースは、摩擦特性評価用のテストピースと同様にして作製した。図9に示すように、直径1/8インチのSUJ2よりなる軸受球を平板テストピース上面に押しつけて、剥離特性を評価した。試験条件は、エンジン油を平板上に均一に塗布した状態で、試験荷重を0.5〜10Nに徐々にスイープ増加させていき(1ストローク中に変動)、速度15mm/秒で200回摺動させ、試験後に被膜が残存している最大荷重を剥離荷重として計測し、比較評価した。
実施例7〜20のいずれにおいても、シリコーンゴムパウダーが被膜組成物に配合されているため、比較例1と比較すると摩擦係数は大幅に低減した。また、実施例7〜20の焼付特性について、いずれも焼付面圧は20MPa以上であり、摺動部材としての使用に問題無いと考えられる。しかし、剥離特性の結果から、固体潤滑剤及び硬質粒子の配合量が増加すると、被膜の脆弱化が進行し、より剥離しやすい被膜となった。以上の結果より、固体潤滑剤としてのポリテトラフルオロエチレンは20体積%以下の量で、二硫化モリブデンは30体積%以下の量で、グラファイトは20体積%以下の量で組成物に含まれることが好ましく、また、硬質粒子としてのアルミナは10体積%以下の量で組成物に含まれることが好ましい。
[φ/dの摩擦係数への影響]
実施例4、21、22及び比較例10〜14では、φ/dの摩擦係数への影響を評価した。実施例21、22及び比較例10〜14は、被膜組成物の膜厚を表4に記載の通りに変えてφ/dを変えた以外は実施例4と同様にした。
Figure 2015124338
実施例4、21、22及び比較例10〜14で得られた摩擦係数の評価を表4に示し、φ/dと摩擦係数との関係を図10に示す。表3中、◎は摩擦係数0.03未満であり、○は摩擦係数0.03以上0.05未満であり、△は摩擦係数0.05以上0.08未満であり、×は摩擦係数0.08以上である。表4及び図10より、φ/dが0.5〜3である実施例4、21、22では、比較例10〜14に対して摩擦係数が著しく低減し、優れた摩擦低減効果が示された。また、実施例4、21、22は、被膜の油吸収量について、比較例10〜14に対して優れていた。
[浮動ライナ式フリクション測定用エンジンを用いたフリクション評価]
本発明の被膜組成物の組成を最適化した実施例23の被膜組成物及び比較例1の被膜組成物について、浮動ライナ式フリクション測定用エンジンを用いてフリクション低減効果を確認した。
実施例23の被膜組成物の組成を表5に示す。
Figure 2015124338
試験は以下の方法で行った:
(1)組成物に含まれる成分の混合物を、鋳造アルミAC8Aよりなるピストンのスカート表面に、100番のメッシュサイズのスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、180℃で90分間焼成してN-メチル-2-ピロリドンを揮発させることにより、膜厚約10μmの被膜組成物を形成したピストンを作製した。
(2)作製したピストンにピストンリングなどを取り付け、浮動ライナ式フリクション測定用エンジンに組み込み、摩擦損失を摩擦平均有効圧力(FMEP)(ピストンの運動により生じた摩擦仕事をエンジン行程容積で除した値)により評価した。ピストンと摺動する相手材には、面粗さが十点平均粗さ(Rz)で2〜4μmの鋳鉄シリンダライナを用いた。同装置では、シリンダライナにて結合された荷重測定用センサーによりピストンが上下方向に摺動する際にシリンダライナに加わる摩擦力を測定している。
(3)浮動ライナ式フリクション測定用エンジンにてフリクションを測定する際の試験条件は、エンジン回転数800〜2400rpm、負荷300〜900kPa、潤滑油温度80℃であった。
実施例23及び比較例1の被膜組成物を用いた場合のFMEPの差を図11に示す。この図において、縦軸の値が正の場合にはフリクション低減効果が無く、負の値を示す場合にはフリクション低減効果があることを意味する。図11より、実施例23の被膜組成物は比較例1の被膜組成物に対して優れたフリクション低減効果を示した。
本発明の被膜組成物を用いることにより、摩擦特性及び耐摩耗性などのフリクションを改善することが可能となる。

Claims (8)

  1. 湿式条件で使用される摺動部材用被膜組成物であって、耐熱性樹脂及び3〜30体積%のシリコーンゴムパウダーを含み、被膜組成物の膜厚(d)に対するシリコーンゴムパウダーの平均粒径(φ)の比(φ/d)が0.5〜3である摺動部材用被膜組成物。
  2. 潤滑油を含まない請求項1の摺動部材用被膜組成物。
  3. 耐熱性樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1又は2の摺動部材用被膜組成物。
  4. ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン及びグラファイトから選択される少なくとも1種の固体潤滑剤をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項の摺動部材用被膜組成物。
  5. アルミナ及びシリカから選択される少なくとも1種の硬質粒子をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項の摺動部材用被膜組成物。
  6. 被膜組成物の膜厚(d)が5〜20μmである請求項1〜5のいずれか1項の摺動部材用被膜組成物。
  7. シリコーンゴムパウダーの平均粒径が2.5μm〜60μmである請求項1〜6のいずれか1項の摺動部材用被膜組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項の摺動部材用被膜組成物を摺動面に備えた摺動部材。
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