JP2015121805A - 偏光素子及び偏光レンズの製造方法 - Google Patents

偏光素子及び偏光レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズの曲面に均質な偏光素子を形成することが可能な偏光レンズの製造方法を提供する。【解決手段】回転軸14方向の長さがレンズ基材10の直径よりも大きく、砥粒を保持する弾性体からなる回転面13にレンズ基材10の凸面を押圧し、弾性体12を回転させてレンズ基材10の表面に平行溝を形成する工程と、平行溝を形成したレンズ基材10の表面に偏光色素を塗布する工程と、偏光色素を固定化して偏光素子を形成する工程とを有し、レンズ基材10を弾性体12に押しつけた状態で、平行溝の形成方向に向けて弾性体12又はレンズ基材10を移動させ、レンズ基材10の凸面に対応した凹状の曲面を有する回転面により、レンズ基材10の表面全域に平行溝を形成して、偏光レンズを製造する。【選択図】図2

Description

本発明は、基体上への偏光色素の塗布による偏光素子の形成方法、及び、偏光レンズの製造方法に係る。
自然光の波面の光を選択的に透過する偏光レンズは、乱反射する光を透過しないため、サングラスなどに使用されている。一般に、偏光レンズは、レンズ基材に偏光フィルムを挟入して作製する。
予め完成している偏光フィルムを眼鏡レンズの表面に貼着する場合には、偏光フィルムとレンズ表面の形状が合致せず、充分な偏光特性を得られないことがある。また、レンズの作製後にフィルムを付けることにより、貼着部が弱点となりレンズの老朽化が促進されてしまう。
このため、偏光フィルムの貼着を行わずに偏光レンズを作製する方法として、偏光色素を直接配列して偏光能力を付与する方法が検討されている。例えば、レンズ面に偏光色素を供給する方法として、偏光色素を含む液体がレンズ曲面上を流れるように、レンズの中心軸からずれた位置を回転軸にしてレンズを回転させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、無機物被膜を形成したレンズ表面にジルコニア等の砥粒スラリーを保持させたウレタン製のホイールブラシで平行溝を形成し、その上に偏光性色素を塗布することにより、偏光素子を製作することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2007−250739号公報 特表2008−527401号公報
しかしながら、レンズ面に偏光色素を含む液体を供給する方法では、偏光色素がレンズ表面にうまく付着し、均質な偏光素子が形成できるかどうかは、被塗布表面の組成や形状等により影響を受ける。このため、製造される偏光素子及び偏光レンズに個体差を生じてしまう。
また、レンズ表面に平行溝を形成する技術では、レンズ表面が曲面であるため、レンズ表面でのブラシとの接触圧が均一にならない。また、ブラシの縁部はブラシの進行方向以外にも側方に逃げる力が作用する。この結果、平行溝とは異なる方向(斜方向)にも溝が形成されてしまい、所望の偏光特性が得られなくなってしまう。従って、レンズ全体に均質な平行溝を形成することが難しい。このため、色素の定着状態に不均一な分布が生じたり、異なる方向への偏光特性が出現する。レンズ表面に均質な偏光素子を形成するためには、ブラシの接触圧を巧みに調整しなければならない。しかしながら、製品の光学設計により多数の曲面形状が考えられる眼鏡用レンズの場合、製品毎の調整が非常に困難になる。
上述した問題の解決のため、本発明においては、確実に平行溝を形成するとともに、偏光色素の塗布により均質に形成することが可能な偏光素子の製造方法、及び、この偏光素子の形成による偏光レンズの製造方法を提供するものである。
本発明の偏光レンズの製造方法は、回転軸方向の長さがレンズ基材の直径よりも大きく、砥粒を保持する弾性体からなる回転面にレンズ基材の凸面を押圧し、弾性体を回転させてレンズ基材の表面に平行溝を形成する工程と、平行溝を形成したレンズ基材の表面に偏光色素を塗布する工程と、偏光色素を固定化して偏光素子を形成する工程とを有し、レンズ基材を弾性体に押しつけた状態で、平行溝の形成方向に向けて弾性体又はレンズ基材を移動させ、レンズ基材の凸面に対応した凹状の曲面を有する回転面により、レンズ基材の表面全域に平行溝を形成することを特徴とする。
また、本発明の偏光素子の製造方法は、回転軸方向の長さが基材の直径よりも大きく、砥粒を保持する弾性体からなる回転面に基材の凸面を押圧し、弾性体を回転させて基材の表面に平行溝を形成する工程と、平行溝を形成した基材の表面に偏光色素を塗布する工程と、偏光色素を固定化する工程とを有し、基材を弾性体に押しつけた状態で、平行溝の形成方向に向けて弾性体又は基材を移動させ、基材の凸面に対応した凹状の曲面を有する回転面により、基材の表面全域に平行溝を形成することを特徴とする。
本発明の偏光レンズの製造方法によれば、レンズ基材の凸面の平行溝を弾性体の回転面に押圧して形成している。また、弾性体の回転面が、レンズ基材の直径よりも大きい。このため、一度の擦過でレンズ基材全体に平行溝を形成することができるため、平行溝を均一に形成することができる。このように、均一な平行溝を形成することにより、平行溝に定着する偏光色素を、均一に配列させることができる。従って、レンズ基材表面に安定して偏光素子を形成して偏光レンズを製造することができる。
本発明によれば、偏光色素の塗布により安定して均質な偏光素子を製造することができる。また、この偏光素子を形成する技術を適用することにより良質な偏光レンズを製造することができる。
本発明の偏光レンズの製造方法の実施の形態のフローチャートを示す図である。 本発明の偏光レンズの製造方法に係る弾性体を用いてレンズ基材に平行溝を形成する工程を示す図である。 レンズ基材表面の曲率半径と弾性体の曲率半径との関係を示す図である。 弾性体とレンズ基材との大きさの関係を示す図である。 比較例で使用したホイールブラシを用いてレンズ基材に平行溝を形成する工程を示す図である。 実施例で作製した偏光レンズの写真である。 比較例で作製した偏光レンズの写真である。
以下、本発明の偏光素子の製造方法、及び、偏光レンズの製造方法の例として、レンズ基材上への偏光素子の形成による偏光レンズの製造方法の実施の形態について説明する。
まず、偏光レンズの製造方法のフローチャートを図1に示す。
まず、偏光素子を形成するためのレンズ基材を用意する(ステップS1)。ステップS1で用意した基材の表面に、ハードコート層を形成する(ステップS2)。レンズ基材の偏光素子を形成する面に、偏光色素配列層を形成する(ステップS3)。レンズ基材の偏光素子を形成する面の形状を確認する(ステップS4)。ステップS4で確認したレンズ基材の形状に併せて、偏光色素配列層の表面に溝を形成するための弾性体の形状を選択する(ステップS5)。弾性体に砥粒を保持させた状態でレンズ基材の凸面に接触させ、ステップS3で形成した偏光色素配列層に平行溝を形成する(ステップS6)。ステップS6で平行溝を形成した偏光色素配列層上に、偏光色素を塗布する(ステップS7)。ステップS7で基材表面に塗布した偏光色素の安定化処理を行う(ステップS8)。ステップS8で安定化した偏光色素上に、色素固定層溶液を塗布する(ステップS9)。ステップS9で塗布した色素固定層溶液に、乾燥及び熱硬化処理を行い、色素固定層を形成する(ステップS10)。ステップS10までの工程で偏光素子を形成したレンズ基材に、必要に応じて各種のコート層を形成する(ステップS11)。
以上の工程で、偏光素子を有する偏光レンズを作製することができる。
次に、各工程について詳細に説明する。
<ステップS1>
まず、偏光素子を形成するためのレンズ基材を用意する。レンズ基材としては、プラスチックレンズ用の樹脂基材や、ガラスレンズ用の無機ガラス基材等を使用することができる。
樹脂基材の場合には、例えば、メチルメタクリレートの単重合体又は共重合体、PPG社製CR39等のジエチレングリコールビスアリルカーボネート類、熱硬化ポリウレタン類、熱硬化性ポリチオール類、ポリエピスルフィド類等を使用することができる。
レンズ基材の表面形状としては、眼鏡レンズ用基材の凸面に適用可能である。また、面形状としては、球面、非球面を問わずに、各種の自由曲面に適用することができる。
<ステップS2>
レンズ基材の表面にハードコート層を形成する。例えば、ハードコート層を熱硬化法により硬化する場合には、有機ケイ素化合物と、無機酸化物コロイド粒子とからなるコーティング組成物を用いる。
有機ケイ素化合物としては、各種のシランカップリング剤、例えばアルコキシシラン化合物があげられる。無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。無機酸化物コロイド粒子は、例えば、ハードコートに高い硬度を与えることや、ハードコート層の屈折率が基材の屈折率と同等になるように調整することを目的として、適宜選択、調整されて、有機ケイ素化合物と混合してコーティング組成物を構成する。
また紫外線硬化法により硬化する場合には、従来知られている紫外線硬化材料を利用することができ、例えばペンタエリスリトールトリアクリレートのような多官能アクリレート、酸化アンチモンのような金属酸化物微粒子および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンのような光重合開始剤を含有する組成物からなる材料を使用することができる。
ハードコート層は、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法等を用いてコーティング組成物を基材上に塗布し、硬化処理を行う。
また、必要に応じて、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定剤等を、ハードコート層の物性に影響を与えない限度において添加することもできる。
なお、レンズ基材として無機ガラス基材を用いる場合には、ハードコート層の形成は行わなくてもよい。
<ステップS3>
レンズ基材の偏光素子を形成する面に、偏光色素配列層を形成する。
偏光色素配列層は、無機酸化物層、無機酸化物をコロイド状に分散させたゾルゲル層等により形成する。特に、無機酸化物の蒸着により、ガラスライクな無機酸化物の蒸着層を形成することが好ましい。蒸着層としては、真空蒸着法、化学的気相成長法(CVD)、物理蒸着法(PVD)、プラズマ蒸着法等の公知の薄膜形成技術を用いて形成することが好ましい。無機酸化物としては、Si、Al、Zr、Ti、Ge、Sn、Sb、Ta、Nb、V及びYから選ばれる1種又は2種以上の元素からなる酸化物が挙げられる。
偏光色素配列層は、レンズ基材上にハードコート層を形成している場合には、このハードコート層上に形成することもできる。また、レンズ基材として無機ガラス基材を使用する場合には、レンズ基材の表面に直接偏光色素を塗布すればよいため、このステップを省略することができる。
偏光色素配列層をゾルゲル層により形成する場合は、配列層コーティング液を基材上に付着させて形成する。
配列層コーティング液は、アルコキシシラン化合物やヘキサアルコキシジシロキサン化合物を含むことが好ましい。コーティング液は、水の存在下で加水分解反応が進行し、層中の連続する骨格構造を形成する。また、配列層に硬化性を付与し、偏光色素配列層に形成する偏光素子の剥離を抑制する。
配列層コーティング液としては、その他に無機酸化物ゾル、溶媒、硬化触媒等を必要に応じて混合する。無機酸化物としては、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、In、Ge、Bi、Cu、Y、Zr、Ni、Ta、Si、Ti等から選ばれる1種類以上の元素からなる酸化物を用いることができる。これらの中で、配列層の硬度を高め、偏光色素の安定した定着を実現し、製造が容易であることから、SiO、TiO、ZrO、CeO、ZnO、SnO、ITO(Indium Tin Oxide)が好ましい。
アルコキシシラン化合物やヘキサアルコキシジシロキサン化合物、水及びアルコール類を混合した後、この溶液を加熱処理し、ゾルゲル法によるアルコキシシラン組成物のアルコキシ基の加水分解及び縮重合により、配列層コーティング液を調整する。
そして、調整した配列層コーティング液を、基材表面に塗布及び硬化させることにより、偏光色素配列層を形成する。
<ステップS4>
偏光素子を形成する側のレンズ基材の表面形状を確認する。特に、レンズ基材の凸面の曲率半径、レンズの外径等を確認する。
<ステップS5>
ステップS4で確認したレンズ形状、例えば、面形状、外径及び曲率半径等の条件に合わせて、溝形成用の弾性体の形状を選択する。
溝形成用の弾性体は、回転体形状である。この回転体形状の弾性体の回転面に、レンズ基材の偏光色素が塗布される面に押しつけ、弾性体を回転させることによりレンズに平行溝を形成する。このとき、弾性体は砥粒を保持している。そして、レンズを押しつける弾性体の回転面は、ステップS4で確認したレンズ基材表面の凸面の曲率半径にあわせて、凹状の曲面に形成されている。弾性体は、一度の擦過で全面を効果的に加工できるように、レンズの加工面と接触する領域を円弧状の回転面とすることが好ましい。また、溝形成用の弾性体は、回転面の回転軸方向の長さが、平行溝を形成するレンズの直径よりも長い。
弾性体の回転面の曲面は、基材を弾性体に押圧したときに、回転体の軸線方向において基材と弾性体とがほぼ均一に弾接する形状である。回転体がすべて弾性体からなる必要はなく、少なくともレンズ基材が接する回転面が弾性体により形成されていればよい。基材を押し当てる面が弾性体からなることにより、レンズ基材を回転面に押し当てたときに、弾性体の弾力により基材と弾性体との弾接する圧力が均一となるように働く。これにより、レンズ基材に形成する平行溝の深さ、幅、密度等を均一にすることができる。
つまり、溝形成用の弾性体は、回転軸を中心とした回転対称体である。回転面は凹状の断面を有する曲面に加工されている。さらに、レンズを押しつける回転面は、弾性体と弾性体に保持された砥粒とからなる。回転面が弾性体により構成されているため、弾性体にレンズ基材を押し込むことにより、回転軸方向でレンズ面が均一に弾性体と弾接する。また、弾性体は、回転面の回転軸方向の長さが、平行溝を形成するレンズの直径よりも長く構成されている。従って、レンズ基材を弾性体に押し当てたときに、レンズ基材の直径方向が均一に弾接する。
弾性体の回転面としては、レンズ基材の凸面を弾性体の回転面に押し込む際に、レンズ基材の直径方向が全て接触できる形状の曲面を選択する。なお、弾性体へのレンズ基材の押し込み量は、弾性体の硬さなどに応じて決定することが好ましい。なお、本明細書において「押し込み量」又は「押し込む量」とは、レンズ面を回転面に対して正対させ、弾性体の中心とレンズ表面の中心を結ぶ直線に沿って両面を近づけて行く時、レンズ基材表面の少なくとも一部が始めて接触した状態を基準点とし、この基準点位置からさらに同方向にレンズを移動させた距離を示す。
弾性体の回転面の曲面は、レンズ基材の曲率半径に応じて適宜選択する。
レンズ基材の面形状から、レンズ中心からコバ部へのサグ値と、弾性体の回転面の曲面のサグ値との差が2.5mm以下となる曲面を回転面に有する弾性体を選択することが好ましい。レンズ基材を弾性体の回転面に押し込む量を例えば5mm以下として、レンズ基材の直径方向の全域、好ましくはレンズ基材表面全域を、弾性体に対して均一に弾接させることができればよい。レンズ基材の凸面の曲率半径に対して、近い形状の曲面の凹状の回転面を有する弾性体を用いることにより、レンズの全域に渡って確実に平行溝を形成することができる。
レンズ基材表面の曲率半径と、弾性体の回転面の曲面の曲率半径との関係について、一例を表1に示す。表1は、弾性体の回転面の曲率半径(Tool Radius)と、この曲率半径の回転面で平行溝の形成が可能なレンズ基材の曲率半径(Lens Radius)及びレンズ基材の直径(Size)、平行溝を形成する際のレンズ基材の弾性体への押し込み量を示している。
表1では、弾性体の回転数を1500rpm、送り速度を1000mm/min、送り量を75mmとしたときの、レンズ基材の凸面に平行溝を形成できる弾性体の曲面(凹面)の曲率半径と、この弾性体により加工可能なレンズ基材を表している。なお、ここでいう「送り速度」とは、弾性体の回転軸が基板表面を移動するときの相対速度を示し、「送り量」とは、弾性体が基板に対して移動する相対移動距離を示す。表1から分かるように、1つの弾性体で複数の曲率半径を有するレンズ基材を加工することができる。例えば、回転面の曲率半径が70の弾性体では、曲率半径が66.517mm〜37.368mmのレンズ基材を加工することができる。また、回転面の曲率半径が600mmの弾性体では、曲率半径が979.077mm〜209.580mmのレンズ基材を加工することができる。つまり、表1に示す例のように、異なる曲率半径の回転面を有する弾性体を例えば5つ準備することにより、実質的に実用上必要とされるほぼ全ての形状のレンズ基材の加工が可能である。
レンズの凸面をある押し込み量で弾性体に押し込んだとき、レンズ基材の曲率半径が弾性体の回転面の曲率半径よりも小さい場合には、レンズ基材の中心部が弾性体から受ける圧力が最大となり、レンズ基材の外周部の圧力が最小となる。また、レンズ基材の曲率半径が弾性体の回転面の曲率半径よりも大きい場合には、レンズ基材の外周部の圧力が最大となり、レンズ基材の中心部の圧力が最小になる。
弾性体の材質は特に限定されない。例えば、各種エラストマを発泡成形したスポンジ材料や、ゴム等の弾性体材料の風袋内部に気体又は液体を封入し、砥粒を保持可能な膜材(例えば多孔質膜、織布、不織布、及び、スウェードタイプの研磨布)を貼着したものでもよい。特に、安価で形状加工が容易なスポンジ材料が溝形成用の弾性体として適している。
弾性体の回転面の表面には、レンズ基材を擦過するための砥粒が保持されている。
砥粒は、擦過によりレンズ基材に平行溝を形成することが可能な材料を適宜選択して使用する。色素を配列するための偏光色素配列層を形成する場合には、その被膜に平行溝を形成することが可能な材料を適宜選択して使用する。例えば、硬質樹脂、各種酸化物、金属微粒子等を適宜選択して使用する。
例えば、無機物ゾルとシランカップリング剤等が共存するゾルゲル膜を偏光色素配列層とした場合には、硬質樹脂、各種酸化物、金属微粒子等を選択して使用する。また、蒸着等によりガラスライクな表面被膜が形成されている基材表面に平行溝を形成する場合には、蒸着被膜よりも硬質な砥粒を選択する。アルミナ、ジルコニア及びシリカ等、硬質な素材の蒸着膜の上に平行溝を形成する場合には、これらの蒸着膜よりも硬度が高い砥粒を選択して使用する。例えば、基材表面に蒸着シリカ層を形成し、この層に平行溝を形成する場合には、砥粒の材質として、アルミナ、セリア、炭化ケイ素等を適宜選択して使用する。また、偏光色素配列層やレンズ基材の化学的改質を目的としない限り、砥粒はそれらと反応性を有さない材料を選択する事が好ましい。
弾性体による砥粒の保持状態は特に限定されない。例えば、スポンジ状の弾性体の表面に砥粒を定着させて使用する。また、砥粒を含むスラリーを保持可能な媒体に供給し、保持状態を確保してもよい。さらに、砥粒が定着しているシートを弾性体に貼り付けて使用することもできる。
<ステップS6>
ステップS5で選択した溝形成用の弾性体を用いて、レンズ基材の一軸方向に研磨処理を行い、一軸方向の平行溝を形成する。研磨処理は、弾性体表面に保持された研磨用の砥粒により行う。
回転形状の弾性体を、回転の中心軸で回転させる。このとき、弾性体の回転面にレンズ基材表面を弾接させた状態で弾性体を回転させるか、又は、回転している弾性体の回転面にレンズ基材を弾接させる。このように、レンズ基材を弾性体に押しつけた状態で、平行溝の形成方向に向けて弾性体又はレンズ基材を移動することにより、レンズ基材の表面全域に平行溝を形成する。弾性体の回転面とレンズ基材とは、回転体の回転による一度の直線的な擦過により、レンズ基材の偏光素子形成面の全域が接触すればよい。平行溝は、弾性体の回転方向に形成される。
レンズ基材表面に偏光色素配列層を形成している場合には、偏光色素配列層に、平行溝を形成する。また、表面をコーティングしていない場合には、レンズ基材の表面に、直接平行溝を形成する。
レンズ基材に平行溝を形成する工程の弾性体とレンズの外観図を図2に示す。図2は、レンズ基材の凸面側に偏光素子を形成する場合の平行溝の形成の様子を示している。
図2は、レンズ基材10、レンズ基材を弾性体に押圧するための治具11、回転体形状の弾性体12、弾性体の回転面13、及び、弾性体12を保持して回転軸14を有する治具15を示している。
弾性体12を保持する治具15は回転軸14で回転する。弾性体12は回転体形状であり、回転軸14とほぼ平行な方向の回転面13を含むように弾性体12が設けられている。この回転面13を含んで弾性体12が構成されている。
レンズ基材10が治具11によって押圧される回転面13は、レンズ基材10の凸面の曲率半径にあわせた曲面を有する構造である。この回転面13とレンズ基材10との様子を図3に示す。図3に示すように、レンズ基材10の凸面の曲率半径に近似した曲面を弾性体12の回転面13が備えている。
また、図3に示すように、このレンズ基材10が押圧される回転面13に、レンズ基材10を擦過するための砥粒16が保持されている。
このとき、図4に示すように、弾性体12の回転面13の回転軸方向の長さLが、レンズ基材10の直径D(形成する平行溝の方向と直交する方向の直径)よりも長い構造である。また、砥粒16も、レンズ基材10の直径よりも長い領域で弾性体12に保持されている。弾性体の長さをレンズの直径以上とすることにより、レンズ基材10に矢印で示す平行溝形成方向17の平行溝を、一度の擦過で形成することができる。
レンズ基材の加工面と極端に曲率半径の異なる面を弾性体が備えている場合には、レンズ基材を弾性体に押圧したときに、レンズ基材と弾性体の回転面とが弾接しない領域ができる。また、レンズ基材の弾性体との接触面が、弾接する領域によって弾接圧に大きな差が発生することがある。このような場合には、レンズ全体に均一な平行溝を形成することが困難になる。
レンズ基材の曲率半径に近似した曲線形状の回転面を有する弾性体を使用することにより、レンズ全域にわたって、確実に平行溝を形成することができる。
なお、上述のように、弾性体の回転面がレンズ基材の曲面と近似する曲面を有している場合にも、レンズ基材面の擦過圧の分布により平行溝の形成頻度が異なることが考えられる。しかしながら、レンズ基材の表面粗さ平均が0.5nm〜5nmの範囲で、基材表面に平行溝が形成されていれば、偏光色素の定着及び配列に差異が発生しないこと確認されている。このように、色素定着における表面粗さの分布許容が広いため、本実施の形態のように、レンズ基材への平行溝の形成と、この平行溝への偏光色素の配列による偏光素子の形成による、偏光レンズの作製が可能となる。なお、表面粗さが5nmを超えると、偏光色素は同等に定着するが、目視で溝を確認することができるため、眼鏡レンズの意匠上、又は、散乱による光学特性の劣化が生じるため好ましくない。
<ステップS7>
レンズ基材の偏光素子形成面に形成した平行溝に偏光色素を塗布し、偏光色素配列層に偏光色素を定着させ、偏光層を形成する。
偏光色素配列層に定着させる偏光色素は、1種類以上の二色性色素を含む色素である。
二色性色素は、媒質が光に対して選択吸収の異方性を有する。このため、透過光が伝搬方向によって異なる性質を示す。二色性色素は、偏光光に対して色素分子の特定の方向での光吸収が強くなり、これに直交する方向は光吸収が少なくなる性質を有している。
二色性色素には、水を溶媒としたときに特定の濃度及び温度の範囲で液晶状態を発現する物質がある。この液晶状態をリオトロピック液晶という。このリオトロピック液晶を利用して、一方向に色素を配列させることで、素子として光吸収の異方性を実現することができる。
二色性色素としては、アゾ系、アントラキノン系、メロシアニン系、スチリル系、アゾメチン系、キノン系、キノフタロン系、ペリレン系、インジゴ系、テトラジン系、ベンジジン系、及び、その他公知の二色性色素を使用することができる。
通常、二色性色素を塗布する前に、平行溝を形成したレンズ基材の表面を洗浄及び乾燥する。そして、二色性色素を含有する水溶液又は懸濁液を、レンズ基材の表面に塗布する。塗布する方法は特に限定されず、スピンコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法等の公知の塗布方法を使用することができる。
平行溝を形成したレンズ基材に二色性色素を塗布し、色素を定着させることにより、レンズ基材表面に偏光色素を配列させる。平行溝は、レンズ基材の表面全域にわたって均一に形成されているため、偏光色素もレンズ基材の表面全域にわたって均一に配列する。このため、配列した偏光色素によりレンズ基材に偏光素子を形成することができる。
<ステップS8>
レンズ基材表面に塗布した偏光色素の安定化処理を行う。
安定化剤により色素を非水溶化し、偏光色素の色素配列を定着させる。偏光色素の安定化により、レンズ基材上に非水溶性の偏光色素層が形成される。
安定化処理に用いる安定化剤には、金属塩水溶液を用いる。金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化バリウム、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化錫等を使用することができる。
また、pHを適宜調整するために、水溶性無機化合物を適宜添加する。安定化処理に用いる金属塩のうち、塩化アルミニウム、塩化亜鉛が安全性の観点から好ましい。
偏光色素層の厚さは特に限定されないが、0.05〜1μm程度であることが好ましい。
<ステップS9>
レンズ基材上に形成した偏光色素層を保護するため、偏光色素層上に色素固定層を形成する。
色素固定層には、各種有機ケイ素化合物を用いる。具体的には、グリシドキシ基含有アルコキシシラン、エポキシ基含有アルコキシシラン、アミノ基含有アルコキシシランを用いる。シラン系化合物は、1種類又は2種類以上含まれていてもよい。
色素固定層は、偏光色素層に有機ケイ素化合物をディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の公知の塗布方法を用いて、レンズ基材上に塗布する。
<ステップS10>
レンズ基材上に塗布した有機ケイ素化合物を熱硬化することにより、色素固定層を形成する。有機ケイ素化合物は、レンズ基材上に塗布することにより、偏光色素層に浸透する。そして、浸透した状態で硬化することにより、偏光色素層と色素固定層とが一体化した状態の層となる。このように、偏光色素層と色素固定層とを形成することにより偏光色素を固定化し、レンズ基材上に偏光素子を形成することができる。この偏光素子の厚さは特に限定されないが、0.05〜2μm程度であることが好ましい。
<ステップS11>
上述の工程においてレンズ基材上に偏光素子を形成した後、必要に応じて、偏光素子上に各種のコート層を形成する。例えば、偏光素子上に、耐擦傷性を高めるためのハードコート層を形成する。また、反射防止層、撥水層、UV吸収層、赤外線吸収層、フォトクロミック層、静電防止層等の機能性コート層を形成する。これらのコート層は公知の方法により形成することができる。
(実施例)
実施例として下記表2に示す9種類のレンズ基材を使用し、弾性体との擦過により平行溝を形成して偏光素子を形成した。まず、屈折率1.53のポリウレタン製基材の上面にハードコート層が形成されているレンズ基材(表2)を準備した。そして、ハードコート層上に、偏光色素配列層としてシリカの蒸着層を形成した。偏光色素配列層は約250nm形成した。
なお、表2に示す各種レンズにおいて、フィニッシュトレンズとは、レンズの両面がレンズ完成面とされているレンズである。また、セミフィニッシュトレンズとは、レンズの片面がレンズ完成面とされているレンズであり、累進屈折力レンズとは、屈折力が上部から下部へ連続的に変化するレンズである。また、各レンズの度数の欄に記載のBCとは、ベースカーブ(基準となる水平方向の基準線の曲率半径)であり、ADDとは、加入度数(遠近レンズでの遠用と近用の度数の差)である。
次に、レンズ基材の偏光素子を形成する面、本実施例では凸面側の形状を確認した。そして、レンズ基材の形状に適合する曲面を有する弾性体を選択した。本実施例では、回転面の有する曲面が曲率半径120mmの弾性体を用いた。
砥粒は、平均粒径3μmのアルミナ砥粒(商品名「POLIPLA304M」 フジミインコーポレーテッド製)を用いた。
次に、上記の弾性体の回転面にレンズ基材を押圧して、レンズ基材に平行溝を形成した。このときの弾性体の回転数は1500rpm、送り速度は1000mm/min、送り回数1回である。
偏光色素配列層に平行溝を形成した後、偏光色素を塗布した。偏光色素には、スターリングオプティクス インク(Sterling Optics Inc)社製の二色性色素、Varilightsolution2S(商品名)を用いた。この二色性色素の約5質量%水溶液2〜3gを用いて、レンズ基材にスピンコート法により塗膜を形成した。スピンコートは、偏光色素水溶液を回転数300rpmで供給して45秒間保持し、さらに、1000rpmで供給して12秒間保持した。
次に、塩化アルミニウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムを含むpH4の水溶液に、偏光色素を塗布したレンズ基材を浸漬し、色素を非水溶化する偏光色素の安定化処理を行った。
次に、安定化処理後のレンズ基材をγ−アミノプロピルトリエトキシシラン10質量%水溶液に30分浸漬し、その後純水で3回洗浄し、85℃で30分間熱硬化した。冷却後レンズ基材を空気中にてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2質量%水溶液に30分浸漬した後、100℃の炉で30分熱硬化した。硬化後、レンズ基材を冷却して色素固定層を形成したレンズを得た。
以上の工程によりレンズ基材として上記表2に示す9種類のレンズ基材を用いて偏光レンズを作製した。
(比較例)
平行溝形成用の弾性体として、図5に示す形状のポリウレタン製のホイールブラシを用いた。図5は、レンズ基材20、レンズ基材を弾性体に押圧するための治具21、ポリウレタン製のホイールブラシ22、ホイールブラシ22の加工面23、及び、ホイールブラシ22を保持して回転軸24を有する治具25を示している。
レンズ基材20を治具21を用いて押圧してホイールブラシ22を回転させることにより、レンズ基材20に平行溝を形成した。平行溝の形成に使用したホイールブラシ22は、ホイールブラシ22の回転軸24方向の長さが、接触するレンズ基材20の直径よりも小さい構成である。また、レンズ基材20の凸面に対して、ホイールブラシ22の加工面も凸面を有している。
レンズ基材20全体に平行溝を形成するために、レンズ基材20の側部から図5に示すように、レンズ基材20に対して、平行溝形成方向27に沿って5mm間隔で複数回、レンズ基材20とホイールブラシ22とを接触させて、平行溝を形成した。
この工程以外は、上述の実施例と同様の方法で偏光レンズを作製した。
実施例で作製した偏光レンズは、図6に作製した偏光レンズの一例を示すように、全ての偏光レンズで偏光ムラが確認されなかった。図6中、左側が累進レンズをレンズ基材に用いて実施例で作製した偏光レンズであり、右側がBC800セミレンズをレンズ基材に用いて実施例で作製した偏光レンズである。
これに対し、比較例で作製した偏光レンズは、図7に示すように、偏光特性に斑状のむらが形成された。偏光レンズに形成された筋状の濃淡部では、濃い領域に形成された溝と、薄い領域に形成された溝とが、それぞれ異なる方向に形成されているためである。濃い部分は、レンズ基材とホールブラシとが接触したときに、レンズ基材と接触するホイールブラシの回転面によれが生じ、溝形成の進行方向から斜め方向に流れる溝が形成されたためと考えられる。このため、偏光色素が異なる方向に配向してしまい、偏光レンズに濃淡の色調が発生したと考えられる。
なお、上述の説明では、レンズ基材上に偏光色素を塗布することにより偏光素子を形成する偏光レンズの製造方法について説明しているが、本発明の偏光素子の製造方法では、レンズ基材に限らず、無機ガラス基材や樹脂基材等に対して適用することができる。
偏光素子を形成する基材がレンズ基材でない場合にも、上述の偏光レンズの製造方法の実施の形態と同様に、色素配列層の形成工程、基材の偏光色素が塗布される面の形状確認工程、弾性体の選択工程、平行溝の形成工程、偏光色素の塗布工程、偏光色素の安定化処理、色素固定層の塗布、及び、乾燥処理工程等を必要に応じて行うことにより、基材上に偏光素子を製造することができる。
本発明では、特に、基材の偏光素子形成面が凸面を有している場合に優れた効果を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10,20 レンズ基材
11,15,21,25 治具
12 弾性体
13 回転面
14,24 回転軸
17,27 平行溝形成方向
22 ホイールブラシ
23 加工面

Claims (3)

  1. 回転軸方向の長さがレンズ基材の直径よりも大きく、砥粒を保持する弾性体からなる回転面にレンズ基材の凸面を押圧し、前記弾性体を回転させて前記レンズ基材の表面に平行溝を形成する工程と、
    前記平行溝を形成したレンズ基材の表面に偏光色素を塗布する工程と、
    前記偏光色素を固定化して偏光素子を形成する工程とを有し、
    前記レンズ基材を前記弾性体に押しつけた状態で、前記平行溝の形成方向に向けて前記弾性体又は前記レンズ基材を移動させ、前記レンズ基材の凸面に対応した凹状の曲面を有する前記回転面により、前記レンズ基材の表面全域に前記平行溝を形成する
    ことを特徴とする偏光レンズの製造方法。
  2. 前記弾性体の回転面に、前記レンズ基材を押し込むことにより、前記レンズ基材全面を前記弾性体の回転面に接触させることを特徴とする請求項1に記載の偏光レンズの製造方法。
  3. 回転軸方向の長さが基材の直径よりも大きく、砥粒を保持する弾性体からなる回転面に基材の凸面を押圧し、前記弾性体を回転させて前記基材の表面に平行溝を形成する工程と、
    前記平行溝を形成した基材の表面に偏光色素を塗布する工程と、
    前記偏光色素を固定化する工程とを有し、
    前記基材を前記弾性体に押しつけた状態で、前記平行溝の形成方向に向けて前記弾性体又は前記基材を移動させ、前記基材の凸面に対応した凹状の曲面を有する前記回転面により、前記基材の表面全域に前記平行溝を形成する
    ことを特徴とする偏光素子の製造方法。
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