JP2009166222A - 研磨加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物における研削加工後の面粗さの向上や挽き目の除去を効率良く行えると同時に、被加工物の形状修正も行うことができ、うねりのない平滑な研磨面を得る研磨加工技術を提供する。
【解決手段】加工作用面4の外径が被加工物5の加工主面5aの外径よりも大きな研磨工具10を用い、研磨工具10の加工作用面4の回転中心4aと加工主面5aが当接する点Pが被加工物5の加工主面5aの外周から中心部までの子午線上を走査するように被加工物5および研磨工具10を相対的に移動させることで研磨加工を行う。研磨工具10の走査速度又は研磨荷重を加工中に制御することにより、研磨工具10の外周部による加工主面5aの加工量の制御が可能になるため、研磨工具10による被加工物5のスムージング加工の途中で同時に、被加工物5の加工主面5aの形状を修正することができる。
【選択図】 図2A
【解決手段】加工作用面4の外径が被加工物5の加工主面5aの外径よりも大きな研磨工具10を用い、研磨工具10の加工作用面4の回転中心4aと加工主面5aが当接する点Pが被加工物5の加工主面5aの外周から中心部までの子午線上を走査するように被加工物5および研磨工具10を相対的に移動させることで研磨加工を行う。研磨工具10の走査速度又は研磨荷重を加工中に制御することにより、研磨工具10の外周部による加工主面5aの加工量の制御が可能になるため、研磨工具10による被加工物5のスムージング加工の途中で同時に、被加工物5の加工主面5aの形状を修正することができる。
【選択図】 図2A
Description
本発明は、研磨加工技術に関し、たとえば、光学素子又は光学素子成形用金型等の被加工物の研磨加工に適用して有効な技術に関する。
たとえば、回転軸対称形状を有する被加工物、特に非球面形状を有するレンズやこのレンズの成形用金型の加工においては、必要な光学性能を満足させる光学機能面を得るために研削及び研磨加工が行われる。
研削加工では、未加工の材料又は近似形状のブランク材料から所望の形状を創成し、研磨加工では、被加工物に最終品質として必要な面精度や面粗さを満足させる仕上げ加工が行われる。
この研磨加工を効率良く行うためには、研削加工で発生するクラックや研削挽き目を抑制する必要がある。そのために研削加工の工程を粗研削と仕上げ研削の工程に分割したり、研磨加工の工程を粗研磨と仕上げ研磨の工程に分割したりする方法がとられている。
上述の粗研磨に相当する加工方法として、特許文献1に開示されたスムージング方法がある。
すなわち、図6に示すように、回転軸102と、回転軸先端を覆うように固定された円盤形状の弾性部材103と、弾性部材に固定された固定砥粒フィルム104から構成され、被加工物101よりも径の小さいスムージング工具100を用い、このスムージング工具100の固定砥粒フィルム面を被加工物101の加工面に摺動させることによって、研削後の面粗さの向上や挽き目の除去を効率良く行うものである。
すなわち、図6に示すように、回転軸102と、回転軸先端を覆うように固定された円盤形状の弾性部材103と、弾性部材に固定された固定砥粒フィルム104から構成され、被加工物101よりも径の小さいスムージング工具100を用い、このスムージング工具100の固定砥粒フィルム面を被加工物101の加工面に摺動させることによって、研削後の面粗さの向上や挽き目の除去を効率良く行うものである。
上述の特許文献1の従来技術のような円盤状のスムージング工具を被加工物の法線方向から当接させて加工した場合、工具の単一加工痕(被加工物を固定した状態で、工具のみを回転させて加工したときの除去量分布)は、工具の回転中心付近でほぼ0で工具の外周に向かって漸増する形状となり、除去量分布を示す曲線は、図7のようにM字状となる。
これは、研磨加工での加工量は、研磨荷重、滞留時間及び工具と被加工物の相対速度に比例するというプレストンの原理式でも説明できる。
すなわち、研磨工具と被加工物が接触する面内において研磨荷重と滞留時間が一定の場合、研磨工具の回転中心では周速度が0のため加工量も0であり、外周へ向かって周速度は大きくなるため加工量も漸増していくということになる。
すなわち、研磨工具と被加工物が接触する面内において研磨荷重と滞留時間が一定の場合、研磨工具の回転中心では周速度が0のため加工量も0であり、外周へ向かって周速度は大きくなるため加工量も漸増していくということになる。
一方、レンズやレンズの成形用金型の研磨工程は、除去加工としては最終工程となるため、所望の面形状が所望の面精度に加工されていなければならない。
例えばカメラの撮像用レンズでは、面精度(凹凸の山と谷の距離)がP−V値で1μm以下であることが一般的であり、レンズの成形用金型には、このP−V値が0.1μm程度の面精度を求められることも珍しくない。このため、研磨工程には面形状を修正できることが必要とされる。
例えばカメラの撮像用レンズでは、面精度(凹凸の山と谷の距離)がP−V値で1μm以下であることが一般的であり、レンズの成形用金型には、このP−V値が0.1μm程度の面精度を求められることも珍しくない。このため、研磨工程には面形状を修正できることが必要とされる。
ところが、従来技術で用いられるスムージング工具100のように単一加工痕の除去量分布がM字状で2つのピークを持つ場合、形状修正加工は非常に困難となる。
例えば、研磨加工前の被加工物の形状データ(設計式に対する誤差データ)が図8のように中心に削り残しがある場合、研磨工具を被加工物の子午線上のどの位置で滞留させても中心部分のみを選択的に除去することは不可能である。
例えば、研磨加工前の被加工物の形状データ(設計式に対する誤差データ)が図8のように中心に削り残しがある場合、研磨工具を被加工物の子午線上のどの位置で滞留させても中心部分のみを選択的に除去することは不可能である。
このため、従来技術のように円盤状のスムージング工具を用いて加工した場合は、その後に形状修正研磨工程を加える必要がある。例えば、図9のように研磨工具として球状のものを用いて、研磨工具の回転軸を被加工物の法線に対して傾斜させて回転させることにより、単一加工痕の除去量分布が球心位置でピークとなるようにした加工方法を用いて形状修正研磨を行う。
しかし、この場合には、修正加工の分だけ工程が増えることにより、全体の加工所要時間(リードタイム)が長くなるといった技術的課題がある。
また、円盤状の研磨工具に比べて球状の研磨工具の方が接触面積が小さくなるため、円盤状の研磨工具を用いて得られた平滑な面に対してうねりを発生させてしまい、面品質を低下させてしまうといった技術的課題もある。
特許第3942573号
また、円盤状の研磨工具に比べて球状の研磨工具の方が接触面積が小さくなるため、円盤状の研磨工具を用いて得られた平滑な面に対してうねりを発生させてしまい、面品質を低下させてしまうといった技術的課題もある。
本発明の目的は、被加工物における研削加工後の面粗さの向上や挽き目の除去を効率良く行えると同時に、被加工物の形状修正も行うことができ、うねりのない平滑な研磨面を得ることが可能な研磨加工技術を提供することにある。
本発明は、被加工物の加工主面に研磨工具の加工作用面を当接させ、前記被加工物および前記研磨工具を互いに回転させて相対的に移動走査させる研磨加工方法であって、
前記加工作用面の外径が前記被加工物の前記加工主面の外径よりも大きな前記研磨工具を用い、前記研磨工具の前記加工作用面の中心部が前記被加工物の前記加工主面の外周から中心部までの子午線上を走査するように前記被加工物および前記研磨工具を相対的に移動させる研磨加工方法を提供する。
前記加工作用面の外径が前記被加工物の前記加工主面の外径よりも大きな前記研磨工具を用い、前記研磨工具の前記加工作用面の中心部が前記被加工物の前記加工主面の外周から中心部までの子午線上を走査するように前記被加工物および前記研磨工具を相対的に移動させる研磨加工方法を提供する。
本発明によれば、被加工物における研削加工後の面粗さの向上や挽き目の除去を効率良く行えると同時に、被加工物の形状修正も行うことができ、うねりのない平滑な研磨面を得ることが可能な研磨加工技術を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の一実施の形態である研磨加工方法に用いられる研磨工具の構成の一例を示す断面図であり、図2A、図2B、図2Cは、本発明の一実施の形態である研磨加工方法における加工状態の一例を工程順に示す断面図である。
[実施の形態1]
図1は、本発明の一実施の形態である研磨加工方法に用いられる研磨工具の構成の一例を示す断面図であり、図2A、図2B、図2Cは、本発明の一実施の形態である研磨加工方法における加工状態の一例を工程順に示す断面図である。
図3は、本実施の形態の研磨加工方法の作用の一例を示す線図である。
後述の図2A、図2B、図2Cに例示されるように、本実施の形態では、一例として、直径D0が20mmで、光学機能面となる加工主面5aの曲率半径Rが30mmの凸レンズである被加工物5に対して、スムージング加工として研磨加工を行う例について説明する。
後述の図2A、図2B、図2Cに例示されるように、本実施の形態では、一例として、直径D0が20mmで、光学機能面となる加工主面5aの曲率半径Rが30mmの凸レンズである被加工物5に対して、スムージング加工として研磨加工を行う例について説明する。
図1に例示されるように、本実施の形態の研磨工具10は、回転軸1と、弾性体2と、固定砥粒フィルム3とを備えている。
研磨工具10の回転軸1の一端は、不図示の加工機にチャッキングされており、もう一方の端面は被加工物5の形状を略転写した曲率半径Rが−30mmの凹球面形状の加工作用面4となっている。すなわち、加工作用面4は、被加工物5の加工主面5aと凹凸が逆に転写された形状である。
研磨工具10の回転軸1の一端は、不図示の加工機にチャッキングされており、もう一方の端面は被加工物5の形状を略転写した曲率半径Rが−30mmの凹球面形状の加工作用面4となっている。すなわち、加工作用面4は、被加工物5の加工主面5aと凹凸が逆に転写された形状である。
この場合、研磨工具10の直径D1は21mmであり、上述の加工対象の被加工物5の直径D0(20mm)よりも大きく設定されている。なお、研磨工具10の直径D1の値は、被加工物5の直径D1よりも大きければ(D1>D0)、任意である。
研磨工具10の加工作用面4には、当該加工作用面4の形状に倣うように弾性体2が張り付けられている。この弾性体2は、たとえば弾性に富むゴムスポンジであるが、厚さは1〜10mmの範囲で、研磨加工中に、研磨工具10の回転に伴ってよじれたりしない厚さを選定するのが良い。本実施の形態では弾性体2として厚さ3mmのゴムスポンジを用いた。
さらに、弾性体2の表面には、全面に固定砥粒フィルム3が張り付けられており、この固定砥粒フィルム3の表面が加工作用面4として機能する。
この固定砥粒フィルム3は、たとえば樹脂性のフィルムに砥粒が練りこまれたものである。固定砥粒フィルム3の厚さは、一例として12.5μm〜200μm程度であることが望ましく、被加工物5の加工主面5aの形状に倣うような厚さを選定するのが良い。また、砥粒はダイヤモンド、アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム等から、被加工物5に適した砥粒と粒径を選択するのが良い。
この固定砥粒フィルム3は、たとえば樹脂性のフィルムに砥粒が練りこまれたものである。固定砥粒フィルム3の厚さは、一例として12.5μm〜200μm程度であることが望ましく、被加工物5の加工主面5aの形状に倣うような厚さを選定するのが良い。また、砥粒はダイヤモンド、アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム等から、被加工物5に適した砥粒と粒径を選択するのが良い。
または、固定砥粒フィルム3を用いずに、前記砥粒が含まれたスラリーやペーストを弾性体2の表面(加工作用面4)に供給しても良い。
本実施の形態では、固定砥粒フィルム3として、厚さが25μmのフィルムに酸化セリウムが練りこまれたものを用いた。
本実施の形態では、固定砥粒フィルム3として、厚さが25μmのフィルムに酸化セリウムが練りこまれたものを用いた。
以下、本実施の形態1の作用の一例について説明する。
被加工物5は不図示の姿勢制御装置により、X、Z、θの3軸移動制御が可能となっており、研磨工具10が被加工物5の子午線上を相対的に移動走査するように、被加工物5が姿勢制御される。また、加工中は研磨工具10及び被加工物5は自転している。
被加工物5は不図示の姿勢制御装置により、X、Z、θの3軸移動制御が可能となっており、研磨工具10が被加工物5の子午線上を相対的に移動走査するように、被加工物5が姿勢制御される。また、加工中は研磨工具10及び被加工物5は自転している。
図2A、図2B、図2Cは、それぞれ、加工開始時、加工途中、加工終了時の状態を表す断面図である。研磨工具10の回転中心4aが当接する点Pにおける被加工物5の法線Lと、研磨工具10の回転軸Cとが常に一致するように被加工物5の姿勢制御を行っている。
また、この加工開始時、加工途中、加工終了時の、それぞれの被加工物5の加工主面5aの加工量分布を、図3の曲線a、曲線b、曲線cに示す。
加工作用面4として機能する固定砥粒フィルム3は背面側の弾性体2の弾性により、被加工物5の加工主面5aに対してほぼ均等に接触している。すなわち、加工作用面4と加工主面5aの接触面内においては研磨荷重及び滞留時間はほぼ一定である。プレストンの原理より研磨工具10の周速度の大きい外周ほど加工能力は高くなるため、被加工物5において研磨工具10の外周部分が接する部分に加工量のピークが1箇所現れている。
加工作用面4として機能する固定砥粒フィルム3は背面側の弾性体2の弾性により、被加工物5の加工主面5aに対してほぼ均等に接触している。すなわち、加工作用面4と加工主面5aの接触面内においては研磨荷重及び滞留時間はほぼ一定である。プレストンの原理より研磨工具10の周速度の大きい外周ほど加工能力は高くなるため、被加工物5において研磨工具10の外周部分が接する部分に加工量のピークが1箇所現れている。
すなわち、図3の曲線a(加工開始時)では、被加工物5の中心部に、曲線b(加工途中)では、半径方向の中間部分に、曲線c(加工終了時)では、外周部に加工量のピークが1箇所現れている。
これにより、本実施の形態の場合には、被加工物5の加工主面5a上において意図した任意の位置での加工量の制御が可能となる。例えば、研磨工具10の走査速度又は研磨荷重を加工中に制御することにより加工量の制御が可能になるため、研磨工具10による被加工物5のスムージング加工の途中で被加工物5の加工主面5aの形状を修正することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、被加工物5の直径D0よりも大きな直径D1を持ち、被加工物5の加工主面5aと凹凸が反転した形状(曲率半径Rの符号が逆)の加工作用面4を有する研磨工具10を用いて、加工作用面4の中心部(回転中心4a)が被加工物5の加工主面5aの外周から中心部までの子午線上を走査するように被加工物5および研磨工具10を相対的に移動させることで研磨加工を行うので、被加工物5の加工主面5aにおける研削加工後の面粗さの向上や挽き目の除去を実現するためのスムージング加工を効率良く行えると同時に、加工主面5aの形状修正も行うことができ、短い加工所要時間にて、被加工物5の加工主面5aとして、うねりのない平滑な研磨面を得ることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2について、図を参照して説明する。
[実施の形態2]
実施の形態2について、図を参照して説明する。
図4は、本発明の他の実施の形態の研磨加工方法で用いられる研磨工具の構成例を示す断面図である。
図5A、図5B、図5Cは、本実施の形態の研磨加工方法の一例を工程順に示した断面図である。
図5A、図5B、図5Cは、本実施の形態の研磨加工方法の一例を工程順に示した断面図である。
なお、後述の図5A、図5B、図5Cに例示されるように、本実施の形態2では、直径D0が20mmで近似曲率半径Rが30mmの凸非球面レンズである被加工物15の加工主面15aを加工する例を示す。
図4に例示されるように、研磨工具20は、回転軸11と、弾性体12と、固定砥粒フィルム13とを備えている。
回転軸11の一端は、不図示の加工機にチャッキングされており、もう一方の端面は、被加工物15の近似曲率半径Rに対して符号が反対で絶対値が大きい球面か、又は平面形状の加工作用面14となっている。本実施の形態では加工作用面14が平面で、研磨工具20の直径D1は21mmとなっている。
回転軸11の一端は、不図示の加工機にチャッキングされており、もう一方の端面は、被加工物15の近似曲率半径Rに対して符号が反対で絶対値が大きい球面か、又は平面形状の加工作用面14となっている。本実施の形態では加工作用面14が平面で、研磨工具20の直径D1は21mmとなっている。
被加工物15は不図示の姿勢制御装置により、X、Z、θの3軸移動制御が可能となっており、研磨工具20が被加工物15の子午線上を相対的に移動走査するように、被加工物15が姿勢制御される。また、加工中は研磨工具20及び被加工物15は自転している。
図5A、図5B、図5Cは、それぞれ加工開始時、加工途中、加工終了時の各々の状態を表している。
研磨工具20の外周部が当接する加工主面15aの点Qにおける被加工物15の子午線上の法線Mと、研磨工具20の回転軸Cとが常に平行となるように、被加工物15の姿勢制御を行っている。
研磨工具20の外周部が当接する加工主面15aの点Qにおける被加工物15の子午線上の法線Mと、研磨工具20の回転軸Cとが常に平行となるように、被加工物15の姿勢制御を行っている。
このようにすることで、例えば、加工主面15aが変曲点を持つ非球面形状の被加工物15でも、研磨工具20において最も加工能力の高い外周部分が被加工物15の意図した位置に確実に当接するため、被加工物15における加工主面15a上の研磨量分布は加工量のピークが研磨工具20の外周部分が当接する部分の1箇所のみとなる。
よって実施の形態1と同様に、被加工物15に対する研磨工具20を用いたスムージング加工において、同時に加工主面15aの形状を修正することが可能となる。
以上の各実施の形態に説明したように、被加工物5(被加工物15)に対して接触面積の大きな研磨工具10(研磨工具20)を用いることによって、研削後の加工主面5a(加工主面15a)におけるクラックや挽き目の除去を効率良く行い、うねりのない平滑面が得られるとともに、加工主面5a(加工主面15a)の面形状を高精度に修正することができるため、スムージング加工等の研磨加工における加工所要時間の短縮と品質の向上を達成することができる。
以上の各実施の形態に説明したように、被加工物5(被加工物15)に対して接触面積の大きな研磨工具10(研磨工具20)を用いることによって、研削後の加工主面5a(加工主面15a)におけるクラックや挽き目の除去を効率良く行い、うねりのない平滑面が得られるとともに、加工主面5a(加工主面15a)の面形状を高精度に修正することができるため、スムージング加工等の研磨加工における加工所要時間の短縮と品質の向上を達成することができる。
すなわち、上述のような本発明の実施の形態にかかる研磨加工方法にて研磨加工されたレンズ又は金型によって成形されたレンズが搭載された製品のコストダウン、高精度化に寄与することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
(付記1)
回転軸対称形状を有する被加工物に略円盤状の研磨工具を当接させ、互いに回転させて相対的に移動走査させながら行う研磨加工方法において、前記研磨工具として、前記被加工物の外径より大きな外径の研磨工具を用い、前記研磨工具の中心位置が被加工物の外周から中心までの子午線上を走査するように相対的に移動させることを特徴とする光学素子又は光学素子成形用金型の研磨加工方法。
(付記2)
付記1に記載の研磨加工方法において、加工中の工具送り速度と研磨荷重とのいずれかを制御しながら加工することを特徴とする研磨加工方法。
(付記3)
付記1及び又は付記2に記載の研磨加工方法において、前記研磨工具の形状を被加工物の形状を略転写した球面とし、前記研磨工具の回転中心が当接する点における前記被加工物上の法線と、前記研磨工具の回転軸とが常に一致するように被加工物の姿勢を制御しながら加工することを特徴とする研磨加工方法。
(付記4)
付記1及び又は付記2に記載の研磨加工方法において、被加工物が凸面の場合は、前記研磨工具の形状を前記被加工物の近似曲率半径に対し符号が反対で絶対値の大きい球面か又は平面とし、被加工物が凹面の場合は、前記研磨工具の形状を前記被加工物の近似曲率半径に対し符号が反対で絶対値の小さい球面として、前記研磨工具の外周が当接する点における前記被加工物の子午線上の法線と、前記研磨工具の回転軸とが常に平行となるように被加工物の姿勢を制御しながら加工することを特徴とする研磨加工方法。
(付記1)
回転軸対称形状を有する被加工物に略円盤状の研磨工具を当接させ、互いに回転させて相対的に移動走査させながら行う研磨加工方法において、前記研磨工具として、前記被加工物の外径より大きな外径の研磨工具を用い、前記研磨工具の中心位置が被加工物の外周から中心までの子午線上を走査するように相対的に移動させることを特徴とする光学素子又は光学素子成形用金型の研磨加工方法。
(付記2)
付記1に記載の研磨加工方法において、加工中の工具送り速度と研磨荷重とのいずれかを制御しながら加工することを特徴とする研磨加工方法。
(付記3)
付記1及び又は付記2に記載の研磨加工方法において、前記研磨工具の形状を被加工物の形状を略転写した球面とし、前記研磨工具の回転中心が当接する点における前記被加工物上の法線と、前記研磨工具の回転軸とが常に一致するように被加工物の姿勢を制御しながら加工することを特徴とする研磨加工方法。
(付記4)
付記1及び又は付記2に記載の研磨加工方法において、被加工物が凸面の場合は、前記研磨工具の形状を前記被加工物の近似曲率半径に対し符号が反対で絶対値の大きい球面か又は平面とし、被加工物が凹面の場合は、前記研磨工具の形状を前記被加工物の近似曲率半径に対し符号が反対で絶対値の小さい球面として、前記研磨工具の外周が当接する点における前記被加工物の子午線上の法線と、前記研磨工具の回転軸とが常に平行となるように被加工物の姿勢を制御しながら加工することを特徴とする研磨加工方法。
1 回転軸
2 弾性体
3 固定砥粒フィルム
4 加工作用面
4a 回転中心
5 被加工物
5a 加工主面
10 研磨工具
11 回転軸
12 弾性体
13 固定砥粒フィルム
14 加工作用面
15 被加工物
15a 加工主面
20 研磨工具
C 研磨工具の回転軸
D0 被加工物の直径
D1 研磨工具の直径
2 弾性体
3 固定砥粒フィルム
4 加工作用面
4a 回転中心
5 被加工物
5a 加工主面
10 研磨工具
11 回転軸
12 弾性体
13 固定砥粒フィルム
14 加工作用面
15 被加工物
15a 加工主面
20 研磨工具
C 研磨工具の回転軸
D0 被加工物の直径
D1 研磨工具の直径
Claims (5)
- 被加工物の加工主面に研磨工具の加工作用面を当接させ、前記被加工物および前記研磨工具を互いに回転させて相対的に移動走査させる研磨加工方法であって、
前記加工作用面の外径が前記被加工物の前記加工主面の外径よりも大きな前記研磨工具を用い、前記研磨工具の前記加工作用面の中心部が前記被加工物の前記加工主面の外周から中心部までの子午線上を走査するように前記被加工物および前記研磨工具を相対的に移動させることを特徴とする研磨加工方法。 - 請求項1に記載の研磨加工方法において、
加工中の工具送り速度および研磨荷重の少なくとも一方を制御しながら加工することを特徴とする研磨加工方法。 - 請求項1または請求項2に記載の研磨加工方法において、
前記研磨工具の前記加工作用面の形状を前記被加工物の前記加工主面の形状が略転写された球面とし、前記研磨工具の回転中心が当接する点における前記被加工物の前記加工主面上の法線と、前記研磨工具の回転軸とが常に一致するように前記被加工物の前記研磨工具に対する相対的な姿勢を制御することを特徴とする研磨加工方法。 - 請求項1または請求項2に記載の研磨加工方法において、
前記被加工物の前記加工主面が凸面の場合は、前記研磨工具の前記加工作用面の形状を、前記加工主面の近似曲率半径に対し符号が反対で絶対値の大きい球面か又は平面とし、前記加工作用面の外周が当接する点における前記加工主面の子午線上の法線と、前記研磨工具の回転軸とが常に平行となるように前記被加工物の前記研磨工具に対する相対的な姿勢を制御しながら研磨加工を行うことを特徴とする研磨加工方法。 - 請求項1または請求項2に記載の研磨加工方法において、
被加工物の前記加工主面が凹面の場合は、前記研磨工具の前記加工作用面の形状を前記加工主面の近似曲率半径に対し符号が反対で絶対値の小さい球面とし、前記加工作用面の外周が当接する点における前記加工主面の子午線上の法線と、前記研磨工具の回転軸とが常に平行となるように前記被加工物の前記研磨工具に対する相対的な姿勢を制御することを特徴とする研磨加工方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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