JP2005300879A - ラビング方法、装置及び光学的異方性シートの製造方法 - Google Patents

ラビング方法、装置及び光学的異方性シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 連続基材表面に配向膜を積層した構造の配向膜付シートに対して、その長手方向に対して大きく傾斜した方向或いは垂直方向にラビング処理を行うことを可能とする。
【解決手段】 配向膜付シート1をその長手方向に連続的に走行させておき、配向膜付シート1の幅よりも大きい外径のラビングロール22を回転させながらその外周面を配向膜付シート1の全幅に、ラビングロール22の回転による外周面の移動方向Bが配向膜付シート1の長手方向に対して交差する方向となるようにして接触させ、ラビング処理する構成とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶ディスプレイなどに用いる光学的異方性シートの製造に用いる配向膜付シートに対してラビング処理を行う方法及び装置ならびに光学的異方性シートの製造方法に関する。
液晶ディスプレイには、偏光素子と光学補償シートとを積層した偏光板が使用されている。光学補償シートは、画像着色の補正、視野角の拡大などのために使用されており、液晶ディスプレイの用途および表示モードにより種々な光学的性質のものが開発されている。従来は光学補償シートの材料として、延伸複屈折ポリマーフィルムが多用されていたが、近年では光学的異方性を有する液晶性分子にて構成された光学的異方性シートが提案されている。光学的異方性シートは、支持基材上に配向膜を形成し、その配向膜表面をラビング処理した後、液晶材料を塗布し、乾燥、硬化させて光学的異方性を備えた光学機能層を形成する方法によって製造されることが多い。
偏光板に用いる光学的異方性シートや偏光素子の製造においては、生産性を上げるため、一般にロール状に巻いた連続形態のものが使用されている。すなわち、光学的異方性シートの製造に当たっては、支持基材として連続した透明樹脂フィルム等の連続基材が用いられ、その連続基材の表面に配向膜を形成して配向膜付シートとしてロール状に巻き取る工程、その連続配向膜付シートを連続的に走行させ、配向膜にラビングロールを接触させてラビング処理を行い、再びロール状に巻き取る工程、ラビング処理後の配向膜付シートの配向膜上に液晶材料を塗布し、乾燥、硬化させて光学機能層を形成しロール状に巻き取る工程等を経てロール形態の光学的異方性シートが製造されている。また、偏光素子の製造に当たっては、連続した樹脂フィルムに延伸処理を施してロール状に巻き取り、ロール形態の偏光素子を製造している。液晶ディスプレイに使用される偏光板は、光学的異方性シートと偏光素子を貼り合わせた後、液晶セル部材に積層されるケースが多い。この際、光学的異方性シートと偏光素子は、液晶ディスプレイの表示モードによって、偏光素子の透過軸と光学的異方性シートの遅相軸が所望の角度(例えば、平行、直角等)となるように配置している。
樹脂フィルムに延伸処理を施して形成した偏光素子は、延伸方向に垂直方向が透過軸に相当する。このため、連続した樹脂フィルムに延伸処理を施して形成した連続形態の偏光素子では、多くの場合延伸処理が長手方向に実施されることから、透過軸は長手方向に垂直方向すなわち幅方向となっている。一方、光学的異方性シートの遅相軸は、光学機能層を棒状液晶性分子で構成した場合、その棒状液晶性分子の長軸方向に相当する。また、棒状液晶性分子の長軸方向は、配向膜の材料によっても異なるが、多くの場合、ラビング処理方向(配向膜をラビング布等で擦る方向)と同方向或いはそれに近い方向となっている。従来、連続した配向膜付シートに対するラビング処理には上記したようにラビングロールを用いており、具体的には、図6に示すように一対のガイドロール2a、2bで案内されている配向膜付シート1に、ラビングロール3を、その軸線が配向膜付シート1の長手方向(走行方向A)に垂直になるように配置して接触させ、ラビング処理している。従って、この方法でラビング処理した配向膜付シートのラビング処理方向は長手方向となっており、この配向膜付シートを用いて製造した光学的異方性シートの遅相軸は、光学的異方性シートのほぼ長手方向となっている。以上のことから、ロール状に巻かれた連続形態の偏光素子と、ロール状に巻かれた連続形態の光学的異方性シートを積層して偏光板を製造する場合、偏光素子の透過軸と光学的異方性シートの遅相軸とがほぼ垂直になるように積層する場合には、単に偏光素子と光学的異方性シートとを、両者の長手方向を互いに平行にして積層すればよいので、連続的に積層可能であり、きわめて生産性を高くすることができると共に両者の貼り合わせ誤差を小さくできる。
しかしながら、偏光板に要求される光学的特性は、上記した場合に限らず、表示モードの違いによって光学的異方性シートの遅相軸と偏光素子の透過軸の角度を小さくすることが望ましい場合もあり、その場合には上記のようにして製造した光学的異方性シートを、連続した偏光素子に両者の長手方向を平行にして積層しただけでは所望の光学的特性は得られない。また、従来より、図7に示すように、ラビングロール3を配向膜付シート1の進行方向に対して傾斜させてラビング処理することも知られており、これによって、ラビング処理方向を長手方向に対して、ラビングロール3の配向膜付シートの幅方向に対する傾斜角θにほぼ等しい角度だけ、傾斜させることができる。しかしながら、この場合、良好なラビング処理を行うには、ラビングロール3の配向膜付シート1の幅方向に対する傾斜角θは60度程度が限度であり、このため、ラビング処理方向の長手方向に対する傾斜角も60度程度が限界となり、ラビング処理後の配向膜付シートから得られた光学的異方性シートの遅相軸の長手方向に対する傾斜角も最大60度程度である。従って、図7に示すような傾斜したラビングロールを用いてラビング処理した配向膜付シートから作った光学的異方性シートと連続偏光素子とを、両者の長手方向を平行にして積層した場合、得られた偏光板では、光学的異方性シートの遅相軸と偏光素子の透過軸の角度は最小でも30度程度であり、その以下にはできない。このため、光学的異方性シートの遅相軸と偏光素子の透過軸の角度を30度以下とした偏光板を製造するには、光学的異方性シート又は偏光素子の一方又は双方を所望サイズに切断後、両者のアラインメントを行い積層するという操作を行わなければならず、工程が増える他、貼り合わせ方式が複雑化するといった問題がある。
特開2000−98134号公報 特開昭61−160720号公報 特開平8−160431号公報 特開2001−255413公報
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、連続した配向膜付シートに対して、その長手方向に大きい角度で交差する方向(大きく傾斜した方向あるいは垂直方向)にラビング処理することの可能なラビング方法及び装置を提供し、これによって、遅相軸が長手方向に対して大きく傾斜するかあるいは垂直となった光学的異方性シートの製造を可能とし、この光学的異方性シートを用いて偏光板を生産性良く製造することを可能とすることを課題とする。
本発明のラビング方法は、配向膜付シートを連続的に搬送している状態で該配向膜付シートの長手方向に対して大きく傾斜した方向にあるいは垂直方向にラビング処理することを可能とするため、配向膜付シートの幅よりも大きい外径のラビングロールを回転させながらその外周面を前記配向膜付シートの全幅に、該配向膜付シートに接触する位置でのラビングロール外周面の移動方向が前記配向膜付シートの長手方向に対して交差する方向となるようにして接触させ、ラビング処理する構成としたものである。このように配向膜付シートの全幅よりも大きい外径のラビングロールを用いたことで、配向膜付シートに接触する位置でのラビングロール外周面の移動方向を、配向膜付シートの長手方向に対して大きく傾斜した方向や垂直方向としても、ラビングロールを配向膜付シートの全幅に接触させてラビング処理することが可能となり、配向膜付シートの長手方向に対して大きく傾斜した方向や垂直方向にラビング処理することができる。前記ラビングロールの外周面の移動方向は、配向膜付シートの長手方向に対して45〜90度の角度で交差する方向とすることが好ましく、これにより、長手方向に対して45〜90度の角度で交差した方向にラビング処理することができる。
本発明のラビング装置は、連続基材表面に配向膜を積層した配向膜付シートを長手方向に走行するように案内する一対のガイドロールと、前記配向膜付シートの幅よりも大きい外径のラビングロールであって、前記一対のガイドロール間に位置する配向膜付シートの全幅に外周面を接触させるように配置されたラビングロールと、該ラビングロールを回転駆動するラビングロール回転駆動装置を備えるという構成としたものであり、ラビングロールを、ラビングロール回転による外周面の移動方向が配向膜付シートの長手方向に対して交差する方向となるように設置してラビング処理を行うことにより、上記した本発明方法を実施し、配向膜付シートの長手方向に対して大きい角度で交差する方向でのラビング処理を行うことができる。
ここで、前記ラビングロールを、配向膜付シートに接触する位置での外周面の移動方向が配向膜付シートの長手方向に対して45〜90度の角度で交差する方向となるように配置しておくことが好ましく、これにより、配向膜付シートに対して、長手方向に45〜90度の角度で交差する方向のラビング処理を行うことができる。
前記ラビングロールの直径は大きくするほど、配向膜付シートがラビングロール外周面に接触した際の接触圧力の幅方向における分布を小さくでき、具体的には、前記ラビングロールの半径Rを、配向膜付シートの幅Wに対して、 R>2W/π の関係が成り立つように定めておくことが好ましい。また、ガイドロールとラビングロールとの中心間距離dも大きくするほど、配向膜付シートがラビングロール外周面に接触した際の接触圧力の幅方向における分布を小さくでき、具体的には、中心間距離dをラビングロールの半径Rに対して、 d>10R の関係が成り立つように定めておくことが好ましい。
本発明の光学的異方性シートの製造方法は、上記した本発明のラビング方法でラビング処理された配向膜付シートの配向膜上に液晶材料を塗布し、乾燥、硬化させる構成としたものであり、これによって、遅相軸が長手方向に対して大きい角度で交差した(すなわち、大きい角度で傾斜したあるいは垂直となった)特性の光学的異方性シートを製造できる。
本発明のラビング方法及び装置によれば、連続した配向膜付シートに対して、長手方向に大きい角度で交差する方向の、例えば45〜90度程度で交差する方向のラビング処理を施すことができる。このため、ラビング処理を施した配向膜付シートを用いて光学的異方性シートを製造することにより、遅相軸の長手方向に対する角度が45度〜90度程度となった光学的異方性シートを容易に製造でき、特に、ラビング処理方向をシート長手方向に対して60〜90度程度としておくことにより、従来製造が困難であった遅相軸が長手方向に対して60〜90度程度傾斜した光学的異方性シートを容易に製造できる。従って、これらの光学的異方性シートを、連続形態の偏光素子に対して単に両者の長手方向を平行にして積層することにより、光学的異方性シートの遅相軸と偏光素子の透過軸のなす角度が小さい、例えば、0〜45度程度の範囲内の偏光板を生産性良く且つ貼り合わせ精度よく製造することが可能となる。
図1は、本発明の好適な実施形態に係るラビング装置の概略構成を示すものである。全体を参照符号10で示すラビング装置は、透明ポリマーフィルム等からなる連続基材表面に配向膜を積層した構成の配向膜付シート1の巻取をセットし、その巻取から配向膜付シート1(以下連続シート1と称する)を繰り出す供給装置11と、連続シート1の幅方向の走行位置を安定させるEPC装置12と、連続シート1に対してラビング処理を施すためのラビング処理部13と、連続シート1の幅方向の走行位置を安定させるEPC装置15と、連続シート1の表面のごみ、ほこり等の異物を除去するためのフィルム除塵装置16と、ラビング処理後の連続シート1を巻き取る巻取装置17と、連続シート1が所定の経路に沿って走行するよう案内し且つ連続的に走行させる多数のガイドロール18(ラビング処理部13に配置された一対のガイドロール18a、18bを含む)等を備えている。ここで、連続シート1は、ラビング処理部13に配置している一対のガイドロール18a、18bの間を通過する際には下面側に配向膜が位置するようにセットされている。また、一対のガイドロール18a、18bの間を走行する連続シート1は、ラビング処理時に不安定な変動を生じないように適度なテンションが加わった状態に保持されるようになっている。
ラビング処理部13は、連続シート1を水平に走行させるように配置された一対のガイドロール18a、18bの間に位置している連続シート1の下面に対して、その長手方向に傾斜した方向にラビング処理を施すことが可能な構成のものであり、図2にも示すように、一対のガイドロール18a、18bの間に下方に配置された回転テーブル21と、その回転テーブル21に一対の支柱24を介して定位置で回転するように保持された大径のラビングロール22と、そのラビングロール22を回転駆動させるラビングロール回転駆動装置(図示せず)等を備えている。
ラビングロール22は金属鏡面ロール表面に両面テープ等を用いてレーヨン等で作られたラビング布を一様に貼り付けた構造のものであり、そのラビングロール22を回転させた状態で連続シート1に接触させることでラビング処理を施すことができる。このラビングロール22は従来のラビングロールとは異なり、その外径を連続シート1の幅よりもかなり大きく定めており、このラビングロール22をその軸線が連続シート1の長手方向に平行になるように配置した際、連続シート1の全幅がラビングロール22の円周の一部に接触するようにしている。ラビングロール22の長さは、図2に示すように、連続シート1をラビングロール22の軸線方向に接触させてラビング処理する際に所望のラビング効果が得られるように定めればよく、所望のラビング効果が得られる範囲で短くしてもよいが、この実施形態では、図3に示すように、ラビングロール22の軸線を連続シート1の長手方向に垂直とした状態でラビング処理することができるように考慮しており、このため、ラビングロール22の長さを連続シート1の幅より大きく設定している。
回転テーブル21は、図2(c)、図3(b)に示すように、中央に設定している旋回点Oを中心として旋回可能で且つ所望の角度位置に固定しうる構造となっている。この旋回点Oは、一対のガイドロール18a、18bで案内されて所定位置を走行する連続シート1の中心軸線上に位置するように配置されている。また、ラビングロール22は回転テーブル21に対して、平面で見た時のラビングロール22の中心点Cが回転テーブル21の旋回点Oに一致する位置となるように取り付けられている。これにより、回転テーブル21を旋回点Oを中心として旋回させることで、ラビングロール22を、平面で見た状態で、その中心点Cを連続シート1の中心線上に位置させた状態で旋回させることができ、従って、ラビングロール22の中央領域を連続シート1に重ならせた状態でラビングロール22外周面の移動方向B、すなわち、連続シート1に接触してラビング処理を行う外周面の移動方向Bを所望の方向に、即ち長手方向Y−Yに交差する角度αを所望の角度に変更できる。ラビングロール22外周面の移動方向Bは連続シート1に対するラビング処理方向にほぼ等しいので、連続シート1に施すべきラビング処理方向に応じて、回転テーブル21の角度位置を設定しておけばよい。なお、図2(c)では、ラビングロール22の走行方向Bを、連続シート1の長手方向Y−Yに対して垂直となるように設定している。
図1において、ラビング処理部13によるラビング位置をはさんで配置された一対のガイドロール18a、18bは、直動案内(図示せず)で昇降可能に保持されると共に駆動装置26で昇降し所望高さに位置決め可能としている。この構成により、連続シート1をその全幅がラビングロール22の外周面にラビング処理に望ましい接触圧で接触するように、連続シート1の走行位置を規制することができる。
ラビングロール22の両側に位置しているガイドロール18a、18bの近傍には、連続シート1へのごみ、ほこり等の異物の付着を防止するための除電装置29が設けられている。また、一対のガイドロール18a、18bの間に、ラビング処理部13及びラビングロール22に接触している連続シート1を覆うように、連続シート1の出入口を備えた防塵カバー30が設けられている。この防塵カバー30の内部は、除塵フィルタを備えた排気装置(図示せず)によって常時排気されて負圧に保たれている。この構成により、ラビング処理によって生じる連続シート1の配向膜の削りカスやラビング布の脱落繊維などの異物が周囲に飛散して堆積したり、連続シート1に付着することが防止される。なお、排気された空気は異物を除去した後、ラビング装置10を設置している室内に戻されようになっている。
次に、ラビング処理動作を説明する。あらかじめ回転テーブル21を所望方向へのラビング処理が行われるように設定しておく。また、図1において一対のガイドロール18a、18bの高さ位置を、連続シート1をラビングロール22に対して所望の接触圧で接触させることができる位置に位置決めしておく。この状態で連続シート1が連続的に一定速度で搬送される。同時に、大径のラビングロール22が一定速度で一定方向に回転する。かくして、図2(c)、(d)から良く分かるように、ラビングロール22の円周面が連続シート1の全幅に接触しながら長手方向に対してほぼ垂直な方向(矢印B方向)に移動してラビング処理を連続的に行い、これにより、連続シート1に対して長手方向にほぼ垂直方向にラビング処理が行われる。
次に、連続シート1に対するラビング処理方向を説明する。図4(a)に示すように、ラビングロール22の回転によるその外周面の移動方向Bを、矢印A方向に走行中の連続シート1の長手方向Y−Yに対して垂直となるように設定した場合、ラビングロール22の回転によって、ラビングロール22表面のラビング布は、ラビングロール22外周面の移動方向Bに、すなわち長手方向Y−Yに対して垂直方向に、ラビングロール22の周速度によって定まる移動速度VB で移動する。一方、連続シート1が矢印Aで示すように図面で右方向に走行しているため、ラビング布は連続シート1に対して長手方向に、連続シート1の走行方向とは逆方向に連続シート1の走行速度で定まる移動速度VA で移動する。このため、ラビング布の連続シート1に対する相対的な移動速度V及び移動方向は、これらの二つの移動速度VB 、VA の大きさ及び方向によって定まることとなり、移動速度Vの方向(すなわち、正確なラビング処理方向)は、図示したようにラビングロール22の外周面の移動方向Bとは若干(角度βだけ)ずれることとなる。しかしながら、実際には、ラビングロール22の走行速度及び周速度によって定まる移動速度VB が、連続シート1の移動速度で定まる移動速度VA に比べてはるかに大きいため、ずれ角度βはきわめて小さく、このため、多くの場合ラビング処理方向をラビングロール22外周面の移動方向Bに近似することができる。なお、厳密にラビング処理方向を長手方向Y−Yに対して垂直としたい場合には、図4(b)に示すように、回転テーブル21の配置角度を調整してラビングロール22外周面の移動方向Bを、連続シート1の走行による移動速度VA を考慮して傾斜させておけば(交差角αを直角より若干小さくしておけば)よい。以上のようにして、連続シート1に対するラビング処理が行われ、ラビングロール22外周面の移動方向Bを連続シート1の長手方向Y−Yに対して垂直方向としておくことで、長手方向Y−Yにほぼ垂直方向のラビング処理を行うことができる。
ラビング処理方向を変更するには、回転テーブル21を、旋回点Oを中心として旋回させ、ラビングロール22外周面の移動方向Bの連続シート1の長手方向Y−Yに対する傾斜角αを所望の角度とし、その位置に回転テーブル21を固定して上記したラビング処理操作を行えば良い。ここで、このラビング装置で採用する傾斜角αとしては、45度〜90度の範囲内とすることが好ましく、このように設定することで、ラビング処理方向を長手方向に対して45度〜90度の範囲内とすることができる。また、傾斜角αを60〜90度とすることで、従来実施困難であった方向でのラビング処理を行うことができるので、一層好ましい。更に、この実施形態では、図3に示すように、ラビングロール22の外周面の移動方向Bを連続シート1の長手方向に設定することで、連続シート1の長手方向にラビング処理を行うことも可能である。
次にラビングロール22の外径及びラビングロール22とその上下流に配置されたガイドロール18a、18bとの距離について更に説明する。大径のラビングロール22を用いて図2に示すように、外周面の一部の円弧に連続シート1を接触させてラビング処理を行う場合、ラビングロール22に対する接触位置によって一対のガイドロール18a、18b間のパス長が異なっている。すなわち、図2(a)において、連続シート1の幅方向の中央領域1aはラビングロール22の最上部を通過するためパス長が長く、一方、連続シート1の側縁領域1bはラビングロール22の最上部より低い位置を通過するためパス長が短くなっている。このため、連続シート1の張力は中央領域1aが側縁領域1bに比べて大きくなる。連続シート1の幅方向にこのような張力差が生じていると、連続シート1の走行が不安定になることがあり、また、ラビングロール22に対する接触圧力にも差が生じてラビング効果に影響することがある。従って、連続シート1の幅方向に生じる張力差は極力小さくすることが望ましく、そのためには、パス長の差を極力小さくすることが望ましい。パス長の差を小さくするには、ラビングロール22の直径を極力大きくして、図2(b)に示す連続シート1が接触する円弧に対する中心角γを小さくすることが有効である。本発明者らが確認した結果、中心角γのおおよその目安としては、90°以下とすること(連続シート1がラビングロール全周の1/4以下の円弧に接触すること)が好ましいことが判明した。従って、ラビングロール22の半径Rは、連続シート1の幅をWとした時に、R>2W/π となるように設定することが好ましい。また、パス長の差に基づく張力差は、パス長によっても大きく影響を受けており、パス長が長いほど張力差は小さくなる。このため、張力差を極力小さくするため、各ガイドロール18a、18bとラビングロール68との中心間距離dは極力大きくすることが好ましく、おおよその目安としては10R(mm)以上とすることが好ましい。このように中心角γ及び中心間距離dを定めることで、連続シート1の幅方向における張力差を小さくし、それによって連続シート1の走行を安定させることができ、且つ均一なラビング処理を施すことができる。なお、連続シート1の中央領域と両端領域でのパス長を差を小さくするため、一対のガイドロール18a、18bとして、単純な円筒状のロールに代えて、鼓形等のロールを用いても良い。
上記した実施形態におけるラビング処理部13は、一対のガイドロール18a、18bの間に延びている連続シート1の上面側を支えることなくラビング処理する構成としているが、連続シート1に付与するテンションが小さくてラビング処理時に連続シート1が変形する恐れがある場合には、連続シート1に関してラビングロール28とは反対側にすなわち連続シート1の上面側に、連続シート1をバックアップ支持するバックアップ支持手段を設けてもよい。更に、上記した実施形態では、回転テーブル21を用いて、ラビングロール22外周面の移動方向Bを調整可能としているが、あらかじめ定めた方向のみにラビング処理を行う場合には、回転テーブル21を省略し、ラビングロール22を所望の方向に向けた状態で固定するようにしてもよい。
上記構成のラビング装置10によってラビング処理され、巻き取られた連続シート(配向膜付シート)1は、光学機能層を形成する工程に送られ、配向膜上に液晶材料(例えば、液晶ポリマー、液晶オリゴマー又は重合性メソゲン材料等)を塗布し、乾燥、硬化(架橋又は重合)させることで光学的異方性を備えた光学機能層が形成され、光学的異方性シートが製造される。得られた光学的異方性シートは、長手方向に対して交差する方向のラビング処理を施した配向膜付シートに光学機能層を形成したものであるので、遅相軸が長手方向に対して交差する方向となった特性を備えている。更に、上記ラビング装置10では、配向膜付シートに施すラビング処理方向を、配向膜付シートの長手方向に対して大きい角度、例えば45度〜90度程度の角度で交差する方向とすることが可能であるので、その方向でのラビング処理を施した配向膜付シートを用いて作製した光学的異方性シートは、遅相軸が長手方向に対して大きい角度、例えば45〜90度程度の角度で交差する方向となった特性を備えている。
以上に説明したラビング装置10は、ラビング処理のみを行い、ラビング処理後の連続シート1を巻き取っているが、これを光学機能層の形成ラインと組み合わせることでラビング処理と光学機能層形成とを1ラインで実施することも可能である。図5はそのように構成した光学的異方性シートの製造装置40を示すものであり、図1に示す装置と同一或いは同様な部分には同一符号を付している。この製造装置40は、図1のラビング装置10と同様に、供給装置11、EPC装置12、ラビング処理部13、EPC装置15、フィルム除塵装置16等を備えており、更にその下流に、液晶塗布装置42、乾燥装置43、UV硬化装置44、巻取装置17等が配置されている。この構成の製造設備40では、供給装置11から、表面に配向膜を有する連続シート1が引き出され、ラビング装置13によってラビング処理された後、そのラビング処理後の表面に液晶材料(例えば、液晶ポリマー、液晶オリゴマー又は重合性メソゲン材料等)が塗布され、乾燥、硬化(架橋又は重合)工程を経て巻取装置17に巻き取られる。かくして、連続シート1に、長手方向に対して大きい角度、例えば45〜90度程度の角度で交差する方向のラビング処理を行い、その上に光学機能層を形成することで、遅相軸が長手方向に対して大きい角度、例えば45〜90度程度の角度で交差する方向となった特性の光学的異方性シートを連続的に製造できる。
以上のようにして製造した光学的異方性シート及びこの光学的異方性シートに偏光素子を積層して形成した偏光板の主要な用途としては、液晶表示素子用色補償板、液晶表示素子用視野角補償板、光学的位相差板、1/2波長板、1/4波長板、旋光性光学素子、光学素子用積層シート等を挙げることができる。
本発明の実施形態に係るラビング装置の概略構成図 (a)は図1に示すラビング装置のラビング処理部の概略側面図、(b)は(a)に示すラビングロール及びそれに接触する連続シートをロール軸線方向に見て示す概略端面図、(c)はラビング処理部の概略平面図、(d)はラビング処理部の概略斜視図 (a)は図1に示すラビング装置のラビング処理部を、ラビングロール軸線を連続シートの長手方向に対して垂直した状態で示す概略側面図、(b)はその概略平面図 (a)、(b)はラビング処理方向を説明する概略平面図 光学的異方性シートの製造装置の1例を示す概略構成図 (a)は従来のラビング装置の1例を示す概略側面図、(b)はその概略平面図 (a)は従来のラビング装置の他の例を示す概略側面図、(b)はその概略平面図
符号の説明
1 配向膜付シート(連続シート)
10 ラビング装置
11 供給装置
12、15 EPC装置
13 ラビング処理部
16 フィルム除塵装置
17 巻取装置
18a、18b ガイドロール
21 回転テーブル
22 ラビングロール
24 支柱
29 除電装置
30 防塵カバー
40 光学的異方性シート製造装置
42 液晶塗布装置
43 乾燥装置
44 UV硬化装置

Claims (7)

  1. 連続基材表面に配向膜を積層した配向膜付シートをその長手方向に連続的に走行させる工程と、前記配向膜付シートの幅よりも大きい外径のラビングロールを回転させながらその外周面を前記配向膜付シートの全幅に、該配向膜付シートに接触する位置でのラビングロール外周面の移動方向が前記配向膜付シートの長手方向に対して交差する方向となるようにして接触させ、ラビング処理する工程を有することを特徴とするラビング方法。
  2. 前記ラビングロール外周面の移動方向を、配向膜付シートの長手方向に対して45〜90度の角度で交差する方向としたことを特徴とする請求項1記載のラビング方法。
  3. 連続基材表面に配向膜を積層した配向膜付シートを長手方向に走行するように案内する一対のガイドロールと、前記配向膜付シートの幅よりも大きい外径のラビングロールであって、前記一対のガイドロール間に位置する配向膜付シートの全幅に外周面を接触させるように配置されたラビングロールと、該ラビングロールを回転駆動するラビングロール回転駆動装置を有するラビング装置。
  4. 前記ラビングロールを、配向膜付シートに接触する位置での外周面の移動方向が配向膜付シートの長手方向に対して45〜90度の角度で交差する方向となるように配置したことを特徴とする請求項3記載のラビング装置。
  5. 前記ラビングロールの半径Rを、配向膜付シートの幅Wに対して、
    R>2W/π
    の関係が成り立つように定めたことを特徴とする請求項3又は4記載のラビング装置。
  6. 前記ガイドロールとラビングロールとの中心間距離dを、ラビングロールの半径Rに対して、
    d>10R
    の関係が成り立つように定めたことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項記載のラビング装置。
  7. 請求項1又は2に記載のラビング方法でラビング処理された配向膜付シートの配向膜上に液晶材料を塗布する工程と、塗布した液晶材料を、乾燥、硬化させる工程を有する光学的異方性シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008224702A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Jsr Corp 液晶表示素子の製造方法、及び装置
JP2015121805A (ja) * 2009-08-31 2015-07-02 Hoya株式会社 偏光素子及び偏光レンズの製造方法
WO2016152685A1 (ja) * 2015-03-20 2016-09-29 日本ゼオン株式会社 ラビングされた帯状基材の製造方法、及びラビング装置

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