JP2015121315A - 負荷感応型減速装置 - Google Patents
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Description
従って、出力軸に作用する負荷が減速閾値以上に達した場合には等速伝動状態から減速伝動状態に切換わる際に固着を回避し、切換りの負荷が切換わる際のトルク変動を抑える負荷感応型減速装置が構成された。
前記第1付勢機構が、その外端を当該負荷感応型減速装置のケースに支持し、その内端を前記連動回転部材に連係させることにより、前記回転軸芯を中心にした回転力を前記連動回転部材に作用させる渦巻スプリングで構成されている点にある。
これに対して、渦巻スプリングから作用する付勢力で連動回転部材を回転させ、この回転力を第1レバーに伝えるように構成したものでは、第1レバーの数に対応した数のスプリングを備えずに済むだけではなく、第1レバーが複数備えられていても各々の第1レバーに対して等しい付勢力を作用させることも可能となる。
その結果、伝動状態の切り換わりを実現する減速閾値を決める付勢機構を単純にする負荷感応型減速装置が構成された。
〔第1実施形態の基本構成〕
図1〜図9に示すように、外部からの駆動力が伝えられる入力軸1と、この入力軸1からの駆動力が伝えられる遊星ギヤ減速機構Pと、この遊星ギヤ減速機構Pからの駆動力が伝えられる出力軸2と、この出力軸2に作用する負荷トルクにより遊星ギヤ減速機構Pを制御する切換機構Aと、をミッションケース3に収容して負荷感応型変速装置が構成されている。
図1及ぶ図4に示すように、入力軸1と遊星ギヤ減速機構Pと出力軸2とが回転軸芯Xと同軸芯上に配置されている。遊星ギヤ減速機構Pは、サンギヤ11と、リングギヤ12と、複数のプラネタリギヤ13と、キャリア14とを備えて構成されている。
図1〜図3、図5〜図8に示すように、切換機構Aは、第1レバー21と、第2レバー22と、連動回転部材45と、第1付勢機構としての渦巻スプリング46と、第2付勢機構としての第2スプリング24と、キャリア14の外周に形成した複数の第1係合部25と、固定ブロック18に形成した第2係合部26とを備えている。
このような構成から、出力軸2作用する負荷トルクが減速閾値未満である場合には図5及び図6に示す如く、渦巻スプリング46の付勢力により第1レバー21の揺動端がキャリア14の第1係合部25に係合する。この係合状態が維持されることにより、リングギヤ12とキャリア14とが一体回転するため遊星ギヤ減速機構Pでは減速が行われない。従って、入力軸1と、サンギヤ11と、複数のプラネタリギヤ13と、リングギヤ12と、キャリア14と、出力軸2と、が駆動方向Rに向けて一体回転する等速出力モードで伝動が行われる。
図10〜図12及び図15に示すように、外部からの駆動力が伝えられる入力軸1と、この入力軸1からの駆動力が伝えられる遊星ギヤ減速機構Pと、この遊星ギヤ減速機構Pからの駆動力が伝えられる出力軸2と、この出力軸2に作用する負荷トルクにより、遊星ギヤ減速機構Pを制御する切換機構Aとをミッションケース3に収容して負荷感応型変速装置が構成されている。
入力軸1と遊星ギヤ減速機構Pと出力軸2とが回転軸芯Xと同軸芯上に配置されている。遊星ギヤ減速機構Pは、サンギヤ11と、リングギヤ12と、複数のプラネタリギヤ13と、キャリア14とを備えて構成されている。
出力軸2は、回転軸芯Xと同軸芯となる六角孔2Aを有した筒状に形成されている。
図10、図11、図15に示すように、切換機構Aは、第1レバー21と、第2レバー22と、第1付勢機構としての第1スプリング23と、第2付勢機構としての第2スプリング24と、キャリア14の外周に形成した複数の第1係合部25と、固定ブロック18に形成した第2係合部26とを備えている。
また、第1レバー21の揺動端部には、この第1レバー21の揺動端が回転軸芯Xから離間する方向への揺動限界を決める第3規制部21Bが形成されている。この第3規制部21Bは、リングギヤ12に形成された第3規制面12Cに当接することにより第1レバー21の揺動を規制する。
図16に示すように、負荷感応型減速装置が等速出力モードにある場合には、キャリア14に回転力が作用するため、キャリア14に形成された姿勢制御面25Sの外周近傍の作用点Cが第1レバー21に当接し、第1レバー21は作用点Cで力FCを受ける。また、第1レバー21の揺動端には第1スプリング23からの付勢力FSPが作用している。
このように減速閾値Taと等速閾値Tbとを設定したことにより、図18に示すように、出力軸2作用する負荷トルクTopが減速閾値Ta未満である場合には図11に示す如く、第1レバー21の揺動端が第1スプリング23の付勢力によりキャリア14の第1係合部25に係合する。この係合状態が維持されることにより、リングギヤ12とキャリア14とが一体回転するため遊星ギヤ減速機構Pでは減速が行われない。従って、入力軸1と、サンギヤ11と、複数のプラネタリギヤ13と、リングギヤ12と、キャリア14と、出力軸2と、が駆動方向Rに向けて一体回転する等速出力モードで伝動が行われる。
この負荷感応型減速装置において、入力軸1における入力トルクTinと、出力軸2に作用する負荷トルクTopと、切換機構Aによるモードの自動的な切り換えを図18のグラフに示している。等速出力モードでは、入力軸1と出力軸2とが一体回転するため、入力軸1に作用する入力トルクTinと出力軸2に作用する負荷トルクTopとが一致する。
この第3実施形態の負荷感応型変速装置は、第2実施形態の負荷感応型変速装置と基本的に変わるところはなく、第1係合部25に対して第1レバー21が係合する際の衝撃を緩和する緩衝部材30を備えた構成が第2実施形態と相違している(共通する構成には第2実施形態と共通する番号・符号を付している)。
出力軸2に作用する負荷トルクTopが減速閾値Ta以上にある場合には、図20に示す如く第1レバー21の揺動端が回転軸芯Xから離間する姿勢にあり、第2レバー22の揺動端が第2係合部26に係合する状態にある。この状態では、リングギヤ12の回転が阻止され、遊星ギヤ減速機構Pが機能するため、入力軸1に伝えられる駆動力を遊星ギヤ減速機構Pで減速し、その減速動力をキャリア14から出力軸2に伝動する減速出力モードが維持される。
本発明では、緩衝部材30として板バネやコイルスプリング等の付勢部材を用い、この付勢部材の一部、あるいは、付勢部材で付勢された部材を姿勢制御面25S(当接面)から第1係合部25の内部空間に突出させるように備えることが可能である。
従って、第1レバー21が第1係合部25の姿勢制御面25S(当接面)に当接する際には、揺動速度が減じられ当接時の衝撃音と振動とが抑制されるのである。
5 ケース(第1ケース)
11 サンギヤ
12 リングギヤ
13 プラネタリギヤ
14 キャリア
21 第1レバー
21A 規制機構(第1規制部)
21B 規制機構(第3規制部)
22 第2レバー
22A 規制機構(第2規制部)
23 第1付勢機構(第1スプリング)
24 第2付勢機構(第2スプリング)
25 第1係合部
25S 姿勢制御面・当接面
26 第2係合部
30 緩衝部材
31 突出部
33 弾性変形部
45 連動回転部材
45C 係合凹部
46 第1付勢機構(渦巻スプリング)
A 切換機構
Ta 減速閾値
Tb 等速閾値
X 回転軸芯
Claims (12)
- 回転軸芯と同軸芯に配置され駆動力が伝えられるサンギヤと、前記回転軸芯と同軸芯で前記サンギヤを取り囲む位置に配置されるリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤに咬合するプラネタリギヤと、前記プラネタリギヤを支持し、このプラネタリギヤからの回転力により前記回転軸芯を中心に回転可能なキャリアと、前記回転軸芯と同軸芯で前記キャリアに一体形成される出力軸と、を備えて遊星ギヤ減速機構が構成されると共に、
前記リングギヤに対し第1揺動軸芯を中心に揺動自在に支持される第1レバーと、前記第1レバーに対し第2揺動軸芯を中心に揺動自在に支持される第2レバーと、
前記第1レバーに対し、この第1レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近させる方向に付勢する第1付勢機構と、前記第2レバーに対し、この第2レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近させる方向に付勢する第2付勢機構と、
前記第1付勢機構の付勢力により前記第1レバーの揺動端が係合するために前記キャリアに形成された第1係合部と、前記第2付勢機構の付勢力により前記第2レバーの揺動端が係合するために固定系に形成された第2係合部と、を備えて切換機構が構成され、
前記切換機構は、前記出力軸に作用する負荷が減速閾値未満の間、第1付勢機構の付勢力により前記第1レバーの揺動端を前記第1係合部に係合させて前記リングギヤと前記キャリアとを一体回転させる等速出力モードでの伝動を行い、
前記等速出力モードで前記出力軸に作用する負荷が前記減速閾値以上に達し前記キャリアに対し前記リングギヤが回転を開始すると、前記第1付勢機構の付勢力に抗して前記第1レバーの揺動端を前記第1係合部から離間させ、かつ、前記リングギヤの回転力を前記第2レバーの揺動端から前記第2揺動軸芯に向かう方向に受け止める姿勢に設定して、前記第2レバーの揺動端を前記第2係合部に係合させることで前記リングギヤの回転を阻止して前記遊星ギヤ減速機構で減速された駆動力を前記出力軸に伝える減速出力モードでの伝動を行う負荷感応型減速装置。 - 前記第1レバーが前記第1係合部に係合する係合姿勢にある間、前記第2レバーを前記第2係合部から遠ざける規制姿勢に保持する規制機構を備えている請求項1記載の負荷感応型減速装置。
- 前記第1係合部と前記第2係合部とが前記回転軸芯に沿う方向にオフセットして配置され、前記第1レバーの揺動端に対し前記第2レバーが前記回転軸芯に沿う方向にオフセットする位置に連結している請求項1又は2記載の負荷感応型減速装置。
- 前記第1係合部が、前記キャリアにおいて前記回転軸芯に向けて半径方向に窪む凹状に形成され、
前記出力軸に作用する負荷が前記減速閾値以上に達し、前記キャリアが回転を開始すると、前記第1レバーを前記回転軸芯から離間する方向に向かう押圧力を作用させる姿勢制御面が、凹状の前記第1係合部に連なる領域に形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の負荷感応型減速装置。 - 前記第1係合部と前記第1レバーとの少なくとも何れか一方に対して、前記第1係合部に前記第1レバーが係合する際の衝撃を緩和する緩衝部材を備えている請求項4記載の負荷感応型減速装置。
- 前記緩衝部材が、前記第1係合部において前記第1レバーが当接する当接面から突出する形態で前記キャリアに嵌め込み支持されると共に、この緩衝部材は、前記第1レバーに接触する突出部と、前記第1レバーが接触した後に前記突出部を前記当接面より沈み込む位置まで変位させる弾性変形部とを備えている請求項5記載の負荷感応型減速装置。
- 前記第2係合部が、前記回転軸芯を中心とする円周状の外周面の複数箇所に形成した突起により構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の負荷感応型減速装置。
- 前記切換機構が、前記減速出力モードにおいて前記出力軸に作用する負荷が減少して前記等速出力モードに切り換わる際の等速閾値が、前記減速閾値より小さい値に設定されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の負荷感応型減速装置。
- 前記第1付勢機構が、前記第1レバーの揺動端と、前記リングギヤとの間に配置される引っ張り型コイルスプリングで構成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の負荷感応型減速装置。
- 前記回転軸芯を中心にした所定角度の回転により複数の前記第1レバーを揺動させる連動回転部材を備え、
前記第1付勢機構が、その外端を当該負荷感応型減速装置のケースに支持し、その内端を前記連動回転部材に連係させることにより、前記回転軸芯を中心にした回転力を前記連動回転部材に作用させる渦巻スプリングで構成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の負荷感応型減速装置。 - 前記連動回転部材の外周側に前記渦巻スプリングが配置されている請求項10記載の負荷感応型減速装置。
- 前記連動回転部材の外周に形成された複数の係合凹部の何れか1つに前記渦巻スプリングの内端が係合している請求項10又は11記載の負荷感応型減速装置。
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