JP2012031986A - 負荷感応型変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷に感応して自動的な変速が行われる変速装置を少ない部品点数で構成する。
【解決手段】遊星ギヤ変速機構Pのキャリア14に連結する出力軸2を備え、遊星ギヤ変速機構Pのリングギヤ12と相対回転する作動リング16を備え、これらの相対回転姿勢を中立姿勢に付勢するコイルバネ17を備えた。リングギヤ12と作動リング16との相対回転姿勢が中立姿勢にある場合にリングギヤ12とキャリア14とを連結させ、中立姿勢から外れた場合に、リングギヤ12を固定しキャリア14の回転を許容する作動体21を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、負荷感応型変速装置に関し、詳しくは、出力系に作用する負荷の変化に伴い機械的な作動により変速が行われる変速装置に関する。
上記のように構成された負荷感応型変速装置として特許文献1には、ハンドホイールに対する操作力をロードシーブに伝えるチェーンブロックが示され、このチェーンブロックでは、ハンドホイールを操作により無負荷で巻き上げ操作を行う際には、高速でチェーンの巻き上げを行い、負荷時に巻き上げ操作を行う際には低速でチェーンの巻き上げを行う構成が記載されている。
この特許文献1の具体的な作動形態として、無負荷で巻き上げ操作を行う際には、ハンドホイールの回転力により伝動プレートやクラッチ板等を駆動軸の軸芯方向に沿って移動させることで、ハンドホイールの回転力を遊星ギヤのキャリア(文献では歯車保持プレート)に伝える(第1クラッチ手段の機能)。遊星ギヤのリングギヤ(文献では固定歯車)は固定され、サンギヤ(文献では出力軸)が駆動軸にスプライン嵌合しているためキャリアの回転力は増速された状態で駆動軸に伝えられ、結果としてロードシーブを高速で回転させる。
これとは逆に、ロードシーブに負荷が作用している状態でハンドホイールも巻き上げ操作を行う際には、このロードシーブからの力とハンドホイールからの力との作用から伝動プレートやクラッチ板等が逆方向(無負荷と比較して逆方向)に移動して遊星ギヤへの伝動が断たれると共に、ブレーキ板等の圧接によりハンドホイールの回転力が駆動軸に伝えられ(第2クラッチ手段の機能)、結果としてロードシーブを低速で回転させる。
特開2001‐146391号公報
特許文献1に記載される装置は、電気的な制御を実現するためのセンサ類やアクチュエータ等を備えずとも、負荷の変化に対応して自動的に変速作動が行われる有効な面を具備するものである。
しかしながら、特許文献1に記載されるように2種のクラッチ手段を備え、増速時にだけ遊星ギヤ機構を使用するものでは、部品点数が多く、伝動系も複雑化しやすく改善の余地がある。
本発明の目的は、負荷に感応して自動的な変速が行われる変速装置を少ない部品点数で構成する点にある。
本発明の特徴は、サンギヤと、このサンギヤを取り囲むリングギヤと、サンギヤ及びリングギヤに咬合するプラネタリギヤと、プラネタリギヤとともに公転運動することが可能なキャリアと、キャリアの公転運動を取り出す出力系とを備えて遊星ギヤ伝動系を構成すると共に、
前記出力系に作用する負荷の大きさを、機械的な作動量として取り出す負荷取得手段を備え、この負荷取得手段で取得した負荷が設定値未満である場合には、前記サンギヤと前記リングギヤと前記プラネタリギヤと前記キャリアとを一体回転させ、前記負荷取得手段で取得した負荷が前記設定値を超える場合には、前記サンギヤと前記リングギヤとのうち駆動力が入力するもの以外の回転を阻止しながらキャリアの回転を許容する切換手段を備えている点にある。
この構成によると、負荷取得手段で取得した負荷が設定値未満である場合には、切換手段がサンギヤとリングギヤとプラネタリギヤとキャリアとを一体回転させて高速伝動状態を実現する。また、負荷取得手段で取得した負荷が設定値を超える場合には、切換手段がサンギヤとリングギヤとのうち駆動力が入力するもの以外の回転を阻止しながらキャリアの回転を許容することから低速伝動状態を実現する。
つまり、特許文献1に示されるように、高速伝動状態を実現する伝動系と低速伝動状態を実現する伝動系との2種の伝動系を備え、この2種の伝動系を選択するための2種のクラッチ手段を備えるものと比較すると、本発明の伝動系は簡素化する。また、本発明の構成では、高速伝動状態と低速伝動状態との切換を行う際には、切換手段が遊星ギヤ伝動機構の構成要素の一部の機能を制御するため、高速伝動状態と低速伝動状態との何れの伝動状態においても駆動力は遊星ギヤ伝動系を介して出力系に伝えられることになり伝動系の大型化を抑制する。
特に、遊星ギヤ機構では減速を実現するための2種の伝動形態が考えられる。その1つが、リングギヤを固定する状態において、サンギヤに入力した駆動力をキャリアから出力するものである。他の1つが、サンギヤを固定する状態においてリングギヤに入力した駆動力をキャリアから出力するものである。このような理由から、サンギヤとリングギヤとのうち駆動力が入力するもの以外の回転を阻止することで減速状態を実現する。
その結果、負荷に感応して自動的な変速が行われる変速装置が少ない部品点数で構成できたのである。
本発明は、入力系として前記サンギヤに駆動力を伝える入力軸が備えられ、前記出力系として前記キャリアに連結する出力軸が備えられ、
前記負荷取得手段が、前記リングギヤの軸芯と同軸芯で相対回転自在に支持される作動リングと、この作動リングと前記リングギヤとの相対回転姿勢を中立姿勢に付勢する付勢部材と、前記キャリアに作用する負荷に連係して姿勢が変化するように前記キャリアと前記リングギヤとに連係する作動体とを備え、この作動体は、前記キャリアと前記リングギヤとの相対回転姿勢が中立姿勢にある際に高速伝動姿勢にあり、相対回転姿勢が前記中立姿勢から外れた際に低速伝動姿勢に達するように構成され、
前記切換手段が、前記作動体と、この作動体が前記高速伝動姿勢にある際にこの作動体に係合して前記キャリアと一体化させる係合部と、この作動体が前記低速伝動姿勢にある際にこの作動体に当接して前記リングギヤの回転を阻止するロック部とを備えて構成されても良い。
これによると、出力軸に作用する負荷が設定値未満である場合には、作動体が高速伝動姿勢にあり、キャリアの係合部に係合するため、リングギヤとキャリアとを一体化し、結果としてサンギヤから出力軸までの伝動系を一体回転させる高速伝動を実現する。これとは逆に、出力軸に作用する負荷が設定値を超える場合には、作動体が低速伝動姿勢に達することからキャリアの係合部から離脱し、新たに固定系のロック部に当接させることが可能となり、これによりリングギヤの回転が阻止される状態でキャリアの回転が可能となり、遊星ギヤ伝動系による減速された低速伝動状態を実現する。
本発明は、前記作動体が、枢支軸を中心にして揺動自在に前記リングギヤに支持されると共に、前記係合部に係合する係合片と、前記ロック部に当接する当接片とを備えており、
複数の前記係合部が、前記キャリアの軸芯を中心にした外歯ギヤ状に形成され、
複数の前記ロック部が、固定系としてのギヤケースの内面に対して前記キャリアの軸芯を中心にした外歯ギヤ状又は内歯ギヤ状に形成されても良い。
これによると、作動リングとリングギヤとの相対回転姿勢が中立姿勢にある場合には、高速伝動姿勢にある作動体の係合片が、キャリアに外歯ギヤ状に形成された複数の係合部の何れかに係合させることが可能となる。また、作動リングとリングギヤとの相対回転姿勢が中立姿勢を外れた場合には、低速伝動姿勢のある作動体の当接片を固定系に形成された複数のロック部に当接させることが可能となる。
本発明は、前記作動体を、前記当接片が前記ロック部に当接した際に当該ロック部からの反力を受けて前記当接片が前記ギヤ状の部分に乗り上げた状態で弾性変形可能に構成してもよい。
上述の作動体は、係合部との当接状態からロック部への当接状態へ移行する際に、係合部及びロック部のどちらにも当接しない、いわゆる「空回り」状態が起こり得る。このため、作動体は、係合片が係合部と当接しつつ、当接片がロック部にも当接するという受け渡しのためのラップの設定が必要となる。
このとき、作動体の剛体で構成されていると、高速から低速への切換を行う際に、作動体の係合片と係合部との当接状態と、作動体の当接片とロック部との当接状態のそれぞれの力が拮抗して、いわゆる「固着状態」となって変速のための切換がうまく行えないこおそれがある。
本構成のように、前記作動体を、前記当接片が前記ロック部に当接した際に当該ロック部からの反力を受けて前記当接片が前記ギヤ状の部分に乗り上げた状態で弾性変形可能に構成してあると、作動体は、係合片と係合部との当接状態と、当接片とロック部との当接状態のそれぞれの力が拮抗したとしても、作動体は、ロック部からの反力を受け当接片が前記ギヤ状の部分に乗り上げた状態で弾性変形して後退する。一方、作動体の係合片は、当接片が後退した範囲において係合部から外れる方向への回転が許容される。こうして、係合部と当接状態にあった作動体は係合部から外れるようになって、その後に作動体がロック部に噛み合うこととなる。その結果、作動体が係合部とロック部との間で固着状態になる不具合を回避することが可能となった。
本発明は、前記作動体が、本体部と、前記本体部及び前記当接片に連接する変形部とを備え、前記当接片が前記ロック部に当接した際に当該ロック部からの反力を受けて前記当接片が前記ギヤ状の部分に乗り上げた状態で前記変形部を弾性変形可能に構成してもよい。
本構成のように、作動体が、本体部と、本体部及び当接片に連接する変形部とを備え、当接片が前記ロック部に当接した際に当該ロック部からの反力を受けて当接片がギヤ状の部分に乗り上げた状態で変形部を弾性変形可能に構成してあると、作動体は、ロック部からの反力を受けた当接片が前記ギヤ状の部分に乗り上げた状態で変形部が弾性変形して後退する。一方、作動体の係合片は、当接片が後退した範囲において係合部から外れる方向への回転が許容される。こうして、係合部と当接状態にあった作動体は係合部から外れるようになって、その後に作動体がロック部に噛み合うこととなる。その結果、作動体が係合部とロック部との間で固着状態になる不具合を回避することが可能となった。
また、当接片が本体部に対して離間して設けられているので、ロック部からの反力を受けた当接片は本体部に阻害されずに後退移動することができ、作動体の係合片の係合部から外れる方向への回転もよりスムーズに許容される。また、作動体は、その一部に弾性変形する(荷重を受けた際に変形し荷重を受けなくなると元の形状に戻る)変形部を備えていればよいこととなる。したがって、作動体の製造コストを低減できるとともに、変形部以外の部分の剛性を高めることで作動体自体の強度を維持できる。
本発明は、入力系として前記サンギヤに駆動力を伝える入力軸が備えられ、前記出力系として前記キャリアが公転する軸芯と同軸芯上に出力軸が備えられ、
前記負荷取得手段が、前記出力軸に対してトルク伝動自在、かつ、この出力軸の軸芯に沿って移動自在なカムリングと、このカムリングと前記キャリアとの対向する面に形成されたカム部と、前記カムリングを前記キャリアの方向に付勢する付勢部材とを備えて構成されると共に、前記出力軸に作用する負荷が設定値未満である場合に前記カムリングが基準位置にあり、前記出力軸に作用する負荷が前記設定値を超える場合には前記カムリングが前記キャリアから離間するシフト位置に達するように構成され、
前記切換手段が、前記リングギヤとの接触状態を維持しながら、前記カムリングが基準位置にある際に高速伝動位置にあり、前記カムリングがシフト位置にある際に低速伝動位置にあるシフトリングを備えて構成されると共に、このシフトリングは、前記高速伝動位置にある際に前記キャリアに接触することでリングギヤとキャリアとの一体回転させる第1接触部を備え、前記低速伝動位置にある際に固定系に接触することでリングギヤの回転を阻止する第2接触部を備えても良い。
これによると、出力軸に作用する負荷が設定値未満である場合には、作動リングが基準位置にあることからシフトリングの第1接触部がキャリアに接触することでリングギヤとキャリアとの一体回転を行わせ高速伝動状態を実現する。これとは逆に出力軸に作用する負荷が設定値を超える場合には、作動リングの第1接触部をキャリアから分離させ、作動リングの第2接触部を新たに固定系に接触させることが可能となり前記遊星ギヤ減速系による減速伝動が実現する。
高速伝動状態の負荷感応型変速装置の縦断側面図である。 低速伝動状態の負荷感応型変速装置の縦断側面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 図2のVI−VI線断面図である。 負荷感応型変速装置の分解斜視図である。 別実施形態(a)の高速伝動状態を示す断面図である。 別実施形態(a)の作動体を示す図である。 別実施形態(a)の高速伝動状態を示す部分断面図である。 別実施形態(a)の高速伝動状態から低速伝動状態への移行途中を示す部分断面図である。 別実施形態(a)の高速伝動状態から低速伝動状態への移行途中を示す部分断面図である。 別実施形態(a)の低速伝動状態を示す部分断面図である。 別実施形態(c)を示す図であって、(a)は高速伝動状態であり、(b)は低速伝動状態である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1、図3、図4及び図7に示すように、本発明の負荷感応型変速装置は、入力系として入力軸1と、出力系としての出力軸2とをミッションケースMに備え、このミッションケースMの内部に遊星ギヤ変速機構P(遊星ギヤ伝動系の一例)を備えている。この負荷感応型変速装置は、出力軸2に作用する負荷が設定値未満である場合には、図1、図3、図4に示すように入力軸1の回転速度と等しい速度となる高速伝動状態で出力軸2を駆動する。また、出力軸2に作用する負荷が設定値を超えた場合には図2、図5、図6に示すように遊星ギヤ変速機構Pでの減速により入力軸1の回転速度より低速度の低速回転状態で出力軸2を駆動する。
特に、この負荷感応型変速装置では入力軸1が正転・逆転の何れの方向に回転する状況においても、出力軸2に作用する負荷に感応して高速伝動状態と低速回転状態との切り換えを実現する。
この負荷感応型変速装置は、自動車のスライドドアのように作動域の中間が軽負荷であり、閉じられる際には負荷が上昇する駆動対象の駆動源等に備えられるものであり、負荷によって変速比が変更されることから電動モータの大型化の抑制を実現する。また、作動対象としてはシートバックの角度を調整する駆動系や、ドアガラスを開閉する駆動系等自動車の全般に使用できるものであるが、自動車以外にも適用できる。
遊星ギヤ変速機構Pは、入力軸1に連結するサンギヤ11と、このサンギヤ11を取り囲む位置に配置されるリングギヤ12と、サンギヤ11及びリングギヤ12に咬合する3つのプラネタリギヤ13と、複数のプラネタリギヤ13とともに公転運動することが可能なキャリア14とを備えている。キャリア14は公転運動を取り出す前記出力軸2が連結すると共に、3つのプラネタリギヤ13を遊転支承する3本の遊転軸15を備え、この3本の遊転軸15の端部に連結するキャリアリング14Aを備えている。
図1及び図2に示すように、入力軸1と出力軸2とは主軸芯Xと同軸芯上に配置されている。従って、サンギヤ11の軸芯と、リングギヤ12の軸芯(リングの中心の軸芯)と、キャリア14の公転軸芯とが主軸芯Xと同軸芯に配置される。
〔負荷感応構造〕
この負荷感応型変速装置は、負荷取得手段Aと切換手段Bとを備えている。負荷取得手段Aは、出力軸2(出力系)に作用する負荷の大きさを、機械的な作動量として取り出す。切換手段Bは、負荷取得手段Aで取得した負荷が設定値未満である場合には、サンギヤ11とリングギヤ12とプラネタリギヤ13とキャリア14とを一体回転させる高速伝動状態を実現する。また、この切換手段Bは、負荷取得手段Aで取得した負荷が設定値を超える場合には、リングギヤ12の回転を阻止しながらキャリア14の回転を許容する減速伝動状態を実現する。
リングギヤ12に対して主軸芯Xを中心として回転自在に外嵌する作動リング16を備え、主軸芯Xを中心として作動リング16とリングギヤ12とを所定の相対回転姿勢に維持する付勢部材として複数のコイルバネ17を備えている。この作動リング16と、複数のコイルバネ17と、作動体21とを備えて負荷取得手段Aが構成されている。作動体21は、キャリア14に作用する負荷に連係して姿勢が変化するようにキャリア14とリングギヤ12とに連係している。この連係等の詳細は後述する。
作動リング16の外周にバネ収容空間16Aが溝状に形成され、このバネ収容空間16Aに一対のバネ係止部16Bが形成され、この作動リング16の内周には一対の挿通口16Cが形成されている。リングギヤ12の外周には前記挿通口16Cに挿通する一対の突出片12Aが外方に突設されている。そして、挿通口16Cに挿通した突出片12Aとバネ係止部16Bとに亘ってコイルバネ17を備えることにより、作動リング16とリングギヤ12とを主軸芯Xを中心として図4に示す中立姿勢に維持する付勢力がコイルバネ17から作用する。
キャリア14の表面で出力軸2を取り囲む形状の係合プレート20が固定され、この係合プレート20の外周部分には複数の前記係合部Cが、主軸芯Xを中心にした外歯ギヤ状に形成されている。固定系としてのミッションケースMの内面で出力軸2を取り囲む形状のブロック部4が形成され、このブロック部4の外周には複数のロック部Dが主軸芯Xを中心にした外歯ギヤ状に形成されている。また、ミッションケースMの内面で作動リング16に沿うリング部5が形成され、このリング部5の内周には複数のロック部Dが主軸芯Xを中心にした内歯ギヤ状に形成されている。
作動リング16とリングギヤ12との相対回転姿勢の変化に連係して枢支軸22を中心とする揺動姿勢を変化させ、この揺動姿勢の変化により係合部Cに係合する状態と、ロック部Dに当接する状態とに選択的に切り換わるように前述した3つの作動体21が備えられている。
本発明の負荷感応型変速装置では、負荷取得手段Aが、作動リング16と、コイルバネ17と、作動体21とを備えて構成されている。
作動体21は、主軸芯Xと平行姿勢となる枢支軸22により揺動自在にリングギヤ12に支持されている。作動リング16には枢支軸22が貫通するように主軸芯Xを中心とする円弧状の長孔16Sが形成されている。この作動体21に形成された長孔に対して主軸芯Xと平行姿勢となる連係軸23が貫通しており、この連係軸23が作動リング16に連結している。
枢支軸22の端部にはネジ部が形成され、このネジ部をリングギヤ12のネジ孔に螺合させることにより枢支軸22がリングギヤ12に支持されている。これと同様に連係軸23の端部にネジ部が形成され、このネジ部を作動リング16のネジ孔に螺合させることにより、連係軸23が作動リング16に連結されている。そして、作動リング16とリングギヤ12との主軸芯Xを中心とした回転姿勢が変化した場合には、枢支軸22と連係軸23との相対的な位置関係が変化し、この変化に伴い作動体21の姿勢が変化する。
この作動体21は、板状材で形成されるものであり、前述した係合部Cに係合する係合ピン24(係合片の一例)と、前述した外歯状のロック部Dに当接する一対の内当接片21Aと、前述した内歯状のロック部Dに当接する一対の外当接片21Bとが形成されている。
本発明の負荷感応型変速装置では、切換手段Bが、作動体21と、係合プレート20に形成された係合部Cと、ブロック部4に形成されたロック部Dと、リング部5に形成されたロック部Dとで構成されている。つまり、負荷取得手段Aと切換手段Bとの何れにも作動体21が含まれており、このように作動体21が兼用されることにより部品点数の低減を実現している。
特に、この実施形態ではロック部Dは、ブロック部4とリング部5との何れか一方に形成されるもので良い。このように一方にだけロック部Dを形成した場合には作動体21の内当接片21Aと外当接片21Bとの一方だけ形成するだけで済む。
〔作動形態〕
このような構成のため、出力軸2に作用する負荷が設定値未満である場合には、コイルバネ17の付勢力により作動リング16とリングギヤ12との相対回転姿勢が図4に示す中立姿勢に維持され、これに連係して3つの作動体21が図3に示す高速伝動姿勢に維持される。
この高速伝動姿勢では、作動体21の係合ピン24が係合プレート20の外周に形成された複数の係合部Cの何れかに係合する状態となる。これにより、リングギヤ12とキャリア14とを一体化させ、結果として、サンギヤ11とリングギヤ12とプラネタリギヤ13とキャリア14とを一体回転させる高速伝動状態を実現する。
これとは逆に、出力軸2に作用する負荷が設定値を超える場合には、コイルバネ17の付勢力に抗して作動リング16とリングギヤ12との相対回転姿勢が図6に示す中立姿勢から外れることになり、これに連係して3つの作動体21が図5に示す低速伝動姿勢に設定される。
作動体21が高速伝動姿勢から低速伝動姿勢に切り換わる際には、作動体21の係合ピン24が係合プレート20の係合部Cから分離する。これと同時に作動体21の内当接片21Aがブロック部4のロック部Dに新たに当接し、作動体21の外当接片21Bがリング部5のロック部Dに新たに当接する状態に達する。これにより、リングギヤ12がミッションケースMにロックされることになりリングギヤ12の回転が阻止され、キャリア14の回転を許容する減速伝動状態を実現する。
特に、作動体21の姿勢の切り換わりを確実に行わせるために、作動体21の係合ピン24が係合プレート20の係合部Cから完全に分離する直前に、作動体21の内当接片21Aがブロック部4のロック部Dに当接し、作動体21の外当接片21Bがリング部5のロック部Dに当接するように作動タイミングが設定されている。このような作動タイミングの設定により、作動体21の姿勢が切り換わる際には、姿勢が切り換わる一連の流れの中で係合ピン24が係合部Cから分離しながら、内当接片21Aと外当接片21Bとがロック部Dに当接する状態に達する。
そして、この低速伝動状態において出力軸2に作用する負荷が低下した場合には、コイルバネ17の付勢力により作動リング16とリングギヤ12との相対回転姿勢が中立姿勢(図4を参照)に復帰する。この復帰時には、3つの作動体21の内当接片21Aと外当接片21Bとがロック部Dから離間する。これと同時に、作動体21の係合ピン24が係合プレート20の外周の係合部Cの何れかに係合する状態となる。
このような作動体21の姿勢の切り換わりの際にも、切り換わりを確実に行わせるために、作動体21の内当接片21Aと外当接片21Bとがロック部Dから完全に離間する直前に、作動体21の係合ピン24が係合プレート20の外周の複数の係合部Cに対する係合を開始するように作動タイミングが設定されている。
〔実施形態の作用・効果〕
このように負荷感応型変速装置は、出力軸2に作用する負荷を負荷取得手段Aで機械的な作動量として取得する。そして、この負荷が設定値未満である場合には、切換手段Bがリングギヤ12とキャリア14とを連結することにより、遊星ギヤ変速機構Pを一体回転させる状態を作り出し高速伝動状態を実現する。また、負荷が設定値を超える場合には、切換手段Bがリングギヤ12の回転を阻止しながらキャリア14の回転を許容することから遊星ギヤ変速機構Pで減速を行わせ減速伝動状態を実現する。
つまり、本発明の負荷感応型変速装置は、電気的な制御を行うためのセンサやアクチュエータ類を備えることなく、出力軸2に作用する負荷を機械的な作動量として取得し、この作動により切換手段が切換作動を行うことにより高速伝動状態と低速伝動状態との切り換えを実現しているのである。
特に、負荷取得手段Aと切換手段Bとの何れにも作動体21が含まれており、複数のクラッチを備えるものと比較して部品点数の低減を実現している。また、高速伝動状態と低速伝動状態との何れの伝動状態でも遊星ギヤ変速機構Pに動力が伝えられるように伝動系が構成されているため、例えば、複数の伝動系を備え、この複数の伝動系を選択するクラッチ等を備えるものと比較して伝動系の小型化を実現している。
〔別実施形態(a)〕
本発明の負荷感応型変速装置は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(この別実施形態では前記実施形態と同じ機能を有するものには、前記実施形態と共通の番号、符号を付している)。
前述の通り、作動体21の姿勢の切り換わりを確実に行わせるために、作動体21が係合プレート20の係合部Cから完全に分離する直前に、作動体21の当接片21Aがブロック部4のロック部Dに当接するように作動タイミングが設定されている。このとき、作動体21の全体が剛体で構成されていると、作動体21と係合部Cとの当接状態と、作動体21とロック部Dとの当接状態のそれぞれの力が拮抗して、いわゆる「固着状態」となって変速のための切換がうまく行えないおそれがある。
そこで、別実施形態(a)では、作動体21を、当接片21Aがロック部Dに当接した際に当該ロック部からの反力を受けて当接片21Aがロック部Dのギヤ状の部分に乗り上げた状態で弾性変形可能に構成にしている。図8、図9に示すように、作動体21は、板状材で形成されたものであり、係合部Cに係合する係合凸部24(係合片の一例)と、前述した外歯状のロック部Dに当接する一対の当接片21Aとが形成されている。
作動体21は、枢支軸22近傍から両端に向けて外周側の変形部21Cが内周側の本体部21Dと一部切り離された形で延設されており、変形部21Cの端部に当接片21Aが設けられている。すなわち、変形部21Cは本体部21D及び当接片21Aに連接する。当接片21Aは、本体部21Dの端部と離間した状態で本体部21Dを覆うL字状に形成されており、端縁部21Aaと内縁部21Abとを備える。本体部21Dの端部には凸状の接当部21Eが形成されている。変形部21Cは、ばね鋼等であって弾性変形可能に構成されている。当接片21Aがロック部Dからの反力を受けてロック部Dのギヤ状の部分に乗り上げた状態で後退すると、当接片21Aが接当部21Eに接当するまで変形部21Cは弾性変形し続け、当接片21Aがロック部Dからの反力を受けなくなると、当初の形状に戻る。
〔作動形態〕
こうした構成により、まず、出力軸2に作用する負荷が設定値未満である場合には、コイルバネ17の付勢力により作動リング16とリングギヤ12との相対回転姿勢が中立姿勢に維持され、これに連係して作動体21が図8及び図10Aに示す高速伝動姿勢に維持される。
この高速伝動姿勢では、作動体21の係合凸部24が係合プレート20の外周に形成された複数の係合部Cの何れかに係合する状態となる。これにより、リングギヤ12とキャリア14とを一体化させ、結果として、サンギヤ11とリングギヤ12とプラネタリギヤ13とキャリア14とを一体回転させる高速伝動状態を実現する。
一方、出力軸2に作用する負荷が設定値を超える場合には、コイルバネ17の付勢力に抗して作動リング16とリングギヤ12との相対回転姿勢が中立姿勢から外れることになる。
このとき、図10Bに示す変速途中の段階では、作動体21の係合凸部24と係合部Cとの当接状態、作動体21の当接片21Aとロック部Dとの当接状態(噛み合い始めの状態)のそれぞれの力が拮抗して、いわゆる「固着状態」となる可能性がある。しかし、別実施形態(a)では、作動体21の当接片21Aがロック部Dからの反力を受けると、図10Cに示すように、ロック部Dのギヤ状の部分に乗り上げた状態で矢印方向に後退し、当接片21Aが接当部21Eに接当するまで変形部21Cは弾性変形し続ける。作動体21は、当接片21Aが変形部21Cの端部に本体部21Dに離間して設けられているので、当接片21Aがロック部Dからの反力を受けた際に、本体部21Dに阻害されずに当接片21Aを後退移動させることができる。
当接片21Aが後退すると、作動体21の本体部21Dは、当接片21Aが後退した分だけ係合部Cから係合凸部24が外れる方向への回転が許容される。その結果、図10Dに示すように、係合部Cから作動体21の係合凸部24が先に外れて、係合プレート20から作動リング16への動力伝達が断たれ、その後、変形部21Cの弾性変形が元の状態に戻されつつ当接片21Aがロック部Dに完全に噛み合う。
こうして、当接状態作動体21が係合部Cとロック部Dとの間で固着状態になる不具合を回避することが可能となった。図10Bに示す変速途中の段階において、ロック部Dと当接片21Aとの噛み合いは既に始まっており、上述のように、係合凸部24が係合部Cから先に外れ、その後にロック部Dと当接片21Aとの噛み合いが完了するように設定されていても「空回り」の状態は発生しない。
また、作動体21は、当接片21Aとロック部Dとが完全に噛み合った状態において、当接片21Aの端縁部21Aaがロック部Dの反力を受け、当接片21Aに連続する変形部21Cが弾性変形するよう構成されている。これにより、作動体21は、当接片21Aの内縁部21Abが本体部21Cの端部に接当して、当接片21Aとロック部Dとの噛み合い状態が維持されることとなり、作動体21の低速伝動姿勢が安定的に設定される。
作動体21は、変形部21Cの端部にL字状の当接片21Aを設けたので、係合部Cとロック部Dの両方に当接する状態でのロック部Dからの反力と、低速伝動状態におけるロック部Dからの反力の両方を受け入れることができた。また、本体部21Dの端部に接当部21Eを設けることで、作動体21の変形部21Cは、当接片21Aが接当部21Eに接当するまで弾性変形が許容され、当接片21Aが接当部21Eに接当した後は弾性変形しない。その結果、変形部21Cの過剰な変形を容易に防止することができ、作動体21の耐久性を向上させることができる。
さらに、作動体21をロック部Dからの反力を受けた際に弾性変形が可能な構成にすることで、高負荷時に高トルク側への変速が優先して行われることとなり、確実な出力が可能となった。作動体21は、回転中心から左右両側に弾性変形する変形部21Cが設けられているので、左右回転両方向に上記の効果が得られることにもなる。
〔別実施形態(b)〕
作動体21は、必ずしも変形部21Cと本体部21Dとを分けて設ける必要はなく、一体的に構成されていてもよい。また、当接片21A自体がロック部Dからの反力に対して変形可能に弾性を有する構成にしてもよい。
〔別実施形態(c)〕
図11に示すように、別実施形態(c)の負荷感応型変速装置は、軸状の出力軸2を備え、この出力軸2の下端部に回転自在に外嵌する筒状の入力軸1を備え、遊星ギヤ変速機構Pを備え、これらを覆う位置にミッションケースMを備えている。入力軸1の下端にはプレート1Pが連結し、このプレート1Pの外周部にはウォームギヤ1W備えられ、このウォームギヤ1Wに対して電動モータ等からの駆動力が伝えられる。この負荷感応型変速装置はどのような姿勢でも使用可能であるが、図11に示す上下関係に従って装置の構成を説明する。
この別実施形態においても、出力軸2に作用する負荷が設定値未満である場合には入力軸1の回転速度と等しい速度となる高速伝動状態で出力軸2を駆動する。また、出力軸2に作用する負荷が設定値を超えた場合に遊星ギヤ変速機構Pでの減速により入力軸1の回転速度より低速度の低速回転状態で出力軸2を駆動する。
遊星ギヤ変速機構Pは、入力軸1と一体的に形成されたサンギヤ11と、このサンギヤ11を取り囲む位置に配置されるリングギヤ12と、サンギヤ11及びリングギヤ12に咬合する複数のプラネタリギヤ13と、複数のプラネタリギヤ13とともに公転運動することが可能なキャリア14とを備えている。キャリア14には、3つのプラネタリギヤ13を遊転支承する複数の遊転軸15を備え、この複数の遊転軸15の端部に連結するキャリアリング14Aを備えている。
入力軸1と出力軸2とは主軸芯Xと同軸芯上に配置され、この主軸芯Xと同軸芯上にサンギヤ11の軸芯と、リングギヤ12の軸芯(リングの中心の軸芯)と、キャリア14の公転軸芯とが配置されている。
出力軸2に対してスプライン嵌合するカムリング31を備え、このカムリング31に形成したカム部31Cと、キャリア14に形成したカム部14Cとを接触する位置関係で配置している。出力軸2には鍔状の支持プレート2Pを備えており、この支持プレート2Pとカムリング31との間に圧縮型のコイルバネ17(付勢部材の一例)を備えることにより夫々のカム部31C、14Cを接触させる付勢力を得ている。カムリング31のカム部31Cとキャリア14のカム部14Cとは、出力軸2と入力軸1とが主軸芯Xを中心として何れの方向に相対的に回転変位した場合にもカムリング31を上方に変位させる形状を有している。
カムリング31の主軸芯Xの方向への変位と連係して主軸芯Xに沿って作動するシフトリング32が備えられている。このシフトリング32の下面にはキャリア14に接触する第1接触部32Aが形成され、上面にはミッションケースMの内面に接触する第2接触部32Bが形成され、外端位置にはリングギヤ12と接触する第3接触部32Cが形成されている。
このような構成から、出力軸2に作用する負荷が設定値未満である場合には、図11(a)に示すように、カムリング31が基準位置にあり、これに連係してシフトリング32が高速伝動位置にある。このようにシフトリング32が高速伝動位置にある場合には第1接触部32Aがキャリア14の上面に接触する。また、出力軸2に作用する負荷が設定値を超えた場合には、キャリアリング14とカムリング31との主軸芯Xを中心にした相対回転姿勢の変化から図11(b)に示すように、カムリング31がシフト位置に達し、シフトリング32が低速伝動位置に達する。このようにシフトリング32が低速伝動位置に達した場合には第2接触部32BがミッションケースMの内面に接触する。
また、シフトリング32が高速伝動位置にある場合には、その外端の第3接触部32Cがリングギヤ12に接触して一体化しており、このシフトリング32の下面の第1接触部32Aがキャリア14に接触するため遊星ギヤ変速機構Pの全体を一体的に回転させ入力軸1と出力軸2とを同じ回転速度で回転させ高速伝動状態を実現する。
これとは逆に、カムリング31とキャリア14との主軸芯Xを中心とする相対的な回転姿勢の変化した場合には、図11(b)に示す如く、カムリング31がキャリア14から離間する。これに連係してシフトリング32の第1接触部32Aがキャリア14から離間すると共に、第2接触部32BがミッションケースMの内面に接触するため低速伝動位置に達する。
また、シフトリング32が低速伝動位置にある場合には、その外端の第3接触部32Cがリングギヤ12に接触する状態を維持する。従って、シフトリング32の下面の第1接触部32Aがキャリア14から離間し、シフトリング32の上面の第2接触部32BがミッションケースMに新たに接触することからリングギヤ12の回転がロックされ、キャリア14の回転が許容される減速伝動状態を実現する。
そして、この低速伝動状態において出力軸2に作用する負荷が低下した場合には、コイルバネ17の付勢力によりカムリング31が基準位置に復帰し、シフトリング32も高速伝動位置に復帰する。これにより前述と同様にシフトリング32の下面の第1接触部32Aがキャリア14に接触することになり、遊星ギヤ変速機構Pの全体を一体的に回転させ、入力軸1と出力軸2とを同じ回転速度で回転させ高速伝動状態が実現する。
この別実施形態(c)では、カムリング31と、カム部14C、31Cと、コイルバネ
17とで負荷取得手段Aが構成されている。また、シフトリング32と、カム部14C、31Cと、コイルバネ17とで切換手段Bが構成されている。
〔別実施形態(d)〕
本発明は、遊星ギヤ変速機構が、入力軸の駆動力をリングギヤに伝え、サンギヤの回転を阻止することで減速を行うように伝動形態を設定しても良い。負荷取得手段Aは前述した実施形態と同様の構成で良い。切換手段Bは、高速伝動状態でサンギヤを自由回転状態にするとともにリングギヤとキャリアとを連結してこれらを一体回転させ、低速伝動状態でリングギヤとキャリアとの連結を解除し、サンギヤの回転を阻止する構成となる。
このような構成から、負荷取得手段Aで取得した負荷が設定未満である場合には切換手段Bがサンギヤを自由回転状態に設定すると共に、リングギヤとキャリアとを連結してこれらを一体回転させることにより高速伝動状態が実現する。また、負荷が設定値を超える場合には、切換手段Bがリングギヤとキャリアとの連結を解除すると共にサンギヤの回転を阻止することにより遊星ギヤ変速機構の減速による減速伝動状態が実現する。
〔別実施形態(e)〕
本発明は、遊星ギヤ変速機構が複数組の遊星ギヤ変速系を組み合わせたものであっても良い。その一例として、入力側の遊星ギヤ変速系のキャリアの回転力を次段の遊星ギヤ変速系のサンギヤに伝えることで入力軸の回転速度を大きく減速して出力軸に伝える構成のものを想定できる。このように構成したものにおいて実施形態の記載した作動体を用いた切換手段Bを複数の遊星ギヤ変速系の全てに備えることや、複数の遊星ギヤ変速系の一部に備えることが可能であり、このように構成することにより、高速伝動状態と低速伝動状態とが実施する。
本発明は、アクチュエータからの回転駆動力で対象物を作動させる駆動系の全般に適用することができる。特に対象物の作動途中で負荷が変動するものに最適に利用することができる。
1 入力軸
2 出力軸
11 サンギヤ
12 リングギヤ
13 プラネタリギヤ
14 キャリア
14C カム部
16 作動リング
17 付勢部材(コイルバネ)
21A 当接片(内当接片)
21B 当接片(外当接片)
21C 変形部
21D 本体部
21E 接当部
22 枢支軸
24 係合片
31 カムリング
31C カム部
32 シフトリング
32A 第1接触部
32B 第2接触部
A 負荷取得手段
B 切換手段
C 係合部
D ロック部

Claims (6)

  1. サンギヤと、このサンギヤを取り囲むリングギヤと、サンギヤ及びリングギヤに咬合するプラネタリギヤと、プラネタリギヤとともに公転運動することが可能なキャリアと、キャリアの公転運動を取り出す出力系とを備えて遊星ギヤ伝動系を構成すると共に、
    前記出力系に作用する負荷の大きさを、機械的な作動量として取り出す負荷取得手段を備え、この負荷取得手段で取得した負荷が設定値未満である場合には、前記サンギヤと前記リングギヤと前記プラネタリギヤと前記キャリアとを一体回転させ、前記負荷取得手段で取得した負荷が前記設定値を超える場合には、前記サンギヤと前記リングギヤとのうち駆動力が入力するもの以外の回転を阻止しながらキャリアの回転を許容する切換手段を備えている負荷感応型変速装置。
  2. 入力系として前記サンギヤに駆動力を伝える入力軸が備えられ、前記出力系として前記キャリアに連結する出力軸が備えられ、
    前記負荷取得手段が、前記リングギヤの軸芯と同軸芯で相対回転自在に支持される作動リングと、この作動リングと前記リングギヤとの相対回転姿勢を中立姿勢に付勢する付勢部材と、前記キャリアに作用する負荷に連係して姿勢が変化するように前記キャリアと前記リングギヤとに連係する作動体とを備え、この作動体は、前記キャリアと前記リングギヤとの相対回転姿勢が中立姿勢にある際に高速伝動姿勢にあり、相対回転姿勢が前記中立姿勢から外れた際に低速伝動姿勢に達するように構成され、
    前記切換手段が、前記作動体と、この作動体が前記高速伝動姿勢にある際にこの作動体に係合して前記キャリアと一体化させる係合部と、この作動体が前記低速伝動姿勢にある際にこの作動体に当接して前記リングギヤの回転を阻止するロック部とを備えて構成されている請求項1記載の負荷感応型変速装置。
  3. 前記作動体が、枢支軸を中心にして揺動自在に前記リングギヤに支持されると共に、前記係合部に係合する係合片と、前記ロック部に当接する当接片とを備えており、
    複数の前記係合部が、前記キャリアの軸芯を中心にした外歯ギヤ状に形成され、
    複数の前記ロック部が、固定系としてのギヤケースの内面に対して前記キャリアの軸芯を中心にした外歯ギヤ状又は内歯ギヤ状に形成されている請求項2記載の負荷感応型変速装置。
  4. 前記作動体を、前記当接片が前記ロック部に当接した際に当該ロック部からの反力を受けて前記当接片が前記ギヤ状の部分に乗り上げた状態で弾性変形可能に構成してある請求項3記載の負荷感応型変速装置。
  5. 前記作動体が、本体部と、前記本体部及び前記当接片に連接する変形部とを備え、前記当接片が前記ロック部に当接した際に当該ロック部からの反力を受けて前記当接片が前記ギヤ状の部分に乗り上げた状態で前記変形部を弾性変形可能に構成してある請求項3記載の負荷感応型変速装置。
  6. 入力系として前記サンギヤに駆動力を伝える入力軸が備えられ、前記出力系として前記キャリアが公転する軸芯と同軸芯上に出力軸が備えられ、
    前記負荷取得手段が、前記出力軸に対してトルク伝動自在、かつ、この出力軸の軸芯に沿って移動自在なカムリングと、このカムリングと前記キャリアとの対向する面に形成されたカム部と、前記カムリングを前記キャリアの方向に付勢する付勢部材とを備えて構成されると共に、前記出力軸に作用する負荷が設定値未満である場合に前記カムリングが基準位置にあり、前記出力軸に作用する負荷が前記設定値を超える場合には前記カムリングが前記キャリアから離間するシフト位置に達するように構成され、
    前記切換手段が、前記リングギヤとの接触状態を維持しながら、前記カムリングが基準位置にある際に高速伝動位置にあり、前記カムリングがシフト位置にある際に低速伝動位置にあるシフトリングを備えて構成されると共に、このシフトリングは、前記高速伝動位置にある際に前記キャリアに接触することでリングギヤとキャリアとの一体回転させる第1接触部を備え、前記低速伝動位置にある際に固定系に接触することでリングギヤの回転を阻止する第2接触部を備えている請求項1記載の負荷感応型変速装置。
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