JP6344154B2 - 負荷感応型減速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、負荷感応型減速装置に関し、詳しくは、出力軸に作用する負荷が低い場合に等速で伝動を行い、負荷が増大した場合に減速して伝動を行う装置に関する。
上記のように構成された負荷感応型減速装置に関連する技術が特許文献1に示されている。この特許文献1では、サンギヤと、リングギヤと、プラネタリギヤと、キャリアと、出力軸とを有する遊星減速機構を備え、出力軸に作用する負荷により伝動形態を切り換える切換手段を備えている。
切換手段は作動体を備えており、この作動体は一対の内当接片と一対の外当接片と単一の係合ピンとを有し、リングギヤに対し揺動自在に支持されている。また、作動体の揺動姿勢を制御する作動リングが、リングギヤと同軸芯上に相対回転自在に備えられ、リングギヤに対する作動リングの相対回転姿勢を決める複数のコイルバネを備えている。更に、複数の係合部が外周に形成された係合プレートがキャリアに固定されている。ミッションケースには複数のロック部を外周に備えたブロック部と、複数のロック部を内周に備えたリング部とが形成されている。
このような特許文献1の構成において、出力軸に作用する負荷(トルク)が設定値未満である場合には、複数のコイルバネの付勢力により作動体が中立姿勢に維持され、作動体の係合ピンが係合プレートに係合することで、遊星減速機構のキャリアとリングギヤとキャリアに形成された出力軸とを一体回転させる高速伝動状態(高速伝動モードでの伝動)を現出する。
これとは逆に、出力軸に作用する負荷が設定値以上である場合には、コイルバネの付勢力に抗した作動体の揺動により、係合ピンが係合プレートから分離すると共に、内当接片がブロック部のロック部に係合し、外当接片がリング部のロック部に係合することでリングギヤがミッションケースに固定される。これにより、キャリアを回転させて遊星減速機構で減速される減速伝動状態(減速伝動モードでの伝動)を現出する。
特開2012‐31986号公報
特許文献1に記載されるように、出力軸に作用する負荷に対応して高速伝動モードと減速伝動モードとの切り換わりを自動的に行う構成では、電気的な制御やアクチュエータ類を用いることなく負荷に対応した伝動状態を現出する有用なものとなる。
しかしながら、特許文献1に示される複数の作動体は、複数のコイルバネの付勢力により中立姿勢に維持されるため、コイルバネそのものを複数個必要とする上に、夫々のコイルバネを設置する手間が必要となる。更に、コイルバネを配置する空間を確保する必要もあった。
また、特許文献1に記載されるように、作動リングに付勢力を作用させるために複数のバネを用いるものでは、バネ数が増大するだけでなく、例えば、バネを支持する部材等の部材も必要とすることもあり、部品点数の増大を招くものであった。特に、特許文献1に示されるように複数のコイルバネを作動リングの外周に接触させる形態で配置するものでは、コイルバネの伸縮が円滑に行われ難いこともあり、複数の作動体の円滑な作動を行わせる観点でも改善の余地がある。
本発明の目的は、小型化が可能で、等速伝動モードと減速伝動モードとの切換作動を円滑に行わせる負荷感応型減速装置を構成する点にある。
本発明の特徴は、回転軸芯と同軸芯に配置され駆動力が伝えられるサンギヤと、前記回転軸芯と同軸芯で前記サンギヤを取り囲む位置に配置されるリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤに咬合するプラネタリギヤと、前記プラネタリギヤを支持し、このプラネタリギヤからの回転力により前記回転軸芯を中心に回転可能で出力軸を備えたキャリアと、を備えて遊星ギヤ減速機構が構成されると共に、
前記リングギヤに対し第1揺動軸芯を中心に揺動自在に支持される複数の第1レバーと、前記第1レバーに対し第2揺動軸芯を中心に揺動自在に支持される第2レバーと、前記回転軸芯を中心にした所定角度の回転により複数の前記第1レバーを揺動させる連動回転機構と、前記連動回転機構を回転方向に付勢することにより前記第1レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近させる方向に揺動させる渦巻型スプリングで成る第1付勢機構と、前記第2レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近させる方向に付勢する第2付勢機構と、を備えて切換機構が構成され、
前記切換機構は、前記出力軸に作用する負荷が設定値未満である場合には、第1付勢機構の付勢力により前記第1レバーの揺動端を前記キャリアに形成された第1係合部に係合させることにより前記リングギヤと前記キャリアとを一体回転させる等速伝動モードでの伝動を行い、
前記等速伝動モードで前記出力軸に作用する負荷が設定値以上となり前記キャリアに対し前記リングギヤが回転を開始すると、前記第1付勢機構の付勢力に抗して前記第1レバーの揺動端を前記第1係合部から離間させ、かつ、前記第2レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近する方向に変位させることにより、前記第2レバーの揺動端を回転不能な固定部材に形成された第2係合部に係合させ前記リングギヤの回転を阻止して前記遊星ギヤ減速機構で減速された駆動力を前記出力軸に伝える減速伝動モードでの伝動を行う点にある。
この構成によると、出力軸に作用する負荷が設定値未満である間、第1レバーの揺動端が、第1付勢機構の付勢力によりキャリアの第1係合部に係合し、リングギヤとキャリアとを一体的に回転させて等速伝動モードでの伝動を実現する。また、出力軸に作用する負荷が設定値以上となり第1付勢機構の付勢力に抗してリングギヤがキャリアに対して回転を始めると、第1レバーの揺動端が第1係合部から離脱し、第2レバーの揺動端が回転不能な固定部材の第2係合部に係合する。これにより、リングギヤの回転が阻止され、このリングギヤに咬合するプラネタリギヤが公転運動し、この公転運動がキャリアから出力軸に伝えられるため減速伝動モードでの伝動を実現する。更に、渦巻型スプリングで成る第1付勢機構からの付勢力が連動回転機構を介して複数の第1レバーに作用するため、付勢機構の数を低減できるだけでなく複数の第1レバーに対して等しい付勢力を作用させることも可能となる。
特に、本発明の構成では、リングギヤの回転力を第2レバーが、その揺動端から第2揺動軸芯に向かう方向に受け止めることが可能になるため、減速伝動モードでは、第2係合機構と第1レバーの揺動端との間で強く圧力が作用することになるが、第2付勢機構により、第2レバーの揺動端を第2係合に係合させるに必要な付勢力を得る必要はなく、この第2レバーを第2係合部に係合させるための付勢力を強くしないで済む。
従って、小型化が可能で、等速伝動モードと減速伝動モードとの切換作動を円滑に行わせる負荷感応型減速装置が構成された。
本発明は、前記第1揺動軸芯より外側の連係部により前記第1レバーが前記連動回転機構に連係し、この連係部と前記第1揺動軸芯との間で前記回転軸芯を中心とするリング状空間に前記第1付勢機構が配置されても良い。
これによると、第1付勢機構の付勢力を連動回転機構に作用させ、この付勢力を連係部から第1レバーに作用させる構成では、第1揺動軸芯から連係部まで所定の距離を必要とする。また、第1揺動軸芯と連係部との間には、回転軸芯を中心としたリング状の空間が形成され、このリング状の空間に第1付勢機構を配置することにより、リング状空間を有効に活用することが可能となる。
本発明は、前記第1レバーが前記第1係合部に係合する係合姿勢にある間、前記第2レバーを前記第2係合部から遠ざける規制姿勢に保持する規制機構を備えても良い。
これによると、第1レバーの揺動端が第1係合部に係合する状態では、規制機構が第2レバーの揺動端を第2係合部から遠ざける規制姿勢に保持するため、この第2レバーの揺動端を第2係合部に係合させることがない。
本発明は、前記第1係合部が、前記キャリアにおいて前記回転軸芯に向けて半径方向に窪む凹状に形成され、前記出力軸に作用する負荷が前記設定値以上に達し、前記キャリアが回転を開始すると、前記第1レバーを前記回転軸芯から離間する方向に向かう押圧力を作用させる姿勢制御面が、凹状の前記第1係合部に連なる領域に形成されても良い。
これによると、出力軸に作用する負荷が設定値以上に達し、前記キャリアが回転を開始すると、第1係合部に連なる領域に形成された姿勢制御面からの押圧力が第1レバーに作用し、この第1レバーの揺動端を第1係合部から円滑に離間させることが可能となる。
本発明は、前記第2係合部が、前記回転軸芯を中心とする円周状の外周面の複数箇所に形成した突起により構成されても良い。
これによると、突起に対して第2レバーの揺動端が当接することによりリングギヤの回転を阻止することが可能となる。
負荷感応型変速装置を備えた減速伝動機構を示す斜視図である。 負荷感応型変速装置の断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 減速伝動モードで第2レバーと第2係合部との関係を示す図である。 減速伝動モードで第2レバーの位置関係を示す図である。 負荷感応型変速装置の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1〜図3及び図8に示すように、電動モータMの出力軸Msからの駆動力が伝えられる入力軸1と、この入力軸1からの駆動力が伝えられる遊星ギヤ減速機構Pと、この遊星ギヤ減速機構Pの駆動力が伝えられる出力軸2と、この出力軸2に作用する負荷トルクにより遊星ギヤ減速機構Pにおける伝動を制御する切換機構Cとを伝動ケース3に収容して負荷感応型変速装置Aが構成されている。
出力軸2の駆動力が伝えられる入力軸部5sを有するウォームギヤ5Aと、これに咬合するホイールギヤ5Bとを有し、減速軸5Cから減速動力を出力する減速機構5が減速ケース4に収容され、この減速ケース4と伝動ケース3とが連結している。
図1に示すように、電動モータMから負荷感応型変速装置Aを介して減速機構5に駆動力を伝える構成の減速伝動機構では、減速機構5より上流側の伝動系に負荷感応型変速装置Aを備えることになる。この構成では、負荷感応型変速装置Aに対して高速回転であるが低トルクの駆動力が伝えられ、負荷が軽減(低トルク化)されるため、動力を伝える部材の大型化を抑制し、負荷感応型変速装置Aの小型化を可能にしている。
負荷感応型変速装置Aは、電動モータMの出力軸Msからの駆動力により入力軸1が駆動方向Rで示す方向に駆動回転される。切換機構Cは、出力軸2に作用する負荷トルクが設定値未満である場合には、入力軸1とリングギヤ20とキャリア30とを駆動方向Rに一体回転させる等速伝動モードで伝動を行う。また、出力軸2に作用する負荷トルクが設定値以上に達した場合には、リングギヤ20を伝動ケース3(固定ブロック15)に拘束することにより遊星ギヤ減速機構Pで減速された回転力を出力軸2に伝える減速伝動モードでの伝動が行われる。
また、減速伝動モードにおいて、出力軸2に作用する負荷が設定値未満にまで低下した場合には、等速伝動モードに復帰する。このように負荷感応型変速装置Aは、出力軸2に作用する負荷に対応して、機械的な作動による変速が行われる。
この負荷感応型変速装置Aは、自動車のスライドドアのように作動域により負荷トルクが変動する駆動系に備えられ、出力軸2に作用する負荷の上昇に対応して自動的な減速を行うため電動モータMの大型化を抑制している。また、作動対象としてはシートバックの角度を調節する駆動系や、ドアガラスを開閉する駆動系等自動車において電動モータMにより駆動される系の全般に使用できるが、自動車以外にも適用できる。
尚、負荷感応型変速装置Aは、決まった方向への回転力の自動減速を行うものであるため、スライドドアの開閉やドアガラスの開閉を行うためには、2つの負荷感応型変速装置Aを用いることや、出力軸2から伝えられる駆動力の回転方向を切り換えるギヤ等が用いられる。
〔遊星ギヤ減速機構〕
図2、図5、図8に示すように、遊星ギヤ減速機構Pは、サンギヤ11と、複数(4つの)のプラネタリギヤ12と、内周にギヤ部21が形成されたリングギヤ20と、複数のプラネタリギヤ12を支持するキャリア30とを備えている。この遊星ギヤ減速機構Pは、サンギヤ11とリングギヤ20とが回転軸芯Xと同軸芯上に配置され、これらに咬合する位置に複数のプラネタリギヤ12を配置した一般的な構成が採用されている。
サンギヤ11に入力軸1が一体的に形成され、プラネタリギヤ12に支軸12Aが一体的に形成されている。これら入力軸1と遊星ギヤ減速機構Pと出力軸2とは回転軸芯Xと同軸芯上に配置されている。
図2〜図5及び図8に示すように、リングギヤ20は、内面にギヤ部21が形成された筒状に形成され、一方の端面22の開口を取り囲む位置にはその端面22から外方に突出する形態で回転軸芯Xを中心とする環状部23が形成されている。また、環状部23のうち径方向で対向する2カ所に規制突起24が突設され、この規制突起24に対して回転軸芯Xと平行姿勢の第1支持孔25が形成されている。更に、環状部23には径方向に延びるスリット状の一対の内側係合凹部26が形成されている。
図2、図4及び図8に示すように、キャリア30は、プラネタリギヤ12を支持するプレート状部31と、回転軸芯Xと同軸芯の円柱状のブロック状部32とが一体形成され、ブロック状部32の突出側の端部に前述した出力軸2が突設されている。ブロック状部32の突出側の外周には、この外周部分の一部に対し、半径方向に窪む凹状となる一対の第1係合部33が形成され、出力軸2には回転軸芯Xと同軸芯となる嵌合孔2Aが形成されている。尚、この嵌合孔2Aに対してウォームギヤ5Aの入力軸部5sが嵌合する。
第1係合部33は、キャリア30のブロック状部32の外周に対して半径方向に窪む凹状に形成され、この第1係合部33には、係合時に第1レバー41の直線状部分が接触する姿勢制御面33Sが形成されている。この姿勢制御面33Sは、出力軸2に作用する負荷が設定値以上となり、キャリア30が回転を開始した場合に、第1レバー41を回転軸芯Xから離間する方向に向かう押圧力を作用させる。
〔切換機構〕
図2〜図4及び図8に示すように、切換機構Cは、一対の第1レバー41と、一対の第2レバー42と、連動回転機構50と、渦巻型スプリングで成る第1付勢機構46と、トーションスプリングで成る第2付勢機構47と、キャリア30に形成された複数(一対)の第1係合部33と、固定ブロック15に形成された複数の第2係合部16とを備えている。
この切換機構Cでは、リングギヤ20の環状部23の孔部と、連動回転機構50の孔部51とにブロック状部32を挿通するようにキャリア30が配置される。また、リングギヤ20と固定ブロック15との間の空間に第1付勢機構46と、連動回転機構50と、一対の第1レバー41と、一対の第2レバー42とを配置している。尚、第1付勢機構46の付勢力は第2付勢機構47の付勢力より強く設定されている。第1レバー41と第2レバー42とは、3つ以上備えても良い。
連動回転機構50は、中央に孔部51が形成されたリング状であり、孔部51の外周部にはリングギヤ20の規制突起24が挿通する一対の挿通部51Aが外方に切り開く形態で形成されている。
この連動回転機構50は、リングギヤ20の規制突起24を挿通部51Aに挿通する位置に配置されることにより、リングギヤ20に対して回転軸芯Xを中心に所定角度だけ相対回転自在となる。この相対回転角度は規制突起24と挿通部51Aとの周方向での間隙に対応する角度に対応する。また、連動回転機構50の外周には一対の第1連係凹部52(後述する第1連係軸41Cとで連係部を構成する)と、外側係合凹部53とが形成されている。
第1付勢機構46は、その内径がリングギヤ20の環状部23より充分に大きくなるように帯状のバネ材を渦巻型に成形したものであり、内端側に内端係合部46Aが形成され、外端側に外端係合部46Bが形成されている。この第1付勢機構46は、内端係合部46Aをリングギヤ20の内側係合凹部26に係合させ、外端係合部46Bを連動回転機構50の外側係合凹部53に係合させることにより、リングギヤ20と連動回転機構50との間に付勢力を作用させている。
特に、第1付勢機構46は、図4に示す如く、第1支軸41Aと第1連係軸41Cとの間において、回転軸芯Xを中心に形成されるリング状空間に配置されている。つまり、前述したようにリングギヤ20と連動回転機構50とに挟まれる領域に第1付勢機構46が配置されることになるが、この第1付勢機構46は、第1揺動軸芯Y1と同軸芯上に配置される第1支軸41Aと、連係部を構成する第1連係軸41Cとの間に形成されるリング状空間を有効に利用して配置されるのである。
第1レバー41は、第1係合部33に係脱可能な位置に配置される。この第1レバー41は、長手方向の中間位置の第1支軸41Aが一体形成され、この第1支軸41Aを基準にして係合端部側に支持孔41Bが形成され、操作端部側に第1連係軸41Cが一体形成されている。第1支軸41Aと、支持孔41Bと、第1連係軸41Cとは回転軸芯Xに平行する姿勢で形成される。
この第1レバー41は、第1支軸41A(第1揺動軸芯Y1と同軸芯に配置)をリングギヤ20の第1支持孔25に支持し、第1連係軸41Cを連動回転機構50の第1連係凹部52に係合して配置される。これにより、リングギヤ20と連動回転機構50の相対回転位相の変位に伴い、第1支軸41Aを中心とした揺動により係合端部が第1係合部33に係合する係合姿勢と、第1係合部33から離間する離間姿勢とに切換自在となる。
尚、第1支軸41Aは、必ずしも第1レバー41に一体形成する必要はなく、例えば、リングギヤ20に立設する等の構成によりリングギヤ20に備えても良い。これと同様に、第2支軸42Aを第1レバー41に一体形成する等、第1レバー41に備えても良い。また、第1連係軸41Cを連動回転機構50に立設する等の構成により連動回転機構50に備えても良い。
前述したように第1付勢機構46から作用する付勢力により、図4に示す如くリングギヤ20と連動回転機構50との相対回転位相が決まり、第1レバー41の揺動姿勢が決まる。これにより係合端部側が、回転軸芯Xに近接する位置に張り出し、第1係合部33に係合する。
第2レバー42は、第2係合部16に係脱可能な位置に配置される。第2レバー42(第2揺動軸芯Y2と同軸芯に配置される)は、一方の端部に回転軸芯Xと平行する姿勢で第2支軸42Aが形成されている。この第1レバー41は、第2支軸42Aが第1レバー41の支持孔41Bに支持される。
第2レバー42は第2付勢機構47の付勢力により第2係合部16に係合する方向(回転軸芯Xに近接する方向)に付勢され、第1レバー41が係合姿勢にある場合に第2レバー42の揺動端が第2係合部16から離間する姿勢に維持されるように第2レバー42にはピン状の規制体42B(規制機構の一部)が形成されている。
第1レバー41には、規制体42Bが嵌り込む円弧状の規制凹部41D(規制機構の一部)が形成されている。この規制凹部41Dは、第2揺動軸芯Y2を中心にする円弧状に形成され、この規制凹部41Dの内面に規制体42Bが当接することにより第2レバー42が係合する方向への揺動が規制される。尚、この規制体42Bと規制凹部41Dとで規制機構が構成されている。また、この規制凹部41Dに対して第2付勢機構47の一方の端部を係合させ、第2付勢機構47の他方の端部を第1レバー41に係合させることにより付勢力を第1レバー41に作用させている。
固定部材となる固定ブロック15は、伝動ケース3の内部に収容された状態で、回転不能となるものであり、円周状の外周面の複数箇所に形成した突起により複数の第2係合部16が形成されている。
切換機構Cを組み立てた状態では、回転軸芯Xを基準にして第1支軸41A(第1揺動軸芯Y1)より外側に連係部(第1連係軸41Cと第1連係凹部52)が配置され、第1支軸41Aより内側に第2支軸42Aと第1支持孔25(第2揺動軸芯Y2)が配置される。また、環状部23を取り囲む位置に第1付勢機構46が配置され、この第1付勢機構46の付勢力が、リングギヤ20を基準にして連動回転機構50に対して付勢方向Tに向けて作用する。
第1付勢機構46の付勢力により第1レバー41がキャリア30の第1係合部33に係合する方向に付勢される。第2レバー42は、第2付勢機構47により第2係合部16に向けて突出する方向に付勢されるが、第1レバー41が第1係合部33に係合する状態では規制体42Bの規制により第2レバー42が第2係合部16に係合することはない。
〔作動形態〕
このような構成から、出力軸2作用する負荷トルクが設定値未満である場合には図3及び図4に示す如く、第1付勢機構46の付勢力により第1レバー41の揺動端がキャリア30の第1係合部33に係合する。この係合状態が維持されることにより、リングギヤ20とキャリア30とが一体回転し、遊星ギヤ減速機構Pでは減速が行われない。つまり、入力軸1と、サンギヤ11と、複数のプラネタリギヤ12と、リングギヤ20と、キャリア30と、出力軸2と、が駆動方向Rに向けて一体回転する等速伝動モードで伝動が行われる。
次に、等速伝動モードでの伝動時に、出力軸2に作用する負荷トルクが設定値以上に増大した場合には、第1付勢機構46の付勢力に抗してプラネタリギヤ12が公転し、リングギヤ20が逆転方向Sに向けて回転を開始する。
このようにリングギヤ20が逆転方向Sに回転を開始した場合には、このリングギヤ20に対してキャリア30が相対回転し、第1レバー41の揺動端が姿勢制御面33Sに沿って相対移動する。このように相対移動を開始した場合には、姿勢制御面33Sが、第1レバー41の係合端部側を回転軸芯Xから離間する方向に押圧力を作用させる。これにより、第1レバー41が第1揺動軸芯Y1を中心にして揺動し、第1レバー41の揺動端が回転軸芯Xから離間する方向に変位する。
この第1レバー41の揺動に伴い、第2レバー42の揺動端が回転軸芯Xに近接する方向に変位する。そして、第1レバー41が図6及び図7に示す姿勢に達することにより、第2レバー42の揺動端が、第2係合部16に係合し、減速伝動モードに移行する。
この減速伝動モードでは、第2レバー42の揺動端が第2係合部16に係合することによりリングギヤ20の回転が阻止され、遊星ギヤ減速機構Pが機能して減速動力をキャリア30から出力軸2に伝動する状態となる。
尚、第2レバー42の揺動端が回転軸芯Xに近接する方向に揺動し、第2レバー42が第2係合部16の突出部分に当接したにも拘わらず係合状態に達しない場合には、この当接により、第2揺動軸芯Y2を中心にして第2レバー42が回転軸芯Xから離間する方向に一旦揺動し、この後に、再び第2付勢機構47の付勢力により回転軸芯Xに近接する方向に揺動することができる。このように、第2レバー42の揺動端を第2付勢機構47の付勢力により回転軸芯Xに接近する方向に揺動させ第2係合部16に対して確実に係合できるように構成されている。
特に、第2レバー42の揺動端が第2係合部16に係合した場合に、リングギヤの回転力を第2レバーの揺動端から第2揺動軸芯の方向に受け止めるように第2レバー42の姿勢が設定されるため、強い力が作用しても強力に受け止めることが可能となる。つまり、等速伝動モードから減速伝動モードに切り換わる際に、第2レバー42の揺動端が、例えば、第2係合部16に当接する位相にある場合には、第2レバー42の揺動端と第2係合部16とが係合可能な位相に達した後に第2レバー42の揺動端を第2係合部16に係合させることが可能となり、第2付勢機構47の付勢力が切換わりの負荷(トルク)に影響を与えることがない。
更に、減速伝動モードにおいて出力軸2に作用する負荷トルクが設定値未満まで低下した場合には、遊星ギヤ減速機構Pからリングギヤ20に作用する反力が低下し第1付勢機構46の付勢力によりリングギヤ20が逆転方向Sと反対方向に回転を開始する。この回転により第1レバー41は回転軸芯Xに接近する方向に揺動を行う。そして、第1レバー41の揺動端が、キャリア30の第1係合部33に係合する状態に達し、等速伝動モードへの移行が完了する。
〔実施形態の作用・効果〕
このような構成により、2つの第1レバー41に対して、単一の第1付勢機構46からの付勢力を、連動回転機構50を介して作用させることが可能となる。この構成により、例えば、第1レバー41の各々に付勢力を作用させるコイルスプリングを備える構成と比較してスプリングの配置が容易となり、しかも、2つの(複数の)第1レバー41に対して等しい付勢力を作用させることも可能となる。
また、連動回転機構50に形成した一対の内側係合凹部26を選択して第1付勢機構46の内端係合部46Aを係合させることにより、2つの第1レバー41に作用する付勢力の調節が可能となる。
また、複数の第1レバー41の各々に対し、例えば、コイルスプリングを備える構成と比較すると、本発明のように連動回転機構50と渦巻型スプリングで成る第1付勢機構46とを用いることにより、付勢のための構成の小型化が可能で円滑な作動が実現することになり、負荷感応型変速装置Aの小型化も可能となる。
第1付勢機構46の付勢力を連動回転機構50に作用させ、この付勢力を第1連係軸41C(連係部)から第1レバー41に作用させる構成では、第1支軸41A(第1揺動軸芯Y1)から第1連係軸41Cまで所定の距離を必要とする。このような理由から、第1支軸41Aと第1連係軸41Cとの間には、回転軸芯を中心としたリング状空間が形成されることになる。本発明では、このリング状空間に第1付勢機構46を配置することにより、リング状空間を有効に活用できる。
特に、減速機構5より上流の伝動系に負荷感応型変速装置Aを備えることにより、負荷感応型変速装置Aに作用する負荷を軽減(低トルク化)し、負荷感応型変速装置Aの小型化を可能にする。
本発明は、出力軸に作用する負荷トルクの増大に基づいて自動的な減速を行う負荷感応型減速装置に利用することができる。
2 出力軸
11 サンギヤ
12 プラネタリギヤ
15 固定部材(固定ブロック)
16 第2係合部
20 リングギヤ
33 第1係合部
33S 姿勢制御面
41 第1レバー
41C 連係部(第1連係軸)
41D 規制機構(規制凹部)
42 第2レバー
42B 規制機構(規制体)
46 第1付勢機構
47 第2付勢機構
50 連動回転機構
52 連係部(第1連係凹部)
P 遊星ギヤ減速機構
X 回転軸芯
Y1 第1揺動軸芯
Y2 第2揺動軸芯

Claims (5)

  1. 回転軸芯と同軸芯に配置され駆動力が伝えられるサンギヤと、前記回転軸芯と同軸芯で前記サンギヤを取り囲む位置に配置されるリングギヤと、前記サンギヤ及び前記リングギヤに咬合するプラネタリギヤと、前記プラネタリギヤを支持し、このプラネタリギヤからの回転力により前記回転軸芯を中心に回転可能で出力軸を備えたキャリアと、を備えて遊星ギヤ減速機構が構成されると共に、
    前記リングギヤに対し第1揺動軸芯を中心に揺動自在に支持される複数の第1レバーと、前記第1レバーに対し第2揺動軸芯を中心に揺動自在に支持される第2レバーと、前記回転軸芯を中心にした所定角度の回転により複数の前記第1レバーを揺動させる連動回転機構と、前記連動回転機構を回転方向に付勢することにより前記第1レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近させる方向に揺動させる渦巻型スプリングで成る第1付勢機構と、前記第2レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近させる方向に付勢する第2付勢機構と、を備えて切換機構が構成され、
    前記切換機構は、前記出力軸に作用する負荷が設定値未満である場合には、第1付勢機構の付勢力により前記第1レバーの揺動端を前記キャリアに形成された第1係合部に係合させることにより前記リングギヤと前記キャリアとを一体回転させる等速伝動モードでの伝動を行い、
    前記等速伝動モードで前記出力軸に作用する負荷が設定値以上となり前記キャリアに対し前記リングギヤが回転を開始すると、前記第1付勢機構の付勢力に抗して前記第1レバーの揺動端を前記第1係合部から離間させ、かつ、前記第2レバーの揺動端を前記回転軸芯に接近する方向に変位させることにより、前記第2レバーの揺動端を回転不能な固定部材に形成された第2係合部に係合させ前記リングギヤの回転を阻止して前記遊星ギヤ減速機構で減速された駆動力を前記出力軸に伝える減速伝動モードでの伝動を行う負荷感応型減速装置。
  2. 前記第1揺動軸芯より外側の連係部により前記第1レバーが前記連動回転機構に連係し、この連係部と前記第1揺動軸芯との間で前記回転軸芯を中心とするリング状空間に前記第1付勢機構が配置されている請求項1記載の負荷感応型減速装置。
  3. 前記第1レバーが前記第1係合部に係合する係合姿勢にある間、前記第2レバーを前記第2係合部から遠ざける規制姿勢に保持する規制機構を備えている請求項1又は2記載の負荷感応型減速装置。
  4. 前記第1係合部が、前記キャリアにおいて前記回転軸芯に向けて半径方向に窪む凹状に形成され、
    前記出力軸に作用する負荷が前記設定値以上に達し、前記キャリアが回転を開始すると、前記第1レバーを前記回転軸芯から離間する方向に向かう押圧力を作用させる姿勢制御面が、凹状の前記第1係合部に連なる領域に形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の負荷感応型減速装置。
  5. 前記第2係合部が、前記回転軸芯を中心とする円周状の外周面の複数箇所に形成した突起により構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の負荷感応型減速装置。
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