JP6242748B2 - クラッチ付きモータ及び開閉体の開閉装置 - Google Patents

クラッチ付きモータ及び開閉体の開閉装置 Download PDF

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Description

本発明は、クラッチ付きモータ及び開閉体の開閉装置に関するものである。
従来、開閉体の開閉装置の1つとして、自動車の屋根(ルーフパネル)に備えたサンルーフ装置がある。一般に、車両用サンルーフ装置には、ルーフガラスとサンシェードとから構成されている。ルーフガラス及びサンシェードは、共に開閉可能に設けられている。そして、ルーフガラスを閉めた状態で、サンシェードを開けることによって、車内に外光を取り入れることができる。また、ルーフガラス及びサンシェードを開けた状態にすることによって、外光とともに、車内に外気を導入することができる。さらに、ルーフガラス及びサンシェードを閉めた状態にすることによって、外光及び外気を遮断することができる。そして、この種のサンルーフ装置において、ルーフガラス及びサンシェードを電動モータにて開閉させるものが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平5−4521号公報
ところで、特許文献1のサンルーフ装置においては、ガラスパネル及びサンシェードを開閉させるのにそれぞれ別々の電動モータが使用されていた。つまり、サンルーフ装置には、2台の電動モータが装備されていた。従って、サンルーフ装置のコストアップにつながるとともに、サンルーフ装置の大型化や重量増につながっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コストダウンを図り、軽量・小型化を実現することができるクラッチ付きモータ及び開閉体の開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決するクラッチ付きモータは、モータの駆動によって回転する回転体と、前記回転体の回転に伴い同回転体の回転中心軸線を中心として旋回するとともに、その回転中心軸線に対して径方向に移動可能な第1作動ピンと第2作動ピンと、前記旋回に基づく遠心力が、予め定めた第1遠心力に達したとき、その第1遠心力に対して前記第1作動ピンを径方向の第1位置から第2位置に移動させる第1弾性部材と、前記旋回に基づく遠心力が、前記第1遠心力より大きい予め定めた第2遠心力に達したとき、その第2遠心力に対して前記第2作動ピンを径方向の第3位置から第4位置に移動させる第2弾性部材と、前記第1作動ピンと係脱可能な第1係合部を有し、前記第1作動ピンが前記第1位置にあるとき該第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転し、前記第1作動ピンが前記第2位置にあるとき該第1作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結となる第1被回転体と、前記第2作動ピンと係脱可能な第2係合部を有し、前記第2作動ピンが前記第3位置にあるとき該第2作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結となり、前記第2作動ピンが前記第4位置にあるとき該第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転する第2被回転体とからなる。
上記構成によれば、1つのモータの回転数を制御するだけで、第1被回転体と第2被回転体を選択的に回転させることができることから、安価で軽量・小型化なクラッチ付きモータを実現することができる。
また、上記構成において、前記回転体は、環状壁を有し、前記第1作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向内側に出没可能に設けられ、前記第2作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向外側に出没可能に設けられ、前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向内側に出没可能に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には第2ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向外側に出没可能に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、環状壁に、第1作動ピンと第2作動ピンの2種類をまとめて設け、第1従動円筒体と第2従動円筒体を2重管のようにして同軸上に回転可能にしたので、クラッチ構造がコンパクトとなる。
また、上記構成において、前記回転体は、モータの駆動に基づいて回転する駆動軸に固着された四角平板状の回転駆動体であり、その四角平板状の回転駆動体は、4つ外側面のうち対向する一方の2つ外側面に第1ガイド面をそれぞれ形成し、残る対向する2つ外側面に第2ガイド面をそれぞれ形成し、前記第1作動ピンは、前記第1弾性部材にて前記第1ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向内に移動可能に設けられ、前記第2作動ピンは、前記第2弾性部材にて前記第2ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向に移動可能に設けられ、前記第1被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第1ピニオンであって、その第1ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、前記第2被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第2ピニオンであって、その第2ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第2係合部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、回転駆動体の第1ガイド面に第1作動ピンを、また、回転駆動体の第2ガイド面に第2作動ピンをそれぞれ摺動可能に回転駆動体の中心軸線に向かって弾圧した。そして、回転駆動体の回転数に相対して、第1及び第2作動ピンの径方向に移動する移動量を制御させるだけで、第1ピニオン又は第2ピニオンを正逆回転させるようにした。従って、クラッチ構造をコンパクトにすることができる。
また、上記構成において、前記第1作動ピンは、第1作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第1ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第1ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、前記第1作動ピン本体は、径方向に長い第1バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第1被回転体の第1係合部と係合する第1係合突起が設けられ、前記第2作動ピンは、第2作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第2ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第2ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、前記第2作動ピン本体は、径方向に長い第2バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第2被回転体の第2係合部と係合する第2係合突起を設けられ、前記第1弾性部材は、前記第1バネ収納室に配置され、前記第1作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第1遠心力に達したとき、前記第1作動ピン本体を前記第1位置から前記第2位置に移動させ、前記第2弾性部材は、前記第2バネ収納室に配置され、前記第2作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第2遠心力に達したとき、前記第2作動ピン本体を前記第3位置から前記第4位置に移動させ、前記第1被回転体は、ケースハウジングに対して回転可能支持された第1従動軸であって、その第1従動軸には第1ピニオンが固着されるとともに、前記第1作動ピンの第1係合突起と係合する前記第1係合部が設けられ、前記第2被回転体は、前記第1従動軸に回転可能支持された筒状の第2従動軸であって、その第2従動軸には第2ピニオンが固着されるとともに、前記第2作動ピンの第2係合突起と係合する前記第2係合部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、第1及び第2作動ピンは重量を大きくすることができる直方体に形成したことから同第1及び第2作動ピンに大きな遠心力を付与することができ、回転体の回転に伴う第1及び第2作動ピンの径方向の移動をさらに感度のよく移動させることができる。また、直方体の第1及び第2作動ピンに形成した第1及び第2バネ収納室にそれぞれ第1及び第2弾性部材を内蔵したので、コンパクトなクラッチ構造となり、クラッチ構造がコンパクトとなる。
また、上記構成において、前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1ピニオンの周速度と第2ピニオンの周速度を同じにすることができる。
また、上記構成において、前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンを固着し、前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には、第1駆動伝達ギアを固着し、前記第1駆動伝達ギアは、前記第1従動円筒体と並設された回転軸に固着された第2駆動伝達ギアと噛合し、前記第1駆動伝達ギアの回転力を、前記第2駆動伝達ギアを介して前記回転軸の一端部に固着した第2ピニオンに伝達することが好ましい。
上記構成によれば、第1ピニオンと第2ピニオンを平面に並設することができる。
また、上記構成において、前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、同じであって、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように、前記第1駆動伝達ギアと第2駆動伝達ギアのギア比が予め設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1ピニオンの周速度と第2ピニオンの周速度を同じにすることができる。
上記課題を解決する開閉体の開閉装置は、第1開閉体と第2開閉体をそれぞれ開閉させる開閉体の開閉装置であって、外周面に形成したギヤがモータの出軸に連結したウォーム軸と噛合し、モータの正逆回転駆動とともに正逆回転する回転体と、前記回転体の回転に伴い同回転体の回転中心軸線を中心として旋回するとともに、その回転体の回転中心軸に対して径方向に移動可能な第1作動ピンと第2作動ピンと、前記旋回に基づく遠心力が、予め定めた第1遠心力に達したとき、その第1遠心力に抗して前記第1作動ピンを径方向の第1位置から第2位置に移動させる第1弾性部材と、前記旋回に基づく遠心力が、前記第1遠心力より大きい予め定めた第2遠心力に達したとき、その第2遠心力に抗して前記第2作動ピンを径方向の第3位置から第4位置に移動させる第2弾性部材と、前記第1作動ピンと係脱可能な第1係合部を有し、前記第1作動ピンが前記第1位置にあるとき該第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転して前記第1開閉体を開閉移動させ、前記第1作動ピンが前記第2位置にあるとき該第1作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結にして前記第1開閉体を移動停止させる第1被回転体と、前記第2作動ピンと係脱可能な第2係合部を有し、前記第2作動ピンが前記第3位置にあるとき該第2作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結にして前記第2開閉体を移動停止させ、前記第2作動ピンが前記第4位置にあるとき該第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転して前記第2開閉体を開閉移動させる第2被回転体とを備える。
上記構成によれば、1つのモータで第1開閉体と第2開閉体を選択的に開閉ことができることから、安価で軽量・小型化な開閉装置を実現することができる。
また、上記構成において、前記第1開閉体を開閉移動させるための第1操作スイッチと、前記第2開閉体を開閉移動させるための第2操作スイッチと、前記第1又は第2操作スイッチの操作に応答して、前記第1作動ピンの配置が前記第1位置に、又は、前記第2作動ピンの配置が前記第4位置に位置するように、前記モータを回転制御する制御回路とを備えることが好ましい。
上記構成によれば、第1操作スイッチと第2操作スイッチを適宜操作するこことによって、第1開閉体と第2開閉体を選択的に開閉ことができる。
また、上記構成において、前記第1開閉体は、車両のルーフパネルに形成したルーフ開口部を開閉するサンシェードであり、前記第2開閉体は、前記ルーフ開口部を開閉するルーフガラスであることが好ましい。
上記構成によれば、1つのモータで車両に設けたサンルーフ装置のサンシェードとルーフガラスを選択的に開閉ことができることから、安価で軽量・小型化なサンルーフ装置を実現することができる。
また、上記構成において、前記回転体は、環状壁を有し、前記第1作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向内側に出没可能に設けられ、前記第2作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向外側に出没可能に設けられ、前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向内側に出没可能に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には第2ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向外側に出没可能に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、環状壁に、第1作動ピンと第2作動ピンの2種類をまとめて設け、第1従動円筒体と第2従動円筒体を2重管のようにして同軸上に回転可能にしたので、クラッチ構造がコンパクトとなる。その結果、軽量・小型化な開閉装置を実現することができる。
また、上記構成において、前記回転体は、モータの駆動に基づいて回転する駆動軸に固着された四角平板状の回転駆動体であり、その四角平板状の回転駆動体は、4つ外側面のうち対向する一方の2つ外側面に第1ガイド面をそれぞれ形成し、残る対向する2つ外側面に第2ガイド面をそれぞれ形成されおり、前記第1作動ピンは、前記第1弾性部材にて前記第1ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向内に移動可能に設けられ、前記第2作動ピンは、前記第2弾性部材にて前記第2ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向に移動可能に設けられ、前記第1被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第1ピニオンであって、その第1ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、前記第2被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第2ピニオンであって、その第2ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第2係合部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、回転駆動体の回転数に相対して、第1及び第2作動ピンの径方向に移動する移動量を制御させるだけで、第1ピニオン又は第2ピニオンを正逆回転させるようにした。従って、クラッチ構造をコンパクトにすることができ、軽量・小型化な開閉装置を実現することができる。
また、上記構成において、前記第1作動ピンは、第1作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第1ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第1ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、前記第1作動ピン本体は、径方向に長い第1バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第1被回転体の第1係合部と係合する第1係合突起が設けられ、前記第2作動ピンは、第2作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第2ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第2ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、前記第2作動ピン本体は、径方向に長い第2バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第2被回転体の第2係合部と係合する第2係合突起を設けられ、前記第1弾性部材は、前記第1バネ収納室に配置され、前記第1作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第1遠心力に達したとき、前記第1作動ピン本体を前記第1位置から前記第2位置に移動させ、前記第2弾性部材は、前記第2バネ収納室に配置され、前記第2作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第2遠心力に達したとき、前記第2作動ピン本体を前記第3位置から前記第4位置に移動させ、前記第1被回転体は、ケースハウジングに対して回転可能支持された第1従動軸であって、その第1従動軸には第1ピニオンが固着されるとともに、前記第1作動ピンの第1係合突起と係合する前記第1係合部が設けられ、前記第2被回転体は、前記第1従動軸に回転可能支持された筒状の第2従動軸であって、その第2従動軸には第2ピニオンが固着されるとともに、前記第2作動ピンの第2係合突起と係合する前記第2係合部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、第1及び第2作動ピンは重量を大きくすることができ直方体に形成したことから同第1及び第2作動ピンに大きな遠心力を付与することができ、回転体の回転に伴う第1及び第2作動ピンの径方向の移動をさらに感度のよく移動させることができる。また、直方体の第1及び第2作動ピンに形成した第1及び第2バネ収納室にそれぞれ第1及び第2弾性部材を内蔵したので、コンパクトなクラッチ構造となり、車両用サンルーフ装置を小型・軽量化できる。
また、上記構成において、前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1被回転体の周速度と第2被回転体の周速度を同じにすることで、第1開閉体と第2開閉体との開閉速度を同じにできる。
また、上記構成において、前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンを固着し、前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には、第1駆動伝達ギアを固着し、前記第1駆動伝達ギアは、前記第1従動円筒体と並設された回転軸に固着された第2駆動伝達ギアと噛合し、前記第1駆動伝達ギアの回転力を、前記第2駆動伝達ギアを介して前記回転軸の一端部に固着した第2ピニオンに伝達することが好ましい。
上記構成によれば、第1ピニオンと第2ピニオンを同一平面に並設することができる。
また、上記構成において、前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、同じであって、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように、前記第1駆動伝達ギアと第2駆動伝達ギアのギア比が予め設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1ピニオンの周速度と第2ピニオンの周速度を同じにすることで、第1開閉体と第2開閉体との開閉速度を同じにできる。
本発明によれば、クラッチ付きモータ及び開閉体の開閉装置のコストダウン及び軽量・小型化を図ることができる。
第1実施形態における車両用サンルーフ装置を装備した車両の要部斜視図。 同じく、車両用サンルーフ装置のモータの正面図。 同じく、図2のA−O−A線組合せ断面図。 同じく、モータに設けたクラッチ機構を説明するための説明図。 (a)(b)は第1作動ピンと第1係合片との係合状態を説明するための説明図。 (a)(b)は第2作動ピンと第2係合片との係合状態を説明するための説明図。 第2実施形態における車両用サンルーフ装置のモータに設けたクラッチ機構を説明するための分解斜視図。 同じく、第1作動ピンの配置状態を説明する断面図。 同じく、第2作動ピンの配置状態を説明する断面図。 同じく、回転駆動体が下側及び上側ピン支持体に収容されている状態を示す断面図。 同じく、(a)は下側ピン支持体の断面図、(b)は上側ピン支持体の断面図。 同じく、第1ピニオンの断面図。 同じく、第2ピニオンの断面図。 (a)(b)は第1作動ピンと第1係合溝との係合状態を説明するための説明図。 (a)(b)は第2作動ピンと第2係合溝との係合状態を説明するための説明図。 第3実施形態におけるモータに設けたクラッチ機構を説明するための軸方向から見た要部断面図。 同じく、図16のA−O−A線組合せ断面図。 (a)(b)は第1作動ピンの第1係合突起と第1係合片との係合状態を説明するための説明図。 (a)(b)は第2作動ピンの第2係合突起と第2係合片との係合状態を説明するための説明図。 第4実施形態における車両用サンルーフ装置のモータの正面図。 同じく、モータに設けたクラッチ機構を説明するための断面図。 同じく第1ピニオンと第2ピニオンが並設された状態を示す断面図。
(第1実施形態)
以下、車両用サンルーフ装置に具体化した開閉体の開閉装置の第1実施形態について説明する。
図1は、車両用サンルーフ装置を装備した車両の要部斜視図であって、車両1のルーフパネル2に形成した矩形状のルーフ開口部2aに対して透明のルーフガラス3が配置されている。ルーフガラス3は、前後方向に往復スライド移動(スライド開閉作動)可能に設けられている。また、ルーフガラス3の下側(車内側)には、遮光性の合成樹脂板よりなるサンシェード4が配置されている。サンシェード4は、ルーフガラス3と同様に、前後方向に往復スライド移動(スライド開閉作動)可能に設けられている。
そして、ルーフガラス3とサンシェード4を後方にスライド移動させて、ルーフ開口部2aに対して共に開けた状態にすると、外気と外光を車内に導入することができる。また、ルーフガラス3を前方にスライド移動させてルーフ開口部2aに対して閉めた状態にし、サンシェード4を後方にスライド移動させてルーフ開口部2aに対して開けた状態にすると、外気を遮断し、外光を車内に導入することができる。さらに、ルーフガラス3とサンシェード4を前方にスライド移動させてルーフ開口部2aに対して共に閉めた状態にすると、外気及び外光の車内への導入を遮断することができる。
図1に示すように、ルーフ開口部2aの前端部であって、ルーフパネル2と室内側の内側天井パネル(図示略)との間には、モータMが配設されている。モータMは、ルーフガラス3を前後方向に往復スライド移動(開閉作動)させるとともに、サンシェード4を前後方向に往復スライド移動(開閉作動)させる駆動源である。
つまり、ルーフガラス3とサンシェード4は、1つのモータMにてそれぞれ個別に前後方向に往復スライド移動(開閉作動)されるようになっている。
次に、ルーフガラス3及びサンシェード4の駆動機構について説明する。
図2に示すように、モータMは、モータケース5から突出した出力軸Sがモータケース5と併設した減速・クラッチ部6のケースハウジング7内に突出している。出力軸Sはケースハウジング7内において回転可能に支持されたウォーム軸8と駆動連結され、そのウォーム軸8は、ウォームホイール10と噛合している。
図3に示すように、ウォームホイール10は、ホイール本体11が有底円筒状をなし、その外輪部12の外周面にウォーム軸8と噛合するギヤ歯が形成されている。ホイール本体11の中心部には、支軸S1が固着されている。支軸S1は、基端部がケースハウジング7に設けた軸受9にて回転可能に支持され、先端部がケースハウジング7から外部へ突出している。従って、ウォームホイール10(ホイール本体11)は、ウォーム軸8の正逆回転によって、支軸S1の中心軸線Oを回転中心としてケースハウジング7内で正逆回転する。
図3に示すように、ホイール本体11の内底部には、前記支軸S1を一定の間隔で囲むように環状壁13が形成されている。環状壁13は、同環状壁13の内周面と支軸S1の外周面との間隔、及び、同環状壁13の外周面と外輪部12の内周面との間隔が同じになるように形成されている。
図3及び図4に示すように、環状壁13には、2つの第1収容部14と2つの第2収容部15が形成されている。第1収容部14と第2収容部15は、周方向に等角度の間隔で交互に形成されている。従って、2つの第1収容部14と2つ第2収容部15は、周方向に90度の間隔で交互に形成されている。
図3及び図4に示すように、2つの第1収容部14は、環状壁13の内周面側に内周面開口部14aを有している。2つの第1収容部14には、第1作動ピンP1がそれぞれ収容されている。第1作動ピンP1は、支軸S1の中心軸線Oを中心として径方向に沿って移動可能に第1収容部14内を収容されている。従って、第1作動ピンP1の先端部は、第1収容部14の内周面開口部14aから出没する。
第1収容部14において、第1作動ピンP1の基端と第1収容部14の奥面との間に第1スプリングバネSP1が配置されている。第1スプリングバネSP1は、第1作動ピンP1に対して、常に径方向内側(支軸S1側)に向かって弾性力を付与するようになっている。従って、第1作動ピンP1の先端部は、第1収容部14の内周面開口部14aから突出する。
そして、第1作動ピンP1は、ホイール本体11(環状壁13)が回転して支軸S1の中心軸線Oを中心に旋回すると、遠心力が加わる。第1作動ピンP1は、その遠心力によって第1スプリングバネSP1の弾性力に抗して径方向外側(第1収容部14内)に移動する力が増大する。やがて、ホイール本体11(環状壁13)が予め定めた第1の回転数N1に達して、第1作動ピンP1に第1遠心力f1が加わると、第1作動ピンP1の先端部は、第1収容部14の内周面開口部14aから同第1収容部14内に没するようになっている。
ここで、第1作動ピンP1に遠心力が加えられておらず、図4及び図5(a)に示すように第1作動ピンP1の先端部が突出している同第1作動ピンP1の位置を第1位置という。また、第1作動ピンP1に第1遠心力f1以上の遠心力が加えられて、図6(b)に示すように第1作動ピンP1の先端部が内周面開口部14aから第1収容部14内に没している同第1作動ピンP1の位置を第2位置という。
図3及び図4に示すように、2つの第2収容部15は、環状壁13の外周面に外周面開口部15aを有している。2つの第2収容部15には、第2作動ピンP2がそれぞれ収容されている。第2作動ピンP2は、支軸S1の中心軸線Oを中心として径方向に沿って移動可能に第2収容部15内を収容されている。従って、第2作動ピンP2の先端部は、第2収容部15の外周面開口部15aから出没する。
第2収容部15において、第2作動ピンP2の基端と第2収容部15の外周面開口部15aの内側面との間に第2スプリングバネSP2が配設されている。第2スプリングバネSP2は、第2作動ピンP2に対して、常に径方向内側(支軸S1側)に向かって弾性力を付与するようになっている。従って、第2作動ピンP2の先端部は、第2収容部15の外周面開口部15aから同第2収容部15内に没している。
そして、第2作動ピンP2は、ホイール本体11(環状壁13)が回転して支軸S1の中心軸線Oを中心に旋回すると、遠心力が加わる。第2作動ピンP2は、その遠心力によって第2スプリングバネSP2の弾性力に抗して径方向外側に突出する力が増大する。
やがて、ホイール本体11(環状壁13)が第1の回転数N1よりも高い回転数の予め定めた第2の回転数N2(>N1)に達して、第2作動ピンP2に第2遠心力f2が加わると、第2作動ピンP2の先端部は、第2収容部15の外周面開口部15aから突出するようになっている。
ここで、第2作動ピンP2に第2遠心力f2以上の遠心力が加えられておらず、図6(a)に示すように第2作動ピンP2の先端部が外周面開口部15aから第2収容部15内に没している同第2作動ピンP2の位置を第3位置という。また、第2作動ピンP2に第2遠心力f2が加えられて、図6(b)に示すように第2作動ピンP2の先端部が突出している同第2作動ピンP2の位置を第4位置という。
つまり、本実施形態では、ホイール本体11(環状壁13)が第1の回転数N1未満で回転しているとき、第1作動ピンP1の先端部は、第1収容部14の内周面開口部14aから突出するようになっている。即ち、第1作動ピンP1は、第1位置にある。このとき、第2作動ピンP2の先端部は、ホイール本体11(環状壁13)が第2の回転数N2よりも低い回転数の第1の回転数N1未満で回転しているため、第2収容部15の外周面開口部15aから同第2収容部15内に没している。即ち、第2作動ピンP2は、第3位置にある。
また、ホイール本体11(環状壁13)が第1の回転数N1で回転しているとき、第1作動ピンP1の先端部は、第1収容部14の内周面開口部14aから同第1収容部14内に没するようになっている。即ち、第1作動ピンP1は、第2位置にある。このとき、第2作動ピンP2の先端部は、ホイール本体11(環状壁13)が第2の回転数N2よりも低い回転数の第1の回転数N1で回転しているため、第2収容部15の外周面開口部15aから同第2収容部15内に没している。即ち、第2作動ピンP2は、第3位置にある。
さらに、ホイール本体11(環状壁13)が第1の回転数N1より高い回転数の第2の回転数N2以上で回転しているとき、第2作動ピンP2の先端部は、第2収容部15の外周面開口部15aから突出するようになっている。即ち、第2作動ピンP2は、第4位置にある。このとき、第1作動ピンP1の先端部は、ホイール本体11(環状壁13)が第1の回転数N1よりも高い第2の回転数N2で回転しているため、第1収容部14の内周面開口部14aから同第1収容部14内に没している。即ち、第1作動ピンP1は、第2位置にある。
図3及び図4に示すように、ホイール本体11の中心部に固着された支軸S1は、第1従動円筒体21に貫挿されている。第1従動円筒体21は、その内周面が支軸S1の外周面に対して周方向に回転可能に支持されている。第1従動円筒体21は、その基端部がケースハウジング7内に配置され、先端部が同ケースハウジング7から突出している。
ケースハウジング7から突出した第1従動円筒体21の先端部外周面には、第1ピニオンG1が固着されている。そして、第1ピニオンG1は第1従動円筒体21とともに一体回転する。
一方、第1従動円筒体21の基端面には、2つの第1係合片21aが下方に向かって延出形成されている。2つの第1係合片21aは、支軸S1の外周面と環状壁13の内周面との間に形成された環状の空間を、第1従動円筒体21の基端面から延出形成されている。2つの第1係合片21aは、支軸S1の中心軸線Oを挟んで相対向するように延出形成されている。
従って、図5(a)(b)に示すように、第1作動ピンP1が、第2位置になく、その先端部が内周面開口部14aから突出しているとき、第1作動ピンP1の先端部は第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する。その結果、第1従動円筒体21は、ホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、ホイール本体11(環状壁13)の正逆回転とともに正逆回転して、第1ピニオンG1を正逆回転させる。
また、図6(b)に示すように、第1作動ピンP1が、第2位置にあるとき、第1作動ピンP1の先端部は第1従動円筒体21の第1係合片21aとの係合が外れる。その結果、第1従動円筒体21は、ホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達されず回転停止して第1ピニオンG1を回転停止させる。
第1従動円筒体21に固着された第1ピニオンG1は、サンシェード4の駆動力伝達機構と連結される。そして、第1ピニオンG1が正逆回転することによって、駆動力伝達機構を介して、サンシェード4は、開閉動作をする。
図3に示すように、第1従動円筒体21は、第2従動円筒体22に対して2重管のように貫挿されている。第2従動円筒体22は、その内周面が第1従動円筒体21の外周面に対して周方向に回転可能に支持されている。第2従動円筒体22は、その基端部がケースハウジング7内に配置され、先端部が同ケースハウジング7から突出している。
ケースハウジング7から突出した第2従動円筒体22の先端部は、第1従動円筒体21に固着した第1ピニオンG1の近傍位置まで突出し、その先端部の外周面には、第2ピニオンG2が固着されている。そして、第2ピニオンG2は第2従動円筒体22とともに一体回転する。
一方、図3及び図4に示すように、第2従動円筒体22の基端部には、フランジ22aが形成されている。フランジ22aの外周部には、2つの第2係合片22bが下方に向かって延出形成されている。2つの第2係合片22bは、環状壁13の外周面と外輪部12の内周面との間に形成された環状の空間に介在するように、フランジ22aの外周部から延出形成されている。2つの第2係合片22bは、支軸S1の中心軸線Oを挟んで相対向するように延出形成されている。
そして、図6(b)に示すように、第2作動ピンP2が、第4位置にあってその先端部が外周面開口部15aから突出しているとき、第2作動ピンP2の先端部は第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合する。その結果、第2従動円筒体22は、ホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、ホイール本体11(環状壁13)の回転とともに回転して、第2ピニオンG2を回転させる。
また、図6(a)に示すように、第2作動ピンP2が、第3位置にあるとき、第2作動ピンP2の先端部は第2従動円筒体22の第2係合片22bとの係合が外れる。その結果、第2従動円筒体22は、ホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達されず回転停止して第2ピニオンG2を回転停止させる。
第2従動円筒体22に固着された第2ピニオンG2は、ルーフガラス3の駆動力伝達機構と連結される。そして、第2ピニオンG2が正逆回転することによって、駆動力伝達機構を介して、ルーフガラス3は、開閉動作をする。
ここで、第1ピニオンG1の外径D1と第2ピニオンG2の外径D2は予め設定されている。第1作動ピンP1と係合しホイール本体11と一体回転しているときの第1ピニオンG1の最外周の周速度と、第2作動ピンP2と係合しホイール本体11と一体回転しているときの第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度となるように、両外径D1,D2が設定されている。
これによって、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度を同じにすることができる。
図2に示すように、減速・クラッチ部6のケースハウジング7内には、電子制御装置(ECU)30が設けられている。
ECU30は、モータMの回転制御する制御回路であって、マイクロコンピュータより構成されている。ECU30は、運転席に設けたサンシェード開閉用の第1操作スイッチ31とルーフガラス開閉用の第2操作スイッチ32とからの操作信号を入力する。ECU30は、第1操作スイッチ31からの開・閉操作信号又は停止操作信号を入力すると、サンシェード4を開閉動作又は開閉停止させるためにモータMを回転制御する。また、ECU30は、第2操作スイッチ32からの開・閉操作信号又は停止操作信号を入力すると、ルーフガラス3を開閉動作又は停止動作させるためにモータMを回転制御する。
詳述すると、第1操作スイッチ31からの開操作信号が出力されると、ECU30は、サンシェード4を開ける操作と判断して、モータMを正回転で、しかも、ホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数で正回転するように回転制御させる。反対に、第1操作スイッチ31からの閉操作信号が出力されると、ECU30は、サンシェード4を閉める操作と判断して、モータMを逆回転で、しかも、ホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数で逆回転するように回転制御させる。
また、第1操作スイッチ31からの停止操作信号が出力されると、ECU30は、サンシェード4の開閉動作を停止させる操作と判断して、モータMを回転停止させる。
一方、第2操作スイッチ32からの開操作信号が出力されると、ECU30は、ルーフガラス3を開ける操作と判断して、モータMを正回転で、しかも、ホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数で正回転するように回転制御させる。反対に、第2操作スイッチ32からの閉操作信号が出力されると、ECU30は、ルーフガラス3を閉める操作と判断して、モータMを逆回転で、しかも、ホイール本体11が第2の回転数より大きい回転数で逆回転するように回転制御する。
また、第2操作スイッチ32からの停止操作信号が出力されると、ECU30は、ルーフガラス3の開閉動作を停止させる操作と判断して、モータMを回転停止させる。
なお、本実施形態では、第1操作スイッチ31と第2操作スイッチ32は、同時に、開・閉操作のためのスイッチ動作ができないようにメカニカル的なインターロックスイッチ構造にて構成されている。つまり、第1操作スイッチ31が開・閉操作のためのスイッチ動作をしているときには、第2操作スイッチ32は開・閉操作のためのスイッチ動作ができないようになっている。反対に、第2操作スイッチ32が開・閉操作のためのスイッチ動作をしているときには、第1操作スイッチ31は開・閉操作のためのスイッチ動作ができないようになっている。
なお、第1及び第2操作スイッチ31,32をメカニカル的なインターロックスイッチ構造にしないで、ECU30でプログラム制御してもよい。つまり、ECU30は、第1操作スイッチ31から開又は閉操作信号を入力しているときに、第2操作スイッチ32から開又は閉操作信号が出力されたときには、第2操作スイッチ32からの開又は閉操作信号を無効にする。同様に、ECU30は、第2操作スイッチ32から開又は閉操作信号を入力しているときに、第1操作スイッチ31から開又は閉操作信号が出力されたときには、第1操作スイッチ31からの開又は閉操作信号を無効にする。
次に、上記のように構成した第1実施形態の作用について説明する。
今、ルーフガラス3及びサンシェード4がルーフ開口部2aに対して閉じた状態にあってモータMが停止しているとき、図3及び図5(a)に示すように、ホイール本体11の環状壁13に設けた第1作動ピンP1は第1位置にあり、第2作動ピンP2は第3位置にある。この時点では、第1作動ピンP1は、第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する位置にあり、第2作動ピンP2は、第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合しない位置にある。
(サンシェード4の開動作)
そして、サンシェード4を開状態にすべく第1操作スイッチ31を開操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から開操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの開操作信号に応答して、ホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数で正回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数での正回転では、図5(b)に示すように、第1作動ピンP1が第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する位置にあることから、第1従動円筒体21はホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第1ピニオンG1を正回転させる。
第1ピニオンG1の正回転によって、サンシェード4は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を希望の位置で停止させる。
これによって、外光を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の開動作)
この状態から、ルーフガラス3を開状態にすべく第2操作スイッチ32を開操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から開操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの開操作信号に応答して、ホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数で正回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数での正回転では、図6(a)から図6(b)に示すように、第1作動ピンP1が遠心力にて第1従動円筒体21の第1係合片21aとの係合が外れ、第2作動ピンP2が遠心力にて第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合する。
これによって、第2従動円筒体22はホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第2ピニオンG2を正回転させる。第2ピニオンG2の正回転によって、ルーフガラス3は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を希望の位置で停止させる。
これによって、外光と外気を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の閉動作)
続いて、上記状態からルーフガラス3を閉状態にすべく第2操作スイッチ32を閉操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの閉操作信号に応答して、ホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数で逆回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数での逆回転では、第1作動ピンP1が遠心力にて第1従動円筒体21の第1係合片21aとの係合が外れ、第2作動ピンP2が遠心力にて第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合する。
これによって、第2従動円筒体22はホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第2ピニオンG2を逆回転させる。第2ピニオンG2の逆回転によって、ルーフガラス3は閉方向に移動する。そして、全閉位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を全閉位置で停止させる。
これによって、外気が遮断されて外光のみが車内に導入される状態になる。
(サンシェード4の閉動作)
続いて、上記状態からサンシェード4を閉状態にすべく第1操作スイッチ31を閉操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの閉操作信号に応答して、ホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数で逆回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数での逆回転では、第1作動ピンP1が第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する位置にあることから、第1従動円筒体21はホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第1ピニオンG1を逆回転させる。
第1ピニオンG1の逆回転によって、サンシェード4は閉方向に移動する。そして、全閉位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を全閉位置で停止させる。
これによって、車内への外光及び外気の導入を遮断することができる。
次に、上記第1実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第1実施形態によれば、モータMの回転数を制御するだけで、第1ピニオンG1にモータMの回転力を伝達しサンシェード4を開閉動作させたり、第2ピニオンG2にモータMの回転力を伝達してルーフガラス3を開閉動作させたりした。従って、サンシェード4とルーフガラス3を1つのモータMにて個別に開閉できるようにした。その結果、小型・軽量で安価な車両用サンルーフ装置を実現することができる。
(2)第1実施形態では、ホイール本体11に設けた環状壁13に、同環状壁13の内周面側に出没する第1作動ピンP1と、同環状壁13の外周面側に出没する第2作動ピンP2の2種類をまとめて設けた。一方、第1従動円筒体21と第2従動円筒体22を2重管のようにしてホイール本体11の支軸S1に対して同軸上に回転可能に支持されるようにした。そして、支軸S1の中心軸線Oを回転中心に回転する第1従動円筒体21の第1係合片21aを環状壁13の内側に配置し、第2従動円筒体22の第2係合片22bを環状壁13の外側に配置した。
従って、クラッチ構造がコンパクトとなり、車両用サンルーフ装置の小型・軽量化に寄与することができる。
(3)第1実施形態では、第1スプリングバネSP1と第2スプリングバネSP2の弾性力をそれぞれ調整するだけで、第1及び第2作動ピンP1,P2は、第1及び第2係合片21a,22bとの係合・非係合がそれぞれ簡単に調整できる。
(4)第1実施形態では、第1従動円筒体21がホイール本体11とともに回転している回転数と第2従動円筒体22がホイール本体11とともに回転している回転数とは異なる。そこで、第1ピニオンG1の外径D1と第2ピニオンG2の外径D2を、第1ピニオンG1の最外周の周速度と第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度となるように、それぞれ設定した。
これによって、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度を同じにすることができる。
(第2実施形態)
次に、車両用サンルーフ装置に具体化した開閉体の開閉装置の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態で説明したモータMに設けた減速・クラッチ部6のクラッチ機構とその構成を異にする。従って、本実施形態では、説明の便宜上、クラッチ機構について詳細に説明し、第1実施形態と共通するその他の部分については詳細な説明を省略する。
図7は、モータM(図2参照)に設けた減速・クラッチ部6のクラッチ機構の要部分解斜視図であって、駆動軸S2は、第1実施形態の支軸S1に相当する回転軸である。従って、駆動軸S2は、第1実施形態と同様に、ウォーム軸8と噛合するウォームホイール40と固着されている。
なお、本実施形態のウォームホイール40は、第1実施形態と相異して、ホイール本体41が円盤状をなし、その外周面にウォーム軸8と噛合するギヤ歯が形成されている。従って、本実施形態のホイール本体41には、第1実施形態のような環状壁13が形成されていない。
図7〜図9に示すように、駆動軸S2には、一体回転する回転駆動体42が固着される。回転駆動体42は、四角平板状に形成され、その中心を駆動軸S2が貫通固着されている。四角平板状の回転駆動体42は、4つ外側面のうち対向する一方の2つ外側面が、逆二等辺三角形状の溝を凹設させて第1ガイド面GF1をそれぞれ形成している。一方、4つ外側面のうち対向する残る2つ外側面は、互いに平行に形成されて第2ガイド面GF2をそれぞれ形成している。
回転駆動体42の軸線方向両側には、下側ピン支持体45と上側ピン支持体50が配置されている。詳述すると、回転駆動体42を基準として、ウォームホイール40側に下側ピン支持体45が配置され、反ウォームホイール40側に上側ピン支持体50が配置されている。そして、それら下側及び上側ピン支持体45,50は、その中心部を駆動軸S2が貫通し、同駆動軸S2に対して回転可能に支持されている。
図7及び図11(a)に示すように、下側ピン支持体45は、円盤状をなし、その回転駆動体42側の外側面には、上側ピン支持体50とで同回転駆動体42を回転可能に収容するための下側収容凹部46が凹設されている。下側ピン支持体45の軸方向外側面には、2つの下側第1ガイド貫通穴47と2つの下側第2ガイド貫通穴48が軸方向に貫通形成されている。下側第1及び下側第2ガイド貫通穴47,48は、軸方向から見ると径方向にのびた形状をなした貫通穴である。
図7に示すように、下側第1ガイド貫通穴47と下側第2ガイド貫通穴48は、周方向に等角度の間隔で交互に形成されている。従って、2つの下側第1ガイド貫通穴47と2つ下側第2ガイド貫通穴48は、周方向に90度の間隔で交互に形成されている。そして、下側第1及び下側第2ガイド貫通穴47,48は、軸方向から見ると中心軸線Oを中心として放射状に形成されている。
図7及び図11(b)に示すように、上側ピン支持体50は、円盤状をなし、その回転駆動体42側の外側面は、下側ピン支持体45に形成した下側収容凹部46とで同回転駆動体42を回転可能に収容するための上側収容凹部51が凹設されている。
つまり、図10に示すように、下側ピン支持体45の下側収容凹部46と上側ピン支持体50の上側収容凹部51とが相対向するように、下側ピン支持体45と上側ピン支持体50とを重ね合わせたとき、上側収容凹部51と下側収容凹部46とで円筒形の空間が形成される。そして、その空間内に、回転駆動体42が回転可能に収容されるようになっている。
図7に示すように、上側ピン支持体50の軸方向外側面には、2つの上側第1ガイド貫通穴52と2つの上側第2ガイド貫通穴53が軸方向に貫通形成されている。上側第1及び上側第2ガイド貫通穴52,53は、軸方向から見ると径方向にのびた形状をなした貫通穴である。
上側第1ガイド貫通穴52と上側第2ガイド貫通穴53は、周方向に等角度の間隔で交互に形成されている。従って、2つの上側第1ガイド貫通穴52と2つの上側第2ガイド貫通穴53は、周方向に90度の間隔で交互に形成されている。そして、上側第1及び上側第2ガイド貫通穴52,53は、軸方向から見ると中心軸線Oを中心として放射状に形成されている。
つまり、図8及び図9に示すように、下側ピン支持体45と上側ピン支持体50とを重ね合わせたとき、下側第1ガイド貫通穴47と上側第1ガイド貫通穴52が軸方向においてそれぞれ相対向するとともに、下側第2ガイド貫通穴48と上側第2ガイド貫通穴53が軸方向においてそれぞれ相対向する。
図8に示すように、軸方向において下側第1ガイド貫通穴47と上側第1ガイド貫通穴52の間には、それぞれ第1作動ピンP1が回転駆動体42の第1ガイド面GF1を通過するように貫挿されている。詳述すると、第1作動ピンP1は、上端部を径方向外側にL字状に屈曲させて第1屈曲部P1aを形成している。第1屈曲部P1aは、上側第1ガイド貫通穴52内を径方向に移動可能に配置されている。第1作動ピンP1は、第1屈曲部P1aの基端部から下方に延び、回転駆動体42の第1ガイド面GF1を通過して下側第1ガイド貫通穴47を貫通している。そして、第1作動ピンP1の下端部は、下側ピン支持体45の軸方向下側外側面から下方に突出するようになっている。従って、第1屈曲部P1aが上側第1ガイド貫通穴52内を径方向に移動すると、下側第1ガイド貫通穴47を貫通する第1作動ピンP1も同下側第1ガイド貫通穴47内を径方向に移動する。
上側第1ガイド貫通穴52内に配置された第1作動ピンP1の第1屈曲部P1aは、その第1屈曲部P1aの先端面と上側第1ガイド貫通穴52の径方向外側の内壁面との間に第1スプリングバネSP1が配置されている。第1スプリングバネSP1は、第1屈曲部P1a(第1作動ピンP1)に対して、常に径方向内側(駆動軸S2側)に向かって弾性力を付与するようになっている。従って、第1作動ピンP1は、常に、回転駆動体42の逆二等辺三角形状の第1ガイド面GF1を摺接可能に弾圧している。
そして、回転駆動体42が回転すると、逆二等辺三角形状の第1ガイド面GF1を摺接可能に弾圧している第1作動ピンP1は中心軸線Oを中心として旋回する。この旋回によって、第1作動ピンP1に遠心力が加わる。第1作動ピンP1は、その遠心力によって第1スプリングバネSP1の弾性力に抗して径方向外側に移動する力が増大する。そして、遠心力が増大するにつれて、第1作動ピンP1は、第1ガイド面GF1の中央位置、即ち最も中心軸線Oに近い位置から離間した位置に第1ガイド面GF1に沿って移動するようになっている。すなわち、遠心力が増大するにつれて、第1作動ピンP1は、第1ガイド面GF1の最も中心軸線Oに近い位置から径方向外側に移動するようになっている。
図9に示すように、軸方向において下側第2ガイド貫通穴48と上側第2ガイド貫通穴53の間には、それぞれ第2作動ピンP2が回転駆動体42の第2ガイド面GF2を通過するように貫挿されている。詳述すると、第2作動ピンP2は、下端部を径方向外側にL字状に屈曲させて第2屈曲部P2aを形成している。第2屈曲部P2aは、下側第2ガイド貫通穴48内を径方向に移動可能に配置されている。第2作動ピンP2は、第2屈曲部P2aの基端部から上方に延び、回転駆動体42の第2ガイド面GF2を通過して上側第2ガイド貫通穴53を貫通している。そして、第2作動ピンP2の上端部は、上側ピン支持体50の軸方向上側外側面から上方に突出するようになっている。
従って、第2屈曲部P2aが下側第2ガイド貫通穴48内を径方向に移動すると、上側第2ガイド貫通穴53を貫通する第2作動ピンP2も同上側第2ガイド貫通穴53内を径方向に移動する。
下側第2ガイド貫通穴48内に配置された第2作動ピンP2の第2屈曲部P2aは、その第2屈曲部P2aの先端面と下側第2ガイド貫通穴48の径方向外側の内壁面との間に第2スプリングバネSP2が配置されている。第2スプリングバネSP2は、第2屈曲部P2a(第2作動ピンP2)に対して、常に径方向内側(駆動軸S2側)に向かって弾性力を付与するようになっている。従って、第2作動ピンP2は、常に、回転駆動体42の第2ガイド面GF2を摺接可能に弾圧している。
そして、回転駆動体42が回転すると、第2ガイド面GF2を摺接可能に弾圧している第2作動ピンP2は中心軸線Oを中心として旋回する。この旋回によって、第2作動ピンP2に遠心力が加わる。第2作動ピンP2は、その遠心力によって第2スプリングバネSP2の弾性力に抗して径方向外側に移動する力が増大する。そして、遠心力が増大するにつれて、第2作動ピンP2は、第2ガイド面GF2の中央位置、即ち最も中心軸線Oに近い位置から離間した位置に第2ガイド面GF2に沿って移動するようになっている。すなわち、遠心力が増大するにつれて、第2作動ピンP2は、第2ガイド面GF2の最も中心軸線Oに近い位置から径方向外側に移動するようになっている。
図7〜図9、図12に示すように、下側ピン支持体45の下側には第1ピニオンG1が配置されている。第1ピニオンG1は、有底円筒状をなし、その外輪部の外周面にギヤ歯が形成されている。第1ピニオンG1の内底部の中心部には、円柱体55が形成され、その円柱体55の中心部に第1貫通穴56が軸方向に貫通形成されている。第1ピニオンG1は、その第1貫通穴56に駆動軸S2が貫通され、同駆動軸S2に対して回転可能に支持されている。
そして、図8に示すように、第1ピニオンG1において、外輪部の内周面と円柱体55の外周面とで形成される環状の空間に、下側ピン支持体45から突出した第1作動ピンP1の下端部が配置される。環状の空間に突出した第1作動ピンP1は、第1スプリングバネSP1にて、常に円柱体55の外周面に接する方向に弾性力が付与されている。
図12に示すように、円柱体55の外周面には、軸方向に沿って2つの第1係合溝57が相対向するように形成されている。第1係合溝57は、下側ピン支持体45の軸方向下側外側面から突出した第1作動ピンP1の下端部が径方向から嵌合するようになっている。
詳述すると、図14(a)(b)に示すように、第1作動ピンP1の下端部は、第1ガイド面GF1の中央位置、即ち最も中心軸線Oに近い位置にあるとき、第1係合溝57に嵌合するようになっている。そして、第1作動ピンP1の下端部は、回転駆動体42が第1の回転数N1で回転し第1作動ピンP1に第1遠心力f1が加わると、第1ガイド面GF1の最も中心軸線Oに近い位置から離間して第1係合溝57との嵌合が外れる方向に移動するようになっている。
図7〜図9、図13に示すように、上側ピン支持体50の上側には第2ピニオンG2が配置されている。第2ピニオンG2は、有蓋円筒状をなし、その外輪部の外周面にギヤ歯が形成されている。第2ピニオンG2の蓋部の中心部には、軸方向に第2貫通穴61が貫通形成されている。そして、第2ピニオンG2は、その第2貫通穴61に駆動軸S2が貫通され、同駆動軸S2に対して回転可能に支持されている。
そして、図9に示すように、第2ピニオンG2において、外輪部の内側に形成される空間に、上側ピン支持体50から突出した第2作動ピンP2の上端部が配置される。外輪部の内側の空間に突出した第2作動ピンP2は、第2スプリングバネSP2にて、常に第2ガイド面GF2に接する方向に弾性力が付与されている。
図13に示すように、第2ピニオンG2において、その外輪部の内周面には、軸方向に沿って2つの第2係合溝62が相対向するように形成されている。第2係合溝62は、上側ピン支持体50の軸方向上側外側面から突出した第2作動ピンP2の上端部が径方向から嵌合するようになっている。
詳述すると、図15(a)に示すように、第2作動ピンP2の上端部は、第2ガイド面GF2の中央位置、即ち最も中心軸線Oに近い位置にあるとき、第2係合溝62に嵌合しないようになっている。そして、図15(b)に示すように、第2作動ピンP2の上端部は、第2ガイド面GF2の最も中心軸線Oから離間する位置にあるとき、第2係合溝62に嵌合するようになっている。
ここで、本実施形態では、回転駆動体42(駆動軸S2)が第1の回転数N1未満で回転しているとき、第1作動ピンP1は、第1スプリングバネSP1の弾性力にて逆二等辺三角形状の第1ガイド面GF1の中央位置に位置する。即ち、第1作動ピンP1は、第1ピニオンG1の円柱体55に形成した第1係合溝57に嵌合するようになっている。
このとき、第2作動ピンP2は、回転駆動体42が第1の回転数N1未満で回転しているため、第2作動ピンP2は、第2スプリングバネSP2の弾性力にて第2ガイド面GF2の中央位置に位置している。この時、第2ガイド面GF2の中央位置は、中心軸線Oまでの距離が第1ガイド面GF1の中央位置より長い。しかも、第2作動ピンP2の下端部(第2屈曲部P2a)は、下側ピン支持体45から下方に突出してないことから、第1ピニオンG1の円柱体55に形成した第1係合溝57に嵌合することはない。
その結果、回転駆動体42が第1の回転数N1未満で回転しているとき、第1ピニオンG1は、第1作動ピンP1が第1ピニオンG1の第1係合溝57と嵌合し、同第1作動ピンP1を介して回転駆動体42の回転力が伝達される。
また、回転駆動体42(駆動軸S2)が第1の回転数N1で回転しているとき、第1作動ピンP1は、回転駆動体42とともに連れ回って第1遠心力f1が加わる。これによって、第1作動ピンP1は、第1ガイド面GF1の中央位置であって最も中心軸線Oに近い位置から径方向外側に離間する位置に移動し第1係合溝57との嵌合が外れる。
このとき、第2作動ピンP2は、回転駆動体42が第1の回転数N1で回転しているため、第1作動ピンP1と同様に、回転駆動体42とともに連れ回して第1遠心力f1が加わる。しかし、第2作動ピンP2は、回転駆動体42が第2の回転数N2よりも低い回転数の第1の回転数N1で回転している。そのため、第2作動ピンP2は、第2ガイド面GF2の最も中心軸線Oに近い位置から離間した位置に移動するけれど、第2ピニオンG2に形成した第2係合溝62に嵌合する最も離間する位置まで移動していない。
さらに、回転駆動体42が第1の回転数N1より高い回転数の第2の回転数N2以上で回転するとき、第2作動ピンP2は、回転駆動体42とともに連れ回って第2遠心力f2が加わる。これによって、第2作動ピンP2は、第2ガイド面GF2の最も中心軸線Oに近い位置から径方向外側に最も離間した位置に移動すれる。その結果、第2作動ピンP2の上端部は、第2ピニオンG2の第2係合溝62と嵌合する。
このとき、第1作動ピンP1は、回転駆動体42が第2の回転数N2で回転しているため、第2作動ピンP2と同様に、第2遠心力f2が加わる。しかし、第1作動ピンP1の上端部(第1屈強部P1a)は、上側ピン支持体50から上方に突出していないことから、第2ピニオンG2に形成した第2係合溝62に嵌合することはない。
従って、第1作動ピンP1は、第2作動ピンP2と同様に、第1ガイド面GF1の中央位置の最も中心軸線Oに近い位置から離間した位置に移動するけれど、第2ピニオンG2に形成した第2係合溝62に嵌合することはない。
その結果、回転駆動体42が第2の回転数N2以上で回転しているとき、第2ピニオンG2は、第2作動ピンP2が第2ピニオンG2の第2係合溝62と嵌合し、同第2作動ピンP2を介して回転駆動体42の回転力が伝達される。
なお、第1ピニオンG1の外径D1と第2ピニオンG2の外径D2は、第1実施形態と同様に設定されている。従って、第1作動ピンP1と係合しウォームホイール40と一体回転しているときの第1ピニオンG1の最外周の周速度と、第2作動ピンP2と係合しウォームホイール40と一体回転しているときの第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度となる。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
(サンシェード4の開動作)
サンシェード4を開状態にすべく第1操作スイッチ31を開操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から開操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの開操作信号に応答して、ウォームホイール40を第1の回転数N1より小さい回転数で正回転させる。このウォームホイール40が第1の回転数N1より小さい回転数での正回転では、図14(b)に示すように、第1作動ピンP1が、第1ピニオンG1の第1係合溝57に嵌合する。
従って、第1ピニオンG1は、回転駆動体42(駆動軸S2)の回転力が伝達され、正回転する。第1ピニオンG1の正回転によって、サンシェード4は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を希望の位置で停止させる。
これによって、外光を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の開動作)
この状態から、ルーフガラス3を開状態にすべく第2操作スイッチ32を開操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から開操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの開操作信号に応答して、ウォームホイール40を第2の回転数N2より大きい回転数で正回転させる。このホイール本体41が第2の回転数N2より大きい回転数での正回転では、図15(b)に示すように、第1作動ピンP1が遠心力にて第1係合溝57との係合が外れ、第2作動ピンP2が遠心力にて第2ピニオンG2の第2係合溝62と係合する。
これによって、第2ピニオンG2は、回転駆動体42(駆動軸S2)の回転力が伝達され、正回転する。第2ピニオンG2の正回転によって、ルーフガラス3は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を希望の位置で停止させる。
これによって、外光と外気を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の閉動作)
続いて、上記状態からルーフガラス3を閉状態にすべく第2操作スイッチ32を閉操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの閉操作信号に応答して、ウォームホイール40を第2の回転数N2より大きい回転数で逆回転させる。このウォームホイール40が第2の回転数N2より大きい回転数での逆回転では、第2作動ピンP2が第2ピニオンG2の第2係合溝62と係合する。
これによって、第2ピニオンG2は、回転駆動体42(駆動軸S2)の回転力が伝達され、逆回転する。第2ピニオンG2の逆回転によって、ルーフガラス3は閉方向に移動する。そして、全閉位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を全閉位置で停止させる。
これによって、外気が遮断されて外光のみが車内に導入される状態になる。
(サンシェード4の閉動作)
続いて、上記状態からサンシェード4を閉状態にすべく第1操作スイッチ31を閉操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの閉操作信号に応答して、ウォームホイール40を第1の回転数N1より小さい回転数で逆回転させる。このウォームホイール40が第1の回転数N1より小さい回転数での逆回転では、第1作動ピンP1が第1ピニオンG1の第1係合溝57に係合する。
これによって、第1ピニオンG1は、回転駆動体42(駆動軸S2)の回転力が伝達され、逆回転する。第1ピニオンG1の逆回転によって、サンシェード4は閉方向に移動する。そして、全閉位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を全閉位置で停止させる。
これによって、車内への外光及び外気の導入を遮断することができる。
次に、上記第2実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、モータMの回転数を制御するだけで、サンシェード4とルーフガラス3を1つのモータMにて個別に開閉できるようにした。従って、第1実施形態と同様に、小型・軽量で安価な車両用サンルーフ装置を実現することができる。
(2)第2実施形態では、ウォームホイール40に固着した回転駆動体42の外側面に第1ガイド面GF1と第2ガイド面GF2を形成した。そして、下側及び上側ピン支持体45,50にて径方向に移動可能に支持された第1作動ピンP1を、第1ガイド面GF1に対して摺動可能に中心軸線Oに向かって弾圧する。さらに、下側及び上側ピン支持体45,50にて径方向に移動可能に支持された第2作動ピンP2を、第2ガイド面GF2に対して摺動可能に中心軸線Oに向かって弾圧した。
そして、回転駆動体42の回転数に相対して、第1及び第2作動ピンP1,P2の径方向に移動する移動量を制御させるようにして、第1ピニオンG1又は第2ピニオンG2を正逆回転させるようにした。
従って、クラッチ構造がコンパクトとなり、車両用サンルーフ装置の小型・軽量化に寄与することができる。
(3)第2実施形態では、第1スプリングバネSP1と第2スプリングバネSP2の弾性力をそれぞれ調整するだけで、第1及び第2作動ピンP1,P2は、第1及び第2係合溝57,62との係合・非係合がそれぞれ簡単に調整できる。
(4)第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第1ピニオンG1の外径D1と第2ピニオンG2の外径D2を、第1ピニオンG1の最外周の周速度と第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度となるようにそれぞれ設定した。
従って、第1実施形態と同様に、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度を同じにすることができる。
(第3実施形態)
次に、車両用サンルーフ装置に具体化した開閉体の開閉装置の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1及び第2実施形態で説明したモータMに設けた減速・クラッチ部6のクラッチ機構の構成を異にする。従って、本実施形態では、説明の便宜上、クラッチ機構について詳細に説明し、第1及び第2実施形態と共通するその他の部分については詳細な説明を省略する。
図16に示すように、減速・クラッチ部6のケースハウジング7の収容室7aにウォームホイール70が収容され、そのウォームホイール70はモータMの出力軸Sと駆動連結されたウォーム軸8と噛合している。
図17に示すように、ウォームホイール70は、ホイール本体71が有底円筒状をなし、その外輪部72の外周面にウォーム軸8と噛合するギヤ歯が形成されている。ホイール本体71は、支軸S1aに対して回転可能に支持されている。支軸S1aは、基端部がケースハウジング7に形成したウォームホイール70を収容する収容室7aを閉塞するエンドカバー74に固定されている。従って、ウォームホイール70(ホイール本体71)は、ウォーム軸8の正逆回転によって、支軸S1aを回転中心としてケースハウジング7の収容室7a内で正逆回転する。
図16及び図17に示すように、第1従動軸75は、ホイール本体71を回転可能に支持する支軸S1aと同一中心軸線O上に配置されている。その第1従動軸75は、円筒状の第2従動軸78に回転可能に貫挿されている。そして、円筒状の第2従動軸78は、ケースハウジング7に回転可能に支持されている。従って、第1従動軸75は、円筒状の第2従動軸78を介して、ケースハウジング7に対して回転可能に支持されている。
第1従動軸75は、基端部がケースハウジング7の収容室7aに配置され、先端部が同ケースハウジング7から突出している。第1従動軸75は、その基端面が支軸S1aの先端面と相対向する。
図16に示すように、第1従動軸75は、その基端部の外周面に2つの第1係合片76が径方向外側に向かって延出形成されている。詳述すると、2つの第1係合片76は、基端部の外周面を凹設することによって形成されている。2つの第1係合片76は、第1従動軸75の中心軸線(支軸S1aの中心軸線O)を挟んで相対向するように延出形成されている。
2つの第1係合片76は、軸方向から見て扇形状に形成され、その周方向の2つの平面がなす角度を90°となるように形成され、その2つの平面は周方向に対して直交、即ち、第1従動軸75の中心軸線Oから径方向に延びる直線と面一になっている。そして、本実施形態では、この2つの平面を係合面77としている。
図17に示すように、ケースハウジング7から突出した第1従動軸75の先端部外周面には、第1ピニオンG1が固着されている。そして、第1ピニオンG1は第1従動軸75とともに一体回転する。
第1従動軸75に固着された第1ピニオンG1は、サンシェード4の駆動力伝達機構と連結される。そして、第1ピニオンG1が正逆回転することによって、駆動力伝達機構を介して、サンシェード4は、開閉動作をする。
図17に示すように、円筒状の第2従動軸78は、その基端部がケースハウジング7内に配置され、先端部が同ケースハウジング7から突出している。円筒状の第2従動軸78の基端部には、フランジ78aが形成されている。
図16に示すように、フランジ78aの外周部には、2つの第2係合片79が、外輪部72の内周面に隣接し内底面80に向かってフランジ78aの外周部から延出形成されている。2つの第2係合片79は、円筒状の第2従動軸78の中心軸線(支軸S1aの中心軸線O)を挟んで相対向するように延出形成されている。
一方、図17に示すように、ケースハウジング7から突出した円筒状の第2従動軸78の先端部は、第1従動軸75に固着した第1ピニオンG1の近傍位置まで突出し、その先端部の外周面には、第2ピニオンG2が固着されている。そして、第2ピニオンG2は第2従動軸78とともに一体回転する。
第2従動軸78に固着された第2ピニオンG2は、ルーフガラス3の駆動力伝達機構と連結される。そして、第2ピニオンG2が正逆回転することによって、駆動力伝達機構を介して、ルーフガラス3は、開閉動作をする。
図16に示すように、ホイール本体71の外輪部72に囲まれた内底面80には、周方向に同一形状の4つの第1ガイド部材81が、等角度の間隔に形成されている。第1ガイド部材81は、軸方向から見ると中心角が90°の扇形状をなし、互いに直角となす周方向の2つの平面を第1ガイド面81aとしている。そして、周方向に隣り合う第1ガイド部材81であってそれらの互いに対向する第1ガイド面81a同士は平行となっている。
また、内底面80には、4つの同一形状の第2ガイド部材82が対応する第1ガイド部材81の径方向内側に形成されている。第2ガイド部材82は、軸方向から見ると90°に屈曲したL字状をなし、互いに直角となす周方向外側の2つの平面を第2ガイド面82aとしている。この第2ガイド部材82の両第2ガイド面82aは、径方向外側に形成された第1ガイド部材81の対応する側の第1ガイド面81aと平行となっている。
そして、周方向に隣り合う第2ガイド部材82であってそれらの互いに対向する第2ガイド面82a同士は平行となっている。ここで、平行する第2ガイド面82a同士の間隔は、平行する第1ガイド面81a同士の間隔よりも短くなる。
なお、第2ガイド部材82の両第2ガイド面82aと直角に屈曲して連続する径方向外側の平面をストッパ面82bという。
図16に示すように、内底面80に対して、2つの第1作動ピン85と2つの第2作動ピン90が配置されている。詳述すると、それぞれ隣り合う第1ガイド部材81(第2ガイド部材82)の相対向する第1ガイド面81a間(第2ガイド面82a間)に、第1作動ピン85と第2作動ピン90が周方向に等角度の間隔で交互に配置されている。従って、2つの第1作動ピン85と2つ第2作動ピン90は、周方向に90度の間隔で交互に配置されている。
第1作動ピン85は、その第1作動ピン本体が径方向に長い直方体であって、その周方向両側面の径方向外側寄りには一対の第1摺動片86が延出形成されている。そして、第1作動ピン85は、第1摺動片86よりも径方向内側に位置する周方向両側面が隣り合う第2ガイド部材82の相対向する第2ガイド面82aを径方向に摺動するとともに、一対の第1摺動片86が隣り合う第1ガイド部材81の相対向する第1ガイド面81aを径方向に摺動し、内底面80に対して径方向に移動可能に配置される。
このとき、第1作動ピン85は、その周方向(辺が短い幅方向)を2分する中心線と支軸S1aの中心軸線Oから径方向に延びる直線と一致するように、内底面80に対して径方向に移動する。そして、第1作動ピン85の径方向内側への移動は、第2ガイド部材82のストッパ面82bが第1摺動片86に係合する位置まで移動する。
また、第1作動ピン85は、隣り合う第1ガイド部材81の相対向する第1ガイド面81a、及び、隣り合う第2ガイド部材82の相対向する第2ガイド面82aにて周方向の移動が規制される。従って、第1作動ピン85は、ウォームホイール70(ホイール本体71)とともに回転、即ち、支軸S1aの中心軸線Oを旋回中心として旋回する。
第1作動ピン85において、その径方向内側面の中央位置には、第1係合突起87が突出形成されている。第1係合突起87は、第1作動ピン85が径方向内側に移動したとき、第1従動軸75に形成した第1係合片76と係合するようになっている。
第1作動ピン85には、軸方向から見て径方向に細長い長方形状の第1バネ収納室88が軸方向に貫通形成されている。詳述すると、径方向に細長い第1バネ収納室88は、その周方向中間位置を通る中心軸線Oからの直線が、第1作動ピン85の周方向中間位置を通る中心軸線Oからの直線と一致するように、第1作動ピン85に対して形成されている。
第1バネ収納室88内には、内底面80から突出形成された第1支持突起89が貫挿されている。第1支持突起89は、第2ガイド部材82のストッパ面82bが第1摺動片86に係合する位置に第1作動ピン85がある時、同第1支持突起89が第1バネ収納室88の径方向外側の内側面に当接する位置に配置されるように、内底面80から突出形成されている。
第1バネ収納室88内において、第1支持突起89と第1バネ収納室88の径方向内側の内側面との間に第1スプリングバネSP1が配置されている。第1スプリングバネSP1は、第1作動ピン85に対して、常に径方向内側(支軸S1aの中心軸線O側)に向かって弾性力を付与するようになっている。
そして、第1作動ピン85は、ホイール本体71が回転して支軸S1aの中心軸線Oを中心に旋回すると、遠心力が加わる。第1作動ピン85は、その遠心力によって第1スプリングバネSP1の弾性力に抗して径方向外側に移動する力が増大する。やがて、ホイール本体71が予め定めた第1の回転数N1に達して、第1作動ピン85に第1遠心力f1が加わると、第1作動ピン85は、さらに径方向外側に移動するようになっている。このとき、第1作動ピン85は、第1スプリングバネSP1がそれ以上縮むことができない位置まで径方向外側まで移動可能となる。
ここで、第1作動ピン85に遠心力が加えられておらず、図16及び図18(a)(b)に示すように第1作動ピン85がストッパ面82bと係合し、同第1作動ピン85の第1係合突起87が第1従動軸75の第1係合片76と係合する位置を第1位置という。また、第1作動ピン85に第1遠心力f1以上の遠心力が加えられて、図19(b)に示すように第1作動ピン85がストッパ面82bから離間し、同第1作動ピン85の第1係合突起87が第1従動軸75の第1係合片76との係合が外れる位置を第2位置という。
なお、第1作動ピン85が第2位置に配置されている時、第1作動ピン85の径方向外側面(第1係合突起87が形成されている径方向内側面と反対側の面)は、第2従動軸78の第2係合片79よりも内側に位置し、第1作動ピン85と第2係合片79が衝突することはない。
同様に、第2作動ピン90は、その第2作動ピン本体が第1作動ピン85と同形状の径方向に長い直方体であって、その周方向両側面の径方向外側寄りにはそれぞれ一対の第2摺動片91が延出形成されている。そして、第2作動ピン90は、第2摺動片91よりも径方向内側に位置する周方向両側面が隣り合う第2ガイド部材82の対向する第2ガイド面82aを径方向に摺動するとともに、一対の第2摺動片91が隣り合う第1ガイド部材81の対向する第1ガイド面81aを径方向に摺動し、内底面80に対して径方向に移動可能に配置される。
このとき、第1作動ピン85と同様に、第2作動ピン90は、その周方向(辺が短い幅方向)を2分する中心線と支軸S1aの中心軸線Oから径方向に延びる直線と一致するように、内底面80に対して径方向に移動する。そして、第2作動ピン90の径方向内側への移動は、第2ガイド部材82のストッパ面82bが第2摺動片91に係合する位置まで移動する。
また、第2作動ピン90は、隣り合う第1ガイド部材81の対向する第1ガイド面81a、及び、隣り合う第2ガイド部材82の対向する第2ガイド面82aにて周方向の移動が規制される。従って、第2作動ピン90は、ウォームホイール70(ホイール本体71)とともに回転、即ち、支軸S1aの中心軸線Oを旋回中心として旋回する。
第2作動ピン90において、その径方向外側面の中央位置には、第2係合突起92が突出形成されている。第2係合突起92は、第2作動ピン90が径方向外側に移動したとき、第2従動軸78に形成した第2係合片79と係合するようになっている。
第2作動ピン90には、軸方向から見て径方向に細長い長方形状の第2バネ収納室93が軸方向に貫通形成されている。詳述すると、径方向に細長い第2バネ収納室93は、その周方向中間位置を通る中心軸線Oからの直線が、第2作動ピン90の周方向中間位置を通る中心軸線Oからの直線と一致するように、第2作動ピン90に対して形成されている。
第2バネ収納室93内には、内底面80から突出形成された第2支持突起94が貫挿されている。第2支持突起94は、第2ガイド部材82のストッパ面82bが第2摺動片91に係合する位置に第2作動ピン90ある時、同第2支持突起94が第2バネ収納室93の径方向外側の内側面に当接する位置にあるように、内底面80から突出形成されている。
第2バネ収納室93内において、第2支持突起94と第2バネ収納室93の径方向内側の内側面との間に第2スプリングバネSP2が配置されている。第2スプリングバネSP2は、第2作動ピン90に対して、常に径方向内側(支軸S1aの中心軸線O側)に向かって弾性力を付与するようになっている。
そして、第2作動ピン90は、ホイール本体71が回転して支軸S1aの中心軸線Oを中心に旋回すると、遠心力が加わる。第2作動ピン90は、その遠心力によって第2スプリングバネSP2の弾性力に抗して径方向外側に移動する力が増大する。
やがて、ホイール本体71が第1の回転数N1よりも高い回転数の予め定めた第2の回転数N2(>N1)に達して、第2作動ピン90に第2遠心力f2が加わると、第2作動ピン90は、第2スプリングバネSP2の弾性力に抗してさらに径方向外側に移動するようになっている。
なお、第2作動ピン90に遠心力が加わっていない時、第2作動ピン90は、その第2摺動片91は第2ガイド部材82のストッパ面82bと係合して、それ以上、径方向内側への移動が規制される。この時、第2作動ピン90の径方向内側面(第2係合突起92が形成されている径方向外側面と反対側の面)は、第1従動軸75の第1係合片76よりも外側に位置し、第2作動ピン90と第1係合片76が衝突することはない。
ここで、第2作動ピン90に第2遠心力f2以上の遠心力が加えられておらず、図19(a)に示すように第2作動ピン90が径方向外側に移動しおらず、第2作動ピン90の第2係合突起92が第2従動軸78の第2係合片79との係合が外れている位置を第3位置という。また、第2作動ピン90に第2遠心力f2が加えられて、図19(b)に示すように第2作動ピン90がさらに径方向外側に移動し、同第2作動ピン90の第2係合突起92が第2従動軸78の第2係合片79と係合する位置を第4位置という。
つまり、本実施形態では、ホイール本体71が第1の回転数N1未満で回転しているとき、第1作動ピン85は、第1位置にある。このとき、第2作動ピン90は、ホイール本体71が第2の回転数N2よりも低い回転数の第1の回転数N1未満で回転しているため、第3位置にある。
従って、第1係合突起87と第1係合片76とが係合し、第2係合突起92と第2係合片79とが外れた状態となり、ウォームホイール70の回転は第1従動軸75に伝達される。その結果、第1ピニオンG1は、第1従動軸75とともに正逆回転し、駆動力伝達機構を介して、サンシェード4は、開閉動作をする。
また、ホイール本体71が第1の回転数N1で回転しているとき、第1作動ピン85は、第2位置にある。このとき、第2作動ピン90は、ホイール本体71が第2の回転数N2よりも低い回転数の第1の回転数N1で回転しているため、第3位置にある。
従って、第1係合突起87と第1係合片76、及び、第2係合突起92と第2係合片79のそれぞれの係合が外れた状態になり、ウォームホイール70の回転は、第1従動軸75及び第2従動軸78に伝達されない。
さらに、ホイール本体71が第1の回転数N1より高い回転数の第2の回転数N2以上で回転しているとき、第2作動ピン90は、第4位置にある。このとき、第1作動ピン85は、ホイール本体71が第1の回転数N1よりも高い第2の回転数N2で回転するが、第1スプリングバネSP1がそれ以上に縮むことができないことから、第2位置にある。
従って、第1係合突起87と第1係合片76との係合が外れ、第2係合突起92と第2係合片79とが係合した状態となり、ウォームホイール70の回転は第2従動軸78に伝達される。そして、第2ピニオンG2は、第2従動軸78とともに正逆回転し、駆動力伝達機構を介して、ルーフガラス3は、開閉動作をする。
ちなみに、第1ピニオンG1の外径D1と第2ピニオンG2の外径D2は、上記各実施形態と同様に、第1ピニオンG1の最外周の周速度と、第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度となるように設定されている。そして、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度を同じにしている。
次に、第3実施形態の作用について説明する。
第1及び第2作動ピン85,90は、径方向に長い第1及び第2バネ収納室88,93を形成した。そして、その第1及び第2バネ収納室88,93にそれぞれ第1及び第2スプリングバネSP1,SP2を収納した。すなわち、第1及び第2作動ピン85,90にそれぞれ第1及び第2スプリングバネSP1,SP2を内蔵する構造にしたことから、コンパクトなクラッチ構造となる。
また、径方向に長い第1及び第2バネ収納室88,93は、第1及び第2作動ピン85,90の周方向中間位置を径方向に延びる直線上に設けた。そのため、第1及び第2バネ収納室88,93に収納したそれぞれ第1及び第2スプリングバネSP1,SP2は、第1及び第2作動ピン85,90の周方向中間位置で、径方向に沿って配置される。
つまり、第1及び第2作動ピン85,90に加える径方向の弾性力は、偏ることなく径方向にバランスよく第1及び第2作動ピン85,90に加えられる。その結果、第1及び第2作動ピン85,90は径方向にスムースに移動する。
そして、ウォームホイール70の回転に基づく遠心力よって、第1及び第2作動ピン85,90は、それぞれ第1及び第2スプリングバネSP1,SP2の弾性力に抗してそれぞれガイド面81a,82aに沿って径方向に移動する。
このとき、第1及び第2作動ピン85,90は、重量が大きくすることができる直方体にて形成したことから、第1及び第2作動ピン85,90に大きな遠心力を付与することができる。従って、ウォームホイール70の回転に伴う第1及び第2作動ピン85,90の径方向の移動がさらに感度のよく移動する。
また、第1従動軸75に形成した2つの第1係合片76は、軸方向から見て中心角が90°の扇形状に形成し、その周方向の2つの係合面77を周方向に対して直交する面に形成した。そのため、第1係合突起87が係合面77に対して面当たり構造になるため、第1作動ピン85の第1係合突起87との係合が、より確実な係合となる。
(サンシェード4の開動作)
サンシェード4を開状態にすべく第1操作スイッチ31を開操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から開操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの開操作信号に応答して、ウォームホイール70を第1の回転数N1より小さい回転数で正回転させる。このウォームホイール70が第1の回転数N1より小さい回転数での正回転では、図18(b)に示すように、第1作動ピン85の第1係合突起87が、第1従動軸75の第1係合片76に係合する。
従って、第1従動軸75(第1ピニオンG1)は、ウォームホイール70の回転力が伝達され、正回転する。第1ピニオンG1の正回転によって、サンシェード4は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を希望の位置で停止させる。
これによって、外光を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の開動作)
この状態から、ルーフガラス3を開状態にすべく第2操作スイッチ32を開操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から開操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの開操作信号に応答して、ウォームホイール70を第2の回転数N2より大きい回転数で正回転させる。このホイール本体71が第2の回転数N2より大きい回転数での正回転では、図19(b)に示すように、第1作動ピン85が遠心力にて第1スプリングバネSP1の弾性力に抗して径方向外側に移動して第1係合突起87が第1従動軸75の第1係合片76との係合が外れる。一方、第2作動ピン90は、遠心力にて第2スプリングバネSP2の弾性力に抗して径方向外側に移動して第2係合突起92が第2従動軸78の第2係合片79と係合する。
これによって、第2従動軸78(第2ピニオンG2)は、ウォームホイール70の回転力が伝達され、正回転する。第2ピニオンG2の正回転によって、ルーフガラス3は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を希望の位置で停止させる。
これによって、外光と外気を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の閉動作)
続いて、上記状態からルーフガラス3を閉状態にすべく第2操作スイッチ32を閉操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの閉操作信号に応答して、ウォームホイール70を第2の回転数N2より大きい回転数で逆回転させる。このウォームホイール70が第2の回転数N2より大きい回転数での逆回転では、第2作動ピン90の第2係合突起92が第2従動軸78の第2係合片79と係合する。
これによって、第2従動軸78(第2ピニオンG2)は、ウォームホイール70の回転力が伝達され、逆回転する。第2ピニオンG2の逆回転によって、ルーフガラス3は閉方向に移動する。そして、全閉位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を全閉位置で停止させる。
これによって、外気が遮断されて外光のみが車内に導入される状態になる。
(サンシェード4の閉動作)
続いて、上記状態からサンシェード4を閉状態にすべく第1操作スイッチ31を閉操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの閉操作信号に応答して、ウォームホイール70を第1の回転数N1より小さい回転数で逆回転させる。このウォームホイール70が第1の回転数N1より小さい回転数での逆回転では、第1作動ピン85の第1係合突起87が第1従動軸75の第1係合片76に係合する。
これによって、第1従動軸75(第1ピニオンG1)は、ウォームホイール70の回転力が伝達され、逆回転する。第1ピニオンG1の逆回転によって、サンシェード4は閉方向に移動する。そして、全閉位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を全閉位置で停止させる。
これによって、車内への外光及び外気の導入を遮断することができる。
次に、上記第3実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態と同様に、モータMの回転数を制御するだけで、サンシェード4とルーフガラス3を1つのモータMにて個別に開閉できるようにした。従って、第1及び第2実施形態と同様に、小型・軽量で安価な車両用サンルーフ装置を実現することができる。
(2)第3実施形態によれば、第1及び第2作動ピン85,90にそれぞれ第1及び第2スプリングバネSP1,SP2を内蔵する構造にしたことから、コンパクトなクラッチ構造となる。従って、クラッチ構造がコンパクトとなり、車両用サンルーフ装置の小型・軽量化に寄与することができる。
(3)第3実施形態によれば、径方向に長い第1及び第2バネ収納室88,93は、第1及び第2作動ピン85,90の周方向中間位置を径方向に延びる直線上に設けた。そして、第1及び第2バネ収納室88,93に収納したそれぞれの第1及び第2スプリングバネSP1,SP2は、第1及び第2作動ピン85,90の周方向中間位置で、径方向に沿って配置した。
これによって、第1及び第2スプリングバネSP1,SP2は、第1及び第2作動ピン85,90に対して、その中心位置から常に径方向内側(支軸S1aの中心軸線O側)に向かって弾性力を付与するようにした。従って、第1及び第2作動ピン85,90に加える径方向の弾性力は、偏ることなく径方向にバランスよく第1及び第2作動ピン85,90に加えられ、第1及び第2作動ピン85,90は径方向にスムースに移動させることができる。
(4)第3実施形態によれば、第1及び第2作動ピン85,90は、重量が大きくすることができる直方体にて形成した。従って、第1及び第2作動ピン85,90を高重量化することによって、第1及び第2作動ピン85,90に大きな遠心力を付与することができ、ウォームホイール70の回転に伴う第1及び第2作動ピン85,90の径方向の移動をさらに感度のよく移動させることができる。
(5)第3実施形態によれば、第1従動軸75に形成した2つの第1係合片76の係合面77を、周方向に対して直交する面に形成した。そして、第1係合突起87が係合面77に対して面当たり構造にしたので、第1作動ピン85の第1係合突起87との係合をさらに確実にすることができる。
(6)第3実施形態では、第1実施形態と同様に、第1ピニオンG1の外径D1と第2ピニオンG2の外径D2を、第1ピニオンG1の最外周の周速度と第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度となるようにそれぞれ設定した。
従って、第1及び第2実施形態と同様に、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度を同じにすることができる。
(第4実施形態)
次に、車両用サンルーフ装置に具体化した開閉体の開閉装置の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態で説明したモータMに設けた減速・クラッチ部6のクラッチ機構の構成と同じ構成であるが、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2が第1実施形態と相違する。つまり、第1実施形態では、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2が同軸上の2段配置であるのに対し、本実施形態では、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2がケースハウジング7の面方向に対して並設されている点が異にする。
従って、本実施形態では、説明の便宜上、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2の並設する構成について詳細に説明し、第1実施形態と共通するその他の部分については詳細な説明を省略する。
図20に示すように、減速・クラッチ部6のケースハウジング7の一側面7bには、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2が共に回転可能に並設されている。そして、本実施形態では、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2は、それら外径が共に同じなるように形成されている。
図21及び図22に示すように、第1ピニオンG1は、第1実施形態と同じクラッチ機構にて、直接、モータMの出力軸S(ウォーム軸8)の正逆回転によって、正逆回転する。
つまり、第1ピニオンG1は、第1従動円筒体21に固着され、その第1従動円筒体21は支軸S1に回転可能に支持されている。そして、モータMを第1の回転数N1より小さい回転数で正逆回転させる。すると、第1作動ピンP1が第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する第1位置にあり、第1従動円筒体21はホイール本体11の回転力が伝達されて、第1ピニオンG1が正逆回転する。
一方、図21及び図22に示すように、第2従動円筒体22は、第1実施形態において第2ピニオンG2を固着した部分には、同第2ピニオンG2に代えて第1駆動伝達ギア97が固着されている。また、この第1駆動伝達ギア97は、平歯車よりなるケースハウジング7内に配置されるように設けられている。従って、第2従動円筒体22の第1駆動伝達ギア97よりも先端部分は、ケースハウジング7の一側面7bから突出し、同ケースハウジング7にて回転可能に支持されている。
そして、モータMを第2の回転数N2より大きい回転数で正逆回転させる。すると、第2作動ピンP2が第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合する第4位置にあり、第2従動円筒体22はホイール本体11の回転力が伝達されて、第1駆動伝達ギア97が正逆回転する。
図21及び図22に示すように、第1駆動伝達ギア97は、ケースハウジング7内において、第2駆動伝達ギア98と噛合している。第2駆動伝達ギア98は、第1駆動伝達ギア97と予め定めたギア比の平歯車であって、ケースハウジング7に対して回転可能に支持された回転軸99に固着されている。
従って、回転軸99は、第1駆動伝達ギア97の正逆回転によって第2駆動伝達ギア98とともに一体回転する。
回転軸99は、その先端がケースハウジング7の一側面7bから突出形成されていて、その先端部には第2ピニオンG2が固着されている。従って、第2ピニオンG2は、第1駆動伝達ギア97、第2駆動伝達ギア98、回転軸99を介して第2従動円筒体22とともに一体回転する。
これによって、第2ピニオンG2は、ケースハウジング7の一側面7bにおいて、第1ピニオンG1とともに回転可能に並設される。
ちなみに、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2は、共に外径が同じである。そして、第1ピニオンG1の最外周の周速度と、第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度、すなわち、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度を同じにしている。従って、第2駆動伝達ギア98と第1駆動伝達ギア97のギア比は、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度が同じになるように設定されている。
また、本実施形態では、第2ピニオンG2は、第1駆動伝達ギア97、第2駆動伝達ギア98を介してモータMの回転力が伝達されることから、モータMが正回転して第1ピニオンG1を正回転させるのに対し、第2ピニオンG2は逆回転する。従って、第2ピニオンG2を正回転させる時には、モータMを逆回転させる必要がある。
このことから、第1実施形態と相違して本実施形態では、ECU30は、第2操作スイッチ32からの開操作信号に基づいてルーフガラス3を開ける場合、モータMを第2の回転数N2より大きい回転数で逆回転するように回転制御させる。反対に、ECU30は、第2操作スイッチ32からの閉操作信号に基づいてルーフガラス3を閉める場合、モータMを第2の回転数より大きい回転数で正回転するように回転制御する。
次に、第4実施形態の作用について説明する。
今、ルーフガラス3及びサンシェード4がルーフ開口部2aに対して閉じた状態にあってモータMが停止しているとき、図5(a)に示すように、ホイール本体11の環状壁13に設けた第1作動ピンP1は第1位置にあり、第2作動ピンP2は第3位置にある。この時点では、第1作動ピンP1は、第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する位置にあり、第2作動ピンP2は、第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合しない位置にある。
(サンシェード4の開動作)
そして、サンシェード4を開状態にすべく第1操作スイッチ31を開操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から開操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの開操作信号に応答して、ホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数で正回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数での正回転では、図5(b)に示すように、第1作動ピンP1が第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する位置にあることから、第1従動円筒体21はホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第1ピニオンG1を正回転させる。
第1ピニオンG1の正回転によって、サンシェード4は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を希望の位置で停止させる。
これによって、外光を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の開動作)
この状態から、ルーフガラス3を開状態にすべく第2操作スイッチ32を開操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から開操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの開操作信号に応答して、ホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数で逆回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数での逆回転では、図6(a)から図6(b)に示すように、第1作動ピンP1が遠心力にて第1従動円筒体21の第1係合片21aとの係合が外れ、第2作動ピンP2が遠心力にて第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合する。
これによって、第2従動円筒体22は、ホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第1駆動伝達ギア97、第2駆動伝達ギア98、回転軸99を介して第2ピニオンG2を正回転させる。この第2ピニオンG2の正回転によって、ルーフガラス3は開方向に移動する。そして、希望の開放位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を希望の位置で停止させる。
これによって、外光と外気を車内に導入することができる。
(ルーフガラス3の閉動作)
続いて、上記状態からルーフガラス3を閉状態にすべく第2操作スイッチ32を閉操作すると、ECU30は第2操作スイッチ32から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第2操作スイッチ32からの閉操作信号に応答して、ホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数で正回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第2の回転数N2より大きい回転数での正回転では、第1作動ピンP1が遠心力にて第1従動円筒体21の第1係合片21aとの係合が外れ、第2作動ピンP2が遠心力にて第2従動円筒体22の第2係合片22bと係合する。
これによって、第2従動円筒体22は、ホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第1駆動伝達ギア97、第2駆動伝達ギア98、回転軸99を介して第2ピニオンG2を逆回転させる。この第2ピニオンG2の逆回転によって、ルーフガラス3は閉方向に移動する。そして、全閉位置までルーフガラス3が移動したとき、第2操作スイッチ32を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてルーフガラス3を全閉位置で停止させる。
これによって、外気が遮断されて外光のみが車内に導入される状態になる。
(サンシェード4の閉動作)
続いて、上記状態からサンシェード4を閉状態にすべく第1操作スイッチ31を閉操作すると、ECU30は第1操作スイッチ31から閉操作信号を入力する。
ECU30は、第1操作スイッチ31からの閉操作信号に応答して、ホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数で逆回転するようにモータMを回転制御させる。このホイール本体11が第1の回転数N1より小さい回転数での逆回転では、第1作動ピンP1が第1従動円筒体21の第1係合片21aと係合する位置にあることから、第1従動円筒体21はホイール本体11(環状壁13)の回転力が伝達され、第1ピニオンG1を逆回転させる。
第1ピニオンG1の逆回転によって、サンシェード4は閉方向に移動する。そして、全閉位置までサンシェード4が移動したとき、第1操作スイッチ31を停止操作する。すると、ECU30は、モータMを停止させてサンシェード4を全閉位置で停止させる。
これによって、車内への外光及び外気の導入を遮断することができる。
次に、上記第4実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、サンシェード4とルーフガラス3を1つのモータMにて個別に開閉できるようにした。従って、小型・軽量で安価な車両用サンルーフ装置を実現することができる。
(2)第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、クラッチ構造をコンパクトにでき、車両用サンルーフ装置の小型・軽量化に寄与することができる。
(3)第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、第1スプリングバネSP1と第2スプリングバネSP2の弾性力をそれぞれ調整するだけで、第1及び第2作動ピンP1,P2は、第1及び第2係合片21a,22bとの係合・非係合がそれぞれ簡単に調整できる。
(4)第4実施形態によれば、第1従動円筒体21がホイール本体11とともに回転している回転数と第2従動円筒体22がホイール本体11とともに回転している回転数とは異なる。そして、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2は、その外径を共に同じにした。そこで、第1ピニオンG1の周速度と第2ピニオンG2の周速度とが同じ周速度となるように、第1駆動伝達ギア97と第2駆動伝達ギア98のギア比を設定した。
これによって、サンシェード4の開閉移動速度とルーフガラス3の開閉移動速度を同じにすることができる。
(5)上記第4実施形態では、第1ピニオンG1と第2ピニオンG2をケースハウジング7の一側面7bに並設した。
つまり、サンシェード4の駆動力伝達機構は、サンシェード4を開閉移動させる左右一対のサンシェード用駆動ケーブル(プッシュプルケーブル)を有している。この一対のサンシェード用駆動ケーブルの端部には、第1ピニオンG1と噛合するギアが形成されている。そして、サンシェード用ケーブルは、第1ピニオンG1が正逆回転することによって、プッシュプル駆動してサンシェード4を開閉移動させる。
一方、ルーフガラス3の駆動力伝達機構も同様に、ルーフガラス3を開閉移動させる左右一対のルーフガラス用駆動ケーブル(プッシュプルケーブル)を有している。この一対のルーフガラス用駆動ケーブルの端部には、同様に、第2ピニオンG2と噛合するギアが形成されている。そして、ルーフガラス用駆動ケーブルは、第2ピニオンG2が正逆回転することによって、プッシュプル駆動してルーフガラス3を開閉移動させる。
これによって、サンシェード4の駆動力伝達機構のサンシェード用駆動ケーブルとルーフガラス3の駆動力伝達機構のルーフガラス用駆動ケーブルを、共に同一平面上で、それぞれ第1ピニオンG1と第2ピニオンG2と噛合させることができる。
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第4実施形態は、第1実施形態のクラッチ機構に応用したが、これを例えば第3実施形態のクラッチ機構に応用してもよい。
○上記第1〜第3実施形態では、第1ピニオンG1の外径D1と第2ピニオンG2の外径D2を、第1ピニオンG1の最外周の周速度と第2ピニオンG2の最外周の周速度とが同じ周速度となるように設定したが、それぞれ仕様に応じて異ならして実施してもよい。
勿論、第4実施形態において、第1及び第2駆動伝達ギア97,98のギア比を変更して、第1ピニオンG1の最外周の周速度と第2ピニオンG2の最外周の周速度とを異ならして実施してもよい。
○上記第1〜第4実施形態では、第1ピニオンG1をサンシェード駆動用ピニオンとし、第2ピニオンG2をルーフガラス駆動用ピニオンとしたが、これに特に限定されるものではなく、仕様に応じてそれらの対応関係を逆の設定としてもよい。
○上記第1〜第4実施形態では、開閉装置を車両用サンルーフ装置に具体化したが、それ以外の開閉体の開閉装置に応用してもよい。
○上記実施形態では、減速機構(ウォーム軸8とウォームホイール10)を備えたモータMに具体化したが、減速機構を省略したモータMにクラッチ機構を設けて実施してもよい。
○上記第2実施形態において、四角平板状の回転駆動体42に形成した第1ガイド面GF1は、逆二等辺三角形状に凹設させて形成した。これを、回転駆動体42の形状を長方形板状にする。そして、相対向する2つの長辺の外側面を第1ガイド面GF1とし、相対向する残る2つの短辺の外側面を第2ガイド面GF2として実施してもよい。
1…車両、2…ルーフパネル、2a…ルーフ開口部、3…ルーフガラス(第2開閉体)、4…サンシェード(第1開閉体)、5…モータケース、6…減速・クラッチ部、7…ケースハウジング、7a…収容室、7b…一側面、8…ウォーム軸、9…軸受、10…ウォームホイール、11…ホール本体、12…外輪部、13…環状壁、14…第1収容部、14a…内周面開口部、15…第2収容部、15a…外周面開口部、21,22…第1及び第2従動円筒体、21a…第1係合片(第1係合部)、22a…フランジ、22b…第2係合片(第2係合部)、30…ECU(制御回路)、31,32…第1及び第2操作スイッチ、40…ウォームホイール、41…ホイール本体、42…回転駆動体(回転体)、45…下側ピン支持体、46…下側収容凹部、47…下側第1貫通穴、48…下側第2貫通穴、50…上側ピン支持体、51…上側収容凹部、52…上側第1貫通穴、53…上側第2貫通穴、55…円柱体、56…第1貫通穴、57…第1係合溝(第1係合部)、61…第2貫通穴、62…第2係合溝(第2係合部)、70…ウォームホイール、71…ホイール本体、72…外輪部、74…エンドカバー、75…第1従動軸、76…第1係合片(第1係合部)、77…係合面、78…第2従動軸、78a…フランジ、79…第2係合片(第2係合部)、80…内底面、81…第1ガイド部材、81a…第1ガイド面、82…第2ガイド部材、82a…第2ガイド面、82b…ストッパ面、85…第1作動ピン、86…第1摺動片、87…第1係合突起、88…第1バネ収納室、89…第1支持突起、90…第2作動ピン、91…第2摺動片、92…第2係合突起、93…第2バネ収納室、94…第2支持突起、97,98…第1及び第2駆動伝達ギア、99…回転軸、M…モータ、S…出力軸、S1,S1a…支軸、S2…駆動軸、O…中心軸線、P1,P2…第1及び第2作動ピン、P1a,P2a…第1及び第2屈曲部、SP1,SP2…第1及び第2スプリングバネ(第1及び第2弾性部材)、G1,G2…第1及び第2ピニオン(第1及び第2被回転体)、D1,D2…外径、GF1,GF2…第1及び第2ガイド面。

Claims (16)

  1. モータの駆動によって回転する回転体と、
    前記回転体の回転に伴い同回転体の回転中心軸線を中心として旋回するとともに、その回転中心軸線に対して径方向に移動可能な第1作動ピンと第2作動ピンと、
    前記旋回に基づく遠心力が、予め定めた第1遠心力に達したとき、その第1遠心力に対して前記第1作動ピンを径方向の第1位置から第2位置に移動させる第1弾性部材と、
    前記旋回に基づく遠心力が、前記第1遠心力より大きい予め定めた第2遠心力に達したとき、その第2遠心力に対して前記第2作動ピンを径方向の第3位置から第4位置に移動させる第2弾性部材と、
    前記第1作動ピンと係脱可能な第1係合部を有し、前記第1作動ピンが前記第1位置にあるとき該第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転し、前記第1作動ピンが前記第2位置にあるとき該第1作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結となる第1被回転体と、
    前記第2作動ピンと係脱可能な第2係合部を有し、前記第2作動ピンが前記第3位置にあるとき該第2作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結となり、前記第2作動ピンが前記第4位置にあるとき該第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転する第2被回転体とからなるクラッチ付きモータ。
  2. 請求項1に記載のクラッチ付きモータにおいて、
    前記回転体は、環状壁を有し、
    前記第1作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向内側に出没可能に設けられ、
    前記第2作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向外側に出没可能に設けられ、
    前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向内側に出没可能に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、
    前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には第2ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向外側に出没可能に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられていることを特徴とするクラッチ付きモータ。
  3. 請求項1に記載のクラッチ付きモータにおいて、
    前記回転体は、モータの駆動に基づいて回転する駆動軸に固着された四角平板状の回転駆動体であり、その四角平板状の回転駆動体は、4つ外側面のうち対向する一方の2つ外側面に第1ガイド面をそれぞれ形成し、残る対向する2つ外側面に第2ガイド面をそれぞれ形成し、
    前記第1作動ピンは、前記第1弾性部材にて前記第1ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向内に移動可能に設けられ、
    前記第2作動ピンは、前記第2弾性部材にて前記第2ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向に移動可能に設けられ、
    前記第1被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第1ピニオンであって、その第1ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、
    前記第2被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第2ピニオンであって、その第2ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第2係合部が設けられていることを特徴とするクラッチ付きモータ。
  4. 請求項1に記載のクラッチ付きモータにおいて、
    前記第1作動ピンは、第1作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第1ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第1ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、
    前記第1作動ピン本体は、径方向に長い第1バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第1被回転体の第1係合部と係合する第1係合突起が設けられ、
    前記第2作動ピンは、第2作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第2ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第2ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、
    前記第2作動ピン本体は、径方向に長い第2バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第2被回転体の第2係合部と係合する第2係合突起を設けられ、
    前記第1弾性部材は、前記第1バネ収納室に配置され、前記第1作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第1遠心力に達したとき、前記第1作動ピン本体を前記第1位置から前記第2位置に移動させ、
    前記第2弾性部材は、前記第2バネ収納室に配置され、前記第2作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第2遠心力に達したとき、前記第2作動ピン本体を前記第3位置から前記第4位置に移動させ、
    前記第1被回転体は、ケースハウジングに対して回転可能支持された第1従動軸であって、その第1従動軸には第1ピニオンが固着されるとともに、前記第1作動ピンの第1係合突起と係合する前記第1係合部が設けられ、
    前記第2被回転体は、前記第1従動軸に回転可能支持された筒状の第2従動軸であって、その第2従動軸には第2ピニオンが固着されるとともに、前記第2作動ピンの第2係合突起と係合する前記第2係合部が設けられていることを特徴とするクラッチ付きモータ。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のクラッチ付きモータにおいて、
    前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように設定されていることを特徴とするクラッチ付きモータ。
  6. 請求項1に記載のクラッチ付きモータにおいて、
    前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンを固着し、
    前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には、第1駆動伝達ギアを固着し、
    前記第1駆動伝達ギアは、前記第1従動円筒体と並設された回転軸に固着された第2駆動伝達ギアと噛合し、前記第1駆動伝達ギアの回転力を、前記第2駆動伝達ギアを介して前記回転軸の一端部に固着した第2ピニオンに伝達したことを特徴とするクラッチ付きモータ。
  7. 請求項6に記載のクラッチ付きモータにおいて、
    前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、同じであって、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように、前記第1駆動伝達ギアと第2駆動伝達ギアのギア比が予め設定されていることを特徴とするクラッチ付きモータ。
  8. 第1開閉体と第2開閉体をそれぞれ開閉させる開閉体の開閉装置であって、
    外周面に形成したギヤがモータの出力軸に連結したウォーム軸と噛合し、モータの正逆回転駆動とともに正逆回転する回転体と、
    前記回転体の回転に伴い同回転体の回転中心軸線を中心として旋回するとともに、その回転体の回転中心軸に対して径方向に移動可能な第1作動ピンと第2作動ピンと、
    前記旋回に基づく遠心力が、予め定めた第1遠心力に達したとき、その第1遠心力に抗して前記第1作動ピンを径方向の第1位置から第2位置に移動させる第1弾性部材と、
    前記旋回に基づく遠心力が、前記第1遠心力より大きい予め定めた第2遠心力に達したとき、その第2遠心力に抗して前記第2作動ピンを径方向の第3位置から第4位置に移動させる第2弾性部材と、
    前記第1作動ピンと係脱可能な第1係合部を有し、前記第1作動ピンが前記第1位置にあるとき該第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転して前記第1開閉体を開閉移動させ、前記第1作動ピンが前記第2位置にあるとき該第1作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結にして前記第1開閉体を移動停止させる第1被回転体と、
    前記第2作動ピンと係脱可能な第2係合部を有し、前記第2作動ピンが前記第3位置にあるとき該第2作動ピンとの係合が外れ前記回転体と非連結にして前記第2開閉体を移動停止させ、前記第2作動ピンが前記第4位置にあるとき該第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転して前記第2開閉体を開閉移動させる第2被回転体と
    を備えたことを特徴とする開閉体の開閉装置。
  9. 請求項8に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記第1開閉体を開閉移動させるための第1操作スイッチと、
    前記第2開閉体を開閉移動させるための第2操作スイッチと、
    前記第1又は第2操作スイッチの操作に応答して、前記第1作動ピンの配置が前記第1位置に、又は、前記第2作動ピンの配置が前記第4位置に位置するように、前記モータを回転制御する制御回路と
    を備えたことを特徴とする開閉体の開閉装置。
  10. 請求項8又は9に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記第1開閉体は、車両のルーフパネルに形成したルーフ開口部を開閉するサンシェードであり、
    前記第2開閉体は、前記ルーフ開口部を開閉するルーフガラスであることを特徴とする開閉体の開閉装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記回転体は、環状壁を有し、
    前記第1作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向内側に出没可能に設けられ、
    前記第2作動ピンは、前記環状壁に設けられ、径方向外側に出没可能に設けられ、
    前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向内側に出没可能に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、
    前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には第2ピニオンが固着されるとともに、前記環状壁から径方向外側に出没可能に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられていることを特徴とする開閉体の開閉装置。
  12. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記回転体は、モータの駆動に基づいて回転する駆動軸に固着された四角平板状の回転駆動体であり、
    その四角平板状の回転駆動体は、4つ外側面のうち対向する一方の2つ外側面に第1ガイド面をそれぞれ形成し、残る対向する2つ外側面に第2ガイド面をそれぞれ形成されおり、
    前記第1作動ピンは、前記第1弾性部材にて前記第1ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向内に移動可能に設けられ、
    前記第2作動ピンは、前記第2弾性部材にて前記第2ガイド面に弾圧され、前記回転駆動体の回転に伴って旋回するとともに、径方向に移動可能に設けられ、
    前記第1被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第1ピニオンであって、その第1ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第1作動ピンと係合する前記第1係合部が設けられ、
    前記第2被回転体は、前記駆動軸に回転可能支持された第2ピニオンであって、その第2ピニオンには、径方向に移動に設けられた前記第2作動ピンと係合する前記第2係合部が設けられていることを特徴とする開閉体の開閉装置。
  13. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記第1作動ピンは、第1作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第1ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第1ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、
    前記第1作動ピン本体は、径方向に長い第1バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第1被回転体の第1係合部と係合する第1係合突起が設けられ、
    前記第2作動ピンは、第2作動ピン本体が直方体であって、前記回転体の一側面に設けた周方向相対向する一対の第2ガイド面間に配置され、前記一側面上を前記一対の第2ガイド面に沿って径方向に移動可能、且つ、周方向に移動不能に配置され、
    前記第2作動ピン本体は、径方向に長い第2バネ収納室が軸線方向に貫通形成されているとともに、径方向外側面には、前記第2被回転体の第2係合部と係合する第2係合突起を設けられ、
    前記第1弾性部材は、前記第1バネ収納室に配置され、前記第1作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第1遠心力に達したとき、前記第1作動ピン本体を前記第1位置から前記第2位置に移動させ、
    前記第2弾性部材は、前記第2バネ収納室に配置され、前記第2作動ピン本体を径方向内側に弾圧し、前記第2遠心力に達したとき、前記第2作動ピン本体を前記第3位置から前記第4位置に移動させ、
    前記第1被回転体は、ケースハウジングに対して回転可能支持された第1従動軸であって、その第1従動軸には第1ピニオンが固着されるとともに、前記第1作動ピンの第1係合突起と係合する前記第1係合部が設けられ、
    前記第2被回転体は、前記第1従動軸に回転可能支持された筒状の第2従動軸であって、その第2従動軸には第2ピニオンが固着されるとともに、前記第2作動ピンの第2係合突起と係合する前記第2係合部が設けられていることを特徴とする開閉体の開閉装置。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように設定されていることを特徴とする開閉体の開閉装置。
  15. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記第1被回転体は、前記回転体に固着された支軸に回転可能支持された第1従動円筒体であって、その第1従動円筒体には第1ピニオンを固着し、
    前記第2被回転体は、前記第1従動円筒体に回転可能支持された第2従動円筒体であって、その第2従動円筒体には、第1駆動伝達ギアを固着し、
    前記第1駆動伝達ギアは、前記第1従動円筒体と並設された回転軸に固着された第2駆動伝達ギアと噛合し、前記第1駆動伝達ギアの回転力を、前記第2駆動伝達ギアを介して前記回転軸の一端部に固着した第2ピニオンに伝達したことを特徴とする開閉体の開閉装置。
  16. 請求項15に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記第1ピニオンの外径と第2ピニオンの外径は、同じであって、前記第1作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第1ピニオンの周速度と、前記第2作動ピンと係合し前記回転体と一体回転しているときの前記第2ピニオンの周速度とが、同じ周速度となるように、前記第1駆動伝達ギアと第2駆動伝達ギアのギア比が予め設定されていることを特徴とする開閉体の開閉装置。
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