JP2004036815A - 駆動装置 - Google Patents

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Akihiro Ono
大野 明浩
Hiroshi Kushino
久志野 宏
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

【課題】駆動手段20aから出力する駆動力を、駆動力伝達手段(20b,20c,20d)を介して被駆動手段21bに伝達して被駆動手段21bを駆動する駆動装置であって、駆動手段、駆動力伝達手段および被駆動手段の少なくとも一手段に故障等の異常状態が発生した場合の損傷や破損の発生を防止する。
【解決手段】駆動手段20aと被駆動手段21bの間に、駆動手段20aの回転が所定以上の高回転数になった時、駆動手段20aに高トルクが負荷された時、これに感応して駆動手段20aと被駆動手段21b間の駆動力伝達可能な連結を遮断する自己感応型の駆動力遮断手段30(30a,30b,30c)を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種形式の車両や、各種の産業機械等を駆動するための駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動装置の一形式として、駆動手段から出力する駆動力を、駆動力伝達手段を介して被駆動手段に伝達して、同被駆動手段を駆動する形式の駆動装置がある。当該形式の駆動装置は、各種形式の車両や各種の産業機械等を駆動するための駆動装置として、一般的に採用されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
当該形式の駆動装置においては、駆動手段、駆動力伝達手段および被駆動手段の少なくとも一手段に故障等が発生した場合には、駆動手段では、設定されている回転数および/または負荷トルクを大きく上回る過大な回転数および/または負荷トルクが発生することがある。当該駆動装置に、このような異常状態が発生すると、駆動手段および/または駆動力伝達手段では損傷や破損等が発生するおそれがある。従って、本発明の目的は、当該形式の駆動装置において、上記した異常状態が発生した場合に、十分に対処し得るようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、当該形式の駆動装置において、上記した異常状態が発生した場合に、この異常状態に自ら感応して、当該異常状態に対処することを特徴とするものである。
【0005】
すなわち、本発明に係る駆動装置の第1の駆動装置は、駆動手段から出力する駆動力を、駆動力伝達手段を介して被駆動手段に伝達して同被駆動手段を駆動する駆動装置であって、前記駆動手段と前記被駆動手段の間に、前記駆動手段の回転が所定以上の高回転になったとき当該高回転に感応して前記駆動手段と前記被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断する回転自己感応型の駆動力遮断手段を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明に係る駆動装置の第2の駆動装置は、駆動手段から出力する駆動力を、駆動力伝達手段を介して被駆動手段に伝達して同被駆動手段を駆動する駆動装置であって、前記駆動手段と前記被駆動手段の間に、前記駆動手段に対するトルクが所定以上の高トルクになったとき当該高トルクに感応して前記駆動手段と前記被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断するトルク自己感応型の駆動力遮断手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明に係る駆動装置の第3の駆動装置は、駆動手段から出力する駆動力を、駆動力伝達手段を介して被駆動手段に伝達して同被駆動手段を駆動する駆動装置であって、前記駆動手段と前記被駆動手段の間に、前記駆動手段の回転が所定以上の高回転になったとき、または、前記駆動手段に対するトルクが所定以上の高トルクになったとき、当該高回転および高トルクの少なくとも一方に感応して前記駆動手段と前記被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断する回転かつトルク自己感応型の駆動力遮断手段を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る各駆動装置における前記駆動力遮断手段の配置については、前記駆動力伝達手段が、駆動手段の駆動停止時に同駆動手段と被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断するクラッチを備えている場合には、前記駆動手段と前記クラッチとの間に配置することができ、また、前記駆動力伝達手段が、駆動手段から出力する回転を減速して被駆動手段に伝達する減速機構を備えている場合には前記減速機構内に配置することができる。
【0009】
本発明に係るこれらの駆動装置にあっては、駆動手段を電動モータとし、また、被駆動手段を駆動輪とすることができる。当該駆動装置は、車両の駆動輪を駆動する駆動装置に採用することができる。また、当該駆動装置は、主駆動輪を駆動する主駆動手段と副駆動輪を駆動する副駆動手段を備える前後輪駆動車の前記主駆動手段または副駆動手段の、いずれか一方または両方に採用することができる。
【0010】
【発明の作用・効果】
本発明に係る駆動装置においては、駆動手段に、設定されている回転数および/または負荷トルクを大きく上回る過大な回転数および/または負荷トルクが発生する異常状態が発生した場合には、駆動力遮断手段が当該異常状態に自ら感応して、駆動手段と被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断する。これにより、駆動手段の過大な回転数および/または出力トルクの発生に起因する、駆動手段および/または駆動力伝達手段における損傷や破損等の発生を防止しまたは皆無に近い状態に抑制することができる。
【0011】
本発明に係る各駆動装置においては、各種形式の車両の駆動装置や各種産業機械の駆動装置等に採用することができる。この場合、駆動手段として、電動モータを採用することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る各駆動装置においては、駆動手段を電動モータとしかつ被駆動手段を車両の駆動輪とすれば、車両の駆動輪を駆動する駆動装置として好適に採用することができる。当該駆動装置は、主駆動輪を駆動する主駆動手段と副駆動輪を駆動する副駆動手段を備える前後輪駆動車における、主駆動手段または副駆動手段のいずれか一方または両方にも一層好適に採用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、駆動装置に関するものである。図1は、本発明の一例に係る駆動装置を搭載して形成した前後輪駆動車を示している。当該前後輪駆動車は、主駆動輪である前輪側を駆動する主駆動装置10と、補助駆動輪である後輪側を駆動する補助駆動装置20を備えている。当該前後輪駆動車においては、補助駆動装置20に本発明の一例に係る駆動装置が採用されている。図2には、補助駆動装置20を詳細に示している。
【0014】
当該前後輪駆動車を構成する主駆動装置10は、内燃機関であるエンジン11を備えている。主駆動装置10においては、エンジン11の駆動力は、トランスミッション12、減速ギヤ列13、フロントディファレンシャル14を経て各ドライブシャフト15に伝達され、各ドライブシャフト15によって前輪16が駆動される。
【0015】
補助駆動装置20は、電動モータ20a、減速ギヤ列20b、電磁クラッチ20c、リヤディファレンシャル20d、ジェネレータ20eを備えている。当該補助駆動装置20には、本発明の主要部を構成する駆動力遮断手段30が配設されている。
【0016】
ジェネレータ20eは、エンジン11のクランク軸に連結されているもので、エンジン11により駆動されて高電圧の電力を発電する。ジェネレータ20eで発電された電力は、電動モータ20aに供給されて、電動モータ20aを駆動する。電動モータ20aの駆動力は、減速ギヤ列20b、電磁クラッチ20c、およびリヤディファレンシャル20dに伝達される。リヤディファレンシャル20dに伝達された駆動力は、各ドライブシャフト21aに分配され、各ドライブシャフト21aによって後輪21bが駆動される。
【0017】
当該補助駆動装置20は、図示しない制御装置によって、駆動状態を制御される。制御装置は、スロットル開度センサ、車輪速センサ、4WDスイッチの状態を検出するスイッチセンサ等から出力される検出信号に基づいて、電磁クラッチ20cの動作すべき状態を判定するとともに、ジェネレータ20eの発電電力の電圧を設定し、電磁クラッチ20cのON(結合)−OFF(遮断)を制御するとともに、ジェネレータ20eが発電した設定電圧の電力を電動モータ20aに供給して、電動モータ20aの駆動を制御する。
【0018】
制御装置は、4WDスイッチがONしている場合に、電動モータ20aの作動状態を選択する制御を行う。制御装置は、スロットル開度センサ、車輪速センサ、4WDスイッチの状態を検出するスイッチセンサからの検出信号に基づいて、電動モータ20aが作動すべき状態を判定する。判定結果は、指令信号として駆動回路に出力される。駆動回路は、当該指令信号に基づいて電磁クラッチ20c、ジェネレータ20eの作動を制御して、ジェネレータ20eの駆動および電動モータ20aの駆動を制御する。
【0019】
しかして、当該補助駆動装置20は、図2および図3に示すように、電動モータ20a、減速ギヤ列20b、電磁クラッチ20c、リヤディファレンシャル20dを一体に備えているもので、これらの一体の部品と、高電圧発電用のジェネレータ20eとによって構成されている。当該補助駆動装置20には、本発明に係る駆動力遮断手段30の第1の駆動力遮断手段(第1駆動力遮断機構30a)が、減速ギヤ列20b内に配置されている。
【0020】
当該補助駆動装置20においては、 電動モータ20aとリヤディファレンシャル20dとは、減速ギヤ列20bおよび電磁クラッチ20cを介して連結されているもので、電磁クラッチ20cが結合状態にあって駆動力遮断手段30が非作動の状態にある場合には、電動モータ20aの駆動力は、減速ギヤ列20bおよび電磁クラッチ20cを介してリヤディファレンシャル20dに伝達される。電動モータ20aは、ジェネレータ20eからの電力の供給を受けて駆動して後輪21bを駆動し、当該車両を四輪駆動状態に形成する。
【0021】
リヤディファレンシャル20dは、それ自体は公知のもので、ディファレンシャルケース22a内に収容された各ピニオン22bおよび各サイドギヤ22cを備えていて、アウタケース23a内に収容された状態で回転可能に支持されている。アウタケース23aは、減速ギヤ列20bを構成する一構成部材であって、その外周には、リングギヤ23bが固定されている。各サイドギヤ22cは、各ピニオンギヤ22bに噛合していて、各サイドギヤ22cには、各ドライブシャフト21aが動力伝達可能に連結されている。各ドライブシャフト21aは、アクスルケース24を液密的かつ回転可能な状態で貫通して、アクスルケース24の外へ突出している。
【0022】
減速ギヤ列20bは、アウタケース23aの外周に固定されている大径のリングギヤ23b、アイドラギヤシャフト23c上に一体に形成されている大径の第1ギヤ23d、アイドラギヤシャフト23c上に組付けられた小径の第2ギヤ23e、および、電動モータ20aの出力軸上に一体に形成されている小径の第3ギヤ23fにて構成されている。減速ギヤ列20bにおいては、アイドラギヤシャフト23c上の第1ギヤ23dが電動モータ20aの出力軸上の第3ギヤ23fに噛合し、かつ、アイドラギヤシャフト23c上の第2ギヤ23eがアウタケース23a上のリングギヤ23bに噛合している。これにより、減速ギヤ列20bは、電動モータ20aから出力される駆動力を大幅に減速した状態で、アウタケース23aに伝達する。
【0023】
電磁クラッチ20cは、セルフロック式の電磁クラッチであり、環状のアウタ部材25a、アウタ部材25aの本体内に収容されている電磁コイル25b、アウタ部材25aの外側に位置し電磁コイル25bに対する電流印加時に吸引されてアウタ部材25aの外側面に摩擦係合するアーマチャ25c、アウタ部材25aの内周側に同心的に位置するインナ部材25d、インナ部材25dとアーマチャ25c間に位置して作動時にはこれら両部材25c,25dを互いに結合するカム機構Cを備えている。
【0024】
電磁クラッチ20cのかかる構成において、アウタ部材25aは、アウタケース23aの一端開口部に螺着して連結されている。インナ部材25dは、ディファレンシャルケース22aと一体の円筒状のもので、アウタ部材25aの内孔を貫通した状態で、同部材25aを回転可能に支持している。アーマチャ25cは、環状の円板状のもので、インナ部材25d上に自由状態で嵌合して、アウタ部材25aの外側面に対向して位置している。
【0025】
カム機構Cは、アーマチャ25cを第1のカム部材とし、インナ部材25dの起立部(ディファレンシャルケース22aの一部)を第2のカム部材とするもので、アーマチャ25cとインナ部材25dの互いに対向する対向面に形成されている複数の各カム溝に、ボール状のカムフォロアー26aを介装して構成されている。カム機構Cを構成する第1のカム部材であるアーマチャ25cは、リターンスプリング26bによって、カムフォロアー26a側に付勢されていて、アウタ部材25aの外側面から離間している。これにより、電磁クラッチ20cは、リヤディファレンシャル20dの一側にてコンパクトに配置されている。
【0026】
電磁クラッチ20cにおいては、電磁コイル25bへ電流を印加することにより発生する磁力がアーマチャ25cを吸引して、アーマチャ25cをアウタ部材25aの外側面に摩擦係合させて、アウタ部材25aとインナ部材25dを互いに結合する。電磁クラッチ20cのカム機構Cにおいては、そのカム角が的確に設定されていて、アーマチャ25cとアウタ部材25aの外側面間の摩擦トルクで発生する軸方向の力が、インナ部材25dの回転力に起因して、摩擦トルクに還元されて摩擦トルクを増大させる。
【0027】
電磁クラッチ20cは、この摩擦トルクを増大させる作用を循環して繰り返し行う。このため、電磁クラッチ20cは、電磁コイル25bに電流を印加してアーマチャ25cをアウタ部材25a外側面に摩擦係合させると、インナ部材25dの回転力によって、自縛的に瞬時にロック状態を形成する。換言すれば、電磁クラッチ20cは、インナ部材25dの回転力によってセルフロックする。
【0028】
なお、セルフロックした電磁クラッチ20cにおいては、電磁コイル25bへの電流の印加を停止した場合、アーマチャ25cに対する吸引作用が解除され、リターンスプリング26bの作用によって、セルフロック状態が解除される。すなわち、当該電磁クラッチ20cは、セルフロック機能を有するとともに、セルフロック解除機能を有している。
【0029】
当該補助駆動装置20は、上記したように特殊な構成であって、当該補助駆動装置20においては、電磁クラッチ20cをリヤディファレンシャル20dの一側に配置していることから、電磁クラッチをリヤディファレンシャル20dの外周に配置する場合に比較して、クラッチ径を小さく構成することができて、補助駆動装置20を軽量かつ小型化することができる。これにより、補助駆動装置20は、車両への搭載性が向上し、車両の懸架系を簡素化でき、車両の燃費を向上でき、かつ、価格が廉価となる。また、電磁クラッチ20cのクラッチ径を小さく構成することに起因して、トルク遮断時の引きずりトルクを小さくすることができる。
【0030】
また、補助駆動装置20においては、電磁クラッチ20cとして、セルフロック機能を有する電磁クラッチを採用している。セルフロック機能を有するクラッチは、伝達トルクを判断基準とすれば、通常のクラッチに比較して小型、軽量かつ廉価に構成することができる。これにより、補助駆動装置20は、電磁クラッチ20cをリヤディファレンシャル20dの一側に配置したことと相まって、車両への搭載性が一層向上し、車両の懸架系を一層簡素化でき、車両の燃費を一層向上でき、かつ、価格が一層廉価となる。
【0031】
しかして、第1駆動力遮断機構30aは、本発明の主要部を構成する駆動力遮断手段30の第1の駆動力遮断手段であって、当該補助駆動装置20においては、図3および図4に示すように、減速ギヤ列20bを構成するアイドラギヤシャフト23cと第2ギヤ23e間に一対配置されている。第2ギヤ23eは、アイドラギヤシャフト23cの外周に回転可能に嵌合して位置決めされているもので、その先端側のフランジ部23e1には、径方向に延びる一対の組付け孔23e2が設けられている。
【0032】
第1駆動力遮断機構30aは、アイドラギヤシャフト23cにおける第2ギヤ23eの嵌合部のフランジ部23e1に対応する部位に形成されているロック溝31aと、第2ギヤ23eの組付け孔23e2に収容されてロック溝31aに嵌合するボール状のロック部材32aと、組付け孔23e2に収容されて詰栓33aにて受承されている圧縮スプリング34aにて構成されている。ロック溝31aは、円錐形状を呈するもので、ロック部材32aの略1/3が嵌合する大きさに形成されている。ロック部材32aは、圧縮スプリング34aにて所定の力で付勢されて、ロック溝31aに対して所定の係合力で嵌合している。
【0033】
第1駆動力遮断機構30aは、回転かつトルク自己感応型の駆動力遮断手段であって、電動モータ20aが設定されている回転数以上の高回転で回転した場合や、電動モータ20aに設定されている負荷トルク以上の高トルクがかかった場合に作動して、アイドラギヤシャフト23cと第2ギヤ23e間の駆動力伝達可能な連結を遮断する。
【0034】
すなわち、電動モータ20aが設定された回転数以上の高回転で回転した場合には、アイドラギヤシャフト23cが設定された回転数以上に高回転する。この結果、各ロック部材32aは所定の遠心力の作用を受けて、圧縮スプリング34aに抗してロック溝31aから離脱し、アイドラギヤシャフト23cと第2ギヤ23eとのロック状態を解除する。
【0035】
また、第2ギヤ23eに対してリングギヤ23b側から、設定されている負荷トルク以上の高トルクが入力された場合には、第2ギヤ23eは設定されている負荷トルク以上の高トルクで回転する。この結果、ロック部材32aは第2ギヤ23eから軸回り方向の高トルクが付与されて、圧縮スプリング34aに抗してロック溝31aから離脱し、アイドラギヤシャフト23cと第2ギヤ23eとのロック状態を解除する。
【0036】
従って、当該第1駆動力遮断機構30aは、電動モータ20aが設定されている回転数以上の過大な回転を行う場合や、電動モータ20aに設定されている負荷トルク以上の過大なトルクがかかる場合等の異常状態が発生した場合には、これらの異常状態に自ら感応して、減速ギヤ列20b内で、電動モータ20aと電磁クラッチ20c(リヤディファレンシャル20d)間の駆動力伝達可能な連結を遮断する。これにより、電動モータ20aの過大な回転数および/または負荷トルクの発生に起因する、電動モータ20a、減速ギヤ列20b、電磁クラッチ20c、リヤディファレンシャル20d等における損傷や破損等の発生を防止しまたは皆無に近い状態に抑制することができる。
【0037】
図5には、本発明の主要部を構成する駆動力遮断手段30の第2の駆動力遮断手段である第2駆動力遮断機構30bを示している。第2駆動力遮断機構30bは、摩擦クラッチ機構に構成されているもので、第2ギヤ23eの先端側に形成された第1摩擦部材31bと、第1ギヤ23dにおける第1摩擦部材31bに対向して形成された第2摩擦部材32bと、アイドラギヤシャフト23c上に組付けられて第2ギヤ23eを付勢する皿バネ33bにて構成されている。第1摩擦部材31bと第2摩擦部材32bは、皿バネ33bの付勢力にて互いに所定の係合力で摩擦係合していて、第1ギヤ23dと第2ギヤ23eを互いに結合している。
【0038】
第2駆動力遮断機構30bは、トルク自己感応型の駆動力遮断手段であって、電動モータ20aに、設定されている負荷トルク以上の高トルクがかかる場合に作動して、第1ギヤ23dと第2ギヤ23e間の駆動力伝達可能な連結を遮断する。
【0039】
すなわち、第2ギヤ23eに対してリングギヤ23b側から、設定されている負荷トルク以上の高トルクが入力された場合には、第2ギヤ23eは設定されたトルク以上の高トルクで回転する。この結果、所定の摩擦力で係合している第1摩擦部材31bと第2摩擦部材32bは互いに相対的に摺動して、第1ギヤ23dと第2ギヤ23eとの結合状態を解除する。これにより、第1ギヤ23dと第2ギヤ23e間の駆動力伝達可能な連結状態が遮断される。
【0040】
従って、当該第2駆動力遮断機構30bは、電動モータ20aに設定されている負荷トルク以上の過大なトルクがかかる場合等の異常状態が発生した場合には、かかる異常状態に自ら感応して、減速ギヤ列20b内で、電動モータ20aと電磁クラッチ20c(リヤディファレンシャル20d)間の駆動力伝達可能な連結を遮断する。これにより、電動モータ20aの過大な負荷トルクの発生に起因する、電動モータ20a、減速ギヤ列20b、電磁クラッチ20c、リヤディファレンシャル20d等における損傷や破損等の発生を防止しまたは皆無に近い状態に抑制することができる。
【0041】
図6には、本発明の主要部を構成する駆動力遮断手段30の第3の駆動力遮断手段である第3駆動力遮断機構30cを示している。第3駆動力遮断機構30cは、第1駆動力遮断機構30aとは類似する構成のもので、アイドラギヤシャフト23cにおける第2ギヤ23eの嵌合部のフランジ部23e1に対応する部位に形成されているロック溝31cと、第2ギヤ23eの各組付け孔23e2に収容されてロック溝31cに嵌合する方形状のロック部材32cと、組付け孔23e2に収容されて詰栓33cにて受承されている圧縮スプリング34cにて構成されている。ロック溝31cは、方形状を呈するもので、ロック部材32cの略1/2が嵌合する大きさに形成されている。ロック部材32cは、圧縮スプリング35cにて所定の力で付勢されて、ロック溝31cに対して所定の力で嵌合している。
【0042】
第3駆動力遮断機構30cは、回転自己感応型の駆動力遮断手段であって、電動モータ20aが設定されている回転数以上の高回転で回転した場合には、アイドラギヤシャフト23cが、設定されている回転数以上に高回転する。この結果、ロック部材32cは所定以上の遠心力の作用を受けて、圧縮スプリング34cに抗してロック溝31cから離脱し、アイドラギヤシャフト23cと第2ギヤ23eとのロック状態を解除する。これにより、第1ギヤ23dと第2ギヤ23e間の駆動力伝達が遮断される。
【0043】
従って、当該第3駆動力遮断機構30cは、電動モータ20aが設定されている回転数以上の過大な回転をする場合には、かかる異常状態に自ら感応して、減速ギヤ列20b内で、電動モータ20aと電磁クラッチ20c(リヤディファレンシャル20d)間の駆動力伝達可能な連結を遮断する。これにより、電動モータ20aの過大な回転の発生に起因する、電動モータ20a、減速ギヤ列20b、電磁クラッチ20c、リヤディファレンシャル20d等における損傷や破損等
の発生を防止しまたは皆無に近い状態に抑制することができる。
【0044】
当該第3駆動力遮断機構30cにおいては、その主要構成部材であるロック部材32cを方形状に形成し、かつ、その主要構成部位であるロック溝31cをロック部材32cに対応する方形状に形成しているが、当該第3駆動力遮断機構30cの構成では、これら両者が方形状に限定されるものではない。ロック溝とロック部材の形状については、アイドラギヤシャフト23cが所定の回転数以上の高回転になった場合に、ロック部材が遠心力の作用でロック溝から抜け出させることができる形状であればよい。
【0045】
なお、本実施形態では、本発明に係る駆動装置を、前後輪駆動車の補助駆動輪側を駆動するための補助駆動装置20に適用した例について示したが、当該駆動装置は、前後輪駆動車の主駆動輪側を駆動するための主駆動装置に適用することができることは勿論のこと、二輪駆動車の駆動装置に適用することもできる。また、当該駆動装置は、車両用の駆動装置に限らず、各種の産業機械の駆動装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る駆動装置を補助駆動装置として搭載して形成した前後輪駆動車の概略的構成図である。
【図2】同補助駆動装置の横断平面図である。
【図3】同補助駆動装置における駆動力遮断手段の配置部分の横断平面図である。
【図4】同駆動力遮断手段である第1駆動力遮断機構の横断平面図(a)、および、同図(a)における矢印b−b線で切断した横断平面図(b)である。
【図5】同駆動力遮断手段である第2駆動力遮断機構の横断平面図である。
【図6】同駆動力遮断手段である第3駆動力遮断機構の横断平面図(a)、および、同図(a)における矢印b−b線で切断した横断平面図(b)である。
【符号の説明】
10…主駆動装置、11…エンジン、12…トランスミッション、13…減速ギヤ列、14…フロントディファレンシャル、15…ドライブシャフト、16…前輪、20…補助駆動装置、20a…電動モータ、20b…減速ギヤ列、20c…電磁クラッチ、20d…リヤディファレンシャル、20e…ジェネレータ、21a…ドライブシャフト、21b…後輪、22a…ディファレンシャルケース、22b…ピニオン、22c…サイドギヤ、23a…アウタケース、23b…リングギヤ、23c…アイドラギヤシャフト、23d…第1ギヤ、23e…第2ギヤ、23e1…フランジ部、23e2…組付け孔、23f…第3ギヤ、24…アクスルケース、25a…アウタ部材、25b…電磁コイル、25c…アーマチャ、25d…インナ部材、26a…カムフォロアー、26b…リターンスプリング、30…駆動力遮断手段、30a…第1駆動力遮断機構、31a…ロック溝、32a…ロック部材、33a…詰栓、34a…圧縮スプリング、30b…第2駆動力遮断機構、31b…第1摩擦部材、32b…第2摩擦部材、33b…皿バネ、30c…第3駆動力遮断機構、31c…ロック溝、32c…ロック部材、33c…詰栓、34c…圧縮スプリング、C…カム機構。

Claims (9)

  1. 駆動手段から出力する駆動力を、駆動力伝達手段を介して被駆動手段に伝達して同被駆動手段を駆動する駆動装置であり、前記駆動手段と前記被駆動手段の間に、前記駆動手段の回転が所定以上の高回転になったとき当該高回転に感応して前記駆動手段と前記被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断する回転自己感応型の駆動力遮断手段を備えていることを特徴とする駆動装置。
  2. 駆動手段から出力する駆動力を、駆動力伝達手段を介して被駆動手段に伝達して同被駆動手段を駆動する駆動装置であり、前記駆動手段と前記被駆動手段の間に、前記駆動手段に対するトルクが所定以上の高トルクになったとき当該高トルクに感応して前記駆動手段と前記被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断するトルク自己感応型の駆動力遮断手段を備えていることを特徴とする駆動装置。
  3. 駆動手段から出力する駆動力を、駆動力伝達手段を介して被駆動手段に伝達して同被駆動手段を駆動する駆動装置であり、前記駆動手段と前記被駆動手段の間に、前記駆動手段の回転が所定以上の高回転になったとき、または、同駆動手段に対するトルクが所定以上の高トルクになったとき、当該高回転および高トルクの少なくとも一方に感応して前記駆動手段と前記被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断する回転かつトルク自己感応型の駆動力遮断手段を備えていることを特徴とする駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の駆動装置であり、当該駆動装置を構成する駆動力伝達手段は、駆動手段の駆動停止時に同駆動手段と被駆動手段との駆動力伝達可能な連結を遮断するクラッチを備えていて、前記駆動力遮断手段は前記駆動手段と前記クラッチ間に配置されていることを特徴とする駆動装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の駆動装置であり、当該駆動装置を構成する駆動力伝達手段は、駆動手段から出力する回転を減速して被駆動手段に伝達する減速機構を備えていて、前記駆動力遮断手段は前記減速機構内に配置されていることを特徴とする駆動装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の駆動装置であり、当該駆動装置を構成する駆動手段は電動モータであることを特徴とする駆動装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の駆動装置であり、当該駆動装置を構成する駆動手段は電動モータであり、かつ、前記被駆動手段は駆動輪であることを特徴とする駆動装置。
  8. 請求項7に記載の駆動装置であり、当該駆動装置は、車両の駆動輪を駆動する車両用駆動装置であることを特徴とする駆動装置。
  9. 請求項7に記載の駆動装置であり、当該駆動装置は車両の駆動輪を駆動する車両用駆動装置であって、主駆動輪を駆動する主駆動手段と副駆動輪を駆動する副駆動手段を備える前後輪駆動車の前記主駆動手段または前記副駆動手段のいずれか一方または両方に採用される車両用駆動装置であることを特徴とする駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015111994A (ja) * 2013-07-19 2015-06-18 アスモ株式会社 クラッチ付きモータ及び開閉体の開閉装置

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