JP4168274B2 - 電磁クラッチ - Google Patents

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本発明は、電磁クラッチに関し、特に、自動車の駆動系に用いられる電磁クラッチに関する。
近年、開発された自動車として、前輪(主動輪)をガソリンエンジンで駆動し、後輪(従動輪)をモータで補助的に駆動するものが知られている。この自動車は、モータと後輪との間に変速機構を持たないことから、特に後輪の駆動力が必要となる発進時及び低速走行時には電磁クラッチが連結状態になって四駆走行が行われる一方、高速走行時には減速器やモータの回転による走行抵抗の増加や遠心力による破壊を防ぐため、電磁クラッチが断絶状態になって二駆走行が行われる構成になっている。
特開2003−113874号公報(段落[0065]、[0081]〜[0085]、第1図、第2図)
ところで、上記した従来の電磁クラッチは、車両の高速走行時には、電磁クラッチを断絶状態にしていても、その電磁クラッチに備えた複数のクラッチ板同士の間に介在するオイルの粘性抵抗に起因する引き摺りトルクにより、トルク上流側の減速器及びモータが連れ回りし、走行抵抗が増加したりモータが遠心破壊するおそれがある等の問題がある。
このため、従来の電磁クラッチは、上記した自動車の駆動系において、モータ出力を減速した後のクラッチ板同士の相対回転速度が低い低速回転部分に配置されていた。しかしながら、モータ出力の減速後は減速前に比べて伝達トルクが大きくなるのでトルク容量と強度が必要とされ、電磁クラッチが大型化するという問題が生じていた。
これに対し、高速回転部時のトルク損失を抑えるために、クラッチ板同士の離間距離を単に大きくすると、大きく離間したクラッチ板を引き寄せるために大きな電磁石が必要になり、電磁クラッチ全体が大型化してしまう。また、クラッチを摩擦結合させる際のクラッチ板の移動距離が大きくなるため、クラッチの応答性も低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高速回転時におけるクラッチ板間の引き摺りトルクを従来より低減させ、かつクラッチの応答性の低下を抑制することが可能な電磁クラッチの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る電磁クラッチは、同軸上に配置されて互いに独立して回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、第1回転部材と一体回転する第1クラッチ板と、第2回転部材と一体回転すると共に第2回転部材の軸方向に直動して第1クラッチ板に接離する第2クラッチ板と、第2クラッチ板を第1クラッチ板側に引き寄せて摩擦結合させるための電磁石と、第2クラッチ板を第1クラッチ板から離間させるための離間用付勢手段と、相互に離間した状態の第1及び第2のクラッチ板の間に介在し、それらの離間距離に応じた引き摺りトルクを第1及び第2のクラッチ板の間に発生させ得るオイルとを備えた電磁クラッチにおいて、第2クラッチ板に対して第1クラッチ板と逆側から当接すると共に、第2回転部材の軸方向における第1当接位置とその第1当接位置より第1クラッチ板から遠い第2当接位置との間を移動して、少なくとも第1当接位置に位置したときには第2クラッチ板を電磁石にて第1クラッチ板側に引き寄せ可能な離間範囲に留め、第2当接位置に位置したときには第1当接位置に位置したときに比べて第2クラッチ板を第1クラッチ板から遠ざけてオイルによる引き摺りトルクを低減させる可動ストッパと、可動ストッパを第1当接位置に付勢する可動ストッパ付勢手段と、第2回転部材の回転速度が基準回転速度を超えたときの遠心力で作動して可動ストッパを可動ストッパ付勢手段に抗して第2当接位置に移動させる遠心力作動機構とを備えたところに特徴を有する。



請求項2の発明は、請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、遠心力作動機構は、第2回転部材と共に回転しかつ遠心力によって第2回転部材の径方向に移動可能な遠心可動部材と、第2回転部材と可動ストッパとに設けられて、互いの間に遠心可動部材を挟んで第2回転部材の軸方向で対向すると共に、第2回転部材の回転中心から離れるに従って互いに接近した1対の開閉対向壁とを備えてなるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載の電磁クラッチにおいて、遠心可動部材は、球体であるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の電磁クラッチにおいて、第2回転部材には、第2クラッチ板を貫通した軸部材が備えられ、一方の開閉対向壁は、軸部材から側方に張り出し、可動ストッパは、一方の開閉対向壁及び遠心可動部材を外包する筒部と、該筒部の一端から径方向内側に張り出した他方の開閉対向壁とからなることに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかの請求項に記載の電磁クラッチにおいて、第2回転部材には、第2クラッチ板を挟んで第1クラッチ板と反対側にカム壁が設けられ、カム壁及び第2クラッチの互いの対向面には、第2回転部材の径方向から見て断面略V字状をなしたV字溝が周方向に複数対向形成され、それら対向したV字溝の間には、第2回転部材の径方向から見て断面円形のカム部材が収容されたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項5に記載の電磁クラッチにおいて、開閉対向壁の一方は、カム壁に兼用されたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の電磁クラッチにおいて、第2クラッチ板とカム壁とには、第2クラッチ板が第2当接位置の可動ストッパに当接したときに、互いに係合して第2クラッチ板をカム壁に回り止めする凹凸係合部が備えられたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかの請求項に記載の電磁クラッチにおいて、この電磁クラッチは、四輪駆動車両の従動輪の駆動力伝達系に配置されており、第1回転部材は従動輪の駆動源側に連結され、第2回転部材は従動輪側に連結されているところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項8に記載の電磁クラッチにおいて、第2回転部材は、従動輪のディファレンシャルの外周面に一体的に設けられたリングギヤに噛合しているところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の電磁クラッチでは、第2クラッチ板が電磁石により第1クラッチ板側に引き寄せられて連結状態になる一方、第2クラッチ板が離間用付勢手段の付勢力により第1クラッチ板から離されて断絶状態になる。断絶状態になると、第1クラッチ板から離れた第2クラッチ板は、可動ストッパに当接する。このとき、第2回転部材の回転速度が基準回転速度以下であると、可動ストッパが第1当接位置に位置して、第2クラッチ板を電磁石により第1クラッチ板側に引き寄せ可能な離間範囲に留める。一方、第2回転部材の回転速度が基準回転速度を超えると遠心力作動機構が作動して、可動ストッパが第2当接位置に移動することで、第1及び第2のクラッチ板同士の離間距離が広がる。これにより、基準回転速度を超えた高速回転時における第1及び第2のクラッチ板間のオイルの粘性抵抗による引き摺りトルクを低減させることができる。また、第2回転部材の回転速度が基準回転速度以下の場合には、可動ストッパが第1当接位置に位置するので、電磁クラッチの応答性が低下することを抑制できる。
従って、減速手段を備えた駆動系の一部に本発明の電磁クラッチを組み込む場合には、その駆動系の高速側に電磁クラッチを配置することができ、これにより必要とされるトルク容量及び強度が小さくなり、小型化を図ることが可能になる。
[請求項2の発明]
請求項2の電磁クラッチでは、第2回転部材が基準回転速度を超えて回転すると、遠心可動部材が1対の開閉対向壁における狭い側に移動して、それら開閉対向壁の間を押し広げ、可動ストッパを第1当接位置から第2当接位置に移動することが可能になる。
[請求項3の発明]
請求項3の電磁クラッチでは、遠心可動部材は球体であるから、1対の開閉対向壁の間をスムーズに押し広げることができる。
[請求項4の発明]
請求項4の電磁クラッチでは、可動ストッパの筒部が遠心可動部材を囲んで飛散防止の機能を兼ねるので、コンパクトな構成にすることができる。
[請求項5の発明]
請求項5の電磁クラッチでは、第2クラッチ板が第1クラッチ板側に引き寄せられて摩擦トルクを受けると、第2クラッチ板及びカム壁の対向したV字溝同士がずれ、それぞれのV字溝の浅い側にカム部材が移動する。これにより、第2クラッチ板が第1クラッチ板側に押し付けられ、第1及び第2のクラッチ板同士の摩擦係合が深まる。即ち、本発明の構成により、電磁石による吸引力以上の力で、第2クラッチ板を第1クラッチ板側に押し付けることができる。
[請求項6の発明]
請求項6の電磁クラッチでは、開閉対向壁の一方をカム壁に兼用したことで、コンパクトな構成にすることができる。
[請求項7の発明]
請求項7の電磁クラッチでは、可動ストッパが第2当接位置に移動し、第1及び第2のクラッチ板同士の離間距離が大きくなったときに、第2クラッチ板とカム壁とに備えた凹凸係合部同士が係合し、第2クラッチ板及びカム壁の各V字溝とカム部材とのカム作用を規制する。これにより、電磁クラッチを断絶状態に安定させることができる。
[請求項8の発明]
請求項8の電磁クラッチでは、第1回転部材が四輪駆動車両の従動輪の駆動源側に連結され、第2回転部材が従動輪側に連結されているので、従動輪の回転速度が上昇しても、第1クラッチ板と第2クラッチ板の断絶により第1回転部材からトルク上流側の減速機構部品の連れ回りを抑えることができ、従動輪の走行抵抗を減らすことができる。
[請求項9の発明]
請求項9の電磁クラッチでは、第2回転部材は、四輪駆動車両の従動輪のディファレンシャルの外周面に一体的に設けられたリングギヤに噛合している。即ち、四輪駆動車両の従動輪の駆動力伝達系の最終減速部の1段前に電磁クラッチが配置されているので、電磁クラッチのトルク伝達容量を小さくすることができるとともに、クラッチ断絶時に従動輪に連れ回りする減速機構部品を効果的に減らすことができ、小型軽量化と走行抵抗の低減を両立できる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1に示した四輪駆動車両10は、フロント側(図1の左側)にエンジン12を搭載しており、そのエンジン12の出力が、フロント側トランスアクスル13に備えたトランスミッション14及びフロントディファレンシャル15を通して前輪ドライブシャフト16,16に伝達され、主駆動輪としての前輪17,17が駆動されるようになっている。
四輪駆動車両10のリヤ側には、従動輪としての後輪18,18を駆動するためのモータ20が搭載されている。このモータ20の出力は、リヤ側トランスアクスル21に備えた電磁クラッチ23とリヤディファレンシャル24とを通して後輪ドライブシャフト25,25に伝達され、後輪18,18が駆動される。
図2には、リヤ側トランスアクスル21の詳細構造が示されている。同図に示すように、電磁クラッチ23は、入力ギヤ23G1と出力ギヤ23G2とを同軸上に並べて備える。その入力ギヤ23G1には、モータ20の出力軸20Jに固定されたモータギヤ20Gが噛合し、出力ギヤ23G2には、リヤディファレンシャル24の外面に固定されたリングギヤ24Gが噛合している。この出力ギヤ23G2とリングギヤ24Gにより、従動輪の駆動力伝達系の最終減速部が構成されている。電磁クラッチ23は、これら入力ギヤ23G1及び出力ギヤ23G2の間を連結又は断絶するために、第1及び第2のクラッチ板31,32を備える。そして、入力ギヤ23G1と出力ギヤ23G2とが連結されたときに、モータ20の出力回転が減速されてリヤディファレンシャル24に伝達される。
図3に示すように、電磁クラッチ23のうち第1及び第2のクラッチ板31,32の中心部には、軸心シャフト30(本発明の「軸部材」に相当する)が貫通している。軸心シャフト30は、リヤ側トランスアクスル21に備えたケーシング21A(以下、「トランスアスクルケース21A」という)の対向壁間21T,21T間に差し渡されて、両端部をベアリング40,41にて回転可能に軸支されている。軸心シャフト30の一端部からはフランジ30Fが張り出しており、そのフランジ30Fから他端側(図2の右側)に向かって軸心シャフト30全体が先細り構造になっている。
第1クラッチ板31は、軸心シャフト30の先細りになった先端側から挿入され、フランジ30F側に嵌合されている。第1クラッチ板31は、内縁部と外縁部とに内筒体31A及び外筒体31Bを備え、これら内筒体31A及び外筒体31Bの一端部の間を円板体31Cで接合した構造になっている。詳細には、内筒体31Aと円板体31Cとが磁性体金属で一体形成され、その円板体31Cの外周面に非磁性体リング31Dを嵌合し、さらにその非磁性体リング31Dの外側に磁性体の外筒体31Bを嵌合してこれらを溶接することで、第1クラッチ板31が構成されている。そして、第1クラッチ板31は、内筒体31A及び外筒体31Bがフランジ30F側に突出する向きにして軸心シャフト30に組み付けられている。
第1クラッチ板31のうちフランジ30Fと反対側を向いた端面には、クラッチ係合部31Mが設けられている。クラッチ係合部31Mは、非磁性体リング31Dを内外で挟んだ両部分を面一にして第1クラッチ板31の端面全体から僅かに突出させてなる。また、外筒体31Bの外周面には、複数の歯が設けられて入力ギヤ23G1が構成されている。即ち、本実施形態では、第1クラッチ板31は、本発明に係る「第1回転部材」としての入力ギヤ23G1を一体に備えた構成になっている。そして、前述の如くこの入力ギヤ23G1にモータギヤ20G(図2参照)が噛合している。
第1クラッチ板31における内筒体31Aの内側には、軸心シャフト30との間にアンギュラニードルベアリング42が組み付けられている。また、内筒体31Aの先端面と軸心シャフト30のフランジ30Fとの間には、スラストニードルベアリング43が設けられている。さらに、第1クラッチ板31を挟んでフランジ30Fと反対側には、軸心シャフト30に形成された溝にクリップ46が係止しており、このクリップ46に係止したシム47と第1クラッチ板31の端面との間にも、スラストニードルベアリング44が設けられている。そして、これらベアリング42,43,44により、第1クラッチ板31が軸心シャフト30に対して回転自在かつ軸方向に直動不能に軸支されている。
なお、軸心シャフト30の中心には、フランジ30F側の一端面から途中まで軸孔30Yが形成され、その軸孔30Yの先端部と直交するように横孔30Zが貫通形成されている。そして、これら軸孔30Y及び横孔30Zをオイルが通過して、各ベアリング40,42,43,44の潤滑を図っている。
第1クラッチ板31のうち内筒体31Aと外筒体31Bとの間の空間には、電磁石50が突入している。電磁石50は、磁性体で構成されたコイルホルダ51に電磁コイル52を組み付けてなる。コイルホルダ51は、全体として扁平の円環構造をなすと共に、一端面に開放した円環溝51Aを備え、これによりコイルホルダ51の縦割り断面がU字形状になっている。そして、コイルホルダ51は、円環溝51Aの開放口を第1クラッチ板31側に向けた状態にして、トランスアスクルケース21Aの内面にボルト固定されている。また、電磁コイル52は円環溝51A内に収容され、電磁コイル52の端末は、円環溝51Aの底壁51Cとトランスアスクルケース21Aとに貫通形成された電線孔51Dに通されてトランスアスクルケース21Aの外部に導出されている。
コイルホルダ51の先端部は、前述の如く第1クラッチ板31における内筒体31Aと外筒体31Bの間の空間に突入している。そして、コイルホルダ51のうち円環溝51Aより外側の外筒壁51Gが、第1クラッチ板31の外筒体31Bの内周面に僅かな隙間を介して隣接する一方、コイルホルダ51のうち円環溝51Aより内側の内筒壁51Nが、第1クラッチ板31の内筒体31Aの外周面に僅かな隙間を介して隣接している。これにより、電磁コイル52が励磁されると、電磁コイル52の周辺に発生する回転磁束が、図3の破線52Jで示したループ状の磁路を通過する。即ち、磁束は、以下順番に、コイルホルダ51の内筒壁51N、第1クラッチ板31の内筒体31A及び円板体31C、後述する第2クラッチ板32、第1クラッチ板31の外筒体31B、コイルホルダ51の外筒壁51G及び底壁51Cを通過してループ状の磁路を辿る。これにより、電磁石50が励磁されると、磁路の一部を構成する第2クラッチ板32が、同じく磁路の一部を構成する第1クラッチ板31側に引き寄せられる。
なお、コイルホルダ51の内周面からは、内側に向かって鍔部51Eが張り出しており、この鍔部51Eが前記ベアリング40をトランスアスクルケース21Aに固定する役割を果たしている。
第2クラッチ板32は、円環状の磁性体金属で構成され、軸心シャフト30に遊嵌されて第1クラッチ板31に隣接配置されている。第2クラッチ板32における第1クラッチ板31側の端面には、内側部分を段付き状に陥没させてバネ収容部32Aが形成されている。このバネ収容部32Aの奥面と前記したシム47との間には、本発明の「離間用付勢手段」としての1対の離間用付勢バネ48,48が挟まれている。詳細には、各離間用付勢バネ48は、円環状の板バネ材を扁平の円錐台形状に歪ませた皿バネ構造をなしている。そして、これら1対の離間用付勢バネ48,48の互いの外縁部同士が接合され、互いの内縁部が離間した状態に組み付けられている。
なお、これら離間用付勢バネ48,48は、バネ収容部32Aの外側段差面32Bに嵌合されて芯だしされている。また、シム47側の離間用付勢バネ48は、その内側に嵌合されたクリップ46によっても芯だしされている。
第2クラッチ板32のうち第1クラッチ板31側の端面には、外縁寄り部分に中心部より僅かに突出した平坦部分が設けられ、この平坦部分がクラッチ係合部32Mになっている。そして、このクラッチ係合部32Mが、第1クラッチ板31のクラッチ係合部31Mと摩擦係合する。
第2クラッチ板32を挟んで第1クラッチ板31と反対側には、クラッチベース33が軸心シャフト30に嵌合固定されている。そして、クラッチベース33と第2クラッチ板32との間に、セルフロック機構34が設けられている。
詳細には、軸心シャフト30のうち第2クラッチ板32が嵌合された部分より先端側(フランジ30Fから離れた側)にはスプラインが形成されており、そのスプラインよりさらに先端側には雄螺子30Tが形成されている。クラッチベース33は、内周面にスプラインを備えた円筒部33Bの一端から側方に向けてカム壁33Aを張り出した構造になっている。そして、カム壁33Aを備えた側を第2クラッチ板32側に配して円筒部33Bが軸心シャフト30にスプライン嵌合され、これによりクラッチベース33が軸心シャフト30に回り止めされている。また、クラッチベース33は、軸心シャフト30の途中部分の溝に係止したクリップ54に、シム55を挟んで突き当てられている。軸心シャフト30には、クラッチベース33に次いで円筒状の前記出力ギヤ23G2がスプライン嵌合され、更に、抜け止めナット36が軸心シャフト30の雄螺子30Tに締め付けられている。この締め付けにより、クラッチベース33がシム55及び出力ギヤ23G2に挟まれて軸方向に移動不能に固定されている。
なお、本実施形態では、上記した出力ギヤ23G2、クラッチベース33及び軸心シャフト30が組み合わされて本発明に係る「第2回転部材」が構成されている。
セルフロック機構34は、第2クラッチ板32とカム壁33Aとの対向面に対称的に形成されたV字溝60,61と、両V字溝60,61の奥面間に挟まれたカムボール62(本発明の「カム部材」に相当する)とからなる。具体的には、V字溝60,61は、第2クラッチ板32及びカム壁33Aの各対向面において、同心円上に等間隔に並べて複数ずつ(例えば、6つずつ)設けられている(図5参照)。各V字溝60,61は、第2クラッチ板32の中心線を含む切断面においては、図3に示すように断面半円形をなし、第2クラッチ板32の軸方向から見ると、第1クラッチ板31の中心寄りの内側縁部と中心から離れた外側縁部とが同心の円弧をなすように湾曲している(図5参照)。そして、第2クラッチ板32の径方向からV字溝60,61を見ると、図6(A)に示すように、V字状になっている。
これら両V字溝60,61の間には、カムボール62が挟まれて保持されている。そして、第2クラッチ板32が第1クラッチ板31との間の摩擦によってトルクを受けて回転したときには、図6(B)に示すように、カムボール62がV字溝60,61における浅い位置に移動する。これにより、カム壁33Aに対して第2クラッチ板32が離れる側に移動して、第1クラッチ板31に押し付けられる。
即ち、第2クラッチ板32は、電磁石50により第1クラッチ板31側に一度引き寄せられると、第1クラッチ板31から受けたトルクによって自ら第1クラッチ板31側に移動し、第1及び第2のクラッチ板31,32が相互に連結した連結状態にロックされる。この意味から、上記したV字溝60,61及びカムボール62からなる機構を「セルフロック機構」と呼ぶことができる。
なお、本実施形態では、モータ20の出力トルクが第1クラッチ板31から第2クラッチ板32に向けて伝達されるときには、第1クラッチ板31が第2クラッチ板32に対して先行して回転した状態なる。従って、電磁石50の励磁を停止しかつ、モータ20への給電を停止又は低減させることで、トルクの伝達を中断すれば、カムボール62がV字溝60,61の深い位置に移動し、離間用付勢バネ48の弾発力によって第2クラッチ板32を第1クラッチ板31から離間させること(即ち、電磁クラッチ23を断絶状態にすること)ができる。
さて、クラッチベース33の外側には、可動ストッパ63が装着されている。可動ストッパ63は、カム壁33Aの外側に嵌合された円筒部63Aの一端側から内側に円板状の開閉対向壁63Cを張り出して備える。また、円筒部63Aの他端には、テーパー状に拡開した当接壁63Bが備えられている。
当接壁63Bは、カム壁33Aから第2クラッチ板32側に突出しており、第1クラッチ板31から離間した第2クラッチ板32の外縁部がこの当接壁63Bに当接する。これにより、第1クラッチ板31に対する第2クラッチ板32の離間距離(図3のL1、図4のL2参照)が規制される。
開閉対向壁63Cは、カム壁33A(本発明におけるもう一方の「開閉対向壁」に相当する)に対向している。また、開閉対向壁63Cの内縁部はクラッチベース33における円筒部33Bの一端にスプライン嵌合されている。これにより、開閉対向壁63Cは、カム壁33Aと一体回転しかつカム壁33Aに対して接離する。
カム壁33Aと開閉対向壁63Cとの間には、複数(例えば、3つ)の遠心ボール64(本発明の「遠心可動部材」に相当する)が収容され、これらカム壁33A、開閉対向壁63C、遠心ボール64によって、本発明に係る遠心作動機構39が構成されている。詳細には、カム壁33Aにおける開閉対向壁63Cとの対向面には、周方向の複数位置(例えば、3当配した位置)に、径方向に延びたガイド溝33Gが形成されている。このガイド溝33Gの奥面は、クラッチベース33の中心側から外側に向かうに従って開閉対向壁63C側に迫り出している。また、開閉対向壁63Cも中心側より外側がカム壁33A側に近づくように傾斜している。即ち、ガイド溝33Gの奥面と開閉対向壁63Cとの間隔は、外側に向かうに従って狭くなっている。そして、これらガイド溝33Gの奥面と開閉対向壁63Cとの間に遠心ボール64が収容されている。
クラッチベース33と出力ギヤ23G2との境界部分には、本発明に係る「可動ストッパ付勢手段」としてのストッパ付勢バネ65が設けられている。ストッパ付勢バネ65は、円環状の板バネ材を扁平の円錐台形状に歪ませた皿バネ構造をなし、その外縁部が開閉対向壁63Cの外縁部に当接する一方、内縁部がクラッチベース33の円筒部33Bと出力ギヤ23G2との間に挟持されている。そして、ストッパ付勢バネ65の弾発力によって、開閉対向壁63Cがカム壁33A側に付勢されている。これにより、通常は、遠心ボール64がカム壁33A(詳細には、ガイド溝33Gの奥面)と開閉対向壁63Cとの間の広い側、即ち、クラッチベース33の回転中心側に収まっている。そして、クラッチベース33が所定の基準回転速度以上になると、遠心ボール64にかかる遠心力がストッパ付勢バネ65の弾発力に打ち勝って、カム壁33Aと開閉対向壁63Cとの間を押し広げ、この結果、図4に示すように、可動ストッパ63が第1クラッチ板31から離れる側にスライドする。
上記のように、可動ストッパ63がスライドすることで、第2クラッチ板32と可動ストッパ63(詳細には、可動ストッパ63の当接壁63B)の当接位置が変更される。ここで、図3に示すように、遠心ボール64がクラッチベース33の回転中心側に収まって可動ストッパ63が第1クラッチ板31側に接近した位置を「第1当接位置」といい、図4に示すように、遠心ボール64がクラッチベース33の回転中心から離れた側に収まって可動ストッパ63が第1クラッチ板31から離れた位置を「第2当接位置」というと、第1当接位置の可動ストッパ63(詳細には、当接壁63B)に第2クラッチ板32が当接した場合より、第2当接位置の可動ストッパ63に第2クラッチ板32が当接した場合の方が、第2クラッチ板32は第1クラッチ板31より離れる。
そして、本実施形態では、可動ストッパ63が第1当接位置に位置したときには(図3参照)、第2クラッチ板32は、電磁石50の磁力により第1クラッチ板31に引き寄せること可能な離間範囲に、可動ストッパ63により留められるように設定されている。この場合の第1及び第2のクラッチ板31,32の離間距離は、図3において符合L1で示されている。一方、可動ストッパ63が第2当接位置に位置したときには(図4参照)、第2クラッチ板32が第1クラッチ板31との間で相互にオイルの粘性抵抗の影響を受け難くなる位置まで離されるように設定されている。この場合の第1及び第2のクラッチ板31,32の離間距離は、図4において符合L2で示されている。
ここで、可動ストッパ63が第1当接位置に位置したときのL1で示されている離間距離は0.2〜0.6mmが望ましい。これ以下ではクラッチ板間の引き摺りトルクが極めて大きく、これ以上ではクラッチの応答性が悪いという問題が顕在化するためである。また、可動ストッパ63が第2当接位置に位置したときのL2で示されている離間距離は1mm以上とすることが望ましい。これ以下ではクラッチ板間の引き摺りトルクを低減させる効果を十分に発揮できないからである。
また、第2当接位置では、第2クラッチ板32がカム壁33Aに接近して凹凸係合し、第2クラッチ板32がカム壁33Aに回転不能に固定されるようになっている。具体的には、第2クラッチ板32の周方向の複数箇所には、図7に示すように、係合溝66が形成されており、カム壁33Aには、これら係合溝66に対応して係合突部67が突出形成されている。そして、図7(A)及び図7(B)に示すように、第1当接位置で第2クラッチ板32が可動ストッパ63に当接したときには、これら係合溝66と係合突部67とが離間し、図8(A)及び図8(B)に示すように、第2当接位置で第2クラッチ板32が可動ストッパ63に当接したときには、これら係合溝66と係合突部67とが凹凸係合する。これにより、第2クラッチ板32にトルクがかかっても、係合溝66のうち回転方向を向いた内面66Aと、係合突部67のうち同じく回転方向を向いた外面66Bとの当接により、第2クラッチ板32がカム壁33Aに回り止めされる。
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の四輪駆動車両10は、運転者の操作により、四駆モードと、二駆モードとに切り替えることができる。そして、四輪駆動車両10に備えたECU19(図1参照)が、各モードに対応して電磁クラッチ23の電磁石50を制御する。具体的には、四駆モードを選択した場合には、以下のようである。即ち、四輪駆動車両10が停止している間は、電磁石50は非励磁状態に保持される。そして、四輪駆動車両10の発進時には、エンジン12及びモータ20がトルクを出力すると共に、電磁石50が所定時間だけ励磁される。
エンジン12の出力は、トランスミッション14及びフロントディファレンシャル15に伝達され、前輪17が回転駆動される。一方、モータ20の出力は、モータギヤ20Gから電磁クラッチ23の入力ギヤ23G1に伝達されて、この入力ギヤ23G1を一体に備えた第1クラッチ板31がトルクを受ける。このとき、第2クラッチ板32は電磁石50の磁力により第1クラッチ板31側に引き寄せられているので、摩擦係合により第2クラッチ板32が第1クラッチ板31からトルクを受け、そのトルクを利用して上記セルフロック機構34により第2クラッチ板32が第1クラッチ板31側に押し付けられ、第1及び第2のクラッチ板31,32が連結状態にロックされる。そして、四輪駆動車両10の発進から所定時間経過後に、電磁石50が非励磁状態に移行しても、セルフロック機構34により第1及び第2のクラッチ板31,32の連結状態が保持される。これにより、モータ20の出力が、電磁クラッチ23の入力ギヤ23G1及び出力ギヤ23G2を介してリヤディファレンシャル24に伝達され、後輪18が回転駆動される。即ち、四輪駆動によって発進することができる。
なお、四輪駆動車両10を加速から減速に転じるときには、第1及び第2のクラッチ板31,32の間におけるトルクの伝達方向が逆転してセルフロック機構34のロックが解除され得るので、第1及び第2のクラッチ板31,32の連結状態を保持する場合には、電磁石50を励磁しておけばよい。また、減速時に第1及び第2のクラッチ板31,32を連結状態にすることで、モータ20を発電機として機能させてバッテリー11に電力を回生することができる。
四輪駆動車両10の走行速度が上昇していくと、フロント側トランスアクスル13におけるトランスミッション14の変速比が変更される。これにより、エンジン12は低速走行から高速走行まで対応することができる。しかしながら、リヤ側トランスアクスル21には、トランスミッション14に相当する変速機構が備えられていないので、中速及び高速走行時には、モータ20の出力回転速度が車速に追従することができなくなる。そこで、電磁クラッチ23により、モータ20と後輪18との間を切り離す必要がある。そのために、車速が所定の速度を超えて中速走行になった場合には、電磁クラッチ23を非励磁状態に保持して、モータ20の出力トルクを低減させる。これにより、モータ20から後輪18側へのトルクの伝達が中断され、セルフロック機構34によるロックが解除され、第1及び第2のクラッチ板31,32が離間する。即ち、車速が中速走行になったときには、モータ20と後輪18との間が切り離されて二駆走行に自動的に切り替わる。
中速で四輪駆動車両10が走行されている場合には、低速走行に移行したときに備え、第2クラッチ板32は、第1クラッチ板31から僅かに離間した範囲に可動ストッパ63により留められる。そして、低速走行に移行したときには、電磁石50の磁力により第1クラッチ板31側に引き寄せられ、迅速に四駆走行になる。
ところで、第1及び第2のクラッチ板31,32が僅かに離間した状態で相対回転速度が上昇すると、それら第1及び第2のクラッチ板31,32が相互間のオイルの粘性抵抗により互いに影響(トルク)を受け合い、いわゆる引き摺りトルクにより後輪18の走行抵抗が増大化する。また、第2クラッチ板32がオイルの粘性抵抗によるトルクを受けて、特に粘性抵抗が大きくなる低温時において、セルフロック機構34により予期しないセルフロックが発生する事態も懸念される。
しかしながら、本実施形態の電磁クラッチ23では、以下詳説するように四輪駆動車両10が所定の基準車速を超えると、第1及び第2のクラッチ板31,32の離間距離が広がり、トルク損失を抑えかつセルフロック機構34によるロックを防止することができる。即ち、四輪駆動車両10が所定の基準車速を超え、後輪18と連動回転する出力ギヤ23G2が所定の基準回転数を超えると、遠心ボール64が遠心力によって径方向外側に移動し、カム壁33Aと開閉対向壁63Cとの間を押し広げ、これにより可動ストッパ63が第1当接位置から第2当接位置に移動する。すると、第2クラッチ板32が離間用付勢バネ48の弾発力によって可動ストッパ63に追従し、第1及び第2のクラッチ板31,32の離間距離が図3に示したL1から図4に示したL2に広がる。これにより、第1及び第2のクラッチ板31,32が互いにオイルの粘性抵抗による影響を受け難くなる。また、このとき、第2クラッチ板32に備えた係合溝66が、カム壁33Aに備えた係合突部67と凹凸係合して(図8(A)参照)、第2クラッチ板32がカム壁33Aに回転不能に固定される。これにより、セルフロック機構34が作動しなくなり、第1及び第2のクラッチ板31,32が勝手にロックされる事態が防がれる。
なお、四輪駆動車両10が減速され、出力ギヤ23G2の回転速度が所定の基準回転数以下になると、遠心ボール64にかかる遠心力がストッパ付勢バネ65の弾発力に負けて、遠心ボール64が径方向内側に移動し、可動ストッパ63が第1当接位置に戻る。そして、四輪駆動車両10が低速走行に移行した場合に、電磁石50が励磁され四駆走行に切り替わる。また、二駆モードの場合には、電磁石50が常に非励磁状態とされる以外は上記四駆モードの場合と同様に動作する。
このように本実施形態の電磁クラッチ23では、高速回転時に第1及び第2のクラッチ板31,32同士の離間距離が広がり、オイルの粘性抵抗による走行抵抗を低減させることができる。これにより、四輪駆動車両10のように減速手段を備えた駆動系の一部に電磁クラッチ23を組み込む場合には、その駆動系の高速側に電磁クラッチを配置することができ、これにより必要とされるトルク容量及び強度が小さくなり、小型化を図ることが可能になる。また、本実施形態の電磁クラッチ23の構成によれば、可動ストッパ63が遠心ボール64を囲んで飛散防止の機能を兼ねるので、コンパクトな構成にすることができる。しかも、遠心ボール64は球体であるから、カム壁33Aと開閉対向壁63Cの間をスムーズに押し広げることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態の電磁クラッチ23は、四輪駆動車両10の駆動系に備えられていたが、例えば、工具、工作機械等に用いてもよい。
(2)前記実施形態の電磁クラッチ23は、減速手段を備えたリヤ側トランスアクスル21の一部に組み込まれていたが、減速を行わない駆動部分に電磁クラッチを用いてもよい。
(3)前記実施形態の電磁クラッチ23は、セルフロック機構34を備えていたが、単に、電磁石の磁力のみによって第1及び第2のクラッチ板を接合する構成であってもよい。
(4)前記実施形態の電磁クラッチ23では、電磁石50の励磁を停止してセルフロック機構34によって連結状態を保持する構成であったが、セルフロック機構を備えたものにおいて、電磁石を励磁状態を保持しかつセルフロック機構によって連結状態を保持する構成にしてもよい。
(5)前記実施形態の電磁クラッチ23では、遠心可動部材として球体の遠心ボール64を採用したが、遠心可動部材は円筒形のものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る四輪駆動車両の駆動系を示した概念図 リヤ側トランスアクスルの平断面図 低速回転時の電磁クラッチの断面図 高速回転時の電磁クラッチの断面図 V字溝を説明するための第2クラッチ板の平面図 セルフロック機構を説明するための断面図 低速回転時の電磁クラッチの部分断面図 高速回転時の電磁クラッチの部分断面図
符号の説明
23 電磁クラッチ
23G1 入力ギヤ(第1回転部材)
23G2 出力ギヤ(第2回転部材)
30 軸心シャフト(軸部材)
31 第1クラッチ板
32 第2クラッチ板
33 クラッチベース(第2回転部材)
33A カム壁
39 遠心作動機構
48 離間用付勢バネ(離間用付勢手段)
50 電磁石
60,61 V字溝
62 カムボール(カム部材)
63 可動ストッパ
63A 円筒部
63C 開閉対向壁
64 遠心ボール(遠心可動部材)
65 ストッパ付勢バネ(可動ストッパ付勢手段)
66 係合溝
67 係合突部

Claims (9)

  1. 同軸上に配置されて互いに独立して回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、
    前記第1回転部材と一体回転する第1クラッチ板と、
    前記第2回転部材と一体回転すると共に前記第2回転部材の軸方向に直動して前記第1クラッチ板に接離する第2クラッチ板と、
    前記第2クラッチ板を前記第1クラッチ板側に引き寄せて摩擦結合させるための電磁石と、
    前記第2クラッチ板を前記第1クラッチ板から離間させるための離間用付勢手段と
    相互に離間した状態の前記第1及び第2のクラッチ板の間に介在し、それらの離間距離に応じた引き摺りトルクを前記第1及び第2のクラッチ板の間に発生させ得るオイルとを備えた電磁クラッチにおいて、
    前記第2クラッチ板に対して前記第1クラッチ板と逆側から当接すると共に、前記第2回転部材の軸方向における第1当接位置とその第1当接位置より前記第1クラッチ板から遠い第2当接位置との間を移動して、少なくとも前記第1当接位置に位置したときには前記第2クラッチ板を前記電磁石にて前記第1クラッチ板側に引き寄せ可能な離間範囲に留め、前記第2当接位置に位置したときには前記第1当接位置に位置したときに比べて前記第2クラッチ板を前記第1クラッチ板から遠ざけて前記オイルによる前記引き摺りトルクを低減させる可動ストッパと、
    前記可動ストッパを前記第1当接位置に付勢する可動ストッパ付勢手段と、
    前記第2回転部材の回転速度が基準回転速度を超えたときの遠心力で作動して前記可動ストッパを前記可動ストッパ付勢手段に抗して前記第2当接位置に移動させる遠心力作動機構とを備えたことを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記遠心力作動機構は、前記第2回転部材と共に回転しかつ遠心力によって前記第2回転部材の径方向に移動可能な遠心可動部材と、
    前記第2回転部材と前記可動ストッパとに設けられて、互いの間に前記遠心可動部材を挟んで前記第2回転部材の軸方向で対向すると共に、前記第2回転部材の回転中心から離れるに従って互いに接近した1対の開閉対向壁とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記遠心可動部材は、球体であることを特徴とする請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記第2回転部材には、前記第2クラッチ板を貫通した軸部材が備えられ、
    一方の前記開閉対向壁は、前記軸部材から側方に張り出し、
    前記可動ストッパは、前記一方の開閉対向壁及び前記遠心可動部材を外包する筒部と、該筒部の一端から径方向内側に張り出した他方の前記開閉対向壁とからなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電磁クラッチ。
  5. 前記第2回転部材には、前記第2クラッチ板を挟んで前記第1クラッチ板と反対側にカム壁が設けられ、前記カム壁及び前記第2クラッチの互いの対向面には、前記第2回転部材の径方向から見て断面略V字状をなしたV字溝が周方向に複数対向形成され、それら対向したV字溝の間には、前記第2回転部材の径方向から見て断面円形のカム部材が収容されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかの請求項に記載の電磁クラッチ。
  6. 前記開閉対向壁の一方は、前記カム壁に兼用されたことを特徴とする請求項5に記載の電磁クラッチ。
  7. 前記第2クラッチ板と前記カム壁とには、前記第2クラッチ板が前記第2当接位置の前記可動ストッパに当接したときに、互いに係合して前記第2クラッチ板を前記カム壁に回り止めする凹凸係合部が備えられたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電磁クラッチ。
  8. 前記電磁クラッチは、四輪駆動車両の従動輪の駆動力伝達系に配置されており、前記第1回転部材は前記従動輪の駆動源側に連結され、前記第2回転部材は前記従動輪側に連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかの請求項に記載の電磁クラッチ。
  9. 前記第2回転部材は、前記従動輪のディファレンシャルの外周面に一体的に設けられたリングギヤに噛合していることを特徴とする請求項8に記載の電磁クラッチ。
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