JP2007303508A - トルク伝達装置 - Google Patents

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Akira Ibusuki
明 指宿
Toshiya Kurano
稔也 倉野
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Abstract

【課題】 外力をクラッチ機構から遮断し、不測のクラッチトルク発生を防止し、クラッチトルクを安定させる。
【解決手段】 原動機のトルクが入力する中空軸3と、中空軸3に対して相対回転自在に配置され、車輪側に連結されたトルク伝達軸5と、トルク伝達を行うクラッチ機構7と、これらを収容する収容ケース9とを有するトルク伝達装置において、クラッチ機構7の径方向外側回転部材11をトルク伝達軸5に、径方向内側回転部材13を中空軸3にそれぞれ連結し、径方向外側回転部材11を第1の軸受け15を介して収容ケース9で支持し、中空軸3を第2の軸受け17,19を介して収容ケース9で支持し、径方向内側回転部材13を中空軸3で支持した。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両に用いられるトルク伝達装置に関する。
特許文献1に「動力伝達装置」が記載されている。この動力伝達装置は4輪駆動車に用いられており、トランスミッション側にはフロントデフが配置され、トランスファ側には、トランスミッションから入力した駆動力を後輪側に送る中空軸と、この中空軸を貫通するフロントデフの車軸と、この車軸と中空軸との間で差動を制限するクラッチ機構が配置されている。
このクラッチ機構のクラッチハブ(径方向内側回転部材)は車軸に連結され、クラッチハウジング(径方向外側回転部材)は中空軸に連結され、クラッチ機構は、中空軸をトランスファケースに支持する軸受けに対して、車輪側(クラッチ機構の軸方向外側)に配置されている。
特開2004−314796号公報
車軸には車輪や等速ジョイントなどからの上下振動や回転振動が入力するので、車軸にクラッチハブが連結された上記従来例の動力伝達装置では、車軸からこのような振動(外力)がクラッチ機構に入り易く、不測のクラッチトルク(フロントデフの差動制限力)が発生し、あるいは、この差動制限力が不安定になる恐れがある。
そこで、この発明は、クラッチ機構への外力の影響を抑制し、クラッチトルクを安定させるトルク伝達装置の提供を目的としている。
請求項1のトルク伝達装置は、原動機のトルクが入力する中空軸と、前記中空軸に対して相対回転自在に配置され、車輪側に連結されたトルク伝達軸と、径方向外側回転部材と径方向内側回転部材とを有してトルク伝達を行うクラッチ機構と、前記中空軸とクラッチ機構とを収容する収容ケースとを有するトルク伝達装置であって、前記クラッチ機構の径方向外側回転部材が前記トルク伝達軸に、また、径方向内側回転部材が前記中空軸側にそれぞれ相対回転不能に連結され、前記径方向外側回転部材が、第1の軸受けを介して前記収容ケースに支持され、前記中空軸が、第2の軸受けを介して前記収容ケースに支持され、前記径方向内側回転部材が、前記中空軸に支持されていることを特徴とする。
請求項2のトルク伝達装置は、請求項1に記載された発明であって、前記クラッチ機構が、前記第1の軸受けに対し、前記車輪の軸方向反対側に配置されていることを特徴とする。
請求項3のトルク伝達装置は、請求項1または請求項2に記載された発明であって、前記クラッチ機構を操作するカム機構を有し、前記カム機構と前記クラッチ機構と前記径方向外側回転部材が、この順で軸方向に配列されており、前記カム機構のカムスラスト力が、前記配列の各部材を介して前記収容ケースに入力することを特徴とする。
請求項4のトルク伝達装置は、請求項3に記載された発明であって、前記カム機構のカム反力が、前記収容ケース側に入力することを特徴とする。
請求項1のトルク伝達装置は、トルク伝達軸(車軸)に連結された径方向外側回転部材を第1の軸受けで収容ケースに支持したことによって、車軸側からクラッチ機構に入力する振動(外力)が大幅に軽減される。
従って、クラッチ機構に不測のクラッチトルク(差動制限力)が発生すること、及び、差動制限力が不安定になることが防止され、車両の走行性が安定する。
請求項2のトルク伝達装置は、クラッチ機構を第1の軸受けに対して車輪の軸方向反対側に配置したので、車輪やジョイント側から入力される振動(外力)が第1の軸受けによって遮断され、クラッチ機構のクラッチトルク(差動制限力)と車両の走行性がさらに安定する。
請求項3のトルク伝達装置は、クラッチ機構を操作するカム機構とクラッチ機構と径方向外側回転部材を軸方向に配列したこの構成では、カム機構が上記振動(外力)から保護されることによって、クラッチ機構の性能及び動作と車両の走行性がさらに安定する。
また、カム機構のカムスラスト力を剛性の高い収容ケースで受けることができる。
請求項4のトルク伝達装置は、カム機構のカム反力を収容ケース側に入力させることにより、カムスラスト力とカム反力とを収容ケースにて相殺することができる。
〈第1実施例〉
図1、図2、図3と図5によってトランスファ1(第1実施例のトルク伝達装置)の説明をする。トランスファ1は図5に示す4輪駆動車に用いられており、左右の方向はこの4輪駆動車及び図1乃至図3での左右の方向である。
[トランスファ1の特徴]
トランスファ1は、原動機(エンジン301)のトルクが入力する中空軸3と、中空軸3に対して相対回転自在に配置され、右前輪315(車輪)側に連結された車軸5(トルク伝達軸)と、トルク伝達を行う多板クラッチ7(クラッチ機構)と、これらを収容するトランスファケース9(収容ケース)とを有している。
また、トランスファ1は、多板クラッチ7のクラッチハウジング11(径方向外側回転部材)が車軸5に、クラッチハブ13(径方向内側回転部材)が中空軸3にそれぞれ相対回転不能に連結され、複数の内外摩擦プレートからなる断続部材を介して駆動トルクの伝達(差動制限)が行われる。クラッチハウジング11は、ベアリング15(第1の軸受け)を介してトランスファケース9に支持され、中空軸3がベアリング17,19(第2の軸受け)を介してトランスファケース9に支持され、クラッチハブ13が中空軸3に支持されている。
さらに、トランスファ1は、多板クラッチ7が、ベアリング15に対し、右前輪315の軸方向反対側に配置され、多板クラッチ7を操作するボールカム21(カム機構)を有し、ボールカム21と多板クラッチ7とクラッチハウジング11が、この順で軸方向に配列されており、ボールカム21のカムスラスト力が、前記の各機能部21,7(詳しくは部材109、89、87、12、11、15)を介してトランスファケース9の最端部材であるクラッチケース33に入力し、ボールカム21のカム反力が部材117を介してトランスファケース9の中間部材であるカバー31側に入力する。
[4輪駆動車の動力系の構成]
上記4輪駆動車の動力系は、図5のように、横置きのエンジン301(原動機)及びトランスミッション303と、減速ギヤ組305と、フロントデフ307と、前車軸309,311と、前輪313,315と、トランスファ1と、後輪側プロペラシャフト317と、カップリング319と、方向変換歯車組321と、リヤデフ323と、後車軸325,327と、後輪329,331などから構成されている。
エンジン301の駆動力はトランスミッション303から減速ギヤ組305とデフケース333とを介してフロントデフ307に伝達され、前車軸309,311から前輪313,315に配分されると共に、デフケース333からトランスファ1と後輪側プロペラシャフト317とを介してカップリング319に伝達され、カップリング319が連結されていると、方向変換歯車組321からリヤデフ323に伝達され、後車軸325,327から後輪329,331に配分されて4輪駆動状態になる。また、カップリング319の連結が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
フロントデフ307の差動制限は、下記のようにトランスファ1の多板クラッチ7によって行われる。
[トランスファ1の構成]
トランスファ1は、上記の中空軸3と車軸5と多板クラッチ7とトランスファケース9とクラッチハウジング11とクラッチハブ13とベアリング15とベアリング17,19とボールカム21などに加えて、方向変換歯車組23と、ドライブピニオンシャフト25と、多板クラッチ7用のアクチュエータ27などから構成されている。
図1のように、トランスファ1を収容するトランスファケース9は、トランスファケース本体29とカバー31とクラッチケース33と、筒状ケース35,37などから構成されている。トランスファケース本体29とカバー31とクラッチケース33はボルト39で一体に固定され、筒状ケース35はトランスファケース本体29にボルト止めされ、筒状ケース37は筒状ケース35にボルト止めされ、トランスファケース9はトランスファケース本体29の左側面でトランスミッションケース335(図5)に固定されており、これらの各接合部はOリング41,43,45,47,49によってシールされている。
中空軸3は、左端のスプライン部51でフロントデフ307のデフケース333側中空軸337に連結されており、スラスト力を受けるベアリング17でトランスファケース本体29に支持され、スラスト力を受けるベアリング19でカバー31に支持されている。車軸5はフロントデフ307の右サイドギア339と前車軸311とを連結しており、多板クラッチ7のクラッチハウジング11は車軸5の外周にスプライン連結され、ベアリング15によってクラッチケース33に支持されており、ベアリング15は多板クラッチ7を介してボールカム21のスラスト力を受けている。また、クラッチハブ13は中空軸3の外周にスプライン連結されている。車軸5とクラッチハウジング11との間にはOリング53が配置されており、中空軸3はクラッチハブ13をクラッチハウジング11側(右方)に貫通し、この貫通側で中空軸3とクラッチハウジング11との間にXリング55が配置されている。
方向変換歯車組23は、互いに噛み合ったベベルギア57とベベルギア59とからなり、リング状のベベルギア57はボルト61で中空軸3のフランジ部に固定され、ベベルギア59はドライブピニオンシャフト25の前端に一体形成されている。ドライブピニオンシャフト25は前端側をスラスト力を受けるベアリング63でトランスファケース本体29に支持され、後端側をスラスト力を受けるベアリング65で筒状ケース35に支持されている。また、ドライブピニオンシャフト25は後端にスプライン連結されたフランジ67を介してプロペラシャフト317側に連結されている。
トランスファケース9には油路69からオイルが注入されており、中空軸3とトランスファケース本体29の間に配置されたシール71と、車軸5とクラッチケース33の間に配置されたシール73と、筒状ケース37とフランジ67の間に配置されたシール75によって、オイル漏れと外部からの異物の侵入が防止されていると共に、トランスミッションケース335との間のシール71とOリング53及びXリング55により、性質の異なったトランスミッションオイルの混入が防止されている。また、カバー31には多板クラッチ7側へのオイルの移動を促進する開口77が設けられている。
アクチュエータ27は、上記のボールカム21と、反転可能な電動モータ79と、減速ギヤ組81,83と、リターンスプリング85(皿バネ)と、多板クラッチ7用のプレッシャープレート87と、スラスト力を受けるベアリング89と、コントローラなどから構成されている。
操作手段としての電動モータ79はボルト91でクラッチケース33に固定され、コネクターを介して車載のバッテリーに接続され、その出力軸は左端をクラッチケース33に支持された回転軸93に連結されている。電動モータ79は、図2に示すように、ハウジング11の外部でハウジング11の車幅方向の投影面内において中空軸3に対して後方側に配置されている。また、ハウジング11の内部では、方向変換歯車組23が中空軸3に対して後方側に配置されている。このためトランスファ1全体の重量は、中空軸3に対して後方側に大きくなっている。これにより、重量の大きい部材がハウジング11の車幅方向の投影面内において中空軸に対して前方側と後方側に分かれることがなく、中空軸3の回転によるトランスファ1全体のぶれを抑えることができ、トランスファ1全体の剛性が向上している。
減速ギヤ組81は互いに噛み合った小径ギア95と大径ギア97からなり、小径ギア95は回転軸93に形成され、大径ギア97はピン99上に支持されており、ピン99はクラッチケース33に設けられた支持孔101と貫通孔103によって両端を回転自在に支持されている。また、減速ギヤ組83は互いに噛み合った小径ギア105と大径ギア107からなり、小径ギア105は上記の大径ギア97と一体に形成され、大径ギア107はカムリング109の外周に形成されている。
また、ピン99は貫通孔103を通して小径ギア105及び大径ギア97と支持孔101に挿通され、ピン99を挿通した後、貫通孔103の開口部には椀型のプラグ111が装着され、オイル漏れと外部からの異物の侵入を防止している。
また、ピン99をこのように貫通孔103に埋め込んだことによって、クラッチケース33の電動モータ79用取り付け面113からピン99の頭部が突き出さないので、ピン99と貫通孔103を、電動モータ79の外周115より内側に配置することが可能になっている。
ボールカム21は、上記のカムリング109と、カバー31に固定されたカムリング117との間に設けられている。リターンスプリング85はプレッシャープレート87とクラッチハブ13の間に配置され、プレッシャープレート87を多板クラッチ7の連結解除方向(左方)に付勢している。ベアリング89はプレッシャープレート87とカムリング109の間に配置され、プレッシャープレート87側の回転をカムリング109側から遮断し、ボールカム21の誤動作を防止している。
ボールカム21のカムスラスト力は、カムリング109とベアリング89とプレッシャープレート87と多板クラッチ7とクラッチハウジング11とベアリング15とを介してクラッチケース33(トランスファケース9の内壁)に掛かり、カム反力はカムリング117を介してカバー31(トランスファケース9の内壁)に掛かる。
コントローラは、カップリング319の断続操作の他に、電動モータ79の起動、停止、反転などを行う。電動モータ79を起動させると、その回転は減速ギヤ組81,83で減速(トルク増幅)されてボールカム21を作動させ、そのカムスラスト力によってベアリング89とプレッシャープレート87が軸方向右方に移動し、多板クラッチ7を押圧し締結させてフロントデフ307の差動を制限する。このとき、電動モータ79の回転角度(ボールカム21のカムスラスト力)を制御すれば差動制限力を調整することができる。その後、コントローラは電動モータ79を停止させる。
また、この状態から電動モータ79を反転させると、カムリング109が反対方向に回転してボールカム21のカムスラスト力が消失し、リターンスプリング85によって多板クラッチ7の締結とフロントデフ307の差動制限が解除され、その後、電動モータ79が停止される。
[トランスファ1の効果]
トランスファ1は、車軸5に連結されたクラッチハウジング11をベアリング15でトランスファケース9に支持したことによって、車軸5側から多板クラッチ7に入力する振動(外力)が大幅に軽減されている。
従って、振動や外力を受けて多板クラッチ7に不測の差動制限力が発生すること、及び、差動制限力が不安定になることが防止され、上記車両の走行性が安定する。
また、多板クラッチ7をベアリング15に対して右車輪315の軸方向反対側に配置したので、ベアリング15による振動及び外力の遮断機能が向上し、多板クラッチ7の差動制限力と車両の走行性がさらに安定する。
また、多板クラッチ7を操作するボールカム21と多板クラッチ7とクラッチハウジング11を軸方向に配列したことにより、ベアリング15による上記の遮断機能によってボールカム21が振動及び外力から保護され、多板クラッチ7の性能及び動作と車両の走行性がさらに安定する。
また、ボールカム21のカムスラスト力をトランスファケース9(クラッチケース33)が受けるので、上記の安定化効果に加えて、多板クラッチ7の性能及び動作と車両の走行安定性がさらに向上する。
また、ボールカム21のカム反力をトランスファケース9(カバー31)側に入力させることにより、多板クラッチ7の性能及び動作と車両の走行安定性がさらに向上する。
〈第2実施例〉
図4と図5によってトランスファ201(第2実施例のトルク伝達装置)の説明をする。トランスファ201は、図4の4輪駆動車においてトランスファ1と置き換えて用いられる。また、左右の方向はこの4輪駆動車及び図4での左右の方向である。
[トランスファ201の特徴]
トランスファ201は、原動機(エンジン301)のトルクが入力する中空軸3と、中空軸3に対して相対回転自在に配置され、右前輪315(車輪)側に連結された車軸5と、トルク伝達を行うメインクラッチ203(クラッチ機構)と、これらを収容するトランスファケース9(収容ケース)とを有している。
また、トランスファ201は、メインクラッチ203のクラッチハウジング205(径方向外側回転部材)が車軸5に、また、クラッチハブ207(径方向内側回転部材)が中空軸3側にそれぞれ相対回転不能に連結され、クラッチハウジング205が、ボールベアリング209(第1の軸受け)を介してトランスファケース9に支持され、中空軸3が、ベアリング17,19(第2の軸受け)を介してトランスファケース9に支持され、クラッチハブ207が、中空軸3に支持されている。
さらに、トランスファ201は、メインクラッチ203が、ボールベアリング209に対し、右前輪315の軸方向反対側に配置され、メインクラッチ203を操作するボールカム211(カム機構)を有し、ボールカム211とメインクラッチ203とクラッチハウジング205が、この順で軸方向に配列されており、ボールカム211のカムスラスト力が、前記部材211,203,205を介してトランスファケース9に入力し、ボールカム211のカム反力が、トランスファケース9に入力する。
[4輪駆動車の動力系の構成]
上記4輪駆動車の動力系は、図4のように、横置きのエンジン301(原動機)及びトランスミッション303と、減速ギヤ組305と、フロントデフ307と、前車軸309,311と、前輪313,315と、トランスファ201と、後輪側プロペラシャフト317と、カップリング319と、方向変換歯車組321と、リヤデフ323と、後車軸325,327と、後輪329,331などから構成されている。
エンジン301の駆動力はトランスミッション303から減速ギヤ組305とデフケース333とを介してフロントデフ307に伝達され、前車軸309,311から前輪313,315に配分されると共に、デフケース333からトランスファ201と後輪側プロペラシャフト317とを介してカップリング319に伝達され、カップリング319が連結されていると、方向変換歯車組321からリヤデフ323に伝達され、後車軸325,327から後輪329,331に配分されて4輪駆動状態になる。また、カップリング319の連結が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
フロントデフ307の差動制限は、下記のようにトランスファ201のメインクラッチ203によって行われる。
[トランスファ201の構成]
トランスファ201は、上記の中空軸3と車軸5とトランスファケース9とベアリング17,19とメインクラッチ203とクラッチハウジング205とクラッチハブ207とベアリング209とボールカム211などに加えて、方向変換歯車組23と、ドライブピニオンシャフト25と、メインクラッチ203用のアクチュエータ213などから構成されている。
図3のように、トランスファ1を収容するトランスファケース9は、トランスファケース本体29とカバー31とクラッチケース33と、筒状ケース35,37などから構成されている。トランスファケース本体29とカバー31とクラッチケース33はボルト39で一体に固定され、筒状ケース35はトランスファケース本体29にボルト止めされ、筒状ケース37は筒状ケース35にボルト止めされ、トランスファケース9はトランスファケース本体29の左側面でトランスミッションケース335(図4)に固定されており、これらの各接合部はOリング41,43,45,47,49によってシールされている。
中空軸3は、左端のスプライン部51でフロントデフ307のデフケース333側中空軸337に連結されており、スラスト力を受けるベアリング17でトランスファケース本体29に支持され、スラスト力を受けるベアリング19でカバー31に支持されている。車軸5はフロントデフ307の右サイドギア339と前車軸311とを連結しており、メインクラッチ203のクラッチハウジング205は車軸5の外周にスプライン連結されると共に、ボールベアリング209によってクラッチケース33に支持され、クラッチハブ207は中空軸3の外周にスプライン連結され、ボールベアリング215によってクラッチハウジング205に支持されている。また、車軸5とクラッチハウジング205との間にはOリング53が配置され、クラッチハウジング205とクラッチハブ207との間にはXリング55が配置され、中空軸3とクラッチハブ207との間にはOリング217が配置されている。
方向変換歯車組23は、互いに噛み合ったベベルギア57とベベルギア59とからなり、リング状のベベルギア57はボルト61で中空軸3のフランジ部に固定され、ベベルギア59はドライブピニオンシャフト25の前端に一体形成されている。ドライブピニオンシャフト25は前端側をスラスト力を受けるベアリング63でトランスファケース本体29に支持され、後端側をスラスト力を受けるベアリング65で筒状ケース35に支持されている。また、ドライブピニオンシャフト25は後端にスプライン連結されたフランジ67を介してプロペラシャフト317側に連結されている。
トランスファケース9には油路69からオイルが注入されており、中空軸3とトランスファケース本体29の間に配置されたシール71と、車軸5とクラッチケース33の間に配置されたシール73と、筒状ケース37とフランジ67の間に配置されたシール75によって、オイル漏れと外部からの異物の侵入が防止されていると共に、トランスミッションケース335との間のシール71とOリング53,217及びXリング55により、性質の異なったトランスミッションオイルの混入が防止されている。また、カバー31にはメインクラッチ203側へのオイルの移動を促進する開口77が設けられている。
電磁式アクチュエータ213は、上記のボールカム211と、多板式のパイロットクラッチ219と、カムリング221と、プレッシャープレート223と、アーマチャ225と、磁性材料で作られたロータ227と、電磁コイル229と、リターンスプリングと、コントローラなどから構成されている。
パイロットクラッチ219はクラッチハウジング205とカムリング221の間に配置され、ボールカム211はカムリング221とプレッシャープレート223との間に設けられ、アーマチャ225はパイロットクラッチ219とプレッシャープレート223の間に軸方向移動自在に配置され、カムリング221はクラッチハブ207の外周で支持され、プレッシャープレート223はクラッチハブ207の外周にスプライン連結されている。ロータ227はクラッチハウジング205にネジで連結され、ナット231のダブルナット機能によって位置決めされ、ニードルベアリング233によりクラッチハブ207の外周に支持されている。
ロータ227とカバー31との間及びロータ227とカムリング221との間にはベアリング235,237がそれぞれ配置され、ボールカム211のカム反力はこれらの部材221,237,227,235を介してカバー31(トランスファケースの内壁)に掛かり、ボールカム211のカムスラスト力はプレッシャープレート223とメインクラッチ203とクラッチハウジング205とベアリング209とを介してクラッチケース33(トランスファケースの内壁)に掛かる。
電磁コイル229のコア239はロータ227の凹部に適度なエアギャップを介して貫入し、ボールベアリング241によってロータ227に支持され、カバー31の切り欠き243に係合した回り止め部材245によって回り止めされている。また、クラッチハウジング205側にはオイルの流出入を促進し、メインクラッチ203、パイロットクラッチ219、ボールカム211、ベアリング215,237などの潤滑・冷却効果を高める開口247が設けられている。
コントローラは、カップリング319の断続操作の他に、電磁コイル229の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。コア239とロータ227とパイロットクラッチ219とアーマチャ225によって電磁コイル229の磁路が構成されており、電磁コイル229が励磁されるとこの磁路に磁束ループが形成され、吸引されたアーマチャ225によりパイロットクラッチ219が押圧されて締結し、トルクを受けて作動したボールカム211のカムスラスト力によりプレッシャープレート223を介してメインクラッチ203が押圧されて締結し、フロントデフ307の差動を制限する。このとき、電磁コイル229の励磁電流を調整しパイロットクラッチ219の滑り(ボールカム21のカムスラスト力)を制御すれば、差動制限力の大きさを調整することができる。また、電磁コイル229の励磁を停止すると、リターンスプリングによってメインクラッチ203の連結とフロントデフ307の差動制限が解除される。
[トランスファ201の効果]
トランスファ201は、車軸5に連結されたクラッチハウジング205をベアリング209でトランスファケース9に支持したことによって、車軸5側からメインクラッチ203に入力する振動(外力)が大幅に軽減される。
従って、振動や外力によってメインクラッチ203に不測の差動制限力が発生すること、及び、差動制限力が不安定になることが防止され、上記車両の走行性が安定する。
また、メインクラッチ203をベアリング209に対して右車輪315の軸方向反対側に配置したので、ベアリング209による振動及び外力の遮断機能が向上し、メインクラッチ203の差動制限力と車両の走行性がさらに安定する。
また、メインクラッチ203を操作するボールカム211とメインクラッチ203とクラッチハウジング205を軸方向に配列したことにより、ベアリング209による上記の遮断機能によってボールカム211が振動及び外力から保護され、メインクラッチ203の性能及び動作と車両の走行性がさらに安定する。
また、ボールカム211のカムスラスト力をトランスファケース9(クラッチケース33)が受けるので、上記の安定化効果に加えて、メインクラッチ203の性能及び動作と車両の走行安定性がさらに向上する。
また、ボールカム211のカム反力をトランスファケース9(カバー31)が受けるので、メインクラッチ203の性能及び動作と車両の走行安定性がさらに向上する。
第1実施例のトランスファ1を示す断面図である。 第1実施例のトランスファ1を示す側面図である。 トランスファ1の要部拡大断面図である。 第2実施例のトランスファ201を示す断面図である。 トランスファ1を用いた4輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図である。
符号の説明
1 トランスファ(トルク伝達装置)
3 中空軸
5 車軸(トルク伝達軸)
7 多板クラッチ(クラッチ機構)
9 トランスファケース(収容ケース)
11 クラッチハウジング(径方向外側回転部材)
13 クラッチハブ(径方向内側回転部材)
15 ベアリング(第1の軸受け)
17,19 ベアリング(第2の軸受け)
21 ボールカム(カム機構)
201 トランスファ(トルク伝達装置)
203 メインクラッチ(クラッチ機構)
205 クラッチハウジング(径方向外側回転部材)
207 クラッチハブ(径方向内側回転部材)
209 ボールベアリング(第1の軸受け)
211 ボールカム(カム機構)

Claims (4)

  1. 原動機のトルクが入力する中空軸と、前記中空軸に対して相対回転自在に配置され、車輪側に連結されたトルク伝達軸と、径方向外側回転部材と径方向内側回転部材とを有してトルク伝達を行うクラッチ機構と、
    前記中空軸とクラッチ機構とを収容する収容ケースとを有するトルク伝達装置であって、
    前記径方向外側回転部材が前記トルク伝達軸に、また、径方向内側回転部材が前記中空軸側にそれぞれ相対回転不能に連結され、
    前記径方向外側回転部材が、第1の軸受けを介して前記収容ケースに支持され、
    前記中空軸が、第2の軸受けを介して前記収容ケースに支持され、
    前記径方向内側回転部材が、前記中空軸に支持されていることを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 請求項1に記載されたトルク伝達装置であって、
    前記クラッチ機構が、前記第1の軸受けに対し、前記車輪の軸方向反対側に配置されていることを特徴とするトルク伝達装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたトルク伝達装置であって、
    前記クラッチ機構を操作するカム機構を有し、
    前記カム機構と前記クラッチ機構と前記径方向外側回転部材が、この順で軸方向に配列されており、
    前記カム機構のカムスラスト力が、前記配列の各部材を介して前記収容ケースに入力することを特徴とするトルク伝達装置。
  4. 請求項3に記載されたトルク伝達装置であって、
    前記カム機構のカム反力が、前記収容ケース側に入力することを特徴とするトルク伝達装置。
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