JP2015121277A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油を受け止める箇所に形成されたクリアランスのシール性を向上させる。【解決手段】上部軸受部材(6)の内輪(61)は、転動体(63)と接する内輪本体(61a)と、内輪本体(61a)の下端から外輪(62)よりも下側に突出する円筒部(61b)とを有し、ハウジング(5)の一部である下部ハウジング(56)は、円筒部(61b)を囲むように配置されるシール部(53)を有し、円筒部(61b)の外周面(61d)とシール部(53)の内周面(53a)とがクリアランスシールを形成する。【選択図】図2
Description
本発明は、圧縮機に関し、特に、駆動軸を支持する転がり軸受の周辺部における潤滑油のシール性向上に関するものである。
従来より、ケーシング内に圧縮機構及びその下方に駆動機構を収容し、駆動機構がクランク軸(駆動軸)を介して圧縮機構を駆動することによって流体を圧縮する圧縮機がある。ケーシング底部には潤滑油が貯留され、潤滑油がクランク軸の油通路を通って圧縮機構に供給される。
特許文献1には、スクロール圧縮機の一例が開示されている。このスクロール圧縮機は、ケーシングの内壁に固定されたハウジングと、このハウジングを上下方向に貫くクランク軸とを備えている。ハウジングに形成された貫通孔には転がり軸受が設けられており、この転がり軸受の内輪にクランク軸の上部が圧入されている。転がり軸受の下方には、クランク軸に取り付けられたバランスウェイトが配設されており、このバランスウェイトの径方向外側には、ハウジングの一部である油受け部としての環状部材が配設されており、この環状部材が転がり軸受から流れ落ちる潤滑油を受け止める。
特許文献1の圧縮機は、上記の通り環状部材の径方向内側にバランスウェイトが設けられており、両者の間にクリアランスが形成される。転がり軸受から流れ落ちる潤滑油がこのクリアランスから漏れる量を減らすには、当該クリアランスを可能な限り狭くするのが望ましい。
しかしながら、バランスウェイトは重心がその回転中心から離れているので、クランク軸にはその回転時にバランスウェイトの回転に起因する遠心力が作用し、クランク軸がその径方向に多少撓む。それに伴って、バランスウェイトもクランク軸の径方向に揺動しながら回転する。
したがって、バランスウェイトとその外側の環状部材とのクリアランスを、クランク軸が撓んでも当該バランスウェイトが環状部材と接触しない程度に確保する必要がある。そうすると、当該クリアランスが広くなり、潤滑油の漏れ量が増加するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、転がり軸受から流れ落ちた潤滑油を受け止める箇所に形成されたクリアランスのシール性を向上させることにある。
第1の発明は、底部に潤滑油を貯留するケーシング(4)と、上記ケーシング(4)内に収容され、流体を吸入して圧縮する圧縮機構(2)と、上記ケーシング(4)内に収容されて該ケーシング(4)に固定され、圧縮機構(2)が設けられているハウジング(5)と、軸方向が上下方向となるように上記ケーシング(4)内に収容されて上記圧縮機構(2)を駆動する駆動軸(33)と、上記ハウジング(5)に設けられて上記駆動軸(33)を支持し、上記ケーシング(4)の底部から供給された潤滑油によって潤滑される転がり軸受(6)と、上記ハウジング(5)の一部を構成し、該転がり軸受(6)から流れ落ちた上記潤滑油を受け止める油受け部(56)とを備えた圧縮機であって、上記転がり軸受(6)の内輪(61)は、該転がり軸受(6)の転動体(63)と接する内輪本体(61a,64a)と、該内輪本体(61a,64a)の下端から該転がり軸受(6)の外輪(62)よりも下側に突出する円筒部(61b,64b)とを有し、上記油受け部(56)は、上記円筒部(61b,64b)を囲むように配置されるシール部(53)を有し、該円筒部(61b,64b) の外周面(61d,64d)と該シール部(53)の内周面(53a)とがクリアランスシールを形成することを特徴とする。
第1の発明では、転がり軸受(6)の内輪(61)は、該転がり軸受(6)の転動体(63)と接する内輪本体(61a,64a)と、該内輪本体(61a,64a)の下端から下側に突出する円筒部(61b)とを有し、この円筒部(61b,64b)が外輪(62)よりも下側に突出している。一方、転がり軸受(6)の下方に配設された油受け部(56)は、円筒部(61b)を囲むように配置されるシール部(53)を有しており、円筒部(61a,64a)の外周面(61d,64d)とシール部(53)の内周面(53a)とがクリアランスシールを形成している。つまり、クリアランスシールが、転がり軸受(6)の内輪(61)の一部である円筒部(61b)と、ハウジング(5)の一部である油受け部(56)とによって形成されている。そして、転がり軸受(6)の内輪(61)は、重心と回転中心とが実質的に一致するため、この内輪(61)の回転に起因する遠心力が駆動軸(33)に作用しない。したがって、遠心力に起因する駆動軸(33)の径方向への撓みが発生しない。その結果、内輪(61)とその外側のシール部(53)との間に形成されるクリアランスを、駆動軸(33)の撓みを考慮することなく狭くすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記円筒部(61b)の外径は、上記内輪本体(61a)の外径よりも大きいことを特徴とする。
第2の発明では、圧縮機(1)の運転中や輸送中には、クランク軸(33)が上下方向に動くことがある。このとき、内輪(61)が上方に移動するが、円筒部(61b)が内輪(61)よりも径方向外側にある転動体(63)と当接し、内輪(61)に圧入されたクランク軸(33)が上方に移動するのを規制する。
本発明によれば、転がり軸受(6)の内輪(61)は、該転がり軸受(6)の転動体(63)と接する内輪本体(61a,64a)と、該内輪本体(61a,64a)の下端から下側に突出する円筒部(61b,64b)とを有し、この円筒部(61b,64b)が外輪(62)よりも下側に突出している。一方、転がり軸受(6)の下方に配設された油受け部材(5)は、円筒部(61b,64b)を囲むように配置されるシール部(53)を有しており、円筒部(61b,64b)の外周面(61d,64d)とシール部(53)の内周面(53a)とがクリアランスシールを形成している。つまり、クリアランスシールが、転がり軸受(6)の内輪(61)の一部である円筒部(61b)と、ハウジング(5)の一部である油受け部(56)とによって形成されている。そして、転がり軸受(6)の内輪(61)は、重心と回転中心とが実質的に一致するため、この内輪(61)の回転に起因する遠心力が駆動軸(33)に作用しない。したがって、遠心力に起因する駆動軸(33)の径方向への撓みが発生しない。その結果、内輪(61)とその外側のシール部(53)との間に形成されるクリアランスを、駆動軸(33)の撓みを考慮することなく狭くすることができる。よって、転がり軸受(6)から流れ落ちた潤滑油を受け止める箇所に形成されたクリアランスのシール性を向上させることができ、内輪(61)とシール部(53)との間のクリアランスを通って漏れ出す潤滑油の量を削減することができる。
また、上記第2の発明によれば、スクロール圧縮機(1)が振動する際、クランク軸(33)が上下方向に振動することがある。このとき、内輪(61)が上方に移動するが、円筒部(61b)が内輪(61)よりも径方向外側にある転動体(63)と当接し、内輪(61)に圧入されたクランク軸(33)が上方に移動するのを規制する。これにより、クランク軸(33)の上方にある圧縮機構(2)に衝撃が加わるのを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下では、本発明に係る圧縮機をスクロール圧縮機(1)に適用した形態について説明する。
図1は本発明に係るスクロール圧縮機(1)の全体構成を示す図である。このスクロール圧縮機(1)は、例えば空気調和装置の蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続され、冷媒回路の冷媒ガスを吸入して圧縮する。
スクロール圧縮機(1)は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構(2)と、該圧縮機構(2)を駆動する電動機(3)と、該電動機(3)に連結され、電動機(3)の動力を圧縮機構(2)に伝達する駆動軸としてのクランク軸(33)と、圧縮機構(2)、電動機(3)及びクランク軸(33)を収容するケーシング(4)とを備えている。
ケーシング(4)は、縦長の密閉容器であり、円筒状の胴部(41)と、該胴部(41)の上端に接合された上側蓋部(42)と、胴部(41)の下端に接合された下側蓋部(43)とを有している。
胴部(41)には、ケーシング(4)の内部空間を上下に区画するハウジング(油受け部材)(5)が固定されている。ケーシング(4)の内部空間には、ハウジング(5)を挟んだ上側に圧縮機構(2)が、その下側に電動機(3)がそれぞれ配設されている。
ケーシング(4)の上側蓋部(42)には、冷媒回路の冷媒ガスを吸入するための吸入管(44)が取り付けられている。また、ケーシング(4)の胴部(41)には、圧縮機構(2)で圧縮された冷媒ガスを冷媒回路に吐出するための吐出管(45)が取り付けられている。これら吸入管(44)及び吐出管(45)は、いずれもケーシング(4)を貫通している。そして、吸入管(44)は、ケーシング(4)の内部空間のうちハウジング(5)の上側の部分である上部空間(S1)に開口している一方、吐出管(45)は、ケーシング(4)の内部空間のうちハウジング(5)の下側の部分である下部空間(S2)に開口している。
ハウジング(5)は、中央部が下方に膨らんだ厚肉の略円盤状に形成されていて、その中央部には、上下に貫通する貫通孔(51)が形成されている。
電動機(3)は、ケーシング(4)の胴部(41)に固定された略円筒状のステータ(31)と、該ステータ(31)の内側に回転可能に設けられた略円筒状のロータ(32)とを有する。
クランク軸(33)は、上下方向に延びる軸であり、ロータ(32)を貫通すると共に、該ロータ(32)に固定された主軸部(33a)と、該主軸部(33a)の上側に一体に設けられ、軸心が主軸部(33a)の軸心に対して偏心した偏心部(33b)とを有する。
主軸部(33a)は、円柱状に形成されていて、その上寄り部分には、偏心部(33b)や後述する圧縮機構(2)の可動スクロール(22)とのバランスをとるためのバランスウェイト(33d)が取り付けられている。また、主軸部(33a)は、上端部が上部軸受部材(6)によって、下端部が下部軸受部材(7)によって、それぞれ回転自在に支持されている。
上部軸受部材(6)は、ハウジング(5)に貫通孔(51)内で固定されている。この上部軸受部材(6)は、転がり軸受であり、主軸部(33a)に嵌め込まれた内輪(61)と、該内輪(61)に対し径方向外方で対向し、ハウジング(5)に固定された外輪(62)と、内輪(61)と外輪(62)とで転がり自在に挟まれた転動体(63)とを有する。
内輪(61)は、転動体(63)と接する内輪本体(61a)と、該内輪本体(61a)の下端から外輪(62)よりも下側に突出する円筒部(61b)とを有している。該円筒部(61b)の外径は、内輪本体(61a)の外径よりも大きい。従って、円筒部(61b)の外周面(61d)は、内輪軌道面(61c)よりも径方向外側に位置している。
一方、下部軸受部材(7)は、ケーシング(4)の胴部(41)の下端部に固定されている。この下部軸受部材(7)には、主軸部(33a)が挿通される軸受孔(71)が形成されていて、該軸受孔(71)に主軸部(33a)を支持する軸受メタル(滑り軸受)(72)が挿通固定されている。
偏心部(33b)は、主軸部(33a)よりも小径の円柱状に形成されていて、後述する可動スクロール(22)のボス部(22c)に係合している。
圧縮機構(2)は、ハウジング(5)に固定された固定スクロール(21)と、該固定スクロール(21)とハウジング(5)との間で偏心回転運動(公転運動)をする可動スクロール(22)とを有する。
固定スクロール(21)は、略円盤状の固定側鏡板部(21a)と、該固定側鏡板部(21a)の前面(図1における下面)に立設された渦巻き状の固定側ラップ(21b)とを有する。
可動スクロール(22)は、当該可動スクロール(22)の自転を阻止するオルダム継手(24)を介してハウジング(5)の上面に載置されている。この可動スクロール(22)は、略円盤状の可動側鏡板部(22a)と、該可動側鏡板部(22a)の前面(図1における上面)に立設された渦巻き状の可動側ラップ(22b)と、可動側鏡板部(22a)の背面(図1における下面)に立設された筒状のボス部(22c)とを有する。
ボス部(22c)は、ハウジング(5)の貫通孔(51)に挿入されていて、この状態でクランク軸(33)の偏心部(33b)がボス部(22c)に挿入されている。こうして、可動スクロール(22)は、クランク軸(33)に係合している。
ボス部(22c)の内周面には、偏心部(33b)を支持する偏心軸受メタル(滑り軸受)(22d)が挿通固定されている。
ボス部(22c)の内部には、偏心部(33b)と可動側鏡板部(22a)の背面(図1における下面)との間に油室(S3)が、偏心部(33b)と偏心軸受メタル(22d)との間に軸受隙間(S4)がそれぞれ形成されている。そして、ハウジング(5)の貫通孔(51)内における上部軸受部材(6)の上側には、可動スクロール(22)の可動側鏡板部(22a)及びボス部(22c)と、ハウジング(5)と、クランク軸(33)とによってクランク室(S5)が形成されている。
そうして、圧縮機構(2)では、固定スクロール(21)の固定側ラップ(21b)と可動スクロール(22)の可動側ラップ(22b)とが互いに噛み合っていて、固定側ラップ(21b)と可動側ラップ(22b)との間に、冷媒を圧縮する複数の圧縮室(23)が形成されている。
また、固定スクロール(21)には、固定側ラップ(21b)の最外周壁から径方向外方に連続する外周縁部近傍に上方に開口する開口部(21c)が形成されていて、該開口部(21c)に吸入管(44)が接続されている。また、固定スクロール(21)には、開口部(21c)と圧縮室(23)とを連通する吸入ポート(21d)が形成されている。こうして、冷媒回路の冷媒ガスが吸入管(44)、開口部(21c)及び、吸入ポート(21d)を通って圧縮室(23)に吸入されるようになっている。
また、固定側鏡板部(21a)の上面には、下方に向かって凹陥した凹部(21e)が形成されていて、該凹部(21e)は蓋(21f)で閉塞されている。これにより、凹部(21e)と蓋部(21f)とで囲まれた吐出室(21g)が形成されている。
固定側鏡板部(21a)の固定側ラップ(21b)の中心付近には、圧縮室(23)と吐出室(21g)とを連通する吐出ポート(21h)が形成されている。
固定スクロール(21)及びハウジング(5)には、吐出室(21g)と下部空間(S2)とを連通する吐出ガス通路(不図示)が形成されている。ハウジング(5)の下方には、ハウジング(5)内の油通路(52a、52b、52c、52d)を通過した油を、ステータ(31)と胴部(41)の間を通して、油溜り(46)に導くためのガイド部材(54)が配設されている。こうして、圧縮室(23)で圧縮された冷媒ガスが吐出ポート(21h)、吐出室(21g)、上記吐出ガス通路及び、下部空間(S2)、吐出管(45)を通って冷媒回路に吐出されるようになっている。
そうして、本スクロール圧縮機(1)では、クランク軸(33)と下部軸受部(7)や可動スクロール(22)のボス部(22c)との摺動部及び、上部軸受部(6)(内輪(61)及び外輪(62)の軌道面(61a),(62a)(転動体(63)が転がる表面))を潤滑油で潤滑することができるように構成されている。以下、この構成について、具体的に説明する。
ケーシング(4)の底部は、潤滑油が溜まる油溜まり(46)となっている。
クランク軸(33)の内部には、給油通路(33c)が形成されている。
給油通路(33c)は、クランク軸(33)を上下に貫通していて、給油通路(33c)の上端と上部軸受部材(6)の上部とは、油室(S3)、軸受隙間(S4)及び、クランク室(S5)を介して連通している。
給油通路(33c)には、クランク軸(33)と下部軸受部材(7)との摺動部に連通する分岐通路(図示せず)が接続されている。
主軸部(33a)の下端には、油溜まり(46)の潤滑油を給油通路(33c)に供給するための給油ポンプ(8)が設けられている。
給油ポンプ(8)は、油溜まり(46)に溜まっている潤滑油をクランク軸(33)の回転に伴って汲み上げるように構成されている。
ハウジング(5)は、圧縮機構(2)とバランスウェイト(33d)との間において胴体(41)の内壁に固定された上部ハウジング(55)と、この上部ハウジング(55)の下面に固定された下部ハウジング(56)と、を備えている。
上部ハウジング(55)は、胴体(41)の内壁に固定された略円柱状の上部ハウジング本体(55a)と、この上部ハウジング本体(55a)の下端中央部から下方に突出し、上部軸受部材(6)の外輪(62)が取り付けられる円筒状の軸受部材取付部(55b)と、を備えている。上部ハウジング(55)には、上記の貫通孔(51)が上下方向に貫通形成されており、軸受部材取付部(55b)に対応する箇所が拡径している。この拡径部分に上部軸受部材(6)の外輪(62)が内嵌されている。また、軸受部材取付部(55b)には、貫通孔(51)の下端部と連通し、径方向外側に延びて上部ハウジング本体(55a)の下面の外周端部において下部空間(S2)に開口する連通孔(55c)が形成されている。
一方、下部ハウジング(56)は、円筒状をなし、上部軸受部材(6)の内輪(61)の円筒部(61b)の径方向外側に配置され、軸受部材取付部(55b)の下端面にボルト締結されている。このボルト締結された状態で、下部ハウジング(56)は、内輪(61)の円筒部(61b)と共に貫通孔(51)を下方から塞いでいる。この塞いだ状態で、下部ハウジング(56)は、上部軸受部材(6)を潤滑した潤滑油を受け止める油受け部を構成し、さらに、この状態で、連通路(55c)は、下部ハウジング(56)が受け止めた潤滑油を油溜り(46)に戻す油通路を形成している。
連通路(55c)は、図2に示すように、環状通路部(52a)と、上向き通路部(52b)と、外向き通路部(52c)と、排出通路部(52d)とで構成されている。
環状通路部(52a)は、上部軸受部材(6)の下部に連通すると共に、円筒部(61b)の周囲を取り囲むように形成されている。下部ハウジング(56)の環状通路部(52a)の径方向内側には、シール部(53)が形成されている。このシール部(53)は、下部ハウジング(56)の内周縁部から上下方向に突出する円筒状をなし、その内周面(53a)と、円筒部(61a)の外周面(61d)とによって、潤滑油が両者間のクリアランスから漏出するのを防止するクリアランスシールを形成している。シール部(53)の内周面(53a)と円筒部(61a)の外周面(61d)との間のクリアランスは、概ね150μm程度である。
上向き通路部(52b)は、環状通路部(52a)の径方向外方の端部から上方に延出している。
外向き通路部(52c)は、上向き通路部(52b)の上端部から径方向外方に延びていて、胴体(41)の内壁付近まで延びている。
排出通路部(52d)は、外向き通路部(52c)の径方向外方の端部から下方に向かって延びていて、その下端は下部空間(S2)に開口している。
−運転動作−
スクロール圧縮機(1)は、以上のように構成されており、次にスクロール圧縮機(1)の運転動作について説明する。
スクロール圧縮機(1)は、以上のように構成されており、次にスクロール圧縮機(1)の運転動作について説明する。
電動機(3)に通電すると、ロータ(32)の回転に伴ってクランク軸(33)が上下方向に延びる軸周りに回転する。これにより、クランク軸(33)の偏心部(33b)に係合した可動スクロール(22)が公転運動をする。可動スクロール(22)の公転運動によって、圧縮室(23)の容積が周期的に増減を繰り返す。この圧縮室(23)の容積増加によって、冷媒回路の冷媒ガスが吸入管(44)等を通じて圧縮室(23)に吸入され、圧縮室(23)の容積減少によって、冷媒ガスが圧縮されて、吐出ポート(21h)等を介して吐出管(45)から冷媒回路に吐出される。
次に、本スクロール圧縮機(1)における潤滑油の流れについて、図1,2を参照しながら説明する。
クランク軸(33)が回転すると、給油ポンプ(8)により、油溜まり(46)の潤滑油が給油通路(33c)に吸い上げられる。給油通路(33c)に吸い上げられた潤滑油の一部は、上記分岐通路を通ってクランク軸(33)と下部軸受部材(7)との摺動部に供給され、残りの潤滑油は、クランク軸(33)(偏心部(33b))の上端面から流出する。
クランク軸(33)の上端面から流出した潤滑油は、図2に示すように、油室(S3)、軸受隙間(S4)を通ってクランク室(S5)に流入する。このとき、クランク軸(33)と可動スクロール(22)のボス部(22c)との摺動部が潤滑油で潤滑される。クランク室(S5)に流入した潤滑油は、上部軸受部材(6)の上部から上部軸受部材(6)内(内輪(61)と外輪(62)との間)に流入する。
上部軸受部材(6)内に流入した潤滑油は、クランク軸(33)の回転による遠心力によって外輪(62)側(径方向外方)にもっていかれ、外輪軌道面(62a)を伝うようにして下方に流れて環状通路部(52a)に流入する。つまり、ハウジング(5)は、上部軸受部材(6)から流れ落ちた潤滑油を受け止めている。
環状通路部(52a)に流入した潤滑油は、上向き通路部(52b)に流入し、該上向き通路部(52b)で上方に導かれてから外向き通路部(52c)及び排出通路部(52d)を通って、ガイド部材と胴体(41)の間、及びステータ(31)と胴体(41)の間を通過し、46へと戻される。そうして、潤滑油は、下部空間(S2)を通って油溜まり(46)に戻される。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、内輪(61)は、該上部軸受部材(6)の転動体(63)と接する内輪本体(61a)と、該内輪本体(61a)の下端から下側に突出する円筒部(61b)とを有し、この円筒部(61b)が外輪(62)よりも下側に突出している。一方、ハウジング(5)は、円筒部(61)を囲むように配置されるシール部(53)を有しており、円筒部(61)の外周面(61d)とシール部(53)の内周面(53a)とがクリアランスシールを形成している。つまり、クリアランスシールが、上部軸受部材(6)の内輪(61)の一部である円筒部(61b)と、ハウジング(5)の一部である下部ハウジング(56)とによって形成されている。そして、上部軸受部材(6)の内輪(61)は、バランスウェイトのように重量が偏っておらず、回転バランスが優れており、水平方向に振れないので、その一部である円筒部(61b)も振れない。したがって、当該円筒部(61b)と下部ハウジング(56)との間のクリアランスを従来よりも小さく設定することができる。よって、上部軸受部材(6)から流れ落ちた潤滑油を受け止める箇所に形成されたクリアランスのシール性を向上させることができ、内輪(61)とシール部(53)との間のクリアランスを通って漏れ出す潤滑油の量を削減することができる。
上記実施形態によれば、内輪(61)は、該上部軸受部材(6)の転動体(63)と接する内輪本体(61a)と、該内輪本体(61a)の下端から下側に突出する円筒部(61b)とを有し、この円筒部(61b)が外輪(62)よりも下側に突出している。一方、ハウジング(5)は、円筒部(61)を囲むように配置されるシール部(53)を有しており、円筒部(61)の外周面(61d)とシール部(53)の内周面(53a)とがクリアランスシールを形成している。つまり、クリアランスシールが、上部軸受部材(6)の内輪(61)の一部である円筒部(61b)と、ハウジング(5)の一部である下部ハウジング(56)とによって形成されている。そして、上部軸受部材(6)の内輪(61)は、バランスウェイトのように重量が偏っておらず、回転バランスが優れており、水平方向に振れないので、その一部である円筒部(61b)も振れない。したがって、当該円筒部(61b)と下部ハウジング(56)との間のクリアランスを従来よりも小さく設定することができる。よって、上部軸受部材(6)から流れ落ちた潤滑油を受け止める箇所に形成されたクリアランスのシール性を向上させることができ、内輪(61)とシール部(53)との間のクリアランスを通って漏れ出す潤滑油の量を削減することができる。
また、上記実施形態によれば、円筒部(61b)が内輪本体(61a)よりも径方向外側にある転動体(63)と当接し、内輪(61)に圧入されたクランク軸(33)が上方に移動するのを規制するので、クランク軸(33)の上方にある圧縮機構(2)に衝撃が加わるのを防止することができる。
−実施形態の変形例−
図3は実施形態の変形例に係る圧縮機(1)の図2相当図である。本変形例の内輪(64)では、円筒部(64b)が内輪本体(64a)と同一径となっている。この変形例によれば、円筒部(64b)が内輪本体(64a)と同一径なので、上記実施形態の内輪(61)と比較して加工が容易となる。
図3は実施形態の変形例に係る圧縮機(1)の図2相当図である。本変形例の内輪(64)では、円筒部(64b)が内輪本体(64a)と同一径となっている。この変形例によれば、円筒部(64b)が内輪本体(64a)と同一径なので、上記実施形態の内輪(61)と比較して加工が容易となる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
上記実施形態では、本発明に係る圧縮機をスクロール圧縮機(1)に適用した例について説明したが、これに限定されず、その他のタイプの圧縮機に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、潤滑油の通過経路におけるシール性の向上について有用である。
1 圧縮機
2 圧縮機構
4 ケーシング
5 ハウジング(油受け部材)
6 上部軸受部材(転がり軸受)
33 クランク軸(駆動軸)
53 シール部
53a シール部の内周面
56 下部ハウジング(油受け部)
61,64 内輪
61a,64a 内輪本体
61b,64b 円筒部
61d,64d 円筒部の外周面
62 外輪
63 転動体
2 圧縮機構
4 ケーシング
5 ハウジング(油受け部材)
6 上部軸受部材(転がり軸受)
33 クランク軸(駆動軸)
53 シール部
53a シール部の内周面
56 下部ハウジング(油受け部)
61,64 内輪
61a,64a 内輪本体
61b,64b 円筒部
61d,64d 円筒部の外周面
62 外輪
63 転動体
Claims (2)
- 底部に潤滑油を貯留するケーシング(4)と、
上記ケーシング(4)内に収容され、流体を吸入して圧縮する圧縮機構(2)と、
上記ケーシング(4)内に収容されて該ケーシング(4)に固定され、圧縮機構(2)が設けられているハウジング(5)と、
軸方向が上下方向となるように上記ケーシング(4)内に収容されて上記圧縮機構(2)を駆動する駆動軸(33)と、
上記ハウジング(5)に設けられて上記駆動軸(33)を支持し、上記ケーシング(4)の底部から供給された潤滑油によって潤滑される転がり軸受(6)と、
上記ハウジング(5)の一部を構成し、該転がり軸受(6)から流れ落ちた上記潤滑油を受け止める油受け部(56)とを備えた圧縮機であって、
上記転がり軸受(6)の内輪(61,64)は、該転がり軸受(6)の転動体(63)と接する内輪本体(61a,64a)と、該内輪本体(61a,64a)の下端から該転がり軸受(6)の外輪(62)よりも下側に突出する円筒部(61b,64b)とを有し、
上記油受け部(56)は、上記円筒部(61b,64b)を囲むように配置されるシール部(53)を有し、該円筒部(61b,64b)の外周面(61d, 64d)と該シール部(53)の内周面(53a)とがクリアランスシールを形成することを特徴とする圧縮機。 - 請求項1において、
上記円筒部(61b)の外径は、上記内輪本体(61a)の外径よりも大きいことを特徴とする圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013265667A JP2015121277A (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013265667A JP2015121277A (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015121277A true JP2015121277A (ja) | 2015-07-02 |
Family
ID=53533061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013265667A Pending JP2015121277A (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015121277A (ja) |
-
2013
- 2013-12-24 JP JP2013265667A patent/JP2015121277A/ja active Pending
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