JP5328536B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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本発明は、空気調和機、給湯機及び冷凍機等に搭載されるスクロール圧縮機に関し、特に揺動スクロールとフレームとの間のスラスト面における焼付きや摩耗の発生と摩擦損失を抑制するスクロール圧縮機に関するものである。
従来のスクロール圧縮機には、揺動スクロールとフレームとの間のスラスト面において、焼付きや摩耗の抑制を図ったものがある。このような従来のスクロール圧縮機としては、例えば「軸受ハウジング5に、駆動軸4の偏心軸部41を受入れる旋回部53と、可動スクロール2の背面を支持するスラスト受面52を設ける。スラスト受面52の径方向ほぼ中央部に環状油溝54を設ける。駆動軸4の主給油通路42と環状油溝54とを連通する分岐通路55を形成する。スラスト受面52に設ける環状油溝54に開口する複数の給油口57を設け、これら給油口57を、駆動軸4の主給油通路42から分岐する分岐通路55に連通させる。」(例えば特許文献1参照)というものが提案されている。
また、特許文献1には、上記以外の経路からも揺動スクロールとフレームとの間のスラスト面に給油するため、「前記スラスト軸受部材8に、一端が、環状油溝54より径方向内方側のスラスト受面52に開口し、他端が環状通路81に開口する内側給油口83を設けた」という構成が開示されている。
特開平8−61255号公報(要約、段落0018、図2、図4)
しかしながら、従来のスクロール圧縮機は、揺動スクロールとフレームとの間のシール機能が不十分であるため、揺動スクロールとフレームとの間に供給された潤滑油が外周側に漏洩しやすい。このため、揺動スクロールとフレームとの間のスラスト面に油膜破断が発生し、スラスト面において焼付きや摩耗が発生し、スラスト面の摩擦損失が増大してしまうという問題点があった。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたものであり、揺動スクロールとフレームとの間のスラスト面において、焼付きや摩耗の発生を抑制し、摩擦損失の増大を抑制することができるスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
本発明に係るスクロール圧縮機は、台板の一方の面に渦巻き歯が形成された固定スクロールと、台板のスラスト面部が設けられた面と反対側の面に渦巻き歯が形成され、該渦巻き歯と前記固定スクロールの渦巻き歯とを組み合わせて圧縮室が形成される揺動スクロールと、前記揺動スクロールのスラスト面部と対向するスラスト面部が設けられ、前記圧縮室で冷媒を圧縮する際に前記揺動スクロールに作用する荷重を支持するフレームと、を備え、前記揺動スクロールのスラスト面部又は前記フレームのスラスト面部の一方のスラスト面には、給油経路と連通する環状の給油溝が形成され、前記揺動スクロールのスラスト面部又は前記フレームのスラスト面部の一方のスラスト面には、前記給油溝の外周側となる位置に、前記給油溝の半径方向断面積よりも半径方向断面積の小さい環状溝が形成され、前記給油溝が形成された側のスラスト面部は、中空の円板形状をしており、前記給油溝は、前記スラスト面部の内径と前記スラスト面部の外径の中間位置よりも外周側のみに形成されているものである。
本発明によれば、揺動スクロールのスラスト面部又は前記フレームのスラスト面部の一方のスラスト面には、給油経路と連通する環状の給油溝が形成され、揺動スクロールのスラスト面部又はフレームのスラスト面部の一方のスラスト面には、前記給油溝の外周側となる位置に、給油溝の半径方向断面積よりも半径方向断面積の小さい環状溝が形成され、給油溝が形成された側のスラスト面部は、中空の円板形状をしており、給油溝は、スラスト面部の内径とスラスト面部の外径の中間位置よりも外周側のみに形成されている。このため、ラビリンス効果によって、揺動スクロールのスラスト面部とフレームのスラスト面部との間に供給された潤滑油が外周側へ漏洩することを抑制できる。したがって、揺動スクロールのスラスト面部とフレームのスラスト面部との間において、焼付きや摩耗の発生を抑制し、摩擦損失の増大を抑制することができる。
本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の縦断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の圧縮部周辺を示す要部拡大図(縦断面模式図)である。 本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機に設けられたスラスト軸受のスラスト面を示す外観図である。 本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の潤滑性能を検証するためのスラスト軸受を示す外観図である。 従来のスクロール圧縮機の潤滑性能を検証するためのスラスト軸受を示す外観図である。 スラスト軸受140に作用する油膜圧力の分布状態を示す特性図である。 スラスト軸受240に作用する油膜圧力の分布状態を示す特性図である。 スラスト軸受140及びスラスト軸受240における運転周波数と摩擦係数の関係を示す特性図である。
実施の形態.
図1は、本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の縦断面模式図である。図2はこのスクロール圧縮機の圧縮部周辺を示す要部拡大図(縦断面模式図)である。また、図3は、このスクロール圧縮機に設けられたスラスト軸受のスラスト面を示す外観図である。以下、これら図1〜図3を用いて、本実施の形態に係るスクロール圧縮機について説明する。なお、以下の説明では、図1に示す方向に基づいて、スクロール圧縮機100を説明する。
スクロール圧縮機100は、冷凍サイクル回路を循環する冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。このスクロール圧縮機100は、固定スクロール10及び揺動スクロール20等からなる圧縮部と、電動機60等からなる駆動部とにより構成されている。これら圧縮部及び駆動部は、密閉容器1内に収納されている。密閉容器1の下部は潤滑油8を貯留する油溜めとなっている。また、密閉容器1の側面部には冷媒ガスを吸入するための吸入口2が設けられており、密閉容器1の上部には冷媒ガスを吐出するための吐出口3が設けられている。
圧縮部は、固定スクロール10、揺動スクロール20、及びフレーム30等で構成されている。図1に示すように、揺動スクロール20は下側に、固定スクロール10は上側に配置されるようになっている。
固定スクロール10は、台板11の下面に渦巻き歯12が形成されている。また、揺動スクロール20にも、台板21の上面に、渦巻き歯12と実質的に同一形状の渦巻き歯22が形成されている。揺動スクロール20及び固定スクロール10は、渦巻き歯22と渦巻き歯12とを互いに組み合わせ、密閉容器1内の上部に収容されている。揺動スクロール20及び固定スクロール10が組み合わされた状態では、渦巻き歯12と渦巻き歯22の巻方向が互いに逆となる。そして、渦巻き歯22と渦巻き歯12との間には、相対的に容積が変化する圧縮室50が形成される。
固定スクロール10は、フレーム30や密閉容器1に、ボルト等(図示せず)によって固定されている。固定スクロール10の中央部には、圧縮され、高圧となった冷媒ガスを吐出する吐出ポート13が形成されている。また、吐出ポート13の上部には、吐出弁14が設けられている。圧縮室50内の冷媒が所定の圧力まで圧縮されると、吐出弁14が開き、圧縮された冷媒は吐出口3からスクロール圧縮機100の外部へ吐出される。
揺動スクロール20は、自転運動を阻止するためのオルダム継手36により、固定スクロール10に対して自転運動することなく揺動運動を行うようになっている。この揺動スクロール20は、下面の略中心部に、中空円筒形状のボス部23が形成されている。このボス部23には揺動軸受24が設けられている。揺動スクロール20は、揺動軸受24を介して後述する主軸63からの駆動力が伝達される。
揺動スクロール20の下面には、ボス部23を取り囲むように、略中空円板形状のスラスト軸受40が設けられている。ここで、スラスト軸受40が、本発明のスラスト面部に相当する。つまり、本実施の形態では、スラスト面部を揺動スクロール20とは別部品で構成している。
スラスト軸受40の下面、つまりスラスト軸受40のスラスト面には、環状の給油溝41が形成されている。この給油溝41は、スラスト軸受40の内径とスラスト軸受40の外径の略中間位置に形成されている。この給油溝41は、フレーム15に形成された給油口32を介して潤滑油8が供給される。そして、揺動スクロール20が揺動運動しているときでも給油溝41へ潤滑油8を常時供給可能となるように、給油溝41の溝幅が設定されている。つまり、揺動スクロール20のいずれの揺動位置においても、給油溝41と給油口32の給油出口32aとが重なり合うように(給油溝41と給油口32が連通するように)、給油溝41の溝幅が設定されている。
また、スラスト軸受40のスラスト面(下面)には、給油溝41の外周側に、環状溝42が形成されている。この環状溝42の半径方向の断面積は、給油溝41の半径方向の断面積よりも小さくなっている。
フレーム30は、揺動軸受の下方に設けられており、スクロール面部において揺動スクロール20を支持している。本実施の形態のフレーム30は、揺動スクロール20を支持するスクロール面部を別部品であるフレーム31で構成している。つまり、フレーム31の上面、つまりフレーム31のスラスト面で、揺動スクロール20を支持している。なお、フレーム31をスラスト軸受と称してもよい。
このフレーム31は、中空円板形状をしており、下面には環状の給油経路33が形成されている。また、フレーム31は、給油経路33とスラスト軸受40の給油溝41とを接続する給油口32が形成されている。
駆動部は、駆動軸である主軸63に固定されたローター61、ステーター62、及び回転軸である主軸63等で構成されている。ローター61及びステーター62は、複数の電磁鋼板が主軸63の軸方向に積層されて構成されている。ローター61は、主軸63に固定され、ステーター62への通電が開始することにより回転駆動し、主軸63を回転させるようになっている。また、ステーター62は密閉容器1の内周面に固定されている。すなわち、ステーター62及びローター61で電動機60を構成している。
主軸63は、上部に偏芯軸部63aが形成されている。この偏芯軸部63aは、揺動スクロール20のボス部23に挿入されている。主軸63は、ローター61の回転に伴って回転し、揺動スクロール20を揺動させるようになっている。この主軸63は、偏芯軸部63aの下方がフレーム30に設けられた主軸受34によって支持されている。また、主軸63の下部は、ボールベアリング4によって回転自在に支持されている。このボールベアリング4は、密閉容器1の下部に設けられたサブフレーム5の略中央部に形成されている。また、サブフレーム5には、給油ポンプ6が設けられている。この給油ポンプ6に回転力を伝達するポンプ軸は、例えば主軸63と一体形成されている。給油ポンプで吸引された潤滑油8は、主軸63の内部形成された給油管63b等を介して各摺動部に送られる。
また、主軸63の上部及びローター61の下部には、揺動スクロール20と主軸63の回転中心に対してアンバランスを相殺するため、バランサー64及びバランサー65のそれぞれが設けられている。
(動作説明)
続いて、スクロール圧縮機100の動作について説明する。
電動機60に電圧が印加されると、ステーター62の電線部に電流が流れて磁界が発生する。この磁界はローター61を回転させるように働き、ローター61と共に主軸63が回転駆動される。主軸63が回転駆動されると、偏芯軸部63aを介して揺動軸受24もボス部23内で回転する。そして、オルダム継手36により自転を抑制された揺動スクロール20は、揺動運動を行う。これにより、冷媒の吸入過程が開始される。
吸入過程が開始されると、冷媒が吸入口2から密閉容器1内に流入する。密閉容器1内に流入した冷媒は、圧縮室50に吸入される。圧縮室50は、揺動スクロール20の揺動運動によって揺動スクロール20の中心へ移動し、体積が縮小される。この工程により、圧縮室50に吸入された冷媒は圧縮される。このとき、圧縮される冷媒により固定スクロール10と揺動スクロール20は軸方向に離れようとする荷重が作用する。揺動スクロール20に作用するこの荷重は、スラスト軸受40を介して、フレーム31に支持される。圧縮された冷媒は、固定スクロール10の吐出ポート13及び吐出口3を介して密閉容器1から吐出される。
スクロール圧縮機100の動作中、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間等の各摺動部には、焼付きや摩耗の発生を抑制する目的や、摩擦損失の増大を抑制する目的で、潤滑油8が供給される。以下に、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間への給油動作について説明する。
主軸63が回転駆動されると、密閉容器1の下部に貯留されている潤滑油8は、給油ポンプ6によって給油管63bへ汲み上げられる。給油管63bへ汲み上げられた潤滑油8は、揺動軸受24とボス部23との間に流入する。そして、この潤滑油8は、給油経路33及び給油口32を通って、スラスト軸受40の給油溝41に供給される。給油溝41に供給された潤滑油8は、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間に供給される。
このとき、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間に供給された潤滑油8は、遠心力によって、スラスト軸受40の外周側に流れ出ようとする。しかしながら、本実施の形態に係るスラスト軸受には給油溝41の外周側に環状溝42が設けられているため、環状溝42の位置でラビリンス効果(シール効果)が発生する。これにより、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間に供給された潤滑油8がスラスト軸受の外周部に漏洩することを抑制している。このため、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間において、各スラスト面の焼付きや摩耗の発生を抑制し、スラスト面間の摩擦損失の増大を抑制することができる。
上述のように本実施の形態に係るスクロール圧縮機では、給油溝41の外周側に環状溝42を形成することにより、スラスト軸受40とフレーム31との間の潤滑性能を向上させた。一方、従来のスクロール圧縮機では、給油溝41よりも径方向内側に内側給油口を形成し、スラスト軸受40とフレーム31との間の潤滑性能の向上を図っている。以下に、内側給油口を形成することによる潤滑性能の向上効果を検討する。なお、以下では、スラスト軸受40のスラスト面に作用する油膜圧力の分布状態を検証し、内側給油口を形成することによる潤滑性能の向上効果を検討した。
図4は、本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の潤滑性能を検証するためのスラスト軸受を示す外観図である。また、図5は、従来のスクロール圧縮機の潤滑性能を検証するためのスラスト軸受を示す外観図である。
図4に示すスラスト軸受140のスラスト面には、スラスト軸受140の内径とスラスト軸受140の外径の略中間位置に給油溝141が形成されている。図5に示すスラスト軸受240のスラスト面にも、給油溝241が形成されている。給油溝241は、スラスト軸受240の内径とスラスト軸受240の外径の略中間位置よりも外周側に形成されている。また、スラスト軸受240のスラスト面には、内側給油口に相当する環状溝242も形成されている。なお、内側給油口を形成することによる潤滑性能の向上効果を検討するため、スラスト軸受140のスラスト面には、環状溝42を形成していない。
これらスラスト軸受140及びスラスト軸受240のそれぞれを揺動スクロール20の下面に取り付けた場合について、スラスト軸受のスラスト面に作用する油膜圧力の分布状態を計算した。なお、潤滑油8の粘度を0.025[Pa・s](25[cP])とし、運転周波数を変化させ、スラスト軸受のスラスト面に作用する油膜圧力の分布状態を計算した。
図6は、スラスト軸受140に作用する油膜圧力の分布状態を示す特性図である。図7は、スラスト軸受240に作用する油膜圧力の分布状態を示す特性図である。また、図8は、スラスト軸受140及びスラスト軸受240における運転周波数と摩擦係数の関係を示す特性図である。
これら図6及び図7は、運転周波数を80[rps]としたときにスラスト軸受に作用する油膜圧力の分布状態を示している。また、図6及び図7は、スラスト軸受が紙面下方から上方に揺動運動を行っている場合の計算結果を示している。図6及び図7では、色が薄い範囲ほど高い油膜圧力が発生しており、色が濃い範囲ほど油膜圧力が低いことを表している。
図6及び図7からわかるように、スラスト軸受140の進行方向側には、給油溝141の外周側に油膜圧力の上昇している範囲が存在している。同様に、スラスト軸受240の進行方向側にも、給油溝241の外周側に油膜圧力の上昇している範囲が存在している。スラスト軸受の進行方向側において存在する油膜圧力の上昇している範囲は、スクイズ効果により油膜圧力が上昇している範囲である。以下、スラスト軸受140においてスクイズ効果により発生する圧力を圧力143という。スラスト軸受240においてスクイズ効果により発生する圧力を圧力243という。
また、図6及び図7からわかるように、スラスト軸受140の進行方向と反対側には、給油溝141の内周側に油膜圧力の上昇している範囲が存在している。同様に、スラスト軸受240の進行方向と反対側にも、給油溝241の内周側に油膜圧力の上昇している範囲が存在している。スラスト軸受の進行方向と反対側において存在する油膜圧力の上昇している範囲は、流体潤滑の油膜圧力による圧力上昇範囲である。以下、スラスト軸受140の流体潤滑による油膜圧力を圧力144という。スラスト軸受240の流体潤滑による油膜圧力を圧力244という。
ここで、スラスト軸受140(図6)とスラスト軸受240とを比較すると、スラスト軸受240の給油溝241はスラスト軸受140の給油溝141よりも外周側に形成されているにもかかわらず、スラスト軸受240の圧力244の範囲はスラスト軸受140の範囲よりも小さくなっている。スラスト軸受240においては、内側給油口に相当する環状溝242によって圧力244の形成が阻害されるためである。このため、図8に示すように、いずれの運転周波数においても、スラスト軸受140(図8における本発明の実施の形態)の摩擦係数はスラスト軸受240(図8における従来の技術)の摩擦係数よりも小さくなる。これより、スラスト軸受140は、スラスト軸受140のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間において、焼付きや摩耗の発生を抑制でき、摩擦損失の増大を抑制できることがわかる。
再び図6に着目すると、スラスト軸受140の給油溝141はスラスト軸受140の内径とスラスト軸受140の外径の略中間位置に形成されているので、圧力143と圧力144がバランス良く形成されていることがわかる。このため、スラスト軸受140は、スラスト軸受140のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間において、流体潤滑が確保されやすいことがわかる。
したがって、スクロール圧縮機100において、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間での焼付きや摩耗の発生を抑制し、摩擦損失の増大を抑制するには、スラスト軸受40の給油溝41をスラスト軸受40の内径とスラスト軸受40の外径の略中間位置に形成することが望ましい。なお、スクイズ効果と流体潤滑による油膜圧力とを比較すると、油膜圧力の方が潤滑性能を改善する効果が大きい。したがって、給油溝41の形成位置を、スラスト軸受240の内径とスラスト軸受240の外径の略中間位置よりも外周側としてもよい。
以上、このように構成されたスクロール圧縮機100においては、スラスト軸受40のスラスト面に給油口32と連通する環状の給油溝41が形成されている。また、給油溝41の外周側となる位置に、給油溝41の半径方向断面積よりも半径方向断面積の小さい環状溝42が形成されている。このため、ラビリンス効果によって、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間に供給された潤滑油8が外周側へ漏洩することを抑制できる。したがって、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間において、焼付きや摩耗の発生を抑制し、摩擦損失の増大を抑制することができる。
また、揺動スクロール20のいずれの揺動位置においても、給油溝41と給油口32の給油出口32aとが重なり合うように、給油溝41の溝幅が設定されている。このため、揺動スクロール20が揺動運動しているときでも、給油溝41へ潤滑油8を常時供給することが可能となる。
また、スラスト軸受40の給油溝41を、スラスト軸受40の内径とスラスト軸受40の外径の略中間位置から外周側に形成している。このため、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間において、潤滑油8の潤滑性能が向上する。
また、揺動スクロール20のスラスト面部を別部品であるスラスト軸受40で形成しているので、スラスト軸受40を潤滑性能の良い部材で形成することができる。
また、給油溝41と環状溝42はスラスト軸受40に形成されている。給油溝41と環状溝42とを同一部品に形成することにより、揺動スクロール100の加工コストを低減させることができる。
なお、本実施の形態ではスクロール圧縮機100に使用する冷媒について特に言及しなかったが、例えば、二酸化炭素、炭化水素、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、又はハイドロフルオロオレフィン等の冷媒を使用することができる。特に、作動圧力が高圧となる冷媒を使用する場合、スラスト軸受40のスラスト面とフレーム31のスラスト面との間の潤滑性能が高いスクロール圧縮機100を用いることは有効である。
また、本実施の形態ではスラスト軸受40を揺動スクロール20側に設けたが、スラスト軸受40をフレーム30(フレーム31)側に設けてももちろんよい。また、スラスト軸受40を、揺動スクロール20やフレーム30(フレーム31)と一体形成してもよい。また、給油溝41と環状溝42は、異なる部品のスラスト面に設けてもよい。
また、本実施の形態では給油口32を1つ設けたが、給油口32の数は任意である。また、スラスト軸受40の給油溝41への給油経路は任意である。例えば、密閉容器1の下部に貯留された潤滑油8を、給油管63bを介さずに、直接給油口32に供給してもよい。
1 密閉容器、2 吸入口、3 吐出口、4 ボールベアリング、5 サブフレーム、6 給油ポンプ、8 潤滑油、10 固定スクロール、11 台板、12 渦巻き歯、13 吐出ポート、14 吐出弁、20 揺動スクロール、21 台板、22 渦巻き歯、23 ボス部、24 揺動軸受、30 フレーム、31 フレーム、32 給油口、32a 給油出口、33 給油経路、34 主軸受、36 オルダム継手、40 スラスト軸受、41 給油溝、42 環状溝、50 圧縮室、60 電動機、61 ローター、62 ステーター、63 主軸、63a 偏芯軸部、63b 給油管、64 バランサー、65 バランサー、100 スクロール圧縮機、140 スラスト軸受、141 給油溝、143 圧力(スラスト効果によるもの)、144 圧力(流体潤滑による油膜圧力)、240 スラスト軸受、241 給油溝、242 環状溝、243 圧力(スラスト効果によるもの)、244 圧力(流体潤滑による油膜圧力)。

Claims (3)

  1. 台板の一方の面に渦巻き歯が形成された固定スクロールと、
    台板のスラスト面部が設けられた面と反対側の面に渦巻き歯が形成され、該渦巻き歯と前記固定スクロールの渦巻き歯とを組み合わせて圧縮室が形成される揺動スクロールと、
    前記揺動スクロールのスラスト面部と対向するスラスト面部が設けられ、前記圧縮室で冷媒を圧縮する際に前記揺動スクロールに作用する荷重を支持するフレームと、
    を備え、
    前記揺動スクロールのスラスト面部又は前記フレームのスラスト面部の一方のスラスト面には、給油経路と連通する環状の給油溝が形成され、
    前記揺動スクロールのスラスト面部又は前記フレームのスラスト面部の一方のスラスト面には、前記給油溝の外周側となる位置に、前記給油溝の半径方向断面積よりも半径方向断面積の小さい環状溝が形成され
    前記給油溝が形成された側のスラスト面部は、中空の円板形状をしており、
    前記給油溝は、前記スラスト面部の内径と前記スラスト面部の外径の中間位置よりも外周側のみに形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記揺動スクロール及び前記フレームのうち少なくとも一方の部品には、スラスト軸受が設けられ、
    該スラスト軸受が、該スラスト軸受が設けられた部品のスラスト面部となることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記給油溝及び前記環状溝は、同一のスラスト面部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。
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