JP2015121145A - 内燃機関および内燃機関のカバー取付構造 - Google Patents

内燃機関および内燃機関のカバー取付構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2015121145A
JP2015121145A JP2013265157A JP2013265157A JP2015121145A JP 2015121145 A JP2015121145 A JP 2015121145A JP 2013265157 A JP2013265157 A JP 2013265157A JP 2013265157 A JP2013265157 A JP 2013265157A JP 2015121145 A JP2015121145 A JP 2015121145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
hole
cover member
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013265157A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6417662B2 (ja
Inventor
啓之 川合
Hiroyuki Kawai
啓之 川合
栗田 洋孝
Hirotaka Kurita
洋孝 栗田
善晴 武田
Yoshiharu Takeda
善晴 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2013265157A priority Critical patent/JP6417662B2/ja
Priority to EP14861983.6A priority patent/EP3070376B1/en
Priority to US15/036,271 priority patent/US10060530B2/en
Priority to PCT/JP2014/077921 priority patent/WO2015072292A1/ja
Priority to CN201480062458.8A priority patent/CN105829782B/zh
Priority to BR112016009484-0A priority patent/BR112016009484B1/pt
Publication of JP2015121145A publication Critical patent/JP2015121145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6417662B2 publication Critical patent/JP6417662B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】エンジン本体の熱影響を受けてカバー部材が変形しやすい場合であっても、クランクシャフトに対するオイルシールの位置ずれが抑制されてオイルが漏れ出るのを抑制することが出来る。【解決手段】クランクシャフトに装着されるオイルシールと、オイルシールを固定するためのオイルシール固定部およびエンジン本体10に取り付けるための段付ボルト90が挿入される複数の貫通孔22bを含む樹脂製のタイミングチェーンカバー(TCC)20と、TCCとエンジン本体との間に配置されたシール部材5とを備える。TCCは、シール部材を介してエンジン本体から離間した状態で段付ボルトによりエンジン本体に取り付けられており、TCCの貫通孔の内径d1は、貫通孔の内側面22eと段付ボルトの外側面92aとの間にTCCの熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間Sが生じるような大きさに設定される。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関および内燃機関のカバー取付構造に関し、特に、内燃機関本体にシール部材を介して取り付けるための締結部材が挿入される複数の取付孔が設けられたカバー部材を備えた内燃機関および内燃機関のカバー取付構造に関する。
従来、内燃機関本体にシール部材を介して取り付けるための締結部材が挿入される複数の取付孔が設けられたカバー部材を備えた内燃機関などが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、エンジンブロック(内燃機関本体)と、エンジンブロックを上方から覆う樹脂製のシリンダヘッドカバー(カバー部材)とを備えたエンジン(内燃機関)のカバー取付構造が開示されている。この特許文献1に記載のエンジンのカバー取付構造では、シリンダヘッドカバーは下面側が開放された箱形状を有しており、シリンダヘッドカバーの開口縁部をエンジンブロックの周縁部に対向させた状態で、シリンダヘッドカバーの開口縁部に沿って形成されたボルト締結孔に締結ボルト(締結部材)が挿通されエンジンブロック側に締め込まれることにより、シリンダヘッドカバーがシール部材を介してエンジンブロックに取り付けられている。なお、樹脂製のシリンダヘッドカバーのボルト締結孔には、補強用のカラー部材が一体成形されており、金属製のカラー部材によって締結ボルトの軸力が受け止められている。また、締結ボルトの胴部がカラー部材の内側面に隙間なく嵌合されることによって、シリンダヘッドカバー固定時のエンジンブロックに対する位置決めが図られていると考えられる。
特開2001−152966号公報
上記特許文献1に記載されたエンジンのカバー取付構造では、エンジンブロック(内燃機関本体)に取り付けられたシリンダヘッドカバー(カバー部材)は内燃機関本体の熱影響を受けて変形(熱膨張または熱収縮)しやすくなる。この際、カバー部材の周縁部においては内燃機関本体に締め込まれた締結ボルトの胴部がカラー部材の内側面に隙間なく嵌合されて部材の固定位置が拘束されるので、熱によるカバー部材の変形は相対的に拘束力が弱められた天井部などに集中してこの部分の部材形状を変形させる傾向が強まる。ここで、カバー部材として、たとえばタイミングチェーンカバーなどのようにクランクシャフトが貫通された状態で内燃機関本体側方に取り付けられるカバー部材も存在する。この場合、カバー部材のクランクシャフトが貫通される部分にはオイルシールが装着される。しかしながら、上記特許文献1に記載されたエンジンのカバー取付構造のように締結ボルトから遠い部分が熱影響を受けて変形(熱膨張または熱収縮)しやすい場合、カバー部材側に装着されたオイルシールが、カバー部材の変形とともに位置ずれを起こしてしまい、オイルが漏れ出る場合があると考えられる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、内燃機関本体の熱影響を受けてカバー部材が変形しやすい場合であっても、クランクシャフトに対するオイルシールの位置ずれが抑制されてオイルが漏れ出るのを抑制することが可能な内燃機関および内燃機関のカバー取付構造を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における内燃機関は、内燃機関本体のクランクシャフトに装着されるオイルシールと、クランクシャフトに装着されたオイルシールを固定するためのオイルシール固定部と、内燃機関本体に取り付けるための第1締結部材が挿入される複数の第1本体取付孔とを含む樹脂製のカバー部材と、カバー部材の複数の第1本体取付孔の近傍の内側において、カバー部材と内燃機関本体との間に配置されたシール部材とを備え、カバー部材は、シール部材を介して内燃機関本体から離間した状態で第1締結部材により内燃機関本体に取り付けられており、カバー部材の第1本体取付孔の内径は、第1本体取付孔と第1本体取付孔に挿入された第1締結部材との間に、樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による第1本体取付孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間が生じるような大きさに設定されている。
この発明の第1の局面による内燃機関では、上記のように、カバー部材がシール部材を介して内燃機関本体から離間した状態で第1締結部材により内燃機関本体に取り付けられており、第1本体取付孔と第1本体取付孔に挿入された第1締結部材との間に、樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による第1本体取付孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間が生じるような大きさにカバー部材の第1本体取付孔の内径を設定することによって、内燃機関本体にシール部材を介して樹脂製のカバー部材が取り付けられた状態でこのカバー部材が内燃機関本体の熱影響を受ける場合であっても、第1本体取付孔と第1本体取付孔に挿入された第1締結部材との間に設けられた隙間を利用してシール部材により浮かされたカバー部材の変形(熱膨張および熱収縮)を逃がすことができる。これにより、上記した隙間を考慮せず第1本体取付孔の内径が設定されて第1本体取付孔が第1締結部材により完全に拘束される場合と異なり、本発明の「隙間」によって第1本体取付孔でカバー部材の変形が吸収される分、カバー部材におけるオイルシール固定部周辺には部材変形力が集中しない。したがって、内燃機関本体の熱影響を受けてカバー部材が変形した場合であっても、オイルシール固定部周辺が変形しにくくなる分、クランクシャフトに対するオイルシールの位置ずれが抑制されてオイルが漏れ出るのを抑制することができる。
また、上記一の局面による内燃機関では、カバー部材と内燃機関本体との間にはシール部材が配置されるので、内燃機関本体の振動が樹脂製のカバー部材に直接的に伝わって騒音源および振動源になることもなく、その上で、内燃機関本体内のオイルが、シール部材によって浮かされたカバー部材と内燃機関本体との隙間から外部に漏れ出すのを確実に回避することができる。
上記第1の局面による内燃機関において、好ましくは、複数の第1本体取付孔の内径は、第1本体取付孔と第1本体取付孔に挿入された第1締結部材との間に、樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による第1本体取付孔の位置ずれ量以上の大きさの隙間が生じるような大きさに設定されている。このように構成すれば、第1本体取付孔と第1本体取付孔に挿入された第1締結部材との間に設けられた隙間を利用してカバー部材の変形(熱膨張および熱収縮)に伴う第1本体取付孔の位置ずれを確実に吸収することができる。したがって、カバー部材のオイルシール固定部周辺に変形が発生(集中)するのを確実に回避することができる。
上記第1の局面による内燃機関において、好ましくは、複数の第1本体取付孔は、カバー部材の縁部に沿って設けられており、オイルシールから各々の第1本体取付孔までの距離が増加するのにしたがって隙間が大きくなるように設定されている。このように構成すれば、オイルシールからの距離の増加とともにカバー部材の変形(反り)量が増加する場合においても、カバー部材の変形量(第1本体取付孔の位置ずれ量)の増加に応じて隙間の大きさが調整されるように第1本体取付孔の内径が設定されているので、各々の第1本体取付孔においてカバー部材の変形(熱膨張および熱収縮)に伴う位置ずれを適切に吸収することができる。したがって、カバー部材のオイルシール固定部周辺に変形が発生するのを確実に回避することができる。
上記第1の局面による内燃機関において、好ましくは、第1締結部材のうちのカバー部材の内燃機関本体とは反対側の部分に当接するフランジ状部の外径は、カバー部材の第1本体取付孔の内径と第1締結部材の外径の半分の大きさとの差の2倍以上に設定されている。このように構成すれば、カバー部材の変形(熱膨張および熱収縮)に伴い第1本体取付孔が位置ずれを起こしたとしても、第1締結部材のうちのカバー部材の内燃機関本体とは反対側の部分に当接するフランジ状部の外径が、第1本体取付孔および第1締結部材に対して上記した寸法的な関係を有しているので、第1締結部材が相対的に第1本体取付孔の一方側の内側面近傍に接触したとしても、第1締結部材と第1本体取付孔の反対側の内側面との間の隙間(最大隙間)を確実に跨いでフランジ状部がカバー部材の内燃機関本体とは反対側の部分に当接するので、第1締結部材のフランジ状部が第1本体取付孔内に陥没するのを防止することができる。これにより、第1本体取付孔が位置ずれを起こした状態であっても、第1締結部材の締結力を損ねることなく樹脂製のカバー部材を内燃機関本体に確実に取り付けることができる。
上記第1の局面による内燃機関において、好ましくは、隙間は、樹脂製のカバー部材の熱膨張による第1本体取付孔の第1方向への位置ずれを吸収可能な第1方向側の第1隙間と、樹脂製のカバー部材の熱収縮による第1本体取付孔の第1方向とは反対の第2方向への位置ずれを吸収可能な第2方向側の第2隙間とを含む。このように構成すれば、カバー部材が内燃機関本体の熱影響を受けて熱膨張する場合および熱収縮する場合の両方の場合に、熱膨張による第1本体取付孔の第1方向への位置ずれを吸収可能な第1方向側の第1隙間かまたは熱収縮による第1本体取付孔の第2方向への位置ずれを吸収可能な第2方向側の第2隙間のいずれかを利用してカバー部材の変形を適切に逃がすことができる。
この場合、好ましくは、第1本体取付孔は、樹脂製のカバー部材の第1方向への位置ずれおよび第2方向への位置ずれをそれぞれ吸収可能な第1隙間および第2隙間を有するとともに第1方向および第2方向へ延びる長穴形状を有している。このように構成すれば、樹脂製のカバー部材が内燃機関本体の熱影響を受けて熱膨張する場合および熱収縮する場合に、長穴形状を有する第1本体取付孔の第1方向への位置ずれを吸収可能な第1隙間かまたは第1本体取付孔の第2方向への位置ずれを吸収可能な第2隙間のいずれかを容易に確保することができる。したがって、長穴形状を有して第1本体取付孔を形成した場合においても、シール部材を介して内燃機関本体から浮かされたカバー部材の変形を適切に逃がすことができる。なお、本発明における「長穴形状」とは、平面視において長円形状(トラック形状)および楕円形状を含む広い概念である。
上記第1の局面による内燃機関において、好ましくは、オイルシール固定部の近傍で、かつ、カバー部材の縁部よりも内側に配置され、内燃機関本体に第2締結部材を介して取り付けるための第2本体取付孔をさらに備える。このように構成すれば、内燃機関本体の熱影響を受けてカバー部材が変形(熱膨張および熱収縮)したとしても、オイルシール固定部の近傍でかつカバー部材の縁部よりも内側に配置された部分(領域)が第2本体取付孔に挿通された第2締結部材により内燃機関本体に締結されるので、カバー部材の変形がオイルシール固定部の近傍に大きく影響するのを抑制することができる。これにより、カバー部材の変形に起因するようなオイルシールの位置ずれをより効果的に抑制することができるので、オイルシールによるクランクシャフトに対する十分なシール性を確保することができる。また、オイルシール固定部の近傍が第2締結部材により内燃機関本体に固定される分、内燃機関本体の振動に起因してオイルシールが位置ずれを起こすのが抑制されるので、オイルシールが過度に摩耗するのを抑制することができる。
この発明の第2の局面における内燃機関のカバー取付構造は、内燃機関のクランクシャフトに装着されたオイルシールを固定するためのオイルシール固定部と、内燃機関本体に取り付けるための締結部材が挿入される複数の本体取付孔とを含む樹脂製のカバー部材と、カバー部材の複数の第1本体取付孔の近傍の内側において、カバー部材と内燃機関本体との間に配置されたシール部材とを備え、カバー部材は、シール部材を介して内燃機関本体から離間した状態で第1締結部材により内燃機関本体に取り付けられており、カバー部材の本体取付孔の内径は、本体取付孔と本体取付孔に挿入された締結部材との間に、樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による本体取付孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間が生じるような大きさに設定されている。
この発明の第2の局面による内燃機関のカバー取付構造では、上記のように、カバー部材がシール部材を介して内燃機関本体から離間した状態で第1締結部材により内燃機関本体に取り付けられており、本体取付孔と本体取付孔に挿入された締結部材との間に、樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による本体取付孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間が生じるような大きさにカバー部材の本体取付孔の内径を設定することによって、内燃機関本体にシール部材を介して樹脂製のカバー部材が取り付けられた状態でこのカバー部材が内燃機関本体の熱影響を受ける場合であっても、本体取付孔と本体取付孔に挿入された締結部材との間に設けられた隙間を利用してカバー部材の変形(熱膨張および熱収縮)を逃がすことができる。これにより、上記した隙間を考慮せず本体取付孔の内径が設定されて本体取付孔が第1締結部材により完全に拘束される場合と異なり、隙間によって本体取付孔でカバー部材の変形が吸収される分、カバー部材におけるオイルシール固定部周辺には部材変形が集中しない。したがって、内燃機関本体の熱影響を受けてカバー部材が変形した場合であっても、オイルシール固定部周辺が変形しにくくなる分、クランクシャフトに対するオイルシールの位置ずれが抑制されてオイルが漏れ出るのを抑制することができる。
なお、本出願では、上記第1の局面による内燃機関において、以下のような構成も考えられる。
(付記項)
すなわち、上記第1の局面による内燃機関において、第1締結部材は、ねじ部と、ねじ部を有すことなくねじ部よりも外径の大きい胴部とを含み、内燃機関本体は、カバー部材の複数の第1本体取付孔の各々に対応した位置にねじ穴が形成されており、内燃機関本体のねじ穴に第1締結部材のねじ部が締め込まれた状態で、第1本体取付孔と第1締結部材の胴部との間に、カバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による第1本体取付孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間が生じるように構成されている。このように構成すれば、内燃機関本体のねじ穴に第1締結部材のねじ部を締め込んでシール部材を介在させた状態での内燃機関本体に対するカバー部材の締結力を得る一方、ねじ溝のない平滑な外側面からなる胴部と第1本体取付孔との間に、第1本体取付孔の深さ方向に沿っても第1本体取付孔の位置ずれを吸収可能な隙間を確実に確保することができる。
本発明によれば、上記のように、内燃機関本体の熱影響を受けてカバー部材が変形しやすい場合であっても、クランクシャフトに対するオイルシールの位置ずれが抑制されてオイルが漏れ出るのを抑制することが可能な内燃機関および内燃機関のカバー取付構造を提供することができる。
本発明の第1実施形態によるエンジンの概略的な構成を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるエンジンをタイミングチェーンカバーが取り付けられた側から見た側面図である。 本発明の第1実施形態によるエンジンにおけるタイミングチェーンカバー単体を裏側(エンジン本体に取り付けられる側)から見た平面図である。 図2の110−110線に沿った断面図である。 図2の120−120線に沿った断面図である。 図2の120−120線に沿った断面図であり、タイミングチェーンカバーが変形(熱膨張)した場合の図である。 図2の130−130線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態によるエンジンをタイミングチェーンカバーが取り付けられた側から見た側面図である。 図8の250−250線に沿った断面図である。 図8の260−260線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態によるエンジンにおけるタイミングチェーンカバー単体を裏側(エンジン本体に取り付けられる側)から見た平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態によるエンジン100の構成について説明する。なお、以下では、エンジン100におけるクランクシャフト40の延びる方向をX方向とし、水平面内でクランクシャフト40に直交する方向をY方向とし、シリンダ2aの延びる垂直方向をZ方向として説明を行う。
本発明の第1実施形態による自動車用のエンジン100は、図1に示すように、シリンダヘッド1、シリンダブロック2およびクランクケース3を含むアルミニウム合金製のエンジン本体10を備えている。また、ガソリン機関からなるエンジン100は、エンジン本体10のX2側の側端部(縁部2b)に組み付けられタイミングチェーン4を含む動弁系タイミング部材を側方から覆うタイミングチェーンカバー20(以降、TCC20と称する)と、シリンダヘッド1の上側(Z1側)に組み付けられるヘッドカバー30とを備えている。なお、エンジン100は、本発明の「内燃機関」の一例であり、タイミングチェーンカバー(TCC)20は、本発明の「カバー部材」の一例である。
シリンダヘッド1の内部には、カムシャフトおよびバルブ機構(図示せず)などが配置されている。シリンダヘッド1の下方(Z2側)に接続されるシリンダブロック2の内部には、ピストン(図示せず)がZ方向に往復動するシリンダ2a(破線で示す)が形成されている。また、シリンダヘッド1には、シリンダブロック2に形成された複数(4つ)のシリンダ2aのそれぞれに吸気を導入する吸気装置(図示せず)が接続されている。また、シリンダブロック2の下方(Z2側)に接続されるクランクケース3の内部には、ピストンおよびコンロッドを介して回転可能に接続されたクランクシャフト40が配置されている。なお、図1においては、クランクシャフト40を概略棒形状に図示しているが、実際には、クランクシャフト40は、各シリンダ2aの直下において回転軸が偏心されたクランクピンとこのクランクピンを挟み込むバランスウェイトとがクランクジャーナルに接続されて構成されている。
また、シリンダブロック2の下部(Z2側)には、図7に示すように、クランクシャフト40がX2方向に挿通される貫通孔11と、貫通孔11から上下方向(Z方向)に各々所定距離だけ離間した位置に、TCC20組み付け時の位置決めを行うための凹部12とが形成されている。凹部12は、ねじ溝の形成されていない円筒部12aと、この円筒部12aよりも縮径され内面にねじ溝を有するねじ穴12bとを有する。また、クランクケース3の下部(Z2側)には、エンジンオイル(以降、単にオイルと称する)を溜めるオイル溜め部3aが設けられている。オイルは、図示しないオイルポンプによりオイル溜め部3aからエンジン本体10内の上部に汲み上げられてカムシャフトやピストン外側面などの摺動部を潤滑にした後、自重により落下してオイル溜め部3aに戻される。
TCC20は、図2に示すように、エンジン本体10(図1参照)のX2側の側端部に重なるような平面形状を有している。また、TCC20は、内面21a(図3参照)を有してX2側に膨らむ本体部21と、本体部21の長手方向に沿って延びる両端部(Y1側およびY2側)にフランジ状に形成された取付部22とを含む。取付部22は、図3に示すように、内面21a側に平坦な取付面22aを有しており、取付部22には所定の間隔を隔てて取付面22aを厚み方向(X方向)に貫通する複数の貫通孔22bが設けられている。なお、取付部22は、貫通孔22b周辺では貫通孔22bの正円形状に合わせて平面積(フランジの突出量)が増加されている。また、貫通孔22bは、取付部22のZ方向に延びる左右部分に6箇所ずつ形成されており、各々の貫通孔22bは、エンジン本体10(図1参照)の側端部の取付部15に形成されたねじ穴16(図1参照)に対応した位置に配置されている。なお、取付部22は、本発明の「縁部」の一例である。また、貫通孔22bは、本発明の「第1本体取付孔」および「本体取付孔」の一例である。
なお、TCC20およびヘッドカバー30(図1参照)にはポリアミド樹脂が用いられている。このような樹脂材料は、エンジン本体10を構成するアルミニウム合金よりも線膨張係数が大きい。したがって、TCC20やヘッドカバー30においては、エンジン本体10のアルミニウム合金よりも熱膨張または熱収縮(熱歪み)が発生しやすい。たとえば、TCC20は、エンジン100の製造時(工場出荷時)にエンジン本体10に取り付けられた状態と同一の温度であれば、熱膨張および熱収縮は生じない。これに対して、TCC20は、エンジン100の始動後に発熱するエンジン本体10(シリンダヘッド1およびシリンダブロック2)により暖められて本体部21周辺が熱膨張を起こす。また、TCC20は、エンジン100の停止後にエンジン本体10が冷えることによって、本体部21周辺が膨張していた状態から熱収縮を起こす。また、エンジン100が外気温度の低い環境下におかれた際には、TCC20は、本体部21周辺がさらなる熱収縮を起こす。
TCC20を裏面側(シリンダブロック2(図1参照)が取り付けられる側)から矢印X2方向に見た場合、図3に示すように、取付部22の取付面22a側に溝部22cが形成されている。溝部22cには弾性を有する材料からなるシール部材5(図4参照)の基部(根元部)側が嵌め込まれる。そして、シール部材5は、図4および図7に示すように、溝部22cから突出するシール部分5aがエンジン本体10の取付部15の表面15aに接触する。また、図3に示すように、TCC20には、本体部21の下部側(Z2側)かつY方向の中央部近傍に貫通孔23aを有するオイルシール固定部23が形成されている。
オイルシール固定部23の貫通孔23aは、図7に示すように、本体部21を厚み方向(X方向)に貫通する。また、オイルシール固定部23には、外周部が貫通孔23aの内側面23cに圧入される環状のオイルシール6が取り付けられている。また、オイルシール6は、クランクシャフト40の外側面40aに当接して摺動するシールリップ6aを有する。なお、貫通孔23aの内側面23cには、縮径方向に突出する円環状の抜止部23bが形成されている。これにより、オイルシール固定部23に圧入されたオイルシール6は、抜止部23bによってシリンダブロック2内に脱落するのが防止されている。
そして、図1に示すように、TCC20をエンジン本体10の側端部において手前側(X2側)から被せた状態で段付ボルト90(合計12本)を各々の貫通孔22bを介してねじ穴16に締め込むことにより、TCC20はエンジン本体10の側方に固定される。ここで、図4〜図6に示すように、段付ボルト90は、フランジ状部91aを有する頭部91と、頭部91に接続され平滑な外側面92aからなる胴部92と、胴部92よりも縮径されたねじ部93とを含んでいる。フランジ状部91aは、頭部91の上端部よりも外径がひとまわり大きい。なお、段付ボルト90は、本発明の「第1締結部材」および「締結部材」の一例である。
段付ボルト90を貫通孔22bを介してねじ穴16に締め込んだ際、図4に示すように、胴部92とねじ部93との段差部94の端面が取付部15の表面15aに周状に突き当てられることによって、表面15aから頭部91(フランジ状部91a)の下面までの胴部92の高さH2が一義的に決められる。これにより、TCC20は、取付部15(エンジン本体10)との間にシール部材5が挟み込まれることによって取付部22の取付面22aが表面15aから離間距離H1(約0.5mm以上約3mm以下)を有して浮かされた状態で固定される。また、段付ボルト90が貫通孔22bに挿通された状態では、胴部92の外側面92aは、貫通孔22bの内側面22eに、取付部22の厚み方向(X方向)にわたって対向する。この際、図7に示すように、貫通孔23aにクランクシャフト40の前端部41が挿通された状態で、オイルシール6がクランクシャフト40に装着される。また、オイルシール6によって、クランクケース3(図1参照)内のオイルがクランクシャフト40まわりからエンジン本体10の外部に漏れ出ないように構成されている。
ここで、第1実施形態では、図4および図5に示すように、貫通孔22bの内側面22eと貫通孔22bに挿入された段付ボルト90の胴部92の外側面92aとの間に、所定量の隙間Sが生じるように構成されている。隙間Sは、隙間SがTCC20の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔22b(取付部22)の位置ずれを吸収可能な大きさとなるように、貫通孔22bの内径d1の大きさによって決定されている。すなわち、各々の貫通孔22bの内径d1は、TCC20が温度変化により熱膨張または熱収縮の少なくとも一方を起こした場合に取付部22の延び(縮み)に伴う貫通孔22bのY−Z面内での位置ずれ量(移動量)以上の大きさを有する隙間Sが貫通孔22bの内側面22eと胴部92の外側面92aとの間に確保されるサイズとなるように予め設定されている。
また、内径d1の大きさは貫通孔22bの形成位置に応じて互いに異なる。図3に示すように、内径d1の大きさは、クランクシャフト40(オイルシール6)からの距離(Y−Z面内の平面距離)に応じて個別に設定されている。第1実施形態では、内径d1は、オイルシール6から各々の貫通孔22bまでの距離が増加するのにしたがって貫通孔22bの内側面22eと胴部92の外側面92aとの間の隙間Sが大きくなるように設定されている。つまり、図3および図4に示すように、オイルシール6から相対的に近い距離L1に配置された貫通孔22bにおいては、内径d1は、相対的に小さい寸法に設定される。対照的に、オイルシール6から相対的に遠い距離L2(L2>L1)に配置された貫通孔22bにおいては、図3および図5に示すように、内径d1は、相対的に大きい寸法に設定されている。
各々の内径d1が上記のように設定される理由を述べる。ポリアミド樹脂のTCC20は、所定の大きさの線膨張係数αを有している。線膨張係数αは、温度が1K(度)上昇した場合の部材長さLが変化(膨張)する割合を示す物性値である。また、伸び量ΔLは、伸び量ΔL=線膨張係数α×部材長さL×温度上昇ΔTにより得られる。オイルシール6から距離L1だけ離れた貫通孔22bにおいては、伸び量ΔLa=α×L1×ΔTとして得られ、オイルシール6から距離L2だけ離れた貫通孔22bにおいては、伸び量ΔLb=α×L2×ΔTとして得られる。この場合、各々の貫通孔22bでの伸び量ΔLは、オイルシール6からの距離に比例して大きくなる。
上記理由に基づき、オイルシール6に近い貫通孔22bの内径d1は相対的に小さく、オイルシール6から遠ざかるにつれて対応する貫通孔22bの内径d1は段階的に大きく形成されている。オイルシール固定部23から距離L1だけ離れた貫通孔22bを図示した図4において貫通孔22bの内側面22eと胴部92の外側面92aとの間の隙間Sの大きさを幅Saとした場合、オイルシール固定部23から距離L2だけ離れた貫通孔22bを図示した図5において貫通孔22bの内側面22eと胴部92の外側面92aとの間の隙間Sの幅Sbは、幅Sb=幅Sa×(距離L2/距離L1)の関係を有する。なお、図示はしていないが、取付部22におけるオイルシール6に最も近い位置での貫通孔22bにおいては、幅Sa(図9参照)よりも小さな幅を有する隙間Sが設けられている。この場合、内径d1は、最も小さい。
また、隙間Sは、図2に示すように、TCC20が熱膨張した場合の貫通孔22bのクランクシャフト40から遠ざかる矢印A方向への位置ずれを吸収可能なクランクシャフト40から遠ざかる矢印A方向側の隙間Sに相当する場合と、TCC20が熱収縮した場合の貫通孔22bのクランクシャフト40に近づく矢印B方向への位置ずれを吸収可能なクランクシャフト40に近づく矢印B方向側の隙間Sに相当する場合とがある。したがって、図4および図5に示すように、隙間Sは、胴部92の両側(図2における矢印A方向側および矢印B方向側)にそれぞれ確保されている。なお、胴部92に対して矢印A方向側に配置される隙間Sは、本発明の「第1隙間」の一例であり、胴部92に対して矢印B方向側に配置される隙間Sは、本発明の「第2隙間」の一例である。
また、第1実施形態では、規格が統一された段付ボルト90(たとえば「M8サイズ」など)を全ての貫通孔22bに用いている。したがって、胴部92の外径をφD2(一定)とした場合、図4においては、貫通孔22bの内径d1=外径D2+2×幅Saに設定される。また、図5においては、貫通孔22bの内径d1=外径D2+2×幅Sbに設定される。
一例として、ポリアミド樹脂の場合、オイルシール固定部23から100mm離間するごとに隙間Sの幅(図4では幅Sa)を約0.8mm以上約1.0mm以下で確保する必要がある。300mm離間した位置では、隙間Sの幅は、100mm離間した位置の3倍確保されるのが好ましい。なお、図4および図5では、TCC20が熱膨張または熱収縮を起こしていない状態(単に段付ボルト90がねじ穴16に締め込まれてTCC20がエンジン本体10に取り付けられた状態)でシール部材5を介してエンジン本体10に組み付けられた状態を図示している。この場合、段付ボルト90の軸心(ねじ穴16の中心(一点鎖線で示す))と貫通孔22bの中心とが一致しており、胴部92の外側面92aまわりに隙間Sが生じている様子を示している。そして、実際には、図6に示すように、貫通孔22bは、TCC20の温度変化により段付ボルト90の軸心に対して幅Saまたは幅Sbの範囲でY−Z面内をずれ動く。なお、矢印A方向は、本発明の「第1方向」の一例であり、矢印B方向は、本発明の「第2方向」の一例である。
また、第1実施形態では、TCC20の貫通孔22bの内径d1は、その最大値が段付ボルト90における取付部22の上面22dに当接するフランジ状部91aの外径D3(図6参照)よりも小さい。より具体的には、図6に示すように、フランジ状部91aの外径D3は、TCC20の貫通孔22bの内径d1と段付ボルト90の胴部92の外径D2の半分の大きさとの差の2倍以上(D3≧(d1−D2/2)になるように設定されている。これにより、TCC20が熱膨張を起こしてオイルシール固定部23からより遠い位置の貫通孔22bが取付部22とともに矢印A方向に大きく位置ずれを起こした場合、貫通孔22bの内側面22eと胴部92の外側面92aとの間には大きな隙間Sが出現する。この場合であっても、D3≧(d1−D2/2)の寸法的な関係を有しているので、外径D3を有するフランジ状部91aの端部が取付部22の貫通孔22b近傍の上面22dに所定の「掛かりしろ」を有して容易に当接するように構成されている。なお、上面22dは、本発明の「カバー部材の内燃機関本体とは反対側の部分」の一例である。
また、図1および図2に示すように、TCC20は、本体部21の断面が上方(Z1側)に開口されるように形成されたフランジ25aと、本体部21の断面が下方(Z2側)に開口されるように形成されたフランジ25bとを有している。そして、フランジ25aをヘッドカバー30に設けられたフランジ30aに対して下方から対向させることによってTCC20とヘッドカバー30とがボルト(図示せず)を用いて結合され、フランジ25bをクランクケース3に設けられたフランジ3bに対して上方から対向させることによってTCC20とクランクケース3とがボルト(図示せず)を用いて結合されている。なお、フランジ25aとフランジ30aとの間、および、フランジ25bとフランジ3bとの間にも図示しないシール部材が挟み込まれている。
また、第1実施形態では、図3に示すように、TCC20のオイルシール固定部23の近傍には、厚み方向(X方向)に貫通する一対の貫通孔26が設けられている。貫通孔26は、TCC20をエンジン本体10に締結ボルト95(図2参照)によって取り付けるために設けられている。また、一対の貫通孔26は、それぞれ、貫通孔26の中心線C1が貫通孔23aの内側面23cからZ方向に沿って距離L3だけ離れた状態で、オイルシール固定部23の近傍に形成されている。また、貫通孔26は、クランクシャフト40の中心線C2に対して約180度の等角度間隔で、オイルシール固定部23(クランクシャフト40)をZ1側とZ2側とで挟み込んでいる。なお、貫通孔26は、本発明の「第2本体取付孔」の一例であり、締結ボルト95は、本発明の「第2締結部材」の一例である。
貫通孔26には、金属製のカラー部材7と締結ボルト95とが同軸状に挿通されるように構成されている。カラー部材7は、図7に示すように、長手方向(Z方向)の端部から所定距離だけ内側の部分において外周面から外方向(貫通孔26の中心線C1から離れる方向)に突出する周状のフランジ部7aおよび7bが形成されている。フランジ部7aはカラー部材7のX1側に形成され、フランジ部7bはカラー部材7のX2側に形成されている。また、締結ボルト95は、頭部96と、頭部96に接続されるねじ部97とを含んでいる。
TCC20を組み付ける際、まず、カラー部材7のフランジ部7bがTCC20の貫通孔26に内面21a側から圧入される。この際、ストッパ部となるフランジ部7bのX2側の端面が本体部21の内面21aに当接される。そして、TCC20をシリンダブロック2に被せることによって、シリンダブロック2の凹部12に対してカラー部材7のフランジ部7aが挿入される。この際、フランジ部7aよりも先端側(X1側)の筒状部が凹部12の円筒部12aの途中に留まって隙間なく挿通され、ストッパ部となるフランジ部7aのX1側の端面がシリンダブロック2の表面2bに突き当てられる。なお、カラー部材7間でフランジ部7aと7bとのX方向の離間距離は一定なので、TCC20は、シリンダブロック2に対して一定の離間距離H3に保たれる。そして、締結ボルト95がカラー部材7に挿通され、ねじ部97が凹部12のねじ穴12bに締め込まれる。
ここで、フランジ部98の半径R1は、貫通孔26の中心線C1とオイルシール固定部23の内側面23cとの間の距離L3よりも大きい。これにより、フランジ部98の外縁部は、オイルシール固定部23のオイルシール6が挿入されている部分の一部をX2側から覆うようにクランクシャフト40に向かって突出する。したがって、TCC20の内圧が過度に大きくなった場合に、オイルシール6がX2側に移動してもフランジ部98の外縁部に上下部分で当接するので、オイルシール6は、オイルシール固定部23からX2側に抜け落ちない。
なお、カラー部材7のX2側の筒状部にはリング状のシール部材8が取り付けられている。シール部材8は、カラー部材7のX2側の筒状部の外周面とフランジ部98の下面(Z2側)とに面接触している。したがって、エンジン本体10内のオイルがカラー部材7の筒状部と貫通孔26との隙間からTCC20の外表面21b側に漏れ出るのが防止されている。また、図2に示すように、貫通孔26に挿入されたカラー部材7および締結ボルト95がタイミングチェーン4に干渉(接触)しないように、一対の貫通孔26は、タイミングチェーン4から離間した位置に形成されている。
また、貫通孔26にカラー部材7が圧入された状態で、カラー部材7の内側面と締結ボルト95の外周部との間にも所定の隙間が形成されるように構成されている。この場合、カラー部材7の内径が、締結ボルト95との隙間部の大きさがシールリップ6aのクランクシャフト40に対する位置ずれの許容値以下になるように設定されている。これにより、オイルシール固定部23の周辺においてはTCC20の変形(熱膨張および熱収縮)がより生じにくくなり、シールリップ6aのクランクシャフト40に対する芯ずれも許容値以下に抑えられる。その結果、エンジン本体10内部のオイル(潤滑油)がシールリップ6aから外部に漏れ出るのが抑制されるのとともに、オイルシール6(シールリップ6a)が過度に摩耗するのが抑制されている。
このように、樹脂製のTCC20は、2本の締結ボルト95によってオイルシール固定部23周辺の本体部21の部分がシリンダブロック2に精度よく固定されている。この際、クランクシャフト40に対する貫通孔23aのY−Z面内の位置精度のみならず、オイルシール固定部23周辺の部分がクランクシャフト40の軸方向(X方向)にも位置ずれ(熱膨張または熱収縮に伴う変形)を起こさないように本体部21が拘束されている。その一方で、12本の段付ボルト90によって本体部21の縁部に相当する取付部22がエンジン本体10に対して位置ずれ可能に組み付けられている。つまり、図2に示すように、本体部21がオイルシール固定部23周辺で拘束されている分、エンジン本体10(図1参照)の熱影響を受けて本体部21が熱膨張または熱収縮を起こした場合であっても、各々の貫通孔22b内に設けられた隙間S(図4参照)によって本体部21の変形が適切に吸収されるように構成されている。したがって、エンジン100(図1参照)が始動時および停止時に関係なくどのような使用環境におかれていても、クランクシャフト40に対するオイルシール6の装着位置精度が保たれるのと同時に、クランクシャフト40から離れた部分においても本体部21がクランクシャフト40の軸方向(X方向)に膨らんだり凹んだりせず、12本の段付ボルト90とその内側に配置されたシール部材5とによって適切に組み付けられた状態(カバー取付構造)が維持される。
また、図1に示すように、TCC20の内部においては、クランクシャフト40に取り付けられたクランクシャフトタイミングスプロケット(図示せず)と、シリンダヘッド1の内部に組み込まれたカムシャフト(図示せず)駆動用のカムシャフトタイミングスプロケット31とがタイミングチェーン4によって繋がれている。また、TCC20の外部においては、クランクシャフト40の前端部41には、クランクプーリ(図示せず)が取り付けられている。そして、冷却水循環用のウォータポンプや車内空調用のコンプレッサなどの補機類は、クランクプーリに掛けられたベルトにより駆動される。また、クランクシャフト40の後端部42は、変速機などからなる動力伝達部(図示せず)に接続されている。第1実施形態におけるエンジン100およびTCC20まわりの構造は、上記のように構成されている。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、第1実施形態では、上記のように、ポリアミド(樹脂)製のタイミングチェーンカバー(TCC)20がシール部材5を介してエンジン本体10から浮かされた状態で段付ボルト90によりエンジン本体10に取り付けられており、貫通孔22bの内側面22eと貫通孔22bに挿入された段付ボルト90の胴部92の外側面92aとの間に、TCC20の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔22bの平面的な位置ずれを吸収可能な大きさの隙間S(幅Saまたは幅Sb)を生じさせるようにTCC20の貫通孔22bの内径の大きさを設定することによって、エンジン本体10にシール部材5を介してポリアミド樹脂からなるTCC20が取り付けられた状態でこのTCC20がエンジン本体10の熱影響を受ける場合であっても、貫通孔22bの内側面22eと貫通孔22bに挿入された段付ボルト90の胴部92の外側面92aとの間に設けられた隙間Sを利用してシール部材5により浮かされたTCC20の変形(熱膨張および熱収縮)を逃がすことができる。これにより、上記した隙間Sを考慮せず貫通孔22bの内径が設定されて貫通孔22bまわりが段付ボルト90の軸力により完全に拘束される場合と異なり、隙間Sによって貫通孔22bまわりでTCC20の変形が吸収される分、TCC20におけるオイルシール固定部23周辺には部材変形力が集中しない。したがって、エンジン本体10の熱影響を受けてTCC20が変形した場合であっても、オイルシール固定部23周辺が変形しにくくなる分、クランクシャフト40に対するオイルシール6の位置ずれが抑制されてオイルが漏れ出るのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、TCC20とエンジン本体10との間にはシール部材5が配置されるので、エンジン本体10の振動が樹脂製のTCC20に直接的に伝わって騒音源および振動源になることもなく、その上で、エンジン本体10内のオイルが、シール部材5によって浮かされたTCC20とエンジン本体10との隙間から外部に漏れ出すのを確実に回避することができる。
また、第1実施形態では、貫通孔22bの内側面22eと貫通孔22bに挿入された段付ボルト90の胴部92の外側面92aとの間に、樹脂製のTCC20の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔22bの位置ずれ量以上の大きさの隙間Sが生じるように複数の貫通孔22bの各々の内径d1の大きさを設定する。これにより、貫通孔22bの内側面22eと段付ボルト90の胴部92の外側面92aとの間に設けられた隙間Sを利用してTCC20の変形(熱膨張および熱収縮)に伴う貫通孔22bの位置ずれを確実に吸収することができる。したがって、TCC20のオイルシール固定部23周辺に変形が発生(集中)するのを確実に回避することができる。
また、第1実施形態では、複数の貫通孔22bは、TCC20の取付部22に沿って設けられており、オイルシール6から各々の貫通孔22bまでの距離が増加するのにしたがって隙間Sが大きくなるように各々の貫通孔22bの内径d1を設定している。これにより、オイルシール6からの距離の増加とともにTCC20の変形(反り)量が増加する場合においても、TCC20の変形量(貫通孔22bの位置ずれ量)の増加に応じて隙間Sの大きさが調整されるように貫通孔22bの内径d1が設定されているので、各々の貫通孔22bにおいてTCC20の変形(熱膨張および熱収縮)に伴う位置ずれを適切に吸収することができる。したがって、TCC20のオイルシール固定部23周辺に変形が発生するのを確実に回避することができる。
また、第1実施形態では、段付ボルト90のフランジ状部91aの外径D3を、TCC20の貫通孔22bの内径d1と段付ボルト90の胴部92の外径D2の半分の大きさとの差の2倍以上(D3≧(d1−D2/2)に設定する。これにより、TCC20の変形(熱膨張および熱収縮)に伴い貫通孔22bが位置ずれを起こしたとしても、段付ボルト90のフランジ状部91aの外径D3が、貫通孔22bおよび段付ボルト90の胴部92に対して上記した寸法的な関係を有しているので、段付ボルト90が相対的に貫通孔22bの一方側の内側面22e近傍に接触したとしても、段付ボルト90と貫通孔22bの反対側の内側面22eとの間の隙間S(最大隙間S)を確実に跨いで段付ボルト90のフランジ状部91aがTCC20(取付部22)の上面22dに当接するので、段付ボルト90のフランジ状部91aが貫通孔22b内に陥没するのを防止することができる。これにより、貫通孔22bが位置ずれを起こした状態であっても、段付ボルト90の締結力を損ねることなく樹脂製のTCC20をエンジン本体10に確実に取り付けることができる。
また、第1実施形態では、隙間Sは、樹脂製のTCC20の熱膨張による貫通孔22bのクランクシャフト40から遠ざかる矢印A方向への位置ずれを吸収可能なクランクシャフト40から遠ざかる矢印A方向側の隙間Sと、樹脂製のTCC20の熱収縮による貫通孔22bのクランクシャフト40に近づく矢印B方向への位置ずれを吸収可能なクランクシャフト40に近づく矢印B方向側の隙間Sとを含む。これにより、TCC20がエンジン本体10の熱影響を受けて熱膨張する場合および熱収縮する場合の両方の場合に、熱膨張による貫通孔22bのクランクシャフト40から遠ざかる矢印A方向への位置ずれを吸収可能な隙間Sかまたは熱収縮による貫通孔22bのクランクシャフト40に近づく矢印B方向への位置ずれを吸収可能な隙間Sのいずれかを利用してTCC20の変形を適切に逃がすことができる。
また、第1実施形態では、TCC20の複数の貫通孔22bの近傍の内側において、TCC20とエンジン本体10との間に配置されたシール部材5をさらに備える。そして、TCC20を、シール部材5を介してエンジン本体10から離間した状態で段付ボルト90によりエンジン本体10に取り付けるように構成する。これにより、TCC20がシール部材5を介してエンジン本体10から浮かされた状態でエンジン本体10に取り付けられているので、TCC20がシール部材5を介さずにエンジン本体10に直接的に拘束されなくなる分、TCC20がエンジン本体10の熱影響を受けて変形(熱膨張および熱収縮)した際に、その変形を貫通孔22bと貫通孔22bに挿入された段付ボルト90との間に設けられた隙間Sを利用して効果的に逃がすことができる。また、TCC20とエンジン本体10との間にはシール部材5が配置されるので、エンジン本体10の振動が樹脂製のTCC20に直接的に伝わって騒音源および振動源になることもなく、その上で、エンジン本体10内のオイルが、シール部材5により浮かされたTCC20との隙間部から外部に漏れ出すのを確実に回避することができる。
また、第1実施形態では、オイルシール固定部23の近傍で、かつ、TCC20の縁部となる取付部22よりも内側に配置され、エンジン本体10に締結ボルト95を介して取り付けるための貫通孔26をさらに備える。これにより、エンジン本体10の熱影響を受けてTCC20が変形(熱膨張および熱収縮)したとしても、オイルシール固定部23の近傍でかつTCC20の取付部22よりも内側に配置され本体部21が貫通孔26に挿通された締結ボルト95によりエンジン本体10(シリンダブロック2)に締結されるので、TCC20の変形がオイルシール固定部23の近傍に大きく影響するのを抑制することができる。これにより、TCC20の変形に起因するようなオイルシール6の位置ずれをより効果的に抑制することができるので、オイルシール6によるクランクシャフト40に対する十分なシール性を確保することができる。また、オイルシール固定部23の近傍が締結ボルト95によりエンジン本体10(シリンダブロック2)に固定される分、エンジン本体10(シリンダブロック2)の振動に起因してオイルシール6(シールリップ6a)が位置ずれを起こすのが抑制されるので、オイルシール6(シールリップ6a)が過度に摩耗するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、エンジン本体10(シリンダブロック2)は、TCC20の複数(左右6個ずつ)の貫通孔22bの各々に対応した位置に段付ボルト90が締め込まれるねじ穴16を有し、各々の段付ボルト90の中心(軸心)が対応するねじ穴16の中心に一致した状態で、段付ボルト90によりTCC20がエンジン本体10に取り付けられるように構成する。これにより、段付ボルト90がねじ穴16に締め込まれてTCC20がエンジン本体10に取り付けられた状態では、段付ボルト90の胴部92の外側面92aまわりに、段付ボルト90と貫通孔22bの内側面22eとの間の隙間Sを容易に生じさせることができる。したがって、この隙間Sを利用してTCC20の熱膨張または熱収縮に伴う変形を確実に逃がすことができる。
また、第1実施形態では、段付ボルト90は、ねじ部93と、ねじ部93を有すことなくねじ部93よりも外径の大きい胴部92とを含み、エンジン本体10の取付部15には、TCC20の複数の貫通孔22bの各々に対応した位置にねじ穴16が形成されている。そして、ねじ穴16に段付ボルト90のねじ部93が締め込まれた状態で、貫通孔22bの外側面92aと段付ボルト90の胴部92の外側面92aとの間に、TCC20の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔22bの位置ずれを吸収可能な大きさの隙間Sが生じるように構成する。これにより、エンジン本体10のねじ穴16に段付ボルト90のねじ部93を締め込んでシール部材5を介在させた状態でのエンジン本体10に対するTCC20の締結力を得る一方、ねじ溝のない平滑な外側面92aからなる胴部92と貫通孔22bの内側面22eとの間に、貫通孔22bの深さ方向(X方向)に沿っても貫通孔22bの位置ずれを吸収可能な隙間Sを確実に確保することができる。
(第2実施形態)
次に、図6および図8〜図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、貫通孔22bの内径d1の大きさを貫通孔22bごとに異ならせて隙間Sを設けた上記第1実施形態と異なり、全ての貫通孔222bの内径d1を同じにしたまま胴部291〜293の外径が互いに異なる3種類の段付ボルト201〜203を用いて、タイミングチェーンカバー(TCC)220を組み付ける例について説明する。なお、タイミングチェーンカバー220は、本発明の「カバー部材」の一例である。また、段付ボルト201〜203は、本発明の「第1締結部材」および「締結部材」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第2実施形態によるエンジンにおいては、図8に示すように、エンジン本体10(図9参照)の側端部にポリアミド樹脂からなるTCC220がシール部材5(図9参照)を介して浮かされた状態で組み付けられる。TCC220は、貫通孔222bの内径d1がすべて同じ大きさに統一された取付部222を有している。そして、TCC220は、胴部291〜293(破線で示す)の外径が互いに異なる段付ボルト201〜203を用いてエンジン本体10(図9参照)に固定されるように構成されている。
具体的には、段付ボルト201〜203は、ねじの呼びがいずれも「M8」サイズであるのに対し、段付ボルト201の胴部291、段付ボルト202の胴部292および、段付ボルト203の胴部293は、この順に外径が段階的に小さくなるように設定されている。また、オイルシール6から相対的に近い位置での貫通孔222bには最も太い胴部291を有する段付ボルト201が挿通され、オイルシール6から相対的に遠い位置での貫通孔222bには、その遠さに応じて、順次、中程度の太さの胴部292を有する段付ボルト202、および、最も細い胴部293を有する段付ボルト203が挿通されるように構成されている。したがって、オイルシール6から相対的に近い距離L1(図8参照)に配置された貫通孔222bにおいては、図9に示すように、貫通孔222bの内側面22eと貫通孔222bに挿入された段付ボルト202の胴部292の外側面202aとの間に設けられる隙間Sは、幅Saに設定される。対照的に、オイルシール6から相対的に遠い距離L2(図8参照)に配置された貫通孔222bにおいては、図10に示すように、貫通孔222bの内側面22eと貫通孔222bに挿入された段付ボルト203の胴部293の外側面203aとの間に設けられる隙間Sは、幅Sbに設定される。
ここで、段付ボルト202の中程度の太さの胴部292(図9参照)は外径D22であり、段付ボルト203の最も細い胴部293(図10参照)は外径D23である(D22>D23)。また、各々の貫通孔222bは、一定値の内径d1を有するので、幅Sa(=内径d1−外径D22)<幅Sb(=内径d1−外径D23)の関係を有している。なお、図示はしていないが、最も太い胴部291(図8参照)を有する段付ボルト201が挿通される貫通孔222bには、幅Sa(図9参照)よりも小さな幅を有する隙間Sが設けられている。
したがって、第2実施形態では、貫通孔222bのオイルシール6からの距離に応じて胴部292の外径D22および胴部293の外径D23が互いに異なる段付ボルト202および203を用いることによって、貫通孔222bの内側面22eと貫通孔222bに挿入された段付ボルト202(203)の胴部292(293)の外側面202a(203a)との間の隙間S(幅Saまたは幅Sb)の大きさが、TCC220の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔222b(取付部222)の位置ずれを吸収可能な大きさとなるように構成されている。
これにより、貫通孔222bの内径d1が一定値であったとしても、オイルシール6からの距離に応じて貫通孔222bに挿通される締結部材側の胴部291〜293のサイズを3段階に変化させて、貫通孔222bの内径d1の中にTCC220の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔222b(取付部222)の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間Sが適切に得られるように構成されている。なお、第2実施形態によるエンジンのその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、第2実施形態では、貫通孔222bと貫通孔222bに挿入された段付ボルト201〜203との間に、樹脂製のTCC220の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔222bの位置ずれ量以上の大きさの隙間Sが生じるように貫通孔222bの各々の内径d1に対する段付ボルト201〜203の胴部291〜293の外径サイズを異ならせる。これにより、段付ボルト201〜203のボルト締結力(TCC220を固定する軸力)を一定に維持したまま、貫通孔222bの内側面22eと段付ボルト201〜203の胴部291〜293との間にそれぞれ設けられた隙間Sを利用して、TCC220の変形(熱膨張および熱収縮)に伴う貫通孔222bの位置ずれを確実に吸収することができる。したがって、TCC220のオイルシール固定部23周辺に変形が発生するのを確実に回避することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図1、図4、図5および図11を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、平面視において正円形状を有する貫通孔22bの内径d1の大きさを異ならせて隙間Sを設けた上記第1実施形態と異なり、平面視において長穴形状を有する貫通孔322bをタイミングチェーンカバー(TCC)320に形成し、貫通孔322bの寸法(長軸方向)を貫通孔322bごとに異ならせて隙間Sを設ける例について説明する。なお、タイミングチェーンカバー320は、本発明の「カバー部材」の一例である。また、貫通孔322bは、本発明の「第1本体取付孔」および「本体取付孔」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
本発明の第3実施形態によるエンジンにおいては、図11に示すように、エンジン本体10(図1参照)の側端部にTCC320がシール部材5(図4参照)を介して浮かされた状態で組み付けられる。
ここで、第3実施形態では、TCC320の取付部322には、取付面322aを厚み方向(X方向)に貫通する複数の貫通孔322bが設けられている。また、各々の貫通孔322bは、平面視において長穴形状(長円(トラック)形状)を有している。また、長穴形状(トラック形状)の延びる方向は、TCC320が熱膨張した場合の貫通孔322bのクランクシャフト40(図1参照)から遠ざかる矢印A方向およびTCC320が熱収縮した場合の貫通孔322bのクランクシャフト40に近づく矢印B方向に沿った方向である。これにより、貫通孔322bは、TCC320の矢印A方向への位置ずれを吸収可能な隙間Sおよび矢印B方向への位置ずれを吸収可能な隙間S(図4参照)を有するような形状に形成されている。なお、クランクシャフト40に相対的に近い側の貫通孔322bの延びる方向(矢印A(B)方向)と、クランクシャフト40に相対的に遠い側の貫通孔322bの延びる方向(矢印A(B)方向)とは、互いに異なる。なお、取付部322は、本発明の「縁部」の一例である。
したがって、第3実施形態では、オイルシール6(図1参照)からの距離(L1、L2など)に応じて長軸の延びる方向が個々に異なるように構成された貫通孔322bを複数設けて、貫通孔322bの内側面と貫通孔322bに挿入された段付ボルト90の胴部92の外側面92aとの間の隙間S(図4参照)の大きさが、TCC320の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による貫通孔322b(取付部322)の位置ずれを吸収可能な大きさとなるように構成されている。なお、第3実施形態によるエンジンのその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、第3実施形態では樹脂製のTCC320の矢印A方向への位置ずれおよび矢印B方向への位置ずれをそれぞれ吸収可能な隙間Sを有するとともに矢印A方向および矢印B方向へ延びる長穴形状(長円形状)を有するように個々の貫通孔322bを構成する。これにより、TCC320がエンジン本体10の熱影響を受けて熱膨張する場合および熱収縮する場合に、長穴形状を有する貫通孔322bの矢印A方向への位置ずれを吸収可能な隙間Sかまたは貫通孔322bの矢印B方向への位置ずれを吸収可能な隙間Sのいずれかを容易に確保することができる。したがって、長穴形状を有して貫通孔322bを形成した場合においても、シール部材5を介してエンジン本体10から浮かされたTCC320の変形を適切に逃がすことができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本体部21がヘッドカバー30側に開口されるように形成されたTCC20(220、320)を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、完全な凹形状を有する本体部の外周部(外縁部)に沿って周状にかつフランジ状に形成された取付部を有するようなタイミングチェーンカバー(カバー部材)をエンジン本体10に取り付ける際に、本体取付孔の位置ずれを吸収可能な隙間が本体取付孔のサイズ(内径)に含まれるようにカバー部材を構成した、本発明のカバー取付構造を適用してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、タイミングチェーン4により動弁系タイミング部材を側方から覆うタイミングチェーンカバー(TCC)20(220、320)を用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。湿式のタイミングベルトにより動弁系タイミング部材を側方から覆うタイミングベルトカバー(カバー部材)をエンジン本体10に取り付ける際に、本発明のカバー取付構造を適用してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、シリンダブロック2のクランクシャフト40が挿通される貫通孔11近傍の表面2bとTCC20の内面21a(本体部21)との間に離間距離H3を保持するカラー部材7を介在させ、締結ボルト95をカラー部材7に挿通してねじ穴16に締め込んでTCC20(220、320)をシリンダブロック2に固定した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、カラー部材7を用いることなく離間距離H3が規定可能な太径部を有する段付ボルトを本発明の「第2締結部材」として用いてTCC20の本体部21をオイルシール固定部23の近傍においてエンジン本体10(シリンダブロック2)に固定してもよい。また、カラー部材7を用いる場合においても、たとえば、円筒部12aに挿入される側のフランジ部7a(ストッパ部)を設けることなくカラー部材7の端部を円筒部12aの深さ方向の端部(円筒部12aからねじ穴12bへの縮径部分)に突き当てて離間距離H3(図7参照)が得られるように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、締結ボルト95とフランジ部98とを別部品として構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。段付ボルト90の場合と同様に、頭部96の下面側に半径R1を有するフランジ状部が一体的に形成された締結ボルト(第2締結部材)を本発明の「第2締結部材」として用いて、TCC20の本体部21をオイルシール固定部23の近傍においてエンジン本体10(シリンダブロック2)に固定してもよい。
また、上記第2実施形態では、オイルシール6からの距離に応じて貫通孔222bに挿通される締結部材側の胴部の外径サイズを3段階に変化させた例について示したが、本発明はこれに限られない。締結部材側の胴部の外径サイズを3段階以外のたとえば2段階または4段階に変化させてもよい。TCC220の大きさ(Y方向およびZ方向の長さ)に応じて、使用される締結部材(第1締結部材)の種類は適宜決定される。
また、上記第3実施形態では、平面視においてトラック形状(長円形状)を有する複数の貫通孔322bをTCC320に設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、平面視において長軸が矢印A(B)方向に延びるような楕円形状を有する貫通孔をTCC320に設けてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、ポリアミド樹脂を用いてTCC20(220、320)を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ポリアミド樹脂以外の樹脂材料を用いて本発明の「カバー部材」を構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、2本の締結ボルト95を用いてオイルシール固定部23周辺の本体部21の部分をシリンダブロック2に固定した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば3本の締結ボルト95を用いてオイルシール固定部23周辺の本体部21の部分をシリンダブロック2(エンジン本体10)に固定してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、ガソリン機関からなる自動車用のエンジン100に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、クランクシャフトを有する内燃機関であるならば、ガソリン機関以外のガス機関(ディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどの内燃機関)のチェーンカバー構造に対して本発明を適用してもよい。また、自動車用以外のたとえば設備機器の駆動源(動力源)として搭載されるような内燃機関のカバー取付構造に対して本発明を適用してもよい。
1 シリンダヘッド
2 シリンダブロック
2b 表面
3 クランクケース
4 タイミングチェーン
5 シール部材
6 オイルシール
6a シールリップ
10 エンジン本体(内燃機関本体)
15 取付部
16 ねじ穴
20、220、320 タイミングチェーンカバー(TCC)(カバー部材)
21 本体部
22、222、322 取付部(縁部)
22b、222b、322b 貫通孔(第1本体取付孔、本体取付孔)
22d 上面(カバー部材の内燃機関本体とは反対側の部分)
22e 内側面
23 オイルシール固定部
26 貫通孔(第2本体取付孔)
40 クランクシャフト
40a 外側面
90、201、202、203 段付ボルト(第1締結部材、締結部材)
91a フランジ状部
92、291、292、293 胴部
92a 外側面
95 締結ボルト(第2締結部材)
98 フランジ部
100 エンジン(内燃機関)
202a、203a 外側面

Claims (8)

  1. 内燃機関本体のクランクシャフトに装着されるオイルシールと、
    前記クランクシャフトに装着された前記オイルシールを固定するためのオイルシール固定部と、前記内燃機関本体に取り付けるための第1締結部材が挿入される複数の第1本体取付孔とを含む樹脂製のカバー部材と、
    前記カバー部材の前記複数の第1本体取付孔の近傍の内側において、前記カバー部材と前記内燃機関本体との間に配置されたシール部材とを備え、
    前記カバー部材は、前記シール部材を介して前記内燃機関本体から離間した状態で前記第1締結部材により前記内燃機関本体に取り付けられており、
    前記カバー部材の前記第1本体取付孔の内径は、前記第1本体取付孔と前記第1本体取付孔に挿入された前記第1締結部材との間に、前記樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による前記第1本体取付孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間が生じるような大きさに設定されている、内燃機関。
  2. 前記複数の第1本体取付孔の内径は、前記第1本体取付孔と前記第1本体取付孔に挿入された前記第1締結部材との間に、前記樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による前記第1本体取付孔の位置ずれ量以上の大きさの前記隙間が生じるような大きさに設定されている、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記複数の第1本体取付孔は、前記カバー部材の縁部に沿って設けられており、
    前記オイルシールから各々の前記第1本体取付孔までの距離が増加するのにしたがって前記隙間が大きくなるように設定されている、請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記第1締結部材のうちの前記カバー部材の前記内燃機関本体とは反対側の部分に当接するフランジ状部の外径は、前記カバー部材の前記第1本体取付孔の内径と前記第1締結部材の外径の半分の大きさとの差の2倍以上になるように設定されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関。
  5. 前記隙間は、前記樹脂製のカバー部材の熱膨張による前記第1本体取付孔の第1方向への位置ずれを吸収可能な前記第1方向側の第1隙間と、前記樹脂製のカバー部材の熱収縮による前記第1本体取付孔の前記第1方向とは反対の第2方向への位置ずれを吸収可能な前記第2方向側の第2隙間とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関。
  6. 前記第1本体取付孔は、前記樹脂製のカバー部材の前記第1方向への位置ずれおよび前記第2方向への位置ずれをそれぞれ吸収可能な前記第1隙間および前記第2隙間を有するとともに前記第1方向および前記第2方向へ延びる長穴形状を有している、請求項5に記載の内燃機関。
  7. 前記オイルシール固定部の近傍で、かつ、前記カバー部材の縁部よりも内側に配置され、前記内燃機関本体に第2締結部材を介して取り付けるための第2本体取付孔をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関。
  8. 内燃機関のクランクシャフトに装着されたオイルシールを固定するためのオイルシール固定部と、前記内燃機関本体に取り付けるための締結部材が挿入される複数の本体取付孔とを含む樹脂製のカバー部材と、
    前記カバー部材の前記複数の第1本体取付孔の近傍の内側において、前記カバー部材と前記内燃機関本体との間に配置されたシール部材とを備え、
    前記カバー部材は、前記シール部材を介して前記内燃機関本体から離間した状態で前記第1締結部材により前記内燃機関本体に取り付けられており、
    前記カバー部材の前記本体取付孔の内径は、前記本体取付孔と前記本体取付孔に挿入された前記締結部材との間に、前記樹脂製のカバー部材の熱膨張または熱収縮の少なくとも一方による前記本体取付孔の位置ずれを吸収可能な大きさの隙間が生じるような大きさに設定されている、内燃機関のカバー取付構造。
JP2013265157A 2013-11-13 2013-12-24 内燃機関および内燃機関のカバー取付構造 Expired - Fee Related JP6417662B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013265157A JP6417662B2 (ja) 2013-12-24 2013-12-24 内燃機関および内燃機関のカバー取付構造
EP14861983.6A EP3070376B1 (en) 2013-11-13 2014-10-21 Internal combustion engine and cover member attachment structure for internal combustion engine
US15/036,271 US10060530B2 (en) 2013-11-13 2014-10-21 Internal combustion engine and cover member attachment structure for internal combustion engine
PCT/JP2014/077921 WO2015072292A1 (ja) 2013-11-13 2014-10-21 内燃機関および内燃機関のカバー部材取付構造
CN201480062458.8A CN105829782B (zh) 2013-11-13 2014-10-21 内燃机及内燃机的盖部件安装结构
BR112016009484-0A BR112016009484B1 (pt) 2013-11-13 2014-10-21 Motor de combustão interna e estrutura de fixação do elemento de cobertura para o motor de combustão interna

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013265157A JP6417662B2 (ja) 2013-12-24 2013-12-24 内燃機関および内燃機関のカバー取付構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015121145A true JP2015121145A (ja) 2015-07-02
JP6417662B2 JP6417662B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=53532976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013265157A Expired - Fee Related JP6417662B2 (ja) 2013-11-13 2013-12-24 内燃機関および内燃機関のカバー取付構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6417662B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018021640A (ja) * 2016-08-05 2018-02-08 株式会社Subaru 樹脂部品のボルト締結構造
JP2018084172A (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 アイシン精機株式会社 内燃機関
JP2019044608A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 アイシン精機株式会社 内燃機関のカバー締結構造
JP2020105977A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 マツダ株式会社 エンジンのシール構造
CN113557153A (zh) * 2019-03-14 2021-10-26 日产自动车株式会社 内燃机
WO2024095435A1 (ja) * 2022-11-04 2024-05-10 株式会社日本製鋼所 表面部材、積層成形品の製造方法及びプレス装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01279105A (ja) * 1988-05-02 1989-11-09 Komatsu Ltd 部品の締結装置
JPH04124398U (ja) * 1991-04-30 1992-11-12 三菱自動車工業株式会社 ロツカカバー化粧板
JPH0755015A (ja) * 1993-05-05 1995-03-03 Freudenberg Nok General Partnership ハウジングカバーおよびシール組立体
JPH0783069A (ja) * 1993-09-16 1995-03-28 Suzuki Motor Corp タイミングチエーンカバー
JP2004100582A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Honda Motor Co Ltd ケース部材の取付構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01279105A (ja) * 1988-05-02 1989-11-09 Komatsu Ltd 部品の締結装置
JPH04124398U (ja) * 1991-04-30 1992-11-12 三菱自動車工業株式会社 ロツカカバー化粧板
JPH0755015A (ja) * 1993-05-05 1995-03-03 Freudenberg Nok General Partnership ハウジングカバーおよびシール組立体
JPH0783069A (ja) * 1993-09-16 1995-03-28 Suzuki Motor Corp タイミングチエーンカバー
JP2004100582A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Honda Motor Co Ltd ケース部材の取付構造

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018021640A (ja) * 2016-08-05 2018-02-08 株式会社Subaru 樹脂部品のボルト締結構造
JP2018084172A (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 アイシン精機株式会社 内燃機関
JP2019044608A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 アイシン精機株式会社 内燃機関のカバー締結構造
JP2020105977A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 マツダ株式会社 エンジンのシール構造
JP7188069B2 (ja) 2018-12-27 2022-12-13 マツダ株式会社 エンジンのシール構造
CN113557153A (zh) * 2019-03-14 2021-10-26 日产自动车株式会社 内燃机
CN113557153B (zh) * 2019-03-14 2024-05-31 日产自动车株式会社 内燃机
WO2024095435A1 (ja) * 2022-11-04 2024-05-10 株式会社日本製鋼所 表面部材、積層成形品の製造方法及びプレス装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6417662B2 (ja) 2018-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6417662B2 (ja) 内燃機関および内燃機関のカバー取付構造
US9388765B2 (en) Internal combustion engine and structure of chain cover of the same
WO2015072292A1 (ja) 内燃機関および内燃機関のカバー部材取付構造
US20050285351A1 (en) Seal structure
JP6206124B2 (ja) 内燃機関および内燃機関のカバー部材取付構造
WO2005068814A1 (en) Cylinder block
JPS6246691B2 (ja)
JP2010031666A (ja) エンジンカバー
GB2047804A (en) Mounting internal combustion engine crankshaft bearings
JP2010242896A (ja) シール構造
US10563768B2 (en) Internal combustion engine
JP6197552B2 (ja) 内燃機関および内燃機関のチェーンカバー構造
EP3686403A1 (en) Internal combustion engine
JP2008089093A (ja) 内燃機関のクランク軸支持構造及びクランク軸支持方法
CN112780660A (zh) 轴承盖、内燃机及内燃机的制造方法
US10975763B2 (en) Variable-compression-ratio internal combustion engine
WO2010116877A1 (ja) シール構造
JP5063393B2 (ja) オイルレベルゲージの案内管の取付構造
JP2016223402A (ja) 内燃機関のシリンダブロック
KR102297189B1 (ko) 엔진의 실린더 블록
JP2006312905A (ja) シリンダブロック及び同シリンダブロックの組み立て方法
KR101449526B1 (ko) 개방형 코일 스프링 비틀림 진동 댐퍼
JP2014084735A (ja) ポンプハウジングの振動低減構造
CN111473091B (zh) 壳体组件
JP2019039365A (ja) 内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180924

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6417662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees