JP7188069B2 - エンジンのシール構造 - Google Patents

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この発明は、例えばタイミングチェーンを覆うカバー部材とエンジン本体との隙間を液状シール剤で閉塞するようなエンジンのシール構造に関する。
昨今、ガソリンや軽油を燃料とするエンジンには、タイミングチェーンの摺動抵抗を低減するために、タイミングチェーンに対して潤滑油を噴射する機構を備えたものがある。このような潤滑油を噴射する機構を備えたエンジンの場合、エンジン本体に設けられたタイミングチェーンをカバー部材で覆うとともに、エンジン本体とカバー部材との隙間を閉塞することで、潤滑油の外部への漏出を防止している。
例えば、特許文献1には、タイミングチェーンを回転自在に支持するエンジン本体と、タイミングチェーンを覆うようにエンジン本体に締結固定されるタイミングチェーンカバーと、エンジン本体に対面するタイミングチェーンカバーの合わせ面に嵌合された弾性を有するシール部材とを備え、シール部材の弾性によって、エンジン本体とタイミングチェーンカバーとの隙間を閉塞するエンジンのシール構造が開示されている。
ところで、エンジン本体とカバー部材との隙間を閉塞する手段として、特許文献1のように弾性を有するシール部材の他に、エンジン本体とカバー部材との間に介在する液状の液状シール剤がある。
この液状シール剤は、エンジン本体の合わせ面、またはカバー部材の合わせ面に線条に塗布され、エンジン本体にカバー部材が締結固定される際、他方の合わせ面によって押圧されて、均一に薄く押し広げられることで、エンジン本体とカバー部材との隙間を閉塞している。
しかしながら、液状シール剤が薄く押し広げられる際、液状シール剤の流動を制御し難いため、液状シール剤が意図しない部分へ流入することによる不具合が生じるおそれがあった。
例えば、エンジン本体の合わせ面、及びカバー部材の合わせ面を貫通する挿通孔の近傍に液状シール剤が塗布された場合、薄く押し広げられた液状シール剤が、挿通孔に流入するだけでなく、挿通孔の内部に液状シール剤が固着するという問題があった。
特に、エンジン本体とカバー部材とが締結固定された後の工程で、締結部材が挿通部材として挿通孔に挿通される場合、挿通孔に固着した液状シール剤によって、締結部材の挿通が阻害されるおそれがあった。
特開2015-121145号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、エンジン本体とカバー部材とが締結固定された後の工程で、挿通部材が挿通孔に挿通される場合であっても、挿通孔への挿通部材の挿通を容易にできるエンジンのシール構造を提供することを目的とする。
この発明は、所定方向の一端に合わせ面を有するエンジン本体と、該エンジン本体の前記合わせ面に対応する合わせ面を有するとともに、前記エンジン本体に締結固定されて内部中空空間を形成するカバー部材と、前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面の間に介在する液状シール剤とを備えたエンジンのシール構造であって、前記エンジンは、前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面を所定方向に貫通するとともに、挿通部材が挿通される複数の挿通孔を備え、前記エンジン本体の前記合わせ面または前記カバー部材の前記合わせ面における前記内部中空空間側の縁端に沿った部分には、前記液状シール剤が塗布されるシール塗布領域が設けられ、前記複数の挿通孔を、前記シール塗布領域に沿って設けられた第1の挿通孔及び第2の挿通孔として、前記第1の挿通孔には、前記エンジン本体に前記カバー部材を締結固定するための締結部材が前記挿通部材として挿通され、前記第2の挿通孔は、前記カバー部材を挟んで前記エンジン本体に固定される被締結部品の開口孔に連通し、前記カバー部材の前記合わせ面には、前記第2の挿通孔と前記シール塗布領域との間に対応する部分において、前記内部中空空間側の縁端に沿って延びる略溝状に凹設された溝部と、該溝部の容積よりも大きい容積で凹設されるとともに、前記溝部の一端に連続する凹部とが備えられ、前記凹部が、前記シール塗布領域に沿って隣接する前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔との間に設けられたことを特徴とする。
またこの発明は、所定方向の一端に合わせ面を有するエンジン本体と、該エンジン本体の前記合わせ面に対応する合わせ面を有するとともに、前記エンジン本体に締結固定されて内部中空空間を形成するカバー部材と、前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面の間に介在する液状シール剤とを備えたエンジンのシール構造であって、前記エンジンは、前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面を所定方向に貫通するとともに、挿通部材が挿通される複数の挿通孔を備え、前記エンジン本体の前記合わせ面または前記カバー部材の前記合わせ面における前記内部中空空間側の縁端に沿った部分には、前記液状シール剤が塗布されるシール塗布領域が設けられ、前記複数の挿通孔を、前記シール塗布領域に沿って設けられた第1の挿通孔及び第2の挿通孔として、前記第1の挿通孔には、前記エンジン本体に前記カバー部材を締結固定するための締結部材が前記挿通部材として挿通され、前記第2の挿通孔は、前記カバー部材を挟んで前記エンジン本体に固定される被締結部品の開口孔に連通し、前記カバー部材の前記合わせ面には、前記第2の挿通孔と前記シール塗布領域との間に対応する部分において、前記内部中空空間側の縁端に沿って延びる略溝状に凹設された溝部と、該溝部の容積よりも大きい容積で凹設されるとともに、前記溝部の一端に連続する凹部とが備えられ、前記凹部が、前記シール塗布領域に沿って前記第2の挿通孔に隣接する前記第1の挿通孔を挟んで、前記第2の挿通孔に隣接する位置に設けられたことを特徴とする。
上記内部中空空間とは、例えば、タイミングチェーンやエンジンに装着される部品などを収容可能な空間のことをいう。
上記挿通部材とは、例えば、ボルトなどの締結部材、ノックピンや略筒状のカラー部材などの位置決め部材のことをいう。
上記第1の挿通孔及び第2の挿通孔とは、液状シール剤を挟んで合わせ面同士を対面させた状態において、エンジン本体に開口形成した開口孔と、カバー部材に開口形成した開口孔とが連通したものことをいう。
この発明により、エンジンのシール構造は、シール塗布領域から第2の挿通孔へ向かう合わせ面の経路上に、凹設された溝部を配設することができる。このため、例えば、一方の合わせ面におけるシール塗布領域に塗布された液状シール剤が、他方の合わせ面からの押圧によって薄く押し広げられた際、エンジンのシール構造は、第2の挿通孔へ向けて流動する液状シール剤を溝部に流入させることができる。
これにより、エンジンのシール構造は、エンジン本体とカバー部材との締結固定に伴う液状シール剤の流動を制御して、第2の挿通孔への液状シール剤の流入を阻止することができる。つまり、エンジンのシール構造は、第2の挿通孔への挿通部材の挿通が、液状シール剤によって阻害されることを防止できる。
従って、エンジンのシール構造は、エンジン本体とカバー部材とが締結固定された後の工程で、挿通部材が第2の挿通孔に挿通される場合であっても、第2の挿通孔への挿通部材の挿通を容易にすることができる。
加えて、この発明における前記カバー部材の前記合わせ面には、前記溝部に隣接するとともに、前記溝部に連続するように凹設された凹部が備えられ、該凹部は、前記溝部の容積よりも大きい容積で凹設されたことを特徴とする
この発明により、エンジンのシール構造は、エンジン本体の合わせ面とカバー部材の合わせ面との間におけるシール性を向上できるとともに、第2の挿通孔への液状シール剤の流入を確実に阻止することができる。
具体的には、液状シール剤が溝部に流入開始すると、溝部の空気が、流入する液状シール剤によって圧縮される。このため、溝部の容積が小さい、すなわち、圧縮限界までの空気の圧縮代が小さい溝部ほど、液状シール剤が溝部にスムーズに流入しないだけでなく、圧縮された溝部の空気によって液状シール剤が溝部の外部へ押し出されるおそれがあった。
そこで、溝部の容積よりも大きい容積で凹設された凹部を溝部に連続して設けたことにより、エンジンのシール構造は、液状シール剤が溝部の空気を凹部へ押し出すことができるため、圧縮限界までの空気の圧縮代を、凹部を設けていない場合に比べて大きくすることができる。
これにより、エンジンのシール構造は、溝部に流入した液状シール剤が、圧縮された溝部の空気によって溝部の外部へ押し出されることを阻止するとともに、液状シール剤を溝部へスムーズに流入させることができる。
さらに、圧縮された溝部の空気による液状シール剤の押圧が抑えられるため、エンジンのシール構造は、エンジン本体の合わせ面とカバー部材の合わせ面との間において、液状シール剤をスムーズに流動させて、より均一に薄く押し広げることができる。
従って、エンジンのシール構造は、エンジン本体の合わせ面とカバー部材の合わせ面との間におけるシール性を向上できるとともに、第2の挿通孔への液状シール剤の流入を確実に阻止することができる。
また、この発明の態様として、前記溝部は、前記第1の挿通孔が前記シール塗布領域との間に対応する部分に位置するように、前記第2の挿通孔と前記シール塗布領域との間から、前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔との間を通って前記凹部に連続してもよい。
また、この発明の態様として、前記第2の挿通孔の径方向に沿った断面において、前記溝部は、前記合わせ面に塗布された状態の前記液状シール剤の断面積に比べて大きい断面積で凹設されてもよい。
この発明により、エンジンのシール構造は、溝部へ流入開始した液状シール剤を溝部に確実に貯留できるため、溝部の外部に液状シール剤が流出することを阻止できる。
このため、エンジンのシール構造は、第2の挿通孔への液状シール剤の流入をより確実に阻止することができる。
従って、エンジンのシール構造は、第2の挿通孔への挿通部材の挿通をより確実に容易にすることができる。
また、この発明の態様として、前記被締結部品を、前記カバー部材を挟んで、前記エンジン本体に取付けられる変速機として、前記第2の挿通孔は、前記挿通部材を挿通可能な前記変速機の開口孔に連通する構成であってもよい。
この発明により、エンジンのシール構造は、エンジンの第2の挿通孔と変速機の開口孔とが連通した開口に対して挿通部材が挿通される際、挿通部材の挿通が液状シール剤によって阻害されることを防止できる。
このため、エンジンのシール構造は、例えば、エンジン本体とカバー部材とが締結固定された後の工程で、挿通部材を介してエンジンに変速機が取付けられる場合であっても、挿通部材の挿通を容易にすることができる
本発明により、エンジン本体とカバー部材とが締結固定された後の工程で、挿通部材が挿通孔に挿通される場合であっても、挿通孔への挿通部材の挿通を容易にできるエンジンのシール構造を提供することができる。
車両における構成部品を平面視で示す平面図。 エンジン及び変速機の正面視を示す正面図。 車両前方上方から見たエンジンの分解状態を示す分解斜視図。 車幅方向左側から見たエンジン本体の側面を示す側面図。 車幅方向右側から見たチェーンカバーの側面を示す側面図。 図5中のA-A矢視断面図。 挿通孔を断面で説明する説明図。 チェーンカバーの要部を説明する説明図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態の車両1は、例えば、ガソリンなどを燃料とする横置きエンジン2(以下、「エンジン2」と呼ぶ)を、車両前部に備えた前輪駆動の車両である。このような車両1のエンジン2におけるシール構造について、図1から図8を用いて詳しく説明する。
なお、図1は車両1における構成部品の平面図を示し、図2はエンジン2及び変速機3の正面図を示し、図3は車両前方上方から見たエンジン2の分解斜視図を示し、図4は車幅方向左側から見たエンジン本体20の側面図を示し、図5は車幅方向右側から見たチェーンカバー40の側面図を示し、図6は図5中のA-A矢視断面図を示し、図7は挿通孔14を断面で説明する説明図を示し、図8はチェーンカバー40の要部を説明する説明図を示している。
また、図7(a)は第2貫通孔402における径方向に沿った断面図を示し、図7(b)は第3貫通孔403における径方向に沿った断面図を示し、図8(a)は車幅方向左側から見た第2貫通孔402近傍の側面図を示し、図8(b)は車幅方向左側から見た第3貫通孔403近傍の側面図を示している。
また、図中において、矢印Fr及び矢印Rrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。さらに、矢印Rh及び矢印Lhは車幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。
まず、本実施形態の車両1は、図1に示すように、横置きのエンジン2と、エンジン2の車両左側に連結された変速機3とを車両前部に備えている。
さらに、車両1は、図1に示すように、エンジン2から排出された排気ガスが流下するエキマニ4、及び第1触媒5がこの順番でエンジン2の背面に連結されるとともに、第2触媒6、プリサイレンサー7、及びメインサイレンサー8が、車両前方からこの順番で排気管9を介して第1触媒5に連結されている。
このような車両1のエンジン2は、図2及び図3に示すように、変速機3に駆動力を伝達するクランク軸21を有するエンジン本体20と、エンジン本体20における車幅方向左側の側面に装着されるとともに、エンジン本体20及び変速機3に挟持されるチェーンカバー40とを備えている。
なお、エンジン本体20とチェーンカバー40とは、図3に示すように、車幅方向左からチェーンカバー40を介してエンジン本体20に螺合する第1締結ボルト11で締結固定されている。一方、エンジン本体20と変速機3とは、図3に示すように、車幅方向左から変速機3、及びチェーンカバー40を介してエンジン本体20に螺合する、または車幅方向右からエンジン本体20、及びチェーンカバー40を介して変速機3に螺合する第2締結ボルト12で締結固定されている。
エンジン本体20は、図2及び図3に示すように、車幅方向を回転軸とするクランク軸21を回転自在に支持するエンジンブロック22と、エンジンブロック22の上面に装着されたシリンダヘッド23と、シリンダヘッド23の上面に装着されたヘッドカバー24と、エンジンブロック22の下面に装着されたオイルパン25とで構成されている。
具体的には、エンジンブロック22は、図2及び図3に示すように、クランク軸21を車両上方から支持するアッパブロック26と、クランク軸21を車両下方から支持するロアブロック27とで構成されている。
アッパブロック26は、詳細な図示を省略するが、車幅方向に所定間隔を隔てて配置された気筒室と、クランク軸21を収容可能な空間とが連通した内部空間を有する形状に形成されている。このアッパブロック26には、ピストン、及びコンロッドなどが配設されている。
さらに、アッパブロック26には、燃焼室に燃料を供給する燃料ポンプ(図示省略)が内部に配設されるとともに、燃料ポンプ(図示省略)を駆動させる燃料ポンプ駆動軸28が回転自在に支持されている。この燃料ポンプ駆動軸28は、図4に示すように、車幅方向を回転軸とする軸体であって、クランク軸21よりも車両上方、かつ車両前方の位置で回転自在に支持されている。
一方、ロアブロック27は、潤滑油であるエンジンオイルをエンジン2内に循環させるためのオイルポンプ(図示省略)が内部に配設されるとともに、オイルポンプ(図示省略)を駆動させるオイルポンプ駆動軸29が回転自在に支持されている。このオイルポンプ駆動軸29は、図4に示すように、車幅方向を回転軸とする軸体であって、クランク軸21よりも車両下方の位置で回転自在に支持されている。
上述した構成のエンジンブロック22は、図3及び図4に示すように、その車幅方向左側の側面が、アッパブロック26の上端からロアブロック27の下端に至る車両前方側の縁部を車幅方向左側へ突設した前縁部221と、アッパブロック26の上端からロアブロック27の下端に至る車両後方側の縁部を車幅方向左側へ突設した後縁部222とを有する形状に形成されている。
換言すると、エンジンブロック22における車幅方向左側の側面は、前縁部221、及び後縁部222を除く部分が、車幅方向右側へ凹設されている。
このエンジンブロック22の前縁部221は、図3及び図4に示すように、その車幅方向左側の端面が、後述するチェーンカバー40に対面する略平坦な面であって、チェーンカバー40が装着される前方合わせ面221aとして形成されている。
同様に、エンジンブロック22の後縁部222は、その車幅方向左側の端面が、後述するチェーンカバー40に対面する略平坦な面であって、チェーンカバー40が装着される後方合わせ面222aとして形成されている。
さらに、エンジンブロック22の前方合わせ面221a、及び後方合わせ面222aには、図3及び図4に示すように、車幅方向左側から見た側面視において、チェーンカバー40を締結固定するための第1締結ボルト11が螺合する複数の第1ネジ孔22aと、変速機3を締結固定するための第2締結ボルト12が螺合する複数の第2ネジ孔22bと、変速機3に設けたネジ孔(図示省略)に螺合する第2締結ボルト12が挿通される複数の貫通孔22cとが、車幅方向に開口形成されている。
なお、第1締結ボルト11が車幅方向左から車幅方向右へ向けて挿通され、第2ネジ孔22bに螺合する第2締結ボルト12が、車幅方向左から車幅方向右へ向けて挿通され、貫通孔22cに挿通される第2締結ボルト12が、車幅方向右から車幅方向左へ向けて挿通されるものとする。
より詳しくは、前方合わせ面221aには、図3及び図4に示すように、第1締結ボルト11が螺合する2つの第1ネジ孔22aと、第2締結ボルト12が挿通される1つの貫通孔22cと、第1締結ボルト11が螺合する3つの第1ネジ孔22aとが、車両上方からこの順番で開口形成されている。
上述した前方合わせ面221aの貫通孔22cには、第2締結ボルト12が挿通可能な内径を有するとともに、チェーンカバー40(後述する前方合わせ面42aの第3貫通孔403)に嵌合する略円筒状のカラー(符号省略)が挿着されている。
一方、後方合わせ面222aには、図3及び図4に示すように、第2締結ボルト12が螺合する1つの第2ネジ孔22bと、第1締結ボルト11が螺合する2つの第1ネジ孔22aと、第2締結ボルト12が挿通される1つの貫通孔22cと、第1締結ボルト11が螺合する4つの第1ネジ孔22aとが、車両上方からこの順番で開口形成されている。
また、エンジン本体20のシリンダヘッド23は、詳細な図示を省略するが、燃焼室の上部、燃焼室に供給される空気の流入路である吸気ポート、及び燃焼室で発生した排気ガスの排出路である排気ポートが形成されている。
さらに、シリンダヘッド23には、吸気ポートを開閉する吸気弁、排気ポートを開閉する排気弁、吸気弁を開閉動作させる吸気カム軸30(図4参照)、及び排気弁を開閉動作させる排気カム軸31(図4参照)などが配設されている。
なお、吸気カム軸30、及び排気カム軸31は、図4に示すように、車幅方向を回転軸とする軸体であって、シリンダヘッド23とヘッドカバー24とで回転自在に支持されている。
このようなエンジン本体20には、図4に示すように、クランク軸21の駆動力を燃料ポンプ駆動軸28に伝達する燃料ポンプチェーン32と、燃料ポンプ駆動軸28を介して、クランク軸21の駆動力を吸気カム軸30、及び排気カム軸31に伝達するタイミングチェーン33と、クランク軸21の駆動力をオイルポンプ駆動軸29に伝達するオイルポンプチェーン34とが、車幅方向左側の側面における前縁部221と後縁部222との間に配設されている。
また、エンジン2のチェーンカバー40は、図2及び図3に示すように、エンジン本体20のエンジンブロック22と変速機3との間に介在する略板状の部材であって、燃料ポンプチェーン32、タイミングチェーン33、及びオイルポンプチェーン34を一体的に覆うようにエンジンブロック22に装着固定されている。
なお、チェーンカバー40は、エンジンブロック22の前方合わせ面221aとの隙間、及び後方合わせ面222aとの隙間をシールする液状シール剤13(図6参照)を介してエンジンブロック22に装着固定されている。
より詳しくは、チェーンカバー40は、図3、図5、及び図6に示すように、エンジンブロック22における前縁部221と後縁部222との間の部分に対して車幅方向に所定間隔を隔てて対向する略板状のカバー本体41と、エンジンブロック22の前縁部221に対面するようにカバー本体41の前縁を車幅方向右側へ突設させた前縁部42と、エンジンブロック22の後縁部222に対面するようにカバー本体41の後縁を車幅方向右側へ突設させた後縁部43とで一体形成されている。
カバー本体41には、図3及び図5に示すように、クランク軸21の先端が挿通するクランク開口41aが、車両前後略中央の下部に開口形成されている。
前縁部42は、図5に示すように、その車幅方向右側の端面が、エンジンブロック22の前方合わせ面221aに対面する略平坦な面であって、液状シール剤13を介してエンジンブロック22の前方合わせ面221aに当接する前方合わせ面42aとして形成されている。
後縁部43は、図5及び図6に示すように、その車幅方向右側の端面が、エンジンブロック22の後方合わせ面222aに対面する略平坦な面であって、液状シール剤13を介してエンジンブロック22の後方合わせ面222aに当接する後方合わせ面43aとして形成されている。
つまり、チェーンカバー40は、図6に示すように、車幅方向に沿った水平断面において、車幅方向右側が開口した断面略門型形状に形成されている。
このため、チェーンカバー40は、図7に示すように、エンジンブロック22に締結固定された状態において、エンジンブロック22とで車両上下方向が開口した内部中空空間を形成している。この内部中空空間には、上述した燃料ポンプチェーン32、タイミングチェーン33、及びオイルポンプチェーン34が配設されている。ゆえに、チェーンカバー40は、エンジンブロック22に締結固定された状態において、燃料ポンプチェーン32、タイミングチェーン33、及びオイルポンプチェーン34を収容する収容空間Sを、エンジンブロック22とで構成している。
さらに、チェーンカバー40の前方合わせ面42a、及び後方合わせ面43aには、図5に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、エンジンブロック22の第1ネジ孔22aに螺合する第1締結ボルト11が挿通される複数の第1貫通孔401と、エンジンブロック22の第2ネジ孔22bに螺合する第2締結ボルト12が挿通される複数の第2貫通孔402と、変速機3に設けたネジ孔(図示省略)に螺合する第2締結ボルト12が挿通される複数の第3貫通孔403とが、車幅方向に開口形成されている。
このため、第1貫通孔401は、エンジンブロック22の第1ネジ孔22aと連通して、第1締結ボルト11の挿通を許容する挿通孔を構成している。
さらに、第2貫通孔402は、図7(a)に示すように、エンジンブロック22の第2ネジ孔22bと連通して、第2締結ボルト12の挿通を許容する挿通孔14を構成している。この挿通孔14は、変速機3に開口形成した第2締結ボルト12を挿通するためのボルト開口孔3aとも連通している。
加えて、第3貫通孔403は、図7(b)に示すように、エンジンブロック22の貫通孔22cと連通して、第2締結ボルト12の挿通を許容する挿通孔15を構成している。この挿通孔15は、変速機3のネジ孔3bとも連通している。
より詳しくは、チェーンカバー40の前方合わせ面42aには、図5に示すように、第1締結ボルト11が挿通される2つの第1貫通孔401と、第2締結ボルト12が挿通される1つの第3貫通孔403と、第1締結ボルト11が挿通される3つの第1貫通孔401とが、車両上方からこの順番で開口形成されている。
なお、前方合わせ面42aの第3貫通孔403は、第2締結ボルト12が挿通可能な内径を有するとともに、変速機3に設けたネジ孔(図示省略)に嵌合する略円筒状のカラー(符号省略)が挿着されている。
一方、チェーンカバー40の後方合わせ面43aには、図5に示すように、第2締結ボルト12が挿通される1つの第2貫通孔402と、第1締結ボルト11が挿通される2つの第1貫通孔401と、第2締結ボルト12が挿通される1つの第3貫通孔403と、第1締結ボルト11が挿通される4つの第1貫通孔401とが、車両上方からこの順番で開口形成されている。
上述したチェーンカバー40の第1貫通孔401、第2貫通孔402、及び第3貫通孔403は、図5に示すように、後方合わせ面43aの最も下方に位置する第1貫通孔401を除いて、前方合わせ面42aにおける収容空間S側の縁端、及び後方合わせ面43aにおける収容空間S側の縁端に沿って形成されている。
さらに、チェーンカバー40の前方合わせ面42a、及び後方合わせ面43aは、図5に示すように、液状シール剤13が所定範囲に塗布されることで、対面するエンジンブロック22の前方合わせ面221a、及び後方合わせ面222aとの隙間を閉塞している。このチェーンカバー40の前方合わせ面42a、及び後方合わせ面43aにおける液状シール剤13が塗布される範囲を、シール塗布領域Wとして説明する。
ここで、液状シール剤13は、エンジンブロック22の前方合わせ面221aとチェーンカバー40の前方合わせ面42aとの隙間、及びエンジンブロック22の後方合わせ面222aとチェーンカバー40の後方合わせ面43aとの隙間を閉塞するための液状のシール剤とする。この液状シール剤13は、図6に示すように、所定直径で射出された略線条の状態で、チェーンカバー40の前方合わせ面42a、及び後方合わせ面43aに塗布されるものとする。
そして、チェーンカバー40のシール塗布領域Wは、図5及び図8に示すように、チェーンカバー40の前方合わせ面42aにおける収容空間S側の縁端に沿って車両上下方向に延びる範囲と、チェーンカバー40の後方合わせ面43aにおける収容空間S側の縁端に沿って車両上下方向に延びる範囲とに設定されている。
例えば、チェーンカバー40の後方合わせ面43aにおける第2貫通孔402近傍では、シール塗布領域Wは、図8(a)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、側面視略円弧状の前方合わせ面42aにおける収容空間S側の縁端、及び第2貫通孔402の外形形状に沿って延びる側面視略円弧状に設定されている。
また、チェーンカバー40の後方合わせ面43aにおける第3貫通孔403近傍では、シール塗布領域Wは、図8(b)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、側面視略円弧状の前方合わせ面42aにおける収容空間S側の縁端に沿って延びる略直線状に設定されている。
上述したようなチェーンカバー40の後方合わせ面43aには、図5、図6、及び図8に示すように、第2貫通孔402の近傍に第1溝部404、及び第1凹部405が凹設されるとともに、第3貫通孔403の近傍に第2溝部406、及び第2凹部407が凹設されている。
第1溝部404は、図7(a)に示すように、エンジンブロック22とチェーンカバー40とが締結固定される際、エンジンブロック22の後方合わせ面222aによって、第2貫通孔402へ向けて薄く押し広げられた液状シール剤13の流入を許容するとともに、流入した液状シール剤13を貯留可能に凹設されている。
具体的には、第1溝部404は、図5、図6、及び図8(a)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、第2貫通孔402の近傍に設定された側面視略半円状のシール塗布領域Wと第2貫通孔402との間を、所定の溝幅で、シール塗布領域Wに沿った側面視略半円状の凹溝形状に形成されている。
この第1溝部404は、図6に示すように、第2貫通孔402の径方向に沿った断面における断面形状が、シール塗布領域Wに塗布された液状シール剤13の断面積よりも大きい断面積の断面略U字状に凹設されている。
なお、第1溝部404は、図8(a)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、その車両下方側の一端が、第2貫通孔402の車両下方側で隣接する第1貫通孔401の近傍の位置まで延設されている。
また、第1凹部405は、液状シール剤13の流入によって押し出された第1溝部404の空気の流動空間として、第1溝部404における車両下方側の一端に連続する凹形状に凹設されている。この第1凹部405は、図5、図6、及び図8(a)に示すように、後方合わせ面43aにおける第1貫通孔401よりも車両下方の部分に、第1溝部404の容積よりも大きい容積で凹設されている。
具体的には、第1凹部405は、図5、図6、及び図8(a)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、第1溝部404の溝幅よりも幅広な略車幅方向の長さと、略車幅方向の長さに略同じ略車両上下方向の長さとを有する側面視略矩形であって、第1溝部404の溝深さよりも僅かに深い深さで凹設されている。
また、第2溝部406は、図7(b)に示すように、エンジンブロック22とチェーンカバー40とが締結固定される際、エンジンブロック22の後方合わせ面222aによって、第3貫通孔403へ向けて薄く押し広げられた液状シール剤13の流入を許容するとともに、流入した液状シール剤13を貯留可能に凹設されている。
具体的には、第2溝部406は、図8(b)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、第3貫通孔403近傍に設定された略直線状のシール塗布領域Wと第3貫通孔403との間を、所定の溝幅で、シール塗布領域Wに沿った側面視略直線状の凹溝形状に形成されている。
この第2溝部406は、第1溝部404と同様に、第3貫通孔403の径方向に沿った断面における断面形状が、シール塗布領域Wに塗布された液状シール剤13の断面積よりも大きい断面積の断面略U字状に凹設されている。
なお、第2溝部406は、図8(b)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、第3貫通孔403の直径よりも長い溝長さ(略車両上下方向の長さ)で延設されている。
また、第2凹部407は、液状シール剤13の流入によって押し出された第2溝部406の空気の流動空間として、第2溝部406における車両上方側の一端に連続する凹形状に凹設されている。この第2凹部407は、図8(b)に示すように、後方合わせ面43aにおける第3貫通孔403よりも車両上方の部分に、第2溝部406の容積よりも大きい容積で凹設されている。
具体的には、第2凹部407は、図8(b)に示すように、車幅方向右側から見た側面視において、第2溝部406の溝幅よりも幅広な略車幅方向の長さと、第2溝部406と略同じ略車両上下方向の長さとを有する側面視略矩形であって、第2溝部406の溝深さよりも僅かに深い深さで凹設されている。
以上のように、車幅方向の一端に合わせ面(前方合わせ面221a、後方合わせ面222a)を有するエンジン本体20と、エンジン本体20の合わせ面(前方合わせ面221a、後方合わせ面222a)に対応する合わせ面(前方合わせ面42a、後方合わせ面43a)を有するとともに、エンジン本体20に締結固定されて収容空間Sを形成するチェーンカバー40と、エンジン本体20の合わせ面(前方合わせ面221a、後方合わせ面222a)、及びチェーンカバー40の合わせ面(前方合わせ面42a、後方合わせ面43a)の間に介在する液状シール剤13とを備えたエンジン2のシール構造は、エンジン2が、エンジン本体20の後方合わせ面222a、及びチェーンカバー40の後方合わせ面43aを車幅方向に貫通するとともに、第2締結ボルト12が挿通される挿通孔14,15を備え、チェーンカバー40の後方合わせ面43aにおける収容空間S側の縁端に沿った部分を、液状シール剤13が塗布されるシール塗布領域Wとして、チェーンカバー40の後方合わせ面43aが、挿通孔14,15とシール塗布領域Wとの間に対応する部分において、収容空間S側の縁端に沿って延びる略溝状に凹設された溝部(第1溝部404、第2溝部406)を備えたことにより、シール塗布領域Wから挿通孔14,15へ向かう合わせ面の経路上に、凹設された溝部(第1溝部404、第2溝部406)を配設することができる。
このため、例えば、一方の合わせ面におけるシール塗布領域Wに塗布された液状シール剤13が、他方の合わせ面からの押圧によって薄く押し広げられた際、エンジン2のシール構造は、挿通孔14,15へ向けて流動する液状シール剤13を溝部(第1溝部404、第2溝部406)に流入させることができる。
これにより、エンジン2のシール構造は、エンジン本体20とチェーンカバー40との締結固定に伴う液状シール剤13の流動を制御して、挿通孔14,15への液状シール剤13の流入を阻止することができる。つまり、エンジン2のシール構造は、挿通孔14,15への第2締結ボルト12の挿通が、液状シール剤13によって阻害されることを防止できる。
従って、エンジン2のシール構造は、エンジン本体20とチェーンカバー40とが締結固定された後の工程で、第2締結ボルト12が挿通孔14,15に挿通される場合であっても、挿通孔14,15への第2締結ボルト12の挿通を容易にすることができる。
また、チェーンカバー40の後方合わせ面43aが、溝部(第1溝部404、第2溝部406)に隣接するとともに、溝部(第1溝部404、第2溝部406)に連続するように凹設された凹部(第1凹部405、第2凹部407)を備え、凹部(第1凹部405、第2凹部407)が、溝部(第1溝部404、第2溝部406)の容積よりも大きい容積で凹設されたことにより、エンジン2のシール構造は、エンジン本体20の後方合わせ面222aとチェーンカバー40の後方合わせ面43aとの間におけるシール性を向上できるとともに、挿通孔14,15への液状シール剤13の流入を確実に阻止することができる。
具体的には、液状シール剤13が溝部(第1溝部404、第2溝部406)に流入開始すると、溝部(第1溝部404、第2溝部406)の空気が、流入する液状シール剤13によって圧縮される。このため、溝部(第1溝部404、第2溝部406)の容積が小さい、すなわち、圧縮限界までの空気の圧縮代が小さい溝部(第1溝部404、第2溝部406)ほど、液状シール剤13が溝部(第1溝部404、第2溝部406)にスムーズに流入しないだけでなく、圧縮された溝部(第1溝部404、第2溝部406)の空気によって液状シール剤13が溝部(第1溝部404、第2溝部406)の外部へ押し出されるおそれがあった。
そこで、溝部(第1溝部404、第2溝部406)の容積よりも大きい容積で凹設された凹部(第1凹部405、第2凹部407)を溝部(第1溝部404、第2溝部406)に連続して設けたことにより、エンジン2のシール構造は、液状シール剤13が溝部(第1溝部404、第2溝部406)の空気を凹部(第1凹部405、第2凹部407)へ押し出すことができるため、圧縮限界までの空気の圧縮代を、凹部(第1凹部405、第2凹部407)を設けていない場合に比べて大きくすることができる。
これにより、エンジン2のシール構造は、溝部(第1溝部404、第2溝部406)に流入した液状シール剤13が、圧縮された溝部(第1溝部404、第2溝部406)の空気によって溝部(第1溝部404、第2溝部406)の外部へ押し出されることを阻止するとともに、液状シール剤13を溝部(第1溝部404、第2溝部406)へスムーズに流入させることができる。
さらに、圧縮された溝部(第1溝部404、第2溝部406)の空気による液状シール剤13の押圧が抑えられるため、エンジン2のシール構造は、エンジン本体20の後方合わせ面222aとチェーンカバー40の後方合わせ面43aとの間において、液状シール剤13をスムーズに流動させて、より均一に薄く押し広げることができる。
従って、エンジン2のシール構造は、エンジン本体20の後方合わせ面222aとチェーンカバー40の後方合わせ面43aとの間におけるシール性を向上できるとともに、挿通孔14,15への液状シール剤13の流入を確実に阻止することができる。
また、挿通孔14,15の径方向に沿った断面において、溝部(第1溝部404、第2溝部406)が、合わせ面に塗布された状態の液状シール剤13の断面積に比べて大きい断面積で凹設されたことにより、エンジン2のシール構造は、溝部(第1溝部404、第2溝部406)へ流入開始した液状シール剤13を溝部(第1溝部404、第2溝部406)に確実に貯留できるため、溝部(第1溝部404、第2溝部406)の外部に液状シール剤13が流出することを阻止できる。
このため、エンジン2のシール構造は、挿通孔14,15への液状シール剤13の流入をより確実に阻止することができる。
従って、エンジン2のシール構造は、挿通孔14,15への第2締結ボルト12の挿通をより確実に容易にすることができる。
また、チェーンカバー40を挟んで、エンジン本体20に変速機3が取付けられる構成として、挿通孔14が、第2締結ボルト12を挿通可能な変速機3のボルト開口孔3aに連通し、挿通孔15が、第2締結ボルト12を挿通可能な変速機3のネジ孔3bに連通する構成としたことにより、エンジン2のシール構造は、エンジン2の挿通孔14と変速機3のボルト開口孔3aとが連通した開口、並びにエンジン2の挿通孔15と変速機3のネジ孔3bとが連通した開口に対して第2締結ボルト12が挿通される際、第2締結ボルト12の挿通が液状シール剤13によって阻害されることを防止できる。
このため、エンジン2のシール構造は、例えば、エンジン本体20とチェーンカバー40とが締結固定された後の工程で、第2締結ボルト12を介してエンジン2に変速機3が取付けられる場合であっても、第2締結ボルト12の挿通を容易にすることができる。
また、挿通孔14,15が、エンジン2に変速機3を締結固定するための第2締結ボルト12が挿通される構成としたことにより、エンジン2のシール構造は、挿通孔14,15への第2締結ボルト12の挿通が、液状シール剤13によって阻害されることを防止できるとともに、第2締結ボルト12のネジ山に液状シール剤13が付着することを防止できる。このため、エンジン2のシール構造は、エンジン2と変速機3との締結状態をより安定させることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の所定方向の一端は、実施形態の車幅方向左側に対応し、
以下同様に、
エンジン本体の合わせ面は、エンジン本体20の前方合わせ面221a、及び後方合わせ面222aに対応し、
カバー部材の合わせ面は、チェーンカバー40の前方合わせ面42a、及び後方合わせ面43aに対応し、
内部中空空間は、収容空間Sに対応し、
カバー部材は、チェーンカバー40に対応し、
挿通部材、及び締結部材は、第2締結ボルト12に対応し、
溝部は、第1溝部404、及び第2溝部406に対応し、
凹部は、第1凹部405、及び第2凹部407に対応し、
変速機の開口孔は、変速機3のボルト開口孔3a、及びネジ孔3bに対応し、
被締結部品は、変速機3に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施形態において、横置きのエンジン2を用いてエンジン2のシール構造を説明したが、これに限定せず、例えば後輪駆動車の車両前部に配置される縦置きのエンジンであってもよい。
また、エンジン本体20に締結固定されて内部中空空間を形成するカバー部材として、チェーンカバー40を用いて説明したが、これに限定せず、液状シール剤を介在させて、エンジン本体20に装着されるカバー部材であれば、適宜の構成としてもよい。例えば、横置きのエンジン本体20における前面、または後面に装着されるカバー部材であってもよい。
また、変速機3を締結固定するための第2締結ボルト12が挿通される挿通孔14,15としたが、これに限定せず、ノックピンなどの位置決め部材が挿通される挿通孔であってもよい。
また、第1溝部404、及び第1凹部405を第2貫通孔402の近傍に形成し、第2溝部406、及び第2凹部407を第3貫通孔403の近傍に形成したが、エンジン本体20に設けた開口と、チェーンカバー40に設けた開口とが連通するとともに、締結ボルトなどの挿通部材が挿通される開口の近傍であれば、適宜の位置に溝部、及び凹部を形成してもよい。
また、第1溝部404、及び第1凹部405と、第2溝部406、及び第2凹部407とをチェーンカバー40の後方合わせ面43aに形成したが、これに限定せず、チェーンカバー40の前方合わせ面42aの第1貫通孔401、及び第3貫通孔403の近傍に形成してもよい。
また、第1溝部404、及び第1凹部405と、第2溝部406、及び第2凹部407とをチェーンカバー40の後方合わせ面43aに形成したが、これに限定せず、エンジン本体20の後方合わせ面222aに第1溝部、及び第1凹部と、第2溝部、及び第2凹部とを形成してもよい。
さらに、エンジン本体20にチェーンカバー40が締結固定された状態において、第1溝部404、及び第2溝部406にそれぞれ連通する第1凹部、及び第2凹部であれば、適宜の位置に凹部を形成してもよい。
例えば、チェーンカバー40の後方合わせ面43aに第1溝部404、及び第2溝部406を形成し、エンジン本体20の後方合わせ面222aに、エンジン本体20にチェーンカバー40が締結固定された状態において、第1溝部404の一端、及び第2溝部406の一端に対向するように第1凹部、及び第2凹部を凹設してもよい。
あるいは、エンジン本体20の後方合わせ面222aにおける第2ネジ孔22b、及び貫通孔22cの近傍にそれぞれ第1溝部、及び第2溝部を形成し、チェーンカバー40の後方合わせ面43aに、エンジン本体20にチェーンカバー40が締結固定された状態において、第1溝部の一端、及び第2溝部の一端に対向するように第1凹部、及び第2凹部を凹設してもよい。
また、断面略U字状に凹設された第1溝部404、及び第2溝部406としたが、これに限定せず、液状シール剤13のスムーズな流入、及び流入した液状シール剤13の貯留が可能な容積があれば、断面略V字状に凹設された溝部、あるいは断面略矩形に凹設された溝部など適宜の断面形状であってもよい。
また、第1凹部405、及び第2凹部407を側面視略矩形としたが、これに限定せず、溝部の容積よりも大きい容積であれば、適宜の形状で凹設された凹部としてもよい。
また、チェーンカバー40の後方合わせ面43aにおいて、第1溝部404、及び第1凹部405を第2貫通孔402の近傍に形成し、第2溝部206、及び第2凹部207を第3貫通孔403の近傍に形成したが、これに限定せず、例えば、第1貫通孔401の近傍に形成してもよい。
また、チェーンカバー40の前方合わせ面42a、及び後方合わせ面43aのシール塗布領域Wに液状シール剤13を塗布する構成としたが、これに限定せず、エンジン本体20の前方合わせ面221a、及び後方合わせ面222aにおける収容空間S側の縁端に沿ったシール塗布領域に液状シール剤13を塗布する構成としてもよい。この際、第1溝部404と第1凹部405、及び第2溝部406と第2凹部407は、チェーンカバー40に形成されてもよい。
2…エンジン
3…変速機
3a…ボルト開口孔
3b…ネジ孔
12…第2締結ボルト
13…液状シール剤
14…挿通孔
15…挿通孔
20…エンジン本体
40…チェーンカバー
42a…前方合わせ面
43a…後方合わせ面
221a…前方合わせ面
222a…後方合わせ面
404…第1溝部
405…第1凹部
406…第2溝部
407…第2凹部
S…収容空間
W…シール塗布領域

Claims (5)

  1. 所定方向の一端に合わせ面を有するエンジン本体と、
    該エンジン本体の前記合わせ面に対応する合わせ面を有するとともに、前記エンジン本体に締結固定されて内部中空空間を形成するカバー部材と、
    前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面の間に介在する液状シール剤とを備えたエンジンのシール構造であって、
    前記エンジンは、
    前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面を所定方向に貫通するとともに、挿通部材が挿通される複数の挿通孔を備え、
    前記エンジン本体の前記合わせ面または前記カバー部材の前記合わせ面における前記内部中空空間側の縁端に沿った部分には、前記液状シール剤が塗布されるシール塗布領域が設けられ
    前記複数の挿通孔を、
    前記シール塗布領域に沿って設けられた第1の挿通孔及び第2の挿通孔として、
    前記第1の挿通孔には、
    前記エンジン本体に前記カバー部材を締結固定するための締結部材が前記挿通部材として挿通され、
    前記第2の挿通孔は、
    前記カバー部材を挟んで前記エンジン本体に固定される被締結部品の開口孔に連通し、
    記カバー部材の前記合わせ面には、
    前記第2の挿通孔と前記シール塗布領域との間に対応する部分において、前記内部中空空間側の縁端に沿って延びる略溝状に凹設された溝部と、
    該溝部の容積よりも大きい容積で凹設されるとともに、前記溝部の一端に連続する凹部とが備えられ
    前記凹部が、
    前記シール塗布領域に沿って隣接する前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔との間に設けられた
    エンジンのシール構造。
  2. 所定方向の一端に合わせ面を有するエンジン本体と、
    該エンジン本体の前記合わせ面に対応する合わせ面を有するとともに、前記エンジン本体に締結固定されて内部中空空間を形成するカバー部材と、
    前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面の間に介在する液状シール剤とを備えたエンジンのシール構造であって、
    前記エンジンは、
    前記エンジン本体の前記合わせ面、及び前記カバー部材の前記合わせ面を所定方向に貫通するとともに、挿通部材が挿通される複数の挿通孔を備え、
    前記エンジン本体の前記合わせ面または前記カバー部材の前記合わせ面における前記内部中空空間側の縁端に沿った部分には、前記液状シール剤が塗布されるシール塗布領域が設けられ、
    前記複数の挿通孔を、
    前記シール塗布領域に沿って設けられた第1の挿通孔及び第2の挿通孔として、
    前記第1の挿通孔には、
    前記エンジン本体に前記カバー部材を締結固定するための締結部材が前記挿通部材として挿通され、
    前記第2の挿通孔は、
    前記カバー部材を挟んで前記エンジン本体に固定される被締結部品の開口孔に連通し、
    前記カバー部材の前記合わせ面には、
    前記第2の挿通孔と前記シール塗布領域との間に対応する部分において、前記内部中空空間側の縁端に沿って延びる略溝状に凹設された溝部と、
    該溝部の容積よりも大きい容積で凹設されるとともに、前記溝部の一端に連続する凹部とが備えられ、
    前記凹部が、
    前記シール塗布領域に沿って前記第2の挿通孔に隣接する前記第1の挿通孔を挟んで、前記第2の挿通孔に隣接する位置に設けられた
    エンジンのシール構造。
  3. 前記溝部は、
    前記第1の挿通孔が前記シール塗布領域との間に対応する部分に位置するように、前記第2の挿通孔と前記シール塗布領域との間から、前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔との間を通って前記凹部に連続する
    請求項2に記載のエンジンのシール構造。
  4. 前記第2の挿通孔の径方向に沿った断面において、前記溝部は、
    前記合わせ面に塗布された状態の前記液状シール剤の断面積に比べて大きい断面積で凹設された
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のエンジンのシール構造。
  5. 前記被締結部品を、前記カバー部材を挟んで、前記エンジン本体に取付けられる変速機として、
    前記第2の挿通孔は、
    前記挿通部材を挿通可能な前記変速機の開口孔に連通する構成である
    請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のエンジンのシール構造
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