JP2015119532A - モータ異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータがロック状態において、巻線の断線を速やかに検出することのできるモータ異常検出装置を提供する。【解決手段】MGECU(14)は、モータジェネレータ(100)がロック状態にあるか否かを判定するロック状態判定手段(S10)と、電流値としての電流指令値又は実電流値が、電流値ゼロを含む所定の断線検出不可範囲にあるか否かを判定する電流値判定手段(S12)と、モータジェネレータがロック状態にあり、且つ、電流値が断線検出不可範囲にあると判定された場合、回転方向が変化せず、電流指令値が断線検出不可範囲外となるように、電流指令値の位相をシフトさせる位相シフト手段(S14)と、位相シフトされた電流指令値によってモータジェネレータが制御された結果に基づいて、モータジェネレータの巻線に断線が生じているか否かを判定する異常判定手段(S16)と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、電流指令値と実電流値とに基づき、フィードバック制御されるモータについて、巻線の断線を検出するモータ異常検出装置に関するものである。
従来、モータが所定トルクを発生するために必要な電流指令値と、モータの巻線に流れる実電流値とに基づき、フィードバック制御されるモータについて、巻線の断線を検出する装置として、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1に記載の装置は、電流指令値と実電流との偏差を積分する積分手段と、積分手段の出力値が所定値以上となった場合に異常を判定する異常判定器と、を有している。例えば三相交流方式のモータにおいて断線が生じると、電流指令値と実電流値との偏差が定常的に発生することとなり、積分手段の出力レベルが上昇し続ける。このため、積分手段の出力レベルが所定値を超えることをもって、断線が生じていると判定することができる。
特許第3541675号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、モータがロック状態において、断線を検出できない場合がある。
ロック状態とは、トルク指令に反してモータの回転が困難な状態であり、モータの回転数は非常に低い値をとる。例えばハイブリッド車や電気自動車において、登坂時にブレーキを使用せず、アクセル操作によって車両のずり下がりを抑制しているときのモータの状態がロック状態である。
断線していない場合でも、ゼロ[A]付近においては、電流指令値と実電流値との偏差が殆ど生じない。上記したロック状態では、モータの回転数が非常に低く、長時間にわたって実電流値がゼロ[A]付近の値をとることとなる。このため、特許文献1に記載の装置では、ロック状態において、実電流値がゼロ[A]付近の値となる場合に、断線を検出することができない。特に断線が生じても、速やかに断線を検出することができない。
本発明は上記問題点に鑑み、モータがロック状態において、巻線の断線を速やかに検出することのできるモータ異常検出装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、モータ(100)が所定トルクを発生するために必要な電流指令値と、モータの巻線に流れる実電流値とに基づき、フィードバック制御されるモータについて、巻線の断線を検出するモータ異常検出装置であって、モータがロック状態にあるか否かを判定するロック状態判定手段(S10,S20,S30,S40)と、電流値としての電流指令値又は実電流値が、電流値ゼロを含む所定の断線検出不可範囲にあるか否かを判定する電流値判定手段(S12,S22,S32,S42)と、モータがロック状態にあり、且つ、電流値が断線検出不可範囲にあると判定された場合、モータの回転方向が変化せず、電流指令値が断線検出不可範囲外となるように、電流指令値の位相をシフトさせる位相シフト手段(S14,S24,S34,S44)と、位相シフトされた電流指令値によりモータが制御された結果に基づいて、モータの巻線に断線が生じているか否かを判定する異常判定手段(S16,S26,S36,S46)と、を備えることを特徴とする。
本発明では、モータがロック状態にあり、且つ、電流値(電流指令値又は実電流値)が電流値ゼロを含む断線検出不可範囲内にある場合に、モータの回転方向が変化せず、電流指令値が断線検出不可範囲外となるように、電流指令値の位相をシフトさせる。よって、位相シフト後において、電流指令値は断線検出不可範囲外となり、これにより断線が生じていない場合には実電流値も断線検出不可範囲外となる。一方、断線が生じている場合には実電流値が断線検出不可範囲内(ほぼゼロ)となる。このように位相シフトすることで、断線有無により差が生じることとなる。
以上により、本発明によれば、モータがロック状態において、巻線の断線を速やかに検出することができる。
第1実施形態に係るMGECUが適用されたモータ制御装置の概略構成を示す図である。 図1に示すMGECUの概略構成を示すブロック図である。 MGECUの異常検出処理を示すフローチャートである。 各コイルに流れる電流波形の位相シフト前とシフト後を示す図である。 第2実施形態に係るMGECUの異常検出処理を示すフローチャートである。 電流位相角βとトルクとの関係を示す図である。 第3実施形態に係るMGECUの異常検出処理を示すフローチャートである。 トルク補正を説明するための図である。 各コイルに流れる電流波形の位相シフト前とシフト後を示す図である。 第1変形例を示す図であり、図9に対応している。 第2変形例を示す図であり、図2に対応している。 第2変形例において、異常検出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。なお、各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、モータジェネレータの駆動を制御するMGECU(Motor Generator Electronic Control Unit)が適用されたモータ制御装置について説明する。なお、モータジェネレータが特許請求の範囲に記載のモータに相当する。また、MGECUの一機能として、特許請求の範囲に記載の異常検出装置が具現化されている。
図1に示すように、モータジェネレータ100の駆動を制御するモータ制御装置10は、インバータ12と、MGECU14と、バッテリ16と、平滑コンデンサ18と、電圧センサ20と、電流センサ22と、回転センサ24と、を備えている。図1では、直流入力部としてバッテリ16のみを示しているが、それ以外に昇圧コンバータ等の電圧変換部を備えても良い。
モータジェネレータ100は、例えばU相、V相、W相の三相のステータコイルと、永久磁石からなるロータと、有している。このモータジェネレータ100は、例えば遊星歯車機構を介して車両の駆動軸に連結されている。モータジェネレータ100は、インバータ12によって駆動電流が供給されることにより、駆動輪に必要とされる駆動トルクを発生する電動機として機能する。また、モータジェネレータ100は、車両の減速時に、駆動輪からの駆動力によって回転駆動されることにより、回生電力を発生する発電機として機能する。
インバータ12は、直流電源であるバッテリ16の高電位側ライン(電源ライン)と低電位側ライン(グランドライン)との間に、互いに並列に設けられた3つのアーム12u,12v,12wを有している。各相アーム12u,12v,12wは、上記した高電位側ラインと低電位側ラインとの間において直列接続された2つのスイッチング素子と、各スイッチング素子に逆並列に接続されたダイオードと、によりそれぞれ構成されている。
詳しくは、U相アーム12uは、スイッチング素子T1,T2とダイオードD1,D2と、により構成されている。V相アーム12vは、スイッチング素子T3,T4とダイオードD3,D4と、により構成されている。W相アーム12wは、スイッチング素子T5,T6とダイオードD5,D6と、により構成されている。なお、これらスイッチング素子T1〜T6としては、例えばIGBTを採用することができる。各相アーム12u,12v,12wにおけるスイッチング素子の接続点(中点)は、モータジェネレータ100の各相のステータコイルに接続されている。
モータジェネレータ100を電動機として機能させる場合、インバータ12では、MGECU14からの駆動制御信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに応じて、同時にオンするスイッチング素子T1〜T6の組み合わせが順番に切り替えられる。これにより、バッテリ16から電流が通電されるモータジェネレータ100の通電相が順番に切り替えられ、モータジェネレータ100には、ロータを回転させるための回転磁界が生成される。
MGECU14は、駆動制御信号UU,UL,VU,VL,WU,WLとして、モータジェネレータ100が発生すべき駆動トルクに応じたパルス幅変調信号(PWM信号)をインバータ12に出力する。これにより、各ステータコイルには、PWM信号に応じた電流値の電流Iu,Iv,Iwが通電され、モータジェネレータ100が発生する駆動トルクが、その電流値に応じて制御される。このPWM信号の生成は、モータジェネレータ100の各相のステータコイルに流れる電流値(以下、実電流値と示す)を検出する電流センサ22からの検出信号に基づいて行われる。
なお、駆動制御信号UUは、U相アーム12uにおけるハイサイド側のスイッチング素子T1のゲートに入力され、駆動制御信号ULは、U相アーム12uにおけるローサイド側のスイッチング素子T2のゲートに入力される。同様に、駆動制御信号VUは、V相アーム12vにおけるハイサイド側のスイッチング素子T3のゲートに入力され、駆動制御信号VLは、V相アーム12vにおけるローサイド側のスイッチング素子T4のゲートに入力される。駆動制御信号WUは、W相アーム12wにおけるハイサイド側のスイッチング素子T5のゲートに入力され、駆動制御信号WLは、W相アーム12wにおけるローサイド側のスイッチング素子T6のゲートに入力される。
一方、車両の減速時にモータジェネレータ100を発電機として機能させる場合、MGECU14は、モータジェネレータ100によって発電された三相交流電流を直流電流に変換するように、インバータ12を制御する。その直流電流は、バッテリ16の充電などに用いられる。
MGECU14は、マイクロコンピュータにより構成され、少なくとも、MGECU14において実行すべき各種の制御処理を記述したプログラムを記憶するROM、各種の演算処理を実行するCPU、演算処理結果や各種のデータを一時的に保存するRAMなどを有している。
MGECU14には、平滑コンデンサ18の端子間電圧を検出する電圧センサ20、実電流値を検出する電流センサ22、モータジェネレータ100の回転位置を検出する回転センサ24から、検出信号がそれぞれ入力される。
MGECU14は、外部から与えられるトルク指令値と上記した各センサ20,22,24からの検出信号とに基づき、モータジェネレータ100を駆動するための駆動制御信号UU,UL,VU,VL,WU,WLを生成して、インバータ12に出力する。この駆動制御信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに応じて、インバータ12のスイッチング素子T1〜T6が駆動され、バッテリ16からインバータ12を介してモータジェネレータ100に駆動電流Iu,Iv,Iwが通電される。その結果、モータジェネレータ100は、所望の駆動トルクを発生するように駆動される。もしくは、モータジェネレータ100によって発電された電力による電流がインバータ12により整流され、バッテリ16の充電が行われる。
電圧センサ20は、高電位側ラインと低電位側ラインとの間に設けられた平滑コンデンサ18の端子間電圧、すなわちバッテリ電圧VBATを検出する。
電流センサ22は、モータジェネレータ100の三相のうち、二相(例えばU相、W相)のステータコイルに流れる実電流値をそれぞれ検出する2つのセンサからなる。残り一相の実電流値は、三相の電流Iu,Iv,Iwの総和がゼロになる関係から、検出した二相の実電流値により算出される。
回転センサ24は、レゾルバやアブソリュート型エンコーダのように、モータジェネレータ100の回転位置(磁極位置)を絶対値として検出可能なものである。この回転センサ24は、所定角度毎にモータジェネレータ100の回転位置(ロータ角θ)を検出する。
上記したMGECU14は、HVECU102との間で通信可能に接続されている。HVECU102は、モータジェネレータ100や図示しないエンジン及び発電機など、ハイブリッド車両の駆動システム全体を統合的に制御するとともにバッテリ16を管理する機能を有する。
HVECU102は、運転者の車両操作(例えばアクセル開度)、車速などから、目標トルクを算出し、その目標トルクを達成するように、エンジン、モータジェネレータ100、及び発電機を統合的に制御する。すなわち、目標トルクに対して、車両の走行状態に応じ、エンジンに要求されるトルク、モータジェネレータ100に要求されるトルク、発電機に要求されるトルクの配分を決定する。
また、HVECU102は、エンジンが要求トルクを生じるために、図示しないスロットルバルブを適切な開度に制御するとともに、エンジンの燃料噴射量及び点火タイミングを制御する。さらに、HVECU102は、モータジェネレータ100及び発電機が要求トルクを生じるために、インバータ12などのパワーコントロールユニットを制御する。すなわち、HVECU102は、MGECU14に対して、必要に応じてトルク指令値を送信し、必要に応じてモータ作動状態に関するデータ(例えばモータ回転数や駆動電流値)を受信する。また、HVECU102は、バッテリ16の充電状態を監視するとともに、バッテリ16の充放電も制御する。
次に、図2に基づき、MGECU14の概略構成について説明する。
図2に示すように、MGECU14は、電流指令生成部30と、電流指令補正部32と、座標変換部34,44と、減算部36,38と、PI制御部40,42と、PWM変調部46と、位相シフト要求部48と、異常判定部50と、を備えている。以下においては、一例として、MGECU14が、三相交流式のモータジェネレータ100をベクトル制御する構成を示す。ベクトル制御では、U相、V相、及びW相によって定義される実回転座標を、モータジェネレータ100を構成するロータの磁極が作る磁束の方向であるd軸及びこのd軸に直交するq軸によって定義される仮想回転座標であるd−q座標系に座標変換する。そして、座標変換されたd−q座標系においてモータジェネレータ100を駆動制御する。このようなベクトル制御は周知であるため、詳細な説明については割愛する。
電流指令生成部30は、HVECU102から入力されるトルク指令値Trqcomに応じた電流指令値、詳しくは、d軸電流指令値Idcom及びq軸電流指令値Iqcomを算出する。そして、算出した電流指令値Idcom,Iqcomを電流指令補正部32に出力する。
電流指令補正部32は、位相シフト要求部48から位相シフト要求θsftreqが入力されると、電流指令値Idcom,Iqcomの位相がシフトするように電流指令値Idcom,Iqcomを補正する。本実施形態では、図示しないメモリに、予め位相シフト量として所定の電気角(例えば15[°])が記憶されており、位相シフト要求θsftreqが入力されると、上記所定電気角分、電流指令値Idcom,Iqcomの位相がシフトされる。そして、補正した電流指令値Idcomfix,Iqcomfixを、それぞれ対応する減算部36,38に対して出力する。なお、位相シフト要求θsftreqが入力されない場合、電流指令値Idcom,Iqcomは特に補正されずに電流指令値Idcomfix,Iqcomfixとして出力される。
座標変換部34は、回転センサ24によって検出されたロータ角θを用いて、電流センサ22により検出された実電流値(例えばU相電流Iu及びW相電流Iwの実電流値)をd−q座標系に変換し、d軸実電流値Id及びq軸実電流値Iqを算出する。そして算出したd軸実電流値Idを減算部36に出力し、q軸実電流値Iqを減算部38に出力する。また、d軸実電流値Id及びq軸実電流値Iqを、ともに位相シフト要求部48に出力する。
減算部36は、d軸電流指令値Idcomfixとd軸実電流値Idとの偏差であるd軸偏差ΔIdを算出する。そして、算出したd軸偏差ΔIdを、PI制御部40及び異常判定部50にそれぞれ出力する。一方、減算部38は、q軸電流指令値Iqcomfixとq軸実電流値Iqとの偏差であるq軸偏差ΔIqを算出する。そして、算出したq軸偏差ΔIqを、PI制御部42及び異常判定部50にそれぞれ出力する。
PI制御部40は、算出されたd軸偏差ΔIdに基づき、d軸実電流値Idがd軸電流指令値Idcomfixに追従するように、モータジェネレータ100への印加電圧値であるd軸制御電圧値Vdを算出する。そして、算出したd軸制御電圧値Vdを、座標変換部44に出力する。一方、PI制御部42は、算出されたq軸偏差ΔIqに基づき、q軸実電流値Iqがq軸電流指令値Iqcomfixに追従するように、モータジェネレータ100への印加電圧値であるq軸制御電圧値Vqを算出する。そして、算出したq軸制御電圧値Vqを、座標変換部44に出力する。なお、フィードバック制御する制御部としては、上記PI制御部40,42に限らず、P制御やPID制御を行なう制御部を採用することもできる。
座標変換部44は、回転センサ24により検出されたロータ角θ及び電圧センサ20により検出されたバッテリ電圧VBATを用いて、制御電圧値Vd,Vqを、三相交流座標系のU相制御電圧値Vu、V相制御電圧値Vv、及びW相制御電圧値Vwに変換する。そして、U相制御電圧値Vu、V相制御電圧値Vv、及びW相制御電圧値Vwを、PWM変調部46に出力する。
PWM変調部46は、U相制御電圧値Vu、V相制御電圧値Vv、及びW相制御電圧値Vwに対応した駆動制御信号UU,UL,VU,VL,WU,WLを生成し、生成した駆動制御信号UU,UL,VU,VL,WU,WLをインバータ12に向けて出力する。これにより、モータジェネレータ100の各相ステータコイルに、駆動制御信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに応じた電流Iu,Iv,Iwが流れ、モータジェネレータ100から必要なトルクが発生される。
位相シフト要求部48は、モータジェネレータ100がトルク指令に反して回転が困難なロック状態にあるか否かを判定する機能と、電流指令値が電流値ゼロを含む所定の断線検出不可範囲にあるか否かを判定する機能を有している。また、位相シフト要求部48は、モータジェネレータ100がロック状態にあり、且つ、断線検出不可範囲内の電流相がある場合、電流指令補正部32に対して、位相シフト要求θsftreqを出力する。
本実施形態において、位相シフト要求部48は、回転センサ24によって検出されたロータ角θに基づいて、モータジェネレータ100がロック状態にあるか否かを判定する。また、位相シフト要求部48は、電流指令生成部30により生成された電流指令値Idcom,Iqcomが断線検出不可範囲にあるか否かを判定する。
異常判定部50は、位相シフト要求θsftreqを受けて位相シフトされた電流指令値Idcomfix,Iqcomfixにより、モータジェネレータ100が制御された結果に基づいて、ステータコイルの巻線に断線が生じているか否かを判定する。
本実施形態において、異常判定部50は、減算部36,38にて算出されたd軸偏差ΔId及びq軸偏差ΔIqに基づいて、巻線に断線が生じているか否かを判定する。
次に、図3及び図4に基づき、MGECU14による異常判定処理(断線検出処理)について説明する。なお、異常検出処理は、MGECU14の電源が投入されている間、繰り返し実行される。
モータジェネレータ100のロック状態とは、トルク指令に反してモータジェネレータ100の回転が困難な状態であり、モータジェネレータ100の回転数は非常に低い値をとる。例えば、登坂時にブレーキを使用せず、アクセル操作によって車両のずり下がりを抑制している場合、タイヤが溝に嵌った場合などに起こりうる。
そこで、先ずMGECU14の位相シフト要求部48は、回転センサ24からロータ角θを取得し、このロータ角θからモータジェネレータ100の回転数を算出する。そして、算出した回転数が、ロック状態を判定するために予め設定された所定値未満であるか否かを判定する(S10)。このステップS10の処理が、特許請求の範囲に記載のロック状態判定手段に相当する。所定値としては、例えば50rpmが設定される。
図4は、正弦波PWM制御によってモータジェネレータ100の駆動を制御したときに、各相のステータコイルに流れる電流Iu,Iv,Iwの波形を重ねて表記しており、縦軸が電流[A]、横軸が電流位相を表すことができる電気角[°]となっている。各相電流Iu,Iv,Iwは略正弦波状をなし、各相電流Iu,Iv,Iwの位相は、波形一周期を360[°]として120[°]ずつずれている。なお、破線は位相シフト前を示し、実線は位相シフト後を示している。図4では、電流振幅を40[A]としている。
MGECU14ではフィードバック制御を行なうため、電流指令値がゼロ[A]付近の場合、実電流値もゼロ[A]付近の値となる。このように電流指令値がゼロ[A]付近の場合、断線が生じていても、断線によって実電流値がゼロ[A]付近の値となっているのか不明である。例えば図4において、電気角120[°]付近で、W相電流Iwの電流値はほぼゼロとなる。このため、電気角120[°]付近で、W相ステータコイルの巻線の断線を検出することができない。
そこで、ステップS10においてロック状態であると判定された場合、MGECU14の位相シフト要求部48は、電流指令値として、電流値ゼロを含む所定の断線検出不可範囲内の値をとっているものが存在するか否かを判定する(S12)。すなわち、断線検出不可範囲内の電流相があるか否かを判定する。このステップS12の処理が、特許請求の範囲に記載の電流値判定手段に相当する。断線検出不可範囲は、例えば、ノイズ等を考慮し、各相電流Iu,Iv,Iwの振幅に応じて設定される。
本実施形態では、電流指令値Idcom,Iqcomの絶対値が、予め設定された所定値以下であるか否かを判定する。それ以外にも、d−q座標系の電流指令値Idcom,Iqcomを三相交流座標系に変換し、断線検出不可範囲内の値をとっているものが存在するか否かを判定しても良い。
ステップS12において断線検出不可範囲内の電流相があると判定された場合、MGECU14の電流指令補正部32は、位相シフト処理を実行する(S14)。位相シフト処理では、モータジェネレータ100の回転方向が変化せず、且つ、電流指令値が断線検出不可範囲外となるように、電流指令値の位相をシフトさせる。また、トルクの脈動を抑制するために、各相について、同じ電気角分シフトさせる。このステップS14の処理が、特許請求の範囲に記載の位相シフト手段に相当する。
本実施形態では、位相シフト量として予めメモリに記憶された電気角15[°]分、各相の電流指令値の位相がシフトするように、電流指令値Idcom,Iqcomを補正して、補正後の電流指令値Idcomfix,Iqcomfixを生成する。これにより、図4に示すように、各相電流Iu,Iv,Iwの位相も約15[°]シフトする。なお、三相とも同じ電気角分、位相をシフトさせるため、例えば電気角120[°]において、位相後の電流指令値が三相とも断線検出不可範囲外となるように位相シフト量を設定する。上記したように、各相電流Iu,Iv,Iwの位相は、120[°]ずつずれているため、例えば0[°]<位相シフト量≦45[°]とすれば良い。
位相シフト処理の終了後、MGECU14は、位相シフトされた電流指令値によりモータジェネレータ100が制御された結果に基づいて、ステータコイルの巻線に断線が生じているか否かを判定する。本実施形態では、MGECU14の異常判定部50が、d軸偏差ΔId及びq軸偏差ΔIqに基づいて、偏差が予め設定された所定値より大きい電流相があるか否かを判定する(S16)。この際、d軸偏差ΔId及びq軸偏差ΔIqと予め設定された所定値とを比較しても良いし、d軸偏差ΔId及びq軸偏差ΔIqを三相交流座標系に変換し、各相の偏差と所定値とを比較しても良い。このステップS16の処理が、特許請求の範囲に記載の異常判定手段に相当する。
上記したように、各相の電流指令値の位相を電気角15[°]分シフトさせると、図4に示すように、電気角120[°]におけるW相電流Iwの位相シフト後の実電流値は、W相ステータコイルの巻線に断線が生じていない場合、位相シフト前の電流値に較べて大きくなる。したがって、断線が生じていない場合、位相シフト前後で、W相の偏差は大きく変わらない。一方、断線が生じている場合、シフトさせた電流指令値に実電流値が追従せず、電気角120[°]におけるW相電流Iwの位相シフト後の実電流値は、ゼロ[A]付近の値となる。したがって、断線が生じている場合、位相シフト前後で、W相の偏差は大きく変化し、位相シフト後の偏差は所定値よりも大きな値をとる。
このように、偏差に基づいて、断線が生じているか否かを判定することができる。そして、ステップS16において断線が生じていると判定された場合、MGECU14はフェールセーフ処理を実行する(S18)。フェールセーフ処理の一例としては、MGECU14がモータジェネレータ100の制御を禁止する。また、MGECU14は、HVECU102に断線検出信号を出力し、これを受けて、HVECU102は、エンジンのみによる走行モードへの切り替えを実行する等が考えられる。
一方、ステップS18において、全ての偏差が所定値以下である、すなわち、各相の実電流値が電流指令値に追従しており、いずれの相にも断線が生じていないと判定された場合、ステップS18のフェールセーフ処理を実行せずに、一連の処理を終了する。この場合、通常の制御が実行されることとなる。例えば、通常制御では、位相シフト要求部48から電流指令補正部32に位相シフト要求θsftreqが入力されず、位相シフトしていない電流指令値Idcom,Iqcomが、電流指令値Idcomfix,Iqcomfixとして出力される。このように、断線検出の期間のみ位相をシフトさせると良い。
なお、ステップS10においてロック状態にないと判定された場合、及び、ステップS12において断線検出不可範囲内の電流相なしと判定された場合も、上記したステップS16以上の処理を実行する。例えば、ロック状態でない場合、すなわち、モータジェネレータ100の回転数が高回転の場合にも、ステップS16において断線が生じていると判定されると、MGECU14はフェールセーフ処理を実行する。また、断線検出不可範囲内の電流相なしの場合にも、ステップS16において断線が生じていると判定されると、MGECU14はフェールセーフ処理を実行する。このように、MGECU14は、モータジェネレータ100がロック状態のときだけでなく、ロック状態以外の場合にも、ステータコイルの巻線の断線を検出することができる。
次に、本実施形態に係るMGECU14の効果について説明する。
本実施形態では、モータジェネレータ100がロック状態にあり、且つ、電流指令値が断線検出不可範囲内にある場合、モータジェネレータ100の回転方向が変化せず、電流指令値が断線検出不可範囲外となるように、電流指令値の位相をシフトさせる。この位相シフトにより、電流指令値は断線検出不可範囲外となり、断線が生じていない場合には実電流値も断線検出不可範囲外となる。一方、断線が生じている場合には実電流値がゼロ[A]付近の値となる。すなわち、断線が生じている場合と生じていない場合とで大きな差が生じ、これにより、断線が生じているか否かを判定することができる。したがって、モータジェネレータ100がロック状態でも、ステータコイルの巻線の断線を速やかに検出することができる。
また、本実施形態では、位相シフトされた電流指令値と、該電流指令値にともなう実電流値との偏差に基づいて、モータジェネレータ100の巻線に断線が生じているか否かを判定する。この場合、断線が生じている場合、断線が生じている相に対応する偏差が大きくなる。したがって、複数相のいずれに断線が生じたかを特定することができる。このように、断線相の特定により、故障解析の効率化、交換部品の削減などを図ることが可能となる。
また、本実施形態では、三相交流式のモータジェネレータ100において、モータジェネレータ100がロック状態にあり、且つ、電流指令値が断線検出不可範囲内にある場合、各相の電流指令値の位相を同じ電気角分シフトさせる。これにより、位相シフト後においても、各相電流Iu,Iv,Iwの位相は120[°]ずつずれた状態となる。したがって、駆動トルクの脈動を抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示したMGECU14と共通する部分についての説明は割愛する。
第1実施形態では、ステップS16において、偏差を所定値と比較することで、断線相を特定する例を示した。しかしながら、それ以外の構成によっても、断線相を特定することができる。
本実施形態では、MGECU14が図5に示す異常検出処理を実行する。図5は、図3に対応しており、図3の対応するステップ番号に10を加算して示している。ステップS24までは、図3に示したステップS14までと同じである。
図3のステップS16に対応するステップS26では、実電流値の絶対値が所定値未満の電流相があるか否かを判定する。所定値としては、ノイズを考慮して、ゼロ[A]付近の値が設定される。所定値とは、言うなれば上記した断線検出不可範囲である。
本実施形態では、第1実施形態同様、電流センサ22により、二相(例えばU相、W相)のステータコイルに流れる実電流値が検出される。したがって、この二相については、電流センサ22の検出信号から、断線が生じているか否かを判定することができる。例えば、位相シフト前の実電流値が断線検出不可範囲外であっても、断線が生じていなければ、位相シフト後の実電流値の絶対値が断線検出範囲外となる。したがって、位相シフト後の実電流値の絶対値が所定値未満であるか否かをもって、断線が生じているか否かを判定することができる。
一方、残りの一相(V相)については、三相電流Iu,Iv,Iwの総和がゼロになる関係から実電流値を算出し、算出された位相シフト後の実電流値の絶対値が所定値未満であるか否かをもって、断線が生じているか否かを判定することができる。例えば、ステップS22において、V相の電流指令値が断線検出不可範囲内にあると判定された場合でも、ステップS26において、位相シフト後のV相の実電流値を算出し、V相に断線が生じているか否かを判定することができる。
ステップS26において、実電流値の絶対値が所定値未満の電流相があると判定された場合、すなわち、断線相があると判定された場合、MGECU14は、フェールセーフ処理を実行する(S28)。
このように、電流センサ22を二相のみに設けた場合でも、三相のいずれに断線が生じたかを特定することができる。そして、断線相の特定により、故障解析の効率化、交換部品の削減などを図ることができる。
(第3実施形態)
本実施形態において、第1実施形態に示したMGECU14と共通する部分についての説明は割愛する。
第1実施形態に示したように、モータジェネレータ100は、永久磁石からなるロータを有する。本実施形態では、その一例として、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれた埋め込み磁石構造のモータジェネレータ100を採用している。このような埋め込み磁石構造のモータは、IPM(Interior Permanent Magnet)モータと呼ばれる。埋め込み磁石構造のモータジェネレータ100では、永久磁石によるマグネットトルクのほかに、リラクタンストルクが発生することが知られている。
マグネットトルクτは、回転磁界の極とロータの永久磁石の磁極との吸引及び反発によって発生するトルクである。一方、リラクタンストルクτは、回転磁界による極とロータの突極との吸引力だけによって生ずるトルクである。マグネットトルクτ、リラクタンストルクτ、及びその合成トルクτallは、次式1〜3にて示される。
(数1)τ=Pn×φe×Ie×cosβ
(数2)τ=Pn×1/2×(Lq−Ld)×Ie×sin2β
(数3)τall=τ+τ
なお、Pnは永久磁石の極対数、φeは永久磁石の磁束密度、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、Ieはステータコイルに流れる電流(三相電流の実効値)、βは電流位相角である。電流位相角βはロータの磁束に対する回転磁界の位相のずれ角(電流Ieのq軸との位相角)である。
図6は、電流振幅一定の状態で、電流位相角βと各トルクτall,τ,τとの関係を示している。マグネットトルクτは、電流位相角βがゼロ[°]で最大となり、位相角90[°]でトルクがゼロとなる。一方、リラクタンストルクτは、電流位相角βが45[°]で最大となり、電流位相角βがゼロ[°]と90[°]でトルクがゼロとなる。
埋め込み磁石構造のモータジェネレータ100では、ステータコイルに流れる電流に対して最も効率的にトルクを発生させるために、同一電流に対して発生トルクを最大に制御する最大トルク電流制御が実施される。すなわち、図6に示す合成トルクτallが最大値となる電流位相角βで、各相電流が制御される。
このように最大トルク電流制御が実施される場合、第1実施形態に示した位相シフトによる断線検出を実施すると、電流位相角βも位相シフトと同じ電気角分シフトする。すなわち、合成トルクτallが最大となる電流位相角βからずれる。したがって、電流振幅が一定の場合、モータジェネレータ100による駆動トルクが弱まり、例えば登坂路の負荷トルク以下となって、車両が登坂路をずり下がる虞がある。
そこで本実施形態では、MGECU14が、第1実施形態に示した位相シフト処理に加えて、位相シフトにともなうトルクの変動を抑制するために、電流指令値に対してトルク補正処理を実行する。図7は、本実施形態に係るMGECU14の異常検出処理を示すフローチャートである。図7は、図3に対応しており、対応するステップ番号に20を加算して示している。ステップS34までは、図3に示したステップS34までと同じである。また、ステップS36以降は、図3に示したステップS16以降と同じである。
ステップS34に示す位相シフト処理の終了後、MGECU14は、位相シフトにともなうトルクの変動を抑制するために、電流指令値に対してトルク補正処理を実行する(S35)。このステップS35が、特許請求の範囲に記載のトルク補正手段に相当する。
図8は、電流位相角βとトルクとの関係を示す図であり、トルク補正前を破線、トルク補正後を実線で示している。位相シフト前において、各相電流は、合成トルクτallが最大値となる電流位相角β(図中一点鎖線)で制御されている。したがって、ステップS34において各相の電流指令値の位相を電気角15[°]分シフトさせる、すなわち電流位相角βを電気角15[°]分シフトさせると、シフト後(図中二点鎖線)の合成トルクτallは最大値よりも小さくなる。
ステップS35では、上記したように、位相シフトにともなうトルクの変動をできるだけ小さくするために、電流指令値に対してトルク補正処理を実行する。その一例として、本実施形態では、位相シフト前後で同トルクとなるように、トルク補正を行なう。
具体的には、位相シフト要求部48から位相シフト要求θsftreqが入力されると、MGECU14の電流指令補正部32は、位相シフト前後で同トルクとなるように、上記した数式1〜3に示す関係において、電流Ieを決定する。このとき、電流Ieの振幅を補正前よりも大きくする。例えば、第1実施形態同様、位相シフト前の電流振幅を40[A]とすると、図9に示すように、位相シフト及びトルク補正後の電流振幅(図中実線)を位相シフト前(図中破線)の1.05倍とする。これにより、図8に実線で示すように、補正後の合成トルクτallの値が、電気角15[°]分位相をシフトさせた電流位相角βにおいて、補正前の合成トルクτallの最大値と一致することとなる。
そして、位相シフト処理及びトルク補正処理の実行後、MGECU14は、位相シフト処理及びトルク補正処理された電流指令値によりモータジェネレータ100が制御された結果に基づいて、ステータコイルの巻線に断線が生じているか否かを判定する(S36)。ステップS36以降については、第1実施形態と同じであるため、その記載を省略する。
次に、本実施形態に係るMGECU14の効果について説明する。
本実施形態によれば、第1実施形態に示した効果に加えて、位相シフトにともなうトルクの変動を抑制することができる。したがって、例えばモータジェネレータ100による駆動トルクが弱まり、車両が登坂路をずり下がるのを抑制することができる。
特に本実施形態では、位相シフト前後で同トルクとなるように、トルク補正を行なう。したがって、位相シフトの前後でトルクの変動が生じないようにすることができる。
また、本実施形態では、モータジェネレータ100が、埋め込み磁石構造を有している。このため、図6に示したように、マグネットトルクτだけでなく、リラクタンストルクτも発生する。したがって、ロータの表面に永久磁石を貼り付けた表面磁石構造のモータジェネレータに適用する場合に較べて、位相シフトにともなうトルクの低下量を小さくすることができる。すなわち、トルク補正量を小さく抑えることができる。しかしながら、上記したMGECU14を表面磁石構造のモータジェネレータ、所謂SPM(Surface Permanent Magnet)モータにも適用することもできる。この場合、リラクタンストルクτがゼロとなる。
なお、本実施形態では、位相シフト量が予め設定されており、この位相シフトにともなって低下するトルクを補正すべく、電流Ieを算出する例を示した。しかしながら、トルク補正するための電流Ieが予め設定されており、補正後の合成トルクτallの値が補正前の合成トルクτallの最大値と一致するように、電流位相角β、ひいては位相シフト量を算出しても良い。すなわち、ステップS34とステップS35の順序を逆にしても良い。
また、位相シフト量及びトルク補正量は上記例に限定されるものではない。例えば図10に示す第1変形例では、破線で示す位相シフト前の電流振幅が100[A]であり、位相シフト量を電気角5[°]分、位相シフト及びトルク補正後の電流振幅を位相シフト前の1.01倍としている。これにより、例えば、電気角120[°]においてW相ステータコイルの巻線の断線を検出することができる。
また、位相シフトによる大きなトルク変動を抑制するために、例えば位相変化率に制限を設けることで、位相をシームレスに変化させても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
ステータコイルの巻線に断線が生じているか否かの判定手法は、上記例に限定されるものではない。位相シフトされた電流指令値によってモータジェネレータ100が制御された結果に基づくものであれば良い。例えば、変調率が、予め設定された所定値よりも大きいか否かをもって断線を検出することもできる。変調率は、出力値である(Vdcosθ+Vqsinθ)を、入力値であるVBATで除算した値である。しかしながら、変調率を用いた場合、三相交流式のモータジェネレータ100において、断線相を特定することはできない。
また、それ以外にも、位相シフト前後における実電流値から、ステータコイルの巻線に断線が生じているか否かを判定することもできる。例えば図11に示す第2変形例では、座標変換部34にて座標変換された実電流値Id,Iqが、位相シフト要求部48に入力されるようになっている。すなわち、断線検出不可範囲に電流相があるか否かの判定として、実電流値を用いる。例えば第2実施形態同様、電流センサ22により、二相(例えばU相、W相)のステータコイルに流れる実電流値を検出し、残りの一相(V相)については、三相電流Iu,Iv,Iwの総和がゼロになる関係から実電流値を算出する。
この場合、図12に示すように、ステップS36に対応するステップS46において、位相シフト前後で実電流値が変化しない電流相があるか否かを判定する。なお、位相シフト前後での実電流値の差分の絶対値が、予め設定された所定値未満である場合、実電流値に変化がないものとする。そして、ステップS46において、実電流値が変化しない電流相があると判定された場合、MGECU14は、フェールセーフ処理を実行する(S48)。なお、図12は図7に対応しており、図7の対応するステップ番号に10を加算して示している。
上記実施形態では、モータジェネレータ100の三相のうち、二相に対して電流センサ22が配置される例を示したが、三相それぞれに電流センサ22が配置された構成としても良い。この場合、各相と電流センサ22が1対1で対応することとなり、各電流センサ22によって検出される実電流値から、断線が生じているか否かを検出するとともに、断線相を特定することができる。
上記実施形態では、モータジェネレータ100の回転数が所定値未満の場合に、ロック状態であると判定する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、トルク指令値Trqcomが所定値以上の場合に、ロック状態であると判定するようにしても良い。また、PWMのキャリア周波数が所定値以下の場合に、ロック状態であると判定するようにしても良い。
電動機(モータ)及び発電機として機能するモータジェネレータ100の例を示したが、少なくともモータの機能を有するものであれば良い。また、モータジェネレータ100として三相交流式のモータジェネレータ100の例を示したが、相数は特に限定されない。単相や三相以外の多相でも良い。
三相交流式のモータジェネレータ100をベクトル制御する例を示したが、ベクトル制御に限定されるものではない。
また、モータ異常検出装置としては、ハイブリッド車のMGECU14に限定されるものではない。電気自動車のMGECUにも適用することができる。さらには、車両以外のモータについても適用することができる。
10・・・モータ制御装置、12・・・インバータ、12u・・・U相アーム、12v・・・V相アーム、12w・・・W相アーム、14・・・MGECU、16・・・バッテリ、18・・・平滑コンデンサ、20・・・電圧センサ、22・・・電流センサ、24・・・回転センサ、30・・・電流指令生成部、32・・・電流指令補償部、34,44・・・座標変換部、36,38・・・減算器、40,42・・・PI制御部、46・・・PWM変調部、48・・・位相シフト要求部、50・・・異常判定部、100・・・モータジェネレータ、102・・・HVECU

Claims (7)

  1. モータ(100)が所定トルクを発生するために必要な電流指令値と、前記モータの巻線に流れる実電流値とに基づき、フィードバック制御される前記モータについて、前記巻線の断線を検出するモータ異常検出装置であって、
    前記モータがロック状態にあるか否かを判定するロック状態判定手段(S10,S20,S30,S40)と、
    電流値としての前記電流指令値又は前記実電流値が、電流値ゼロを含む所定の断線検出不可範囲にあるか否かを判定する電流値判定手段(S12,S22,S32,S42)と、
    前記モータがロック状態にあり、且つ、前記電流値が前記断線検出不可範囲にあると判定された場合、前記モータの回転方向が変化せず、前記電流指令値が前記断線検出不可範囲外となるように、前記電流指令値の位相をシフトさせる位相シフト手段(S14,S24,S34,S44)と、
    位相シフトされた前記電流指令値により前記モータが制御された結果に基づいて、前記モータの巻線に断線が生じているか否かを判定する異常判定手段(S16,S26,S36,S46)と、
    を備えることを特徴とするモータ異常検出装置。
  2. 位相シフトにともなうトルクの変動を抑制するために、前記電流指令値に対してトルク補正を行なうトルク補正手段(S35,S45)を備え、
    前記異常判定手段は、位相シフトされ、且つ、トルク補正された前記電流指令値により前記モータが制御された結果に基づいて、前記モータの巻線に断線が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のモータ異常検出装置。
  3. 前記トルク補正手段は、位相シフト前後で同トルクとなるように、前記電流指令値に対してトルク補正を行なうことを特徴とする請求項2に記載のモータ異常検出装置。
  4. 前記モータはIPMモータであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のモータ異常検出装置。
  5. 前記モータは三相モータであり、
    前記電流値判定手段は、前記モータの三相のうちのいずれか一相において、前記電流値が前記断線検出不可範囲にあるか否かを判定し、
    前記位相シフト手段は、前記モータがロック状態にあり、且つ、いずれか一相の前記電流値が前記断線検出不可範囲にあると判定された場合、前記モータの回転方向が変化せず、各相の前記電流指令値が前記断線検出不可範囲外となるように、各相の前記電流指令値の位相を同じ電気角分シフトさせることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のモータ異常検出装置。
  6. 前記異常判定手段は、位相シフトされた前記電流指令値と該電流指令値にともなう前記実電流値との偏差に基づいて、前記モータの巻線に断線が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のモータ異常検出装置。
  7. 前記異常判定手段は、前記モータの三相のうち、二相に流れる前記実電流値の和から、残りの一相の巻線に断線が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載のモータ異常検出装置。
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