JP2015117806A - クラッチの潤滑油供給路構造 - Google Patents

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伊藤 啓介
Keisuke Ito
啓介 伊藤
慶 長谷川
Kei Hasegawa
慶 長谷川
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Abstract

【課題】エンジンやシャフトの回転数に依存せずに潤滑油を安定的に供給してクラッチの切れ具合を安定化し、かつクラッチによる駆動力の伝達を遮断した際には潤滑油の供給を遮断する。【解決手段】貯留部36からラック保持孔38へ潤滑油Oを導く導入油路41と、湿式多板クラッチ機構3のプレッシャーディスク18を貫いて湿式多板クラッチ機構3の内部空間に突出し、かつクラッチレリーズ装置6のラック31の一方の端部31aから湿式多板クラッチ機構3の内部空間Sに達してケース5のラック保持孔38から湿式多板クラッチ機構3へ潤滑油Oを中継する中継油路46を有し、クラッチレリーズ装置6のピニオン32の回転にともなってラック31がラック保持孔38に引き込まれて湿式多板クラッチ機構3が駆動力を遮断させると、ラック保持孔38と中継油路46との接続を閉じて潤滑油Oの中継を遮断するラック31と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、クラッチの潤滑油供給路構造に関する。
飛沫状態になった潤滑油をクラッチカバーの内面で捕捉し、クラッチの軸芯から外周上方に向かって延びるリブによって捕捉した潤滑油をクラッチへ導くクラッチの潤滑油供給路構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−270701号公報
従来のクラッチの潤滑油供給路構造は、クラッチが駆動力を伝達しているときも、動力の伝達を遮断しているときも、常時回転しているクラッチアウタによって潤滑油を飛沫させ、飛沫した潤滑油をクラッチカバーで捕捉してクラッチへ垂れ流すため、クラッチを常時潤滑することになる。
ところで、湿式多板クラッチは、摩擦板間を離間させて駆動力の伝達を遮断しているときであっても、摩擦板間に多量の潤滑油が介在していると、潤滑油の粘性で駆動力を伝達してしまう。
また、従来のクラッチの潤滑油供給路構造は、飛沫させた潤滑油をクラッチカバーから直接的にクラッチへ供給するため、潤滑油の飛沫量によってクラッチの潤滑状態が不安定になり、クラッチが回転している最中に所要の潤滑油量を確保できなくなる可能性もある。
そこで、本発明は、エンジンやシャフトの回転数に依存せずに潤滑油を安定的に供給してクラッチの切れ具合を安定化し、かつクラッチによる駆動力の伝達を遮断した際には潤滑油の供給を遮断して、潤滑油の必要な時に供給するクラッチの潤滑油供給路構造を提案することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明に係るクラッチの潤滑油供給路構造は、ケース、前記ケースに収容される湿式多板クラッチ、および前記湿式多板クラッチを機能させて駆動力の伝達と遮断とを切り替えさせるクラッチレリーズ装置を備える原動機に設けられて、前記湿式多板クラッチへ潤滑油を供給するクラッチの潤滑油供給路構造において、前記クラッチレリーズ装置は、前記湿式多板クラッチの押圧プレートを前記湿式多板クラッチのクラッチインナから遠ざけるラックと、前記ラックに噛み合わされて前記ラックを進退させるピニオンと、を備え、前記ケースは、前記ケース内に飛沫する前記潤滑油を捕集する捕集部と、前記捕集部から流れ込む前記潤滑油を貯留する貯留部と、前記ラックの一方の端部を摺動自在に保持するラック保持孔と、前記ピニオンを回転自在に保持するピニオン保持孔と、前記貯留部から前記ラック保持孔へ前記潤滑油を導く導入油路と、を有し、前記ラックは、前記押圧プレートを貫いて前記湿式多板クラッチの内部空間に突出し、かつ前記ラックの一方の端部から前記湿式多板クラッチの内部空間に達して前記ラック保持孔から前記湿式多板クラッチへ前記潤滑油を中継する中継油路を有し、前記ピニオンの回転にともなって前記ラックが前記ラック保持孔に引き込まれて前記湿式多板クラッチが駆動力を遮断させると、前記ラック保持孔と前記中継油路との接続を閉じて前記潤滑油の中継を遮断する。
本発明によれば、エンジンやシャフトの回転数に依存せずに潤滑油を安定的に供給してクラッチの切れ具合を安定化し、かつクラッチによる駆動力の伝達を遮断した際には潤滑油の供給を遮断して、潤滑油の必要な時に供給するクラッチの潤滑油供給路構造を提案できる。
本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を示す断面図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を示す要部断面図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を有するケースの内面を示す図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の他の例を示す断面図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の他の例の要部断面図。
以下、本発明に係るクラッチの潤滑油供給路構造の実施の形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を示す断面図である。
図2は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を示す要部断面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を有するケースの内面を示す図である。
図1から図3に示すように、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1は、エンジン2に内装される湿式多板クラッチ機構3(以下、単に「クラッチ機構3」と呼ぶ。)へ潤滑油Oを供給する。潤滑油供給路構造1は、ケース5と、ケース5に収容されるクラッチ機構3と、クラッチ機構3を機能させて駆動力の伝達と遮断とを切り替えさせるクラッチレリーズ装置6と、を備える原動機としてのエンジン2に設けられている。
先ず、クラッチ機構3は、エンジン2から変速装置7への駆動力の伝達と遮断とを行う。クラッチ機構3は、変速装置7のカウンタシャフト11の一方の端部に設けられている。カウンタシャフト11には、プライマリドリブンギヤ12が回転自在に支持されている。エンジン2のクランク軸13には、プライマリドリブンギヤ12に噛み合わされるプライマリドライブギヤ15が設けられている。
クラッチ機構3は、カウンタシャフト11に対してプライマリドリブンギヤ12を回転一体にすることでエンジン2の動力を変速装置7へ伝達させ、カウンタシャフト11に対してプライマリドリブンギヤ12を回転自在にすることでエンジン2と変速装置7との動力伝達を遮断させる。クラッチ機構3は、カウンタシャフト11に回転自在に支持される有底円筒状のクラッチアウタ16と、クラッチアウタ16の内側に配置されてカウンタシャフト11のスプライン11aに嵌合し、カウンタシャフト11と一体的に回転する有底円筒状のクラッチインナ17と、クラッチインナ17と一体的に回転しクラッチインナ17に対面する押圧プレートとしてのプレッシャーディスク18と、を備えている。
クラッチアウタ16の底部外側には、プライマリドリブンギヤ12が固定されている。クラッチアウタ16の周壁部には、駆動摩擦板26が回転不能に係合する係合部16aが設けられている。
クラッチインナ17は、カウンタシャフト11のスプライン11aに嵌合しカウンタシャフト11の端部に締め付けられるナット19によってカウンタシャフト11に固定されている。クラッチインナ17の周壁部にも、被動摩擦板25が回転不能に係合する係合部17aが設けられている。クラッチインナ17には、複数の支持ボス21(図2には一つのみを示す)が反変速装置7側(図1の右側)にカウンタシャフト11の軸方向に沿って延びるように一体に設けられている。
略円盤形状のプレッシャーディスク18は、クラッチアウタ16の内側にあるクラッチインナ17を隠匿するようにクラッチアウタ16を塞いでいる。プレッシャーディスク18は、クラッチインナ17の支持ボス21に嵌まって摺動自在に支持されている。つまり、クラッチ機構3は図1に示すように、変速装置7側(図1の左側)からプライマリドリブンギヤ12、クラッチアウタ16、クラッチインナ17、駆動摩擦板26と被動摩擦板25、プレッシャーディスク18の順に配置されている。そして、プレッシャーディスク18は、カウンタシャフト11に対して略同心に配置されてクラッチレリーズ装置6に接続される貫通孔22を有する。
クラッチアウタ16の係合部16aには、複数の駆動摩擦板26が、カウンタシャフト11の回転中心線方向へ摺動自在な状態で嵌合されている。クラッチインナ17の係合部17aには、複数の被動摩擦板25が、カウンタシャフト11の回転中心線方向へ摺動自在な状態で嵌合されている。そして、複数の被動摩擦板25および複数の駆動摩擦板26は、交互に重ねられている。
摩擦板25、26のうち最も内側(変速装置7側)に位置する駆動摩擦板26は、クラッチインナ17に一体に形成された受圧板27に対面している。最も外側(反変速装置7側)に位置する駆動摩擦板26は、プレッシャーディスク18に対面している。
クラッチインナ17とプレッシャーディスク18との間には、クラッチバネ28が挟み込まれている。クラッチバネ28は、クラッチインナ17の支持ボス21に対して同心状に配置されるコイルバネであり、クラッチインナ17の受圧板27とプレッシャーディスク18とを近づける方向へバネ力を作用させて、複数の被動摩擦板25と複数の駆動摩擦板26とを押し合わせている。
次に、クラッチレリーズ装置6は、クラッチバネ28の付勢力に抗してクラッチ機構3のプレッシャーディスク18をクラッチインナ17から遠ざける(引き離す)ラック31と、ラック31に噛み合わされてラック31を進退させるピニオン32と、を備えている。
他方、ケース5は、ケース5内に飛沫する潤滑油Oを捕集する捕集部35と、捕集部35から流れ込む潤滑油Oを貯留する貯留部36と、ラック31の一方の端部31aを摺動自在に保持するラック保持孔38と、ピニオン32を回転自在に保持するピニオン保持孔39と、貯留部36からラック保持孔38へ潤滑油Oを導く導入油路41と、を有している。
捕集部35は、ケース5の内壁面に設けられるリブ状の複数の突起42に挟まれて扇状に広がるケース5の内壁面の一部43である。複数の突起42は、ラック31の中心からエンジン2の上方へ放射状に延びている。捕集部35は、複数の突起42および内壁面の一部43に付着する油滴dを扇形状の要部分へ集めて貯留部36へ導く。
貯留部36は、捕集部35の要部分、つまりラック保持孔38の近傍に配置され、ケース5の内壁面側に捕集部35から流れ込む潤滑油Oを溜めておくことができるように区画されている。つまり、貯留部36は、側方がケース5で囲まれており、潤滑油Oが流れ込むようにケース5の内部に開放される頂部を有している。そして、貯留部36が満杯になる所定量になれば、捕集部35から集まる潤滑油Oは、ケース5内に溢れ出してクラッチ機構3の掻き上げる潤滑油Oに合流する。
ラック保持孔38は、ラック31をカウンタシャフト11の回転中心線に沿わせて保持し、カウンタシャフト11の回転中心線に沿わせてラック31をカウンタシャフト11へ近づける方向と、遠ざける方向へと摺動自在に保持している。
導入油路41は、ケース5の壁に穿たれる導油孔であり、貯留部36からラック保持孔38へ潤滑油Oを案内する。導入油路41は、貯留部36の底部から潤滑油Oを流出させてラック保持孔38へ到達させる。導入油路41は、ラック31の摺動方向に直交する方向からラック保持孔38へ潤滑油Oを案内する。つまり、導入油路41は、ラック保持孔38のラック31が摺動する面に開口している。そして、この開口(導入油路41)は、クラッチ機構3が動力を伝達する状態、つまりラック31がラック保持孔38から引き出されている状態では、ラック31が存在しない位置となり、ラック31に遮られることなくラック保持孔38に接続して潤滑油Oを送り込む(図1)。他方、この開口(導入油路41)は、クラッチ機構3が動力伝達を遮断する状態、つまりラック31がラック保持孔38に引き込まれている状態では、ラック31が存在する位置となり、ラック31の側面に塞がれてラック保持孔38から遮断されて潤滑油Oを送り込めない(図2)。
ラック31は、ラック保持孔38によって保持されて、カウンタシャフト11の回転中心線上で摺動する。
また、ラック31は、プレッシャーディスク18の貫通孔22を貫いてクラッチ機構3の内部空間Sに突出している。ラック31のクラッチ機構3側の端部31bは、レリーズベアリング45を介してプレッシャーディスク18に回転自在に支持されている。ラック31とプレッシャーディスク18との間に挟まれるレリーズベアリング45は、カウンタシャフト11とともに回転するクラッチ機構3を、ケース5側に設けられるクラッチレリーズ装置6に接続している。
さらに、ラック31は、その一方の端部31aからクラッチ機構3の内部空間Sに達してラック保持孔38からクラッチ機構3へ潤滑油Oを中継する中継油路46を有する。
中継油路46は、ラック31の摺動方向へ延び、一方の端部31aから他方の端部31bへ貫通している。中継油路46は、クラッチ機構3側に潤滑油Oの噴出口47を有している。噴出口47は、クラッチ機構3が設けられる変速装置7のカウンタシャフト11の軸端に対向して配置され、潤滑油Oを変速装置7のカウンタシャフト11の軸端へ向けて噴出する。クラッチ機構3は、変速装置7のカウンタシャフト11の軸端へ吹き掛かって進行方向を変化させた潤滑油Oで複数の被動摩擦板25および複数の駆動摩擦板26を潤滑する。つまり、摩擦板25、26を潤滑する潤滑油Oは、ケース5側に保持される非回転なラック31の中継油路46から噴出し、回転するカウンタシャフト11の軸端に吹き掛かり、飛沫となって摩擦板25、26を潤滑する(図1中に示す潤滑油Oの油滴d)。
また、中継油路46は、ラック保持孔38側にラック31の摺動方向へ開口する潤滑油Oの供給口48を有している。
本実施形態に係るクラッチ機構3は、クラッチレリーズ装置6の非操作時には、クラッチバネ28に押されるプレッシャーディスク18によって複数の摩擦板25、26を受圧板27に押し当て、駆動摩擦板26および被動摩擦板25の間の摩擦力によってエンジン2の駆動力を変速装置7へ伝達する。
他方、変速装置7の変速を行うべく、クラッチレバーやシフトレバー(図示省略)の操作によってピニオン32が回転させられると、ピニオン32の回転にともなってラック31がラック保持孔38に引き込まれる。ラック31がラック保持孔38に引き込まれると、クラッチバネ28を圧縮しながらプレッシャーディスク18がクラッチインナ17から遠ざけられ、駆動摩擦板26および被動摩擦板25の間に作用する摩擦力が解放される。このようにしてクラッチレリーズ装置6は、クラッチ機構3による動力の伝達を遮断させる。
変速装置7の変速後、クラッチレバーやシフトレバーの操作が解除されれば、クラッチバネ28に蓄えられた圧縮力によってプレッシャーディスク18がクラッチインナ17に近づき、摩擦板25、26を受圧板27に押し当てて、クラッチ機構3を再び動力伝達状態にする。
そして、潤滑油供給路構造1は、クラッチレリーズ装置6が操作されてピニオン32が回転し、ピニオン32の回転によってラック31がラック保持孔38に引き込まれ、ひいてはクラッチ機構3による動力の伝達が遮断されると、相対的に変位したラック31によってケース5の導入油路41を塞ぎ、クラッチ機構3への潤滑油の供給を絶つ(図3)。この時、貯留部36には通常よりも多量に潤滑油が保持(貯留)されることとなる。
他方、潤滑油供給路構造1は、クラッチレリーズ装置6の操作が開放され、クラッチバネ28に蓄えられた圧縮力によってプレッシャーディスク18がクラッチインナ17に近づき、ひいてはクラッチ機構3による動力の伝達が再開されると、ラック31がラック保持孔38から引き出されて、ケース5の導入油路41がラック保持孔38を介して中継油路46の供給口48に接続されて、クラッチ機構3への潤滑油の供給を再開させる(図1)。この時、クラッチ機構3による動力の伝達が遮断されている間に通常よりも多量に潤滑油が溜まった貯留部36から通常よりも多量にクラッチ機構3に供給される。そのため、クラッチ機構3の接続によって発熱する駆動摩擦板26および被動摩擦板25を効果的に冷却することができる。
次に、実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1の他の例を説明する。なお、各例で説明する潤滑油供給路構造1Aにおいて、潤滑油供給路構造1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の他の例を示す断面図である。
図5は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の他の例を示す要部断面図である。
図4および図5に示すように、本実施形態に係る潤滑油供給路構造1Aは、潤滑油供給路構造1においてラック31が有する中継油路46に代えて、中継油路46Aを有している。
中継油路46Aは、ラック31の側面へ開放する上流部46aと、ラック31の摺動方向へ延びてラック31のクラッチ機構3側の端部31bへ開放する下流部46bと、を有している。中継油路46Aの上流部46aは、ラック31の側面に開口する供給口48を有している。他方、中継油路46Aの下流部46bは、クラッチ機構3側に潤滑油Oの噴出口47を有している。
また、潤滑油供給路構造1Aは、潤滑油供給路構造1の導入油路41に代えて、貯留部36からラック保持孔38へ潤滑油Oを案内する導入油路41Aを有している。
導入油路41Aは、導入油路41に比べてクラッチ機構3に近く、ラック31が常に存在する範囲に開口するように配置されている。詳細には、クラッチ機構3による動力の伝達が行われる状態のラック31の位置では、供給口48と導入油路41Aが連通し、クラッチ機構3による動力の伝達が遮断される状態のラック31の位置では、供給口48と導入油路41Aの位置がずれて不通となる位置に配置されている。
そして、供給口48は、ラック31がラック保持孔38から引き出され、ひいてはクラッチ機構3による動力の伝達が行われると、ケース5の導入油路41Aに接続されて潤滑油Oを中継油路46Aに導き入れる(図4)。他方、供給口48は、ラック31がラック保持孔38に引き込まれ、ひいてはクラッチ機構3による動力の伝達が遮断されると、ラック保持孔38の内面によって閉じられて潤滑油Oの導入を遮断する。このとき、ケース5の導入油路41Aも、供給口48と同様に、ラック31の側面によって閉じられて中継油路46Aへの潤滑油Oの供給が遮断され、貯留部36からの潤滑油の流出がとまる(図5)。
つまり、潤滑油供給路構造1Aは、クラッチレリーズ装置6が操作されてピニオン32が回転し、ピニオン32の回転によってラック31がラック保持孔38に引き込まれ、ひいてはクラッチ機構3による動力の伝達が遮断されると、相対的に変位したラック31によってケース5の導入油路41Aを塞ぐと同時にケース5によって中継油路46Aの供給口48を塞ぎ、クラッチ機構3への潤滑油の供給を絶つ(図5)。
他方、潤滑油供給路構造1Aは、クラッチレリーズ装置6の操作が開放され、クラッチバネ28に蓄えられた圧縮力によってプレッシャーディスク18がクラッチインナ17に近づき、ひいてはクラッチ機構3による動力の伝達が再開されると、ラック31がラック保持孔38から引き出されて、ケース5の導入油路41Aと中継油路46Aの供給口48とを接続させて、クラッチ機構3への潤滑油の供給を再開させる(図4)。
本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1Aは、貯留部36で潤滑油Oを一旦貯留し、クラッチ機構3による動力の伝達と遮断とに連動させてクラッチ機構3へ潤滑油Oを供給または遮断することによって、クラッチ機構3の安定的な潤滑と、クラッチ機構3を遮断した際の潤滑油Oの粘性によるクラッチ機構3の引きずり現象の防止とを両立できる。
また、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1Aは、貯留部36で潤滑油Oを一旦貯留し、クラッチ機構3による動力の伝達と遮断とに連動させてクラッチ機構3へ潤滑油Oを供給または遮断することによって、エンジン2の回転数、ひいてはクラッチ機構3の回転数に依存することなく、クラッチ機構3の潤滑に要する潤滑油量を確実に確保できる。
さらに、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1Aは、クラッチ機構3が駆動力を伝達したり遮断したりする際に移動するラック31によってクラッチ機構3への潤滑油Oの供給経路を開閉させることによって、極めて簡単な構造で潤滑油Oの供給と遮断とを切り替えられる。
さらにまた、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1Aは、非回転なケース5側の噴出口47から回転するカウンタシャフト11の軸端へ向かって潤滑油Oを吹き掛けることによって、潤滑油Oを飛散させて摩擦板25、26を広範囲に潤滑できる。
したがって、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1Aによれば、エンジン2やカウンタシャフト11の回転数に依存せずに潤滑油Oを安定的に供給してクラッチ機構3の切れ具合を安定化し、かつクラッチ機構3による駆動力の伝達を遮断した際には潤滑油Oの供給を遮断できる。
1、1A 潤滑油供給路構造
2 エンジン
3 湿式多板クラッチ機構
5 ケース
6 クラッチレリーズ装置
7 変速装置
11 カウンタシャフト
11a スプライン
12 プライマリドリブンギヤ
13 クランク軸
15 プライマリドライブギヤ
16 クラッチアウタ
16a 係合部
17 クラッチインナ
17a 係合部
18 プレッシャーディスク
19 ナット
21 支持ボス
22 貫通孔
25 被動摩擦板
26 駆動摩擦板
27 受圧板
28 クラッチバネ
31 ラック
31a、31b 端部
32 ピニオン
35 捕集部
36 貯留部
38 ラック保持孔
39 ピニオン保持孔
41、41A 導入油路
42 突起
43 ケース内壁面の一部
45 レリーズベアリング
46、46A 中継油路
46a 上流部
46b 下流部
47 噴出口
48 供給口

Claims (3)

  1. ケース、前記ケースに収容される湿式多板クラッチ、および前記湿式多板クラッチを機能させて駆動力の伝達と遮断とを切り替えさせるクラッチレリーズ装置を備える原動機に設けられて、前記湿式多板クラッチへ潤滑油を供給するクラッチの潤滑油供給路構造において、
    前記クラッチレリーズ装置は、前記湿式多板クラッチの押圧プレートを前記湿式多板クラッチのクラッチインナから遠ざけるラックと、前記ラックに噛み合わされて前記ラックを進退させるピニオンと、を備え、
    前記ケースは、前記ケース内に飛沫する前記潤滑油を捕集する捕集部と、前記捕集部から流れ込む前記潤滑油を貯留する貯留部と、前記ラックの一方の端部を摺動自在に保持するラック保持孔と、前記ピニオンを回転自在に保持するピニオン保持孔と、前記貯留部から前記ラック保持孔へ前記潤滑油を導く導入油路と、を有し、
    前記ラックは、前記押圧プレートを貫いて前記湿式多板クラッチの内部空間に突出し、かつ前記ラックの一方の端部から前記湿式多板クラッチの内部空間に達して前記ラック保持孔から前記湿式多板クラッチへ前記潤滑油を中継する中継油路を有し、前記ピニオンの回転にともなって前記ラックが前記ラック保持孔に引き込まれて前記湿式多板クラッチが駆動力を遮断させると、前記ラック保持孔と前記中継油路との接続を閉じて前記潤滑油の中継を遮断するクラッチの潤滑油供給路構造。
  2. 前記導入油路は、前記ラックの側面によって閉じられて前記ラック保持孔への前記潤滑油の供給を遮断される請求項1に記載のクラッチの潤滑油供給路構造。
  3. 前記中継油路は、前記湿式多板クラッチ側に前記潤滑油の噴出口を有し、
    前記噴出口は、前記湿式多板クラッチが設けられる変速機の軸端に対向して配置され、前記潤滑油を前記変速機の軸端へ向けて噴出し、
    前記湿式多板クラッチは、前記変速機の軸端へ吹き掛かって進行方向を変化させた前記潤滑油で前記湿式多板クラッチの摩擦板を潤滑する請求項1または2に記載のクラッチの潤滑油供給路構造。
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