JP6197633B2 - クラッチの潤滑油供給路構造 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチの潤滑油供給路構造に関する。
湿式多板クラッチは、摩擦板間を離間させて駆動力の伝達を遮断しているときであっても、摩擦板間に多量の潤滑油が介在していると、潤滑油の粘性で駆動力を伝達してしまう。
そこで、従来のクラッチの潤滑油供給路構造は、変速機のメインシャフトが回転していれば、その遠心力で潤滑油を摩擦板へ供給する一方、メインシャフトが停止していれば摩擦板への潤滑油の供給を停止する(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−270701号公報
従来の潤滑油供給路構造は、潤滑油の供給源であるオイルポンプからクラッチへ潤滑油を供給する噴出口までが常に開放されているため、メインシャフトが停止していてもクラッチへの潤滑油の供給を完全に遮断できない。また、従来の潤滑油供給路構造は、遠心力、つまりメインシャフトの遠心力、ひいてはエンジンの回転数に潤滑油の供給量を依存させているため、エンジンの回転数の上下によって潤滑油の供給量が増減してしまい、クラッチの潤滑状態を変化させ、クラッチの切れ具合にも変化を生じてしまう。
そこで、本発明は、エンジンやシャフトの回転数に依存せずに潤滑油を安定的に供給してクラッチの切れ具合を安定化し、かつクラッチによる駆動力の伝達を遮断した際には潤滑油の供給を遮断するクラッチの潤滑油供給路構造を提案することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明に係るクラッチの潤滑油供給路構造は、ケース、前記ケースに収容される湿式多板クラッチ、および前記湿式多板クラッチを機能させて駆動力の伝達と遮断とを切り替えさせるクラッチレリーズ装置を備える原動機に設けられて、前記湿式多板クラッチへ潤滑油を供給するクラッチの潤滑油供給路構造において、前記クラッチレリーズ装置は、前記湿式多板クラッチの押圧プレートを前記湿式多板クラッチのクラッチインナから遠ざけるラックと、前記ラックに噛み合わされて前記ラックを進退させるピニオンと、を備え、前記ケースは、前記ラックの一方の端部を摺動自在に保持するラック保持孔と、前記ピニオンを回転自在に保持するピニオン保持孔と、前記潤滑油の供給源から前記ラック保持孔へ前記潤滑油を導く導入油路と、を有し、前記ラックは、前記押圧プレートを貫いて前記湿式多板クラッチの内部空間に突出し、かつ前記ラックの一方の端部から前記湿式多板クラッチの内部空間に達して前記ラック保持孔から前記湿式多板クラッチへ前記潤滑油を中継する中継油路を有し、前記ピニオンの回転にともなって前記ラックが前記ラック保持孔に引き込まれて前記湿式多板クラッチが駆動力を遮断させると、前記導入油路と前記中継油路との接続を閉じて前記潤滑油の中継を遮断する。
本発明によれば、エンジンやシャフトの回転数に依存せずに潤滑油を安定的に供給してクラッチの切れ具合を安定化し、かつクラッチによる駆動力の伝達を遮断した際には潤滑油の供給を遮断するクラッチの潤滑油供給路構造を提案できる。
本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を備えるエンジンの潤滑油供給系統を示す機能ブロック図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を示す断面図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を備えるエンジンを示す側面図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の第2の例を示す断面図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の第2の例の要部を示す断面図。 本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の第3の例を示す断面図。
以下、本発明に係るクラッチの潤滑油供給路構造の実施の形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を備えるエンジンの潤滑油供給系統を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1は、エンジン2の潤滑油供給系統3のうち、湿式多板クラッチ機構5(以下、単に「クラッチ機構5」と呼ぶ。)へ潤滑油Oを供給する部分である。
そこでまず、潤滑油供給系統3は、エンジン2の底部に配置されて潤滑油Oを貯留するオイルパン6と、オイルパン6から潤滑油Oを吸い上げている供給源としてのオイルポンプ7と、オイルパン6からオイルポンプ7に吸い上げられる潤滑油Oを濾過するサンプフィルタ8と、オイルポンプ7から吐出される潤滑油Oを濾過するオイルフィルタ11と、を備える。そして、潤滑油供給系統3は、オイルフィルタ11の下流で分岐してシリンダ12、動弁装置13、変速装置15、および潤滑油供給路構造1のそれぞれへ潤滑油Oを供給する。
シリンダ12では、コンロッドの大端部16へ供給される潤滑油Oが、シリンダ12の内壁面17、およびコンロッドの小端部18へと吹き掛かる。シリンダ12の各所を潤滑した潤滑油Oは、重力によって流れ落ち、オイルパン6に回収されて再び循環する。
動弁装置13では、カムシャフトのジャーナル軸受19およびカム面21へ供給される潤滑油Oが、ロッカーアームシャフト22、およびカムチェーン23へと吹き掛かる。動弁装置13の各所を潤滑した潤滑油Oは、重力によって流れ落ち、オイルパン6に回収されて再び循環する。
変速装置15では、ドライブシャフトベアリング25に供給される潤滑油Oが、さらにドライブシャフト26とギア27とを潤滑した後、重力によって流れ落ち、オイルパン6に回収されて再び循環する。また、変速装置15では、カウンタシャフトベアリング28に供給される潤滑油Oが、カウンタシャフト38とギア29、およびプライマリドリブンギアスペーサ30を潤滑した後、重力によって流れ落ち、オイルパン6に回収されて再び循環する。
クラッチの潤滑油供給路構造1では、後述するクラッチレリーズ装置31のラック32供給される潤滑油Oが、クラッチ機構5の摩擦板35、36を潤滑した後、重力によって流れ落ち、オイルパン6に回収されて再び循環する。
次いで、クラッチの潤滑油供給路構造1について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を示す断面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造を備えるエンジンを示す側面図である。
図2および図3に示すように、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1は、ケース37と、ケース37に収容されるクラッチ機構5と、クラッチ機構5を機能させて駆動力の伝達と遮断とを切り替えさせるクラッチレリーズ装置31と、を備える原動機としてのエンジン2に設けられている。潤滑油供給路構造1は、クラッチ機構5へ潤滑油Oを供給する。
先ず、クラッチ機構5は、エンジン2から変速装置15への駆動力の伝達と遮断とを行う。クラッチ機構5は、変速装置15のカウンタシャフト38の一方の端部に設けられている。カウンタシャフト38には、プライマリドリブンギヤ39が回転自在に支持されている。エンジン2のクランク軸41には、プライマリドリブンギヤ39に噛み合わされるプライマリドライブギヤ42が設けられている。
クラッチ機構5は、カウンタシャフト38に対してプライマリドリブンギヤ39を回転一体にすることでエンジン2の動力を変速装置15へ伝達させ、カウンタシャフト38に対してプライマリドリブンギヤ39を回転自在にすることでエンジン2と変速装置15との動力伝達を遮断させる。クラッチ機構5は、カウンタシャフト38に回転自在に支持される有底円筒状のクラッチアウタ43と、クラッチアウタ43の内側に配置されてカウンタシャフト38のスプライン38aに嵌合する有底円筒状のクラッチインナ45と、クラッチインナ45に対面する押圧プレートとしてのプレッシャーディスク46と、を備えている。
クラッチアウタ43の底部外側には、プライマリドリブンギヤ39が固定されている。つまり、図2に示すように、クラッチ機構5は、変速装置15側(図2の左側)からプライマリドリブンギヤ39、クラッチアウタ43、クラッチインナ45、駆動摩擦板36と被動摩擦板35、プレッシャーディスク46の順に配置されている。そして、クラッチアウタ43の周壁部には、駆動摩擦板36が回転不能に係合する係合部43aが設けられている。
クラッチインナ45は、カウンタシャフト38のスプライン38aに嵌合し、カウンタシャフト38の端部に締め付けられるナット47によってカウンタシャフト38に固定されている。クラッチインナ45の周壁部にも、被動摩擦板35が回転不能に係合する係合部45aが設けられている。クラッチインナ45には、複数の支持ボス48(図2には一つのみを示す)が反変速装置15側(図2の右側)にカウンタシャフト38の軸方向に沿って延びるように一体に設けられている。
略円盤形状のプレッシャーディスク46は、クラッチアウタ43の内側にあるクラッチインナ45を隠匿するようにクラッチアウタ43を塞いでいる。プレッシャーディスク46は、クラッチインナ45の支持ボス48に嵌まってカウンタシャフト38の軸方向に沿って摺動自在に支持されている。つまり、プレッシャーディスク46は、クラッチインナ45やカウンタシャフト38と一体的に回転する。そして、プレッシャーディスク46は、カウンタシャフト38に対して略同心に配置されてクラッチレリーズ装置31に接続される貫通孔49を有する。
クラッチアウタ43の係合部43aには、複数の駆動摩擦板36が、カウンタシャフト38の回転中心線C方向へ摺動自在な状態で係合されている。クラッチインナ45の係合部45aには、複数の被動摩擦板35が、カウンタシャフト38の回転中心線C方向へ摺動自在な状態で係合されている。そして、複数の被動摩擦板35および複数の駆動摩擦板36は、交互に重ねられている。
摩擦板35、36のうち最も内側(変速装置15側)に位置する駆動摩擦板36は、クラッチインナ45に一体に形成された受圧板51に対面している。最も外側(反変速装置15側)に位置する駆動摩擦板36は、プレッシャーディスク46に対面している。
クラッチインナ45とプレッシャーディスク46との間には、クラッチバネ52が挟み込まれている。クラッチバネ52は、クラッチインナ45の支持ボス48に対して同心状に配置されるコイルバネであり、クラッチインナ45の受圧板51とプレッシャーディスク46とを近づける方向へバネ力を作用させて複数の被動摩擦板35と複数の駆動摩擦板36とを押し合わせている。つまり、複数の被動摩擦板35と複数の駆動摩擦板36は、クラッチインナ45の受圧板51とプレッシャーディスク46との間に挟み込まれて、プライマリドリブンギヤ39によって回転するクラッチアウタ43の回転力をクラッチインナ45に伝える。
次に、クラッチレリーズ装置31は、クラッチ機構5のプレッシャーディスク46をクラッチバネ52の付勢力に抗してクラッチインナ45から遠ざける(引き離す)ラック32と、ラック32に噛み合わされてラック32を進退させるピニオン55と、を備えている。
他方、ケース37は、ラック32の一方の端部32aを摺動自在に保持するラック保持孔56と、ピニオン55を回転自在に保持するピニオン保持孔57と、潤滑油Oの供給源からラック保持孔56へ潤滑油Oを導く導入油路58と、を有している。
ラック保持孔56は、カウンタシャフト38の回転中心線Cの延長線上に形成され、ラック32をカウンタシャフト38の回転中心線Cに沿わせて保持し、ラック32をカウンタシャフト38へ近づける方向と、遠ざける方向へと摺動自在に保持している。
導入油路58は、ケース37の壁に穿たれる導油孔59や、ケース37外に敷設された配管61や、クランク軸41に穿たれる導油孔62である。オイルポンプ7から吐出される潤滑油Oは、導油孔62、配管61および導油孔59を通過してラック保持孔56に到達する。導油孔62は、潤滑油Oをクランク軸41の軸端に案内する。配管61は、潤滑油Oをクランク軸41の軸端から導油孔59に案内する。導油孔59は、ラック32の摺動方向に沿ってケース37外の配管61からラック保持孔56へ潤滑油Oを案内する。
ラック32は、ラック保持孔56によって保持されて、カウンタシャフト38の回転中心線C上で摺動する。
また、ラック32は、プレッシャーディスク46の貫通孔49を貫いてクラッチ機構5の内部空間Sに突出している。ラック32のクラッチ機構5側の端部32bは、クラッチ機構5の内部空間Sにてプレッシャーディスク46の変速装置15側の面に沿って広がりレリーズベアリング63を介してプレッシャーディスク46に対向している。ラック32の端部32bとプレッシャーディスク46との間に挟まれるレリーズベアリング63は、カウンタシャフト38とともに回転するクラッチ機構5に対し、ケース37側に設けられるクラッチレリーズ装置31の動きを伝える。
さらに、ラック32は、その一方の端部32aからクラッチ機構5の内部空間Sに達してラック保持孔56からクラッチ機構5へ潤滑油Oを中継する中継油路65を有する。
中継油路65は、ラック32の摺動方向へ延び、一方の端部32aから他方の端部32bへ貫通している。中継油路65は、クラッチ機構5側に潤滑油Oの噴出口66を有している。噴出口66は、クラッチ機構5が設けられる変速装置15のカウンタシャフト38の軸端に対向して配置され、潤滑油Oを変速装置15のカウンタシャフト38の軸端へ向けて噴出する。クラッチ機構5は、変速装置15のカウンタシャフト38の軸端へ吹き掛かって進行方向を変化させた潤滑油Oで複数の被動摩擦板35および複数の駆動摩擦板36を潤滑する。つまり、摩擦板35、36を潤滑する潤滑油Oは、ケース37側に保持される非回転なラック32の中継油路65を通過して噴出口66から噴出し、回転するカウンタシャフト38の軸端に吹き掛かり、飛沫となって摩擦板35、36を潤滑する(図2中に示す潤滑油Oの油滴d)。
また、中継油路65は、ラック保持孔56側にラック32の摺動方向へ開口する潤滑油Oの供給口67を有している。そして、ラック保持孔56内には、ラック32がラック保持孔56に引き込まれると供給口67を閉ざす遮断部材68が配置されている。遮断部材68は、ケース37外の配管61を導油孔59に取り付けるユニオンボルトの先端に配置されている。遮断部材68は円錐状の弁体であり、クラッチ接続状態ではラック32の供給口67と離れて配置されて供給口67を閉ざさず、ラック32がラック保持孔56に引き込まれると供給口67に当接して供給口67を閉ざす。遮断部材68はコイルばね69によってラック32側に付勢されており、供給口67に当接後は供給口67に押さえ付けられながら、ラック32の動きに追従することを可能としている。供給口67には、遮断部材68に適合する弁座72が設けられている。
本実施形態に係るクラッチ機構5は、クラッチレリーズ装置31の非操作時には、クラッチバネ52に押されるプレッシャーディスク46によって複数の摩擦板35、36を受圧板51に押し当て、駆動摩擦板36および被動摩擦板35の間の摩擦力によってエンジン2の駆動力を変速装置15へ伝達する。
他方、変速装置15の変速を行うべく、クラッチレバーやシフトレバー(図示省略)の操作によってピニオン55が回転させられると、ピニオン55の回転にともなってラック32がラック保持孔56に引き込まれる。ラック32がラック保持孔56に引き込まれると、クラッチバネ52を圧縮しながらプレッシャーディスク46がクラッチインナ45から遠ざけられ、駆動摩擦板35および被動摩擦板36の間に作用する摩擦力が解放される。このようにしてクラッチレリーズ装置31は、クラッチ機構5による動力の伝達を遮断させる。
変速装置15の変速後、クラッチレバーやシフトレバーの操作が解除されれば、クラッチバネ52に蓄えられた圧縮力によってプレッシャーディスク46がクラッチインナ45に近づき、摩擦板35、36を受圧板51に押し当てて、クラッチ機構5を再び動力伝達状態にする。
そして、潤滑油供給路構造1は、クラッチレリーズ装置31が操作されてピニオン55が回転し、ピニオン55の回転によってラック32がラック保持孔56に引き込まれ、ひいてはクラッチ機構5による動力の伝達が遮断されると、供給口67の弁座72に遮断部材68を接触させ、ラック32がラック保持孔56に引き込まれるほどコイルばね69の押圧力で弁座72と遮断部材68とを密着させてラック32の中継油路65を閉じ、クラッチ機構5への潤滑油Oの供給を絶つ。
他方、潤滑油供給路構造1は、クラッチレリーズ装置31の操作が開放され、クラッチバネ52に蓄えられた圧縮力によってプレッシャーディスク46がクラッチインナ45に近づき、ひいてはクラッチ機構5による動力の伝達が再開されると、ラック32がラック保持孔56から引き出されて、供給口67の弁座72から遮断部材68が離れ、ラック32の中継油路65を開いて、クラッチ機構5への潤滑油の供給を再開させる。
次に、実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1の他の例を説明する。なお、各例で説明する潤滑油供給路構造1Aおよび1Bにおいて、潤滑油供給路構造1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4および図5は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の第2の例を示す断面図である。
図4および図5に示すように、本実施形態に係る潤滑油供給路構造1Aは、潤滑油供給路構造1においてケース37外に敷設された導油孔59および配管61に代えて、ケース37Aの壁に穿たれる導油孔75を備えている。つまり、潤滑油供給路構造1Aの導入油路58Aは、ケース37Aの壁に穿たれる導油孔75や、クランク軸41に穿たれる導油孔62である。オイルポンプ7から吐出される潤滑油Oは、導油孔62、75を通過してラック保持孔56に到達する。導油孔75は、ケース37Aの壁内をラック32の摺動方向に直交する方向からラック保持孔56へ潤滑油Oを案内する。そして、導油孔75のラック保持孔56への開口部は、ラック32の摺動する位置に設けられている。
また、潤滑油供給路構造1Aは、潤滑油供給路構造1においてラック32が有する中継油路65に代えて、中継油路65Aを有している。
中継油路65Aは、ラック32の側面へ開放する上流部65aと、ラック32の摺動方向へ延びてラック32のクラッチ機構5側の端部32bへ開放する下流部65bと、を有している。中継油路65Aの上流部65aは、ラック32の摺動方向に沿った側面に開口する供給口67を有している。他方、中継油路65Aの下流部65bは、クラッチ機構5側に潤滑油Oの噴出口66を有している。
そして、供給口67は、ラック32がラック保持孔56から引き出され、クラッチ機構5による動力の伝達が行われる位置では、導油孔75のラック保持孔56における開口部と供給口67のラック32の摺動方向の位置が合致し、ケース37Aの導油孔75と中継油路65A(供給口67)が連通し、潤滑油Oを中継油路65Aに導き入れる(図4)。他方、供給口67は、ラック32がラック保持孔56に引き込まれ、クラッチ機構5による動力の伝達が遮断される位置では、ラック32の移動によって導油孔75の開口部と供給口67の位置がずれて、供給口67はラック保持孔56の内面によって閉ざされ、潤滑油Oの導入を遮断する。このとき、ケース37Aの導油孔75も、供給口67と同様に、ラック32の側面によって閉ざされ、ラック保持孔56への潤滑油Oの供給を遮断される(図5)。
つまり、潤滑油供給路構造1Aは、クラッチレリーズ装置31が操作されてピニオン55が回転し、ピニオン55の回転によってラック32がラック保持孔56に引き込まれ、ひいてはクラッチ機構5による動力の伝達が遮断されると、相対的に変位したラック32によってケース37Aの導油孔75を塞ぐと同時にケース37Aによって中継油路65Aの供給口67を塞ぎ、クラッチ機構5への潤滑油Oの供給を絶つ(図5)。
他方、潤滑油供給路構造1Aは、クラッチレリーズ装置31の操作が開放され、クラッチバネ52に蓄えられた圧縮力によってプレッシャーディスク46がクラッチインナ45側に移動し、ひいてはクラッチ機構5による動力の伝達が再開されると、ラック32がラック保持孔56から引き出されて、ケース37Aの導油孔75と中継油路65Aの供給口67とを連通させて、クラッチ機構5への潤滑油Oの供給を再開させる(図4)。
潤滑油供給路構造1Aは、ケース37Aに導油孔75のような直線的な油路をケース37Aに確保できる場合であれば、潤滑油供給路構造1の配管61のようにケース37外を迂回する導入油路58ではなく、ケース37Aの壁内を通過する導入油路58Aによって、構造を簡素化できる。また、潤滑油供給路構造1Aは、摺動するラック32によって導入油路58Aと中継油路65Aとを極めて簡易な構造で連通したり遮断したりできる。
図6は、本発明の実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造の第3の例を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る潤滑油供給路構造1Bは、配管61Bと導油孔75Bとを組み合わせた導入油路58Bを備えている。つまり、導入油路58Bは、ケース37Bの壁に穿たれる導油孔75Bや、ケース37B外に敷設された配管61Bや、クランク軸41に穿たれる導油孔62である。オイルポンプ7から吐出される潤滑油Oは、導油孔62、配管61Bおよび導油孔75Bを通過してラック保持孔56に到達する。配管61Bは、潤滑油Oをクランク軸41の軸端から導油孔75Bに案内する。導油孔75Bは、ケース37Bの壁内をラック32の摺動方向に直交する方向からラック保持孔56へ潤滑油Oを案内する。
また、潤滑油供給路構造1Bは、ラック32に潤滑油供給路構造1Aの中継油路65Aと同じ構造を有している。
潤滑油供給路構造1Bは、クランク軸41の軸線上からカウンタシャフト38の軸線上に到るまで潤滑油供給路構造1Aの導油孔75のような直線的な油路をケース37Bに確保できない場合であっても、配管61Bと導油孔75Bとを継いだ導入油路58Bによって潤滑油Oをラック保持孔56へ導く。
本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1A、1Bは、クラッチ機構5が駆動力を伝達したり遮断したりする際に移動するラック32によってクラッチ機構5への潤滑油Oの供給経路を開閉させることによって、クラッチ機構5を遮断した際には潤滑油Oの供給を略完全に遮断し、潤滑油Oの粘性によるクラッチ機構5の引きずり現象を防止できる。
また、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1A、1Bは、クラッチ機構5が駆動力を伝達したり遮断したりする際に移動するラック32によってクラッチ機構5への潤滑油Oの供給経路を開閉させることによって、クラッチ機構5を接続した際にはケース37、37A、37B側で非回転な部材によって潤滑油Oの供給量を決めることができ、ひいては潤滑油Oの安定的に十分な供給を図ってクラッチの冷却や耐摩耗性を向上させる。
さらに、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1A、1Bは、クラッチ機構5が駆動力を伝達したり遮断したりする際に移動するラック32によってクラッチ機構5への潤滑油Oの供給経路を開閉させることによって、極めて簡単な構造で潤滑油Oの供給と遮断とを切り替えられる。
さらにまた、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1、1A、1Bは、非回転なケース37、37A、37B側の噴出口66から回転するカウンタシャフト38の軸端へ向かって潤滑油Oを吹き掛けることによって、潤滑油Oを飛散させて摩擦板35、36を広範囲に潤滑や冷却をすることができる。
また、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1は、遮断部材68を備えることによって、ラック32に貫通させる簡単な構造の中継油路65によって給油経路の開閉できる。
したがって、本実施形態に係るクラッチの潤滑油供給路構造1によれば、エンジン2やカウンタシャフト38の回転数に依存せずに潤滑油Oを安定的に供給してクラッチ機構5の切れ具合を安定化し、かつクラッチ機構5による駆動力の伝達を遮断した際には潤滑油Oの供給を遮断できる。
1、1A、1B 潤滑油供給路構造
2 エンジン
3 潤滑油供給系統
5 湿式多板クラッチ機構
6 オイルパン
7 オイルポンプ
8 サンプフィルタ
11 オイルフィルタ
12 シリンダ
13 動弁装置
15 変速装置
16 大端部
17 内壁面
18 小端部
19 ジャーナル軸受
21 カム面
22 ロッカーアームシャフト
23 カムチェーン
25 ドライブシャフトベアリング
26 ドライブシャフト
27 ギア
28 カウンタシャフトベアリング
29 ギア
30 プライマリドリブンギアスペーサ
31 クラッチレリーズ装置
32 ラック
32a 端部
32b 端部
35 被動摩擦板
36 駆動摩擦板
37、37A、37B ケース
38 カウンタシャフト
38a スプライン
39 プライマリドリブンギヤ
41 クランク軸
42 プライマリドライブギヤ
43 クラッチアウタ
43a 係合部
45 クラッチインナ
45a 係合部
46 プレッシャーディスク
47 ナット
48 支持ボス
49 貫通孔
51 受圧板
52 クラッチバネ
55 ピニオン
56 ラック保持孔
57 ピニオン保持孔
58、58A、58B 導入油路
59 導油孔
61、61B 配管
62 導油孔
63 レリーズベアリング
65、65A 中継油路
65a 上流部
65b 下流部
66 噴出口
67 供給口
68 遮断部材
69 コイルばね
72 弁座
75、75B 導油孔

Claims (3)

  1. ケース、前記ケースに収容される湿式多板クラッチ、および前記湿式多板クラッチを機能させて駆動力の伝達と遮断とを切り替えさせるクラッチレリーズ装置を備える原動機に設けられて、前記湿式多板クラッチへ潤滑油を供給するクラッチの潤滑油供給路構造において、
    前記クラッチレリーズ装置は、前記湿式多板クラッチの押圧プレートを前記湿式多板クラッチのクラッチインナから遠ざけるラックと、前記ラックに噛み合わされて前記ラックを進退させるピニオンと、を備え、
    前記ケースは、前記ラックの一方の端部を摺動自在に保持するラック保持孔と、前記ピニオンを回転自在に保持するピニオン保持孔と、前記潤滑油の供給源から前記ラック保持孔へ前記潤滑油を導く導入油路と、を有し、
    前記ラックは、前記押圧プレートを貫いて前記湿式多板クラッチの内部空間に突出し、かつ前記ラックの一方の端部から前記湿式多板クラッチの内部空間に達して前記ラック保持孔から前記湿式多板クラッチへ前記潤滑油を中継する中継油路を有し、前記ピニオンの回転にともなって前記ラックが前記ラック保持孔に引き込まれて前記湿式多板クラッチが駆動力を遮断させると、前記導入油路と前記中継油路との接続を閉じて前記潤滑油の中継を遮断するクラッチの潤滑油供給路構造。
  2. 前記中継油路は、前記湿式多板クラッチ側に前記潤滑油の噴出口を有し、
    前記噴出口は、前記湿式多板クラッチが設けられる変速機の軸端に対向して配置され、前記潤滑油を前記変速機の軸端へ向けて噴出し、
    前記湿式多板クラッチは、前記変速機の軸端へ吹き掛かって進行方向を変化させた前記潤滑油で前記湿式多板クラッチの摩擦板を潤滑する請求項1に記載のクラッチの潤滑油供給路構造。
  3. 前記中継油路は、前記ラック保持孔側に前記ラックの摺動方向へ開口する前記潤滑油の供給口を有し、
    前記ラック保持孔内に配置され、かつ前記ラックが前記ラック保持孔に引き込まれて前記湿式多板クラッチが駆動力を遮断させると前記供給口を閉ざす遮断部材を備える請求項1または2に記載のクラッチの潤滑油供給路構造。
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