JP2013199183A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Masashi Kito
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繁 杉坂
Sokyo Tsumura
宗亨 津村
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Abstract

【課題】エンジンを駆動系から切り離し得るクラッチの冷却性能を確保しつつ、該クラッチの解放時の引きずりを減少する。
【解決手段】車輌用駆動装置は、エンジンと車輪との間の伝動経路上にクラッチ16を配置している。このクラッチ16は、その内部をオイルで満たすことの可能なクラッチハウジング20に収納されており、解放することによりエンジンを駆動系から切り離し得る。クラッチハウジング20は、クラッチを作動する油圧サーボ47のピストン40の移動に連動する排出切換え機構70によって、内部空間Sと外部空間Mとを連通可能になっており、排出切換え機構70を遮断することで内部空間Sを潤滑油で満たす。また、排出切換え機構70を連通させることで内部空間Sの潤滑油を排出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃エンジンの出力部材と自動変速装置入力軸等の車輪側伝動経路との間にエンジン切離しクラッチ(以下K0クラッチという)を配置した車両用駆動装置に係り、特に駆動源として内燃エンジンと回転電機(以下電気モータという)とを有するハイブリッド車両用駆動装置に用いて好適であり、詳しくは上記K0クラッチの潤滑、冷却に関する。
従来、発進クラッチ等の摩擦係合要素に供給する潤滑油を、バルブにより大流量及び小流量に切換え、摩擦係合要素が解放状態あるいは係合状態では、小流量の潤滑油が供給され、摩擦係合要素の制御中、即ち係合動作時や解放動作時には大流量の潤滑油が供給される湿式クラッチ装置が提案されている(特許文献1)。該湿式クラッチ装置は、摩擦係合要素の作動状態を検出する検出・駆動部により上記バルブが制御され、例えば上記摩擦係合要素を発進クラッチに適用する場合、発進制御装置から検出・駆動部に発進制御信号が出力され、該信号に基づき検出・駆動部がバルブを制御して、大流量の潤滑油を発進クラッチに供給する。
特開2003−421865号公報
前記湿式クラッチ装置は、発進制御中等の大流量の潤滑油を必要とする際、摩擦係合要素(クラッチ)に大流量の潤滑油を供給して、該摩擦係合要素を確実に潤滑及び冷却すると共に、摩擦係合要素の解放時、該摩擦係合要素への潤滑油の供給を絞って、摩擦板に潤滑油が滞留して回転抵抗となる、いわゆる引きずりの発生を減少する。
しかし、該湿式クラッチ装置は、ソレノイドバルブ等の上記バルブ及び上記検出・駆動部を必要とし、装置が大掛りとなって、コンパクト化及びコストダウンを妨げる原因となっている。
近時、ハイブリッド車両用駆動装置は、PHV(プラグインハイブリッド車両)で代表されるように、より電気モータの使用割合いを増やして、燃費性能を向上することが求められており、該電気モータによる走行時(EV走行時)は、内燃エンジンを駆動系から切離すことが望ましい。このために、上記K0クラッチが配置されているが、内燃エンジンで発進する場合、該K0クラッチには、例えばフルディップ状態等の充分な潤滑油環境で制御され、上記EV走行時には、上記引きずりトルクを減少するように、潤滑油が少ない方が好ましい。このため、上記湿式クラッチを上記K0クラッチに適用することが考えられるが、この場合でも、上述したバルブ及び検出・駆動部を必要とする。更に、上記内燃エンジンによる発進時に際しては、上記K0クラッチは、待機状態にあってクリープトルクを発生するために比較的長いスリップ制御状態が必要となり、大流量による潤滑油の供給が比較的長時間必要となり、オイルポンプ容量の増大化及びこれによるエネルギ損が発生し、更なる燃費効率の向上及びコンパクト化の妨げになってしまう。
そこで、本発明は、クラッチを解放及び係合に切換える油圧サーボのピストンの移動により該クラッチの潤滑環境を切換えることにより、上述した課題を解決した車両用駆動装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、内燃エンジン(2)と車輪(6)との間の伝動経路(L)における前記エンジン側の伝動経路(L)に駆動連結される第1摩擦板(17)、前記車輪側の伝動経路(L)に駆動連結される第2摩擦板(19)、これら第1及び第2摩擦板を押圧して係合させるピストン(40)、該ピストンの押圧力を供給される制御圧により制御する油圧サーボ(47)を有するクラッチ(16)と、
前記クラッチを収納する内部空間(S)を有し、該内部空間が前記第1及び第2摩擦板(17,19)を潤滑油で浸し得るように構成されるケース部材(20)と、
前記ピストン(40)の移動に基づいて、前記ケース部材の内部空間(S)と外部(M)とを連通させる連通状態と、前記ケース部材の内部空間と外部とを遮断する閉塞状態とに切換える排出切換え機構(70)と、を備えた、
ことを特徴とする車両用駆動装置にある。
例えば図2,図4,図5を参照して、前記排出切換え機構(70)は、
前記ケース部材(20)に形成され、前記内部空間(S)と外部とを連通する連通孔(71)と、
該連通孔を連通又は遮断する栓部(75)を有し、前記クラッチ(16)の解放状態で前記栓部(75)を前記連通状態に保持しかつ前記クラッチを係合する方向の前記ピストン(40)の移動に連動して前記栓部(75)を閉塞状態に移動する排出切換え部材(73)と、を有してなる。
前記排出切換え部材(73)は、前記ケース部材(20)に貫通して形成されたガイド孔(72)に摺動自在に嵌挿するガイド部(76)を有し、かつ前記ケース部材(20)の外部側に該ケース部材に接する方向に付勢(80)されて配置され、
前記ピストン(40)を前記ガイド部(76)に当接して、該ピストンに連動して前記排出切換え部材(73)を移動してなる。
前記ケース部材(20)は、前記第1及び第2摩擦板の一方である外摩擦板(19)を回転方向に一体に係合するドラム(36)と、左右の側壁(37)(39)とを有し、
前記左右の側壁のいずれか一方(37)における前記ドラムに近接した部分に、前記連通孔(71)を形成してなる。
例えば図3,図4を参照して、前記ピストン(40)は、前記油圧サーボ(47)を構成するシリンダ室(47a)に嵌合するピストン部(40b)と、該ピストン部から外径方向に延び、前記クラッチを押圧作動する作動部(40a)と、を有し、
前記ピストン部(40b)と前記作動部(40a)とが、径方向からみて軸方向に少なくとも一部がオーバラップするように構成され、かつ前記作動部(40a)に、前記ガイド部(76)に当接する突部(81)を形成してなる。
例えば図1を参照して、前記車輪側の伝動経路(L)に駆動連結される回転電機(3)と、該車輪側の伝動経路(L)に介在する自動変速装置(7)と、を備え、
前記車両用駆動装置が、ハイブリッド車両用駆動装置(5)である。
例えば図3を参照して、油圧源(30,55)からの潤滑油を前記ケース部材(20)の内部空間(S)に供給する油路に、該供給する潤滑油量を小流量と大流量に切換える流量切換えバルブ(59)を介在し、
該切換えバルブは、前記油圧サーボ(47)へ供給する制御圧により、前記クラッチ(16)の解放状態では小流量に、係合状態では大流量に切換えられてなる。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、クラッチを作動するピストンの移動により該クラッチを収納するケース部材を、内部空間と外部と連通する位置と閉塞位置とに切換えるので、該ピストンによるクラッチの作動状態に応じてケース部材の内部空間の潤滑油量を調節することができる。また、上記ピストンの移動により排出切換え機構が切換えられるので、バルブ等の特別な装置を必要としない簡単でコンパクトな構成でもって、ケース部材の内部空間の潤滑油量を調節することができ、該内部空間に潤滑油を溜めてフルディップ潤滑する場合でも、必ずしもオイルポンプの吐出量を増大することを必要とせず、小型のオイルポンプを用いることが可能となる。例えば、クラッチを作動(係合、スリップ制御等)して、摩擦板の発熱が大きい場合、排出切換え機構を閉塞状態として、前記ケース部材の内部空間に潤滑油を溜めて、有効に冷却すると共に、クラッチが非作動(解放等)状態にある場合、ケース部材の内部空間の潤滑油を排出して、クラッチの潤滑油による引きずりを減少すると共に、潤滑油の撹拌を減少して、エネルギ損失を低減することができる。
請求項2に係る本発明によると、ケース部材に形成した連通孔を、ピストンの移動に連動する排出切換え部材に設けた栓部により開閉する簡単な構成により、クラッチの摩擦板をガダ詰めするピストンの始期ストロークにより、クラッチのスリップ制御等の係合開始作動に応じて素早く閉塞状態に切換えることができ、摩擦板の発熱が大きいスリップ制御時においても、ケース部材の内部空間に素早く潤滑油を溜めて、フルディップ潤滑等により摩擦板を有効に冷却することができる。
請求項3に係る本発明によると、ケース部材を貫通するガイド孔にガイド部を嵌挿し、かつ該ガイド部に作用する付勢力により該ガイド部をピストンに当接して、簡単な構成でもって排出切換え部材をピストンに連動して素早くかつ確実に移動することができ、ピストンによるクラッチの作動に影響を及ぼすことがなく、リターンスプリング等によるピストンの戻りに対応して栓部を連通状態として、クラッチの解放状態にあっては、ケース部材の内部空間の潤滑油を確実に排出して、クラッチ摩擦板の潤滑油による引きずりを減少して、エネルギ損失を低減することができる。
請求項4に係る本発明によると、連通孔をケース部材の側壁におけるドラムに近い部分に形成したので、栓部による連通孔の連通状態では、ケース部材の内部空間の潤滑油を、クラッチの摩擦板が該潤滑油に浸らないように排出でき、クラッチ解放状態における潤滑油の引きずりを確実に低減することができる。
請求項5に係る本発明によると、ピストンは、ピストン部と作動部とが軸方向に少なくとも一部がオーバラップして、軸方向に短い構成からなり、かつ作動部に、ガイド部に当接する突部を形成したので、排出切換え機構のための特別なスペースは少なくて足り、装置のコンパクト化、特に軸方向の短縮化を図ることができる。
請求項6に係る本発明によると、ハイブリッド車両用駆動装置に適用し、前記クラッチがエンジン出力部材と回転電機のロータを切離す切離し(K0)クラッチからなるので、内燃エンジンによる発進時(及び回転電機によるエンジン始動時)には、上記クラッチを充分な潤滑油に浸して有効に冷却し得るものでありながら、EV走行時(ハイブリッド走行モードにおける電気モータ発進状態も含む)には、ケース部材の内部空間の潤滑油を排出して、クラッチ摩擦板の潤滑油による引きずりを減少すると共に、潤滑油の撹拌抵抗も減少して、特に使用割合いの増大が期待されているEV走行時の燃費性能を向上して、ハイブリッド車両性能を高めることができる。
請求項7に係る本発明によると、ケース部材の内部空間に供給される潤滑油を、切換えバルブによりクラッチの解放時に小流量に、スリップ制御を含むクラッチ係合時には大流量に切換えるので、排出切換え機構の連通状態では、ケース部材の内部空間の潤滑油量を素早く減少し、排出切換え機構の閉塞状態では、上記内部空間の潤滑油を素早く増加して、フルディップ潤滑状態とすることができる。
本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両用駆動装置を示す模式図。 本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両用駆動装置の入力部を示す断面図。 本発明の実施の形態に係るコントロールバルブを示す油圧回路図。 前記入力部の切離し(K0)クラッチの解放状態を示す断面図。 前記切離し(K0)クラッチの係合状態を示す断面図。 本発明の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の動作を説明するフローチャート図。
以下、本発明の実施の形態に係る車両用駆動装置を図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形態に係る車両用駆動装置としてのハイブリッド車両用駆動装置は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプの車両に搭載されて好適なものであり、図中における左右方向は実際の車両搭載状態における左右方向に対応するが、説明の便宜上、エンジン等の駆動源側を「前方側」、駆動源とは反対側を「後方側」というものとする。また、駆動連結とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、あるいは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。このような伝動としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーンなどが含まれる。
[ハイブリッド駆動装置の概略構成]
図1に示すように、ハイブリッド車両1は、駆動源として内燃エンジン2の他に、回転電機(電気モータ)3を有しており、このハイブリッド車両1のパワートレーンを構成するハイブリッド車両用駆動装置5は、エンジン2と駆動車輪6との間の伝動経路L上に設けられる自動変速装置7と、該自動変速装置7とエンジン2との間に配置され、エンジン2からの動力が入力される入力部9と、を有して構成されている。
上記入力部9は、エンジン2と自動変速装置7との間の動力伝達を行う動力伝達装置10に、電気モータ3が付設して構成されており、この動力伝達装置10は、エンジン2のクランク軸2aにドライブプレート11を介して接続されるダンパ12、該ダンパ12がスプライン嵌合する接続軸13を有する接続部14と、この接続部14と自動変速装置7の入力軸(入力部)15との間の動力伝達を断接し、エンジン2を駆動系から切り離すエンジン切離し(K0)クラッチ16と、から構成されている。なお、上記接続軸13は、エンジンクランク軸2aと実質的に一体に回転するので、エンジン出力部材又はエンジン出力軸13と称する。
また、上記K0クラッチ16は、複数の内摩擦板(第1摩擦板)17及び外摩擦板(第2摩擦板)19がクラッチハウジング20の内部空間Sに収納された多板湿式クラッチによって構成されており、このクラッチハウジング20は、上記自動変速装置7の入力軸15と一体に回転するように連結されている。即ち、K0クラッチ16は、上記伝動経路Lのエンジン側の伝動経路Lに駆動連結される内摩擦板17と、車輪側の伝動経路Lに駆動連結される外摩擦板19とを有していると共に、上記クラッチハウジング20も車輪側の伝動経路Lに駆動連結されている。
更に、上記クラッチハウジング20の外径側には、電気モータ3がK0クラッチ16と軸方向位置がオーバーラップするように配設されており、この電気モータ3は、クラッチハウジング20に固設されたロータ3aの径方向外側に、ステータ3bが対向するように配置されて構成されている。
即ち、ハイブリッド車両用駆動装置5は、エンジン側から車輪側に向かって、接続部14、K0クラッチ16、電気モータ3、自動変速装置7が順次配置されており、エンジン2及び電気モータ3の両方を駆動させて車両を走行させる場合には、制御部21によってコントロールバルブ(油圧制御装置)22を制御してK0クラッチ16を係合させ、車輪側の伝動経路Lに駆動連結された電気モータ3の駆動力だけで走行するEV走行時には、K0クラッチ16を解放して、エンジン側の伝動経路Lと車輪側の伝動経路Lとを切り離すようになっている。
[入力部の構成]
ついで、入力部9の構成について詳しく説明をする。図2に示すように、自動変速装置7を収納するミッションケース23にボルト25によって固定されたモータハウジング(ハウジング)26には、K0クラッチ16及び電気モータ3が収納されており、これらK0クラッチ16及び電気モータ3が収納されたモータハウジング26内の空間は、モータハウジング26に一体に取り付けられた隔壁27によって、エンジン2の取付部分と仕切られている。
また、上記モータハウジング26の中心部には、ダンパ12を介してエンジン2に接続されるエンジン出力軸13と、自動変速装置7の入力軸15と、が軸心を一致するようにして嵌挿されており、このエンジン出力軸13は、上記隔壁27の円筒部に設けられたボールベアリング29によって回転自在に支持されている。
一方、入力軸15は、オイルポンプカバー33を介してミッションケース23に固定されたオイルポンプボディ32に設けられたボールベアリング34によって、回転自在に支持されている。
なお、オイルポンプボディ32を有するオイルポンプ30は、K0クラッチ16の自動変速装置側に設けられており、オイルポンプギヤ(ロータ)31と、該オイルポンプギヤ31を収納する上記オイルポンプボディ32と、該オイルポンプボディ32に自動変速装置側から取付けられるオイルポンプカバー33と、から構成されている。
上記エンジン出力軸13は、隔壁27からダンパ12がスプライン嵌合するスプライン部が突出していると共に、モータハウジング内の自動変速装置側の端部に外径側に向けて延設してフランジ部13bが一体に設けられており、このフランジ部13bには、K0クラッチ16のクラッチハブ35が取付けられている。
上記クラッチハブ35は、エンジン2からの動力が伝達されるエンジン出力軸13と、自動変速装置7の入力軸15との間の動力伝達を断接するK0クラッチ16を構成する部品であり、クラッチハウジング20を介して入力軸15と駆動連結しているクラッチドラム36と対向するように延設されている。
詳しくは、クラッチドラム36は、クラッチハウジング20の後壁部37bの外径側端部から前壁部39bに向かって軸方向に延設されており、外径側に位置する該クラッチドラム36の内周面と、内径側に位置するクラッチハブ35の外周面とが対向するように配設されている。そして、クラッチドラム36の内周面には、円環状の摩擦板からなり、その外周側にてクラッチドラム36の内周面とスプライン係合する複数の外摩擦板19が、クラッチハブ35の外周面には、円環状の摩擦板からなり、その内周側にてクラッチハブ35の内周面とスプライン係合する複数の内摩擦板17が交互に並ぶように設けられている。
更に、K0クラッチ16は、後壁部37bとの間に油圧サーボ47を構成するピストン40と、後壁部37bのボス部37aにスナップリングで抜け止めされたスプリングリテーナ41と、これらピストン40及びスプリングリテーナ41の間に縮設されたリターンスプリング43と、を有しており、ピストン40が上記外摩擦板19及び内摩擦板17を押圧して係合させることによってK0クラッチ16が係合するようになっている。
即ち、上記内摩擦板17は、エンジン出力軸13を介してエンジン2からの動力が入力されるエンジン出力軸13と一体となって回転するように駆動連結されていると共に、外摩擦板19は、クラッチハウジング20の後壁部37bを介して、自動変速装置7の入力軸15に駆動連結されており、K0クラッチ16は、これら内摩擦板17と外摩擦板19とを係脱することで、エンジン2から自動変速装置7への動力伝達を断接する切離し及び発進クラッチとなっている。
なお、上記ピストン40を挟んで油圧サーボ47と対向する空間部、即ち、ピストン40及びスプリングリテーナ41によって形成された空間は、油圧サーボ47に発生する遠心油圧をキャンセルするキャンセル油室44となっている。上記ピストン40は、図4,図5に詳示するように油圧サーボ47のシリンダ室から外径方向に延び、前記摩擦板17,19を押圧作動する作動部40aが一体に形成されており、該作動部40aの先端(外径側端)が前記クラッチドラム36のスプライン36aに係合して、回転方向に位置決めされている。また、上記ピストン40のシリンダ室に篏合しているピストン部40aと、摩擦板に向って延びる作動部40aとは径方向からみて軸方向に少なくともその一部がオーバラップしており、軸方向の短縮化が図られている。
ところで、上述したクラッチハウジング20は、このK0クラッチ16を収納するクラッチハウジング20が収納されたモータハウジング内の空間を、上記内摩擦板17及び外摩擦板19が収納された内部空間Sと、電気モータ3が収納される外部空間(外部)Mと、に仕切るケース部材となっており、この内部空間Sは、潤滑油を漏らさずに油で満たされた状態になり得るように構成されている。
即ち、クラッチハウジング20は、K0クラッチ16のエンジン側にて外径側に向かって延設された前壁部(エンジン側側壁)39bと、K0クラッチ16の自動変速装置側で外径側に向かって延設された後壁部(変速装置側側壁)37bと、これら前壁部39b及び後壁部37bの間を接続してクラッチハウジング20の周面を形成する環状部39cと、が一体となって構成されている。
また、上記クラッチハウジング20を構成部品単位でみると、上述した前壁部39b及び環状部39cは、円筒形状のケース部材39によって形成されており、そのボス部39aがニードルベアリング45を介してエンジン出力軸13に相対回転自在に嵌合している。更に、上記ボス部39aは、エンジン出力軸13とボールベアリング29との間に介在しているため、クラッチハウジング20の一端側は、このボールベアリング29を介して隔壁27に回転自在に支持されている。
一方、クラッチハウジング20の後壁部37bは、板状部材(側壁)37及びクラッチドラム36によって形成されており、この板状部材37は、外径側に向かって延設された壁部37bと、この壁部37bを挟んで軸方向前後に延設されたボス部37aと、によって構成されている。
また、上記ボス部37aの自動変速装置側部分は、その内周面にスプラインが形成された軸部となっており、入力軸15とスプライン嵌合している。更に、この軸部は、ボールベアリング34と入力軸15との間に介在しているため、クラッチハウジング20の他端側は、このボールベアリング34を介して固定部材としてのオイルポンプボディ32に回転自在に支持されている。
なお、上記ボス部37aには、エンジン2からの駆動力及び電気モータ3からの駆動力が入力可能であるため、このボス部37aは、オイルポンプ30の駆動軸にもなっており、先端部に形成されたキー溝がオイルポンプ30のギヤ31の内径側に形成されたキーと嵌合することによって駆動連結されている。
このようにクラッチハウジング20は、クラッチ16を収容するケース部材となっている一方、上述したように、クラッチ16を跨いで前壁部39b及び後壁部37bによって両もち構造で安定して支持された支持部材でもある。即ち、クラッチハウジング20は、上記ボールベアリング(軸受部材)29,34を介して、クラッチ16の軸方向両側で、径方向及び軸方向に安定して支持されている。そのため、上記環状部39cの外周面は、電気モータ3のロータ3aを取付ける取付部となっており、ロータ3aが固設されている。
また、ロータ3aの外径側には、このロータ3aと対向するようにしてステータ3bがモータハウジング26に固設されており、これらロータ3a及びステータ3bによって電気モータ3が構成されている。
なお、上記クラッチハウジング20は、ボールベアリング29,34によって径方向及び軸方向に支持されているが、ニードルベアリングによって径方向に支持され、スラストベアリングによって軸方向に支持されても良い。
[油路構成]
ついで、上記入力部9の油路構成について説明をする。上記自動変速装置7の入力軸15には、コントロールバルブ22によって調圧された油圧が供給される複数の油路a,bが形成されており、油路aには、K0クラッチ16の制御圧が供給されるようになっている。
また、クラッチハウジング20の後壁部37bのボス部37aには、K0クラッチ16の油圧サーボ47に接続する油路cが形成されており、これら油路a,c及び油圧サーボ47によってK0クラッチ16のピストン40の押圧力を制御する。
更に、上記後壁部37bのボス部37aには、クラッチハウジング20の内部空間Sに供給されるクラッチ冷却用の潤滑油(油)が供給される油路dが入力軸15に沿って形成されている。そして、油圧源としてのオイルポンプ30と、潤滑油が供給される上記油路dを含むオイルポンプ30から吐出された油をクラッチハウジング20の内部空間Sへ導く供給油路と、によって、クラッチハウジング20の内部空間Sに潤滑油を供給するオイル供給部Aが構成されている。なお、本実施の形態においては、油圧源として上述した機械式オイルポンプ30の他に図3に示す電動式オイルポンプ55も有しており、車両の停止及び発進時においても、K0クラッチ16の制御圧及びクラッチハウジング20内の潤滑油の流量を確保可能に構成されている。
潤滑油の供給油路である油路dは、エンジン出力軸13のフランジ部13bと、後壁部37bのボス部37aと、の間に介在するスラストベアリング50によって保持された隙間を通って、クラッチハウジング20の内部空間Sと接続している。
また、入力軸15の油路bは、上記クラッチハウジング20の内部空間Sから潤滑油を排出する排出油路となっており、この油路bは、エンジン出力軸13側に設けられた油路f、入力軸15とエンジン出力軸13との間の隙間eを介してクラッチハウジング20の内部空間Sと接続している。
そのため、油路dから内部空間Sに供給された潤滑油は、スラストベアリング50、スプリングリテーナ41とクラッチハブ35と間の隙間を通って、K0クラッチ16の内径側から内摩擦板17及び外摩擦板19を冷却する。そして、このK0クラッチ16の摩擦板17,19を冷却した潤滑油は、スラストベアリング50によって保持された、前壁部39bとクラッチハブ35との間の隙間及びフランジ部13bとクラッチハウジング20の前壁部39bとの間の隙間を通って、供給時とはクラッチハブ35を挟んで反対側に位置する油路fから排出される。なお、上記油路dを潤滑油供給油路とし、油路bを潤滑油排出油路としたが、これと反対に、油路dを潤滑油排出油路、油路bを潤滑油供給油路としてもよく、また両油路d,bを共に潤滑油供給油路としてもよい。
なお、上記内部空間S内に満たされた潤滑油は、エンジン出力軸13と前壁部39bのボス部39aとの間の隙間、前壁部39bと隔壁27との間の隙間を通って、ニードルベアリング45及びボールベアリング29を潤滑しながらクラッチハウジング20の外部空間Mにも排出されるようになっており、この外部空間Mに排出された潤滑油は、モータハウジング26の下方に設けられたオイルパン53(図1参照)へと還流する。
このように、内摩擦板17及び外摩擦板19を収納する内部空間Sは、供給油路dによって内径側から供給される潤滑油をクラッチハウジング20の内部空間Sで貯留して、内摩擦板17及び外摩擦板19を、この貯留した潤滑油で浸し得るように構成されており、これら内摩擦板17及び外摩擦板19は、内部空間S内を満たす潤滑油によって冷却されるように構成されている。
なお、エンジン出力軸13と隔壁27との間は、オイルシール52によりシールされているため、外部空間Mに排出される潤滑油がケース外に漏れることはないと共に、キャンセル油室44には、油路d,hを介してオイルが供給される。
[コントロールバルブの構成]
ついで、コントロールバルブ22の上記オイル供給部Aへの潤滑油の供給に係る部分の構成について説明をする。図3に示すように、コントロールバルブ22は、リニアソレノイドバルブSLUと、オイル供給部Aに供給する潤滑油の供給量を調節する流量切換えバルブ59と、を有しており、上記リニアソレノイドバルブSLUは、運転者からの要求トルクに応じて制御部21から出力されるSLU指令値に基づいて、K0クラッチ16の油圧サーボ47に供給する制御圧を調圧し、K0クラッチ16の係脱を制御するように構成されている。
また、上記流量切換えバルブ59は、上記オイル供給部Aに潤滑油を供給する油路を切換える切換えバルブであり、不図示のスプールを一方側に付勢するスプリング60を有していると共に、スプリング60の付勢力とは反対側にスプールを移動させるようにリニアソレノイドバルブSLUの制御圧が入力されている。
上記スプリング60は、流量切換えバルブ59が選択的に切換える第1及び第2油路e,eの内、油路径が大きく第2油路eに比してオイル供給部Aに供給する潤滑油の流量が多い第1油路eを遮断し、油路径が小さく第1油路eに比してオイル供給部Aに供給する潤滑油の流量が少ない第2油路eを連通させるようにスプールを付勢している。
そのため、上記流量切換えバルブ59は、K0クラッチ16が解放されて、リニアソレノイドバルブSLUからの制御圧が入力されていない場合には、上記スプリングの付勢力により、潤滑油の供給量の少ない第2油路eを連通させると共に、K0クラッチ16を係合するためにリニアソレノイドバルブSLUからの所定圧以上の制御圧が出力された場合には、潤滑油の供給量の多い第1油路eを連通させるように構成されている。
[排出切換え機構の構成]
ついで、図2,図4及び図5に沿って、本発明の要部である前記クラッチハウジング20内の潤滑油の排出切換え機構70について説明する。上記クラッチハウジング20の後壁部37bは、クラッチドラム36に近い部分(近接した部分)において上記内部空間Sと外部空間Mとを連通する連通孔71が、該連通孔71より所定量内径側にガイド孔72が、それぞれ同円周上に複数個貫通して形成されている。
上記後壁部37bの外側(外部空間M側)には、環状のプレート状部材からなる排出切換え部材73が配置されており、該切換え部材73には、前記連通孔71に係脱し得る栓部75及び前記ガイド孔72に嵌挿し得るガイド部76がそれぞれプレート本体部73aの同円周上に複数個突出して形成されている。栓部75及びガイド部76は、それぞれ円筒状の突部形状からなり、栓部75に対してガイド部76が長く形成されており、ガイド部76がガイド孔72に摺動自在にガイドされてプレート本体部73aを軸方向に移動しつつ、栓部75が連通孔71を連通する連通位置(状態)(図4参照)及び遮断する閉塞位置(状態)(図5参照)に切換え得る。
前記後壁部37bにおける外径側は、前記ロータ3aを装着した環状部39cを連結するために外側(後側)に突出しており、該突出部37b1の内径側にスナップリング77によりリテーナプレート79が取付けられている。該リテーナプレート79と前記排出切換え部材73のプレート本体部73a背面との間にスプリング80が縮設されており、該スプリング80は、クラッチハウジングの外部側において前記排出切換え部材73をその栓部75が閉塞する位置になる方向に付勢している。
前記油圧サーボ47のピストン40の作動部40bにおける前記ガイド孔72に対向する位置には、該ピストン40の後壁部方向(後方側)に突出して円筒形状の突部81が一体に形成されており、該突部81は、前記排出切換え部材73のガイド部76の先端に当接して、上記ピストン40の移動によるK0クラッチ16の解放及び係合に連動して、上記排出切換え部材73が連通位置(図4参照)及び閉塞位置(図5参照)に切換えられる。なお、前記スプリング80の付勢力は、ピストン背面のリターンスプリング43の付勢力に比して大幅に小さく、単にガイド部76と突部81の接触を保持するだけの力で足り、油圧サーボ47及びリターンスプリング43によるピストン40の移動に実質的に影響を与えるものではない。
[作用]
ついで、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両用駆動装置5の作用について図6を参照しつつ説明をする。例えば、バッテリ容量が少なくなっている場合に、車両は、内燃エンジン2の動力により発進して走行するエンジン走行モードとなる。該モードによる車両発進に際し、内燃エンジン2は回転し、かつK0クラッチ16は解放状態にある。この状態では、油圧サーボ47の油圧は開放(ドレーン)されて、図4に示すように、リターンスプリング43によりピストン40は戻り位置にあって、その突部81が排出切換え部材73のガイド部76に当接して、該切換え部材73は、栓部75が連通孔71から離れた連通位置にある。一方、リニアソレノイドバルブSLUも開放(ドレーン)位置にあって、流量切換えバルブ59は、第2油路eに連通する位置にあって、オイル供給部Aからクラッチハウジング20に供給される潤滑油の流量は少なく、かつ該潤滑油は、上記連通孔71から外部空間Mに排出されて、クラッチハウジング20の内部空間Sに潤滑油が溜まることはない。
そして、Dレンジにおいて、運転者がブレーキペダルの踏圧操作を解除方向に作動すると、運転者が発進を準備したと判断して発進待機状態となる。この状態では、制御部21は、リニアソレノイドバルブSLUにファストフィル圧指令を発信し、油圧サーボ47にファストフィル油圧を供給して、ピストン40は、略々ストロークエンドまで移動してK0クラッチ16をガタ詰めし、更に油圧サーボ47に所定制御圧を作用して、K0クラッチ16は、クリープトルクを生ずるクリープ状態となる(S1;ON)
この際、上記リニアソレノイドバルブSLUのファストフィル圧により流量切換えバルブ59が切換えられて、オイルポンプ30,55からの潤滑油が、第1油路eを介して大流量でオイル供給部Aに供給され、該大流量の潤滑油がクラッチハウジング20の内部空間Sに導かれる(S4)。一方、前記油圧サーボ47のピストン40がガタ詰め作動のためにストロークすることにより、図5に示すように、該ピストン40の突部81にガイド部73が追従して、排出切換え部材73がスプリング80の付勢方向に順じて移動して、栓部75が連通孔71を閉塞する。
上記大流量の潤滑油のクラッチハウジング20内への供給並びに上記栓部75による連通孔71の閉塞が相俟って、クラッチハウジング20の内部空間Sは、急速に潤滑油で満たされる。この状態で、上述したようにK0クラッチ16はスリップ制御してクリープトルクを発生するが、該K0クラッチ16の湿式多板摩擦板17,19は上記潤滑油に浸ったフルディップ潤滑状態になっており、上記摩擦板17,19のスリップによる発熱は有効に冷却される。
そして、運転者がアクセルペダルを踏込むと、制御部21は、リニアソレノイドバルブSLUの指令値を上昇して、油圧サーボ47への供給油圧を上昇する。これにより、K0クラッチ16のトルク容量は増加し、上記クリープトルクからなる待機状態から車両は発進し(S2)、更にアクセルペダルによる運転者のトルク要求に応じて、油圧サーボ47への供給油圧は上昇して、K0クラッチ16に完全係合する。そして、自動変速装置7はアップシフトして、車両は巡航速度にて走行する。該K0クラッチ16が係合した状態では、クラッチハウジング20の内部空間Sは潤滑油で満たされた状態にあるが、該クラッチハウジング20内のK0クラッチ16等の各部品は一体に回転し、潤滑油の剪断抵抗による引きずりトルクの発生はないか僅かである。なおこの際、バッテリ残量が不足状態にあるので、一般に、電気モータ3はジェネレータとして機能する。
一方、運転者の操作又はバッテリ残量が充分にある等で、EV走行モードが選択された場合(S5)、内燃エンジン2は停止すると共に、K0クラッチ16は解放状態に保持される(S1;OFF)。そして、Dレンジにあって運転者がブレーキの踏圧を解除すると、電気モータ3はクリープトルクを発生する。運転者がアクセルペダルを踏むと、該ペダルの踏量に基づく運転者の要求トルクに応じて電気モータ3の出力は増加し、車両は、発進して走行する。
この際、制御部21からリニアソレノイドバルブSLUに開放(0圧)指令を出力したままであり、油圧サーボ47はドレーン状態にある。この状態では、流量切換えバルブ59は、第2油路eに連通した状態にあって、オイルポンプ30,55から小流量の潤滑油が供給され、オイル供給部Aを介してクラッチハウジング20の内部空間に導かれる(S7)。一方、油圧サーボ47はドレーン状態にあって、ピストン40は、リターンスプリング43により収縮された位置にあり、図5に示すように、突部81がガイド部73に当接して、排出切換え部材73はスプリング80に抗して押圧された位置にあり、栓部75は連通孔71を連通している。従って、上記小流量の潤滑油は、クラッチハウジング20の内部空間Sに溜ることなく、連通孔71から外部空間Mに排出され、電気モータ3を潤滑、冷却する。この状態は、入力軸15等の軸芯部から潤滑油が供給されて、内部空間Sに溜ることなく循環する軸芯潤滑となるが(S6)、上記連通孔71は、ドラム36の近くにあってクラッチハウジング20の内部空間Sの潤滑油は、略々完全に排出される。この際、K0クラッチ16が解放状態に保持されたままであるが、上記潤滑油は、内摩擦板17及び外摩擦板19の間等を通って流れ去り、摩擦板の摩擦面に滞留することはない。従って、該潤滑油により発生する引きずりトルクは小さく、かつ潤滑油の撹拌抵抗も小さく、ハイブリッド車両用駆動装置5、特にそのEV走行モードにおけるエネルギ効率を向上し得る。
通常のハイブリッド走行モードにあっては、車両の停止時は、電気モータ3及び内燃エンジン2が停止している。そして、Dレンジにおいて運転者がブレーキの踏圧を解除すると、上述したEV走行モードと同様に、K0クラッチ16を解放した状態で電気モータ3によりクリープトルクを発生し、更にアクセルペダルの踏込みにより、電気モータ3の出力トルクが増加して車両を発進する。そして、車両が所定低速度になると、K0クラッチ16を係合して、上記電気モータ3の出力の一部により内燃エンジン2を始動する。この際、K0クラッチ16は、該内燃エンジン始動に伴うトルク変化が駆動車輪に伝わらないように、一時的にスリップ制御され、そして完全に係合する(S2)。
該完全係合した状態では、内燃エンジン2の出力がK0クラッチ16を介して入力軸15に伝達され、内燃エンジン2により車両が走行し、自動変速装置7がアップシフトして巡航速度になる。なおこの際、電気モータ3は、上記内燃エンジンの出力トルクをアシストするか、該エンジントルク又は車両慣性力により発電(回生)するか、又は無負荷で回転する。
この際、上記K0クラッチ16が解放状態にある発進時には、前記EV走行モードと同様に、クラッチハウジング20に小流量の潤滑油が供給され(S7)、かつ排出切換え機構70が連通位置にあって、内部空間Sの潤滑油を排出循環する軸芯潤滑状態(S6)にあり、またK0クラッチ16をスリップ制御及び完全係合した係合状態にある通常走行時は、エンジン走行モードと同様に、クラッチハウジング20に大流量の潤滑油が供給され(S4)、かつ排出切換え機構70が閉塞位置にあって、内部空間Sに潤滑油が満たされるフルディップ潤滑状態(S3)にある。
なお、上述した実施の形態は、排出切換え機構70と共に、流量切換えバルブ59によるクラッチハウジング20内への潤滑油の供給量を調整したが、該潤滑油の供給量の切換え(即ち図3に示すコントロールバルブ22)はなくてもよく、排出切換え機構70のみにより、フルディップ潤滑(S3)と軸芯潤滑(S6)とを切換え得る。
また、ハイブリッド車両用駆動装置について説明したが、駆動源として内燃エンジンのみからなる車両用駆動装置において、発進クラッチを有するものにも同様に適用可能であり、更にロックアップクラッチを有するトルクコンバータを備えた自動変速装置において、該ロックアップクラッチを発進クラッチとして用いるものにも同様に適用可能である。
また、上記内摩擦板17は、クラッチハブ35などのエンジン側の伝動経路Lの回転要素又は、クラッチドラム36などの車輪側の伝動経路Lの回転要素の一方と、スプライン係合(駆動連結)すればよく、外摩擦板19は、エンジン側の伝動経路Lの回転要素又は車輪側の伝動経路Lの回転要素の他方と、スプライン係合(駆動連結)すれば良いと共に、K0クラッチ16を、単板クラッチによって構成しても良い。また、回転電機(電気モータ)3及びK0クラッチ16は、自動変速装置7の回転要素に駆動連結されていれば良く、例えば、自動変速装置7の入力軸や、出力軸に駆動連結させることができる。また、上述した実施形態に記載された発明は、互いにどのように組み合わされて使用されても当然に良い。
2 内燃エンジン
3 回転電機(電気モータ)
5 (ハイブリッド)車両用駆動装置
6 (駆動)車輪
16 (K0)クラッチ
17 第1摩擦板(内摩擦板)
19 第2摩擦板(外摩擦板)
20 ケース部材(クラッチハウジング)
36 (クラッチ)ドラム
40 ピストン
40a 作動部
40b ピストン部
47 油圧サーボ
47a シリンダ室
59 流量切換えバルブ
70 排出切換え機構
71 連通孔
72 ガイド孔
73 排出切換え部材
75 栓部
76 ガイド部
80 付勢(スプリング)
81 突部
S 内部空間
M 外部(外部空間)
L 伝動経路
エンジン側の伝動経路
車輪側の伝動経路

Claims (7)

  1. 内燃エンジンと車輪との間の伝動経路における前記エンジン側の伝動経路に駆動連結される第1摩擦板、前記車輪側の伝動経路に駆動連結される第2摩擦板、これら第1及び第2摩擦板を押圧して係合させるピストン、該ピストンの押圧力を供給される制御圧により制御する油圧サーボを有するクラッチと、
    前記クラッチを収納する内部空間を有し、該内部空間が前記第1及び第2摩擦板を潤滑油で浸し得るように構成されるケース部材と、
    前記ピストンの移動に基づいて、前記ケース部材の内部空間と外部とを連通させる連通状態と、前記ケース部材の内部空間と外部とを遮断する閉塞状態とに切換える排出切換え機構と、を備えた、
    ことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 前記排出切換え機構は、
    前記ケース部材に形成され、前記内部空間と外部とを連通する連通孔と、
    該連通孔を連通又は遮断する栓部を有し、前記クラッチの解放状態で前記栓部を前記連通状態に保持しかつ前記クラッチを係合する方向の前記ピストンの移動に連動して前記栓部を閉塞状態に移動する排出切換え部材と、を有してなる、
    請求項1記載の車両用駆動装置。
  3. 前記排出切換え部材は、前記ケース部材に貫通して形成されたガイド孔に摺動自在に嵌挿するガイド部を有し、かつ前記ケース部材の外部側に該ケース部材に接する方向に付勢されて配置され、
    前記ピストンを前記ガイド部に当接して、該ピストンに連動して前記排出切換え部材を移動してなる、
    請求項2記載の車両用駆動装置。
  4. 前記ケース部材は、前記第1及び第2摩擦板の一方である外摩擦板を回転方向に一体に係合するドラムと、左右の側壁とを有し、
    前記左右の側壁のいずれか一方における前記ドラムに近接した部分に前記連通孔を形成してなる、
    請求項3記載の車両用駆動装置。
  5. 前記ピストンは、前記油圧サーボを構成するシリンダ室に嵌合するピストン部と、該ピストン部から外径方向に延び、前記クラッチを押圧作動する作動部と、を有し、
    前記ピストン部と前記作動部とが、径方向からみて軸方向に少なくとも一部がオーバラップするように構成され、かつ前記作動部に、前記ガイド部に当接する突部を形成してなる、
    請求項3又は4記載の車両用駆動装置。
  6. 前記車輪側の伝動経路に駆動連結される回転電機と、該車輪側の伝動経路に介在する自動変速装置と、を備え、
    前記車両用駆動装置が、ハイブリッド車両用駆動装置である、
    請求項1ないし5のいずれか記載の車両用駆動装置。
  7. 油圧源からの潤滑油を前記ケース部材の内部空間に供給する油路に、該供給する潤滑油量を小流量と大流量に切換える流量切換えバルブを介在し、
    該切換えバルブは、前記油圧サーボへ供給する制御圧により、前記クラッチの解放状態では小流量に、係合状態では大流量に切換えられてなる、
    請求項1ないし6のいずれか記載の車両用駆動装置。
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