JP2015115738A - ルックアップテーブル生成方法、ルックアップテーブル生成装置、及び、色変換装置 - Google Patents

ルックアップテーブル生成方法、ルックアップテーブル生成装置、及び、色変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷機の色材に合わせた色材使用量と画像形成装置の色材に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのルックアップテーブルで特定画像の色に対する高精度の色再現を実現する。【解決手段】印刷機(300)で印刷物350の形成に使用される第一の色材CL1の使用量と、画像形成装置(100)で色再現画像160の形成に使用される第二の色材CL2の使用量と、の対応関係を規定したルックアップテーブル200を生成する際、第一の色材CL1の色で表される入力色空間のうち特定画像400に含まれる色UCiを含む第一の領域R1について第一の出力特性を示すように対応関係を規定し、入力色空間のうち第一の領域R1とは異なる第二の領域R2について第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように対応関係を規定して、ルックアップテーブル200を生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、ルックアップテーブル生成方法、ルックアップテーブル生成装置、及び、色変換装置に関する。
印刷本機を使用する前に印刷本機で形成される印刷物の色味等を確認するため、印刷プルーフ機でプルーフを形成して確認することが行われている。印刷本機にオフセット印刷機やグラビア印刷機を用いる場合、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のみといった4種類の色材で印刷物が形成されている。DDCP(Direct Digital Color Proof)のため、印刷本機と同じCMYKの色材を印刷プルーフ機に用いることも行われている。一方、インクジェットプリンターには、CMYKのインクの他、例えば、lc(ライトシアン)、lm(ライトマゼンタ)、lk(ライトブラック)、llk(ライトライトブラック)、R(レッド)、Or(オレンジ)、Gr(グリーン)、等のインクの一部又は全部をも用いるものもある。このようなインクジェットプリンターは、高画質の写真画像を印刷可能である。
なお、特許文献1には、色再現性といった画質要素の最適化を目標に、LUT(ルックアップテーブル)の格子点のインク量を最適化する技術が開示されている。
特許文献2には、CMYlclm(シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ)の有彩色インク及び3段階の濃度のK1,K2,K3インクのインク量を規定したLUTと、CMYlclmの有彩色インク及び2段階の濃度のK1,K2インクのインク量を規定したLUTとを使い分けることが開示されている。
特表2007−516663号公報 特開2007−137021号公報
印刷プルーフ機の色材に印刷本機と同じCMYKのみの色材を用いる場合、上述したインクジェットプリンターで得られるような高画質の写真印刷を行うことができない。
特許文献1に記載の技術は、色彩値への対応が明確なsRGB色空間やL***色空間といった3次元色空間で定義された入力画像を想定しており、印刷本機で印刷物の形成に使用される色材のCMYKの4次元色空間といったデバイス依存の色空間の入力画像を対象としていない。従って、この技術は、CMYK画像といった入力画像の特徴を把握したうえで画質を確立する仕組みになっておらず、また、特定の画像に限定して色再現の精度を最適化する技術思想が含まれていない。
特許文献2に記載の技術は、LUTを複数保有する必要があり、LUT作成に時間がかかるデメリットがある。この技術は、上記同様、色彩値への対応が明確なsRGB色空間といった3次元色空間で定義された入力画像を想定しており、印刷本機で印刷物の形成に使用される色材のCMYKの4次元色空間といったデバイス依存の色空間の入力画像を対象としていない。従って、CMYK画像といった入力画像の特徴を把握したうえで画質を確立する仕組みになっておらず、また、特定の画像に限定して色再現の精度を最適化する技術思想が含まれていない。
印刷プルーフ機の色材を印刷本機の少ない色材に合わせると、高精度の色再現性を得ることができるものの、多色インクを使い分けることで得られる画質の多様性を実現することができない。従って、写真画質とプルーフ画質の両方を一つの印刷プルーフ機で得ることができない。
なお、上記のような問題は、オフセット印刷機及びグラビア印刷機のためのLUTを生成する技術に限らず、種々の技術についても同様に存在する。
以上を鑑み、本発明の目的の一つは、印刷機の色材に合わせた色材使用量と画像形成装置の色材に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのルックアップテーブルで特定画像の色に対する高精度の色再現を実現することにある。
上記目的の一つを達成するため、本発明は、印刷機で印刷物の形成に使用される第一の色材の使用量と、画像形成装置で色再現画像の形成に使用される第二の色材の使用量と、の対応関係を規定したルックアップテーブルを生成するルックアップテーブル生成方法であって、
前記第一の色材の色で表される入力色空間のうち特定画像に含まれる色を含む第一の領域について第一の出力特性を示すように前記対応関係を規定し、前記入力色空間のうち前記第一の領域とは異なる第二の領域について前記第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように前記対応関係を規定して、前記ルックアップテーブルを生成する、態様を有する。
すなわち、生成されるルックアップテーブルは、印刷機で使用される第一の色材の使用量と画像形成装置で使用される第二の色材の使用量との対応関係が規定される。この一つのルックアップテーブルに、入力色空間のうち特定画像に含まれる色を含む第一の領域については第一の出力特性を示すように対応関係が規定され、入力色空間のうち第一の領域とは異なる第二の領域については第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように対応関係が規定される。従って、上記態様は、印刷機の色材に合わせた色材使用量と画像形成装置の色材に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのルックアップテーブルで特定画像の色に対する高精度の色再現を実現することが可能となる。
また、本発明の色変換装置は、印刷機で印刷物の形成に使用される第一の色材の使用量と、画像形成装置で色再現画像の形成に使用される第二の色材の使用量と、の対応関係を規定したルックアップテーブルであって、前記第一の色材の色で表される入力色空間のうち特定画像に含まれる色を含む第一の領域について第一の出力特性を示すように前記対応関係が規定され、前記入力色空間のうち前記第一の領域とは異なる第二の領域について前記第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように前記対応関係が規定されたルックアップテーブルを記憶する記憶部と、
前記ルックアップテーブルを参照して色変換を行う色変換部と、を備えた態様を有する。
すなわち、記憶部に記憶されるルックアップテーブルは、印刷機で使用される第一の色材の使用量と画像形成装置で使用される第二の色材の使用量との対応関係が規定されている。この一つのルックアップテーブルに、入力色空間のうち特定画像に含まれる色を含む第一の領域については第一の出力特性を示すように対応関係が規定され、入力色空間のうち第一の領域とは異なる第二の領域については第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように対応関係が規定される。従って、上記態様は、印刷機の色材に合わせた色材使用量と画像形成装置の色材に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのルックアップテーブルで特定画像の色に対する高精度の色再現を実現することが可能となる。
ここで、上記第一の色材は、印刷機で印刷物の形成に使用される色材であればよく、CMYKといった4色を組み合わせた色材の他、5色以上を組み合わせた色材、及び、3色以下を組み合わせた色材が含まれる。上記第二の色材は、画像形成装置で色再現画像の形成に使用される色材であればよく、5色以上を組み合わせた色材の他、4色以下を組み合わせた色材が含まれる。
上記特定画像に含まれる色を含む第一の領域の例としては、肌色領域、グレイ領域、カラーチャート領域、等を挙げることができる。第一の領域は、離散的な部分の集まりでもよい。
出力特性は、領域内の全体的な出力の傾向を意味する。例えば、前記入力色空間に含まれる第一及び第二の領域について示される前記第一及び第二の出力特性は、それぞれ、所定の観察光源における前記第一の色材の色彩値と前記第二の色材の色彩値との色差、前記色再現画像の粒状性を表す指標値、前記色再現画像の階調性を表す指標値、の少なくとも一つで表されてもよい。この態様は、特定画像の色に対する高精度の色再現を実現好適な例を提供することができる。なお、観察光源は、複数の光源で構成されてもよい。
ところで、前記特定画像の色分布に基づいて前記入力色空間内の複数の格子点のうち前記特定画像に含まれる色の変換に用いる格子点を特定し、前記第一の領域について前記第一の出力特性を示すように前記特定した格子点について前記第一の出力特性を示すように前記対応関係を規定してもよい。この態様は、ルックアップテーブルの生成を容易にすることができる。
また、前記特定画像から該特定画像に含まれる色を抽出し、前記入力色空間内の複数の格子点のうち前記抽出した色の変換に用いる格子点を特定し、前記第一の領域について前記第一の出力特性を示すように前記特定した格子点について前記対応関係を規定してもよい。この態様は、ルックアップテーブルの生成をさらに容易にすることができる。
さらに、前記特定画像に含まれる色のそれぞれについて前記入力色空間内の複数の格子点のうち前記色の変換に用いる一以上の格子点を抽出し、該抽出した格子点の重複を解消し、前記第一の領域について前記第一の出力特性を示すように重複解消後の格子点について前記対応関係を規定してもよい。この態様は、ルックアップテーブルの生成をさらに容易にすることができる。
さらに、前記ルックアップテーブルに設けられる第一格子点の数N1よりも少ない数N2の第二格子点について前記対応関係を規定し、該第二格子点についての対応関係に基づいて前記数N1の第一格子点について前記対応関係を規定してもよい。ルックアップテーブルに設けられる第一格子点の数N1が多い場合、いきなり全ての数N1の第一格子点について対応関係を規定するのは時間がかかり過ぎることがある。本態様は、第一格子点の数N1よりも少ない数N2の第二格子点について対応関係を規定すればよいので、ルックアップテーブルの生成を容易にすることができる。
さらに、前記印刷物を観察する複数の観察光源のそれぞれについて、前記第二格子点に、前記印刷物に形成される前記第一の色材の前記観察光源におけるターゲット色彩値を対応付けてもよい。そのうえで、前記複数の観察光源について前記第二格子点において対応付けられたターゲット色彩値への近似性を評価する評価値に基づいて、前記色再現画像に形成される前記第二の色材の色彩値が前記観察光源毎に前記ターゲット色彩値に近似するように前記第二の色材の使用量を前記第二格子点について予測してもよい。そのうえで、前記第二格子点に、予測された前記第二の色材の使用量を対応付け、前記第二格子点についての前記第一及び第二の色材の使用量の対応関係に基づいて前記数N1の第一格子点について前記ルックアップテーブルの対応関係を規定してもよい。本態様は、複数の観察光源下で印刷機による印刷物に見える色味変化をより忠実に再現可能なルックアップテーブルを生成することができる。
さらに、前記入力色空間において前記第一格子点を囲む複数の前記第二格子点についての前記第一及び第二の色材の使用量の対応関係を用いた補間演算を行うことにより前記第一格子点について前記ルックアップテーブルの対応関係を規定してもよい。この態様は、ルックアップテーブルの生成をさらに容易にすることができる。
さらに、前記第一の色材は、第三の色材と、第四の色材と、を含んでもよい。そのうえで、前記第一格子点に対応する前記第三の色材の使用量のそれぞれについて、前記第四の色材で表される色空間内に前記第二格子点を設けてもよい。そのうえで、前記第三の色材の使用量のそれぞれについて、前記第四の色材で表される色空間において前記第一格子点を囲む複数の前記第二格子点についての前記第一及び第二の色材の使用量の対応関係を用いた補間演算を行うことにより前記第一格子点について前記ルックアップテーブルの対応関係を規定してもよい。本態様は、第一の色材の色で表される入力色空間よりも次元数の少ない色空間において補間演算が行われるので、ルックアップテーブルの生成をさらに容易にすることができる。なお、第三の色材の例としては、Kインクといった無彩色インク等を挙げることができる。第四の色材の例としては、CMYのインクといった有彩色インク等を挙げることができる。
なお、第三の色材の使用量がNg段階あるとき、このNg段階よりも少ない段階についてのみ第四の色材で表される色空間内に設けた第二格子点についての対応関係を用いた補間演算を行うことも、上記態様に含まれる。
さらに、前記第一格子点に対応する前記第三の色材の使用量のそれぞれについて、前記第二格子点に含まれ前記第三の色材の使用量に応じた数の第三格子点を前記入力色空間内に設けてもよい。そのうえで、前記第三格子点のそれぞれについて前記対応関係を規定してもよい。本態様は、入力色空間内に設けられる第三格子点の総数が第三の色材の使用量に応じた数とされるので、ルックアップテーブルの生成をさらに容易にすることができる。むろん、第三の色材の使用量のNg段階よりも少ない段階についてのみ第四の色材で表される色空間内に設けた第二格子点についての対応関係を用いた補間演算を行うことも、前述の態様に含まれる。
さらに、前記第一格子点に対応する前記第三の色材の使用量に第一の使用量と該第一の使用量よりも多い第二の使用量が含まれるとき、前記第三の色材の前記第一の使用量に対応する前記第三格子点の数は、前記第三の色材の前記第二の使用量に対応する前記第三格子点の数よりも多くてもよい。第三の色材の使用量が比較的少ない第一の使用量である場合、第四の色材の色で表される色空間のガマットは広くなる。一方、第三の色材の使用量が比較的多い第二の使用量である場合、第四の色材の色で表される色空間のガマットは狭くなる。そこで、第三の色材の第一の使用量に対応する第三格子点の数が第三の色材の第二の使用量に対応する第三格子点の数よりも多いと、入力色空間内に設けられる第三格子点の総数がより適正な数とされるので、ルックアップテーブルの生成をさらに容易にすることができる。
さらに、本発明は、ルックアップテーブル、ルックアップテーブルを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、ルックアップテーブルを搭載した画像形成装置、上記ルックアップテーブル生成方法に対応した手段を備えるルックアップテーブル生成装置、画像形成装置を備えた画像形成システム、前述の装置又はシステムの各部に対応した機能をコンピューターに実現させるプログラム、該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述の装置及びシステムは、分散した複数の部分で構成されてもよい。
プルーフシステムSY1の構成を模式的に例示する図。 ルックアップテーブル200の構造を模式的に例示する図。 ルックアップテーブル200のデータ構造を模式的に例示する図。 特定画像400を模式的に例示する図。 コンピューター10の構成を模式的に例示するブロック図。 (a)は少格子点ルックアップテーブル210のデータ構造を模式的に例示する図、(b)は部分ルックアップテーブル230のデータ構造を模式的に例示する図。 少格子点ルックアップテーブル210の色材量予測格子点G5の配置例を模式的に示す図。 ルックアップテーブル生成処理を例示するフローチャート。 特有色参照格子点抽出処理を例示するフローチャート。 最終的なルックアップテーブル200を生成する処理を例示するフローチャート。 設定画面500を例示する図。 特有色参照格子点G2,G3を抽出する様子を模式的に例示する図。 第三の色材CL3の使用量毎の色材量予測格子点G5の配置例を模式的に示す図。 印刷色プロファイルPR0の構造を模式的に例示する図。 印刷色プロファイルPR0のデータ構造を模式的に例示する図。 印刷色プロファイルPR0の生成方法例を模式的に説明するための図。 分光反射率に基づいて色彩値を算出するための計算例を説明する図。 インク量セットを最適化する処理の流れを模式的に例示する図。 インク量セットが最適化されていく様子を模式的に例示する図。 画像形成装置で行われる色再現画像出力制御処理を例示するフローチャート。 分光反射率データベースの構造を模式的に例示する図。 分光ノイゲバウアモデルを模式的に例示する図。 セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルを模式的に例示する図。 元ルックアップテーブル205の格子点G6からルックアップテーブル200の格子点G1を補間する様子を模式的に例示する図。 スムージング処理を模式的に例示する図。 色再現画像の粒状性を変える様子を模式的に例示する図。 粒状性指標値IN1を算出する様子を模式的に例示する図。 色再現画像の階調性を変える様子を模式的に例示する図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)プルーフシステムの概要:
図1は、印刷本機(印刷機)300で形成される印刷物350のプルーフ150をプルーフ機(画像形成装置)100で形成するプルーフシステムSY1を模式的に例示している。印刷本機で直接、印刷物を形成して色味等を確認すると、高いコストがかかる。そこで、印刷物350を形成しなくても印刷物350上の印刷画像360の色味等を確認可能とするため、プルーフ機100は、印刷物350の色再現画像160を形成する。
印刷本機(印刷機)300には、オフセット印刷機、グラビア印刷機、等が含まれる。図1に示す印刷本機300は、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の第一の色材CL1を使用して被印刷物M1に印刷画像360を形成する。なお、第一の色材CL1は、Kの色材(第三の色材CL3)と、この色材CL3の色(K)に合わせて置き換え可能なCMYの色材(第四の色材CL4)と、を含む。
プルーフ機(画像形成装置)100には、インクジェットプリンター、ワイヤドットプリンター、レーザープリンター、ラインプリンター、複写機、ファクシミリ、これらの一部を組み合わせた複合機、等が含まれる。図1に示すプルーフ機100は、CMYKlclmの第二の色材CL2を使用して被印刷物M2に色再現画像160を形成する。ライトシアン(lc)は、シアンと同系統の色相でシアンよりも明度が高い色である。ライトマゼンタ(lm)は、マゼンタと同系統の色相でマゼンタよりも明度が高い色である。むろん、第二の色材CL2は、CMYKROrGrの色材等でもよい。レッド(R)やオレンジ(Or)やグリーン(Gr)は、CMYに置き換え可能な色である。図1に示すプルーフ機100は、LUT(ルックアップテーブル)200に従って、CMYKの第一の色材CL1の各使用量Dc,Dm,Dy,DkをCMYKlclmの第二の色材CL2の各使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに変換し、得られる使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに従って色再現画像160を形成する。インク使用量を被印刷物M2上のドットに変換する場合、各使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを表す階調データに対してディザ法や誤差拡散法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行って前記階調データの階調数を減らし、得られる多値データに従ってインク滴を吐出して被印刷物M2上にインクドットを形成する。多値データは、ドットの形成状況を表すデータであり、ドットの形成有無を表す2値データでもよいし、大中小の各ドットといった異なるサイズのドットに対応可能な3階調以上の多値データでもよい。2値データは、例えば、ドット形成に1、ドット無しに0、を対応させるデータとすることができる。4値データとしては、例えば、大ドット形成に3、中ドット形成に2、小ドット形成に1、ドット無しに0、を対応させるデータとすることができる。得られる色再現画像は、被印刷物M2上のドットの形成状況で表現される。
印刷画像360や色再現画像160は、観察光源L0の種類によって色味が変わってくる。ここで、符号L0は、個々の光源L1〜L3を総称するときに使用する。規格化された観察光源L0には、D50光源、D55光源、D65光源、D75光源、A光源、F2光源、F7光源、F10光源、F11光源、等が含まれる。色味の変化は、色材の種類にも依存する。
例えば、印刷業界では、実際の照明には無い分光分布を示すD50光源が標準光源である。D50光源下で印刷性能を見るため、標準のD50光源で見たときの色精度を保証することは印刷機のプルーフ機として重要なことである。一方、印刷本機による印刷物やプルーフ機による色再現画像を実際に見る環境は、D50光源とは異なる光源であることが想定され、D65光源とA光源の混合環境といった複数の光源が混ざった環境も想定される。従って、D50光源L1下で印刷画像360と色再現画像160との色味が合っていても、別の光源L2,L3下では印刷画像360と色再現画像160との色味が合わないことがある。また、D50光源が実際の照明には無い分光分布を示すため、両画像360,160の色差を小さくすること、すなわち、定量的な高い色精度の実現を追求しても、目視観察における色精度の向上、すなわち、主観的な高い色精度の実現に繋がらないことがある。本技術は、「定量的な高い色精度の実現」と「主観的な高い色精度の実現」を両立するのに有効である。
なお、DDCP機(Direct Digital Color Proofer;ダイレクト・デジタル・カラー・プルーファー)には、印刷本機と同じCMYKのみの色材を用いるものもある。印刷プルーフ機に印刷本機と同じCMYKの色材を用いると、高精度の色再現性を実現することができるものの、より多くの色のインクを用いるインクジェットプリンターの特徴である写真画質といった高画質の色再現画像等、ユーザーの意図を反映した色再現画像を得ることができない。また、このようなDDCP機は、高価である。
また、DDCP機は、印刷本機で形成される印刷画像を忠実に再現することができるものの、CMYKの色材で形成される印刷画像の特徴を把握したうえでユーザーが出力したい画像コンテンツに応じてメタメリックマッチングの目標を切り替えたり画質を確立したりする仕組みになっていない。
本技術は、上述したDDCP機にある課題を解決するものであり、図2,4等に示す特定画像400の色分布を解析してLUT200を生成することによりユーザーが出力したい画像コンテンツに応じた高画質の色再現画像160を得るものである。例えば、写真画像に合わせて肌色領域についてはF10,F2光源下のメタメリックマッチングが非常に良好で残りの領域についてはD50光源のメタメリックマッチングが非常に良好であるといった、インクジェットプルーフ機等のプルーフ機としての良好なメタメリックマッチング機能を得ながらユーザーが出力したい写真画像の見た目を向上させる色再現画像160を一つのLUT200で得ることができる。
なお、第一の色材CL1の各使用量Dc,Dm,Dy,Dkと第二の色材CL2の各使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmとの対応関係を規定したLUT200は、印刷本機依存のCMYK4次元色空間のデータをプルーフ機依存のCMYKlclm色空間のデータに変換する点から色変換LUTと言える。また、LUT200は、CMYとKの使用割合を変換し、Cとlcの使用割合を変換し、Mとlmの使用割合を変換する点から色分版LUTとも言える。
(2)ルックアップテーブルの構造の概要:
図2は、LUT200の構造を模式的に例示している。図3は、各格子点(入力点)G1に対応付けられる指標値とともにLUT200のデータ構造を模式的に例示している。なお、LUT200に示した指標値は、模式的な数値であり、出力特性を限定するものではない。また、指標値は、LUT200のデータに含まれなくてもよい。
本技術は、特定画像400の色(ユニークカラーUCi)を高精度で再現する比較的高密度の特有色参照格子点G2,G3を共存させることにより、特定画像400に特化したLUT200の生成を可能にし、その結果、より印刷本機の色の見えに近いインクジェットプルーフ等のプルーフを実現するものである。
LUT200の入力はCMYKの4次元であるため、図示できない。そこで、ある1次元を1点に固定した3次元状にLUT200を模式的に示すこととし、図2では、K値をある値に固定してCMYの3次元空間にLUT200の格子点(第一格子点)G1を示している。例えば、CMYKそれぞれの使用量についてNg段階(Ngは2以上の整数)の格子点を設ける場合、格子点数はNg4個となる。Ng=17である場合、格子点数はN1=174=83521個となる。Kの使用量がNg段階あるので、図2に示すようなCMY3次元色空間がNg個存在することになる。
なお、格子点は、LUTに規定される入力点を意味する一般的用語であり、入力色空間の座標に対応していれば配置に特別な限定は無い。従って、複数の格子点は、入力色空間内で均等に配置されるのみならず、入力色空間内でCMYKのそれぞれについて異なる位置にあれば不均等に配置されてもよい。
図2に示すように、CMYK色空間内の格子点G1の座標(位置)は、第一の色材CL1の各使用量Dc,Dm,Dy,Dkを示している。格子点インク量(第二の色材CL2の各使用量)dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、各格子点G1に格納される。このようにして、LUT200には、各格子点G1について、CMYKの色材CL1の使用量とCMYKlclmの色材CL2の使用量との対応関係が規定されている。
本LUT200は、第一の色材CL1の色で表されるCMYK色空間(入力色空間)のうち特定画像400に含まれるユニークカラーUCiを含む第一の領域R1について第一の出力特性を示すように対応関係が規定され、CMYK色空間(入力色空間)のうち第二の領域R2について第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように対応関係が規定されている。LUT200における第一及び第二の領域R1,R2は、互いに異なる領域(重複しない領域)である。第一の領域R1は、ユーザーが出力した画像コンテンツに含まれる色の範囲を意味し、主観的な高い色精度を実現する領域である。第一の領域R1はLUT200に複数設けられてもよく、各領域R1は異なる出力特性を示してもよい。図2等に示す第二の領域R2は、CMYK色空間を包括する包括領域R9のうち第一の領域R1を除いた領域であり、印刷本機300で形成される印刷画像360の色を忠実に再現する領域、すなわち、定量的な高い色精度を実現する領域である。特性は、全体的な傾向を意味する。第一及び第二の出力特性は、互いに異なる出力特性である。図3に例示する第一の領域R1の色は、F10光源とF2光源とを均等に混合した観察光源において印刷本機による印刷画像360とプルーフ機による色再現画像160との色差ΔEF10-F2が所定の範囲内(例えば1.0以下)となる使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに変換される。また、図3に例示する第二の領域R2の色は、D50光源において印刷画像360と色再現画像160との色差ΔED50が所定の範囲内(例えば1.0以下)となる使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに変換される。図3の例では、出力特性が所定の観察光源における第一の色材の色彩値と第二の色材の色彩値との色差で表されている。色彩値は、例えば、CIE(国際照明委員会)L***色空間で定義されるL*,a*,b*で表される。第一の色材の色彩値をLD,aD,bD、第二の色材の色彩値をLd,ad,bdで表す場合、色差ΔEは、ΔE={(Ld−LD2+(ad−aD2+(bd−bD21/2により算出してもよいし、CIE DE2000の色差式(ΔE2000)に基づいて算出してもよい。
以上のことから、CMYKの第一の色材CL1の使用量をプルーフ機100で使用される第二の色材CL2の使用量に変換する一つのLUT200に、特定画像400に含まれる色に対する最適な色再現特性と、特定画像400に含まれない色に対する色再現特性との、異なる特性が持たされている。
なお、格子点G1は入力色空間内に離散的に配置されるため、図2に示すように、領域R1の境界部分Rbは格子点G1の位置に一致するとは限らない。図2では、補間演算により領域R1内の色を変換するために用いられる格子点を符号G2,G3で示し、領域R1内の格子点を符号G2で示している。格子点G3は、領域R1外ではあるが出力値dc,dm,dy,dk,dlc,dlmの補間のために必要な隣接格子点である。符号R1gは、第一の領域R1の色の変換に用いる格子点G2,G3の範囲を示している。
図4は、特定画像400を模式的に例示している。特定画像400は、標準化された画像に基づいて予め用意された色分布解析用の画像であり、高い色精度を得たい画像としてユーザーが選択可能な画像である。特定画像400には、ポートレート画像401、グレイ画像402、肌色画像403、等が含まれる。ポートレート画像401には、SCID(Standard Color Image Data)といった標準化された画像が含まれる。SCIDは、印刷等における作業の標準化や符号化特性の評価等を行うことを目的に国際標準化(ISO12640、JIS X 9201)された標準画像データセットのことであり、CMYKの色材量で記述された写真データ等から構成される。グレイ画像402は、例えば、SCIDからグレイ領域を抽出した画像とすることができる。肌色画像403は、例えば、SCIDから肌色領域を抽出した画像とすることができる。
特定画像400の色に基づいて設定される第一の領域R1は、入力色空間内の一部の領域であればよく、肌色領域、グレイ領域、カラーチャート領域、インクセーブ領域、その他特色領域、等を例示することができ、分割されていないひとまとまりの領域のみならず、離散的な領域も含む。肌色領域やグレイ領域は、人の目に敏感な色の領域の代表例である。カラーチャート領域は、カラーチャートを形成するための色の領域であり、離散的な領域でもよい。インクセーブ領域は、第二の色材CL2の使用量を節約する領域である。特色領域は、人の目に敏感な色の領域を総称している。
領域R1,R2について示される出力特性は、所定の観察光源における第一の色材CL1の色彩値と第二の色材CL2の色彩値との色差ΔE、色再現画像160の粒状性を表す粒状性指標値(IN1とする。)、色再現画像160の階調性を表す階調性指標値(IN2とする。)、の少なくとも一つ等で定量化される。これらの指標値ΔE,IN1,IN2等を画質定量指数INと総称することにする。
図11に示す設定画面500の例では、出力特性として、「F10−F2」、「F8−F2」、「C−D50」、「D50」、「粒状性小」、「階調性」、等が示されている。「F10−F2」は、例えば、見た目を重視することを意図し、F10光源とF2光源とを1:1で混合した蛍光灯を意味する観察光源の下で印刷画像360の色彩値と色再現画像160の色彩値との色差ΔEF10-F2が所定の範囲内(例えば1.0など正の閾値以下)となる出力特性とする。むろん、見た目を重視することを意図する観察光源は、D50光源とF10光源とF2光源の1:1:1の混合光源等の観察光源の下で両画像360,160の色彩値との色差が所定の範囲内となる出力特性としてもよい。「F8−F2」は、例えば、自然画像の色の精度を重視することを意図し、F8,F2光源を1:1で混合した蛍光灯を意味する観察光源の下で両画像360,160の色彩値の色差ΔEF8-F2が所定の範囲内(例えば1.0など正の閾値以下)となる出力特性とする。「C−D50」は、例えば、自然画像以外の色の精度を重視することを意図し、C,D50光源を1:1で混合した観察光源の下で両画像360,160の色彩値の色差ΔEC-D50が所定の範囲内(例えば1.0など正の閾値以下)となる出力特性とする。「D50」は、例えば、D50光源の下で両画像360,160の色彩値の色差ΔED50が所定の範囲内(例えば1.0など正の閾値以下)となる出力特性とする。「粒状性小」は例えば、色再現画像160の粒状性指標値IN1が所定の範囲内(例えば正の閾値以下)となる出力特性とする。「階調性」は、例えば、色再現画像160の階調性指標値IN2が所定の範囲内(例えば正の閾値以下)となる出力特性とする。
(3)ルックアップテーブル生成装置、及び、色変換装置の概要:
図5は、LUT(ルックアップテーブル)生成装置U0を含むコンピューター10の構成を例示している。コンピューター10では、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、ハードディスクドライブ(HDD)14、汎用インターフェイス(GIF)15、ビデオインターフェイス(VIF)16、入力インターフェイス(IIF)17、等がバス18に接続されて互いに情報を入出力可能とされている。HDD14には、オペレーティングシステム(OS)及びLUT生成プログラムを含む各種プログラムを実行するためのプログラムデータ14a等が記憶されている。HDD14には、LUT生成処理により生成される少格子点LUT210(図6(a)参照)、部分LUT230(図6(b)参照)、最終LUT(最終的なLUT)200、等も記憶される。CPU11は、プログラムデータ14aを適宜RAM12へ読み出し、プログラムデータ14aに従ってコンピューター10全体を制御する。LUT生成プログラムは、LUT生成装置U0の各部U1〜U5,U10に対応した機能をコンピューター10に実現させ、コンピューター10をLUT生成装置U0として機能させる。
GIF 15には、画像出力装置であるプリンター20、測色機やスキャナーといった画像入力装置30、等が接続される。GIF 15には、USB(Universal Serial Bus)等を採用することができる。プリンター20は、プルーフ機100でもよいし、プルーフ機100でなくてもよい。VIF 16には、画像出力装置であるディスプレイ40等が接続される。IIF 17には、操作入力装置50であるキーボード50a、同じく操作入力装置50であるポインティングデバイス50b、等が接続される。ポインティングデバイス50bには、マウス等を用いることができる。
図5に示すLUT生成装置U0は、条件設定部U1、特有色参照格子点抽出部U2、部分LUT生成部U3、少格子点LUT生成部U4、最終LUT生成部U5、及び、予測部U10を備え、上記LUT200を生成する。条件設定部U1は、色分布を解析する特定画像400の選択入力を受け付けたり、特定画像400に含まれる色を含む領域R1に対応付ける出力特性の入力を受け付けたりする。特有色参照格子点抽出部U2は、特定画像400の色分布(図12に示すユニークカラーリスト420)に基づいてCMYK色空間内の複数の格子点G1のうち特定画像400に含まれるユニークカラーUCiの変換に用いる特有色参照格子点G2,G3を特定する。部分LUT生成部U3は、特有色参照格子点であり色材量予測格子点である格子点G2,G3について、予測部U10により予測された第二の色材CL2の使用量を第一の色材CL1の使用量に対応付けて部分LUT230を生成する。少格子点LUT生成部U4は、最終LUT200よりも格子点の少ない少格子点LUT210における色材量予測格子点G5(図6(a)参照)について、予測部U10により予測された第二の色材CL2の使用量を第一の色材CL1の使用量に対応付けて少格子点LUT210を生成する。少格子点LUT210と部分LUT230は、最終LUT200生成用の元LUT205となる。最終LUT生成部U5は、元LUT205の色材量予測格子点(第二格子点)G2,G3,G5に対応付けられた第二の色材CL2の使用量に基づいて、第一及び第二の色材CL1,CL2の使用量の対応関係を規定した最終LUT200を生成する。LUT200は、HDD14に記憶される。予測部U10は、観察光源L0について第一の色材CL1の使用量(例えばDc,Dm,Dy,Dk)に対応付けられたターゲット色彩値(例えばL***値)への近似性を評価する評価値I(後述)に基づいて、色再現画像160に形成される第二の色材CL2の色彩値(例えばL***値)が観察光源L0毎にターゲット色彩値に近似するように第二の色材CL2の使用量を予測する。
図6(a)は、少格子点LUT生成部U4で生成される少格子点LUT210のデータ構造を模式的に例示している。図6(b)は、部分LUT生成部U3で生成される部分LUT230のデータ構造を模式的に例示している。図7は、少格子点LUT210の色材量予測格子点G5の配置例を模式的に示している。なお、色材量予測格子点G5の位置は、最終LUT200の格子点G1の位置と一致してもよいが、格子点G1の色材量を予測するために補間演算を行うため、最終LUT200の格子点G1の位置と一致していなくてもよい。また、図6(b)に示した色材使用量及び指標値は、模式的な数値であり、領域R1及び出力特性を限定するものではない。むろん、指標値は、部分LUT230のデータに含まれなくてもよい。
図6(a)及び図7に示す少格子点LUT210は、CMYK色空間の全体にわたって色材CL1,CL2の使用量の対応関係を規定しており、最終LUT200の格子点G1の数N1=Ng4よりも少ないN3個の色材量予測格子点(第三格子点)G5を有する。例えば、Ng=17である場合、格子点数はN1=174=83521個にもなる。174個のカラーパッチを用意し測色して174個の格子点G1について印刷画像360と色再現画像160との色味が合うようにcmyklclmの色材量を求めるのは、非常に労力がかかる。そこで、測色するカラーパッチの数N2を最終的な格子点数N1よりも少なくしてN2個の色材量予測格子点(第二格子点)G2,G3,G5についてcmyklclmの色材量を予測し、補間演算により最終的なN1個の格子点G1についてcmyklclmの色材量を求めてもよい。以下、この思想に従って、説明する。
元LUT205を構成する色材量予測格子点G2,G3,G5には、少格子点LUT210の格子点G5と、部分LUT230の格子点G2,G3と、が含まれている。少格子点LUT210の格子点G5は、図7に示すように、包括領域R9にわたって分散した配置とされている。部分LUT230の格子点G2,G3は、第一の領域R1及びその近傍において密に配置されている。これは、ユーザーに選択された特定画像400に含まれるユニークカラーUCiを特に精度良く色変換するためである。
少格子点LUT210は、部分LUT230の格子点G2,G3及び最終LUT200の格子点G1よりも低い密度で配置された色材量予測格子点(第三格子点)G5について、所定の観察光源下で印刷画像360と色再現画像160との色味が合うように対応関係が規定されている。例えば、D50光源下で印刷画像360と色再現画像160との色味を極力忠実に合わせる場合、印刷画像360の色彩値と色再現画像160の色彩値との色差ΔED50が所定の範囲内(例えば1.0など正の閾値以下)となるように対応関係を規定した少格子点LUT210を用意すればよい。
むろん、色味を合わせる観察光源は、D50光源以外の光源でもよいし、複数の光源の組合せでもよい。少格子点LUTの生成方法の詳細は、後述する。
図6(b)に示す部分LUT230は、最終LUT200の格子点数N1よりも少ない数Npの特有色参照格子点G2,G3のそれぞれについて色材CL1,CL2の使用量の対応関係を規定している。格子点G2,G3は、少格子点LUT210の格子点G5よりも高い密度で配置されている。部分LUT230は領域R1外の隣接格子点G3についても色材CL1,CL2の使用量の対応関係を規定しているが、これは補間演算により領域R1内全ての色を変換するためである。従って、格子点G2,G3を有する部分LUT230は、入力色空間に含まれる第一の領域R1について色材CL1,CL2の使用量の対応関係を規定していることになる。
部分LUT230は、CMYK色空間のうち特定画像400に含まれるユニークカラーUCiを含む第一の領域R1について第一の出力特性を示すように対応関係が規定されている。少格子点LUT210は、CMYK色空間のうち第一の領域R1とは異なる第二の領域R2について第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように対応関係が規定されている。LUT200を生成するときには、部分LUT230に基づいてCMYK色空間内の第一の領域R1について第一の出力特性を示すように対応関係を規定し、少格子点LUT210に基づいてCMYK色空間内の第二の領域R2について第二の出力特性を示すように対応関係を規定する。
図5に示すコンピューター10は、HDD14に記憶されたLUT200をRAM12に読み出し、この読み出したLUT200を参照して第一の色材CL1の使用量Dc,Dm,Dy,Dkから第二の色材CL2の使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmへの色変換を実行可能である。この場合、コンピューター10に色変換装置が含まれ、HDD14及びRAM12が記憶部U21を構成し、プログラムデータ14aに含まれる色変換プログラムを実行するコンピューター10が色変換部U22を構成する。むろん、色変換装置は、LUT生成装置U0とは別のコンピューターに含まれてもよい。
(4)ルックアップテーブルの生成例:
次に、本技術のLUT生成方法に従ったLUT200の生成例を説明する。
(4−1)ルックアップテーブル生成処理の全体フロー:
図8は、コンピューター10(LUT生成装置U0)で行われるLUT生成処理のフローチャートを例示している。図9は、ステップS14で行われる特有色参照格子点抽出処理のフローチャートを例示している。図10は、ステップS20で行われる最終LUT生成処理のフローチャートを例示している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
LUT生成処理が開始されると、コンピューター10は、LUT生成の条件設定を受け付ける(S10)。
図11は、コンピューター10がディスプレイ40に表示させる設定画面500を例示している。設定画面500には、色分布を解析する対象の特定画像400のファイル表示欄511,512,…、画像選択ボタン521,522,…、出力特性の選択欄531,532,…、印刷本機300の種類選択欄541、作成ボタン550、等が設けられている。色分布解析対象の特定画像400を一つに限定する場合には、ファイル表示欄512,…と画像選択ボタン531,…と出力特性選択端532,…を省略してもよい。最終的に生成されるLUT200は、被印刷物M1の種類に合わせられるので、被印刷物M1の種類選択欄542等を設定画面500に設けてもよい。
印刷本機の選択欄541には、オフセット印刷機、グラビア印刷機、といった複数の項目の中から印刷本機の種類を選択入力可能である。被印刷物の選択欄542には、コート紙、ケント紙、といった複数の項目の中から被印刷物の種類を選択入力可能である。
ファイル表示欄511,512,…には、予め用意された色分布解析用の特定画像400のファイル名が表示される。画像選択ボタン521,522,…は、複数の特定画像ファイルの中から色分布解析対象の特定画像400のファイルを選択するための操作ボタンである。画像選択ボタン521,522,…が選択操作されると、複数の特定画像ファイルが表示され、これらの特定画像ファイルの中から色分布解析対象の特定画像のファイルを選択する操作が行われると、選択された特定画像400のファイル名がファイル表示欄511,512,…に表示される。特定画像ファイルの選択入力を受け付けて特定画像400を読み出す処理は、特定画像400を選択するS11の処理である。
出力特性選択欄531,532,…には、「F10−F2」、「F8−F2」、「C−D50」、「D50」、「粒状性小」、「階調性」、といった項目の中から第一の領域R1に対応付ける出力特性を選択入力可能である。図11の例では、「ABC.tif」というファイルに格納された特定画像400に「F10−F2」という第一の出力特性が対応付けられていることが示されている。出力特性選択欄への操作入力を受け付けて選択された項目を記憶する処理は、第一の領域R1に対応付ける出力特性を選択する入力を受け付けるS12の処理である。このS12の処理が行われることにより、特定画像400に含まれる色の再現性について主観的な高い色精度が最終LUT200に付与される。
作成ボタン550が操作されると、コンピューター10は、特定画像400の色分布に基づいてCMYK色空間内の複数の格子点G1のうち特定画像400に含まれるユニークカラーUCiの変換に用いる特有色参照格子点G2,G3を特定する特有色参照格子点抽出処理を行う(S14)。S16では、図15に示す印刷色プロファイルPR0(後述)に基づいて、第一の領域R1について第一の出力特性を示すように特有色参照格子点G2,G3について対応関係を規定した部分LUT230を生成する。S18では、印刷色プロファイルPR0に基づいて、第二の領域R2について第二の出力特性を示すように対応関係を規定した少格子点LUT210を生成する。その後、コンピューター10は、部分LUT230と少格子点LUT210に基づいて、N1個の格子点G1について対応関係を規定したLUT200を生成してHDD14に保存する最終LUT生成処理を行い(S20)、LUT生成処理を終了させる。
(4−2)特有色参照格子点抽出処理:
図12は、図9に示す特有色参照格子点抽出処理に従って特有色参照格子点G2,G3を抽出する例を模式的に示している。図9に示す特有色参照格子点抽出処理が開始されると、コンピューター10は、必要に応じて、図8のS11で選択された特定画像400を縮小して縮小画像410を生成する(S102)。この縮小処理は、例えば、特定画像400の複数の画素PX1の画素値(C,M,Y,K)を平均する処理とすることができる。図12では、2×2個の画素PX1の画素値を例えば相加平均して1個の画素PX2の画素値(ΣC/4,ΣM/4,ΣY/4,ΣK/4)にする様子が示されている。むろん、平均は加重平均等でもよく、縮小率も縦横各50%に限定されず、縦横の縮小率が異なってもよい。S102の処理は、任意の処理であり、省略可能であるため、例えば、後の処理に時間がかかりすぎなければを省略してもよい。
S104では、特定画像400から特定画像400に含まれるユニークカラーUCiを抽出する。例えば、図12の右上に示すように、縮小画像410の各画素PX2に画素値(Ci,Mi,Yi,Ki)のユニークカラーUCi(iは1から7の整数)が含まれ、ユニークカラーUC1,UC7の画素が1個だけであり、ユニークカラーUC2〜UC6の画素が複数あるものとする。なお、二つのユニークカラーについて画素値のC,M,Y,Kのいずれかが異なる場合、これらのユニークカラーは異なる。図12の例の場合、重複したユニークカラーUC2〜UC6をそれぞれ一つと数えてユニークカラー数Nc=7のユニークカラーUC1〜UC7が得られる。これらのユニークカラーUC1〜UC7の一覧は、ユニークカラーリスト(特定画像の色分布)420であり、RAM12に格納される。S106では、抽出されたユニークカラーUCiの数Ncを取得する。
S108では、CMYK色空間内における最終LUT200の格子点G1の座標値を取得する。S110では、CMYK色空間内の複数の格子点G1のうち、S104で抽出したユニークカラーUCiの変換に用いる特有色参照格子点G2,G3を特定する。CMYK色空間内でユニークカラーUCiの位置を内挿する格子点G1は、CMYKそれぞれ2箇所の計24=16点となる。図12の中段には、CMYK色空間の一部を模式的に2次元平面で表し、格子点UG1〜UG9を格子点G1として示し、ユニークカラーUCiの位置を示している。例えば、図12に示されるユニークカラーUC1を内挿するのは、格子点UG1,UG2,UG4,UG5を含む16点である。ユニークカラーUC7を内挿するのは、格子点UG5,UG6,UG8,UG9を含む16点である。従って、格子点UG5は、両ユニークカラーUC1,UC7を内挿する格子点である。格子点UG2,UG3,UG5,UG6を含む16点は、互いに異なるユニークカラーUC2,UC3を内挿する。S112では、ユニークカラーUCiについて特定した格子点G1の座標値(C,M,Y,K)をRAM12にスタックする。図12に示す特有色参照格子点スタック430は、座標値がスタックされた格子点G1の一部を格子点UG1〜UG9の符号で示している。S114では、ユニークカラーUCiの全てについてS110〜S112の処理を行ったか否かを判断する。未処理のユニークカラーUCiが残っていれば、コンピューター10は、処理をS110に戻す。
以上のようにして、特定画像400に含まれるユニークカラーUCiのそれぞれについてCMYK色空間内の複数の格子点G1のうちユニークカラーUCiの変換に用いる一以上の特有色参照格子点G2,G3が抽出される。
ユニークカラーUCiの全てについてS110〜S112の処理が行われた場合、コンピューター10は、特有色参照格子点スタック430にスタックされた格子点座標値の中で重複した座標値を一つにまとめる(S116)。図12の下には、重複が解消された特有色参照格子点G2,G3の座標値を格納した特有色参照格子点リスト440が示されている。このようにして、S110〜S112で抽出した特有色参照格子点G2,G3の重複を解消する。S102〜S116の処理で特定画像400の色分布(420)に基づいてNp個の特有色参照格子点G2,G3を特定すると、コンピューター10は、これらNp個の特有色参照格子点G2,G3をHDD14に記録して(S118)、特有色参照格子点抽出処理を終了させる。その後行われる図8のS16では、第一の領域R1について第一の出力特性を示すようにNp個の特有色参照格子点G2,G3について対応関係を規定して部分LUT230を生成する処理を行う。すなわち、特有色参照格子点G2,G3は、予測部U10でcmyklclmの色材量を予測する色材量予測格子点である。部分LUT生成処理の詳細は、後述する。
(4−3)少格子点ルックアップテーブルの構造:
図8のS18で行われる少格子点LUT生成処理では、図6(a)及び図7で示したように、最終LUT200よりも格子点の少ない少格子点LUT210におけるN3個の格子点(第三格子点)G5について、第一及び第二の色材CL1,CL2の使用量を対応付けて少格子点LUT210を生成する処理を行う。格子点G5は、部分LUT230の特有色参照格子点G2,G3とともに、予測部U10でcmyklclmの色材量を予測する色材量予測格子点である。なお、特有色参照格子点G2,G3の範囲R1gに格子点G5がある場合、該格子点G5については色材量の予測を行わなくてもよく、前記範囲R1gに特有色参照格子点G2,G3の予測色材量を用いて最終LUT200を生成することにしている。格子点G5の数N3は、前記範囲R1gにある格子点を除いた数とする。
上述したように、CMYK色空間は4次元であるため、CMYKそれぞれの使用量についてNg段階の格子点を設ける場合、最終LUT200の格子点数はN1=Ng4個となり、Ng=17であればN1=83521個にもなる。そこで、少格子点LUT210の格子点G5は、最終LUT200の格子点数N1よりも少ないN3個にしている。
少格子点LUT210の格子点G5の数N3は、CMYKそれぞれの色材使用量についてNs段階(Nsは2≦Ns<Ngを満たす整数)としてNs4個にする考えもある。この思想も本技術に含まれるが、CMYKのいずれか1色(選択色とする。)の色材使用量を固定して残りの3色で形成される3次元色空間のガマットは選択色の色材使用量に応じて変わるので、N3<Ns4個にしてもよい。ガマットとは、色再現領域の大きさ若しくは体積のことであり、例えば、L***色空間内の大きさ若しくは体積で表される。例えば、Kの色材CL3は、明度及び彩度を下げる効果をもたらす色材であり、(C,M,Y,K)=(50%,30%,10%,0%)のCMYの色に対して、(C,M,Y,K)=(50%,30%,10%,100%)のCMYKの色は、暗く、彩度が低く再現されることになる。このようなことから、Kの色材使用量をある一つの有限値(例えばK=10%)に固定したCMYK色空間のガマットは、Kを全く使わないCMY色空間のガマットよりも小さくなる。Kの色材を一定量加えることで、加えないときよりもガマットが小さくなるとも言える。
以上のことから、Kの色材使用量が多くて小さいガマットしか持たないCMY色空間に対しては、多くの格子点を持たせる必要が無い。逆に、Kを使用しないCMY色空間等、Kの色材使用量が少なくてガマットが大きいCMY色空間に対しては、離散的な格子点で色空間内の色を正確に記述するために多くの格子点を持たせる必要がある。そこで、図13の例のように、最終LUT200の格子点G1に対応するKの色材CL3の使用量のそれぞれ、すなわち、格子点G1のK軸の各位置について、Kの色材CL3の使用量に応じた数の格子点G5をCMYの色材CL4で表されるCMY色空間内に設けることにしている。具体的には、Kの色材使用量が少ないときにはガマットが大きいのでCMY色空間内の格子点の数を多くし、Kの色材使用量が多いときにはガマットが小さいのでCMY色空間内の格子点の数を少なくすることにしている。
図13は、Kの色材CL3の使用量毎の色材量予測格子点(第三格子点)G5の配置例を模式的に示している。最終LUT200の格子点G1のKの色材使用量がNg段階あるとき、CMY3次元色空間はNg個となる。図13の例では、Kの色材使用量が0%である場合、CMY色空間のガマットは、比較的広い範囲である。Kの色材使用量が25%である場合、CMY色空間のガマットは、K=0%の場合よりも狭い範囲である。そこで、K=0%(第一の使用量の例)に対応する第三格子点G5の数はK=25%(第二の使用量の例)に対応する第三格子点G5の数よりも多くしている。また、Kの色材使用量が50%である場合、CMY色空間のガマットは、K=25%の場合よりも狭い範囲である。従って、K=0%及びK=25%(第一の使用量の例)に対応する第三格子点G5の数はK=50%(第二の使用量の例)に対応する第三格子点G5の数よりも多くしている。さらに、Kの色材使用量が75%、100%の順に、CMY色空間のガマットがさらに狭くなる。従って、Kの色材使用量が多くなるほどCMY色空間の第三格子点G5の数を減らしている。なお、補間演算のためにCMY色空間に最低限23=8個の格子点G5を設けることにしている。
なお、Kにおける第一及び第二の使用量は、相対的なものであるため、例えば、第一の使用量としてK=75%とし第二の使用量としてK=100%としてもよい。むろん、各CKY色空間に設けられる格子点G5は、均等に配置されてもよいが、不均等に配置されてもよい。
最終的な格子点G1のKの各位置についてCMYの格子点G5の各位置を決めると、図7の例のように少格子点LUT210となる色材量予測格子点G5の配置が決まったことになる。色材量予測格子点G5が特有色参照格子点(部分LUT230の色材量予測格子点)G2,G3の範囲R1gにある場合、該範囲R1gの色材量予測格子点G5については色材量の予測を行わなくてもよい。図8のS18では、第二の領域R2について第二の出力特性を示すようにN3個の色材量予測格子点G5について対応関係を規定して少格子点LUT210を生成する処理を行う。少格子点LUT生成処理の詳細は、後述する。
(4−4)印刷色プロファイルの生成例:
図14,15は、第一の色材CL1の使用量とターゲット色彩値との対応関係を規定した印刷色プロファイルPR0を示している。図14では、部分LUT230生成用の印刷色プロファイルと少格子点LUT210生成用の印刷色プロファイルをまとめて示している。すなわち、図14に示す印刷色プロファイルPR0は、部分LUT230となる特有色参照格子点(色材量予測格子点)G2,G3と、少格子点LUT210となる色材量予測格子点G5と、を有している。色材量予測格子点G2,G3,G5は、最終LUT200に設けられる第一格子点G1の数N1よりも少ない数N2の第二格子点G6であり、最終LUT200生成用の元LUT205の格子点G6である。
印刷色プロファイルPR0は、第一の色材CL1の使用量Dc,Dm,Dy,Dkと、印刷物350に形成される前記使用量Dc,Dm,Dy,Dkの第一の色材CL1の観察光源L0下におけるターゲット色彩値LD,aD,bDと、の対応関係が規定されている。複数の観察光源L0のそれぞれについてターゲット色彩値に近似するように第二の色材CL2の使用量を予測する場合、各観察光源L0について印刷色プロファイルPR1,PR2,PR3,…を設けるとよい。
ここで、印刷色プロファイルPR0に規定されるターゲット色彩値、及び、色再現画像160に形成される第二の色材CL2の色彩値は、デバイス非依存の色空間(機器独立色空間)、且つ、均等色空間の色彩値が好ましいものの、デバイス依存の色空間(機器従属色空間)の色彩値にすることも可能であるし、均等色空間でない色空間の色彩値にすることも可能である。デバイス非依存の均等色空間は、CIE L***色空間の他、CIE L***色空間等でもよい。L***色空間のL*は明度を表し、a*及びb*は色相及び彩度を示す色度を表す。
図16は、少格子点LUT210及び部分LUT230を生成するための印刷色プロファイルPR0を生成する方法を模式的に例示している。
印刷本機300は、図16に例示するように、印刷色プロファイルPR0を作成するためのチャート印刷物351を形成する。印刷物351は、被印刷物M1にカラーチャート361を形成したものである。チャート361には、複数のパッチ362が2次元に並べられている。パッチ362は、色票とも呼ばれ、測色機800による測色の単位となる領域を意味する。各パッチ362は、印刷色プロファイルPR0の色材量予測格子点G2,G3,G5に対応している。従って、チャート361には、N2個のパッチ362が配置される。観察光源L0毎に印刷色プロファイルPR0を生成する場合、同じ印刷物351を用い観察光源を切り替えてチャート361を測色すればよい。例えば、D50,D55,D65,A,F11光源と多くの観察光源下でCMYK色空間の印刷画像360とCMYKlclm色空間の色再現画像160との色味を極力合わせる少格子点LUT210を生成する場合、D50,D55,D65,A,F11光源(擬似的な光源を含む。以下、同様。)を順次切り替えてチャート361を測色し、D50,D55,D65,A,F11光源のそれぞれについて第一の色材の使用量Dc,Dm,Dy,Dkとターゲット色彩値LD,aD,bDとを対応付けた色プロファイルPR0を生成すればよい。
例えば、観察光源L0にD50光源L1を用い各パッチ362を測色して複数組の色彩値LD-D50,aD-D50,bD-D50をそれぞれ第一の色材の使用量Dc,Dm,Dy,Dkに対応付けると、図15に示す印刷色プロファイルPR1を生成することができる。この処理は、印刷色プロファイルPR1のN4個の格子点全てについて行ってもよいが、格子点G1の一部について複数組の色彩値LD-D50,aD-D50,bD-D50をそれぞれ第一の色材の使用量Dc,Dm,Dy,Dkに対応付けた後、残りの格子点については補間演算により第一の色材の使用量Dc,Dm,Dy,Dkを補間してもよい。印刷色プロファイルPR1は、例えば、出力特性「D50」の部分LUT230又は少格子点LUT210を生成するために使用される。
また、観察光源L0に例えばF10光源を用い各パッチ362を測色して複数組の色彩値LD-F10,aD-F10,bD-F10をそれぞれ第一の色材の使用量Dc,Dm,Dy,Dkに対応付けると、図15に示す印刷色プロファイルPR2を生成することができる。観察光源L0に例えばF2光源を用い各パッチ362を測色して複数組の色彩値LD-F2,aD-F2,bD-F2をそれぞれ第一の色材の使用量Dc,Dm,Dy,Dkに対応付けると、図15に示す印刷色プロファイルPR3を生成することができる。これらの印刷色プロファイルPR2,PR3の生成にも補間演算を用いてもよい。印刷色プロファイルPR2,PR3は、例えば、出力特性「F10−F2」の部分LUT230又は少格子点LUT210を生成するために使用される。
(4−5)第二の色材の使用量を予測する例:
LUT生成装置U0は、決定した光源数分のターゲット色彩値を同時に再現するインク量をインク量の最適量探索手法(最適化アルゴリズム)で算出することができる。予測部U10は、複数の観察光源L0について印刷色プロファイルPR1に規定されたターゲット色彩値LD,aD,bDへの近似性を評価する評価値Iに基づいて、色再現画像160に形成されるCMYKlclmの色材CL2の色彩値が観察光源毎にターゲット色彩値LD,aD,bDに近似するようにCMYKlclmの色材CL2の使用量を予測する。
図17は、ある分光反射率を有するターゲット(パッチ)から複数の観察光源下でそれぞれ色彩値を得る様子を模式的に説明している。ターゲットの分光反射率Rt(λ)は、通常、全可視波長領域において均一でない分布を有している。各光源は、それぞれ異なる分光エネルギーP(λ)の分布を有している。ターゲットに光源を照射したときの各波長の反射光の分光エネルギーは、ターゲット分光反射率Rt(λ)と分光エネルギーP(λ)を各波長について掛け合わせた値となる。さらに、反射光の分光エネルギーのスペクトルに対して人間の分光感度特性に応じた等色関数x(λ),y(λ),z(λ)をそれぞれ畳み込み積分し、係数kによって正規化することにより、3刺激値X,Y,Zを得ることができる。
Figure 2015115738

上記3刺激値X,Y,Zを所定の変換式によって変換することにより、色彩値L***を得ることができる。
図17に示すように、光源毎に分光エネルギーP(λ)のスペクトルが異なるので、最終的に得られるターゲット色彩値も光源に応じて異なることとなる。
図18は、ターゲット色彩値LD,aD,bDと同様の色を再現可能なインク量セットφを算出する最適インク量算出モジュール群の処理の流れを模式的に例示している。第二の色材CL2がCMYKlclmの色材である場合、インク量セットφは、吐出するCMYKlclmインクの使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmの組合せを意味する。
最適インク量算出モジュール群(予測部U10)は、インク量セット算出モジュール(ICM)P3a1、分光反射率予測モジュール(RPM)P3a2、色算出モジュール(CCM)P3a3、評価値算出モジュール(ECM)P3a4、を備える。
インク量セット算出モジュール(ICM)P3a1は、入力がCMYKの色材使用量である4次元の印刷色プロファイルPR0から一つの格子点G1を選択し、該格子点G1に対応付けられているターゲット色彩値LD,aD,bDを取得する。この点は、入力がRGBの画像出力である特開2009-200820号公報記載の印刷システムと大きく異なる。
分光反射率予測モジュール(RPM)P3a2は、ICM P3a1からのインク量セットφ、具体的にはインク使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmの入力に応じて、当該インク量セットφに基づいてプルーフ機100が印刷用紙といった被印刷物M2にインクを吐出させたときの分光反射率R(λ)を予測分光反射率Rs(λ)として予測する。インク量セットφを指定すれば被印刷物M2上における各インクドットの形成状態が予測できるため、RPM P3a2は一意に予測分光反射率Rs(λ)を算出することができる。
ここで、図20〜23を参照して、RPM P3a2に用いられる予測モデル(分光プリンティングモデル)を説明する。図20には、プルーフ機100の記録ヘッド21を模式的に例示している。記録ヘッド21は、CMYKlclmのインク毎に複数のノズル21aを備えている。プルーフ機100は、CMYKlclmのインク毎の使用量をインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)にする制御を行う。各ノズル21aから吐出されたインク滴は被印刷物M2上において多数のドットの集まりとなり、これによってインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)に応じたインク被覆率の色再現画像160が被印刷物M2上に形成される。
RPM P3a2に用いられる予測モデル(分光プリンティングモデル)は、任意のインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)で印刷を行った場合の分光反射率R(λ)を予測分光反射率Rs(λ)として予測するものである。分光プリンティングモデルにおいては、インク量空間における複数の代表点についてカラーパッチを印刷し、その分光反射率R(λ)を分光反射率計によって測定することにより得られた分光反射率データベースRDBを用意する。この分光反射率データベースRDBを使用したセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)による予測を行うことにより、任意のインク量セットφで印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)を正確に予測する。
図21は、分光反射率データベースRDBの構造を模式的に例示している。本実施形態のインク量空間は6次元であるが、図の簡略化のためCM面のみ図示している。分光反射率データベースRDBは、インク量空間における複数の格子点のインク量セット(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)について実際に印刷及び測定をして得られた分光反射率R(λ)が記述されたLUTとなっている。このLUTは、各インク量軸を複数に分割する格子点を有している。なお、一部の格子点のみ実際に印刷及び測定をし、他の格子点については実際に印刷及び測定を行った格子点の分光反射率R(λ)に基づいて分光反射率R(λ)を予測してもよい。これにより、実際に印刷及び測定を行うカラーパッチの個数を低減させることができる。
分光反射率データベースRDBは、被印刷物の種類毎に用意される。分光反射率R(λ)は被印刷物上に形成されたインク膜(ドット)による分光透過率と被印刷物の反射率によって決まるものであり、被印刷物の表面物性(ドット形状が依存)や反射率の影響を大きく受けるからである。
RPM P3a2は、ICM P3a1の要請に応じて分光反射率データベースRDBを使用したセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルによる予測を実行する。この予測にあたっては、ICM P3a1から予測条件を取得し、この予測条件を設定する。例えば、被印刷物やインク量セットφを印刷条件として設定する。光沢紙を印刷用紙として予測を行う場合には、光沢紙にカラーパッチを印刷することにより作成した分光反射率データベースRDBが設定される。
分光反射率データベースRDBの設定ができると、ICM P3a1から入力されたインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)を分光プリンティングモデルに適用する。セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルは、よく知られた分光ノイゲバウアモデルとユール・ニールセンモデルとに基づいている。簡略化のためCMYの3種類のインクを用いた場合のモデルについて説明するが、同様のモデルを本実施形態のCMYKlclmのインクセットを用いたモデルに拡張することができる。セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルについては、Color Res Appl 25, 4-19, 2000及びR Balasubramanian, Optimization of the spectral Neugebauer model for printer characterization, J. Electronic Imaging 8(2), 156-166 (1999)を参照。
図22は、分光ノイゲバウアモデルを模式的に例示している。分光ノイゲバウアモデルでは、任意のインク量セット(dc,dm,dy)で印刷したときの印刷物の予測分光反射率Rs(λ)が以下の式で与えられる。
Figure 2015115738

ここで、aiはi番目の領域の面積率であり、Ri(λ)はi番目の領域の分光反射率である。添え字iは、インクの無い領域(w)と、シアンインクのみの領域(c)と、マゼンタインクのみの領域(m)と、イエローインクのみの領域(y)と、マゼンタインクとイエローインクが吐出される領域(r)と、イエローインクとシアンインクが吐出される領域(g)と、シアンインクとマゼンタインクが吐出される領域(b)と、CMYの3つのインクが吐出される領域(k)をそれぞれ意味している。また、fc,fm,fyは、CMY各インクを1種類のみ吐出したときにそのインクで覆われる面積の割合(「インク被覆率(Ink area coverage)」と呼ぶ。)である。
インク被覆率fc,fm,fyは、図22(B)に示すマーレイ・デービスモデルで与えられる。マーレイ・デービスモデルでは、例えばシアンインクのインク被覆率fcは、シアンのインク量dcの非線形関数であり、例えば1次元ルックアップテーブルによってインク量dcをインク被覆率fcに換算することができる。インク被覆率fc,fm,fyがインク量dc,dm,dyの非線形関数となる理由は、単位面積に少量のインクが吐出された場合にはインクが十分に広がるが、多量のインクが吐出された場合にはインクが重なり合うためにインクで覆われる面積があまり増加しないためである。他の種類のMYインクについても同様である。
分光反射率に関するユール・ニールセンモデルを適用すると、前記(2)式は以下の(3a)式又は(3b)式に書き換えられる。
Figure 2015115738

ここで、nは1以上の所定の係数であり、例えばn=10に設定することができる。(3a)式及び(3b)式は、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を表す式である。
本実施形態で採用するセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)は、上述したユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルのインク量空間を複数のセルに分割したものである。
図23(A)は、セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルにおけるセル分割の例を示している。ここでは、説明の簡略化のため、CMインクのインク量dc,dmの2つの軸を含む2次元インク量空間でのセル分割を描いている。インク被覆率fc,fmは、上述したマーレイ・デービスモデルにてインク量dc,dmと一意の関係にあるため、インク被覆率fc,fmを示す軸と考えることもできる。白丸は、セル分割のグリッド点(「格子点」と呼ぶ。)であり、2次元のインク量(被覆率)空間が9つのセルC1〜C9に分割されている。各格子点に対応するインク量セット(dc,dm)は、分光反射率データベースRDBに規定された格子点に対応するインク量セットとされている。すなわち、上述した分光反射率データベースRDBを参照することにより、各格子点の分光反射率R(λ)を得ることができる。従って、各格子点の分光反射率R(λ)00,R(λ)10,R(λ)20・・・R(λ)33は、分光反射率データベースRDBから取得することができる。
本実施形態では、セル分割がCMYKlclmの6次元インク量空間で行われ、各格子点の座標も6次元のインク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)によって表される。各格子点のインク量セットφに対応する格子点の分光反射率R(λ)は、分光反射率データベースRDB(例えばコート紙のもの)から取得されることとなる。
図23(B)は、セル分割モデルにて使用するインク被覆率fcとインク量dcとの関係を示している。ここでは、1種類のインクのインク量の範囲0〜dcmaxも3つの区間に分割され、区間毎に0から1まで単調に増加する非線形の曲線によってセル分割モデルにて使用する仮想的なインク被覆率fcが求められる。他のインクについても同様にインク被覆率fm,fyが求められる。
図23(C)は、図23(A)の中央のセルC5内にある任意のインク量セット(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)の算出方法を示している。インク量セット(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)は、以下の式で与えられる。
Figure 2015115738
ここで、(4)式におけるインク被覆率fc,fmは図23(B)のグラフで与えられる値である。また、セルC5を囲む4つの格子点に対応する分光反射率R(λ)11,(λ)12,(λ)21,(λ)22は分光反射率データベースRDBを参照することにより取得することができる。これにより、(4)式の右辺を構成するすべての値を確定することができ、その計算結果として任意のインク量セットφ(dc,dm)にて印刷を行った場合の予測分光反射率Rs(λ)を算出することができる。波長λを可視波長域にて順次シフトさせていくことにより、可視光領域における予測分光反射率Rs(λ)を得ることができる。インク量空間を複数のセルに分割すれば、分割しない場合に比べて予測分光反射率Rs(λ)をより精度良く算出することができる。
以上のようにして、RPM P3a2は、ICM P3a1の要請に応じて予測分光反射率Rs(λ)を予測する。
予測分光反射率Rs(λ)が得られると、色算出モジュール(CCM)P3a3は当該予測分光反射率Rs(λ)の物体に複数の観察光源L0を照射したときの予測色彩値を算出する。この予測色彩値には、例えば、CIE L***色空間のL***値が用いられる。予測色彩値を算出する流れは、図17及び上記(1)式に示したものと同様である。
Figure 2015115738

(5)式に示すように、予測分光反射率Rs(λ)に各光源の分光エネルギーのスペクトルを乗算し、等色関数による畳み込み積分をし、さらに3刺激値をL***値に変換することにより、予測色彩値Ld,ad,bdが求まる。予測色彩値は観察光源L0毎に算出される。
評価値算出モジュール(ECM)P3a4は、各観察光源についてターゲット色彩値LD,aD,bDと予測色彩値Ld,ad,bdとの色差ΔEを算出する。色差は、ΔE={(Ld−LD2+(ad−aD2+(bd−bD21/2により算出してもよいし、CIE DE2000の色差式(ΔE2000)に基づいて算出してもよい。観察光源L0としてD50,D65,A光源が選択された場合、各光源の色差をΔED50,ΔED65,ΔEAと表記することにする。ターゲット色彩値LD,aD,bDへの近似性を評価する評価値I(φ)は、インク使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに依存する評価関数であり、例えば、以下の式によって算出することができる。
Figure 2015115738

ここで、iは、観察光源を表している。上述した例では、i=1はD50光源を表し、i=2はD65光源を表し、i=3はA光源を表す。Nは、選択された観察光源の数を表している。ΔEiは、観察光源iの下でターゲット色彩値LD,aD,bDと予測色彩値Ld,ad,bdとの色差を表している。wiは、各観察光源下での色差ΔEiに対する重みを表している。本実施形態では重みwiが均等であるものとして説明するが、均等でなくてもよい。
評価値I(φ)は、各色差ΔEiが小さくなると小さくなり、ターゲット色彩値と予測色彩値とが各観察光源において総合的に近いほど小さくなる性質を有している。ICMP3a1がインク量セットφをRPM P3a2とCCM P3a3とECM P3a4に出力することにより、最終的に評価値I(φ)がICM P3a1に返される。ICM P3a1は、インク量セットφに対応する評価値I(φ)を算出することを繰り返すことにより、目的関数としての評価値I(φ)が極小化するようなインク量セットφの最適解を算出する。この最適解を算出する手法としては、例えば勾配法といった非線形最適化手法を用いることができる。
図19は、CIE L***色空間において、各観察光源下のターゲット色彩値LD,aD,bDと、インク量セットφが最適化されていく際の各観察光源下の予測色彩値Ld,ad,bdの推移を示している。インク量セットφ(dc,dm,dy,dk,dlc,dlm)は、各色差ΔEiが次第に小さくなるように最適化されていく。このようにして、観察光源毎にターゲット色彩値LD,aD,bDに近似する色彩値の色を色再現画像160に再現させることが可能なインク量セットφが算出される。
最適化処理の終了条件は、例えば、色差ΔEiが閾値TEi以下となったときとすることができる。閾値TEiは、各観察光源iに設けられ、同じ値のみならず、互いに異なる値でもよい。全ての観察光源iについてΔEi≦TEiとなると、最適化処理が終了する。このようにして、予測部U10は、第二の色材CL2の使用量を予測する。部分LUT生成部U3は、CMYK色空間のうち特定画像400に含まれるユニークカラーUCiを含む第一の領域R1において第一の出力特性を示すような第二の色材CL2の予測使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを第一の色材CL1の使用量Dc,Dm,Dy,Dkに対応付けて部分LUT230を生成する。少格子点LUT生成部U4は、CMYK色空間のうち第一の領域R1とは異なる第二の領域R2において第二の出力特性を示すような第二の色材CL2の予測使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを第一の色材CL1の使用量Dc,Dm,Dy,Dkに対応付けて少格子点LUT210を生成する。
以下の具体例を説明するとき、第一の領域R1がF10,F2光源下で両画像360,160の色味が合う「F10−F2」の第一の出力特性を有し、第二の領域R2がD50光源下で両画像360,160の色味が合う「D50」の第二の出力特性を有するものとする。この場合、F10,F2光源が第一の観察光源となり、D50光源が第二の観察光源となる。F10,F2光源下の色差ΔE1,ΔE2に対する閾値TE1,TE2は、混合比率1:1を示すTE1=TE2とする。第二の出力特性は、D50光源のメタメリックマッチングを優先しながら多数の観察光源(例えばD50,D55,D65,A,F11光源)の下で両画像360,画像160の色味が合う出力特性でもよい。この場合、D50光源下の色差ΔED50については他の光源下の色差よりも小さくなるようにすればよい。
(4−6)最終ルックアップテーブル生成処理:
図10に示す最終LUT生成処理では、色材量予測格子点G2,G3,G5である元LUT205のN2個の第二格子点G6(図2,7,14参照)についての対応関係に基づいてN1個(N1>N2)の第一格子点G1について対応関係を規定して最終LUT200を生成する。なお、第一の領域R1については第一の出力特性が示されるように、特有色参照格子点G2,G3の範囲R1gの格子点G5は元LUT205に含まれていないものとする。
図10に示す最終LUT生成処理が開始されると、コンピューター10は、まず、最終LUT200の色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmの格納領域をRAM12に確保し、最終LUT200の格子点G1の座標値(Ci,Mi,Yi,Ki)を取得する(S202)。S204では、Kの色材CL3の使用量のそれぞれについて、CMYの色材CL4で表されるCMY3次元色空間をドローネー三角分割法(Delaunay Triangulation)により元LUT205の格子点G6を頂点とする三角形に分割する。Kの使用量がNg段階あると、図2,7に示すようなCMY3次元色空間のNg個についてCMY3次元色空間において四面体補間を行うための三角形分割を行うことになる。基本的には、分割後の三角形の最小角が最も大きくなるように三角形分割を行う。S206では、最終LUT200の格子点G1の数N1を取得する。ここで、最終LUT200の各格子点G1を識別する変数をiとする。iは、1からN1までの整数となる。
図24は、S208〜S210の処理で元LUT205の格子点G6から最終LUT200の格子点G1を補間する例を模式的に示している。各格子点G6には、第二の色材CL2の使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmが格納されている。S208では、最終LUT200の格子点G1iを内挿する元LUT205の四面体TEを特定する。図24中、元LUT205中の8個の格子点G6hはCMY色空間において格子点G1iを囲む最小の六面体の頂点を示し、元LUT205中の4個の格子点G6tはCMY色空間を三角形分割したときに8個の格子点G6hの中で格子点G1iを囲む最小の四面体TEの頂点を示している。この四面体TEが格子点G1iを内挿する四面体である。S210では、4個の格子点G6tにおける第一の色材CL1の使用量Dc,Dm,Dy,Dkと第二の色材CL2の使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmとの対応関係を用いて公知の四面体補間(補間演算)を行い、格子点G1iについて第二の色材CL2の使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを算出する。このようにして、Kの色材使用量のそれぞれについて、CMY色空間において第一格子点G1を囲む複数の第二格子点G6についてのKとCMYの色材使用量の対応関係を用いた補間演算を行うことにより第一格子点G1について最終LUT200の対応関係を規定していく。
S212では、最終LUT200の格子点G1iに色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを格納する。むろん、格子点G1iの位置が元LUTの格子点G6の位置と一致する場合には、S208〜S210の処理を行わず格子点G6の色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmをそのまま格子点G1iに格納してもよい。S214では、格子点G1iの全てについてS208〜S212の処理を行ったか否かを判断する。未処理の格子点G1iが残っていれば、コンピューター10は、処理をS208に戻す。
以上のようにして、CMYK色空間において最終LUTの第一格子点G1を囲む元LUTの複数の第二格子点G6についての色材CL1,CL2の使用量の対応関係を用いた補間演算を行うことにより第一格子点G1について最終LUT200の対応関係を規定する。
格子点G1iの全てについてS208〜S212の処理が行われた場合、コンピューター10は、必要に応じて、CMYK色空間の中で第一の領域R1の境界部分Rb(図2参照)に規定される色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmをスムージングする(S216)。S216のスムージング処理は、任意の処理であり、省略可能である。
図25は、上記スムージング処理を模式的に例示している。分かり易く示すため、横軸にCMYK色空間のCの入力使用量Dc、すなわち、格子点のCの座標を示し、縦軸にcmyklclm色空間のcの出力使用量dc、すなわち、格子点に格納されるcの第二の色材CL2の使用量を示している。むろん、横軸にはCMYK色空間のM,Y,Kの入力使用量Dm,Dy,Dkを適用することが可能であり、縦軸にはcmyklclm色空間のm,y,k,lc,lmの出力使用量dm,dy,dk,dlc,dlmを適用することが可能である。図25の例では、境界部分Rbにおいて、第一の領域R1内の格子点GR1における出力使用量dcと、第二の領域R2内の格子点GR2における出力使用量dcと、が滑らかに繋がっていないことが示されている。このような場合、格子点GR1,GR2の出力使用量Dc,dcをスムージングして滑らかに繋げると、色再現画像160の画質を向上させることができる。
スムージング処理は、例えば、第一の色材CL1の使用量から対応する第二の色材CL2の使用量を求める近似の関数f(例えばdc=f(Dc))を最小自乗法等により求め、第二の色材CL2の使用量を関数fの値に置き換える処理とすることができる。スムージング処理は、入力使用量Dcに対する出力使用量dc、入力使用量Dmに対する出力使用量dm、入力使用量Dyに対する出力使用量dy、入力使用量Dkに対する出力使用量dk、等と色別に行ってもよい。また、関数fを使用せず、第一の色材CL1の使用量(例えばDc)の変化に対する第二の色材CL2の使用量(例えばdc)の変化が極力変動しないように境界部分Rbの第二の色材CL2の使用量(例えばdc)を変える処理を行ってもよい。
第一の領域R1の境界部分Rbに規定される第二の色材CL2の使用量がスムージングされると、ユーザーが意図する色再現目標が好適に実現される。
LUT格納領域の全格子点に第二の色材CL2の使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmが格納されると、N1個の格子点G1について対応関係を規定した最終LUT200が生成されたことになる。コンピューター10は、RAM12に格納されている最終LUT200をHDD14に保存し(S218)、最終LUT生成処理を終了させる。
上述した具体例に従って生成した最終LUT200は、図3に示すように、CMYK色空間のうち特定画像400に含まれるユニークカラーUCiを含む第一の領域R1について例えば「F10−F2」の第一の出力特性を示すように対応関係が規定され、CMYK色空間のうち第一の領域R1とは異なる第二の領域R2について第一の出力特性とは異なる例えば「D50」の第二の出力特性を示すように対応関係が規定されている。第一の領域R1の色を変換する格子点の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、部分LUT230に規定された出力使用量に基づく。第二の領域R2の色を変換する格子点の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、少格子点LUT210に規定された出力使用量に基づく。
以上のことから、図3に示すように、最終LUT200に含まれる第一の領域R1は、1:1のF10,F2光源下で印刷画像360の色彩値と色再現画像160の色彩値との色差ΔEF10-F2が正の閾値TH1以下(第一の範囲内)となる第一の出力特性を有する。最終LUT200に含まれる第二の領域R2は、D50光源下で両画像360,160の色彩値の色差ΔED50が正の閾値TH2以下(第二の範囲内)となる第二の出力特性を有する。閾値TH1,TH2は、特に限定されないが、例えば1.0〜2.0程度とすることができ、異なる値でもよい。なお、第一の範囲内にはΔEF10-F2<TH1とすることも含まれ、第二の範囲内にはΔED50<TH2とすることも含まれる。
第一の領域R1では、各格子点G2,G3についてΔEF10-F2≦TH1であることを重視した結果、ΔED50>TH2(第二の範囲外)となる格子点が存在する。ただし、ΔED50≦TH2(第二の範囲内)となる格子点が一部に存在してもよい。第二の領域R2では、各格子点G2,G3についてΔED50≦TH2であることを重視した結果、ΔEF10-F2>TH1(第一の範囲内)となる格子点が存在する。ただし、ΔEF10-F2≦TH1(第一の範囲内)となる格子点が一部に存在してもよい。
すなわち、図3に示すように、第一の領域R1の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、第一の出力特性を表すΔEF10-F2≦TH1(第一の範囲内)となるように設定され、少なくとも一部がΔED50>TH2(第二の範囲外)となるように設定される。第二の領域R2の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、第二の出力特性を表すΔED50≦TH2(第二の範囲内)となるように設定され、少なくとも一部がΔEF10-F2>TH1(第一の範囲外)となるように設定される。
以上説明したように、一つのLUT200に、CMYK色空間内のうち、特定画像400に含まれる色(UCi)を含む第一の領域R1と、該領域R1とは異なる第二の領域R2と、で異なる出力特性を示すように対応関係が規定される。従って、印刷本機300のCMYKの色材CL1に合わせた色材使用量Dc,Dm,Dy,Dkとプルーフ機100のcmyklclmの色材CL2に合わせた色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmとの対応関係を規定した一つのLUT200で特定画像400の色に対する高精度の色再現が実現される。その結果、例えば、特定画像に含まれる色の再現性については主観的な高い色精度が実現され、特定画像に含まれない色の再現性については客観的な高い色精度が実現される。
また、元LUT205の格子点G6のうち、特定画像に含まれる色を変換する格子点G2,G3については格子点G5よりも高い密度で配置されているので、この点でも特定画像の色再現を高精度で行うことができる。
一方、元LUT205の格子点G5については最終LUT200の格子点G1よりも低い密度で配置されているので、測色するカラーパッチの数が少なくて済み、cmyklclmの色材量を予測する格子点の数が少なくて済む。従って、本技術は、最終LUTの生成を容易にすることができる。
なお、出力特性は、領域R1,R2内の全体的な出力の傾向を意味する。このため、最終LUT200に含まれる第一の領域R1内の複数箇所の色における印刷画像360と色再現画像160の色差ΔEF10-F2の相加平均といった平均が正の閾値TH1’以下(第一の範囲内)となるように設定され、両画像360,160の色差ΔED50の平均が正の閾値TH2’よりも大(第二の範囲外)となるように設定されてもよい。また、最終LUT200に含まれる第二の領域R2内の複数箇所の色における両画像360,160の色差ΔED50の相加平均といった平均が閾値TH2’以下(第二の範囲内)となるように設定され、両画像360,160の色差ΔEF10-F2の平均が閾値TH1’よりも大(第一の範囲外)となるように設定されてもよい。
(4−7)色再現画像を形成する例:
図20は、上記LUT200を記憶したプルーフ機(画像形成装置)100で行われる色再現画像出力制御処理を例示している。この処理は、例えば、色再現画像160の形成要求をプルーフ機100が受け付けたときに開始する。
処理が開始すると、プルーフ機100は、印刷本機300で印刷物350の形成に使用されるCMYKの色材CL1の使用量Dc,Dm,Dy,Dkに対応した入力データを取得する(S302)。必要に応じて、S304では、色変換処理に使用するLUT200を選択する。
S306では、LUT200を参照して、CMYKの色材使用量Dc,Dm,Dy,Dkのデータを、プルーフ機100で色再現画像160の形成に使用されるCMYLlclmの色材CL2の使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmのデータに変換する。色材使用量Dc,Dm,Dy,Dkに一致するLUT200の入力点が無い場合には、CMYK色空間において色材使用量Dc,Dm,Dy,Dkに近隣する複数の入力点のそれぞれに対応したCMYLlclmの色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを用いてDc,Dm,Dy,Dkに対応するdc,dm,dy,dk,dlc,dlmを補間すればよい。このようにして、LUT200に従ってCMYKの色材使用量Dc,Dm,Dy,DkをCMYLlclmの色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに変換することができる。
S308では、色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmのデータに対してハーフトーン処理を行い、使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに対応したドットの形成状況を表す多値データを生成する。ハーフトーン処理には、ディザ法、誤差拡散法、濃度パターン法、等を用いることができる。S310では、得られたドットの形成状況を表す多値データを記録ヘッド21の各走査パス及び各ノズル21aに割り振って出力制御データを生成する。記録ヘッド21は、前記出力制御データに従って被印刷物M2にインクドットを形成し、色再現画像160を有するプルーフ150を形成する。
ここで、印刷画像360を1:1のF10,F2光源下で測色機により測色して得られる色彩値をLD1,aD1,bD1とし、色再現画像160を1:1のF10,F2光源下で測色機により測色して得られる色彩値をLd1,ad1,bd1とする。両画像360,160の第一の領域R1(特定画像のユニークカラーUCiを含む領域)については、LD1,aD1,bD1とLd1,ad1,bd1から求まる色差ΔEF10-F2がTH1以下(第一の範囲内)となる。両画像360,160の第二の領域R2については、色差ΔEF10-F2の少なくとも一部がTH1よりも大(第一の範囲外)となることがある。
また、印刷画像360をD50光源下で測色機により測色して得られる色彩値をLD2,aD2,bD2とし、色再現画像160をD50光源下で測色機により測色して得られる色彩値をLd2,ad2,bd2とする。両画像360,160の第二の領域R2については、LD2,aD2,bD2とLd2,ad2,bd2から求まる色差ΔED50がTH2以下(第二の範囲内)となる。両画像360,160の第一の領域R1(特定画像のユニークカラーUCiを含む領域)については、色差ΔED50の少なくとも一部がTH2よりも大(第二の範囲外)となることがある。
以上説明したように、一つのLUT200に、入力色空間内の第一の領域R1については第一の出力特性を示すように対応関係が規定され、入力色空間内の第二の領域R2については第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように対応関係が規定される。従って、本技術は、印刷本機300の色材CL1に合わせた色材使用量とプルーフ機100の色材CL2に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのLUT200で特定画像400の色に対する高精度の色再現を実現することができる。
(4−8)出力特性が色再現画像の粒状性を表す粒状性指標値IN1で表される例:
入力色空間に含まれる領域について示される出力特性は、上述してきた色差ΔEで表される以外にも、粒状性指標値IN1や階調性指標値IN2等でも表される。
粒状性指標値IN1は、小さくなるほど色再現画像160の粒状感が弱くなる指標値である。写真画像等では一般に粒状感が弱くなるように色変換をすると画質を向上させることができる。一方、グラフ画像等では鮮やかな色を出すため色変換としては粒状感が強くなる方向にすると画質が向上する可能性がある。
図26は、色再現画像160の粒状性を変える様子を模式的に例示している。
色再現画像160の粒状性を変えた最終LUTは、例えば、上述したLUT200の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを変えることにより生成することができる。図26に示す例は、分かり易く示すため、kの1ドットがcの1ドットとmの1ドットとyの1ドットの組合せに等価である場合にkの使用量dkの少なくとも一部とcmyの使用量の少なくとも一部とを置き換える様子を示している。第一の領域R1又は第二の領域R2のkの使用量dkの少なくとも一部Δdをcmyの使用量に置き換えると、第一の領域R1又は第二の領域R2について、粒状性指標値IN1の小さい、すなわち、比較的明度の低いkのドットが少ないか無くて比較的明度の高いcmyのドットが多い粒状感の小さい色再現画像160が形成される最終LUT251を生成することができる。また、第一の領域R1又は第二の領域R2のcmyの使用量dc,dm,dyの少なくとも一部Δdをkの使用量に置き換えると、第一の領域R1又は第二の領域R2について、粒状性指標値IN1の大きい、すなわち、比較的明度の高いcmyのドットが少ないか無くて比較的明度の低いkのドットが多い粒状感の大きい色再現画像160が形成される最終LUT252を生成することができる。
色再現画像160の粒状感を変えるためには、cの1ドットとlcの2以上のドットとを置き換えたり、mの1ドットとlmの2以上のドットとを置き換えたりしてもよい。第一の領域R1又は第二の領域R2のcの使用量dcの少なくとも一部Δdをlcの使用量に置き換えたりmの使用量dmの少なくとも一部Δdをlmの使用量に置き換えたりすると、第一の領域R1又は第二の領域R2について、粒状性指標値IN1の小さい、すなわち、比較的明度の低いcmのドットが少ないか無くて比較的明度の高いlclmのドットが多い粒状感の小さい色再現画像160が形成されるLUT251を生成することができる。
また、粒状性指標値IN1に基づいてLUT251,252を生成してもよい。
色再現画像160の粒状性を定量化する粒状性指標値IN1は、例えば、以下の式で表すことができる。
Figure 2015115738

ここで、aLは明度補正項、WS(u)は画像のウイナースペクトラム、VTFは視覚の空間周波数特性、uは空間周波数、である。粒状性指標値IN1の思想は、例えば、Makoto Fujino,Image Quality Evaluation of Inkjet Prints, Japan Hardcopy '99, p.291-294に示されている。なお、(7)式は一次元で示しているが、空間周波数u,vの関数として二次元画像の空間周波数を算出することは容易である。
粒状性指標値IN1は、ある色再現画像を観察者が視認したときに、その観察者が感じる粒状感(あるいはノイズの程度)である。IN1が小さい程、観察者が感じる粒状感は小さくなる。むろん、IN1は、色再現画像を形成したときの粒状性を評価する指標値であればよく、他の式を用いることも可能である。粒状性指標値IN1を求める詳細は、例えば、特表2007-516663号公報に示されている。
粒状性指標値IN1は、例えば、図20のS308のハーフトーン処理により得られる色再現画像160形成用の多値データ、すなわち、色材使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmに対応したドットの形成状況を表す多値データに基づいて算出することができる。この多値データがあれば、実際に色再現画像160を被印刷物M2に形成しなくてもドットの形成状況をシミュレートすることによってIN1を求めることができる。従って、LUT200を構成する各格子点G1に対応付けられた出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmのベタの画像(巨視的に一様な画像)に対して前記のハーフトーン処理を行って得られる多値データからIN1を求めると、各格子点G2,G3に粒状性指標値IN1を対応付けることができる。むろん、被印刷物M2に形成された色再現画像160をスキャナーといった画像読み取り装置等で読み取り、該読み取った情報に基づいて色再現画像160形成用の多値データを取得し、この多値データに基づいてIN1を算出してもよい。
図27は、粒状性指標値IN1を算出する様子を模式的に例示している。まず、色再現画像160形成用の多値データに基づいて、色再現画像160の各画素について明度L(x,y)を求める。座標(x,y)にドットが形成されない場合には、被印刷物M2自体の明度がL(x,y)となる。座標(x,y)にドットが形成される場合、画素に対するドットの面積比と、ドットの部分の明度と、被印刷物M2に自体の明度と、に基づいて(例えば明度の比例配分)、明度L(x,y)を算出する。図27の左端に示すような明度L(x,y)が求まると、明度L(x,y)に対してFFT(Fast Fourier Transformation)を実施し、空間周波数のスペクトルS(u,v)を得る。スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とからなり、S(u,v)=Re(u,v)+jIm(u,v)である。このスペクトルS(u,v)は、上述のウイナースペクトラムに相当する。
次に、座標(u,v)に対応した空間周波数(cycle/mm)の大きさf(u,v)を算出するため、シミュレート対象となっている色再現画像160の最低周波数を算出する。この最低周波数は、シミュレート対象の多値データで形成される色再現画像160において1回振動する周波数であり、主走査方向(X方向)と副走査方向(Y方向)とのそれぞれについて定義される。例えば、1インチを25.4mmとして、主走査方向の最低周波数euはX解像度/(X方向の画素数×25.4)、副走査方向の最低周波数evはY解像度/(Y方向の画素数×25.4)と定義される。任意の座標(u,v)における空間周波数の大きさf(u,v)は、{(eu・u)2+(ev・v)21/2として算出可能である。
一方、人間の目は、空間周波数の大きさf(u,v)に応じて明度に対する感度が異なる。当該視覚の空間周波数特性は、例えば、図27の中央下部に示すVTF(f)のような特性を示す。このVTF(f)は、VTF(f)=5.05×exp(−0.138・d・π・f/180)×{1−exp(−0.1・d・π・f/180)}である。ここで、dは色再現画像と目の距離であり、fは空間周波数の大きさfである。このfは(u,v)の関数として表現されているので、視覚の空間周波数特性VTFは(u,v)の関数VTF(u,v)とすることができる。VTFが得られたら、当該VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とを乗じ、全画素(u,v)について積分を行う。得られる積分値(Powとする。)の平方根を全画素数で除して規格化すると、元の多値データの画素数に依存しない客観的な指数(Intとする。)が算出される。
Int=Pow1/2/全画素数
なお、多値データの画素数を常に同じ画素数として粒状性を評価するのであれば、必ずしも規格化しなくてもよい。
粒状性指標値IN1は、色再現画像160全体の明度による影響を考慮してもよい。空間周波数のスペクトルが同じであっても色再現画像全体が明るい場合と暗い場合とでは人間の目に異なった印象を与えるので、全体が明るい方が粒状性を感じやすいものとして補正を行ってもよい。このため、例えば、色再現画像160の全画素の明度の平均(Aveとする。)を算出し、色再現画像全体の明るさによる補正係数a(L)={(Ave+16)/116}0.8を上記Intに乗じて粒状性指標値IN1としてもよい。
IN1=a(L)・Int
補正係数a(L)は、上述の明度補正項aLに相当する。
以上のことから、図11で示した設定画面500において、第一の領域R1について「粒状性小」を選択してもよい。例えば、LUT251の第一の領域R1については、色再現画像160の粒状性指標値IN1が正の閾値TH3以下(第三の範囲内)となる「粒状性小」の第一の出力特性を有するものとする。LUT251の第二の領域R2については、例えばD50光源下の両画像360,160の色彩値の色差を所定範囲内にすることを重視し粒状性を重視してない結果、色再現画像160の粒状性指標値IN1が閾値TH3よりも大(第三の範囲外)となることがある第二の出力特性を有するものとする。なお、第三の範囲内にはIN1<TH3とすることも含まれる。
図3を参照して説明すると、LUT251に含まれる第一の領域R1の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、IN1≦TH3(第三の範囲内)となる「粒状性小」の第一の出力特性を示すように設定される。LUT251に含まれる第二の領域R2の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、少なくとも一部がIN1>TH3(第三の範囲外)となる第二の出力特性を示すように設定される。
ここで、特定画像400に含まれる色(UCi)からLUT251に従って変換された色再現画像160の粒状性指標値IN1は、TH3以下(第三の範囲内)となる。また、特定画像400に含まれない色からLUT251に従って変換された色再現画像160の粒状性指標値IN1は、TH3よりも大(第三の範囲外)となることがある。
なお、第一の色材CL1の使用量(例えばDc,Dm,Dy,Dk)を徐々に増加又は減少させたグラデーションを有する色再現画像160を形成したとき、色再現画像160の中である濃度範囲内の領域の粒状性指標値IN1がTH3以下となり、別の濃度範囲内の領域で粒状性指標値IN1がTH3よりも大きくなれば、「粒状性小」の出力特性を示す領域と「粒状性小」以外の出力特性を示す別の領域とが一つのLUT251に存在することになる。
以上説明したように、一つのLUT251に、入力色空間内のある領域については粒状性指標値IN1が第三の範囲内となるように対応関係が規定され、入力色空間内の別の領域については「粒状性小」とは異なる出力特性を示すように対応関係が規定される。従って、本技術は、印刷本機300の色材CL1に合わせた色材使用量とプルーフ機100の色材CL2に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのLUT251で入力色空間の領域毎にユーザーが意図する粒状性の色再現目標を実現することができる。
(4−9)出力特性が色再現画像の階調性を表す階調性指標値IN2で表される例:
階調性指標値IN2は、小さくなるほど色再現画像160の階調変化が滑らかになる指標値である。写真画像等では一般に階調変化が滑らかになるように色変換をすると画質を向上させることができる。一方、グラフ画像等では鮮やかな色を出すため色変換としては階調変化が粗くなる方向にすると画質が向上する可能性がある。
図28は、色再現画像160の階調性を変える様子を模式的に例示している。
色再現画像160の階調性を変えた最終LUTは、例えば、上述したLUT200の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmを変えることにより生成することができる。図28に示す例は、分かり易く示すため、横軸にCMYK色空間のCの入力使用量Dc、すなわち、格子点のCの座標を示し、縦軸にcmyklclm色空間のcの出力使用量dc、すなわち、格子点に格納されるcの第二の色材CL2の使用量を示している。むろん、横軸にはCMYK色空間のM,Y,Kの入力使用量Dm,Dy,Dkを適用することが可能であり、縦軸にはcmyklclm色空間のm,y,k,lc,lmの出力使用量dm,dy,dk,dlc,dlmを適用することが可能である。図28中、最終LUT253,254に示される白丸は、元のLUT200における出力使用量dcを示している。図28の例では、Dc軸に等間隔に入力使用量変数Di(iは1からnまでの整数、nは3以上の整数)を設け、Diに対応する出力使用量関数dc(Di)を示している。
階調変化が滑らかであることは、出力使用量関数dc(Di)の微小変化Δdc(Di)={dc(Di+1)−dc(Di)}/ΔDの変動が小さいことを意味する。また、階調変化が粗いことは、微小変化Δdc(Di)の変動が大きいことを意味する。そこで、階調性指標値IN2は、微小変化Δdc(Di)の微小変化ΔΔdc(Di)={Δdc(Di+1)−Δdc(Di)}/ΔDの絶対値の平均と定義してもよい。
IN2=Σ{|ΔΔdc(Di)|}/(n−2)
ただし、Σはi=1からi=n−2までの{|ΔΔdc(Di)|}の総和を意味する。
得られる階調性指標値IN2は、小さくなるほど階調変化が滑らかになることを意味し、大きくなるほど階調変化が粗くなることを意味する。従って、第一の色材CL1の使用量(例えばDc)の変化に対する第二の色材CL2の使用量(例えばdc)の変化が極力変動しないように第二の色材CL2の使用量(例えばdc)を変えると、階調性指標値IN2の小さい、すなわち、階調変化が滑らかな色再現画像160が形成される最終LUT253を生成することができる。また、第一の色材CL1の使用量(例えばDc)の変化に対する第二の色材CL2の使用量(例えばdc)の変化がより変動するように第二の色材CL2の使用量(例えばdc)を変えると、階調性指標値IN2の大きい、すなわち、階調変化が粗い色再現画像160が形成される最終LUT254を生成することができる。
また、階調性指標値IN2に基づいてLUT253,254を生成してもよい。
以上のことから、図11で示した設定画面500において、第一の領域R1について「階調性」を選択してもよい。例えば、LUT253の第一の領域R1については、色再現画像160の階調性指標値IN2が正の閾値TH4以下(第四の範囲内)となる「階調性」の第一の出力特性を有するものとする。LUT253の第二の領域R2については、例えばD50光源下の両画像360,160の色彩値の色差を所定範囲内にすることを重視し階調性を重視してない結果、色再現画像160の階調性指標値IN2が閾値TH4よりも大(第四の範囲外)となることがある第二の出力特性を有するものとする。なお、第四の範囲内にはIN2<TH4とすることも含まれる。
図3を参照して説明すると、LUT253に含まれる第一の領域R1の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、IN2≦TH4(第四の範囲内)となる「階調性」の第一の出力特性を示すように設定される。LUT253に含まれる第二の領域R2の出力使用量dc,dm,dy,dk,dlc,dlmは、少なくとも一部がIN2>TH4(第四の範囲外)となる第二の出力特性を示すように設定される。
ここで、特定画像400に含まれる色(UCi)からLUT253に従って変換された色再現画像160の階調性指標値IN2は、TH4以下(第四の範囲内)となる。また、特定画像400に含まれない色からLUT253に従って変換された色再現画像160の階調性指標値IN2は、TH4よりも大(第四の範囲外)となることがある。
なお、第一の色材CL1の使用量(例えばDc,Dm,Dy,Dk)を徐々に増加又は減少させたグラデーションを有する色再現画像160を形成したとき、色再現画像160の中である濃度範囲内の領域の階調性指標値IN2がTH4以下となり、別の濃度範囲内の領域で階調性指標値IN2がTH4よりも大きくなれば、「階調性」の出力特性を示す領域と「階調性」以外の出力特性を示す別の領域とが一つのLUT253に存在することになる。
以上説明したように、一つのLUT253に、入力色空間内のある領域については階調性指標値IN2が第四の範囲内となるように対応関係が規定され、入力色空間内の別の領域については「階調性」とは異なる第二の出力特性を示すように対応関係が規定される。従って、本技術は、印刷本機300の色材CL1に合わせた色材使用量とプルーフ機100の色材CL2に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのLUT253で入力色空間の領域毎にユーザーが意図する階調性の色再現目標を実現することができる。
(5)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、LUT200を記憶しているコンピューターにプリンターといった記録装置が接続され、前記LUT200に従って第一の色材の使用量から第二の色材の使用量を求め、求めた第二の色材の使用量となるように記録装置で色再現画像を形成する場合、コンピューターと記録装置が画像形成装置を構成する。画像形成装置は、記録装置以外にも、ディスプレイといった画像出力装置等が含まれる。色再現画像には、画像出力装置の画面上の画像が含まれる。
印刷機で印刷物の形成に使用される第一の色材は、CMYKの組合せ以外にも、5色の組合せ、3色の組合せ、等でもよい。画像形成装置で色再現画像の形成に使用される第二の色材は、CMYKlclmの組合せ以外にも、7色以上の組合せでもよいし、5色以下の組合せでもよい。第二の色材として使用可能な色材の色には、cmyklclm以外にも、or(オレンジ)、gr(グリーン)、b(ブルー)、v(バイオレット)、dy(ダークイエロー)、lk(ライトブラック)、llk(ライトライトブラック)、無着色、等が含まれる。無着色の色材には、被印刷物に光沢を付与する色材、有色の色材を保護する色材、等が含まれる。
第一の色材に含まれる第三の色材と第四の色材の組合せは、KとCMYの組合せ以外にも、Kの濃淡の組合せ、Cの濃淡の組合せ、Mの濃淡の組合せ、Yの濃淡の組合せ、等でもよい。
上述した処理は、順番を入れ替える等、適宜、変更可能である。例えば、図8のLUT生成処理において、S16の部分LUT生成処理の前にS18の少格子点LUT生成処理を行ってもよい。
(6)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、印刷機の色材に合わせた色材使用量と画像形成装置の色材に合わせた色材使用量との対応関係を規定した一つのルックアップテーブルで特定画像の色に対する高精度の色再現を実現することが可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
10…コンピューター(色変換装置)、100…プルーフ機(画像形成装置)、150…プルーフ、160…色再現画像、200,251〜254…ルックアップテーブル、205…元ルックアップテーブル、210…少格子点ルックアップテーブル、230…部分ルックアップテーブル、300…印刷本機(印刷機)、350,351…印刷物、360…印刷画像、361…チャート、362…パッチ、400…特定画像、401…ポートレート画像、402…グレイ画像、403…肌色画像、410…縮小画像、420…ユニークカラーリスト(特定画像の色分布)、430…特有色参照格子点スタック、440…特有色参照格子点リスト、500…設定画面、800…測色機、CL1…第一の色材、CL2…第二の色材、CL3…第三の色材、CL4…第四の色材、G1…第一格子点、G2,G3…特有色参照格子点、G5…第三格子点、G6…第二格子点、L0,L1,L2,L3…観察光源、M1,M2…被印刷物、PR0〜PR3…印刷色プロファイル、R1…第一の領域、R2…第二の領域、R9…包括領域、R1g…領域の色の変換に用いる格子点の範囲、Rb…境界部分、SY1…プルーフシステム、UCi…ユニークカラー(特定画像に含まれる色)。

Claims (14)

  1. 印刷機で印刷物の形成に使用される第一の色材の使用量と、画像形成装置で色再現画像の形成に使用される第二の色材の使用量と、の対応関係を規定したルックアップテーブルを生成するルックアップテーブル生成方法であって、
    前記第一の色材の色で表される入力色空間のうち特定画像に含まれる色を含む第一の領域について第一の出力特性を示すように前記対応関係を規定し、前記入力色空間のうち前記第一の領域とは異なる第二の領域について前記第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように前記対応関係を規定して、前記ルックアップテーブルを生成する、ルックアップテーブル生成方法。
  2. 前記特定画像の色分布に基づいて前記入力色空間内の複数の格子点のうち前記特定画像に含まれる色の変換に用いる格子点を特定し、前記第一の領域について前記第一の出力特性を示すように前記特定した格子点について前記対応関係を規定する、請求項1に記載のルックアップテーブル生成方法。
  3. 前記特定画像から該特定画像に含まれる色を抽出し、前記入力色空間内の複数の格子点のうち前記抽出した色の変換に用いる格子点を特定し、前記第一の領域について前記第一の出力特性を示すように前記特定した格子点について前記対応関係を規定する、請求項2に記載のルックアップテーブル生成方法。
  4. 前記特定画像に含まれる色のそれぞれについて前記入力色空間内の複数の格子点のうち前記色の変換に用いる一以上の格子点を抽出し、該抽出した格子点の重複を解消し、前記第一の領域について前記第一の出力特性を示すように重複解消後の格子点について前記対応関係を規定する、請求項2又は請求項3に記載のルックアップテーブル生成方法。
  5. 前記ルックアップテーブルに設けられる第一格子点の数N1よりも少ない数N2の第二格子点について前記対応関係を規定し、該第二格子点についての対応関係に基づいて前記数N1の第一格子点について前記対応関係を規定する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のルックアップテーブル生成方法。
  6. 前記印刷物を観察する複数の観察光源のそれぞれについて、前記第二格子点に、前記印刷物に形成される前記第一の色材の前記観察光源におけるターゲット色彩値を対応付け、
    前記複数の観察光源について前記第二格子点において対応付けられたターゲット色彩値への近似性を評価する評価値に基づいて、前記色再現画像に形成される前記第二の色材の色彩値が前記観察光源毎に前記ターゲット色彩値に近似するように前記第二の色材の使用量を前記第二格子点について予測し、
    前記第二格子点に、予測された前記第二の色材の使用量を対応付け、前記第二格子点についての前記第一及び第二の色材の使用量の対応関係に基づいて前記数N1の第一格子点について前記ルックアップテーブルの対応関係を規定する、請求項5に記載のルックアップテーブル生成方法。
  7. 前記入力色空間において前記第一格子点を囲む複数の前記第二格子点についての前記第一及び第二の色材の使用量の対応関係を用いた補間演算を行うことにより前記第一格子点について前記ルックアップテーブルの対応関係を規定する、請求項5又は請求項6に記載のルックアップテーブル生成方法。
  8. 前記第一の色材は、第三の色材と、第四の色材と、を含み、
    前記第一格子点に対応する前記第三の色材の使用量のそれぞれについて、前記第四の色材で表される色空間内に前記第二格子点を設け、
    前記第三の色材の使用量のそれぞれについて、前記第四の色材で表される色空間において前記第一格子点を囲む複数の前記第二格子点についての前記第一及び第二の色材の使用量の対応関係を用いた補間演算を行うことにより前記第一格子点について前記ルックアップテーブルの対応関係を規定する、請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載のルックアップテーブル生成方法。
  9. 前記第一の色材は、第三の色材と、第四の色材と、を含み、
    前記第一格子点に対応する前記第三の色材の使用量のそれぞれについて、前記第二格子点に含まれ前記第三の色材の使用量に応じた数の第三格子点を前記入力色空間内に設け、
    該設けた第三格子点のそれぞれについて前記対応関係を規定する、請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載のルックアップテーブル生成方法。
  10. 前記第一格子点に対応する前記第三の色材の使用量に第一の使用量と該第一の使用量よりも多い第二の使用量が含まれ、
    前記第三の色材の前記第一の使用量に対応する前記第三格子点の数は、前記第三の色材の前記第二の使用量に対応する前記第三格子点の数よりも多い、請求項9に記載のルックアップテーブル生成方法。
  11. 前記入力色空間に含まれる第一及び第二の領域について示される前記第一及び第二の出力特性は、それぞれ、所定の観察光源における前記第一の色材の色彩値と前記第二の色材の色彩値との色差、前記色再現画像の粒状性を表す指標値、前記色再現画像の階調性を表す指標値、の少なくとも一つで表される、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のルックアップテーブル生成方法。
  12. 印刷機で印刷物の形成に使用される第一の色材の使用量と、画像形成装置で色再現画像の形成に使用される第二の色材の使用量と、の対応関係を規定したルックアップテーブルを生成するルックアップテーブル生成装置であって、
    前記第一の色材の色で表される入力色空間のうち特定画像に含まれる色を含む第一の領域について第一の出力特性を示すように前記対応関係を規定し、前記入力色空間のうち前記第一の領域とは異なる第二の領域について前記第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように前記対応関係を規定して、前記ルックアップテーブルを生成する、ルックアップテーブル生成装置。
  13. 印刷機で印刷物の形成に使用される第一の色材の使用量と、画像形成装置で色再現画像の形成に使用される第二の色材の使用量と、の対応関係を規定したルックアップテーブルであって、前記第一の色材の色で表される入力色空間のうち特定画像に含まれる色を含む第一の領域について第一の出力特性を示すように前記対応関係が規定され、前記入力色空間のうち前記第一の領域とは異なる第二の領域について前記第一の出力特性とは異なる第二の出力特性を示すように前記対応関係が規定されたルックアップテーブルを記憶する記憶部と、
    前記ルックアップテーブルを参照して色変換を行う色変換部と、を備えた色変換装置。
  14. 前記入力色空間に含まれる第一及び第二の領域について示される前記第一及び第二の出力特性は、それぞれ、所定の観察光源における前記第一の色材の色彩値と前記第二の色材の色彩値との色差、前記色再現画像の粒状性を表す指標値、前記色再現画像の階調性を表す指標値、の少なくとも一つで表される、請求項13に記載の色変換装置。
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