JP2015114126A - 自車位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車位置を精度よく検出するための技術を提供する。
【解決手段】画像生成手段(S105〜S110)は、自車両に取り付けられた撮像装置からの撮像情報に基づいて、自車両周辺の道路を鉛直方向に見下ろした撮像画像を生成する。標示認識手段(S115)は、撮像画像において、道路に描画された道路標示の形状を認識する。地図データ取得手段(S120)は、道路標示の形状が含まれた地図画像を表す地図データを取得する。位置補正手段(S125〜S130)は、標示認識手段により認識された道路標示の形状と、地図画像に含まれる道路標示であって自車両周辺に存在する道路標示の形状と、を対比して自車両の絶対位置を補正する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両で用いられる自車位置検出装置に関する。
車両に搭載される自車位置検出装置は、自車両の現在位置(自車位置)を検出し、運転者に対して、自車位置周辺の地図画像の表示及び地図画像上の車両の位置の表示を行う。自車位置を算出する方法としては、自車両の挙動変化を検出する自立センサの検出値に基づいて自車位置を更新する自立航法が周知である。自立センサとしては、前述の自車両の挙動変化として移動距離を検出するための車速センサや、車両の走行方向を検出するためのジャイロスコープ等が挙げられる。ただし、これらの自立センサは検出値に誤差を有するため、走行距離の増加に伴って、誤差が積算されて自立航法による自車位置と実際の自車位置とのずれが大きくなる。そこで、このような誤差による自車位置のずれを、GPS(Global Positioning System)等で用いられる人工衛星からの測位信号に基づいて補正する技術が開発されている。
特許文献1には、走行距離が所定値以上となった場合に、自立航法により算出した自車位置を、GPSの測位信号に基づいて補正する技術が開示されている。
特開2008−80896号公報
しかしながら、GPSの測位信号に基づく自車位置の検出は、状況によっては検出精度が低くなる場合がある。前述した特許文献1に記載の技術では、GPSの測位信号に基づいて自車位置を補正するため、状況によっては自車位置を精度よく検出できないという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、自車位置を精度よく検出するための技術を提供することを目的としている。
本発明の一側面は、車両で用いられる自車位置検出装置であって、画像生成手段と、標示認識手段と、地図データ取得手段と、位置補正手段とを備える。画像生成手段は、自車両に取り付けられた撮像装置からの撮像情報に基づいて、自車両周辺の道路を鉛直方向に見下ろした撮像画像を生成する。標示認識手段は、撮像画像において、道路に描画された道路標示の形状を認識する。地図データ取得手段は、道路標示の形状が含まれた地図画像を表す地図データを取得する。位置補正手段は、標示認識手段により認識された道路標示の形状と、地図画像に含まれる道路標示であって自車両周辺に存在する道路標示の形状と、を対比して自車両の絶対位置を補正する。
このような構成によれば、地図画像と撮像画像との対比に基づいて自車位置を特定するため、GPSの測位信号に基づいて自車位置を検出する場合と比べて、自車位置を精度よく検出することが可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
自車位置検出装置の構成を示すブロック図である。 図2(a)は側面視でのカメラの取付位置を示す図であり、図2(b)は上面視でのカメラの取付位置及び撮像範囲を示す図である。 GPS受信困難エリアの一例を示す図である。 自車位置算出処理のフローチャートである。 リセット処理のフローチャートである。 特徴道路標示の一例を示す図である。 白線利用更新処理のフローチャートである。 白線カウント処理のフローチャートである。 破線状の白線を用いて自車位置を特定する一例を示す図である。 対向車更新処理のフローチャートである。 対向車の走行データを利用して自車位置を更新する一例を示す図である。 他の実施形態において、撮像画像における道路標示と地図画像における道路標示との対比によって、地図画像における撮像画像の撮像範囲が特定された状態を示す図である。 他の実施形態による自車位置の算出例を示す図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.構成]
図1に示す本発明の自車位置検出装置10は、例えばナビゲーション装置において現在位置を高精度に把握するために用いられ得る。自車位置検出装置10は、無線通信装置11、撮像部20、GPS受信機31、位置検出部40、地図データベース(地図DB)51、制御装置61、及び表示装置71を備える。
無線通信装置11は、自車両の周辺(電波の届く通信エリア内)に存在する他の車両と無線通信(車車間通信)を行うための装置である。
撮像部20は、図2(a)及び図2(b)に示すように、前方カメラ21、後方カメラ22、右側方カメラ23、及び左側方カメラ24を備える。前方カメラ21は、車両1の前方の道路を撮像するためのカメラであり、例えば車両1の前方側バンパの中央部に設置されている。後方カメラ22は、車両1の後方の道路を撮像するためのカメラであり、例えば車両1の後方側バンパの中央部に設置されている。右側方カメラ23は、車両1の右側方の道路を撮像するためのカメラであり、例えば車両1の右ドアミラーの先端位置に設置されている。左側方カメラ24は、車両1の左側方の道路を撮像するためのカメラであり、例えば車両1の左ドアミラーの先端位置に設置されている。このように、各カメラ21〜24は、自車両1の周辺の道路を撮像するように配置されている。なお、カメラ21〜24は、道路を撮像するために、水平方向よりも下方を向くように設置されている。
カメラ21〜24は、撮像した画像を表す撮像情報(画像データ)を、制御装置61へ出力する。後述するように、制御装置61は、カメラ21〜24からの撮像情報に基づいて、自車両1の周辺の道路を鉛直方向上方から見下ろしたように視点変換した撮像画像を生成する。こうして生成される撮像画像において、カメラ21〜24による撮像範囲は、図2(b)でハッチング部25として示されるように、自車両1の全周をカバーする。なお、これらのカメラ21〜24は、4台とも同じ所定の周期で画像を撮像する。ここでいう所定の周期(撮像周期)とは、例えば、想定される最高速度での走行中に、少なくとも走行距離3m毎の頻度で撮像が行われる周期をいう。
GPS受信機31は、GPS用の人工衛星からの測位信号を受信し、受信した測位信号に基づいて、自車両1の現在位置である自車位置(緯度及び経度)を検出する。
位置検出部40は、ジャイロスコープ41、車速センサ42、及びGセンサ43を備える。ジャイロスコープ41は、自車両1に加えられる回転運動の大きさを検出する。車速センサ42は、自車両1の車軸に取り付けられたパルス発生器から出力される単位時間当たりのパルス数に基づいて当該車軸の回転速度を検出し、検出した回転速度に基づいて自車両1の速度を算出する。Gセンサ43は、自車両1の前後方向の加速度を検出する。
地図データベース(地図DB)51は、車両1の走行可能な道路が示された地図を表す地図データを記憶する記憶装置である。当該地図には、道路に描画されている道路標示の形状が詳細に示されている。ここでいう道路標示とは、道路の交通に関し、規制又は指示を表わす標示であり、路面に描かれた線、記号、又は文字である。具体的には、規制を表す標示として、転回禁止、追い越し禁止、駐停車禁止等が一例として挙げられ、指示を表す標示として、横断歩道、停止線、中央線、車線境界線等が一例として挙げられる。地図を表す地図データには、これらの道路標示の各部の寸法を特定可能なデータが含まれている。また、当該地図には、例えば図3に示すように、高層ビルの密集地帯のようにGPS用の人工衛星からの測位信号を受信することが困難なエリア(GPS受信困難エリアという)Qが示されている。
表示装置71は、車両1の乗員に画像を表示するため装置である。例えば、表示画面には、地図データベース51から入力された地図データに基づく地図画像と、当該地図画像上に重畳して表示される自車位置を示すマークと、が表示される。
制御装置61は、CPU62、ROM63、RAM64を中心とする周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。制御装置61(具体的にはCPU62)は、ROM63に記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。制御装置61は、例えば、自車位置付近の地図を表す地図データを地図データベース51から読み込んで表示装置71に表示する処理や、当該地図に自車位置を示すマークを表示する処理等を実行する。
[2.処理]
次に、制御装置61が実行する処理のうち、自車位置を算出するために周期的に実行される自車位置算出処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
[2−1.自車位置算出処理]
まずS(ステップ)10では、位置検出部40からの各検出信号に基づいて、周知の自立航法によって自車位置を算出する。具体的には、前回算出した自車位置(既出自車位置)の算出時点からの挙動変化として、ジャイロスコープ41による検出信号に基づいて方位変化量を算出し、車速センサ42及びGセンサ43による検出信号に基づいて移動距離を算出する。そして、これらの挙動変化(方位変化量及び移動距離)に基づいて算出された変位量を、既出自車位置に加算して自車位置の更新を行う。なお、以下の説明では、実際の(真の)自車位置と区別するため、制御装置61が算出(推測)した自車位置を算出自車位置ともいう。
次にS20では、リセット周期であるか否かを判定する。具体的には、前回のリセット(自立航法によって蓄積された検出誤差をリセットするための処理であり、後述するS130、S175、S235、S440又はS450の処理)から所定のリセット期間が経過している場合に、リセット周期であると判定する。ここで、リセット周期でない場合はS30へ移行し、リセット周期である場合はS40へ移行してリセット処理を実行する。
S40のリセット処理は、地図画像に含まれる道路標示の形状と撮像画像に含まれる道路標示の形状とを対比して算出自車位置を補正する地図リセットや、対向車の位置及び対向車から取得した情報を用いて算出自車位置を補正する対向車リセットや、GPS用の人工衛星からの測位信号に基づいて算出自車位置を補正するGPSリセットなどを実行するための処理である。周知のように、位置検出部40が備える各自立センサ(ジャイロスコープ41、車速センサ42、及びGセンサ43)の検出信号(出力値)には誤差が含まれるため、自立航法では、走行距離の増加に伴ってこれらの誤差が積算される。この結果、自立航法に基づく算出自車位置と、実際の(真の)自車位置とのずれ(検出誤差)が大きくなる。リセット処理では、地図リセットやGPSリセットなどを実行することにより、このような検出誤差をリセット(補正)する。
S20でリセット周期でないと判定した場合に移行するS30では、算出自車位置が、GPS受信困難エリアに対して所定距離未満の位置となったか否かを、地図データの表す地図画像に基づいて判定する。例えば、前述の図3に示すように、自車両1が自車位置Pから道なりに進むと仮定した場合に、GPS受信困難エリアQに自車両1が侵入するまでの距離が、所定距離未満となったか否かを判定する。
ここで、GPS受信困難エリアQに侵入するまでの距離が所定距離以上である場合は、本自車位置算出処理を終了する。一方、GPS受信困難エリアQに侵入するまでの距離が所定距離未満である場合は、S40へ移行してリセット処理を実行し、本自車位置算出処理を終了する。
GPS受信困難エリアに侵入するまでの距離が所定距離未満である場合にリセット処理を実行するのは、次の理由による。すなわち、GPS受信困難エリアでは、GPS用の人工衛星からの測位信号を受信することが困難であり、GPSリセットを実行できる機会が減るため、GPS受信困難エリアに侵入する前に、自立航法によって蓄積された検出誤差をリセットしておきたいからである。
[2−2.リセット処理]
次に、自車位置算出処理のS40で実行されるリセット処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、図5のリセット処理において、S105〜S145が地図リセットのための処理であり、S150〜S160が対向車リセットのための処理であり、S175がGPSリセットの処理である。
S100では、算出自車位置を中心とする所定範囲内に、何らかの特徴道路標示が存在するか否かを、地図データの表す地図画像に基づいて判定する。ここで、特徴道路標示が存在しない場合はS140へ移行する。一方、特徴道路標示が存在する場合は、S105へ移行する。
特徴道路標示とは、図6に一例を示すように、道路に描画された複数種類の道路標示201〜205のうち、道路を区画するための区画線(白線204、205、及び破線状の白線203)のように、連続して描画されている道路標示を除いたものをいう。
地図リセットは、前述のように、地図画像に含まれる道路標示の形状と撮像画像に含まれる道路標示の形状とを対比して自車位置を特定する処理である。ここで、白線204、205や破線状の白線203のように連続して描画されている道路標示は、撮像画像にその一部しか写らない。このため、撮像画像に写ったこれらの形状が、連続して描画されている道路標示全体のどの部分に相当するかが特定できなければ、位置(緯度及び経度)を特定することができない。このため、S100では、連続して描画されている道路標示を除いた特徴道路標示を用いて、S105以降の処理を実行する。
例えば図6では、横断歩道201、及び横断歩道の手前に描画されている停止線202が、特徴道路標示に相当する。この他、図示していないが、転回禁止、駐停車禁止、進行方向等の種々の規制及び指示を表す標示が、特徴道路標示に相当する。
S105では、撮像部20(カメラ21〜24)から出力される撮像情報を取得する。続くS110では、取得した撮像情報に基づいて、自車両周辺の道路を鉛直方向に見下ろした撮像画像を生成する。
次にS115では、S110で生成した撮像画像において、特徴道路標示の形状を認識する。具体的には、道路に描画される様々な特徴道路標示のうち、S100で所定範囲内に存在すると判定された特徴道路標示(複数存在する場合は複数の特徴道路標示)に絞って、当該特徴道路標示を、周知のパタンマッチングの手法により、撮像画像において認識する。
続くS120では、算出自車位置を中心とする所定範囲内の地図画像を表す地図データ、すなわちS100で特徴道路標示の存在の有無を判定した地図画像を表す地図データを、地図データベース51から取得する。
次にS125では、S115で認識された撮像画像における特徴道路標示の形状と、S120で取得した地図データが表す地図画像に含まれる特徴道路標示の形状とを対比して、自車位置を特定する。すなわち、自車両1に対する各カメラ21〜24の配置が一定であり、かつ、撮像画像が一定の方法で生成されるという前提において、撮像画像における自車両1の位置は一定である。また、地図画像と撮像画像との対比によって、地図画像における撮像画像の位置(撮像範囲)が特定される。したがって、地図画像において自車位置が特定される。
S130では、算出自車位置を、S125で特定した自車位置に置き換えることで、算出自車位置の補正(検出誤差のリセット)を行う。そして、本リセット処理を終了する。
S100で所定範囲内に特徴道路標示が存在しないと判定した場合に移行するS140では、算出自車位置を中心とするS100と同様の所定範囲内に、破線状の白線が存在するか否かを判定する。前述の図6に一例として示すように、破線状の白線203は、複数の長方形の単位ライン210により構成されている。本ステップでは、算出自車位置を中心とする所定範囲内に破線状の白線(203)を構成する単位ライン(210)が存在するか否かを、地図データの表す地図画像に基づいて判定する。ここで、単位ラインが存在しない場合はS150へ移行し、単位ラインが存在する場合はS145へ移行する。
S145では、破線状の白線を利用して算出自車位置を補正する白線利用更新処理を実行する(詳細は後述する)。そして、本リセット処理を終了する。
S140で所定範囲内に破線状の白線が存在しないと判定された場合に移行するS150では、撮像部20から出力される撮像情報を取得する。続くS155では、S150で取得した撮像情報が表す画像において、反対車線(本実施形態では自車両1の右側)を自車両1と反対方向に走行する他車両(対向車という)が検出されたか否かを判定する。ここで、対向車が検出されなかった場合はS170へ移行し、対向車が検出された場合はS160へ移行する。S160では、S155で検出された対向車から取得した情報(走行データ)を用いて算出自車位置を補正する対向車更新処理を実行する(詳細は後述する)。そして、本リセット処理を終了する。
S155で対向車が検出されなかった場合に移行するS170では、GPS用の人工衛星からの測位信号が受信されているか否かを判定する。ここでは、自車位置を検出するために必要な測位信号が得られている場合に、測位信号が受信されていると判定する。GPSの測位信号が受信されていない場合、本リセット処理を終了する。一方、GPSの測位信号を受信した場合、S175で、算出自車位置を、S170で受信されたGPSの測位信号に基づく自車位置に置き換えることで、算出自車位置の補正(検出誤差のリセット)を行う。そして、本リセット処理を終了する。
つまり、自車位置算出処理では、算出自車位置の周辺に、特徴道路標示が存在することが地図データの表す地図画像上で確認された場合は、当該特徴道路標示を用いて算出自車位置を補正する。特徴道路標示が存在しない場合、算出自車位置の周辺に破線状の白線が存在する場合は、当該破線状の白線を用いて算出自車位置を補正する。算出自車位置の周辺に特徴道路標示も破線状の白線も存在しない場合、撮像部20により対向車が撮像された場合には、当該対向車から取得した走行データを用いて算出自車位置を補正する。撮像部20により特徴道路標示、破線状の白線及び対向車のいずれも撮像されなかった場合、GPSの測位信号が受信されている場合には、当該測位信号を用いて算出自車位置を補正する。そして、これらのいずれでも無い場合は、自車位置算出処理では、算出自車位置を補正せず、自立航法による算出自車位置をそのまま用いる。
[2−3.白線利用更新処理]
次に、リセット処理のS145で実行される白線利用更新処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
S205では、撮像部20(カメラ21〜24)から出力される撮像情報を取得する。続くS210では、S205で取得した撮像情報に基づいて、S110と同様に、自車両1周辺の道路を鉛直方向に見下ろした撮像画像を生成する。次にS215では、S210で生成した撮像画像において、破線状の白線を構成する長方形の単位ラインの形状を、周知のパタンマッチングの手法により認識する。
続くS220では、白線カウント情報をRAM64から取得する。白線カウント情報は、S215で認識された単位ラインが、どの特徴道路標示を基準とした何番目の単位ラインに相当するのか、を表す情報である。具体的には、白線カウント情報には、基準とした特徴道路標示に関する基準情報と、当該特徴道路標示の位置を基準として割り当てられた単位ラインの識別番号とが含まれる。白線カウント情報は、後述するように、本自車位置算出処理と並行して実行される白線カウント処理(図8)による出力として、RAM64に記憶されている。
次にS225では、算出自車位置を中心とする所定範囲内の地図画像を表す地図データ、すなわちS220により認識された単位ラインが含まれた地図画像を表す地図データを、地図データベース51から取得する。なお、地図データが表す地図画像では、一例として図9に示すように、基準とする特徴道路標示220と、破線状の白線206を構成する単位ライン211(211a〜211e)のそれぞれに割り当てられた識別番号とが認識可能となっている。
続くS230では、S215により認識された撮像画像における単位ラインと、S225で取得した地図データが表す地図画像に含まれる単位ラインとを対比し、撮像画像における単位ラインが、地図画像におけるどの単位ラインに対応するのかを、識別番号に基づいて特定する。これにより、地図画像における撮像画像の位置(撮像範囲)が特定され、その結果、地図画像において自車位置が特定される。
ここで、前述の図9を用いて、破線状の白線206を用いた自車位置の特定について説明する。一例として、図9では、一点鎖線で示す撮像画像の撮像範囲230に一つの単位ライン211dが含まれているものとする。ここで、S225で取得した地図データが表す所定範囲231内の地図画像には、単位ライン211dを含む複数の単位ライン(単位ライン211c及び211d)が含まれているものとする。一方、撮像画像では、白線カウント情報(基準情報、識別番号)に基づいて、単位ライン211dが特徴道路標示220から11番目の単位ラインであることが認識されている。したがって、地図画像と撮像画像との対比によって、地図画像における撮像画像の位置(撮像範囲230)が特定され、地図画像において自車位置が特定される。
S235では、算出自車位置を、S230で特定した自車位置に置き換えることで、算出自車位置の補正(検出誤差のリセット)を行う。そして、本白線利用更新処理を終了する。
次に、白線利用更新処理のS220で用いられる白線カウント情報を出力する白線カウント処理の一例について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。白線カウント処理は、撮像画像に含まれる単位ラインが、基準とした特徴道路標示から何番目の単位ラインに相当するかを数える処理であり、自車位置算出処理と並行して、制御装置61により前述した撮像周期に合わせて実行されている。
S305では、撮像部20(カメラ21〜24)から出力される撮像情報を取得する。続くS310では、取得した撮像情報に基づいて、S110と同様に、自車両周辺の道路を鉛直方向に見下ろした撮像画像を生成する。次にS315では、S310で生成した撮像画像において、破線状の白線を構成する長方形の単位ラインの形状を、周知のパタンマッチングの手法により認識する。
続くS320では、S315の認識結果に基づいて、新たな単位ラインを検出したか否かを判定する。ここで、新たな単位ラインを検出していない場合はS330へ移行し、新たな単位ラインを検出した場合はS325へ移行する。S325では、いままでの識別番号に1を加えた値を新たな識別番号としてRAM64に記憶し、S330へ移行する。
S330では、S310で生成した撮像画像において、基準とした特徴道路標示とは異なる新たな特徴道路標示が検出されたか否かを判定する。ここで、新たな特徴道路標示が検出されなかった場合は、本白線カウント処理を終了する。一方、新たな特徴道路標示が検出された場合は、S335に移行する。S335では、識別番号の値をリセットする(識別番号を0としてRAM64に記憶する)。続くS340では、新たに検出された特徴道路標示についての情報(特徴道路標示の種類、絶対位置(緯度、経度)等)を基準情報としてRAM64に記憶する。そして、本白線カウント処理を終了する。なお、RAM64に記憶されている基準情報及び識別番号が、前述の白線カウント情報に相当する。
つまり、制御装置61は、白線カウント処理によって、新たに検出された特徴道路標示を基準として、次に新たな特徴道路標示が検出されるまでの間、単位ラインごとに識別番号を割り当てRAM64に記憶する、という処理を繰り返し実行する。
[2−4.対向車更新処理]
次に、リセット処理のS145で実行される対向車更新処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
S405では、無線通信装置11によって、自車両1の周辺(電波の届く通信エリア内)に存在する対向車へ、自車両1についての走行データを無線送信する。走行データには、自車両1の算出自車位置P1、及び継続時間T1が含まれる。継続時間T1とは、算出自車位置P1の補正が最後に行われた後、自立航法による自車位置の算出が継続されている時間をいう。なお、本実施形態では、自車両1と同様の自車位置検出装置10が対向車にも搭載されていることが前提とされている。
続くS410では、無線通信装置11によって、対向車2から送信される当該対向車2についての走行データ(対向車2の算出自車位置P2、対向車2の継続時間T2)を受信したか否かを判定する。ここで、対向車2から走行データを受信しなかった場合、本対向車更新処理を終了する。一方、対向車2から走行データを受信した場合、S415へ移行する。
S415では、S150で取得した撮像情報に基づいて、S110と同様に、自車両周辺の道路を鉛直方向に見下ろした撮像画像を生成する。次にS420では、S415で生成した撮像画像において、対向車2を、周知のパタンマッチングの手法により認識する。
続くS425では、撮像画像において、対向車2に対する自車両1の相対位置P3を算出する。次にS430では、S415で受信した対向車2の算出自車位置P2に、S430で算出した相対位置P3を加算して、対向車2の算出自車位置P2を基準とした自車位置P4を算出する。
続くS435では、自車両1の継続時間T1と対向車2の継続時間T2とを比較し、これらの差が所定の継続しきい値未満であるか否かを判定する。継続しきい値は、0に近い値に設定される。ここで、継続しきい値以上である場合はS445へ移行し、継続しきい値未満である場合はS440へ移行する。
S440では、対向車2の算出自車位置P2を基準として算出した自車位置P4と自車両1の算出自車位置P1との平均値、つまり中間位置を算出する。そして、算出自車位置P1をS440で算出した中間位置に置き換えることで、算出自車位置P1の補正(検出誤差のリセット)を行う。そして、本対向車更新処理を終了する。
S435で自車両1の継続時間T1と対向車2の継続時間T2との差が継続しきい値以上であると判定した場合に移行するS445では、対向車2の継続時間T2が自車両1の継続時間T1未満であるか否かを判定する。ここで、対向車2の継続時間T2が自車両1の継続時間T1未満である場合、S450へ移行する。S450では、自車両1の算出自車位置P1を、S430で対向車2の算出自車位置P2を基準として算出した自車位置P4に置き換えることで、算出自車位置P1の補正(検出誤差のリセット)を行う。そして、本対向車更新処理を終了する。
つまり、対向車更新処理では、一例として図11に示すように、自車両1の撮像範囲241に対向車2が認識されると(S420)、対向車2の算出自車位置P2を基準として算出した自車位置P4が算出される(S430)。そして、例えば、自車両1の継続時間T1よりも他車両2の継続時間T2が短い場合は(S445:YES)、自車両1の算出自車位置P1が、自立航法による誤差の蓄積が少ないと推定される自車位置P4に置き換えられる(S450)。
なお、図11において、一点鎖線242は、本来の自車両1の走行軌跡(真の走行軌跡)を示し、実線243は、算出自車位置P1に基づく走行軌跡を示している。すなわち、対向車2を利用して算出自車位置P1を補正する(置き換える)前は、算出自車位置P1に基づく実際の走行軌跡243には、真の走行軌跡242に対するずれが生じている。これに対し、対向車2を利用して算出自車位置P1を補正した(置き換えた)以降は、対向車2を利用した補正が行われないと仮定した場合の自車両1の走行軌跡(二点鎖線)244と比べると、自車両1の走行軌跡(実線242)について、真の走行軌跡(一点鎖線)242に対するずれが抑制される。
また、本実施形態では、対向車2の撮像範囲245に自車両1が認識されると、対向車2では、自車両1と同様の処理が行われる。すなわち、対向車2においても同様に、自車両1を利用した算出自車位置P2の補正(置き換え)以降は、自車両1を利用した補正が行われないと仮定した場合の対向車2の走行軌跡(二点鎖線)246と比べると、対向車2の算出自車位置P2に基づく走行軌跡(実線247)について、対向車2の真の走行軌跡(一点鎖線)248に対するずれが抑制される。
[3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
[3A]第1実施形態では、撮像画像において道路標示(特徴道路標示)が認識された場合は、撮像画像における特徴道路標示の形状と、地図データが表す地図画像に含まれる特徴道路標示の形状とを対比して、自車両1の算出自車位置P1の補正を行う。すなわち、撮像画像における自車両1の位置は一定であるため、地図画像と撮像画像との対比によって地図画像における撮像画像の位置(撮像範囲)が特定され、その結果、地図画像において算出自車位置P1が特定される(S125)。そして、算出自車位置P1を、S125で特定した自車位置に置き換えることで、算出自車位置P1の補正(検出誤差のリセット)を行う(S130)。このような構成によれば、地図画像と撮像画像との対比に基づいて算出自車位置P1の特定(補正)を行うため、GPSの測位信号に基づいて自車位置を検出する場合と比べて、自車位置を精度よく検出することができる。
[3B]第1実施形態では、撮像画像において、特徴道路標示が認識されず、破線状の白線が認識された場合は、撮像画像における破線状の白線を構成する単位ラインが、地図画像におけるどの単位ラインに対応するのかを、白線カウント処理で検出した識別番号に基づいて特定する(S230)。このような構成によれば、撮像画像において破線状の白線が写っている場合、すなわち、同じ形状をしている単位ラインが連続して複数写っている場合であっても、単位ラインのそれぞれを識別番号に基づいて識別することができるため、地図画像と撮像画像との対比によって、地図画像における自車両1の算出自車位置P1を特定することができる。
[3C]第1実施形態では、撮像画像において、特徴道路標示、及び破線状の白線が認識されなかった場合、撮像情報が表す画像において対向車2が検出された場合は、対向車2から取得した当該対向車2の算出自車位置P2と継続時間T2とを用いて、自車両1の算出自車位置P1の補正を行う。具体的には、対向車2の算出自車位置P2と、撮像画像に基づき算出された自車両1に対する対向車2の相対位置P3とに基づいて、自車位置P4を特定する(S435)。
そして、対向車2における継続時間T2が自車両1における継続時間T1よりも短いことを条件として、自立航法に基づく算出自車位置P1に対する補正後の算出自車位置の距離と比較して、対向車2の算出自車位置P2とS425により算出された相対位置P3とに基づく自車位置P4に対する補正後の算出自車位置の距離が短くなるように、算出自車位置P1を補正する(S445〜S450)。このような構成によれば、自立航法の継続時間が短い対向車2の算出自車位置P2を基準として算出した自車位置P4に近い位置に算出自車位置P1が補正されるため、自車位置を精度よく検出することができる。特に第1実施形態のS445〜S450では、算出自車位置P1を、対向車2の算出自車位置P2を基準として算出した自車位置P4に置き換える補正を行っている。すなわち、置き換えという簡易な構成により、自車位置の補正が実現されている。
[3D]また、第1実施形態では、対向車2における継続時間T2と自車両1における継続時間T1との差が継続しきい値未満であることを条件として、自立航法基づく算出自車位置P1と、S430で算出された自車位置P4との中間となる位置に、算出自車位置P1を置き換える補正を行っている(S435〜S440)。これにより、自車両1の自立航法の継続時間T1と対向車2の自立航法の継続時間T2とがほぼ同じ値である場合は、自立航法の継続による検出誤差が抑制されるように、算出自車位置P1を補正することができる。結果として、自車位置を精度よく検出することができる。
[3E]第1実施形態では、GPS受信困難エリアに侵入する前に、自立航法に基づく算出自車位置を補正するため、仮にGPS受信困難エリア内でGPSリセットを実行できなかったとしても、自立航法による検出誤差を抑制することができる。
[3F]第1実施形態では、GPS受信困難エリアを走行中であっても、GPS受信困難エリアで道路標示を検出可能であれば、自車位置を精度よく検出できる。このため、GPS受信困難エリアから抜け出してGPS用の人工衛星からの測位信号を受信できるエリアに侵入した際に、いわゆるGPSコールドスタート時間(GPS用の人工衛星の現在状態について正確な情報の無い状態から、GPS用の人工衛星からの測位信号を用いて自車位置を検出するために要する時間)を短縮することができる。
なお、第1実施形態では、カメラ21〜24が「撮像装置」の一例に相当し、ジャイロスコープ41、車速センサ42、及びGセンサ43が「自立センサ」の一例に相当する。また、S105〜S110、S205〜S210、S305〜S310の処理が「画像生成手段」としての処理の一例に相当し、S115、S215、S315の処理が「標示認識手段」としての処理の一例に相当する。また、S120、S225の処理が「地図データ取得手段」としての一例に相当し、S125〜S130、S230〜S235の処理が「位置補正手段」としての一例に相当する。また、S320〜S335の処理が「カウント手段」としての一例に相当する。また、S150〜S155の処理が「他車両認識手段」としての処理の一例に相当し、S410の処理が「他車位置取得手段」としての処理の一例に相当し、S415〜S425の処理が「相対位置算出手段」としての処理の一例に相当する。また、S435〜S450の処理が「他車利用補正手段」としての処理の一例に相当し、S10の処理が「位置更新手段」としての処理の一例に相当し、S410の処理が「継続時間取得手段」としての処理の一例に相当し、S430の処理が「自車位置算出手段」としての処理の一例に相当する。
[4.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
[4A]上記実施形態では、撮像画像における自車両1の位置は一定であり、撮像画像における道路標示と地図画像における道路標示との対比によって、地図画像における自車位置が特定されていた。これに対し、次に図12を用いて説明するように、道路標示の形状を利用して地図画像における自車位置を特定してもよい。
前述のように、地図データベース51に記憶されている地図データが表す地図には、道路標示(位置及び形状)が詳細に(正確に)示されているため、地図データが表す地図の縮尺と地図データが表す地図における道路標示の寸法とから、実際の道路標示の寸法が算出される。すなわち、撮像画像と地図画像との対比によって地図画像における撮像画像の位置(撮像範囲)が特定された後に、撮像画像における道路標示の寸法と当該道路標示に対する自車両1の位置とに基づいて、算出自車位置P1を求めることができる。
具体的には、まず、図12に示す自車両1の進行方向前方右側の車両基準点B1の絶対座標を算出する。ここでは、一例として、横断歩道201の停止線202の長さをK1とし、幅をK3とし、自車両1の進行方向における停止線202から車両基準点B1までの距離を進行方向距離Tとし、道路の幅方向における中央線(白線)207から車両基準点B1までの幅方向距離をSとする。すなわち、停止線202の幅K3に対する進行方向距離T、及び停止線202の長さK1に対する幅方向距離Sの比例関係と、地図データが表す地図から算出される停止線202の長さK1及び幅K3の実際の長さとから、進行方向距離T及び幅方向距離Sの実際の長さが算出される。そして、停止線202の幅方向右側の道路標示基準点A1の絶対位置は地図データが表す地図から明らかであるため、算出した進行方向距離T及び幅方向距離Sの実際の長さに基づいて、車両基準点B1の絶対位置が算出される。
自車両1の中央位置を算出自車位置P1とし、自車両1の長手方向の長さSH、及び幅SWの長さについての実際の値が予め地図データベース51に記憶されているとすると、算出自車位置P1は、図12に示すように、車両基準点B1から自車両1の進行方向にSH/2、及び幅方向にSW/2ずれた位置として求められる。
なお、ここでは、停止線202を算出自車位置P1を求めるための基準とする道路標示として用いたが、算出自車位置P1を求めるために基準として用いる道路標示は、これに限るものではない。この他に、例えば、横断歩道201の幅K2及び長さK4、中央線207の幅F等のように、撮像画像における道路標示の各部の長さに基づいて、算出自車位置P1を求めてもよい。
[4B]上記実施形態の対向車更新処理では、S150で取得した撮像情報に基づく撮像画像を用いて、自車両1の算出自車位置P1を特定していた。これに対し、例えば、図10に示すS440の後に、S150及びS415と同様の処理を追加して撮像情報を取得して当該撮像情報に基づく撮像画像を生成し、さらに生成した撮像画像において道路の幅方向における自車位置を算出する処理を追加して、算出自車位置P1を特定してもよい。算出自車位置P1の特定は、第1実施形態と同様に、地図画像と撮像画像との対比によって地図画像における自車位置を特定するようにしてもよい。または、他の実施形態[4A]と同様に、例えば図13に示す撮像画像における道路幅RW、中央線208の幅E、及び道路の端を示す区画線209の幅F等に基づいて、自車両1の進行方向後方左側の車両基準点C1から算出自車位置P1を算出するようにしてもよい。これにより、算出自車位置P1の道路の幅方向成分については、図5のS150で取得した撮像情報と比べて、直近に取得した撮像情報に基づく撮像画像から算出されるため、より正確に算出自車位置P1の補正を行うことができる。
[4C]上記実施形態では、破線状の白線として、道路の中央に描画されている区画線(例えば図6に示す破線状の白線203)や、複数の車線の境界を示す区画線(例えば図7に示す破線状の白線206)が一例として挙げられていたが、破線状の白線は、これらに限るものではない。例えば、破線状の白線は、路側帯を示す区画線の一部(駐停車禁止路側帯に含まれる破線状の白線)等であってもよい。また、単位ラインの形状は、破線状の白線の種類に従って定められている形状であればよい。
[4D]上記実施形態では、自車位置算出処理において、撮像画像において道路標示(特徴道路標示及び破線状の白線)及び対向車2が認識されない場合はGPSリセットが実行されていたが、自車位置算出処理においてGPSリセットが実行されない構成であってもよい。また、自車位置算出処理において、破線状の白線を用いて自車両1の算出自車位置P1の補正を行う処理や、対向車リセットが実行されない構成であってもよい。
[4E]上記実施形態では、撮像部20は4つのカメラ21〜24を備えていたが、カメラの数はこれに限らない。例えば、撮像部20は、前方カメラ21及び後方カメラ22の2台を備えるように構成されてもよい。または、撮像部20は、前方カメラ21を1台備える構成、あるいは後方カメラ22を1台備える構成であってもよい。また、撮像部20が備えるカメラは、鉛直方向真上から道路を撮像するように、車両1に設置されていてもよい。
[4F]上記実施形態では、自車両1が自立航法に基づく算出自車位置P1(P)から道なりに進むと仮定した場合に、GPS受信困難エリアに自車両1が侵入するまでの距離が所定距離未満となった場合に、GPSリセットが実行されていた。これに対し、例えば、自車位置検出装置10を用いたナビゲーション装置において現在位置から目的地までのルートが設定されており、当該ルート上にGPS受信困難エリアが存在する場合のように、GPS受信困難エリアを通過することが確実である場合に、GPSリセットが実行されてもよい。
[4G]上記形態のS445〜S450では、一例として、対向車2の算出自車位置P2を基準として算出した自車位置P4に、自車両1の算出自車位置P1が補正される例が示されていたが、これに限るものではない。例えば、自車両1の継続時間T1と対向車2の継続時間T2とを比較して、継続時間T2及び継続時間T1の大きさに応じて重み付けを行い、継続時間が短い対向車2の算出自車位置P2を基準として算出した自車位置P4により近い位置に、補正後の算出自車位置P1を定めるようにしてもよい。
[4H]上記実施形態では、対向車更新処理において、対向車2の走行データを利用して自車両1の算出自車位置P1の補正を実行していたが、これに限るものではない。例えば、走行方向が自車両1の走行方向と同じ他車両の走行データを利用して、算出自車位置P1の補正を実行してもよい。
[4I]上記実施形態では、地図画像を表す地図データを、車両1に搭載された自車位置検出装置10の地図データベース51から取得していたが、本実施形態に用いられる地図データはこれに限るものではない。例えば、本実施形態に用いられる地図データは、クラウド経由で取得された地図データであってもよい。また例えば、本実施形態に用いられる地図データは、地域の道路管理局等のローカルサーバから取得した道路封鎖状況が反映された地図を表す地図データや、観光局等のローカルサーバから取得した催事(例えば祭事による通行止め等)の状況が反映された地図を表す地図データ等であってもよい。
[4J]上記実施形態では、地図データの表す地図画像には道路標示の形状が詳細に示されていたが、これに限らず、正確な道路形状(道路幅、道路の前後の傾き及び幅方向の傾き、砂利道であるか舗装道路であるか等の整備状態等を含む)が示されていてもよい。また、地図データが表す地図画像には、道路標識、道路に設けられている看板、道路近くの建築物等のような、道路周辺の構造物の形状(及び位置)が詳細に示されていてもよい。このような地図データを用いれば、撮像画像におけるこれらの道路形状や道路周辺の構造物の形状と、地図画像におけるこれらの形状とを対比させて、上記実施形態と同様に、自車位置を精度よく検出することができる。
[4K]上記実施形態では、前回のリセットから所定のリセット期間が経過している場合に、リセット周期であると判定していたが、前回のリセットが行われたときの自車位置から所定のリセット距離を走行している場合に、リセット周期であると判定してもよい。
[4L]上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
[4M]本発明は、前述した自車位置検出装置10の他、当該自車位置検出装置10を構成する制御装置、当該制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、自車位置算出方法など、種々の形態で実現することができる。
1…車両(自車両) 2…他車両(対向車) 10…自車位置検出装置 11…無線通信装置 20…撮像部 21…前方カメラ 22…後方カメラ 23…右側方カメラ 24…左側方カメラ 40…位置検出部 41…ジャイロスコープ 42…車速センサ 43…Gセンサ 51…地図データベース 61…制御装置 62…CPU 63…ROM 64…RAM。

Claims (5)

  1. 車両で用いられる自車位置検出装置(10)であって、
    自車両に取り付けられた撮像装置(21〜24)からの撮像情報に基づいて、自車両周辺の道路を鉛直方向に見下ろした撮像画像を生成する画像生成手段(S105〜S110、S205〜S210、S305〜S310)と、
    前記撮像画像において、道路に描画された道路標示の形状を認識する標示認識手段(S115、S215、S315)と、
    前記道路標示の形状が含まれた地図画像を表す地図データを取得する地図データ取得手段(S120、S225)と、
    前記標示認識手段により認識された前記道路標示の形状と、前記地図画像に含まれる前記道路標示であって自車両周辺に存在する前記道路標示の形状と、を対比して自車両の絶対位置を補正する位置補正手段(S125〜S130、S230〜S235)と、
    を備えることを特徴とする自車位置検出装置。
  2. 請求項1に記載の自車位置検出装置であって、
    複数の単位ラインにより構成される破線状のラインが前記道路標示として前記標示認識手段により認識された場合に、他の前記道路標示の位置を基準とした識別番号を前記単位ラインごとに割り当てるカウント手段(S320〜S335)と、
    を備え、
    前記位置補正手段(S230)は、前記標示認識手段により認識された前記道路標示が前記単位ラインである場合に、前記地図画像に含まれる前記道路標示であって自車両周辺に存在する前記道路標示の中から、当該単位ラインに対応する前記道路標示を前記識別番号に基づいて特定すること、
    を特徴とする自車位置検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自車位置検出装置であって、
    自車両周辺に存在する他車両を前記撮像情報に基づいて認識する他車両認識手段(S150〜S155)と、
    前記他車両認識手段により認識された前記他車両から、当該他車両の絶対位置を無線通信により取得する他車位置取得手段(S410)と、
    前記他車両が認識された前記撮像画像に基づいて、自車両に対する前記他車両の相対位置を算出する相対位置算出手段(S415〜S425)と、
    前記他車位置取得手段により取得された前記他車両の絶対位置と、前記相対位置算出手段により算出された前記相対位置とに基づいて、自車両の絶対位置を補正する他車利用補正手段(S435〜S450)と、
    を備えることを特徴とする自車位置検出装置。
  4. 請求項3に記載の自車位置検出装置であって、
    自車両の挙動変化を検出する自立センサ(41、42、43)の出力値に基づいて自車両の絶対位置を更新する位置更新手段(S10)と、
    前記他車両において前記自立センサの出力値に基づいて当該他車両の絶対位置が更新されている継続時間を、当該他車両から無線通信により取得する継続時間取得手段(S410)と、
    前記他車位置取得手段により取得された前記他車両の絶対位置と、前記相対位置算出手段により算出された前記相対位置とに基づいて、自車両の絶対位置を算出する自車位置算出手段(S430)と、
    を備え、
    前記他車利用補正手段(S445〜S450)は、前記継続時間取得手段により取得された前記他車両における前記継続時間が、自車両における前記継続時間よりも短いことを条件として、前記位置更新手段により更新された自車両の絶対位置に対する補正後の自車両の絶対位置の距離と比較して、前記自車位置算出手段により算出された自車両の絶対位置に対する補正後の自車両の絶対位置の距離が短くなるように、自車両の現在位置を補正すること、
    を特徴とする自車位置検出装置。
  5. 請求項3に記載の自車位置検出装置であって、
    自車両の挙動変化を検出する自立センサ(41、42、43)の出力値に基づいて自車両の絶対位置を更新する位置更新手段(S10)と、
    前記他車両において前記自立センサの出力値に基づいて当該他車両の絶対位置が更新されている継続時間を、当該他車両から無線通信により取得する継続時間取得手段(S410)と、
    前記他車位置取得手段により取得された前記他車両の絶対位置と、前記相対位置算出手段により算出された前記相対位置とに基づいて、自車両の絶対位置を算出する自車位置算出手段(S430)と、
    を備え、
    前記他車利用補正手段(S435〜S440)は、前記継続時間取得手段により取得された前記他車両における前記継続時間と、自車両における前記継続時間との差が所定のしきい値未満であることを条件として、前記位置更新手段により更新された自車両の絶対位置と前記自車位置算出手段により算出された自車両の絶対位置との中間となる位置に、自車両の絶対位置を補正すること、
    を特徴とする自車位置検出装置。
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