JP2015112995A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】側方衝突の荷重を局所的に受けた場合でも、車幅方向に並ぶ車両用シート間で衝撃荷重を入力側から反対側まで伝達し、車室の変形を抑制する車両用シートを提供する。【解決手段】車両用シート1は、アームレスト13を挟んで右側シート11及び左側シート12を配置する。外側フレーム111,121及び内側フレーム112,122は、右側シート11及び左側シート12のそれぞれに内蔵される。第1のリンク113,123は、外側フレームの前部を内側フレームの後部へ連結する。第2のリンク114,124は、外側フレームの後部を内側フレームの前側に連結する。センタフレーム131,132は、右側シート11及び左側シート12のそれぞれ内側フレーム112,122に対峙する。センタリンク133A〜133Dは、アームレスト13の軸部14を中心に互いに点対称となる一方のセンタフレームの前部を他方のセンタフレームの後部に連結する。【選択図】 図1
Description
本発明は、車両が側方衝突を受けた場合にその荷重をシートバックに伝達させる車両用シートに関する。
車幅方向に沿う荷重伝達部材をシートバックに内蔵する車両用シートがある。この車両用シートを装備する車両が側方衝突を受けた場合、シートバックに内蔵された荷重伝達部材を介して、衝突を受けた側と反対側にその衝突荷重を伝達する。車体が車室内へ侵入するように変形することを抑制し、サイドエアバッグなどの安全装置が円滑に作動するように、乗員と車体との間に十分な空間を確保する。
特許文献1に記載された車両用シートによれば、運転席及び助手席の各シートバックの上部に、側方衝突の際に車体側壁側から受けた衝撃荷重を側方に伝達する高剛性の補強部材を車幅方向に内設している。そして、互いのシートバックの上部の間に位置するように伝達用補強部材を内蔵した荷重伝達体を運転席に有している。運転席側または助手席側の車体に側方衝突を受けると、その衝撃荷重によって車体が車室内へ侵入するように変形し、運転席または助手席に衝突する。
例えば、運転席側において側方衝突が起こった場合、車室へ侵入してきた車体が運転席のシードバックに当たると、その衝撃荷重は補強部材及び伝達用補強部材を介して助手席側の補強部材へ伝達される。そして、助手席側の補強部材は、側方衝突を受けた側に対して反対側の車体へ衝撃荷重を伝達する。これにより、車室の変形を軽減し、乗員を保護する。
ところで、車体が局所的に変形して車室に侵入してくるような側方衝突の場合、車体が車両用シートと干渉し、車両用シートが回転してしまうことがある。そのような場合、運転席側と助手席側のシートバックの位置がずれてしまい、側方から入力された衝突荷重を反対側へシートバックを介して適切に伝達できなくなる可能性がある。また、側方衝突によって車体が変形する位置は衝突条件によってさまざまであり、また、シートバックの位置も乗員の好みによって調整されているので、シートバックに対して前寄りまたは後ろ寄りのどの位置の車体が変形するかさまざまである。
そこで、本発明は、側方衝突の荷重を局所的に受けた場合でも、車幅方向に並ぶ車両用シート間で衝撃荷重を入力側から反対側まで伝達し、車室の変形を抑制する車両用シートを提供する。
本発明に係る一実施形態の車両用シートは、可倒式のアームレストを間に介在させて右側シート及び左側シートを車幅方向に並べて配置した車両用シートであって、外側フレームと内側フレームと第1のリンクと第2のリンクとセンタフレームとセンタリンクとを備える。外側フレームは、右側シート及び左側シートのシートバックの車幅方向の外側にそれぞれ内蔵され、車両の前後方向へ幅を有している。内側フレームは、右側シート及び左側シートの車幅方向の内側に外側フレームと対向して配置され、車両の前後方向へ幅を有している。第1のリンクは、一端が外側フレームの前部に可動可能に連結され、他端が内側フレームの後部に可動可能に連結される。第2のリンクは、一端が外側フレームの後部に回動可能に連結され、他端が内側フレームの前側に可動可能に連結される。センタフレームは、アームレストの車幅方向両側に一対で内蔵され、右側シート及び左側シートのそれぞれ内側フレームに対峙する。センタリンクは、センタフレームどうしの間に配置され、アームレストを回動させるために車幅方向に沿って配置された軸部を中心に互いに点対称となる位置の一方のセンタフレームの前部を他方のセンタフレームの後部に連結する。
このとき、第1のリンク及び第2のリンクは、右側シート及び左側シートのそれぞれのシートバックに少なくとも2組ずつ第1のリンクと第2のリンクが交互に位置するように組み込まれる。また、アームレストは、右側シート及び左側シートのどちらか一方の内側フレームに対して軸部で回動可能に連結される。また、右側シート及び左側シートのそれぞれ内側フレームは、車両の前後方向での中間部分が車幅方向に内側へ突出しており、センタフレームは、内側フレームに対応して内側に凹んでいる。また、外側フレームの後部と内側フレームの後部を連結する第1のダンパと、センタフレームの後部どうしを連結する第2のダンパとをさらに備えてもよい。
本発明に係る車両用シートによれば、第1のリンク及び第2のリンクで連結された外側フレーム及び内側フレームを各シートのシートバックに内蔵し、センタリンクで連結されたセンタフレームをアームレストに内蔵している。車両が側方衝突を受けたことによって車体が局所的に変形して車室側へ侵入する場合、シートバックに内蔵されている第1のリンクと第2のリンク、及びアームレストに内蔵されているセンタリンクを介して衝撃荷重が入力されたシート側から反対側のシートまで衝撃荷重を伝達するので、車室の変形を軽減することができる。
特に、第1のリンク、第2のリンク及びセンタリンクが上述のように構成されているので、車体の前後方向へ偏って衝撃荷重がシートバックに入力されても、そのシートバックに内蔵された外側フレームの変位は、内側フレームにおいて車両の前後方向に対して逆向きに変換される。つまり、衝撃荷重が車両の前後方向へ偏って入力された側の外側フレーム及び内側フレームの車幅方向の距離が縮まり、その反対側の外側フレーム及び内側フレームの車幅方向の距離が広がる。その結果、局所的に入力された衝撃荷重によってシートを回転させる力が抑制され、かつ、衝撃荷重を入力側からその反対側へ効率よく伝達することができる。車体が変形した側の衝撃荷重を反対側に位置する車体に伝達することによって、車室の変形を抑制し、乗員に対する空間を確保する。
さらに、アームレストに内蔵されたセンタリンクは、軸部を中心に互いに点対称となる位置の一方のセンタフレームの前部を他方のセンタフレームの後部に連結するように構成されている。アームレストは、シートバックに沿う方向へ立てられた格納状態と、シートバックから引き出された利用状態と、に回動されるが、いずれの状態においても一方のセンタフレームの前側に入力された衝撃荷重は、車幅方向に反対側のセンタフレームの後側に伝達される。同様に一方のセンタフレームの後側に入力された衝撃荷重は車幅方向に反対側のセンタフレームの前側に伝達される。つまり、上述の構成であることによって、アームレストがどの角度に保持されていても、右側シートと左側シートとの間で衝撃荷重を伝達することができる。
第1のリンク及び第2のリンクが右側シート及び左側シートのそれぞれのシートバックのそれぞれに少なくとも2組ずつ第1のリンクと第2のリンクとが交互に位置するように組み込まれている発明の車両用シートによれば、外側フレームに入力される衝撃荷重を第1のリンク及び第2のリンクを介して内側フレームに伝達することができる。
アームレストが右側シート及び左側シートのどちらか一方の内側フレームに対して軸部で回動可能に連結される発明の車両用シートによれば、シートバックとこれに連結されたアームレストとの間の相対位置が常に一定であるので、衝撃荷重を伝達することができる。
右側シート及び左側シートのそれぞれ内側フレームが車両の前後方向での中間部分が車幅方向へ内側に突出しており、センタフレームが内側フレームに対応して内側に凹んでいる発明の車両用シートによれば、車両の前後方向へ偏って外側フレームに衝撃荷重が入力されたことに伴い衝撃荷重が加わる方向に対して内側フレームが傾いても、内側フレームとセンタフレームとが嵌合してシートバックとアームレストとの間に滑りを生じさせない。
外側フレームの後部と内側フレームの後部を連結する第1のダンパ、センタフレームの後部どうしを連結する第2のダンパをそれぞれ備える発明の車両用シートによれば、衝撃荷重によって外側フレーム及び内側フレームが変位する角度及びセンタフレームが変位する角度をそれぞれ調整しやすくなる。したがって衝撃荷重を入力された側から反対側へより効率よく伝達することができる。
本発明に係る第1の実施形態の車両用シートは、図1から図7を参照して説明する。この実施形態では、以下の説明の便宜上、車両の進行方向を基準に「前」、「後」、「右」、「左」を、重力の作用する方向を基準に「上」、「下」を、車両用シートが設置される車室の中心に向かう方向へ「内側」、車室の中心から離れる方向へ「外側」をそれぞれ定義する。
本実施形態の車両用シート1は、図1に示すように、右側シート11と左側シート12を車幅方向へ並べて配置しており、これらの間にアームレスト13を有している。この実施形態では右側シート11が運転席、左側シート12が助手席として構成された前部シートを例に説明する。本実施形態においてアームレスト13は、右側シート11のシートバック11Aの側部に連結されている。右側シート11のシートクッション11Bは、車幅方向にシートバック11Aとアームレスト13とを足し合わせた幅を有している。右側シート11のシートクッション11Bと左側シート12のシートクッション12Bは、いわゆる「ベンチシート」のように略隙間なく接している。アームレスト13は、車幅方向に沿って配置された軸部14を中心に回動可能であり、図1に示すように、右側シート11及び左側シート12のシートバック11A,12Aから前方へ延びるように倒された利用状態P1で、上面となる部分がほぼ平らに形成されている。また、アームレスト13は、シートバック11A,12Aに沿って上方へ延びる位置に回動された図4に示す格納状態P2で、右側シート11のシートバック11Aとほぼ面一になる。この車両用シート1は、図2に示す荷重伝達構造10をシートバック11A,12A及びアームレスト13に内蔵している。
荷重伝達構造10は、図2に示すように、外側フレーム111,121と内側フレーム112,122と第1のリンク113,123と第2のリンク114,124とセンタフレーム131,132とセンタリンク133A,133B,133C,133Dとで構成される。外側フレーム111,121は、右側シート11及び左側シート12のシートバック11A,12Aの車幅方向の外側にそれぞれ内蔵されており、車両の前後方向に幅を有している。内側フレーム112,122は、右側シート11及び左側シート12のシートバック11A,12Aの車幅方向鵜の内側にそれぞれ内蔵されており、車両の前後方向に幅を有している。本実施形態において外側フレーム111,121及び内側フレーム112,122は、図2に示すように、前縁に沿う前ロッド111A,112A,121A,122A及び後縁に沿う後ロッド111B,112B,121B,122Bをそれぞれ有している。前ロッド111A,112A,121A,122A及び後ロッド111B,112B,121B,122Bは略平行に配置されている。外側フレーム111,121及び内側フレーム112,122は、前ロッド111A,112A,121A,122Aと後ロッド111B,112B,121B,122Bとを連結するように、パネル形状であってもよいしブレースによって組み立てられていてもよい。
図2及び図3の(A)に示すように、第1のリンク113,123は、一端が外側フレーム111,121の前部すなわち前ロッド111A,121Aの上下2箇所に稼働可能に連結され、他端が内側フレーム112,122の後部すなわち後ロッド112B,122Bの上下2箇所に稼働可能に連結されている。一方、第2のリンク114,124は、一端が外側フレーム111,121の後部すなわち後ロッド111B,121Bの上下2箇所に稼働可能に連結され、他端が内側フレーム112,122の前部すなわち前ロッド112A,122Aの上下2箇所に連結されている。このとき第1のリンク113,123と第2のリンク114,124が干渉することなく立体交差するように、前ロッド111A,112A,121A,122A及び後ロッド111B,112B,121B,122Bに対して高さを変えて連結される。第1のリンク113,123及び第2のリンク114,124は、右側シート11及び左側シート12のそれぞれのシートバック11A,12Aに少なくとも2つずつ組み込まれている。本実施形態では、図2に示すように、第1のリンク113,123と第2のリンク114,124とが交互に配置されている。
また、センタフレーム131,132は、右側シート11及び左側シート12のそれぞれ内側フレーム112,122に対峙するように、アームレスト13の車幅方向の両側に一対で内蔵されている。センタフレーム131,132には、アームレスト13を前後に回動させるために車幅方向に沿って配置された軸部14を中心に互いに点対称となる位置の前部及び後部にそれぞれ上下2箇所ずつ連結点が形成されている。そして、一方のセンタフレーム131(132)の前部を連結点と他方のセンタフレーム132(131)の後部の連結点とを連結するように、一対のセンタフレーム131,132どうしの間にセンタリンク133A,133B,133C,133Dが配置されている。具体的には、図5に示すようにアームレスト13を前方へ倒し、図1に示すように利用状態P1にした状態で、センタリンク133Aは、センタフレーム131の前部の上側の連結点とセンタフレーム132の後部の下側の連結点とを連結している。センタリンク133Bは、センタフレーム131の前部の下側の連結点とセンタフレーム132の後部の上側の連結点とを連結している。センタリンク133Cは、センタフレーム131の後部の下側の連結点とセンタフレーム132の前部の上側の連結点とを連結している。センタリンク133Dは、センタフレーム131の後部の上側の連結点とセンタフレーム132の前部の下側の連結点とを連結している。なお、センタリンク133A,133B,133C,133Dは、各々の端部が自在継手で連結されている。本実施形態において、センタフレーム131,132は、ほぼ正方形のパネル形状であり、直方体の対面に位置する一対の側壁を成すように配置されている。
センタリンク133A,133B,133C,133Dは、図4及び図5に示すように、センタフレーム131,132を対面とする直方体の対角を連結するように、それぞれのセンタフレーム131,132の角部に連結されている。それぞれのセンタリンク133A,133B,133C,133Dは、図2、図4、図5に示すように、中央部で干渉しないように、緩やかな円弧状に湾曲している。図4は、アームレスト13が格納状態P2であるときのセンタフレーム131,132及びセンタリンク133A,133B,133C,133Dの配置を示しており、図5は、利用状態P1になるようにアームレスト13を前方へ倒す途中の状態を示す。図4及び図5から分かるように、センタリンク133A,133B,133C,133Dは、アームレスト13を右側シート11の内側フレーム112に連結された軸部14を中心に、4回回転対称となるように、すなわち90°回転させると同じ形状になるように、構成されている。つまり、センタフレーム131,132及びセンタリンク133A,133B,133C,133Dは、アームレスト13が利用状態P1であるときと格納状態P2であるときとで同じ配置構造になる。
なお、センタフレーム131,132の外周縁の一部が互いに近づくと軸部14を中心に反対側の位置のセンタフレーム131,132の外周縁が互いに遠ざかるように、センタフレーム131,132及びセンタリンク133A,133B,133C,133Dが構成されていればよい。したがって、一対のセンタフレーム131,132の間の位置でセンタフレーム131,132を底面とする四角錐の頂点がジンバルのように自在継手で連結された構造でもよい。
以上のように構成された車両用シート1によれば、車両が側方衝突を受けた際に車体が車室の内側に局部的に変形した場合、荷重伝達構造10が内蔵された車両用シート1のシートバック11A,12A及びアームレスト13を介して衝撃荷重を受けた側から反対側まで伝達することによって、車室の変形を軽減することができる。その機構について、図3、図6及び図7を用いてさらに詳述する。
まず、図3(A)に示すように右側シート11及び左側シート12のシートバック11A,12Aが車幅方向に並ぶ状態で、図3(B)に示すように進行方向に前寄りの右側方から荷重を受けた場合の荷重伝達構造10の動作について説明する。図3(B)に示すように、右側方から荷重を受けて右側シート11の外側フレーム111の前ロッド111Aが車室の内側(左側)に向かって変位すると、前ロッド111Aに連結されている第1のリンク113によって、内側フレーム112の後ロッド112Bも車室の内側(左側)に向かって変位させられる。この結果、右側シート11の外側フレーム111と内側フレーム112の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。
右側シート11の内側フレーム112に対向するアームレスト13のセンタフレーム131は、内側フレーム112に軸部14で連結されているので、前縁が車幅方向外側(右側)へ、後縁が車幅方向内側(左側)へ、それぞれ相対的に変位するように内側フレーム112とともに傾く。このとき、センタフレーム131,132及びセンタリンク133A,133B,133C,133Dは、上述のように利用状態P1及び格納状態P2のいずれの場合でも同じように作動する。したがって、荷重の入力があった時にセンタフレーム131,132の前方に面している部分を前縁、後方に面している部分を後縁とすると、一対のセンタフレーム131,132の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
左側シート12の内側フレーム122に対向しているアームレスト13のセンタフレーム132の前縁が外側へ開くように変位することによって、左側シート12の内側フレーム122の前縁が車幅方向外側(左側)へ押される。左側シート12の内側フレーム122の前縁に配置された前ロッド122Aには第2のリンク124が連結されているので、左側シート12の外側フレーム121の後ロッド121Bが車幅方向外側(左側)へ押し出される。この結果、左側シート12の外側フレーム121と内側フレーム122の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。
このように、車両用シート1に内蔵された荷重伝達構造10は、右側シート11の外側フレーム111の前寄りの右側方から衝撃荷重を受けると、荷重を受けた反対側となる左側シート12の外側フレーム121の後縁まで荷重を伝達する。この左側シート12の外側フレーム121の後縁が車室の内壁に当接することで、荷重伝達構造10は、荷重が入力される側のシートが回転してしまうこと及び車室空間が狭まることを抑制できるので、側方衝突の際の乗員を保護するための空間を確保しやすい。
次に、右側シート11及び左側シート12が図3(A)のように並んでいる状態で図3(C)に示すように進行方向に後寄りの右側方から荷重を受けた場合の荷重伝達構造10の動作について説明する。図3(C)に示すように、右側シート11の外側フレーム111の後ロッド111Bが車室の内側に向かって変位すると、後ロッド111Bに連結されている第2のリンク114によって、内側フレーム112の前ロッド112Aも車室の内側(左側)に向かって変位させられる。この結果、右側シート11の外側フレーム111と内側フレーム112の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
右側シート11の内側フレーム112に対向するアームレスト13のセンタフレーム131は、内側フレーム112に軸部14で連結されているので、前縁が車幅方向内側(左側)へ、後縁が車幅方向外側(右側)へ、それぞれ相対的に変位するように内側フレーム112とともに傾く。この結果、一対のセンタフレーム131,132の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。
左側シート12の内側フレーム122に対向しているアームレスト13のセンタフレーム131,132の後縁が外側へ開くように変位することによって、左側シート12の内側フレーム122の後縁が車幅方向外側(左側)へ押される。左側シート12の内側フレーム122の後縁に配置された後ロッド122Bには第1のリンク123が連結されているので、左側シート12の外側フレーム121の前ロッド121Aが車幅方向外側(左側)へ押し出される。この結果、左側シート12の外側フレーム121と内側フレーム122の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
このように、車両用シート1に内蔵された荷重伝達構造10は、右側シート11の外側フレーム111の後寄りの右側方から衝撃荷重を受けると、荷重を受けた反対側となる左側シート12の外側フレーム121の前縁まで荷重を伝達する。この左側シート12の外側フレーム121の前縁が車室の内壁に当接することで、荷重伝達構造10は、荷重が入力される側のシートが回転してしまうこと及び車室空間が狭まることを抑制できるので、側方衝突の際の乗員を保護するための空間を確保しやすい。
次に、右側シート11及び左側シート12の位置が車幅方向に並んでいない場合における荷重伝達構造10の動作について、図6及び図7を参照して説明する。
まず、図6(A)に示すように左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも前に位置する状態で、進行方向に前寄りの右側方から荷重を受けた場合の荷重伝達構造10の動作を図6(B)に示す。右側シート11の前寄りに右側方から荷重を受け、右側シート11の外側フレーム111の前ロッド111Aが車室の内側(左側)に向かって変位すると、前ロッド111Aに連結された第1のリンク113を介して内側フレーム112の後ロッド112Bも車室の内側(左側)に向かって変位させられる。この結果、右側シート11の外側フレーム111と内側フレーム112の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。この点は図3に示した場合と同じである。そして、右側シート11の内側フレーム112に軸部14で連結されたセンタフレーム131もまた図3と同様に変位する。つまり、一対のセンタフレーム131,132の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
まず、図6(A)に示すように左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも前に位置する状態で、進行方向に前寄りの右側方から荷重を受けた場合の荷重伝達構造10の動作を図6(B)に示す。右側シート11の前寄りに右側方から荷重を受け、右側シート11の外側フレーム111の前ロッド111Aが車室の内側(左側)に向かって変位すると、前ロッド111Aに連結された第1のリンク113を介して内側フレーム112の後ロッド112Bも車室の内側(左側)に向かって変位させられる。この結果、右側シート11の外側フレーム111と内側フレーム112の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。この点は図3に示した場合と同じである。そして、右側シート11の内側フレーム112に軸部14で連結されたセンタフレーム131もまた図3と同様に変位する。つまり、一対のセンタフレーム131,132の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
図6のように、左側シート12が右側シート11よりも少し前に位置していても、左側シート12の内側フレーム122に対向しているアームレスト13のセンタフレーム132の前縁が外側へ開くように変位すると、これに倣って左側シート12の内側フレーム122は、前縁が外側(左側)に押される。左側シート12の内側フレーム122の前ロッド122Aに連結された第2のリンク124を介して外側フレーム121の後ロッド121Bが車幅方向外側(左側)へ押し出される。この結果、図3の場合と同様に、左側シート12の外側フレーム121及び内側フレーム122の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。
このように、左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも少し前に位置していても、荷重伝達構造10は、右側シート11の外側フレーム111の前寄りに右側方から衝撃荷重を受けると、荷重を受けた反対側となる左側シート12の外側フレーム121の後縁まで荷重を伝達する。
また、図6(A)に示すように左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも前に位置する状態で、進行方向に後寄りの右側方から荷重を受けた場合の荷重伝達構造10の動作を図6(C)に示す。右側シート11の後寄りに右側方から荷重を受け、右側シート11の外側フレーム111の後ロッド111Bが車室の内側(左側)に向かって変位すると、後ロッド111Bに連結された第2のリンク114を介して内側フレーム112の前ロッド112Aも車室の内側(左側)に向かって変位させられる。この結果、右側シート11の外側フレーム111と内側フレーム112の後縁が互いに近づき前縁が互いに遠ざかる。この点は図3に示した場合と同じである。そして、右側シート11の内側フレーム112に軸部14で連結されたセンタフレーム131もまた図3の場合と同様に変位する。つまり、一対のセンタフレーム131,132の後縁が互いに遠ざかり前縁が互いに近づく。
図6のように、左側シート12が右側シート11よりも少し前に位置していても、左側シート12の内側フレーム122に対向しているアームレスト13のセンタフレーム132の後縁が外側へ開くように変位すると、これに倣って左側シート12の内側フレーム122は、後縁が外側(左側)に押される。左側シート12の内側フレーム122の後ロッド122Bに連結された第1のリンク123を介して外側フレーム121の前ロッド121Aが車幅方向外側(左側)へ押し出される。この結果、図3の場合と同様に、左側シート12の外側フレーム121及び内側フレーム122の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
このように、左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも少し前に位置していても、荷重伝達構造10は、右側シート11の外側フレーム111の後寄りに右側方から衝撃荷重を受けると、荷重を受けた反対側となる左側シート12の外側フレーム121の前縁まで荷重を伝達する。
以上のように、左側シート12が右側シートよりも少し前寄りに位置していても、右側シート11の外側フレーム111から左側シート12の外側フレーム121まで衝撃荷重を伝達することができる。したがって、左側シート12の外側フレーム121が車室の内壁に当接することで、荷重伝達構造10は、荷重が入力される側のシートが回転すること及び車室空間が狭まることを抑制する。側方衝突の際に乗員を保護するための空間を保持しやすい。
次に、図7(A)に示すように左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも後に位置する状態で、進行方向に前寄りの右側方から荷重を受けた場合の荷重伝達構造10の動作を図7(B)に示す。右側シート11の前寄りに右側方から荷重を受け、右側シート11の外側フレーム111の前ロッド111Aが車室の内側(左側)に向かって変位すると、前ロッド111Aに連結された第1のリンク113を介して内側フレーム112の後ロッド112Bも車室の内側(左側)に向かって変位させられる。この結果、右側シート11の外側フレーム111と内側フレーム112の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。この点は図3や図6に示した場合と同じである。そして、右側シート11の内側フレーム112に軸部14で連結されたセンタフレーム131もまた図3及び図6と同様に変位する。つまり、一対のセンタフレーム131,132の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
図7のように、左側シート12が右側シート11よりも少し後に位置していても、左側シート12の内側フレーム122に対向しているアームレスト13のセンタフレーム132の前縁が外側へ開くように変位すると、これに倣って左側シート12の内側フレーム122は、前縁が外側(左側)に押される。左側シート12の内側フレーム122の前ロッド122Aに連結された第2のリンク124を介して外側フレーム121の後ロッド121Bが車幅方向外側(左側)へ押し出される。この結果、図3及び図6の場合と同様に、左側シート12の外側フレーム121及び内側フレーム122の前縁が互いに近づき後縁が互いに遠ざかる。
このように、左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも少し後に位置していても、荷重伝達構造10は、右側シート11の外側フレーム111の前寄りに右側方から衝撃荷重を受けると、荷重を受けた反対側となる左側シート12の外側フレーム121の後縁まで荷重を伝達する。
また、図7(A)に示すように左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも後ろに位置する状態で、進行方向に後寄りの右側方から荷重を受けた場合の荷重伝達構造10の動作を図7(C)に示す。右側シート11の後寄りに右側方から荷重を受け、右側シート11の外側フレーム111の後ロッド111Bが車室の内側(左側)に向かって変位すると、後ロッド111Bに連結された第2のリンク114を介して内側フレーム112の前ロッド112Aも車室の内側(左側)に向かって変位させられる。この結果、右側シート11の外側フレーム111と内側フレーム112の後縁が互いに近づき前縁が互いに遠ざかる。この点は、図3及び図6に示した場合と同じである。そして、右側シート11の内側フレーム112に軸部14で連結されたセンタフレーム131もまた図3及び図6の場合と同様に変位する。つまり、一対のセンタフレーム131,132の後縁が互いに遠ざかり前縁が互いに近づく。
図7のように、左側シート12が右側シート11よりも少し後に位置していても、左側シート12の内側フレーム122に対向しているアームレスト13のセンタフレーム132の後縁が外側へ開くように変位すると、これに倣って左側シート12の内側フレーム122は、後縁が外側(左側)に押される。左側シート12の内側フレーム122の後ロッド122Bに連結された第1のリンク123を介して外側フレーム121の前ロッド121Aが車幅方向外側(左側)へ押し出される。この結果、図3及び図6の場合と同様に、左側シート12の外側フレーム121及び内側フレーム122の前縁が互いに遠ざかり後縁が互いに近づく。
このように、左側シート12のシートバック12Aが右側シート11のシートバック11Aよりも少し後に位置していても、荷重伝達構造10は、右側シート11の外側フレーム111の後寄りに右側方から衝撃荷重を受けると、荷重を受けた反対側となる左側シート12の外側フレーム121の前縁まで荷重を伝達する。
そして、右側シート11のシートバック11Aに内蔵された外側フレーム111と内側フレーム112を第1のリンク113と第2のリンク114が交差して連結し、左側シート12のシートバック12Aに内蔵された外側フレーム121と内側フレーム122を第1のリンク123と第2のリンク124が交差して連結し、アームレスト13に内蔵された一対のセンタフレーム131,132をセンタリンク133A,133B,133C,133Dが交差して連結しているので、側方衝突によって側方から入力される荷重によって右側シート11、左側シート12及びアームレスト13のそれぞれを回転させる方向に作用するモーメントが相殺されるため、荷重が入力される位置が真横から外れても、車両用シート1が回転することを抑制する。
以上のように、左側シート12が右側シートよりも少し後寄りに位置していても、右側シート11の外側フレーム111から左側シート12の外側フレーム121まで衝撃荷重を伝達することができる。したがって、左側シート12の外側フレーム121が車室の内壁に当接することで、荷重伝達構造10は、荷重が入力される側のシートが回転すること及び車室空間が挟まることを抑制する。側方衝突の際に乗員を保護するための空間を確保しやすい。
図3、図6、図7では、側方衝突による衝撃荷重が車両用シート1の右の側方から入力される場合を例に説明したが、荷重伝達構造10は、左の側方から衝撃荷重が入力される場合も同様に動作及び機能する。
つまり、第1の実施形態の車両用シート1によれば、側方衝突によって入力される衝撃荷重が車両の前後方向にシートバック11A,12Aの前寄りから後寄りの範囲内のどこであっても、またその際に右側シート11と左側シート12の位置が揃っているか揃っていないかにかかわらず、シートバック11A,12A及びアームレスト13に内蔵された荷重伝達構造10が、どちらか一方の側方から入力された荷重を反対側へ伝達することができるため、側方衝突が起こった際に乗員を保護するための空間を確保しやすい。
本発明に係る第2の実施形態の車両用シート1は、図8を参照して説明する。第1の実施形態の車両用シート1と同じ機能を有する構成は、以下の説明中及び図8中において同一の符号を付し、詳細については第1の実施形態中の対応する記載を参酌することとしてここでの記載を省略する。図8は、車両用シート1のシートバック11A,12A及びアームレスト13に内蔵された荷重伝達構造10を上から見た平面図である。図8(A)では、右側シート11と左側シート12が車両の前後方向へ同じ位置に並んでいる状態を示している。この車両用シート1は、荷重伝達構造10として、外側フレーム111,121、内側フレーム112,122、第1のリンク113,123、第2のリンク114,124、センタフレーム131,132、センタリンク133A,133B,133C,133Dを含む。
この第2の実施形態の車両用シート1は、図8に示すように、外側フレーム111,121、内側フレーム112,122、センタフレーム131,132の形状が第1の実施形態の場合と異なっている。図8(A)に示す第2の実施形態の車両用シート1において、右側シート11及び左側シート12のそれぞれ外側フレーム111,121は、車両の前後方向に有した幅の中間部分が車幅方向へ外側に突出しており、内側フレーム112,122は、車両の前後方向に有した幅の中間部分が車幅方向へ内側に突出している。また、内側フレーム112,122に挟まれるアームレスト13のセンタフレーム131,132は、内側フレーム112,122に対応して車幅方向に内側へ凹んでいる。なお、外側フレーム111,121は、第1の実施形態の外側フレーム111,121と同じ形状でもよい。
以上のように構成された第2の実施形態の車両用シート1は、図8(B)のように車両の前後方向へ前寄りの右側方から衝撃荷重を受けると、第1の実施形態の図3(B)と同様に動作し、荷重を受けた側と反対側の左側へ荷重伝達構造10によって荷重を伝達する。つまり、右側シート11の外側フレーム111に対して前寄りの右側方から入力された荷重は、第1のリンク113、センタリンク133A,133B,133C,133D、および第2のリンク124を介して、左側シート12の外側フレーム121の後縁まで伝達される。
本実施形態の内側フレーム112は、車幅方向に内側へ中間部分が突出した形状であるので、第1のリンク113によって後縁が車幅方向に内側(左側)へ押されると、突出した中間部分から後縁までの範囲の内側フレーム112は、車両の前後方向へ沿う、つまり、車幅方向に直交する向きになる。また、一対のセンタフレーム131,132の後縁が互いに近づき前縁が互いに遠ざかることによって、左側シート12の内側フレーム122の中間部分から後縁までの範囲も車幅方向に略直交する向きになる。
その結果、右側シート11の内側フレーム112、センタフレーム131,132及び左側シート12の内側フレーム122のそれぞれ中間部分よりも後側の部分は、図8(B)に示すように、荷重が入力される方向に対して略垂直な向きに近づくため、荷重を伝達する効率がよくなる。また、車幅方向へ荷重が入力された場合、右側シート11の内側フレーム112とアームレスト13のセンタフレーム131、左側シート12の内側フレーム122とアームレスト13のセンタフレーム132が互いに嵌合し、右側シート11とアームレスト13、左側シート12とアームレスト13のそれぞれ当接面どうしがずれにくくなる。
さらに、右側シート11のシートバック11Aと左側シート12のシートバック12Aが前後方向に揃っていない状態であっても、車幅方向に荷重が加わることで、内側フレーム112,122の凸形状とセンタフレーム131,132の凹形状とが嵌合することによって右側シート11のシートバック11Aと左側シート12のシートバック12Aが前後方向に揃うように矯正される。したがって、荷重伝達構造10が車幅方向へ荷重を伝達する効率が向上する。
また、図8(C)に示すように車両の前後方向へ後寄りの右側方から衝撃荷重を受ける場合、第1の実施形態の図3(C)と同様に作動し、荷重を受けた側と反対側の左側へ荷重伝達構造10によって伝達する。つまり、後寄りの右側方から入力された荷重は、第2のリンク114、センタリンク133A,133B,133C,133D、及び第1のリンク123を介して、左側シート12の外側フレーム121の前縁に伝達される。
また、この荷重伝達構造10に車幅方向に衝撃荷重が加わると、車幅方向へ内側に突出した右側シート11の中間部分よりも前側の部分は、車両の前後方向へ沿う、つまり車幅方向に直交する向きになる。また、車幅方向へ内側に凹んだセンタフレーム131,132の中間部分よりも前側の部分、車幅方向へ内側に突出した左側シート12の中間部分よりも前側の部分は、荷重が入力される方向に対して略垂直な向きに近づくため、荷重を伝達する効率が向上する。以上のように、第2の実施形態の車両用シート1によれば、第1の実施形態の車両用シート1と同様の効果を得られるとともに、入力された荷重を伝達する効率が高い。
本発明に係る第3の実施形態の車両用シート1は、図9を参照して説明する。第1の実施形態の車両用シート1と同じ機能を有する構成は、以下の説明中及び図9中において同一の符号を付し、詳細については第1の実施形態中の対応する記載を参酌することとしてここでの記載を省略する。図9は、車両用シート1のシートバック11A,12A及びアームレスト13に内蔵された荷重伝達構造10を上から見た平面図である。この第3の実施形態の車両用シート1は、図9に示すように、荷重伝達構造10として、外側フレーム111,121、内側フレーム112,122、第1のリンク113,123、第2のリンク114,124、センタフレーム131,132、センタリンク133A,133B,133C,133Dのほかに、第1のダンパ115,125と第2のダンパ135を備えている。図9(A)では、右側シート11と左側シート12が車両の前後方向へ同じ位置に並んでいる状態を示している。
この第3の実施形態の車両用シート1は、図9に示すように、第1のダンパ115,125及び第2のダンパ135を備えている点で、第1の実施形態の車両用シート1と異なる。第1のダンパ115,125及び第2のダンパ135は、短縮方向および伸長方向のいずれにも作用する。図9(A)に示すように、第1のダンパ115は、右側シート11の外側フレーム111の後部(この場合は後ロッド111B)と内側フレーム112の後部(この場合は後ロッド112B)とを連結するように装着されている。第1のダンパ125は、左側シート12の外側フレーム121の後部(この場合は後ロッド121B)と内側フレーム122の後部(この場合は後ロッド122B)とを連結するように装着されている。第2のダンパ135は、アームレスト13のセンタフレーム131,132の後部どうしを連結する。
アームレスト13が回動するので、第2のダンパ135は、アームレスト13が利用状態P1の時に後部に位置するセンタフレーム131,132の高さ方向に中間部分、及び、アームレスト13が格納状態P2の時に後部に位置するセンタフレーム131,132の高さ方向に中間部分のそれぞれに装着する。第2のダンパ135は、利用状態P1の時に上部後方の角どうし(格納状態P2の時に下部後方の角どうし)となるセンタフレーム131,132を連結するように取り付けられていてもよい。
第1のダンパ115,125は、シートバック11A,12Aの高さ方向において、平均的に作用する位置に取り付けてもよいし、第1のリンク113,123及び第2のリンク114,124に対応させて配置してもよい。前ロッド111A,112A,121A,122A及び後ロッド111B,112B,121B,122Bに第1のリンク113,123及び第2のリンク114,124が連結されている部分に、第1のダンパ115,125が連結されると、荷重の伝達及び減衰の効率が向上する。また、本実施形態の場合、第1の実施形態と同様に第1のリンク113,123及び第2のリンク114,124がそれぞれ2つずつ配置されるとすると、これに対応させて右側シート11及び左側シート12にそれぞれ少なくとも2つずつ配置することが望ましい。
以上のように構成された第3の実施形態の車両用シート1において、図9(B)のように車両の前後方向へ前寄りの右側方から衝撃荷重を受けると、外側フレーム111,121、内側フレーム112,122、第1のリンク113,123、第2のリンク114,124、センタフレーム131,132、及びセンタリンク133A,133B,133C,133Dは、第1の実施形態の図3(B)や第2の実施形態の図8(B)と同様に動作し、荷重を受けた右側と反対側の左側まで荷重伝達構造10によって荷重を伝達する。つまり、右側シート11の外側フレーム111に対して前寄りの右側方から入力された荷重は、第1のリンク113、センタリンク133A,133B,133C,133D、および第2のリンク124を介して、左側シート12の外側フレーム121の後縁まで伝達される。
このとき、本実施形態の車両用シート1の荷重伝達構造10は、第1のダンパ115,125及び第2のダンパ135を備えている。したがって、側方衝突によって荷重が前寄りの右側方から入力され、右側シート11の外側フレーム111及び内側フレーム112の後縁が互いに離れる方向へ変形する場合、左側シート12の外側フレーム121及び内側フレーム122の後縁が互いに離れる方向へ変形する場合、及び、アームレスト13のセンタフレーム131,132の後縁が互いに近づく方向へ変形する場合、それぞれ第1のダンパ115,125及び第2のダンパ135が作用する。入力された荷重によって荷重伝達構造10が変形する量を制御することによって、第1の実施形態の車両用シート1の荷重伝達構造10よりも適切に荷重を伝達できるようになる。
なお、第3の実施形態の荷重伝達構造10に適用した第1のダンパ115,125及び第2のダンパ135を第2の実施形態の荷重伝達構造10に適用することもできる。第1のダンパ115,125及び第2のダンパ135は、オイルダンパであってもよいし、エアダンパであってもよいし、あるいは、アクチュエータを採用してもよい。
1…車両用シート、10…荷重伝達構造、11…右側シート、11A…シートバック、111…外側フレーム、112…内側フレーム、113…第1のリンク、114…第2のリンク、115…第1のダンパ、12…左側シート、12A…シートバック、121…外側フレーム、122…内側フレーム、123…第1のリンク、124…第2のリンク、125…第1のダンパ、13…アームレスト、131,132…センタフレーム、133A,133B,133C,133D…センタリンク、135…第2のダンパ、14…軸部
Claims (5)
- 可倒式のアームレストを間に介在させて右側シート及び左側シートを車幅方向へ並べて配置した車両用シートであって、
前記右側シート及び前記左側シートのシートバックの車幅方向の外側にそれぞれ内蔵され、車両の前後方向へ幅を有した外側フレームと、
前記右側シート及び前記左側シートのシートバックの車幅方向の内側に前記外側フレームと対向して配置され、車両の前後方向へ幅を有した内側フレームと、
一端が前記外側フレームの前部に可動可能に連結され、他端が前記内側フレームの後部に可動可能に連結される第1のリンクと、
一端が前記外側フレームの後部に可動可能に連結され、他端が前記内側フレームの前部に可動可能に連結される第2のリンクと、
前記アームレストの車幅方向両側に一対で内蔵され、前記右側シート及び前記左側シートのそれぞれ前記内側フレームに対峙するセンタフレームと、
前記センタフレームどうしの間に複数配置され、前記アームレストを回動させるために車幅方向に沿って配置された軸部を中心に互いに点対称となる位置の一方の前記センタフレームの前部を他方の前記センタフレームの後部に連結するセンタリンクと、
を備えることを特徴とする車両用シート。 - 前記第1のリンク及び前記第2のリンクは、前記右側シート及び前記左側シートのそれぞれの前記シートバックに少なくとも2組ずつ前記第1のリンクと前記第2のリンクが交互に位置するように組み込まれる
ことを特徴とする請求項1に記載された車両用シート。 - 前記アームレストは、前記右側シート及び前記左側シートのどちらか一方の前記内側フレームに対して前記軸部で回動可能に連結される
ことを特徴とする請求項1に記載された車両用シート。 - 前記右側シート及び前記左側シートのそれぞれ前記内側フレームは、前記車両の前後方向での中間部分が車幅方向内側へ突出しており、
前記センタフレームは、前記内側フレームに対応して車幅方向内側へ凹んでいる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された車両用シート。 - 前記外側フレームの後部と前記内側フレームの後部を連結する第1のダンパと、
前記センタフレームの後部どうしを連結する第2のダンパと
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された車両用シート。
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2013
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