JP2015112521A - 塗料ミスト捕集装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理空気に対する粉剤ノズルからの粉剤噴霧を均一で良好な噴霧する。【解決手段】粉剤Pの集積層からなる塗料ミスト捕捉用のフィルタ被覆層をフィルタ8の表面に形成する状態で被処理ガスEA中の塗料ミストをフィルタ8により捕集する塗料ミスト捕集装置において、密閉化した粉剤タンク11においてタンク内に収容した粉剤Pを均一な浮遊分散状態に分散させてタンク内における空気中の粉剤濃度を均一化する粉剤分散手段18,21a,21bを設け、この粉剤タンク11における浮遊分散状態の粉剤Pをキャリア空気a4とともに粉剤供給路21を通じて粉剤ノズル11に供給する噴霧用空気搬送手段22を設ける。【選択図】図4

Description

本発明は塗装室から排出される被処理空気に含まれる塗料ミストを捕集する塗料ミスト捕集装置に関し、詳しくは、
塗装室から排出される被処理空気に含まれる塗料ミストを捕集するフィルタと、このフィルタに被処理空気を導く導風路に配置されて、この導風路を通過する被処理空気に対し粉剤を噴霧する粉剤ノズルとを備え、この粉剤ノズルにより噴霧された粉剤を分散状態で含んだ被処理空気をフィルタに通過させることで、粉剤の集積層からなる塗料ミスト捕捉用のフィルタ被覆層を前記フィルタの表面に形成する状態で被処理ガス中の塗料ミストをフィルタにより捕集する塗料ミスト捕集装置に関する。
特許文献1には、塗料ミストを含んだ状態で塗装室(1)から排出される被処理空気をバッグフィルタ(11)に導く導風路(7,8)において、その導風路(7,8)を通過する被処理空気に対し粉剤ノズル(26)から粉剤(補助ダスト)を噴霧することで、粉剤の集積層からなる塗料ミスト捕捉用のフィルタ被覆層をバッグフィルタ(11)の表面に形成する状態で被処理空気中の塗料ミストをバッグフィルタ(11)により捕集する塗料ミスト捕集装置が開示されている。(なお、括弧内の符号は特許文献1で使用の参照符号である)。
ところで、この特許文献1に開示された従来の塗料ミスト捕集装置では、いわゆる逆洗などによるバッグフィルタ(11)の再生時にバッグフィルタ(11)の表面から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤(即ち、それまで塗料ミスト捕捉用のフィルタ被覆層を形成していた塗料混じりの粉剤)を受入ホッパ(13)に受け入れた後、搬送量調整機能を備える搬送手段(13.1)によりストックホッパ(20)に送り、このストックホッパ(20)に受け入れた塗料ミスト含有状態にある粉剤の一部を粉剤排出路(27)を通じストックホッパ(20)から取り出して再処理システムに送るようにしている。
そして、ストックホッパ(20)に残る塗料ミスト含有状態の粉剤には、塗料ミスト未混入の新鮮粉剤を計量して補充することで、ストックホッパ(20)における粉剤全体としての塗料ミスト含有率を平均的に低減し、このように塗料ミスト含有率を低減した粉剤をストックホッパ(20)から粉剤取出路(23)を通じ取り出して、空気圧式搬送機(24)によりキャリア空気とともに粉剤供給路(25)を通じ粉剤ノズル(26)に圧送供給するようにしている。
即ち、この塗料ミスト捕集装置では、バッグフィルタ(11)から落下する塗料ミスト含有状態にある粉剤の一部を、新鮮粉剤の混合により塗料ミスト含有率を平均的に低減した状態で粉剤ノズル(26)から再噴霧して循環使用するようにしている。
また、この特許文献1に開示された塗料ミスト捕集装置では、受入ホッパ(13)内における塗料ミスト含有状態の粉剤(即ち、塗料ミストの含有によりブリッジ化傾向が高くなった粉剤)を空気圧システムにより解した状態又は流動化した状態に保つことや、ストックホッパ(20)内における塗料ミスト含有状態の粉剤を流動化装置により解して流動化した状態に保つことが提案されている。
ドイツ特許公報DE4211465A1
しかし、上記の如く受入ホッパ(13)内やストックホッパ(20)内における塗料ミスト含有状態の粉剤を単に解して流動化した状態に保つだけでは、その流動化状態の粉剤を空気圧式搬送機(24)によりキャリア空気とともに粉剤供給路(25)を通じ粉剤ノズル(26)に圧送供給するにしても、粉剤供給路(25)でのキャリア空気中における粉剤の分散状態(換言すれば、キャリア空気中の粉剤濃度)に偏りやムラが生じ易く、それが原因で粉剤ノズル(26)からの粉剤噴霧が不安定になって不良化し易い問題があった。
そして、このことが原因で、塗料ミスト捕捉用フィルタ被覆層としての粉剤集積層の形成が部分的に不十分な箇所がフィルタ表面に生じるなどの被覆層形成不良が生じて、被処理空気中の塗料ミストが直接にフィルタ表面に粘着する状態でフィルタに捕集されてしまう不都合を招き易い問題があった。
また、この問題に対処するのに、粉剤ノズル(26)に対する単位時間当たりの粉剤供給量を過剰気味にして、粉剤ノズル(26)からの粉剤噴霧量に大きな安全率を見込むようにすると、空気圧式搬送機(24)による粉剤搬送に要する動力が大きくなって省エネルギ化の面で不利になる問題があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な改良により上記問題を効果的に解消する点にある。
本発明の第1特徴構成は塗料ミスト捕集装置に係り、その特徴は、
塗装室から排出される被処理空気に含まれる塗料ミストを捕集するフィルタと、
このフィルタに被処理空気を導く導風路に配置されて、この導風路を通過する被処理空気に対し粉剤を噴霧する粉剤ノズルとを備え、
この粉剤ノズルにより噴霧された粉剤を分散状態で含んだ被処理空気を前記フィルタに通過させることで、粉剤の集積層からなる塗料ミスト捕捉用のフィルタ被覆層を前記フィルタの表面に形成する状態で被処理ガス中の塗料ミストを前記フィルタにより捕集する塗料ミスト捕集装置であって、
密閉化した粉剤タンクにおいてタンク内に収容した粉剤を均一な浮遊分散状態に分散させてタンク内における空気中の粉剤濃度を均一化する粉剤分散手段を設け、
この粉剤分散手段による粉剤濃度の均一化に併行して、前記粉剤タンクにおける浮遊分散状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤供給路を通じて前記粉剤ノズルに供給する噴霧用空気搬送手段を設けてある点にある。
この構成によれば、粉剤を単に解して流動化するのに止まらず、密閉化した粉剤タンクにおいてタンク内の粉剤を粉剤分散手段により均一な浮遊分散状態(即ち、タンク内における空気中の粉剤濃度を均一化した状態)に分散させておき、この浮遊分散状態の粉剤を噴霧用空気搬送手段によりキャリア空気とともに粉剤供給路を通じて粉剤ノズルに供給するから、先述した従来の塗料ミスト捕集装置の如く単に解して流動化しただけの粉剤をキャリア空気とともに粉剤供給路を通じて粉剤ノズルに供給するのに比べ、粉剤ノズルに対する粉剤供給路でのキャリア空気中における粉剤の浮遊分散状態(換言すれば、キャリア空気中における粉剤濃度)を一層効果的に均一化することができ、そのことで、被処理空気に対する粉剤ノズルからの粉剤噴霧を均一で良好な噴霧するとともに、その良好な粉剤噴霧を安定的に保つことができる。
そして、このことにより塗料ミスト捕捉用フィルタ被覆層としての粉剤集積層をフィルタ表面において均一な状態で良好かつ安定的に形成することができ、これにより、被覆層形成不良により被処理空気中の塗料ミストが直接にフィルタ表面に粘着する状態でフィルタに捕集されてしまう不都合を一層効果的に防止することができて、塗料ミスト捕集性に一層優れた塗料ミスト捕集装置にすることができる。
また、このことで、粉剤ノズルからの粉剤噴霧量に見込む安全率も小さなものにすることができて、先述の如き粉剤ノズルに対する過剰的な粉剤供給も回避することができ、これにより、粉剤搬送に要する動力も低減することができて省エネルギ化の面でも優れた塗料ミスト捕集装置にすることができる。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記フィルタの表面から塗料ミスト含有状態の粉剤を落下させて前記フィルタを再生するフィルタ再生手段を設けるとともに、前記フィルタの表面から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤を受け入れる受入ホッパを設け、
この受入ホッパの底部に形成した粉剤排出口を通じて前記受入ホッパの内部と前記粉剤タンクの内部とを連通させる状態で、前記受入ホッパの下方に前記粉剤タンクを配置し、
前記粉剤排出口を開閉する仕切扉を設けて、この仕切扉の開き操作により、前記受入ホッパの内部に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤排出口を通じ前記粉剤タンクの内部に落下させて収容し、前記仕切扉の閉じ操作により粉剤収容状態の前記粉剤タンクを密閉化にする構成にしてある点にある。
この構成によれば、通常は仕切扉を閉じ状態にして粉剤タンクを密閉化しておくことで、粉剤タンクにおいてタンク内の粉剤を粉剤分散手段により均一な浮遊分散状態に保っておくことができ、これにより、前述の如く粉剤ノズルに対する粉剤供給路でのキャリア空気中における粉剤濃度を効果的に均一化して粉剤ノズルからの良好な粉剤噴霧を安定的に保つことができ、また、フィルタ再生手段によるフィルタ再生を適時行うことに対し、そのフィルタ再生においてフィルタ表面から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤を受入ホッパに受け入れて一時保管することができる。
そして、粉剤タンクにおける粉剤がある程度まで減少したときには、仕切扉を開き操作することで、仕切扉が閉じ状態にあった間に受入ホッパに堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤を粉剤排出口を通じ粉剤タンクの内部に落下させて粉剤タンクに補充することができ、その後、仕切扉を閉じ操作して粉剤タンクを再び密閉化することで、キャリア空気中における粉剤濃度を均一化した状態での粉剤ノズルに対する粉剤供給を速やかに再開することができる。
即ち、この構成によれば、粉剤タンクの密閉化操作と粉剤タンクに対する受入ホッパからの粉剤補充操作とを仕切扉の開閉操作だけで簡単に行うことができ、これにより、装置構成を簡素化して装置コストを安価にするとともに、装置の運転管理も容易にすることができる。
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記粉剤タンクに収容された塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤排出路を通じて前記粉剤タンクから排出する排出用空気搬送手段を設け、
塗料ミスト未混入の新鮮粉剤をキャリア空気とともに新剤供給路を通じて前記粉剤タンクに供給する新剤用空気搬送手段を設けてある点にある。
つまり、受入ホッパに堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤を仕切扉の開き操作により粉剤タンクに補充して再使用することを複数回にわたって繰り返すと、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤の塗料ミスト含有率が次第に高くなってブリッジ化傾向が強くなるため、その保有粉剤はフィルタ被覆層形成用の粉剤として粉剤ノズルから噴霧するには次第に不適なものになる。
このことに対し、上記構成によれば、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤の塗料ミスト含有率がある程度まで高くなったとき、仕切扉の開き操作により受入ホッパから落下させて粉剤タンクに収容した塗料ミスト含有状態の粉剤を排出用空気搬送手段によりキャリア空気とともに粉剤排出路を通じ粉剤タンクから排出するとともに、塗料ミスト未混入の新鮮粉剤を新剤用空気搬送手段によりキャリア空気とともに新剤供給路を通じて粉剤タンクに供給することで、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤を更新することができる。
そして、この粉剤更新を適時に行うことで、粉剤ノズルからの粉剤噴霧により塗料ミスト捕捉用フィルタ被覆層としての粉剤集積層をフィルタ表面に形成する状態での塗料ミスト捕集を長期にわたって良好に実施することができる。
なお、上記構成の実施において粉剤更新の具体的な実施形態としては、粉剤循環系において保有する粉剤の全量を適当時間ごとに一括に更新する形態、あるいは、粉剤循環系において保有する粉剤を適当時間ごとに一部量ずつ更新する形態、あるいはまた、単位時間当たりの粉剤更新量を制限した状態で粉剤更新を連続的に実施する形態のいずれを採ってもよいが、粉剤循環系において保有する粉剤の全量を適当時間ごとに一括に更新する形態を採れば、粉剤更新の実施頻度を低減することができて、その分、装置の運転管理を容易にすることができる。
本発明の第4特徴構成は、同じく第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記粉剤タンクに収容された塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤排出路を通じて前記粉剤タンクから排出する排出用空気搬送手段を設け、
塗料ミスト未混入の新鮮粉剤をキャリア空気とともに新剤供給路を通じて供給する新剤用空気搬送手段を設けるとともに、
前記粉剤ノズルに対して連通させる供給路を、前記粉剤タンクからの前記粉剤供給路と前記新剤供給路とに切り換える供給路切換手段を設けてある点にある。
この構成によれば、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤の塗料ミスト含有率がある程度まで高くなったとき、仕切扉の開き操作により受入ホッパから落下させて粉剤タンクに収容した塗料ミスト含有状態の粉剤を排出用空気搬送手段によりキャリア空気とともに粉剤排出路を通じ粉剤タンクから排出するとともに、粉剤ノズルに対して連通させる供給路を粉剤タンクからの粉剤供給路に代えて新剤供給路に切り換えた状態で、塗料ミスト未混入の新鮮粉剤を新剤用空気搬送手段によりキャリア空気とともに新剤供給路を通じ粉剤ノズルに供給して粉剤ノズルから噴霧することで、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤を更新することができる。
そして、この粉剤更新を適時に行うことで、第3特徴構成の場合と同様、粉剤ノズルからの粉剤噴霧により塗料ミスト捕捉用フィルタ被覆層としての粉剤集積層をフィルタ表面に形成する状態での塗料ミスト捕集を長期にわたって良好に実施することができる。
また、この構成によれば、仕切扉を閉じ状態にしておくことで、粉剤タンクにおける粉剤を排出用空気搬送手段により排出するのに併行して、粉剤ノズルから新鮮粉剤を噴霧する粉剤更新を行えることから、その粉剤更新中にも粉剤ノズルからの粉剤噴霧を伴う塗料ミスト捕集を通常時と同様に安定した状態で継続することができる。
なお、上記構成の実施において粉剤更新の具体的な実施形態としては、粉剤循環系において保有する粉剤の全量を適当時間ごとに一括に更新する形態、あるいは、粉剤循環系において保有する粉剤を適当時間ごとに一部量ずつ更新する形態のいずれを採ってもよい。
本発明の第5特徴構成は、第3又は第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
設定回収時間ごとに前記仕切扉を開いて前記受入ホッパにおける塗料ミスト含有状態の堆積粉剤を前記粉剤タンクの内部に落下させる粉剤回収を自動的に実行する制御手段を設け、
この制御手段は、前記粉剤回収の実行に加えて、前記塗装室での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに、又は、前記仕切扉の開き回数が設定閾回数に達するごとに、前記排出用空気搬送手段により前記粉剤タンクにおける塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤排出路を通じて排出するとともに、前記新剤用空気搬送手段により前記新剤供給路を通じて所定量の新鮮粉剤を供給する粉剤更新を自動的に実行する構成にしてある点にある。
この構成によれば、上記の粉剤回収及び粉剤更新の夫々が制御手段により自動的に実行されることで、それら粉剤回収及び粉剤更新の夫々を人為操作により行うのに比べ、装置の運転管理を格段に容易にすることができる。
また、粉剤更新については、別法として、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤の塗料ミスト含有率や比重などの粉剤状態をセンサにより計測して、その計測結果に基づき粉剤更新を制御手段に実行させることも考えられるが、こびり付きや舞い散りなどの粉剤特性上、粉剤の状態をセンサにより精度良く安定して継続的に計測することは技術的に難しくて大きな計測誤差が生じ易く、この粉剤特性に原因する大きな計測誤差のために装置の運転において不測のトラブルを招く虞がある。
これに対し、上記構成によれば、粉剤状態の計測に基づく粉剤更新に代え、塗装室での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに、又は、仕切扉の開き回数が設定閾回数に達するごとに粉剤更新を制御手段に実行させるから、上記の如き粉剤特性に原因する大きな計測誤差のために不測のトラブルを招くことを回避することができ、この点で、信頼性にも一層優れた塗料ミスト捕集装置にすることができる。
本発明の第6特徴構成は、第2特徴構成と同様、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記フィルタの表面から塗料ミスト含有状態の粉剤を落下させて前記フィルタを再生するフィルタ再生手段を設けるとともに、前記フィルタの表面から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤を受け入れる受入ホッパを設け、
前記受入ホッパの内部に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤還流路を通じて前記粉剤タンクに戻す還流用空気搬送手段と、
前記粉剤タンクに収容された塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤排出路を通じて前記粉剤タンクから排出する排出用空気搬送手段と、
塗料ミスト未混入の新鮮粉剤をキャリア空気とともに新剤供給路を通じて前記粉剤タンクに供給する新剤用空気搬送手段とを設けてある点にある。
この構成によれば、前述の如く仕切扉の開き操作により受入ホッパにおける堆積粉剤を受入ホッパ底部の粉剤排出口を通じて粉剤タンクに落下させるのに代え、受入ホッパの内部に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤を還流用空気搬送手段によりキャリア空気とともに粉剤還送路を通じて粉剤タンクに戻すから、粉剤タンクを常時密閉化した状態に保つことができる。
即ち、この常時密閉化により、粉剤タンクにおいてタンク内の粉剤を粉剤分散手段により均一な浮遊分散状態に保っておくことができ、これにより、前述の如く粉剤ノズルに対する粉剤供給路でのキャリア空気中における粉剤濃度を効果的に均一化して粉剤ノズルからの良好な粉剤噴霧を安定的に保つことができる。
そして、粉剤タンクにおける粉剤がある程度まで減少したときには、受入ホッパの内部に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤を還流用空気搬送手段によりキャリア空気とともに粉剤還送路を通じて粉剤タンクに戻すことで粉剤タンクに粉剤を補充することができ、これにより、粉剤ノズルに対する粉剤供給路でのキャリア空気中における粉剤濃度を均一化した状態での粉剤ノズルに対する粉剤供給を継続することができる。
また、上記構成によれば、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤の塗料ミスト含有率がある程度まで高くなったときは、受入ホッパから戻して粉剤タンクに収容した塗料ミスト含有状態の粉剤を排出用空気搬送手段によりキャリア空気とともに粉剤排出路を通じ粉剤タンクから排出するとともに、塗料ミスト未混入の新鮮粉剤を新剤用空気搬送手段によりキャリア空気とともに新剤供給路を通じて粉剤タンクに供給することで、粉剤循環系において保有する粉剤を更新することができ、この粉剤更新を適時に行うことで、粉剤ノズルからの粉剤噴霧を伴う塗料ミスト捕集を長期にわたって良好に実施することができる。
要するに、上記構成によれば、粉剤タンクを受入ホッパから離れた適当箇所に配置しながらも、受入ホッパから粉剤タンクへの粉剤回収、及び、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系に対する粉剤更新を行えることで、装置各部の配置選定における自由度を高めることができ、この点で、設置性や汎用性にも優れた塗料ミスト捕集装置にすることができる。
なお、上記構成の実施において粉剤更新の具体的な実施形態としては、粉剤循環系において保有する粉剤の全量を適当時間ごとに一括に更新する形態、あるいは、粉剤循環系において保有する粉剤を適当時間ごとに一部量ずつ更新する形態、あるいはまた、単位時間当たりの粉剤更新量を制限した状態で粉剤更新を連続的に実施する形態のいずれを採ってもよい。
本発明の第7特徴構成は、第6特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
設定回収時間ごとに前記還流用空気搬送手段により前記受入ホッパにおける塗料ミスト含有状態の堆積粉剤を前記粉剤還流路を通じて前記粉剤タンクに戻す粉剤回収を自動的に実行する制御手段を設け、
この制御手段は、前記粉剤回収の実行に加えて、前記塗装室での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに、又は、前記還流用空気搬送手段による粉剤の戻し回数が設定閾回数に達するごとに、前記排出用空気搬送手段により前記粉剤タンクにおける塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤排出路を通じて排出するとともに、前記新剤用空気搬送手段により前記新剤供給路を通じて所定量の新鮮粉剤を前記粉剤タンクに供給する粉剤更新を自動的に実行する構成にしてある点にある。
この構成によれば、前述の第5特徴構成と同様、上記の粉剤回収及び粉剤更新の夫々が制御手段により自動的に実行されることで、それら粉剤回収及び粉剤更新の夫々を人為操作により行うのに比べ、装置の運転管理を格段に容易にすることができる。
また、粉剤更新については、前述の如く別法として、粉剤タンクから受入ホッパにわたる粉剤循環系において保有する粉剤の塗料ミスト含有率や比重などの粉剤状態をセンサにより計測して、その計測結果に基づき粉剤更新を制御手段に実行させることも考えられるが、こびり付きや舞い散りなどの粉剤特性上、粉剤の状態をセンサにより精度良く安定して継続的に計測することは技術的に難しくて大きな計測誤差が生じ易く、この粉剤特性に原因する大きな計測誤差のために装置の運転において不測のトラブルを招く虞がある。
これに対し、上記構成によれば、粉剤状態の計測に基づく粉剤更新に代え、塗装室での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに、又は、還流用空気搬送手段による粉剤の戻し回数が設定閾回数に達するごとに粉剤更新を制御手段に実行させるから、上記の如き粉剤特性に原因する大きな計測誤差のために不測のトラブルを招くことを回避することができ、この点で、信頼性にも一層優れた塗料ミスト捕集装置にすることができる。
本発明の第8特徴構成は、第6又は第7特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記フィルタと前記粉剤ノズルと前記受入ホッパとを備える塗料ミスト捕集部を複数設けて、これら複数の塗料ミスト捕集部に対する共通の前記粉剤タンクを設けるとともに、
複数の前記塗料ミスト捕集部の夫々について、前記共通の粉剤タンクから前記粉剤供給路を通じて前記粉剤ノズルに粉剤を供給する前記噴霧用空気搬送手段、及び、前記受入ホッパから塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤還流路を通じて前記共通の粉剤タンクに戻す前記還流用空気搬送手段を設けてある点にある。
この構成によれば、複数の塗料ミスト捕集部に対し共通の粉剤タンクを設け、そして、この共通の粉剤タンクから各塗料ミスト捕集部の粉剤ノズルに粉剤を供給し、また、各塗料ミスト捕集部の受入ホッパから塗料ミスト含有状態の粉剤を共通の粉剤タンクに戻す形態を採ることから、複数の塗料ミスト捕集部ごとに各別の粉剤タンクを装備するのに比べ、全体としての装置構成を簡素化することができて装置コストを安価にすることができ、また、装置の運転管理も容易にすることができる。
本発明の第9特徴構成は、第1〜第8特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
加圧空気の透過を許す通気性材により形成した散気板を前記粉剤タンクの底部に配置して、この散気板により前記粉剤タンクの内部を、粉剤が収容される上側の粉剤収容室と撹拌用空気が加圧供給される下側の加圧空気室とに仕切るとともに、前記粉剤収容室に対して撹拌用空気を噴出する撹拌用ノズルを設け、
これら散気板及び撹拌用ノズルを前記粉剤分散手段として、前記加圧空気室から前記散気板を透過して前記粉剤収容室に対し上向きに噴出される撹拌用空気、及び、前記撹拌用ノズルから前記粉剤収容室に噴出される撹拌用空気により、前記粉剤収容室に収容された粉剤を均一な浮遊分散状態に分散させる構成にしてある点にある。
この構成によれば、散気板を透過して粉剤収容室に対し上向きに噴出する撹拌用空気により粉剤収容室における粉剤を分散状態で上昇させて浮遊させることができ、また、撹拌用ノズルから粉剤収容室に噴出される撹拌用空気により粉剤収容室の室内空気を対流的に撹拌する状態にして粉剤収容室における粉剤を対流的に撹拌することができ、これらのことが相俟って粉剤収容室における粉剤を効果的に均一な浮遊分散状態に分散させることができて、その均一な浮遊分散状態を安定的に保つことができる。
本発明の第10特徴構成は、第9特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記粉剤タンクにおいて前記粉剤収容室に隣接する粉剤送出室を設けるとともに、この粉剤送出室から前記粉剤供給路を延出し、
前記粉剤収容室と前記粉剤送出室とを仕切る仕切壁には、それら両室を連通させる連通口として、前記粉剤収容室から前記粉剤送出室へ浮遊分散状態で流入する粉剤の流量を制限する絞り開口を形成してある点にある。
この構成によれば、絞り開口による通気抵抗により粉剤収容室における粉剤の浮遊分散状態を安定化するともに、浮遊分散状態にある粉剤の粉剤収容室から粉剤送出室への流入も安定化することができ、これらのことで、粉剤供給路を通じた粉剤送出室から粉剤ノズルへの粉剤供給を一層効果的に安定化することができて、粉剤ノズルからの粉剤噴霧を一層効果的に安定化することができる。
本発明の第11特徴構成は、第1〜第10特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記粉剤タンクから前記粉剤供給路を通じて粉剤を前記粉剤ノズルに供給する前記噴霧用空気搬送手段は、
供給される圧縮空気の通過に伴い形成される負圧により前記粉剤タンクから粉剤を吸入し、その負圧形成後の圧縮空気をキャリア空気として、吸入粉剤を負圧形成後の圧縮空気とともに送出するエゼクタにより構成し、
このエゼクタに対する圧縮空気の供給流量を調整することで、前記粉剤ノズルに対する粉剤の供給流量を調整して前記粉剤ノズルから噴霧する粉剤の噴霧量を調整する噴霧量調整手段を設けてある点にある。
この構成によれば、エゼクタにおいて圧縮空気により形成される負圧により粉剤タンクから粉剤をエゼクタに吸入して、その吸入粉剤を負圧形成後の圧縮空気(キャリア空気)とともに粉剤供給路を通じエゼクタから粉剤ノズルに供給するから、別の空気搬送形態として、粉剤タンクにおける粉剤を単に圧縮空気により粉剤タンクから粉剤供給路に押し出して粉剤ノズルに圧送するのに比べ、浮遊分散状態にある粉剤タンク内の粉剤を一層円滑かつ安定的な状態で粉剤タンクから取り出すことができ、これにより、粉剤ノズルへの粉剤供給を一層効果的に安定化することができる。
また、そのエゼクタを利用して粉剤ノズルからの粉剤噴霧量を調整することで、粉剤噴霧量の調整も円滑かつ安定的なものにすることができる。
塗装ブースの横断面図 図1におけるII−II断面図 流入口の拡大断面図 第1実施形態における粉剤の循環経路を示す図 第1実施形態における新鮮粉剤及び排出粉剤の搬送経路を示す図 第2実施形態における粉剤の循環経路を示す図 第2実施形態における新鮮粉剤及び排出粉剤の搬送経路を示す図 第3実施形態における粉剤の循環経路を示す図 第3実施形態における新鮮粉剤及び排出粉剤の搬送経路を示す図
〔第1実施形態〕
図1は塗装ブースを示し、この塗装ブースは室内において被塗物1(本例では自動車ボディ)を塗装ガンにより塗装する塗装室2を備え、この塗装室2には被塗物1を搬送する搬送装置3を装備してある。
塗装室2は被塗物1の搬送方向(図1における奥行き方向)に延びるトンネル状の室内空間を有し、この塗装室2にはトンネル状の室内全体に対して温湿度調整した換気用空気SAが天井部2aから供給される。
塗装室2の下方には、塗装室2と同じく被塗物1の搬送方向に延びる排気室4を形成してあり、この排気室4は、塗装室2に対する換気用空気SAの供給に伴い塗装室2から格子床2bを通じて下向きに排出される被処理空気EA(塗装室2でのオーバースプレーで生じた浮遊塗料ミストを含む空気)を受け入れる。
つまり、塗装室2の天井部2aから換気用空気SAを供給するのに伴い、ピストン流的に塗装室2の室内空気EAを下方の排気室4へ排出することで、塗装室2において生じる浮遊塗料ミストを室内空気EAとともに迅速に塗装室2から排除し、これにより、被塗物1の塗装品質を高く保つとともに塗装室2の作業環境を良好に保つ。
図1,図2に示すように、排気室4の両横外側には夫々、複数のフィルタ装置5を被塗物1の搬送方向である塗装ブース長手方向に並べて配置してあり、塗装室2から排出されて排気室4に流入する塗料ミスト含有状態の被処理空気EAを、これらフィルタ装置5に通過させることで、被処理空気EAに含まれる塗料ミストをフィルタ装置5により捕集して被処理空気EAを浄化する。
そして、フィルタ装置5で浄化した被処理空気EA(即ち、処理済の浄化空気)は、各フィルタ装置5に接続した排気ダクト6を通じて排気ファン7により外部へ排出(又は、換気用空気SAとして空調機を通じ塗装室2へ還送)する。
各フィルタ装置5の内部には、複数の筒状フィルタ8を横向き姿勢で並列配置してあり、また、フィルタ装置5の装置壁を兼ねる排気室4の側壁4aには、塗料ミストを含む被処理空気EAを排気室4からフィルタ装置5に導入してフィルタ8に導く導風路として、横長矩形状の流入口10を各フィルタ装置5に2口ずつ形成してある。
即ち、各フィルタ装置5の上部に接続した排気ダクト6を通じて排気ファン7により付与される吸引力により、塗料ミストを含む被処理空気EAを排気室4から2つの流入口10を通じ各フィルタ装置5に流入させてフィルタ8に通過させ、これにより、被処理空気EA中の塗料ミストをフィルタ8により捕集する。
一方、この塗料ミスト捕集において被処理空気EA中の塗料ミストがフィルタ8の表面に粘着してフィルタ8が短期間のうちに使用不能となるのを回避するため、各フィルタ装置5の各流入口10には、それら流入口10を通過する被処理空気EAに対してフィルタ被覆層形成用の粉剤Pを噴霧する粉剤ノズル11を装備してある。
つまり、この粉剤ノズル11による粉剤噴霧によりフィルタ被覆層形成用の粉剤Pを被処理空気EA中に分散させ、この粉剤分散状態の被処理空気EAをフィルタ8に通過させることで、粉剤Pの集積層から成る塗料ミスト捕捉用のフィルタ被覆層をフィルタ8の表面に形成して、このフィルタ被覆層に塗料ミストを捕捉させる形態で被処理空気EA中の塗料ミストをフィルタ8により捕集する。
そして、この塗料ミスト捕集においてフィルタ被覆層としての粉剤集積層における捕捉塗料ミストの含有率がある程度まで大きくなると、その粉剤集積層をフィルタ8の表面から脱落させるフィルタ再生処理を行って、粉剤ノズル11による被処理空気EAへの粉剤噴霧により再生後のフィルタ8の表面に粉剤集積層からなるフィルタ被覆層が再度形成されるようにし、これにより、被処理空気EA中の塗料ミストをフィルタ8により捕集する塗料ミスト捕集運転を継続する。
ブース長手方向に並べて配置した複数のフィルタ装置5の流入口10は、ブース長手方向に一列に並ぶ状態で排気室4の両側壁4a夫々の下端部に形成してあり、これにより、塗装室2から排気室4に下向きに流入する被処理空気EAは、ブース横幅方向で大きく2流に分流し、そして、これら2流の被処理空気EAは、ブース長手方向において均一な気流状態を保ちながら、排気室4の両側壁4a夫々の下端部に位置する流入口10に向かって排気室4内を斜行し、最終的に排気室4の底壁4b近くで各フィルタ装置5の流入口10に偏りなく分流されて吸入される。
図3に示すように、フィルタ装置5の各流入口10における上壁部には、下向きに開口する断面形状の滞留用凹部12を形成してあり、この滞留用凹部12は、流入口10の横幅方向(即ち、ブース長手方向)に連続させた状態で各流入口10の全幅にわたって形成してある。
さらに具体的には、流入口10における被処理空気EAの通過方向において、滞留用凹部12の上流側の端縁部は、排気室4の側壁4aに連なる縦姿勢の上流側垂れ壁12aにし、同様に、この滞留用凹部12の下流側端縁部は、縦姿勢の下流側垂れ壁12bにしてある。
また、流入口10の下壁部には、上壁部の滞留用凹部12に対して対向し、かつ、流入口10における被処理空気EAの通過方向において下流側ほど低くなる傾斜底13を形成してあり、この傾斜底13も流入口10の横幅方向に連続させた状態で各流入口10の全幅にわたって形成してある。
そして、流入口10における被処理空気EAの通過方向において、傾斜底13の上流側端縁部は、滞留用凹部12の上流側垂れ壁12aに向かって立ち上がる縦姿勢の上流側立上り壁13aにしてある。
各流入口10は全体として上壁部の滞留用凹部12と下壁部の傾斜底13と両側壁部とからなる角筒構造にしてあり、滞留用凹部12の上流側垂れ壁12aとその下方に位置する傾斜底13の上流側立上り壁13aとの間を角筒構造の上流側開口10aとし、滞留用凹部12の下流側垂れ壁12bとその下方に位置する傾斜底13の下流側端縁部13bとの間を角筒構造の下流側開口10bとしている。
また、この流入口10の角筒構造において、下流側垂れ壁12bは上流側垂れ壁12aより低位置に配置してあり、これにより、角筒構造の下流側開口10bが上流側開口10aより低い位置に位置するようにしてある。
このような角筒構造の流入口10において、粉剤ノズル11は、各流入口10の長手方向である横幅方向の中央箇所から滞留用凹部12の奥部内面に向けて粉剤Pをキャリア空気a4とともに噴霧する状態に配置してある。
つまり、流入口10における被処理空気EAの流れが滞留用凹部12の下向き開口の近傍を通過する状況下において、上記の如く粉剤ノズル11により滞留用凹部12の奥部内面に向けて粉剤Pをキャリア空気a4とともに噴霧することにより、粉剤Pを伴う空気流の適当時間にわたる渦流的な滞留を滞留用凹部12において生じさせる。
そして、この渦流的な滞留による粉剤攪拌を伴いながら粉剤Pを滞留用凹部12において流入口10の横幅方向へ拡散させて、その拡散した粉剤Pを滞留用凹部12の下向き開口を通じて流入口10における被処理空気EAの通過流に徐々に取り込ませるようにし、これにより、粉剤ノズル11から噴霧した粉剤Pを流入口10の横幅方向において均一に分散させた状態で被処理空気EAに含ませる。
また、滞留用凹部12の上流側垂れ壁12a及び下流側垂れ壁12bの夫々により滞留用凹部12における拡散状態の粉剤Pを空気流とともに下向きにも案内し、これにより、粉剤Pを流入口10の高さ方向(短辺方向)についても効果的に分散させた状態で被処理空気EAに含ませる。
さらに、下流側垂れ壁12bによる案内で形成した下向き流により流入口10における被処理空気EAの通過流を適度に斜め下向きに向き変化させて、被処理空気EAの通過流に含ませた粉剤Pの一部を傾斜底13の下流側部分に至らせるとともに、その粉剤Pを、上流側立上り壁13aの影響で傾斜底13上に形成される渦流的な滞留をもって傾斜底13上に拡げた状態に保持し、これにより、粉剤層を傾斜底13上にも形成して傾斜底13への塗料ミスト付着も防止する。
そしてまた、上記の如く流入口10の角筒構造における下流側開口10bを上流側開口10aよりも低位置にしたことで、流入口10を斜め下向きに通過させた被処理空気EAを斜め下向きから上向きへ大きく向き変化させて上方のフィルタ8に向わせるようにし、このことでも、被処理空気EA中における粉剤Pの拡散を一層促進する。
なお、11aは粉剤ノズル11に取り付けた三角板状の拡散補助具であり、この拡散補助具11aを配置することで、流入口10を通過する被処理空気EA、及び、滞留用凹部12において粉剤Pを伴う状態で渦流的に滞留する空気を、流入口10の横幅方向における一方側と他方側とへの向き変化を伴う状態で分流し、この分流に伴う被処理空気EA及び渦流的滞留空気の向き変化により、滞留用凹部12での粉剤Pの流入口横幅方向への拡散を一層促進し、また、粉剤Pを滞留用凹部12から被処理空気EAの通過流に取り込ませる過程での粉剤Pの拡散も促進する。
また、滞留用凹部12の上流側上底部を形成する上流側傾斜壁面12cにおいて上流側垂れ壁12aの近傍箇所には、下方に向かって滞留用凹部12内に突出する拡散補助突起12dを備えさせてあり、上記の如く渦流的な滞留域を滞留用凹部12における上流側部分において効果的に生じさせることにおいて、粉剤ノズル11から噴出した粉剤P及びキャリア空気a4の一部を上流側傾斜底壁面12cによる案内下において拡散補助突起12dに衝突させることで、粉剤Pの流入口横幅方向への拡散を助長し、これにより、渦流的な滞留による攪拌を伴う滞留用凹部12での粉剤Pの流入口横幅方向へ拡散をさらに効果的に促進する。
図2,図4に示すように、各フィルタ装置5の内部においてフィルタ8の下方で流入口10の下流側開口10bより低い装置底部には、逆錐形状の2つの受入ホッパ14を2つの流入口10に対し各別に対応させてブース長手方向に並べた状態に配置してあり、これら2つの受入ホッパ14夫々の底部には粉剤排出口14aを形成してある。
また、各フィルタ装置5には、フィルタ8に対して被処理空気EAの通過方向とは逆向きの逆洗状態で圧縮空気をパルス的に作用させるフィルタ再生装置15を装備してあり、このフィルタ再生装置15を適時作動させることで、塗料ミスト含有率がある程度大きくなったフィルタ被覆層としての粉剤集積層をフィルタ表面から脱落させてフィルタ8を再生する前述のフィルタ再生処理を行う。
そして、このフィルタ再生処理の際、フィルタ8の表面から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤集積層(即ち、塗料ミスト含有状態の粉剤P)をフィルタ下方の受入ホッパ14に受け入れる。
各受入ホッパ14の下方には、受入ホッパ14に受け入れた塗料ミスト含有状態の粉剤Pを受入ホッパ底部の粉剤排出口14aを通じてタンク内に落下させる粉剤タンク16を連設してあり、また、受入ホッパ14と粉剤タンク16との間には、粉剤排出口14aを開閉する水平姿勢の仕切扉17を設けてあり、この仕切扉17の開き操作により、受入ホッパ14に受け入れた塗料ミスト含有状態の粉剤Pを粉剤タンク16の内部に落下させてタンク内に回収し、この仕切扉17の閉じ操作により粉剤収容状態の粉剤タンク16を密閉化する。
粉剤タンク16の底部には、周密な微細気孔の存在より加圧空気の透過を許す通気性材により形成した散気板18を平面視で粉剤タンク16の全体にわたらせて配置し、この散気板18により粉剤タンク16の内部は、空気路を通じ撹拌用空気a1が加圧供給される下側の加圧空気室16aと、仕切扉17の開き操作により粉剤排出口14aを通じて受入ホッパ14に連通する上側の粉剤収容室16bとに仕切ってある。
また、粉剤タンク16の内部には、加圧空気室16aの上側で粉剤収容室16bに隣接する粉剤送出室16cを形成してあり、粉剤収容室16bと粉剤送出室16cとを仕切る仕切壁19の下端部には、粉剤収容室16bと粉剤送出室16cとを連通させる連通口として、粉剤収容室16aから粉剤送出室16cへ空気とともに流入する粉剤Pの流入量を通気抵抗により制限する絞り開口19aを形成してある。
そして、粉剤収容室16b及び粉剤送出室16cの夫々には、空気路を通じ供給される撹拌用空気a2,a3を各室内に噴出する撹拌用ノズル20a,20bを装備してある。
つまり、粉剤タンク16の粉剤収容室16bでは、加圧空気室16aから散気板18を透過して粉剤収容室16bに対し上向きに噴出する撹拌用空気a1により粉剤収容室16bにおける収容粉剤Pを分散状態で上昇させて室内浮遊させ、また、撹拌用ノズル20aから噴出する撹拌用空気a2により室内空気を対流的に撹拌する状態にして粉剤収容室16bにおける浮遊粉剤Pを対流的に撹拌し、これにより、仕切扉17が閉じられて密閉化された粉剤タンク16において、粉剤収容室16bにおける粉剤Pを単に解して流動化するに止まらず均一な浮遊分散状態(即ち、粉剤収容室16bにおける空気中の粉剤濃度を均一化した状態)に保つ。
粉剤収容室16bにおいて浮遊分散状態にした粉剤Pは仕切壁19の絞り開口19a及び粉剤送出室16cを通じてタンク外に送出するが、この際、絞り開口19aの通気抵抗により、粉剤収容室16bにおける粉剤Pの均一な浮遊分散状態を安定的に保つとともに、浮遊分散状態にある粉剤Pを粉剤収容室16bから粉剤送出室16cへ安定的に流入させる。
また、粉剤送出室16cにおいても散気板18から上向きに噴出する撹拌用空気a1及び撹拌用ノズル20bから噴出する撹拌用空気a3により粉剤送出室16cにおける粉剤Pを均一な浮遊分散状態に保つ。
即ち、粉剤タンク16における散気板18及び撹拌用ノズル20a,20bは、密閉化した粉剤タンク16の内部で粉剤Pを均一な浮遊分散状態に分散させてタンク内における空気中の粉剤濃度を均一化する粉剤分散手段を構成する。
粉剤ノズル11にフィルタ被覆層形成用の粉剤Pを供給する粉剤供給路21は、粉剤タンク16の粉剤送出室16cから延出させて対応する粉剤ノズル11に接続してあり、これにより、各フィルタ装置5における1つの流入口10ごとに、粉剤ノズル11→受入ホッパ14→粉剤タンク16→粉剤供給路21の順に連なる粉剤循環系を形成してある。
粉剤ノズル11への粉剤供給路21には、空気路を通じ供給される圧縮空気a4の通過に伴い形成される負圧により粉剤タンク16の粉剤収容室16bにおける粉剤Pを粉剤送出室16cを通じ吸入し、そして、負圧形成後の圧縮空気a4をキャリア空気として吸入粉剤Pをキャリア空気a4とともに粉剤供給路21を通じて粉剤ノズル11に送給する噴出用空気搬送手段としてのエゼクタ22を介装してあり、粉剤ノズル11は、このエゼクタ22により供給される粉剤Pをキャリア空気a4とともに流入口10において被処理空気EAに噴霧する。
また、エゼクタ22に供給する圧縮空気a4の流量を調整して粉剤ノズル11に対する粉剤Pの供給流量を調整することで、粉剤ノズル11から噴霧する粉剤Pの単位時間当たりの噴霧量を被処理空気EAの風量や被処理空気EAにおける塗料ミスト濃度などに応じて調整する。
つまり、粉剤ノズル11にフィルタ被覆層形成用の粉剤Pを供給するのに、上記の如く粉剤タンク16において粉剤Pを均一な浮遊分散状態にし、その浮遊分散状態の粉剤Pをエゼクタ22によりキャリア空気a4とともに粉剤供給路21を通じ粉剤ノズル11に供給することで、粉剤供給路21でのキャリア空気中における粉剤Pの浮遊分散状態(換言すれば、キャリア空気中における粉剤濃度)を効果的に均一化し、これにより、被処理空気EAに対する粉剤ノズル11からの粉剤噴霧を均一で良好な噴霧するとともに、その良好な粉剤噴霧を安定的に保つ。
そして、粉剤タンク16における粉剤Pの残量がある程度まで減少すると、仕切扉17を開いて、仕切扉17が閉じ状態にあった間のフィルタ再生処理により受入ホッパ14に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤Pを粉剤タンク16の粉剤収容室16bに落下させて回収し、その回収後、仕切扉17を再び閉じて粉剤タンク16を密閉化した状態で粉剤収容室16bにおける粉剤Pを均一な浮遊分散状態にして、この浮遊分散状態の粉剤Pを粉剤供給路21を通じ粉剤ノズル11に供給して被処理空気EAに噴霧することで、粉剤Pを粉剤ノズル11→受入ホッパ14→粉剤タンク16→粉剤供給路21の順に循環させる形態で繰り返し使用する。
図4,図5に示す如く、各フィルタ装置5における粉剤タンク16の粉剤送出室16cには、粉剤ノズル11への粉剤供給路21を接続するとともに、粉剤タンク16の粉剤収容室16bにおける塗料ミスト含有状態の粉剤Pを共通の排剤タンク23に導く粉剤排出路24を接続してあり、排剤タンク23には、これら粉剤排出路24を通じて各フィルタ装置5の粉剤タンク16から塗料ミスト含有状態の粉剤Pをキャリア空気a5とともに排出する排出用空気搬送手段としての吸引ファン23aを装備してある。なお、粉剤排出路24は、粉剤送出室16cへの接続に代え、粉剤収容室16bに対し直接的に接続してもい。
一方、各フィルタ装置5における粉剤タンク16の粉剤収容室16bには、共通の新剤タンク25から塗料ミスト未混入の新鮮粉剤Pを粉剤収容室16bに導く新剤供給路26を接続してあり、新剤タンク25には、空気路を通じ供給される圧縮空気をキャリア空気a6として、新鮮粉剤Pをキャリア空気a6とともに新剤供給路26を通じ各フィルタ装置5における粉剤タンク16に供給する新剤用空気搬送手段としてのブロータンク25aを装備してある。
そして、粉剤排出路24には粉剤排出対象の粉剤タンク16を切り換える排剤側切換弁24aを装備し、新剤供給路26には新剤供給対象の粉剤タンク16を切り換える新剤側切換弁26aを装備してある。
27は各フィルタ装置5に対する共通の制御器であり、この共通制御器27は次の(イ)〜(ハ)の制御を実行する。
(イ)フィルタ再生制御
各フィルタ装置5について、設定再生時間Tsごとに(又は、フィルタ8の計測通気抵抗が設定閾抵抗値に至るごとに)、フィルタ再生装置15を作動させて塗料ミスト含有状態のフィルタ被覆層(粉剤集積層)をフィルタ表面から脱落させ、これにより、フィルタ8を再生する。
このフィルタ再生は、対応する粉剤タンク16の仕切扉17を閉じ状態に保ったままで実施し、フィルタ8から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤P(粉剤集積層)は、対応する受入ホッパ14に受け入れて堆積させる。
(ロ)粉剤回収制御
各フィルタ装置5について、設定回収時間Tk(≧Ts)ごとに、仕切扉17を開いて受入ホッパ14における塗料ミスト含有状態の堆積粉剤Pを対応する粉剤タンク16の粉剤収容室16bに落下させて収容する。
なお、設定回収時間Tkとしては、仕切扉17の1回の開き操作で粉剤タンク16に回収した粉剤Pを対応する粉剤ノズル11からの粉剤噴霧でほぼ使い切る時間を予め設定してある。
(ハ)粉剤更新制御
各フィルタ装置5について、塗装室2における対応域での被塗物1の処理数が設定閾処理数に達するなど、塗装室2における対応域での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに(又は、仕切扉17の開き回数が設定閾回数に達するごとに)、仕切扉17を開き操作して受入ホッパ14の堆積粉剤Pを粉剤タンク16に落下させ、その後、仕切扉17を閉じた状態で、粉剤排出路24における排剤側切換弁24aの切り換え操作により、対応する粉剤タンク16を粉剤排出対象の粉剤タンクに切り換え、これにより、対応する粉剤タンク16における塗料ミスト含有状態の粉剤Pの全量をキャリア空気a5とともに粉剤排出路24を通じて排剤タンク23に排出する。
そして、この粉剤Pの全量排出に続いて、新剤供給路26における新剤側切換弁26aの切り換え操作により、対応する粉剤タンク16を新剤供給対象の粉剤タンクに切り換え、これにより、対応する粉剤タンク16の粉剤収容室16bに対して新剤タンク25から所定量の新鮮粉剤Pをキャリア空気a6とともに新剤供給路26を通じ供給する。
即ち、この粉剤更新により、各フィルタ装置5での粉剤ノズル11からの粉剤噴霧によるフィルタ被覆層の形成において、粉剤タンク16から受入ホッパ14にわたる粉剤循環系における保有粉剤Pの塗料ミスト含有率を上限値以下に保持する。
〔第2実施形態〕
図6,図7は本発明による塗料ミスト捕集装置の第2実施形態を示し、この第2実施形態の塗料ミスト捕集装置では、上述の第1実施形態で示した塗料ミスト捕集装置において、粉剤タンク16から受入ホッパ14にわたる粉剤循環系に対する新鮮粉剤Pの供給経路に改変を加えている。
具体的には、第1実施形態では、新剤タンク25からの新剤供給路26を粉剤タンク16に接続しているのに対し、この第2実施形態では、粉剤ノズル11に対して連通させる供給路を、供給路切換手段としての三方弁30により、粉剤タンク16からの粉剤供給路21と新剤タンク25からの新剤供給路26とに択一的に切り換える構成にしてある。
つまり、この第2実施形態の塗料ミスト捕集装置では、粉剤更新にあたり、粉剤タンク16における塗料ミスト含有状態の粉剤Pを粉剤排出路24を通じてキャリア空気a5とともに全量排出するのに対し、上記三方弁30の切り換え操作により粉剤ノズル11に対する連通供給路を新剤タンク25からの新剤供給路26に切り換えた状態にして、その新剤供給路26を通じキャリア空気a6とともに新剤タンク25から供給される新鮮粉剤Pを粉剤ノズル11に送給して粉剤ノズル11から被処理空気EAに噴霧し、これにより、粉剤タンク16から受入ホッパ14にわたる粉剤循環系に所定量の新鮮粉剤Pを供給して粉剤更新を行う。
そして、この第2実施形態の塗料ミスト捕集装置では、この新剤供給形態を採ることで、仕切扉17を閉じた状態で粉剤タンク16における塗料ミスト含有状態の粉剤Pを粉剤排出路24を通じてキャリア空気a5とともに全量排出するのに併行して、粉剤ノズル11から新鮮粉剤Pを噴霧する同時進行形態で粉剤更新を行えるようにして、粉剤更新中にも粉剤ノズル11からの粉剤噴霧を伴う塗料ミスト捕集を通常時と同様に安定した状態で継続することができるようにしてある。
即ち、この第2実施形態の塗料ミスト捕集装置において、共通制御器27は、フィルタ再生制御及び粉剤回収制御については第1実施形態の塗料ミスト捕集装置と同様、次の(イ),(ロ)の如く制御動作するのに対し、粉剤更新制御については次の(ハ′)の如く制御動作する。
(イ)フィルタ再生制御
各フィルタ装置5について、設定再生時間Tsごとに(又は、フィルタ8の計測通気抵抗が設定閾抵抗値に至るごとに)、フィルタ再生装置15を作動させて塗料ミスト含有状態のフィルタ被覆層(粉剤集積層)をフィルタ表面から脱落させ、これにより、フィルタ8を再生する。
このフィルタ再生は、対応する粉剤タンク16の仕切扉17を閉じ状態に保ったままで実施し、フィルタ8から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤P(粉剤集積層)は、対応する受入ホッパ14に受け入れて堆積させる。
(ロ)粉剤回収制御
各フィルタ装置5について、設定回収時間Tk(≧Ts)ごとに、仕切扉17を開いて受入ホッパ14における塗料ミスト含有状態の堆積粉剤Pを対応する粉剤タンク16の粉剤収容室16bに落下させて収容する。
なお、設定回収時間Tkとしては、仕切扉17の1回の開き操作で粉剤タンク16に回収した粉剤Pを対応する粉剤ノズル11からの粉剤噴霧でほぼ使い切る時間を予め設定してある。
(ハ′)粉剤更新制御
各フィルタ装置5について、塗装室2における対応域での被塗物1の処理数が設定閾処理数に達するなど、塗装室2における対応域での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに(又は、仕切扉17の開き回数が設定閾回数に達するごとに)、仕切扉17を開き操作して受入ホッパ14の堆積粉剤Pを粉剤タンク16に落下させ、その後、仕切扉17を閉じた状態で、粉剤排出路24における排剤側切換弁24aの切り換え操作により、対応する粉剤タンク16を粉剤排出対象の粉剤タンクに切り換え、これにより、対応する粉剤タンク16における塗料ミスト含有状態の粉剤Pの全量をキャリア空気a5とともに粉剤排出路24を通じて排剤タンク23に排出する。
また、この粉剤Pの全量排出に併行して、上記三方弁30の切り換え操作により対応の粉剤ノズル11に対する連通供給路を新剤タンク25からの新剤供給路26に切り換えるとともに、新剤供給路26における新剤側切換弁26aの切り換え操作により、対応の粉剤ノズル11を新剤供給対象の粉剤ノズルに切り換え、これにより、対応する粉剤ノズル11に対し新剤タンク25から所定量の新鮮粉剤Pをキャリア空気a6とともに新剤供給路26を通じ供給して、その新鮮粉剤Pをキャリア空気a6とともに対応の粉剤ノズル11から被処理空気EAに噴霧させる形態で、粉剤更新を行いながら塗料ミスト捕集運転を継続する。
そして、その後、フィルタ再生制御及び粉剤回収制御の段階で、三方弁30の切り換え操作により対応の粉剤ノズル11に対する連通供給路を対応の粉剤タンク16からの粉剤供給路21に切り換え、これにより、粉剤タンク16→粉剤ノズル11→受入ホッパ14の順に粉剤Pを循環させる形態での通常の塗料ミスト捕集運転に復帰する。
なお、この第2実施形態の塗料ミスト捕集装置では、新剤タンク25からロータリバルブ25bを通じて取り出した新鮮粉剤Pを圧送ブロア25cによりキャリア空気a6とともに新剤供給路26を通じて各粉剤ノズル11に供給するようにしている。
その他の点については第1実施形態の塗料ミスト捕集装置と同じである。
〔第3実施形態〕
図8,図9は本発明による塗料ミスト捕集装置の第3実施形態を示し、この第3実施形態の塗料ミスト捕集装置では、前述の第1,第2実施形態で示した塗料ミスト捕集装置において、複数のフィルタ装置5における粉剤タンク16を共通化する改変を加えている。
具体的には、第1,第2実施形態では、フィルタ8と粉剤ノズル11と受入ホッパ14とを備える塗料ミスト捕集部としての各フィルタ装置5において、各受入ホッパ14に対して各別の粉剤タンク16を連設しているのに対し、この第3実施形態では、複数のフィルタ装置5に対する共通の粉剤タンク16Aを設け、この共通粉剤タンク16Aを各フィルタ装置5とは別置きで適当箇所に設置してある。
そして、塗装ブース長手方向に並べて配置した複数のフィルタ装置5夫々の粉剤ノズル11に対し共通粉剤タンク16Aから各別に延出した粉剤供給路21を接続するとともに、それら粉剤供給路21の夫々に噴霧用空気搬送手段としてのエゼクタ22を介装してある。
また、各フィルタ装置5夫々の受入ホッパ14について、それら受入ホッパ14における堆積粉剤Pを共通粉剤タンク16Aに導く各別の粉剤還流路31を設け、これに対し、共通粉剤タンク16Aには、各受入ホッパ14における堆積粉剤Pをキャリア空気a7とともに粉剤還流路31を通じて共通粉剤タンク16Aに戻す還流用空気搬送手段としてのバキューム装置32を装備し、各粉剤還流路31には、粉剤還流対象の受入ホッパ14を選択するための還流切換弁31aを介装してある。
共通粉剤タンク16Aの底部には、周密な微細気孔の存在より加圧空気の透過を許す通気性材により形成した散気板18を平面視で共通粉剤タンク16Aの全体にわたらせて配置し、この散気板18により共通粉剤タンク16Aの内部は、空気路を通じ撹拌用空気a1が加圧供給される下側の加圧空気室16aと、バキューム装置32により吸引した各受入ホッパ14からの戻り粉剤Pを収容する上側の粉剤収容室16bとに仕切ってあり、粉剤収容室16bには、空気路を通じ供給される撹拌用空気a2を室内に噴出する撹拌用ノズル20a装備してある。
つまり、第1,第2実施形態での各粉剤タンク16と同様、この共通粉剤タンク16Aの粉剤収容室16bでは、加圧空気室16aから散気板18を透過して粉剤収容室16bに対し上向きに噴出する撹拌用空気a1により粉剤収容室16bにおける収容粉剤Pを分散状態で上昇させて室内浮遊させ、また、撹拌用ノズル20aから噴出する撹拌用空気a2により室内空気を対流的に撹拌する状態にして粉剤収容室16bにおける浮遊粉剤Pを対流的に撹拌し、これにより、常時密閉化された共通粉剤タンク16Aにおいて、粉剤収容室16bにおける粉剤Pを単に解して流動化するに止まらず均一な浮遊分散状態(即ち、粉剤収容室16bにおける空気中の粉剤濃度を均一化した状態)に保つ。
即ち、この第3実施形態の塗料ミスト捕集装置においても、第1,第2実施形態の塗料ミスト捕集装置と同様に、各フィルタ装置5の粉剤ノズル11にフィルタ被覆層形成用の粉剤Pを供給するのに、上記の如く共通粉剤タンク16Aにおいて粉剤Pを均一な浮遊分散状態にし、その浮遊分散状態の粉剤Pをエゼクタ22によりキャリア空気a4とともに粉剤供給路21を通じ各粉剤ノズル11に供給することで、粉剤供給路21でのキャリア空気中における粉剤Pの浮遊分散状態(換言すれば、キャリア空気中における粉剤濃度)を効果的に均一化し、これにより、被処理空気EAに対する粉剤ノズル11からの粉剤噴霧を均一で良好な噴霧するとともに、その良好な粉剤噴霧を安定的に保つ。
共通粉剤タンク16Aの粉剤収容室16bには、各粉剤ノズル11への粉剤供給路21を接続するとともに、粉剤収容室16bにおける塗料ミスト含有状態の粉剤Pを共通の排剤タンク23に導く粉剤排出路24を接続してあり、排剤タンク23には、これら粉剤排出路24を通じて共通粉剤タンク16Aの粉剤収容室16bから塗料ミスト含有状態の粉剤Pをキャリア空気a5とともに排出する排出用空気搬送手段としての吸引ファン23aを装備してある。
また、共通粉剤タンク16Aの粉剤収容室16bには、共通の新剤タンク25から塗料ミスト未混入の新鮮粉剤Pを粉剤収容室16bに導く新剤供給路26を接続してあり、新剤タンク25には、空気路を通じ供給される圧縮空気をキャリア空気a6として、新鮮粉剤Pをキャリア空気a6とともに新剤供給路26を通じ共通粉剤タンク16Aの粉剤収容室16bに供給する新剤用空気搬送手段としてのブロータンク25aを装備してある。
そして、この第3実施形態の塗料ミスト捕集装置において共通制御器27は、次の(ニ)〜(へ)の制御を実行する。
(ニ)フィルタ再生制御
各フィルタ装置5について、設定再生時間Tsごとに(又は、フィルタ8の計測通気抵抗が設定閾抵抗値に至るごとに)、フィルタ再生装置15を作動させて塗料ミスト含有状態のフィルタ被覆層(粉剤集積層)をフィルタ表面から脱落させ、これにより、フィルタ8を再生する。
そして、フィルタ8から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤P(粉剤集積層)は、対応する受入ホッパ14に受け入れて堆積させる。
(ホ)粉剤回収制御
還流切換弁31aの開閉操作により複数のフィルタ装置5の各受入ホッパ14を順次に粉剤還流対象の受入ホッパにする形態で、それら複数のフィルタ装置5の各受入ホッパ14における塗料ミスト含有状態の堆積粉剤Pを設定回収時間Tk(≧Ts)ごとに対応の粉剤還流路31を通じてキャリア空気a7とともに共通粉剤タンク16Aの粉剤収容室16bに回収する。
(へ)粉剤更新制御
塗装室2における対応域(ここでは、1つの共通粉剤タンク16Aを共用する複数のフィルタ装置5についての対応域)での被塗物1の処理数が設定閾処理数に達するなど、塗装室2における対応域での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに(又は、各受入ホッパ14からの粉剤戻し回数が設定閾回数に達するごとに)、共通粉剤タンク16における塗料ミスト含有状態の粉剤Pの全量をキャリア空気a5とともに粉剤排出路24を通じて排剤タンク23に排出する。
そして、この粉剤Pの全量排出に続いて、共通粉剤タンク16の粉剤収容室16bに対して新剤タンク25から所定量の新鮮粉剤Pをキャリア空気a6とともに新剤供給路26を通じて供給する。
即ち、この粉剤更新により、各フィルタ装置5での粉剤ノズル11からの粉剤噴霧によるフィルタ被覆層の形成において、共通粉剤タンク16A→粉剤ノズル11→受入ホッパ14の順に循環させる粉剤Pの塗料ミスト含有率を上限値以下に保持する。
なお、この第3実施形態の塗料ミスト捕集装置については、各フィルタ装置5における受入ホッパ14の傾斜側壁に、空気路を通じ供給される圧縮空気a8により振動を発生してその発生振動を受入ホッパ14の傾斜側壁に伝播させるブリッジブレーカ33を装備してある。
つまり、各受入ホッパ14における堆積粉剤Pを粉剤還流路31を通じて共通粉剤タンク16Aに戻す際には、このブリッジブレーカ33を振動動作させることで、受入ホッパ14内の堆積粉剤Pを確実に受入ホッパ14の底部(即ち、粉剤還流路31の入口開口部)に滑落させるようにしてある。
その他の点については第1,第2実施形態の塗料ミスト捕集装置と同じである。
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
フィルタ装置5は、複数のフィルタ8を横向き姿勢で内装するものに限らず、単数ないし複数のフィルタ8を縦姿勢や斜め姿勢で内装するものであってもよい。
粉剤ノズル11の配置箇所は、フィルタ装置5の流入口10に限られるものではなく、塗装室2から排出される被処理空気EAをフィルタ8に導く導風路であれば、いずれの箇所に配置してもよい。
密閉化した粉剤タンク16,16Aにおいてタンク内に収容した粉剤Pを均一な浮遊分散状態に分散させてタンク内における空気中の粉剤濃度を均一化する粉剤分散手段は、前述の各実施形態で示した散気板18や撹拌用ノズル20a,20bに限られるものではなく、タンク内の粉剤Pを均一な浮遊分散状態に分散させ得るものであれば種々の方式のものを採用することができる。
粉剤タンク16,16Aにおける浮遊分散状態の粉剤Pをキャリア空気a4とともに粉剤供給路21を通じて粉剤ノズル11に供給する噴霧用空気搬送手段はエゼクタ22に限らず、種々の空気搬送方式のものを採用することができる。
フィルタ8の表面から塗料ミスト含有状態の粉剤Pを落下させてフィルタ8を再生するフィルタ再生手段は、フィルタ8に対し被処理空気EAの通過向きとは逆向きに圧縮空気をパルス的に作用させる方式のものや、フィルタ8に対し機械的に振動を付与する方式のものを初め、どのような再生方式のものであってもよい。
粉剤タンク16,16Aに収容された塗料ミスト含有状態の粉剤Pをキャリア空気a5とともに粉剤排出路24を通じて粉剤タンク16,16Aから排出する排出用空気搬送手段、及び、塗料ミスト未混入の新鮮粉剤Pをキャリア空気a6とともに新剤供給路26を通じて粉剤タンク16,16A又は粉剤ノズル11に供給する新剤用空気搬送手段には、前述の各実施形態で示した方式のものに限らず、種々の空気搬送方式のものを採用することができる。
また、受入ホッパ14の内部に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤Pをキャリア空気a7とともに粉剤還流路31を通じて粉剤タンク16Aに戻す還流用空気搬送手段も、前述の第3実施形態で示したものに限らず、種々の搬送方式のものを採用することができる。
前述の各実施形態では、塗装室2から排出される被処理空気EAに含まれる塗料ミストを並列配置の複数のフィルタ装置5により分担して捕集するものを示したが、本発明は塗装室2から排出される被処理空気EAに含まれる塗料ミストを単数のフィルタ装置5により捕集するものにも適用することができる。
塗装室2において塗装する被塗物1は、自動車ボディに限らず、バンパー等の自動車部部品、軌道車両や飛行機のボディ、家電製品、鋼材など、どのようなものであってよい。
本発明による塗料ミスト捕集装置は、塗料ミストを含む被処理空気EAの排出がある各種分野における種々の塗装設備において利用することができる。
2 塗装室
EA 被処理空気
8 フィルタ
10 導風路
P 粉剤
11 粉剤ノズル
16,16A 粉剤タンク
18 粉剤分散手段,散気板
20a,20b 粉剤分散手段,撹拌用ノズル
a4 キャリア空気
21 粉剤供給路
22 噴霧用空気搬送手段,エゼクタ
15 フィルタ再生手段
14 受入ホッパ
14a 粉剤排出口
17 仕切扉
a5 キャリア空気
24 粉剤排出路
23a 排出用空気搬送手段
a6 キャリア空気
26 新剤供給路
25a 新剤用空気搬送手段
30 供給路切換手段
Tk 設定回収時間
27 制御手段
a7 キャリア空気
31 粉剤還流路
32 還流用空気搬送手段
5 塗料ミスト捕集部
16b 粉剤収容室
a1 撹拌用空気
16a 加圧空気室
16c 粉剤送出室
19 仕切壁
19a 絞り開口

Claims (11)

  1. 塗装室から排出される被処理空気に含まれる塗料ミストを捕集するフィルタと、
    このフィルタに被処理空気を導く導風路に配置されて、この導風路を通過する被処理空気に対し粉剤を噴霧する粉剤ノズルとを備え、
    この粉剤ノズルにより噴霧された粉剤を分散状態で含んだ被処理空気を前記フィルタに通過させることで、粉剤の集積層からなる塗料ミスト捕捉用のフィルタ被覆層を前記フィルタの表面に形成する状態で被処理ガス中の塗料ミストを前記フィルタにより捕集する塗料ミスト捕集装置であって、
    密閉化した粉剤タンクにおいてタンク内に収容した粉剤を均一な浮遊分散状態に分散させてタンク内における空気中の粉剤濃度を均一化する粉剤分散手段を設け、
    この粉剤分散手段による粉剤濃度の均一化に併行して、前記粉剤タンクにおける浮遊分散状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤供給路を通じて前記粉剤ノズルに供給する噴霧用空気搬送手段を設けてある塗料ミスト捕集装置。
  2. 前記フィルタの表面から塗料ミスト含有状態の粉剤を落下させて前記フィルタを再生するフィルタ再生手段を設けるとともに、前記フィルタの表面から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤を受け入れる受入ホッパを設け、
    この受入ホッパの底部に形成した粉剤排出口を通じて前記受入ホッパの内部と前記粉剤タンクの内部とを連通させる状態で、前記受入ホッパの下方に前記粉剤タンクを配置し、
    前記粉剤排出口を開閉する仕切扉を設けて、この仕切扉の開き操作により、前記受入ホッパの内部に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤排出口を通じ前記粉剤タンクの内部に落下させて収容し、前記仕切扉の閉じ操作により粉剤収容状態の前記粉剤タンクを密閉化にする構成にしてある請求項1記載の塗料ミスト捕集装置。
  3. 前記粉剤タンクに収容された塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤排出路を通じて前記粉剤タンクから排出する排出用空気搬送手段を設け、
    塗料ミスト未混入の新鮮粉剤をキャリア空気とともに新剤供給路を通じて前記粉剤タンクに供給する新剤用空気搬送手段を設けてある請求項2記載の塗料ミスト捕集装置。
  4. 前記粉剤タンクに収容された塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤排出路を通じて前記粉剤タンクから排出する排出用空気搬送手段を設け、
    塗料ミスト未混入の新鮮粉剤をキャリア空気とともに新剤供給路を通じて供給する新剤用空気搬送手段を設けるとともに、
    前記粉剤ノズルに対して連通させる供給路を、前記粉剤タンクからの前記粉剤供給路と前記新剤供給路とに切り換える供給路切換手段を設けてある請求項2記載の塗料ミスト捕集装置。
  5. 設定回収時間ごとに前記仕切扉を開いて前記受入ホッパにおける塗料ミスト含有状態の堆積粉剤を前記粉剤タンクの内部に落下させる粉剤回収を自動的に実行する制御手段を設け、
    この制御手段は、前記粉剤回収の実行に加えて、前記塗装室での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに、又は、前記仕切扉の開き回数が設定閾回数に達するごとに、前記排出用空気搬送手段により前記粉剤タンクにおける塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤排出路を通じて排出するとともに、前記新剤用空気搬送手段により前記新剤供給路を通じて所定量の新鮮粉剤を供給する粉剤更新を自動的に実行する構成にしてある請求項3又は4記載の塗料ミスト捕集装置。
  6. 前記フィルタの表面から塗料ミスト含有状態の粉剤を落下させて前記フィルタを再生するフィルタ再生手段を設けるとともに、前記フィルタの表面から落下する塗料ミスト含有状態の粉剤を受け入れる受入ホッパを設け、
    前記受入ホッパの内部に堆積した塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤還流路を通じて前記粉剤タンクに戻す還流用空気搬送手段と、
    前記粉剤タンクに収容された塗料ミスト含有状態の粉剤をキャリア空気とともに粉剤排出路を通じて前記粉剤タンクから排出する排出用空気搬送手段と、
    塗料ミスト未混入の新鮮粉剤をキャリア空気とともに新剤供給路を通じて前記粉剤タンクに供給する新剤用空気搬送手段とを設けてある請求項1記載の塗料ミスト捕集装置。
  7. 設定回収時間ごとに前記還流用空気搬送手段により前記受入ホッパにおける塗料ミスト含有状態の堆積粉剤を前記粉剤タンクに戻す粉剤回収を自動的に実行する制御手段を設け、
    この制御手段は、前記粉剤回収の実行に加えて、前記塗装室での塗装作業量が設定閾作業量に達するごとに、又は、前記還流用空気搬送手段による粉剤の戻し回数が設定閾回数に達するごとに、前記排出用空気搬送手段により前記粉剤タンクにおける塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤排出路を通じて排出するとともに、前記新剤用空気搬送手段により前記新剤供給路を通じて所定量の新鮮粉剤を前記粉剤タンクに供給する粉剤更新を自動的に実行する構成にしてある請求項6記載の塗料ミスト捕集装置。
  8. 前記フィルタと前記粉剤ノズルと前記受入ホッパとを備える塗料ミスト捕集部を複数設けて、これら複数の塗料ミスト捕集部に対する共通の前記粉剤タンクを設けるとともに、
    複数の前記塗料ミスト捕集部の夫々について、前記共通の粉剤タンクから前記粉剤供給路を通じて前記粉剤ノズルに粉剤を供給する前記噴霧用空気搬送手段、及び、前記受入ホッパから塗料ミスト含有状態の粉剤を前記粉剤還流路を通じて前記共通の粉剤タンクに戻す前記還流用空気搬送手段を設けてある請求項6又は7記載の塗料ミスト捕集装置。
  9. 加圧空気の透過を許す通気性材により形成した散気板を前記粉剤タンクの底部に配置して、この散気板により前記粉剤タンクの内部を、粉剤が収容される上側の粉剤収容室と撹拌用空気が加圧供給される下側の加圧空気室とに仕切るとともに、前記粉剤収容室に対して撹拌用空気を噴出する撹拌用ノズルを設け、
    これら散気板及び撹拌用ノズルを前記粉剤分散手段として、前記加圧空気室から前記散気板を透過して前記粉剤収容室に対し上向きに噴出される撹拌用空気、及び、前記撹拌用ノズルから前記粉剤収容室に噴出される撹拌用空気により、前記粉剤収容室に収容された粉剤を均一な浮遊分散状態に分散させる構成にしてある請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗料ミスト捕集装置。
  10. 前記粉剤タンクにおいて前記粉剤収容室に隣接する粉剤送出室を設けるとともに、この粉剤送出室から前記粉剤供給路を延出し、
    前記粉剤収容室と前記粉剤送出室とを仕切る仕切壁には、それら両室を連通させる連通口として、前記粉剤収容室から前記粉剤送出室へ浮遊分散状態で流入する粉剤の流量を制限する絞り開口を形成してある請求項9記載の塗料ミスト捕集装置。
  11. 前記粉剤タンクから前記粉剤供給路を通じて粉剤を前記粉剤ノズルに供給する前記噴霧用空気搬送手段は、
    供給される圧縮空気の通過に伴い形成される負圧により前記粉剤タンクから粉剤を吸入し、その負圧形成後の圧縮空気をキャリア空気として、吸入粉剤を負圧形成後の圧縮空気とともに送出するエゼクタにより構成し、
    このエゼクタに対する圧縮空気の供給流量を調整することで、前記粉剤ノズルに対する粉剤の供給流量を調整して前記粉剤ノズルから噴霧する粉剤の噴霧量を調整する噴霧量調整手段を設けてある請求項1〜10のいずれか1項に記載の塗料ミスト捕集装置。
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