JP2015112045A - スピニングリール - Google Patents

Abstract

【課題】ワンウェイクラッチへの浸水を確実に防止する。【解決手段】第１シール部材８は、ワンウェイクラッチ５の前方においてワンウェイクラッチ５への浸水を防止する。第２シール部材９は、第１シール部材８の前方においてワンウェイクラッチ５への浸水を防止する。第２シール部材９は、筒状部材７と間隔をあけて対向する対向面９０を有している。対向面９０は、互いに異なる方向に延びる第１対向面９１及び第２対向面９２を有する。【選択図】図３

Description

本発明は、スピニングリールに関するものである。

スピニングリールはロータ及びスプールを備えており、ロータが回転することによってスプールに釣糸が巻きつけられる。スピニングリールは、ロータが逆回転しないよう、すなわち、釣糸を繰り出す方向にロータが回転しないよう、ワンウェイクラッチをさらに備えている（例えば特許文献１参照）。

詳細には、ロータは、ピニオンギアと一体的に回転する。そして、ワンウェイクラッチは、リール本体とピニオンギアとの間で一方向に動力を伝達するように構成されている。ピニオンギアを釣糸繰り出し方向に回転させようとすると、ワンウェイクラッチがピニオンギアとリール本体との間で動力を伝達する。この結果、ピニオンギア及びロータは釣糸繰り出し方向に回転しない。一方、ピニオンギアを釣糸巻き取り方向に回転させようとすると、ワンウェイクラッチはピニオンギアとリール本体との間で動力を伝達しない。この結果、ピニオンギア及びロータは釣糸巻き取り方向に回転する。

特開２０００−８３５３３号公報

上述したように構成されたワンウェイクラッチに水などが侵入すると、ワンウェイクラッチの回転が鈍くなって釣糸巻取り方向にロータをスムーズに回転させられなくなったりたり、ワンウェイクラッチ内で滑りが生じてロータの逆転を防止する機能が十分に果たせなくなったりするなどの問題が生じる。

本発明の課題は、ワンウェイクラッチへの浸水を確実に防止することにある。

本発明のある側面に係るスピニングリールは、前方に釣糸を繰り出すスピニングリールである。スピニングリールは、リール本体と、スプール軸と、回転部材と、ワンウェイクラッチと、第１シール部材と、第２シール部材と、を備える。スプール軸は、リール本体に設けられる。回転部材はピニオンギアを有する。ピニオンギアは、リール本体に設けられスプール軸周りに回転可能に配置される。ワンウェイクラッチは、リール本体とピニオンギアとの間で動力を一方向に伝達するように構成される。第１シール部材は、ワンウェイクラッチの前方においてワンウェイクラッチへの浸水を防止する。第２シール部材は、第１シール部材の前方においてワンウェイクラッチへの浸水を防止する。第２シール部材は、回転部材と間隔をあけて対向する対向面を有している。対向面は、第１対向面と、第２対向面を有する。第１対向面と第２対向面は、互いに異なる方向に延びる。

この構成によれば、第１シール部材に加え、第２シール部材によっても、ワンウェイクラッチへの浸水を防止するため、ワンウェイクラッチへの浸水をより確実に防止することができる。また、第２シール部材は回転部材と間隔をあけて配置されているため、第２シール部材が回転部材の回転を妨げることがなく、回転部材はスムーズに回転することができる。

そして、第１及び第２対向面は、互いに異なる方向に延びている。このため、回転部材と第１対向面とによって画定される第１隙間と、回転部材と第２対向面とによって画定される第２隙間とは、互いに異なる方向に延びている。この結果、第１及び第２隙間を介して水などが浸入することを抑制することができる。

好ましくは、第１対向面は回転部材の回転軸方向に沿って延び、第２隙間は回転部材の径方向に沿って延びる。このように、第１対向面と回転部材との第１隙間、及び第２対向面と回転部材との第２隙間によって、いわゆるラビリンス構造が形成されることによって、より水などの浸入を防ぐことができる。

好ましくは、第１対向面は、回転部材の外周面と間隔をあけて対向する第２シール部材の第１内周面によって構成される。

好ましくは、第２対向面は、回転部材の後面と間隔をあけて対向する第２シール部材の内周側端部の前面によって構成される。

好ましくは、回転部材は、ピニオンギアと一体的に回転する筒状部材をさらに有する。

好ましくは、対向面は、第２対向面と異なる方向に延びる第３対向面をさらに有する。この構成によれば、第２シール部材と回転部材との隙間を介して水が浸入することをより効果的に抑制することができる。

好ましくは、第３対向面は、回転部材の回転軸方向に延びる。

好ましくは、第２シール部材は、前方に突出する突出部を有する。突出部は、内周側端部において全周に亘って形成される。第２対向面は、突出部の前面よって構成される。第３対向面は、突出部の外周面によって構成される。突出部の外周面は、回転部材の第２内周面と対向する。

好ましくは、第２シール部材の第１対向面及び回転部材の外周面の少なくとも一方は、撥水性を有する。この構成によれば、第２シール部材と回転部材との隙間を介して水が浸入することをより効果的に抑制することができる。

好ましくは、第１シール部材は、回転部材の外周面と間隔をあけて対向する第３内周面を有する。第３内周面及び回転部材の外周面の少なくとも一方は、撥水性を有する。この構成によれば、この構成によれば、第１シール部材の第３内周面は、回転部材の外周面と間隔をあけているため、第１シール部材が回転部材の回転を妨げることがなく、回転部材はスムーズに回転することができる。そして、第１シール部材の第３内周面及び回転部材の外周面の少なくとも一方は撥水性を有しているため、第１シール部材の第３内周面と回転部材の外周面との隙間を介して水などが浸入することを抑制することができる。

好ましくは、第１シール部材の第３内周面と回転部材の外周面との間の第１境界部は、第１対向面と回転部材の外周面との第２境界部と径方向の位置が異なる。

好ましくは、第１境界部は、第２境界部よりも径方向内側に位置する。

好ましくは、スピニングリールは、収容部材をさらに備える。収容部材は、前方に開口する収容空間を有する。収容部材は、リール本体に固定される。ワンウェイクラッチは、収容空間内に配置される。

収容部材は、リール本体と一体的に形成されていてもよい。

好ましくは、スピニングリールは、蓋部材をさらに備える。蓋部材は、回転部材の外周面と間隔をあけて対向する第４内周面を有する。蓋部材は、収容部材の前方に配置される。第１シール部材は、蓋部材と回転部材との隙間をシールするように構成される。

本発明によれば、ワンウェイクラッチへの浸水を確実に防止することができる。

スピニングリールの断面図。 リール本体の前方に配置された各部材を示す分解図。 スピニングリールの拡大断面図。 蓋部材と第１シール部材とを示す分解図。 筒状部材と第２シール部材とを示す分解図。

以下、本発明に係るスピニングリールの実施形態について図面を参照しつつ説明する。図１はスピニングリール１００の断面図である。なお、以下の説明において、軸方向（回転部材の回転軸方向の一例）とはスプール軸２が延びる方向を示し、径方向（回転部材の径方向の一例）とはスプール軸２を中心とした円の径方向を示し、周方向とはスプール軸２を中心とした円の周方向を示す。また、釣糸を繰り出す方向（図１の左方向）を前方、その逆方向（図１の右方向）を後方と称する。

図１に示すように、スピニングリール１００は、釣糸を前方（図１の左方向）に繰り出す。スピニングリール１００は、リール本体１、スプール軸２、ピニオンギア３、収容部材４、ワンウェイクラッチ５、蓋部材６、筒状部材７、第１シール部材８、及び第２シール部材９を備えている。なお、本発明の回転部材は、ピニオンギア３及び筒状部材７を有している。スピニングリール１００は、ロータ１１、スプール１２、及びハンドル１３をさらに備えている。

リール本体１は、内部空間を有しており、内部空間内に種々の機構を収容している。例えば、駆動ギア１４、及びオシレーティング機構１５がリール本体１内に収容されている。また、リール本体１の側面には、ハンドル１３が回転可能に取り付けられている。

ハンドル１３を回転させることによって、駆動ギア１４が回転する。駆動ギア１４は、フェースギアであり、ピニオンギア３のギア部３１と噛み合っている。オシレーティング機構１５は、スプール軸２を軸方向に往復動させる機構である。

スプール軸２は、リール本体１に設けられている。詳細には、スプール軸２は、リール本体１内から前方に延びている。スプール軸２は、ハンドル１３を回転させることによって、前後方向に往復動する。詳細には、ハンドル１３の回転が、駆動ギア１４及びオシレーティング機構１５を介して、スプール軸２を前後方向に往復動させる。

スプール１２は、釣糸が巻きつけられる部材である。スプール１２は、スプール軸２の先端部にドラグ機構１６を介して装着されている。スプール１２は、スプール軸２と一体的に前後方向に往復動する。

ピニオンギア３は、リール本体１に設けられている。詳細には、ピニオンギア３は、リール本体１内から前方に延びている。ピニオンギア３は、スプール軸２周りに回転可能に配置されている。ピニオンギア３は筒状に形成されており、ピニオンギア３の内部をスプール軸２が延びている。なお、ピニオンギア３の内周面とスプール軸２の外周面とが接触しないよう、ピニオンギア３は複数の軸受を介してリール本体１に支持されている。

ピニオンギア３は、ギア部３１と取付部３２とを有している。ギア部３１は、ピニオンギア３の後部に位置しており、駆動ギア１４と噛み合っている。取付部３２は、ピニオンギア３の前部に位置している。取付部３２は、種々の部材が取り付けられている。

図２は、リール本体１の前方に配置された各部材を示す分解図である。図２に示すように、ピニオンギア３の取付部３２は、円筒状に形成されており、外周面に一対の平坦面３２１を有している。各平坦面３２１は軸方向に延びており、互いに平行である。

図１に示すように、ロータ１１は、スプール１２に釣糸を巻きつけるための部材である。ロータ１１は、ピニオンギア３に固定されており、ピニオンギア３と一体的に回転する。すなわち、ロータ１１はピニオンギア３と相対回転不能である。

図３は、スピニングリール１００の拡大断面図である。図３に示すように、ロータ１１は、円筒部１１１と、壁部１１２と、ボス部１１３とを有する。これらは１つの部材によって一体的に形成されている。

円筒部１１１は、円筒状の部材であって、内部に収容空間を有している。壁部１１２は、円形の板状に形成されており、中央に開口部を有する。壁部１１２の外周面は、円筒部１１１の内周面と連結している。ボス部１１３は、壁部１１２の内周側端部から後方に延びている。ボス部１１３は、ピニオンギア３の取付部３２に取り付けられている。この結果、ロータ１１は、ピニオンギア３と一体的に回転する。詳細には、前方から見た状態において、ボス部１１３の貫通孔が、ピニオンギア３の取付部３２と同じ形状となっている。そして、ピニオンギア３の取付部３２がボス部１１３の貫通孔に嵌合することによって、ボス部１１３がピニオンギア３に取り付けられる。

図１及び図２に示すように、収容部材４は、リール本体１の前方に配置されており、スプール軸２周りに回転不能である。具体的には、収容部材４は、ネジ部材などによって、リール本体１に固定されている。

図２に示すように、収容部材４は、前方に開口する収容空間４０を有する。詳細には、収容部材４は、円筒部４１と、後板４２とを有している。円筒部４１は、円筒状に形成されており、内周面に複数の凹部４１１を有している。後板４２は、円筒部４１の後端面を塞いでいる。後板４２の中央には開口部４２１が形成されており、ピニオンギア３がこの開口部４２１を貫通する。

図１及び図２に示すように、ワンウェイクラッチ５は、リール本体１に固定された収容部材４内に配置されており、ピニオンギア３と収容部材４との間で動力を一方向に伝達するように構成されている。すなわち、ワンウェイクラッチ５は、リール本体１とピニオンギア３との間で動力を一方向に伝達するように構成されている。

具体的には、ピニオンギア３が釣糸繰り出し方向に回転しようとすると、ワンウェイクラッチ５はリール本体１とピニオンギア３との間で動力を伝達する。この結果、ピニオンギア３及びロータ１１は、釣糸繰り出し方向に回転しない。一方、ピニオンギア３が釣糸巻取り方向に回転すると、ワンウェイクラッチ５は、リール本体１とピニオンギア３との間で動力を伝達しない。この結果、ピニオンギア３及びロータ１１は、釣糸巻き取り方向に回転する。

図２に示すように、ワンウェイクラッチ５は、ローラ式のワンウェイクラッチであり、内輪５１、外輪５２、複数のローラ５３、保持部材５４、及び複数の付勢部材５５を有している。

内輪５１は、ピニオンギア３の取付部３２に取り付けられる。この結果、内輪５１は、ピニオンギア３と一体的に回転する。すなわち、内輪５１とピニオンギア３とは相対回転不能である。詳細には、内輪５１の貫通孔５１１は、前方から見て、ピニオンギア３の取付部３２とほぼ同じ形状である。この結果、ピニオンギア３の取付部３２は、内輪５１の貫通孔５１１に嵌合する。

外輪５２は、略円筒状に形成されており、外周面に複数の凸部５２１を有している。外輪５２の各凸部５２１は、収容部材４の各凹部４１１と係合する。これにより、外輪５２は、収容部材４と相対回転不能となる。すなわち、外輪５２は、スプール軸２周りに回転不能である。外輪５２は、カム面５２２を有している。

各ローラ５３は、内輪５１と外輪５２との間に配置されている。また、各ローラ５３は、保持部材５４によって保持されている。なお、各ローラ５３と保持部材５４との間には、各付勢部材５５が配置されている。各付勢部材５５は、各ローラ５３を周方向に付勢している。

図３に示すように、蓋部材６は、収容部材４の前方に配置されている。蓋部材６は、収容空間４０の前面を画定するように構成されている。蓋部材６は、スプール軸２周りに回転不能である。例えば、蓋部材６は、ネジ部材などによって、リール本体１に固定されている。図４に示すように、蓋部材６は、第４内周面６１を有している。第４内周面６１は、筒状部材７の外周面と間隔をあけて対向する。

詳細には、蓋部材６は、蓋部６２と、円筒部６３とを有する。蓋部６２は、収容空間４０の前面を画定するように形成されている。蓋部６２は、円盤形状であって、中央に開口部が形成されている。この蓋部６２の開口部の内周面が、上述した第４内周面６１に相当する。

円筒部６３は、円筒状に形成されており、蓋部６２の外周側端部から後方に延びている。円筒部６３の内周面は、収容部材４の外周面と接触している。円筒部６３は、リール本体１の前端部まで延びている。円筒部６３の後端部とリール本体１の前端部との間には、Ｏリング１７が介在している。

図３に示すように、筒状部材７は、ワンウェイクラッチ５の前方に配置されている。筒状部材７は、ピニオンギア３と一体的に回転可能である。詳細には、図５に示すように、筒状部材７は、大径部７１と、小径部７２と、後板部７３と、外筒部７４と、連結部７５とを有する。大径部７１及び小径部７２は円筒形状であり、大径部７１の方が小径部７２よりも外径が大きい。なお、内径に関しても、大径部７１の方が小径部７２よりも大きい。大径部７１と小径部７２とによって、ボス部１１３の外周面を覆っている。

後板部７３は、円板状に形成されており、小径部７２の後端面を封鎖している。後板部７３は中央に開口部を有しており、ピニオンギア３が後板部７３の開口部を貫通している。後板部７３は、軸方向において、ボス部１１３と内輪５１とによって挟まれている。この結果、筒状部材７は、ロータ１１及び内輪５１と一体的に回転する。すなわち、筒状部材７は、ピニオンギア３と一体的に回転する。後板部７３の前面はボス部１１３の後面と接触しており、後板部７３の後面は内輪５１の前面と接触している。

外筒部７４は、円筒状に形成されており、大径部７１よりも径方向外側に配置されている。外筒部７４の内周面は、大径部７１の外周面と対向している。連結部７５は、大径部７１と外筒部７４とを連結している。詳細には、連結部７５は、環状に形成されている。連結部７５の内周側端部は大径部７１の前端部と連結しており、連結部７５の外周側端部は外筒部７４の前端部と連結している。連結部７５の後面７５１が、本発明の回転部材の後面に相当する。また、外筒部７４の内周面７４１が、本発明の第２内周面に相当する。

大径部７１の外周面、小径部７２の外周面、外筒部７４の第２内周面７４１、及び連結部７５の後面７５１は、撥水性を有している。例えば、これら各面に撥水層が形成されている。例えば、フッ素樹脂又はシリコン樹脂などの撥水性を有する物質が各面に塗布されている。なお、筒状部材７自体が、撥水性を有する材質によって形成されていてもよい。

図３に示すように、第１シール部材８は、ワンウェイクラッチ５の前方においてワンウェイクラッチ５への浸水を防止する。詳細には、第１シール部材８は、蓋部材６と筒状部材７との隙間をシールするように構成されている。

図４に示すように、第１シール部材８は環状に形成されている。第１シール部材８の第３内周面８１は、筒状部材７の外周面と間隔をあけて対向している。詳細には、第３内周面８１は、筒状部材７の小径部７２の外周面と間隔をあけて対向している。

第３内周面８１と筒状部材７の外周面との間隔は０．０５ｍｍ以上０．３ｍｍ以下程度とすることが好ましく、０．１ｍｍ以上０．２ｍｍ以下程度とすることがより好ましい。この第３内周面８１と筒状部材７の小径部７２の外周面との境界部を第１境界部と称する。なお、本実施形態では、第１境界部は、第３内周面８１と筒状部材７の小径部７２の外周面との間の空間を示す。

第１シール部材８は、弾性を有する材質によって形成されており、例えば合成ゴムなどによって形成されている。詳細には、第１シール部材８は、第１本体部８２と、第１リップ部８３とを有する。なお、第１本体部８２と第１リップ部８３とは一体的に形成されている。

第１本体部８２は、環状に形成されている。第１本体部８２は、蓋部材６における蓋部６２の内周側端部の前面上に配置されている。詳細には、蓋部６２の内周側端部が後方に凹んで凹部６２１が形成されている。この凹部６２１に第１本体部８２が配置されている。なお、第１本体部８２の厚さ（軸方向の長さ）は、蓋部６２の凹部６２１の深さよりも大きい。そして、第１本体部８２は、蓋部６２と後述する第２本体部９５とによって軸方向において挟まれている。これにより、第１シール部材８は、蓋部材６上に支持されている。

第１リップ部８３は、環状に形成されており、内周側ほど厚みが小さくなるように形成されている。第１リップ部８３は、第１シール部材８の内周側端部に位置している。第１リップ部８３は、内周側に向かって、前方に傾斜している。この第１リップ部８３の内周側端面が、上述した第３内周面８１に相当する。

第１シール部材８の第３内周面８１は、撥水性を有する。詳細には、第３内周面８１に撥水層が形成されている。例えば、フッ素樹脂又はシリコン樹脂などの撥水性を有する物質が第３内周面８１に塗布されている。なお、第１シール部材８自体が、撥水性を有する材質によって形成されていてもよい。

図３に示すように、第２シール部材９は、第１シール部材８の前方においてワンウェイクラッチ５への浸水を防止する。図５に示すように、第２シール部材９は、環状に形成されている。第２シール部材９は、スプール軸２周りに回転不能に配置されている。例えば、第２シール部材９は、ネジ部材などによって、リール本体１に固定されている。また、第２シール部材９は、蓋部材６の前面上に配置されている。

第２シール部材９は、筒状部材７と間隔をあけて配置されている。すなわち、第２シール部材９は、筒状部材７と間隔をあけて対向する対向面９０を有している。第２シール部材９の対向面９０は、第１対向面９１、第２対向面９２、及び第３対向面９３を有している。

第１対向面９１は、第２シール部材９の第１内周面によって構成されている。この第１対向面９１は、筒状部材７の外周面と間隔をあけて対向している。なお、第１対向面９１は、筒状部材７の大径部７１の外周面と間隔をあけて対向している。第１対向面９１は、軸方向に沿って延びており、この第１対向面９１と大径部７１の外周面とによって、第１隙間が画定される。この第１隙間は、軸方向に沿って延びる。

なお、第２シール部材９は、第２本体部９４と、突出部９５とを有する。第２本体部９４は、円板状に形成されており、中央に開口部を有する。この第２シール部材９の開口部の内周面が、上述した第１対向面９１に相当する。突出部９４は、第２本体部９５の内周側端部から前方に突出している。突出部９４は、全周に亘って形成されている。具体的には、突出部９４は、円筒状に形成されている。この突出部９４の高さは、１．０ｍｍ以上１．５ｍｍ以下程度とすることが好ましく、１．２ｍｍ程度とすることがより好ましい。

第１対向面９１と筒状部材７の外周面との間隔は、０．０５ｍｍ以上０．３ｍｍ以下程度とすることが好ましく、０．１ｍｍ以上０．２ｍｍ以下程度とすることがより好ましい。また、第１対向面９１の軸方向における長さは、第１対向面９１と筒状部材７の大径部７１の外周面との距離よりも大きい。また、この第１対向面９１と筒状部材７の大径部７１の外周面との境界部を第２境界部と称する。なお、本実施形態では、第２境界部は、第１対向面９１と筒状部材７の大径部７１の外周面との間の第１隙間を示す。第１境界部と第２境界部とは、径方向の位置が異なっている。すなわち、第１境界部は、第２境界部よりも径方向内側に位置している。

第２対向面９２は、第１対向面９１と異なる方向に延びており、詳細には、径方向に沿って延びている。なお、第２対向面９２は、第２シール部材９の内周側端部の前面によって構成されている。具体的には、第２対向面９２は、突出部９４の前面によって構成されている。この第２対向面９２は、筒状部材７の後面７５１と間隔をあけて対向している。第２対向面９２と筒状部材７の後面７５１との間隔は、０．０５ｍｍ以上０．３ｍｍ以下程度とすることが好ましく、０．１ｍｍ以上０．２ｍｍ以下程度とすることがより好ましい。

第２対向面９２と筒状部材７の後面７５１とによって第２隙間が画定されている。第２隙間は、上述した第１隙間と連通しており、径方向に沿って延びている。具体的には、第２隙間は、第１隙間の前端部から径方向外側に向かって延びる。このように、第１隙間と第２隙間とによってラビリンス構造が形成されている。

第３対向面９３は、第２対向面９２と異なる方向に延びており、詳細には、軸方向に沿って延びている。なお、第３対向面９３は、突出部９４の外周面によって構成されている。第３対向面９３は、筒状部材７の第２内周面７４１と間隔をあけて対向している。第３対向面９３と筒状部材７の第２内周面７４１との間隔は０．０５ｍｍ以上０．３ｍｍ以下程度とすることが好ましく、０．１ｍｍ以上０．２ｍｍ以下程度とすることがより好ましい。

第３対向面９３と、筒状部材７の第２内周面７４１とによって第３隙間が画定されている。第３隙間は、第２隙間と連通しており、軸方向に沿って延びている。具体的には、第３隙間は、第２隙間の外周側端部から、後方に向かって延びる。このように、第１隙間、第２隙間、及び第３隙間によって、ラビリンス構造が形成されている。

第１対向面９１、第２対向面９２、及び第３対向面９３は、撥水性を有する。詳細には、各対向面９１，９２，９３に撥水層が形成されている。例えば、フッ素樹脂又はシリコン樹脂などの撥水性を有する物質が各対向面９１，９２，９３に塗布されている。なお、第２シール部材９自体が、撥水性を有する材質によって形成されていてもよい。

［特徴］
本実施形態に係るスピニングリールは、次の特徴を有する。

本実施形態に係るスピニングリール１００は、第１シール部材８に加え、第２シール部材９によっても、ワンウェイクラッチ５への浸水を防止するため、ワンウェイクラッチ５への浸水をより確実に防止することができる。また、第２シール部材９の対向面９０は筒状部材７の外周面と間隔をあけているため、第２シール部材９が筒状部材７の回転を妨げることがなく、筒状部材７はスムーズに回転することができる。このため、ピニオンギア３もスムーズに回転することができる。

第１対向面９１と第２対向面９２とが互いに異なる方向に延びている。すなわち、上述した第１隙間と第２隙間とが、互いに異なる方向に延びている。具体的には、第１隙間が軸方向に延びており、第２隙間が径方向に延びている。このように、第１隙間と第２隙間とによって、いわゆるラビリンス構造が形成されているため、第２シール部材９と筒状部材７との隙間を介して水などが浸入することを抑制することができる。

また、第３対向面９３と、筒状部材７の第２内周面７４１との間隔によって形成される第３隙間は第２隙間と連通している。そして、第３隙間と第２隙間とは互いに異なる方向に延びている。すなわち、第２隙間は、径方向に延び、第３隙間は軸方向に延びている。このように、第１隙間、第２隙間、及び第３隙間によって、いわゆるラビリンス構造が形成されているため、第２シール部材９と筒状部材７との隙間を介して水などが浸入することをより効果的に抑制することができる。

［変形例］
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。

変形例１
上記実施形態では、収容部材４とリール本体１とは別部材によって形成されていたが、特にこれに限定されない。例えば、収容部材４は、リール本体１と一体的に形成されていてもよい。すなわち、リール本体１と収容部材４とは一つの部材によって形成されていてもよい。

変形例２
上記実施形態では、第２シール部材９は、突出部９４を有しているが、特にこれに限定されない。例えば、第２シール部材９は突出部９４を有していなくてもよい。

変形例３
上記実施形態では、筒状部材７は、外筒部７４を有しているが、外筒部７４を省略することもできる。

変形例４
上記実施形態では、第１シール部材８の第３内周面８１は、筒状部材７の外周面と間隔をあけて対向しているが、特にこれに限定されない。例えば、第１シール部材８の第３内周面８１は、筒状部材７の外周面と接触していてもよい。

変形例５
上記実施形態では、筒状部材７において、大径部７１の外周面、小径部７２の外周面、外筒部７４の第２内周面７４１、及び連結部７５の後面７５１の全てが撥水性を有していたが、特にこれに限定されない。例えば、これら各面の全てが撥水性を有していなくてもよい。

１ リール本体
２ スプール軸
３ ピニオン軸
４ 収容部材
５ ワンウェイクラッチ
６ 蓋部材
７ 筒状部材
７４１ 第２内周面
８ 第１シール部材
８１ 第３内周面
９ 第２シール部材
９０ 対向面
９１ 第１対向面
９２ 第２対向面
９３ 第３対向面

Claims (15)

1. 前方に釣糸を繰り出すスピニングリールであって、
   リール本体と、
   前記リール本体に設けられたスプール軸と、
   前記リール本体に設けられ前記スプール軸周りに回転可能に配置されるピニオンギアを有する回転部材と、
   前記リール本体と前記ピニオンギアとの間で動力を一方向に伝達するように構成されたワンウェイクラッチと、
   前記ワンウェイクラッチの前方において前記ワンウェイクラッチへの浸水を防止する第１シール部材と、
   前記回転部材と間隔をあけて対向する対向面を有し、前記第１シール部材の前方において前記ワンウェイクラッチへの浸水を防止する第２シール部材と、
   を備え、
   前記対向面は、第１対向面と、前記第１対向面と異なる方向に延びる第２対向面と、を有する、
   スピニングリール。
2. 前記第１対向面は、前記回転部材の回転軸方向に沿って延び、
   前記第２対向面は、前記回転部材の径方向に沿って延びる、
   請求項１に記載のスピニングリール。
3. 前記第１対向面は、前記回転部材の外周面と間隔をあけて対向する前記第２シール部材の第１内周面によって構成される、
   請求項１又は２に記載のスピニングリール。
4. 前記第２対向面は、前記回転部材の後面と間隔をあけて対向する前記第２シール部材の内周側端部の前面によって構成される、
   請求項１から３のいずれかに記載のスピニングリール。
5. 前記回転部材は、前記ピニオンギアと一体的に回転する筒状部材をさらに有する、
   請求項１から４のいずれかに記載のスピニングリール。
6. 前記対向面は、前記第２対向面と異なる方向に延びる第３対向面をさらに有する、
   請求項１から５のいずれかに記載のスピニングリール。
7. 前記第３対向面は、前記回転部材の回転軸方向に延びる、
   請求項６に記載のスピニングリール。
8. 前記第２シール部材は、内周側端部において全周に亘って形成され且つ前方に突出する突出部を有し、
   前記第２対向面は、前記突出部の前面によって構成され、
   前記第３対向面は、前記回転部材の第２内周面と間隔をあけて対向する前記突出部の外周面によって構成される、
   請求項６又は７に記載のスピニングリール。
9. 前記第２シール部材の第１対向面及び前記回転部材の外周面の少なくとも一方は、撥水性を有する、
   請求項１から８のいずれかに記載のスピニングリール。
10. 前記第１シール部材は、前記回転部材の外周面と間隔をあけて対向する第３内周面を有し、
    前記第３内周面及び前記回転部材の外周面の少なくとも一方は、撥水性を有する、
    請求項１から９のいずれかに記載のスピニングリール。
11. 前記第１シール部材の第３内周面と前記回転部材の外周面との間の第１境界部は、前記第１対向面と前記回転部材の外周面との第２境界部と径方向の位置が異なる、
    請求項１から１０のいずれかに記載のスピニングリール。
12. 前記第１境界部は、前記第２境界部よりも径方向内側に位置する、
    請求項１１に記載のスピニングリール。
13. 前方に開口する収容空間を有し、前記リール本体に固定される収容部材をさらに備え、
    前記ワンウェイクラッチは、前記収容空間内に配置される、
    請求項１から１２のいずれかに記載のスピニングリール。
14. 前記収容部材は、前記リール本体と一体的に形成される、
    請求項１３に記載のスピニングリール。
15. 前記回転部材の外周面と間隔をあけて対向する第４内周面を有し、前記収容部材の前方に配置される蓋部材をさらに備え、
    前記第１シール部材は、前記蓋部材と前記回転部材との隙間をシールするように構成される、
    請求項１３又は１４に記載のスピニングリール。

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