JP2015111617A - 実装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップに形成されているデバイスにダメージを与えることなく、バンプを用いた実装ができるようにする。【解決手段】まず、図1Aの(a)に示すように、チップ101の電極102(一方の電極)に、スタッドバンプ105を形成する(バンプ形成工程)。スタッドバンプ105は、形成面(電極102)より離れる側の先端に先細りとなる先端部106を備える。次に、基板103の電極104(他方の電極)に、スタッドバンプ105の先端部106の先端を当接させる。次に、加熱して荷重を印加することでスタッドバンプ105を電極104に圧下して圧潰することで、図1Aの(b)に示すように、圧潰したスタッドバンプ105を電極104に接合し、チップ101を基板103に実装する(実装工程)。【選択図】 図1A
Description
本発明は、チップを基板や他のチップに実装する実装方法に関するものである。
LSI(Large scale integration)やMEMS(Micro electro mechanical systems)デバイスの作製において、チップを対となるチップ、あるいはチップへ分割する前のウェハに張り合わせるフリップチップ実装技術が広く利用されている。これらのチップ実装技術は、「Chip on chip (CoC)」,「 Chip on Wafer (CoW)」などと呼ばれている。
上述したチップ実装技術では、例えば、チップ面に形成したバンプなどの突起状の構造を接合対象の電極に当接させ、ここに熱,荷重,超音波を加えることで、電気的接続と構造的接合を実現し、チップ同士あるいはチップを基板上に実装している。例えば、特許文献1の技術によれば、チップ上に形成したスタッドバンプを接合する際に、荷重を加えながら超音波振動を与え、バンプと電極との接合を行っている。
また、非特許文献1の技術によれば、次に示すように、スタッドバンプと電極(電極パッド)に接合している。まず、シリコン基板上の金(Au)薄膜にAuスタッドバンプを作製し、これを加圧することにより、平滑な表面(接合面)を備えて厚いAuバンプを形成する。次に、半導体チップのAu薄膜電極およびAuバンプの表面(接合面)に、Ar+O2またはAr+H2ガスを用いた大気圧プラズマを照射して表面を活性化する。このように活性化した状態で、大気中で加熱し、また荷重を印加することにより、AuバンプをAu薄膜電極に接合し、チップを基板に実装している。表面活性化を行うことにより、超音波振動を加えずに、荷重を加えることによって、150℃という比較的低温でバンプと電極との接合を行っている。
山本 道貴 他、「大気圧プラズマで活性化したAuスタッドバンプによる半導体レーザ素子の低温接合」、2012年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集、K38、758−760頁、2012年。
しかしながら、上述した実装においては、バンプと電極との接合時に、チップ全体に超音波振動を加えるようにしている。また、超音波を印加しない場合においては、形成したAuバンプの接合強度を増加させるための表面改質のために、プラズマ処理などを行うようにしている。このため、微小な懸架構造を持つMEMSデバイスなどの繊細なデバイスにおいては、電極とバンプとの接合における超音波やプラズマ処理により、デバイスが損傷を受けてしまい、破壊されてしまうことがあるなどの問題が発生している。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、チップに形成されているデバイスに損傷を与えることなく、バンプを用いた実装ができるようにすることを目的とする。
本発明に係る実装方法は、チップの実装面に形成されている電極、または基板の実装面に形成された電極の一方に形成されたAuから構成されたスタッドバンプと、他方の電極との接合により、チップを基板に実装する実装方法において、形成面より離れる側の先端に先細りとなる先端部を備えるスタッドバンプを、チップまたは基板の一方の電極に形成するバンプ形成工程と、チップまたは基板の他方の電極にスタッドバンプの先端部の先端を当接させ、加熱して荷重を加えることでスタッドバンプを他方の電極に圧下して圧潰し、圧潰したスタッドバンプを他方の電極に接合してチップを基板に実装する実装工程とを備え、先端部は、実装工程の荷重の印加のみによる圧下で圧潰する範囲の径とされ、他方の電極の表面はAuから構成され、実装工程では、接合前の先端部の表面より内側に存在していた清浄領域を、荷重の印加による先端部の圧潰により露呈させて他方の電極に接触させる。
上記実装方法において、実装工程では、150℃に加熱し、かつ、1つのスタッドバンプに加わる荷重が1N以上として荷重の印加を行えばよい。なお、チップおよび基板は、シリコンから構成されている。
以上説明したことにより、本発明によれば、チップに形成されているデバイスに損傷を与えることなく、バンプを用いた実装ができるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1A,図1Bは、本発明の実施の形態における実装方法を説明するための各工程の状態を示す構成図である。図1A,図1Bでは、各工程における構成を側方から見た状態を示している。この実装方法は、チップ101の実装面に形成されている電極102、または基板103の実装面に形成された電極104の一方に形成されたAuから構成されたスタッドバンプ105と、他方の電極との接合により、チップ101を基板103に実装する。
まず、図1Aの(a)に示すように、チップ101の電極102(一方の電極)に、スタッドバンプ105を形成する(バンプ形成工程)。スタッドバンプ105は、形成面(電極102)より離れる側の先端に先細りとなる先端部106を備える。次に、チップ101および基板103を加熱してから、基板103の電極104(他方の電極)に、スタッドバンプ105の先端部106の先端を当接させる。後述する荷重をかける時点で所定の温度に加熱されていればよいが、当接させるときのチップ101と基板103との位置合わせを行う段階で、所定の温度に加熱されている方がよい。位置合わせをした後で加熱を行うと、合わせた位置関係が変化し、位置合わせ精度の低下を招く場合があるが、加熱をしておくことでこれが抑制できる。ここで、電極104の表面は、Auから構成されている。
次に、加熱を継続した状態で荷重を印加することで、先端部を当接させているスタッドバンプ105を電極104の側に圧下して(押し付けて)圧潰することで、図1Aの(b)に示すように、圧潰したスタッドバンプ105を電極104に接合し、チップ101を基板103に実装する(実装工程)。ここで、スタッドバンプ105の先端部106は、上述した実装工程の荷重の印加のみで圧潰する範囲の径とされていればよい。また、上述した実装工程では、接合前の先端部106の表面より内側に存在していた清浄領域(新生領域)を、荷重の印加による先端部106の圧潰により露呈させ、電極104に接触する状態とする。
また、スタッドバンプ105は、基板103の電極104に形成しておいてもよい。まず、図1Bの(a)に示すように、基板103の電極104(一方の電極)に、スタッドバンプ105を形成する(バンプ形成工程)。前述したように、スタッドバンプ105は、形成面(電極104)より離れる側の先端に、先細りとなる先端部106を備える。次に、チップ101の電極102(他方の電極)に、スタッドバンプ105の先端部106の先端を当接させる。ここで、電極102の表面は、Auから構成されている。
次に、加熱して荷重を印加することでスタッドバンプ105を電極102に圧下して圧潰することで、図1Bの(b)に示すように、圧潰したスタッドバンプ105を電極102に接合し、チップ101を基板103に実装する(実装工程)。ここで、先端部106は、実装工程の荷重の印加のみで圧潰する範囲の径とされていればよい。また、上述した実装工程では、接合前の先端部106の表面より内側に存在していた清浄領域を、荷重の印加による先端部106の圧潰により露呈させ、電極102に接触する状態とする。なお、この場合においても、先に加熱をしてから、電極102に先端部106の先端を当接させるようにするとよい。
上述したように、実施の形態によれば、スタッドバンプ105に先端部106を設け、先端部106を圧潰することで、この内側に存在していた清浄領域を露呈させ、接合対象の電極に接触する状態とした。この結果、プラズマ照射による表面活性化や、超音波の印加などをすることなく、バンプと電極とを接合することによるチップの実装(フリップチップ実装)が実現できるようになる。なお、スタッドバンプ105および接合対象の電極表面は、Auから構成されているので、上述した接合は、Au−Auによる直接接合と言える。
以下、より詳細に説明する。以下では、図2のフローチャートを用いて実装過程について説明する。まず、ステップS201で、電極にAuスタッドバンプを形成する。Auスタッドバンプの形成は、例えば、ワイヤボンディング装置を用いればよい。まず、図3の(a)に示すように、ワイヤボンディング装置に取り付けられたキャピラリ301の先端より、Auワイヤ302を吐出させ、吐出させたAuワイヤ302の先端に、電極303からの放電によりボール304を形成する。
次に、図3の(b)に示すように、形成したボール304を、基板305の電極306に押し当てる(圧下して圧潰する)。このとき、基板305が固定されているステージ(不図示)の温度を150℃程度に加熱し、また、キャピラリ301には超音波を印加する。これにより、ボール304が、キャピラリ301の先端部の形状に成型され、Auスタッドバンプの形状となる。この後、Auワイヤ302をクランプした状態で、キャピラリ301を基板305より離間する方向(上方)に引き離し、Auワイヤ302を切断する。この切断条件を適宜に設定することで、図3の(c)に示すように、所望とする形状の先端部308を備えるAuスタッドバンプ307が形成できる。なお、基板305は、チップであってもよい。
ここで、図4の(a)に示すように、チップ401および基板411は、シリコンから構成されている。また、上述したAuワイヤは、例えば直径25μmであり、99%以上のAuから構成されている。また、上述したボールの径は、約50〜60μmとすればよい。この条件であれば、図4の(a)に示すように、形成したAuスタッドバンプ403の台座部405の直径は、70〜80μm程度となる。また、先端部404を含むAuスタッドバンプ403の高さH1は、約90μmになる。
上述したようにAuスタッドバンプを形成した後、ステップS202で、チップと基板とを接合面で向かい合わせて配置し、また、Auスタッドバンプと、これを接合する電極との位置合わせを行う。なお、電極表面にはAuが形成されている。電極表面へのAu形成は、蒸着法,スパッタ法,あるいはめっき法などにより実施すればよい。
次に、ステップS203で、チップおよび基板を大気中で同時に150℃に加熱する。チップおよび基板の温度が均一になった状態で、Auスタッドバンプの先端部を電極表面に接触させ、1つのAuスタッドバンプ当たり1Nの荷重に到達するまで、両者の間に徐々に荷重を加えていく。これらのことにより、図4の(b)に示すように、Auスタッドバンプ403の先端部404は、接触しているAu表面を有する電極412に押し当てられ、荷重の上昇とともに垂直方向に押し潰されていく。
上述した圧下により圧潰されることで、Auスタッドバンプ403が変形するとともに、電極412と接する先端部404には、新しい清浄面406が露呈して生成される。荷重値がAuスタッドバンプ当たり1Nに到達した状態で、圧下する状態を180秒間保持することにより、電極表面のAuとAuスタッドバンプとの接合(直接接合)が行われる。図4の(c)に示すように、接合後のAuスタッドバンプ403の高さH2は、初期の高さの約1/3の約30μmになり、電極412との接合部の直径は50〜60μmになる。
ここで、先端部404の高さ(長さ)は、Auスタッドバンプ403の全体高さの1/3程度であればよいことが判明している。これより長くすると、チップ401平面の法線(垂直)方向に、先端部404の形状が維持し難くなる。一方、先端部404が短すぎると、上述したように、圧下により圧潰しても、清浄面の露呈が実現できない場合が発生する。したがって、先端部404の長さは、形状が維持でき、かつ、圧潰により清浄面が露呈できる範囲に、適宜に設定すればよい。
ところで、上述したように、チップおよび基板の両者がシリコンから構成されているので、熱膨張係数差による応力の発生が抑制できるようになる。特に、チップおよび基板を同じ温度で加熱した状態で、スタッドバンプと電極との接合を行うことで、より効果的に応力発生が抑制できる。例えば、シリコンチップをガラスエポキシ製プリント配線板に実装する場合などの一般的な異種材料間の実装に比較して、上述した構成とすることで、熱膨張係数差による応力をより小さくすることができる。これにより、チップと基板との間にアンダーフィル材を注入することなく、十分な接合強度が確保できるようになる。
上述したように、チップおよび基板の両者がシリコンから構成されている場合に、本発明の実装方法により実装したチップのせん断強度試験を実施した結果、1つのAuスタッドバンプ当たり平均100gfの値が得られた。また、接合されたすべてのAuスタッドバンプにおいて、良好な導通性が確認できた。
ところで、次に説明するように、本発明は、様々な形状とされている実装状態に対応させることができる。例えば、図5に示すように、実装面に段差部505が形成された基板511にチップ501を実装することができる。基板511の実装面には段差部505が形成されているため、一部の電極512は、他の電極512に比較して基板511の内側に入り込んだ状態となる。
これに対し、チップ501の実装面は、段差がなく平坦な場合、各電極502の上に同一の大きさに形成された複数のAuスタッドバンプ503は、各先端部504の、チップ501の実装面からの先端高さは、同じ状態となる。この場合、段差部505に形成されている電極512と、ここに対応するAuスタッドバンプ503との間隔は、他の間隔とは異なる状態となる。しかしながら、本発明によれば、Auスタッドバンプ503が大きく変形するため、段差部505の他領域との間隔の差が吸収され、この領域においても接合が可能となり、確実な実装ができる。
また、例えば、図6に示すように、一部のAuスタッドバンプ603の先端部604aが、他のAuスタッドバンプ603の先端部604より長い状態があるなど、ばらついていても、チップ601を基板612に実装できる。このように、長さが異なる先端部604aが存在すると、これに対応する基板611の電極612との間隔は、他の間隔とは異なる状態となる。
しかしながら、本発明によれば、Auスタッドバンプ603が大きく変形する。例えば、Auスタッドバンプ603は、形成面からの初初期高の約1/3まで変形させて接合させる。このため、長さが異なる先端部604aと他領域との間隔の差が吸収され、先端部604aにおいても接合が可能となり、確実な実装ができる。このように、本発明によれば、上述したような寸法のばらつきには影響を受けず、接合を行うことができる。
また、図7に示すように、チップ701が、基板711の実装面に対して傾いた状態であっても、実装が可能である。なお、図7では、チップ701の実装面の電極702に、先端部704を備えるAuスタッドバンプ703を形成し、Auスタッドバンプ703を、基板711に形成されている電極712に接合する場合を例にしている。なお、実際には、接合前にチップと基板との平行度を十分に確認してから接合を行うため、図7を用いて説明した状況が発生することは稀である。このような状況下においても、Auスタッドバンプの変形が十分行われる領域においては、電極との接合が可能である。
以上に説明したように、本発明によれば、Auスタッドバンプの先端部を大きく変形させることにより、清浄面を生成しながら接合を行うため、表面活性化工程や超音波振動を加えることが不要であり、チップに形成されているデバイスに損傷を与えることなく、バンプを用いた実装ができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、Auスタッドバンプをワイヤボンディング装置を用いて作製するようにしたが、これに限るものではなく、例えばモールドによりAuスタッドバンプを形成してもよく、また、めっき法を利用してAuスタッドバンプを形成してもよい。また、上述では、基板(実装基板)にチップを実装する場合を例に説明したが、これに限るものではなく、チップにチップを実装する場合についても同様である。この場合、一方のチップを基板と考えればよい。また、Auスタッドバンプは、パラジウム(Pd)が1〜0.5%程度添加されていてもよい。
101…チップ、102…電極、103…基板、104…電極、105…スタッドバンプ、106…先端部。
Claims (3)
- チップの実装面に形成されている電極、または基板の実装面に形成された電極の一方に形成されたAuから構成されたスタッドバンプと、他方の電極との接合により、前記チップを前記基板に実装する実装方法において、
形成面より離れる側の先端に先細りとなる先端部を備える前記スタッドバンプを、前記チップまたは前記基板の一方の電極に形成するバンプ形成工程と、
前記チップまたは前記基板の他方の電極に前記スタッドバンプの前記先端部の先端を当接させ、加熱して荷重を加えることで前記スタッドバンプを前記他方の電極に圧下して圧潰し、圧潰したスタッドバンプを前記他方の電極に接合して前記チップを前記基板に実装する実装工程と
を備え、
前記先端部は、前記実装工程の荷重の印加のみによる圧下で圧潰する範囲の径とされ、
前記他方の電極の表面はAuから構成され、
前記実装工程では、接合前の前記先端部の表面より内側に存在していた清浄領域を、荷重の印加による前記先端部の圧潰により露呈させて前記他方の電極に接触させる
ことを特徴とする実装方法。 - 請求項1記載の実装方法において、
前記チップおよび前記基板は、シリコンから構成されていることを特徴とする実装方法。 - 請求項1または2記載の実装方法において、
前記実装工程では、150℃に加熱し、かつ、1つの前記スタッドバンプに加わる荷重が1N以上として前記荷重の印加を行うことを特徴とする実装方法。
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