JP2015110235A - ろう付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属部材と金属部材とをろう材で接合する際に、ろう材の適正厚さを確保することができるろう付構造を得る。【解決手段】配置工程において、接合部24に粉末集合体18が配置される。また、接合工程において、粉末集合体18を構成する金属粉末14の粉末間にスラリー22が吸引され、スラリー22に含まれるバインダが蒸発する。さらに、スラリー22に含まれる接合ろう材16が金属粉末14に含浸して金属粉末14の表面に共晶結合する。そして、粉末集合体18を構成する金属粉末14が、一対の金属板26を接合する際に、支柱となる支柱効果を発揮するため、複合ろう材12の適正厚さを確保することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、金属部材と金属部材とを接合するために用いられるろう付構造に関する。
特許文献1には、基板とヒートシンクとをろう材で接合する際に、基板の接合界面に離型剤を配置する構成が記載されている。この離型剤によって、基板とヒートシンクとには接合されない非接合領域が形成され、この非接合領域を設けることでろう材で接合する際の熱応力を緩和するようになっている。
特開2008−235672号公報
しかし、従来の構成では、金属部材と金属部材とをろう材で接合する際に、ろう材の動きを制御することはできず、ろう材が金属部材との接合界面の外側へ流れ出てしまうことがある。これにより、ろう材の適正厚さが確保されないことがあった。
本発明の課題は、金属部材と金属部材とをろう材で接合する際に、ろう材の適正厚さを確保することである。
請求項1に係るろう付構造は、対向する一対の金属部材を接合する接合部に、金属粉末と夫々の前記金属部材に拡散して前記金属部材と固着する接合ろう材とを含んで構成される複合ろう材が、全域に亘って配置されることを特徴とする。
上記構成によれば、対向する一対の金属部材を接合する接合部に、金属粉末と夫々の金属部材に拡散して固着する接合ろう材とを含んで構成される複合ろう材が、全域に亘って配置されている。ここで、複合ろう材を構成する金属粉末が、支柱となる支柱効果(スペーサ効果)を発揮するため、ろう付の際に金属粉末が用いられない場合と比して、複合ろう材の適正厚さを確保することができる。
請求項2に係るろう付構造は、請求項1に記載のろう付構造において、前記金属粉末の表面に前記接合ろう材が共晶結合することで前記複合ろう材が形成されることを特徴とする。
上記構成によれば、金属粉末の表面に接合ろう材が共晶結合することで複合ろう材が形成される。これにより、金属粉末の表面に接合ろう材が共晶結合しない場合と比して、複合ろう材の液相線温度が向上するため、健全で、強固な接合界面を形成することができる。
請求項3に係るろう付構造は、請求項1又は2に記載のろう付構造において、前記複合ろう材において、前記金属粉末に対する、前記接合ろう材の体積比は、25%以上50%以下とされることを特徴とする。
上記構成によれば、複合ろう材において、金属粉末に対する、接合ろう材の体積比は、25%以上50%以下とされている。これにより、複合ろう材内における組成偏析に起因した添加物(Si,P,Bなど)の析出によるろう材強度の低下を抑制することができる。
請求項4に係るろう付構造は、請求項1〜3の何れか1項に記載のろう付構造において、前記接合ろう材を構成するろう材と同種のろう材によって、前記金属部材と前記複合ろう材との境界を覆うフィレットが形成されることを特徴とする。
上記構成によれば、接合ろう材を構成するろう材と同種のろう材によって、金属部材と複合ろう材との境界を覆うフィレットが形成される。これにより、界面端部の接合を強固とし、境界から複合ろう材と金属部材とが剥離するのを抑制することができる。
本発明によれば、金属部材と金属部材とをろう材で接合する際に、ろう材の適正厚さを確保することができる。
(A)(B)(C)(D)第1実施形態に係るろう付構造の接合手順を示した工程図である。 第1実施形態に係るろう付構造における接合手順の配置工程の際に、金属板に粉末集合体及びスラリーを配置した状態を示した斜視図である。 (A)(B)(C)(D)第1実施形態に対する比較形態に係るろう付構造の接合手順を示した工程図である。 第2実施形態に係るろう付構造における接合手順の配置工程の際に、金属板に粉末集合体及びスラリーを配置した状態を示した斜視図である。 第3実施形態に係るろう付構造における接合手順の配置工程の際に、金属板に粉末集合体及びスラリーを配置した状態を示した斜視図である。 第4実施形態に係るろう付構造における接合手順の配置工程の際に、金属板に粉末集合体及びスラリーを配置した状態を示した斜視図である。 (A)(B)(C)(D)第5実施形態に係るろう付構造の接合手順を示した工程図である。 (A)(B)第1実施形態に対する第1参考形態に係るろう付構造における接合手順の配置工程の際に、金属板に粉末集合体及びスラリーを配置した状態、及び複合ろう材で一対の金属板をろう付した状態を示した斜視図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るろう付構造の一例について図1〜図3を用いて説明する。なお、図中に示す矢印UPは、鉛直方向の上方を示す。
(全体構成)
一対の金属板26(一対の金属部材の一例)を接合するために用いられるろう付構造10は、図1(D)に示されるように、対向する一対の金属板26に挟まれている。このろう付構造10では、一対の金属板26を接合する接合部24(設計上予め決められた接合空間:図1(A)参照)に、金属粉末14と夫々の金属板26に拡散して固着する接合ろう材16とを含んで構成される複合ろう材12が全域に亘って配置されている。そして、この複合ろう材12によって、一対の金属板26が接合部24で接合されている。
なお、本実施形態では、金属板26として、ステンレス鋼板(SUS鋼板)が用いられている。
〔複合ろう材〕
複合ろう材12は、前述したように、金属粉末14と接合ろう材16とを含んで構成されている。
接合ろう材16は、ステンレス製の金属板26に対して融点が低く、さらに、金属板26と共晶結合可能なものが用いられる。接合ろう材16として、Ni基(ニッケル)ろう材、Fe基(鉄)ろう材、Ag基(銀)ろう材、又はTi基(チタン)ろう材を用いることが可能であるが、本第1実施形態では、接合ろう材16としてNi基(ニッケル)ろう材が用いられる。
一方、金属粉末14は、本第1実施形態では、金属板26と同様の組成であるステンレス鋼の粉末が用いられ、一対の金属板26をろう付によって接合する際のろう付温度で、接合ろう材16が、金属粉末14に含浸して金属粉末14の表面に共晶結合するようになっている。なお、金属粉末14としては、一例として、粒径10〜45〔μm〕の粉末が用いられる。
つまり、複合ろう材12は、ステンレス鋼の粉末である金属粉末14にNi基のろう材である接合ろう材16が、ろう付温度で共晶結合することで形成されるようになっている。
さらに、この複合ろう材12においては、金属粉末14に対する接合ろう材16の体積比は、25%以上50%以下とされている。また、金属粉末14の最大粒子径は、接合部24(接合空間)の厚さ(高さ)及び接合部24の幅の半分以下とされている。なお、この体積比については、重量と真密度との関係から算出することで、測定することができる。
(接合手順)
一対の金属板26を接合する接合手順は、一方の金属板26に、金属粉末14及び接合ろう材16となる液状のスラリー22(接合ろう材16とバインダ(一例として、有機系溶剤、水系媒体)とが体積比50%の割合で混合された液状の部材)を配置(塗布)する配置工程と、一方の金属板26と他方の金属板26とを接合する接合工程と、を含んでいる。
〔配置工程〕
配置工程では、図1(A)(B)、図2に示されるように、金属粉末14が集合して厚さ一定の所定の形状とされた粉末集合体18(一例として厚さ90〔μm〕)が一方向に延びるように一方の金属板26に配置される。さらに、この粉末集合体18の外周を囲むように、スラリー22が一方の金属板26に塗布される。
ここで、粉末集合体18は、一対の金属板26を接合する接合部24(接合空間)の全域に亘って配置される。
また、スラリー22に含まれる接合ろう材16の体積は、複合ろう材12を構成する接合ろう材16の体積を考慮して決められている。具体的には、前述したように、金属粉末14に対する接合ろう材16の体積比は、25%以上50%以下とされている。
〔接合工程〕
接合工程では、図1(C)(D)に示されるように、粉末集合体18及びスラリー22が配置された一方の金属板26に、他方の金属板26が押し付けられ、これを図示せぬ加熱炉内に配置し、スラリー22に含まれる接合ろう材16を溶融させる。これにより、一対の金属板26が接合される。なお、加熱炉内の温度については、接合ろう材16は溶融するが、金属板26は溶融しないように設定されている(例えば、1100°C)。
詳細には、一対の金属板26間で、粉末集合体18及びスラリー22を挟み、これを加熱することで、粉末集合体18を構成する金属粉末14間にスラリー22が吸引され(吸引効果)、吸引されたスラリー22に含まれるバインダが蒸発する。これにより、スラリー22に含まれる接合ろう材16が金属粉末14に含浸して金属粉末14の表面に接合ろう材16が共晶結合することで、複合ろう材12が形成される(図1(D)参照)。
さらに、複合ろう材12に含浸された接合ろう材16は、夫々の金属板26との接合界面で拡散して夫々の金属板26と共晶結合する。さらに、複合ろう材12を冷却させることで、一対の金属板26は、複合ろう材12により接合される(ろう付される)。
一対の金属板26が接合された状態で、複合ろう材12の厚さ(図1(D)の厚さE)は、一定とされ、配置工程で金属粉末14を金属板26に配置した際の粉末集合体18の厚さ(図1(B)の厚さC)と同等となっている。これは、後述するように、金属粉末14によって生じる支柱効果のためである。
一方、本第1実施形態に対する比較形態として、金属粉末を用いず、接合ろう材16のみで一対の金属板26を接合するろう付構造100(図3(D)参照)について、ろう付構造100によって一対の金属板26を接合する接合手順によって説明する。
配置工程では、図3(A)(B)に示されるように、一方の金属板26の接合部24にスラリー22のみを配置(塗布)する。そして、接合工程では、図3(C)に示されるように、スラリー22が配置された一方の金属板26に、他方の金属板26を押し付け、これを図示せぬ加熱炉内に配置し、スラリー22に含まれる接合ろう材16を溶融させる。ここで、一対の金属板26にスラリー22が押圧されることで、スラリー22が押し潰されて接合界面(設計値の接合界面)より広がってしまう。そして、スラリー22に含まれるバインダが蒸発すると、図3(D)に示されるように、接合ろう材16と金属板26との接合界面が広がったろう付構造100が形成される。
しかし、本第1実施形態のろう付構造10に用いられる複合ろう材12は、金属粉末14に接合ろう材16を含浸させて形成されるようになっている。このため、金属粉末14が支柱となり、任意の厚みを保持した上で、複合ろう材12が押し潰されない。これにより、複合ろう材12と金属板26との接合界面が広がらない。
(作用・効果)
以上説明したように、配置工程において、接合部24に粉末集合体18が配置される。また、接合工程において、粉末集合体18を構成する金属粉末14の粉末間にスラリー22が吸引され、スラリー22に含まれるバインダが蒸発する。さらに、スラリー22に含まれる接合ろう材16が金属粉末14に含浸して金属粉末14の表面に共晶結合する。そして、粉末集合体18を構成する金属粉末14が、一対の金属板26を接合する際に、支柱となる支柱効果(スペーサ効果)を発揮するため、複合ろう材12に金属粉末14が備えられない場合と比して、複合ろう材12の適正厚さを確保することができる。
また、複合ろう材12の厚みを適正化することで、接合界面における接合ろう材16の組成拡散が十分に行われると共に、共晶組織の制御が可能となる。
また、複合ろう材12の厚さは一定とされている。これにより、複合ろう材12の厚さが一定とされない場合と比して、接合界面における接合ろう材16の組成拡散を十分に行うことができる。
また、接合ろう材16の組織拡散が十分に行われることで、複合ろう材12内における組成偏析に起因した添加物(Si,P,Bなど)の析出によるろう材強度の低下を抑制することができる。この効果は、金属板26に対する濡れ性の高いろう材料においてより顕著に現れる。
また、接合界面において、接合ろう材16と金属板26とは共晶組成を形成するため、添加物に対する抗析力(析出させないようにする力)を向上させることができる。
また、複合ろう材12の適正厚さが確保されることで、任意の設定面積(接合界面の面積)で複合ろ材12を構成する接合ろう材16を金属板26と共晶結合させることができる。
また、複合ろう材12の厚さは、粉末集合体18の厚さと同等となっている(変化していない)。このため、一対の金属板26で粉末集合体18及びスラリー22を押圧して一対の金属板26を接合する際に、押圧方向(本実施例では鉛直方向)へのスラリー22に対する負荷による、スラリー22の偏心、及びこのスラリー22の横ずれ量を抑制することができる。つまり、一方の金属板26に対する他方の金属板26の横ずれ量(押圧方向に対して直交方向のずれ量)を抑制することができる。
また、金属粉末14にスラリー22に含まれる接合ろう材16が含浸して金属粉末14の表面に接合ろう材16が共晶結合することで複合ろう材12が形成される。このため、複合ろう材12の衝撃値(例えばアイゾット衝撃値等)を向上させることができる。
また、金属粉末14にスラリー22に含まれる接合ろう材16が含浸して金属粉末14の表面に接合ろう材16が共晶結合することで複合ろう材12が形成される。このため、複合ろう材12の液相線温度が向上し、これにより、健全で、強固な接合界面を形成することができる。ここで、健全とは、例えば、巣などの構造的欠陥がない、強度低下要因となる析出を抑制した状態であることを言う。
また、複合ろう材12において、金属粉末14に対する接合ろう材16の体積比は、25%以上50%以下とされている。このため、複合ろう材12内における組成偏析に起因した添加物(Si,P,Bなど)の析出によるろう材強度の低下を抑制することができる。具体的には、25%未満の場合には、金属粉末14とNi基のろう材料との共晶結合が不足し、50%よりも多い場合には、添加物(Si,P,Bなど)が析出してしまう。
また、金属板26としてステンレス鋼板が用いられ、金属粉末14としてステンレス鋼を微粉化した粉末(粒子)が用いられている。このように、金属粉末14を、金属板26と同一の金属材料、又は金属板26と同様の組成であるステンレス鋼のを含む金属材料とすることで、複合ろう材12を構成する接合ろう材16と金属板26との界面、及び金属粉末14の表面と接合ろう材16との界面において、良好な接合層を形成することができる。
また、金属粉末14の最大粒子径は、接合部24の厚さ(高さ)及び接合部24の幅の半分以下とされている。このため、金属板26に配置される粉末集合体18の厚さ、及び粉末集合体18の幅を予め決められた値の範囲内とすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るろう付構造の一例について図4を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、他の部分の説明は省略する。
第2実施形態に係るろう付構造30における配置工程では、図4に示されるように、厚さ一定の粉末集合体18が一方向に延びるように一方の金属板26に配置される。さらに、この粉末集合体18と接して沿うように、スラリー22が、一方向に延びるように一方の金属板26に塗布(配置)される。第2実施形態の作用・効果については、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るろう付構造の一例について図5を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、他の部分の説明は省略する。
第3実施形態に係るろう付構造40における配置工程では、図5に示されるように、厚さ一定の粉末集合体18が一方向に延びるように一方の金属板26に配置される。さらに、この粉末集合体18と予め決められた距離(例えば、0.5〜1〔mm〕)をおいてスラリー22が、一方向に延びるように一方の金属板26に塗布(配置)される。
接合工程では、粉末集合体18及びスラリー22が配置された一方の金属板26に、他方の金属板26を押し付け、これを図示せぬ加熱炉内に配置し、スラリー22に含まれる接合ろう材16を溶融させる。これにより、粉末集合体18とスラリー22とが、予め決められた距離をおいて配置される場合でも、粉末集合体18を構成する金属粉末14間にスラリー22が吸引される。第3実施形態の他の作用・効果については、第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係るろう付構造の一例について図6を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、他の部分の説明は省略する。
第4実施形態に係るろう付構造50における配置工程では、図6に示されるように、厚さ一定の粉末集合体18が一方向に延びるように一方の金属板26に配置される。さらに、粉末集合体18の一方向の一端及び他端に接するように、他方向に延びる一対のスラリー22が一方の金属板26に塗布(配置)される。第4実施形態の作用・効果については、第1実施形態と同様である。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係るろう付構造の一例について図7を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、他の部分の説明は省略する。
第5実施形態に係るろう付構造60における配置工程では、粉末集合体18の体積から金属粉末14の体積を減じた値(空間体積)に対する、スラリー22に含まれるNi基のろう材の体積比は、125%以上200%以下とされている(図7(A)参照)。
そして、接合工程では、図7(B)(C)に示されるように、一対の金属板26間で、粉末集合体18及びスラリー22を挟み、これを加熱することで、粉末集合体18を構成する金属粉末14間にスラリー22が吸引され、さらに、スラリー22に含まれるバインダが蒸発する。
ここで、前述したように、粉末集合体18の体積から金属粉末14の体積を減じた値(空間体積)に対する、スラリー22に含まれるNi基のろう材の体積比は、125%以上200%以下とされている。これにより、金属粉末14に含浸されなかったNi基のろう材(接合ろう材16を構成するろう材と同種のろう材)によって、図7(C)、図7(D)に示されるように、金属板26と複合ろう材12との境界82を覆うフィレット84が形成される。
このように、境界82を覆うフィレット84が形成されることで、境界82から複合ろう材12と金属板26とが剥離するのを抑制することができる。第5実施形態の他の作用・効果については、第1実施形態と同様である。
<第1参考形態>
次に、本発明の第1参考形態に係るろう付構造の一例について図8を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、他の部分の説明は省略する。
第1参考形態に係るろう付構造70の配置工程では、図8(A)に示されるように、一方向に一定の間隔を空けて複数(図8(A)では一例として4個)の粉末集合体78が配置される。粉末集合体78は、平面視で矩形状とされており、隣り合う粉末集合体78との距離Gとされている。さらに、粉末集合体78の厚さH(高さ)とされている。そして、距離Gは、厚さHの100倍以下、かつ、14〔mm〕以下とされている。また、この粉末集合体78と部分的に接するように、スラリー22が、一方向に延びるように一方の金属板26に塗布(配置)される。
そして、接合工程では、一対の金属板26間で、粉末集合体78及びスラリー22を挟み、これを加熱することで、粉末集合体78を構成する金属粉末14間にスラリー22が吸引され、さらに、スラリー22に含まれるバインダが蒸発する。これにより、粉末集合体78が配置された部分では、第1実施形態と同様に、複合ろう材12によって一対の金属板26が接合される(図8(B)参照)。
また、隣り合う粉末集合体78の間にも、スラリー22が吸引され、さらに、スラリー22に含まれるバインダが蒸発する。これにより、隣り合う粉末集合体78の間では、接合ろう材16によって一対の金属板26が接合される。複合ろう材12による第1参考形態の他の作用・効果については、第1実施形態と同様である。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、接合工程において、加熱炉を用いてスラリーに含まれる接合ろう材16を溶融させたが、高周波誘導加熱等を用いて接合ろう材16を溶融させてもよい。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、配置工程における粉末集合体18及びスラリー22の金属板26への配置は、スクリーン印刷等を用いて行ってもよい。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、配置工程におけるスラリー22の金属板26への配置(塗布)と、粉末集合体18の金属板26への配置との順番については、どちらが先でもよくまた同時であってもよい。
また、上記実施形態では、金属板としてステンレス板を用い、ろう材料として、Ni基ろう材を用いたが、金属板としてステンレス鋼を用い、Fe基ろう材、Ag基ろう材、Ti基ろう材等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、金属板としてステンレス鋼を用い、ろう材料として、Ni基ろう材を用いたが、金属板として銅板を用い、ろう材料としてCu基ろう材を用いたり、金属板としてアルミ板を用い、ろう材料としてAl基ろう材を用いてもよい。
10 ろう付構造
12 複合ろう材
14 金属粉末
16 接合ろう材
22 スラリー
24 接合部
26 金属板
30 ろう付構造
40 ろう付構造
50 ろう付構造
60 ろう付構造
70 ろう付構造
82 境界
84 フィレット

Claims (4)

  1. 対向する一対の金属部材を接合する接合部に、金属粉末と夫々の前記金属部材に拡散して前記金属部材と固着する接合ろう材とを含んで構成される複合ろう材が、全域に亘って配置されるろう付構造。
  2. 前記金属粉末の表面に前記接合ろう材が共晶結合することで前記複合ろう材が形成される請求項1に記載のろう付構造。
  3. 前記複合ろう材において、前記金属粉末に対する、前記接合ろう材の体積比は、25%以上50%以下とされる請求項1又は2に記載のろう付構造。
  4. 前記接合ろう材を構成するろう材と同種のろう材によって、前記金属部材と前記複合ろう材との境界を覆うフィレットが形成される請求項1〜3の何れか1項に記載のろう付構造。
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