JP2015109315A - 薄膜トランジスタ、その製造方法、酸化物半導体層、表示装置及び半導体装置 - Google Patents

薄膜トランジスタ、その製造方法、酸化物半導体層、表示装置及び半導体装置 Download PDF

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絵美 川嶋
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絵美 川嶋
矢野 公規
Kiminori Yano
公規 矢野
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Abstract

【課題】寄生抵抗を低減しつつ、高い移動度及び高いon-off比を有し、安定性や信頼性などに優れた薄膜トランジスタ、その製造方法、酸化物半導体層、表示装置及び半導体装置を提供する。【解決手段】薄膜トランジスタ1は、バックチャネル領域232の広がり抵抗の平均値SRBCに対する、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCの比が、0.00001≰(SRFC/SRBC)≰0.1であり、SRFCに対する、ソース領域22の広がり抵抗の平均値SRSの比が、0.0001≰(SRS/SRFC)≰1であり、SRFCに対する、ドレイン領域24の広がり抵抗の平均値SRDの比が、0.0001≰(SRD/SRFC)≰1である。【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜トランジスタ、その製造方法、酸化物半導体層、表示装置及び半導体装置に関する。特に、自己整合型トップゲート構造であり、チャネルとして酸化物半導体層を有した薄膜トランジスタ(TFT)などに関する。
電界効果型トランジスタは、半導体メモリ集積回路の単位電子素子、高周波信号増幅素子、液晶駆動用素子等として広く用いられており、現在、最も多く実用化されている電子デバイスである。
特に近年は表示装置のめざましい発展に伴って、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(EL)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の表示装置のスイッチング素子として、薄膜トランジスタ(TFT)が多用されている。
上記薄膜トランジスタの材料としては、シリコン半導体が最も広く用いられている。一般に、高速動作が必要な高周波増幅素子、集積回路用素子等には、シリコン単結晶が用いられ、液晶駆動用素子等には、大面積化の要求からアモルファスシリコンが用いられている。
ただし、結晶性シリコン系薄膜は、結晶化を図る際に、例えば800℃以上の高温が必要であり、ガラス基板上や有機物基板上への構成が困難であった。このため、結晶性シリコン系薄膜は、シリコンウェハーや石英等の耐熱性の高い高価な基板上にしか成膜できないばかりか、製造に際して多大なエネルギーと工程数を要する等の短所があった。
また、結晶性シリコン系薄膜を用いたTFTの素子構成はトップゲート型に限定されるため、マスク枚数の削減等のコストダウンが困難であった。
一方、比較的低温で形成可能な非晶性シリコン半導体(アモルファスシリコン)は、結晶性シリコン系薄膜に比べてスイッチング速度が遅いため、表示装置を駆動するスイッチング素子として使用したときに、高速な動画の表示に追従できないおそれがある。
現在、表示装置を駆動させるスイッチング素子としては、シリコン系半導体膜を用いた素子が主流を占めている。これは、シリコン薄膜の安定性、加工性の良さに加え、スイッチング速度が速い等、種々の性能が良好なためである。そして、このようなシリコン系薄膜は、一般に化学蒸気析出法(CVD)法により製造されている。
従来の薄膜トランジスタ(TFT)は、例えばガラス等の基板上にゲ−ト電極、ゲ−ト絶縁層、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)等の半導体層、ソ−ス及びドレイン電極をこの順に積層した逆スタガ構造を有する。この構造を有するTFTは、イメージセンサーを始め、大面積デバイスの分野において、アクティブマトリスク型の液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ等の駆動素子として用いられている。しかし、フラットパネルディスプレイの高機能化に伴い、薄膜トランジスタのさらなる高速化が求められている。
このような状況下、特許文献1ではシリコン系半導体薄膜よりも安定性が優れる、金属酸化物を用いた酸化物半導体薄膜を開示している。
しかしながら、上記金属酸化物からなる透明半導体薄膜は、特に酸化亜鉛を高温で結晶化してなる透明半導体薄膜は、低い電界効果移動度(1cm/V・sec程度)、低いon−off比、漏れ電流が大きい、ピンチオフが不明瞭、ノーマリーオンになりやすい等の欠点を有し、工業的な実用化が困難であった。これら欠点に加えて、金属酸化物からなる透明半導体薄膜は、耐薬品性が劣る、ウェットエッチングが困難、成膜時に高い圧力が必要、700℃以上の高温処理が必要等の製造プロセスや使用環境にも制限があった。
また、金属酸化物からなる透明半導体膜は、ボトムゲート構成での電解移動度等のTFT性能が低く、性能を上げるためにトップゲート構成で膜厚を50nm以上にする必要があった。
特許文献2では、酸化インジウム、酸化ガリウム及び酸化亜鉛からなる非晶質酸化物半導体層、及び酸化インイジウム及び酸化亜鉛からなる非晶質酸化物半導体層を作製し、薄膜トランジスタを駆動させる方法を開示している。
一般に酸化物結晶の電子移動度が金属イオンのs軌道の重なりが大きくなるほど大きくなり、原子番号の大きなZn,In,Snの酸化物結晶は、0.1から200cm/Vsの大きな電子移動度を持つ。さらに、酸化物では、酸素と金属イオンとがイオン結合しているために、化学結合の方向性がなく、結合の方向が不均一な非晶質状態でも、結晶状態の移動度に近い電子移動度を有することが可能となる。このことから、シリコン系半導体と異なり金属酸化物は非晶質でも電界効果移動度の高いトランジスタを作ることが可能である。これらの点を利用し酸化インジウム、酸化ガリウム及び酸化亜鉛からなる結晶質・非晶質の金属酸化物を用いた様々な半導体デバイスや、それを用いた回路等が検討されている。
さらに、良好なTFT特性を得るために、TFTの構造の改良に関する研究が行なわれており、先行技術としては、例えば下記非特許文献1に記載されたものが挙げられる。この非特許文献1には、製造プロセスによる処理とTFTの改良により、自己整合型トップゲート構造の作製を可能とし、寄生容量低減等の特性の向上を実現する技術が記載されている。
すなわち、下記非特許文献1に記載の技術は、基板上に、In−Ga−Zn−O膜を成膜後、パターニングを行い、その後、NOプラズマ処理を行う。その上にゲート絶縁層およびゲート電極膜を、この順に積層形成後、パターニング処理を行う。その後、ArもしくはNHプラズマ処理を行い、ゲート絶縁層とゲート電極膜が積層していないIn−Ga−Zn−O膜を還元させて低抵抗層(ソース領域及びドレイン領域)を生成する。次に、保護絶縁層を形成後、この保護絶縁層にコンタクトホールを開けて、ソース電極及びドレイン電極用の膜を形成し、適切なパターニング処理を行う。このようにして、In−Ga−Zn−O膜を用いた自己整合型トップゲート構造の薄膜トランジスタが製造される。
この従来技術においては、ゲート電極とソース電極及びドレイン電極とが上下方向にオーバーラップする領域(コンデンサとして機能する電極対向領域)がないことから、寄生容量を低減することができ、寄生容量の面内ばらつきが引き起こす輝度ムラや、高速応答性に対する悪影響を低減することができる。
特開2009−278115号公報 国際公開第2013/021632号
Jae ChulPark, et al , IEDM09―191, 8.4 (2009)
特許文献1、特許文献2、及び非特許文献1では、自己整合型トップゲート構造のTFTの製造において、酸化物半導体成膜後に形成するゲート絶縁層をCVDにより製膜する時に、隣接する酸化物半導体がSiHなどにより還元される。この還元プロセスによって、酸化物半導体は、容易に導電膜化する。このため、酸化物半導体成膜後に、酸化物半導体は、NOプラズマ処理等によって酸化処理が施され、導電膜化を防いでいた。
しかしながら、プラズマ処理を行うことによって、キャリアの伝導パスとなるゲート絶縁層の直下の酸化物半導体層の部分(深さが10nm程度の部分)が、過剰に酸化され高抵抗化し、かつプラズマのダメージが残る。これにより、酸化物半導体は、移動度が低下したり、素子特性の面内ばらつきが発生するといった問題があった。
また、酸化物半導体とソース電極又はドレイン電極との間の接触抵抗が大きくなることによる移動度の低下、又は、酸化物半導体のドレイン端への電界集中によるインパクトイオン化若しくは発熱などによる信頼性の悪化といった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑み提案されたものであり、寄生抵抗を低減しつつ、高い移動度及び高いon-off比を有し、安定性や信頼性などに優れた薄膜トランジスタ、その製造方法、酸化物半導体層、表示装置及び半導体装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の薄膜トランジスタは、
基板上に形成された、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を有する酸化物半導体層と、
前記チャネル領域上に形成された、水素原子を含むゲート絶縁層と、
前記チャネル領域の上方であって、前記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、
前記基板、前記酸化物半導体層のソース領域及びドレイン領域、並びに、前記ゲート電極層の上に形成された、水素原子を含む保護絶縁層と、
前記ソース領域と接続されたソース電極と、
前記ドレイン領域と接続されたドレイン電極と
を備え、
前記酸化物半導体層が、In、Ga、Zn及びSnの少なくとも一つの元素を含み、
前記チャネル領域において、前記基板側の端面から内側に距離5nmまでの領域をバックチャネル領域とし、前記チャネル領域において、前記ゲート絶縁層側の端面から内側に距離5nmまでの領域をフロントチャネル領域としたとき、前記バックチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRBCに対する、前記フロントチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRFCの比(SRFC/SRBC)が、
0.00001≦(SRFC/SRBC)≦0.1
であり、
前記フロントチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRFCに対する、前記ソース領域の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SRFC)が、
0.0001≦(SR/SRFC)≦1
であり、
前記フロントチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRFCに対する、前記ドレイン領域の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SRFC)が、
0.0001≦(SR/SRFC)≦1
であり、
前記ゲート絶縁層が、前記ゲート電極によって自己整合されている構成としてある。
また、本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、
基板に、スパッタリング法によって酸化物半導体層を成膜し、所定の形状に形成する酸化物半導体層の形成工程と、
前記酸化物半導体層に対して、酸素雰囲気中で加熱処理を行う酸化物半導体層の加熱処理工程と、
前記基板及び前記酸化物半導体層の上に、前駆体に水素原子を含むCVD法によってゲート絶縁層を積層するゲート絶縁層の積層工程と、
前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極の形成工程と、
前記ゲート電極をマスクとし、前記ゲート絶縁層をパターニングするゲート絶縁層の形成工程と、
前記酸化物半導体層における前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極が形成されていない領域に、プラズマ処理、又は、真空中のアニールを施すプラズマ処理又はアニール工程と、
前記基板、前記酸化物半導体層のソース領域及びドレイン領域、並びに、前記ゲート電極層の上に、前駆体に水素原子を含むCVD法によって保護絶縁層を成膜する保護絶縁層の成膜工程と、
前記保護絶縁層に、一対のコンタクトホールを形成するコンタクトホールの形成工程と、
前記保護絶縁層、前記コンタクトホールにより露出した前記ソース領域、及び、前記コンタクトホールにより露出した前記ドレイン領域の上に、電極層を成膜し、該電極層をパターニングすることにより、ソース電極及びドレイン電極を形成するソース電極及びドレイン電極の形成工程と
を有する方法としてある。
また、本発明の表示装置は、上記の電界効果型トランジスタを備える構成としてある。
また、本発明の半導体装置は、上記の電界効果型トランジスタを備える構成としてある。
また、本発明の酸化物半導体層は、
In、Ga、Zn及びSnの少なくとも一つの元素を含む酸化物半導体層であって、
活性領域において、電界が付与される側の端面から内側に距離5nmまでの領域を電界付与側領域とし、活性領域において、電界が付与される側の反対側の端面から内側に所定距離までの領域を反電界付与側領域としたとき、前記反電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRに対する、前記電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SR)が、
0.00001≦(SR/SR)≦0.1
である構成としてある。
本発明の薄膜トランジスタによれば、寄生抵抗を低減しつつ、高い移動度及び高いon-off比を有し、S値が低く、安定性や信頼性などを向上させることができる。
また、本発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、上記の薄膜トランジスタを効率よく製造することができる。
また、本発明の表示装置によれば、上記の薄膜トランジスタによって、画像品質や耐久性などを向上させることができる。
また、本発明の半導体デバイスによれば、上記の薄膜トランジスタによって、高速性、安定性、均一性、再現性、耐久性などを向上させることができる。
さらに、本発明の酸化物半導体層によれば、該酸化物半導体層をトランジスタに用いると、高い移動度及び高いon-off比を有し、S値が低く、安定性や信頼性などを向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は断面図を示しており、(b)は要部の拡大断面図を示している。 図2は、本発明の一実施形態にかかる薄膜トランジスタの製造方法を説明するための概略フローチャート図を示している。 図3は、本発明の一実施形態にかかる薄膜トランジスタの製造方法を説明するための概略断面図を示している。 図4は、本発明の応用例にかかる薄膜トランジスタの概略断面図を示している。 図5は、本発明の実施例1、2を説明するための表1を示している。 図6は、本発明の比較例1〜3を説明するための表2を示している。 図7は、本発明の実施例3〜5を説明するための表3を示している。 図8は、本発明の比較例4〜6を説明するための表4を示している。 図9は、本発明の実施例6〜8を説明するための表5を示している。 図10は、本発明の比較例7、8及び実施例9を説明するための表6を示している。
[薄膜トランジスタ及びその製造方法の一実施形態]
以下では、本発明である薄膜トランジスタ及びその製造方法の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかる薄膜トランジスタの概略図であり、(a)は断面図を示しており、(b)は要部の拡大断面図を示している。
図1において、本実施形態の薄膜トランジスタ1は、基板21、酸化物半導体層30、ゲート絶縁層25、ゲート電極26、保護絶縁層27、ソース電極28及びドレイン電極29などを備えている。
この薄膜トランジスタ1は、自己整合型トップゲート構造を有している。すなわち、ゲート電極26は、酸化物半導体層30の上方に形成されており、また、後述するように、ゲート絶縁層25が、ゲート電極26によって自己整合されている。
まず、薄膜トランジスタ1の製造方法について説明する。
<薄膜トランジスタの製造方法>
図2は、本発明の一実施形態にかかる薄膜トランジスタの製造方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
また、図3は、本発明の一実施形態にかかる薄膜トランジスタの製造方法を説明するための概略断面図を示している。
(酸化物半導体層の形成工程)
図2において、先ず、絶縁性の基板21の上面に酸化物半導体層30を形成する(ステップS1)。すなわち、基板21の上面に酸化物半導体層30を成膜し、次に、図3(a)に示すように酸化物半導体層30を所定の形状にパターニングする。なお、所定の形状は、通常、ほぼ矩形状であるが、特に限定されるものではない。
ここで、好ましくは、酸化物半導体層30は、厚さが10nm以上であることよい。このようにすると、ほぼ均一な厚さを有する酸化物半導体層30を得ることができる。
なお、上記の数値限定の理由は、酸化物半導体層30の厚さが10nm未満であると、酸化物半導体層30を成膜する際、膜が島状に形成され、膜中に酸化物半導体層30が存在しない部分が生じる場合があったり、成膜の面積が大きくなると(たとえば、G1サイズより大きくなると)、ほぼ均一な厚さを有する薄膜を得ることが困難となる場合があるからである。
また、酸化物半導体層30は、スパッタリング法によって成膜される。
このスパッタリング方法は、通常、プラズマ活性の低いDCスパッタリングであり、DCスパッタリングによれば、大面積に成膜でき、かつ、成膜速度も速いので、生産性などを向上させることができる。
なお、スパッタリング方法は、上記のDCスパッタリングに限定されるものではなく、例えば、周波数10MHz以下の高周波スパッタリングやパルススパッタリングなどであってもよい。
また、酸化物半導体層30の材料については、後述する。
また、好ましくは、成膜を行った際の酸化物半導体層30の比抵抗は、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下であることよい。このようにすると、バックチャネル領域232の比抵抗を小さな値(たとえば、たとえば、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下)とすることができ、TFT駆動時のOFF状態のリーク電流を減らし、高いon−off比を得ることができる。
なお、上記の数値限定の理由は、成膜を行った際の(すなわち、成膜を行い、次工程に入る前の)比抵抗を1.0×10Ωcm以上とすることで、基板21側の抵抗値を下げることができ、TFT駆動時のOFF状態のリーク電流を減らし、高いon-off比を得ることができるからである。また、成膜を行い、次工程に入る前の比抵抗が1.0×1010Ωcmを超えると、半導体としての特性を発揮することがほぼ困難になるからである。
また、比抵抗とは、膜全体の抵抗値といった意味であり、後述する広がり抵抗の平均値とは、膜中の局所的な領域の抵抗値といった意味である。
また、成膜時の系内雰囲気として、雰囲気ガス(すなわち、ガスの種類)や圧力などが挙げられ、好ましくは、O分圧を1×10−3〜1×10Paとするとよく、より好ましくは、O分圧を5×10−3〜1×10−1Paとするとよい。このようにすると、キャリア濃度を効果的に減少させることができる。
なお、成膜を行った際の酸化物半導体層30の比抵抗が、上記指定の範囲内であればよく、雰囲気ガスや圧力などは、上記に限定されるものではない。
また、好ましくは、背圧は、通常3×10−4Pa以下であるとよく、より好ましくは1×10−4Pa以下であるとよい。このようにすると、雰囲気ガス中の不純物元素の影響によって、基板21と酸化物半導体層30との密着性が低下するといった不具合を抑制することができる。
また、スパッタリング時の成膜圧力は、プラズマが安定して放電できる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは、0.1〜5.0Paである。
なお、上記の背圧とは、アルゴン、酸素、水等を導入する前の真空度をいい、成膜圧力とは、アルゴン、酸素、水等を導入後のスパッタ開始時の圧力をいう。
(酸化物半導体層の加熱処理工程)
次に、酸化物半導体層30に対して酸素雰囲気中で加熱処理を行う(ステップS2)。
ここで、好ましくは、加熱処理を行う環境は、大気中、酸素中、酸素添加窒素ガス雰囲気中、酸素添加希ガス雰囲気中、又は、酸素添加不活性ガス雰囲気中などの酸素雰囲気中であるとよい。この処理を行うことによって、化学結合していない格子間酸素は脱離し、金属と酸素の結合が強化され、後述するプラズマ処理のダメージを受けにくくなる。
なお、加熱処理装置は特に限定されないが、ランプアニール装置(LA;Lamp Annealer)、急速熱アニール装置(RTA;Rapid ThermalAnnealer)、又はレーザーアニール装置を用いることができる。
(ゲート絶縁層の積層工程)
次に、図3(b)に示すように、基板21及び酸化物半導体層30の上に、ゲート絶縁層250を積層する(ステップS3)。ここで、ゲート絶縁層250の材料は、特に限定されるものではなく、たとえば、一般に用いられている材料を任意に選択できる。
すなわち、ゲート絶縁層250の材料として、例えば、SiO,SiNx,SiONx,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,Hf,CaHf,PbTi,BaTa,SrTiO,AlN等の化合物が挙げられる。これらのなかでも、好ましくは、SiO,SiNx,Al,Y,Hf,CaHfであるよく、より好ましくは、SiO、SiNx又はAlであるとよい。
なお、上記の酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよい(例えば、SiOでもSiOxでもよい)。
また、ゲート絶縁層250は、CVD法(Chemical
Vapor Deposition)によって積層される。
ここで、好ましくは、CVD法において、ゲート絶縁層250は、前駆体に水素原子を含むとよい。すなわち、酸化物半導体層30の上にゲート絶縁層250を積層した際の(すなわち、積層を行い、次工程に入る前の)、ゲート絶縁層250における平均水素原子濃度を、1017cm−3以上1022cm−3未満とするとよい。このようにすると、ゲート絶縁層250内の水素原子が酸化物半導体層30の表面(上面)から内部へ浸透し、水素原子濃度は、酸化物半導体層30の膜厚方向に順次減少する。そして、酸化物半導体層30において、水素原子はドナーとして振る舞うため、広がり抵抗の平均値は、ゲート絶縁層250の側から膜厚方向に(すなわち、図3においては、上から下に向かって)、順次上昇する。
そして、後述する0.00001≦(SRFC/SRBC)≦0.1を実現することができる。
(ゲート電極の形成工程)
次に、ゲート絶縁層250上にゲート電極層260を成膜し(図3(c)参照)、図3(d)に示すように、該ゲート電極層260をパターニングすることによりゲート電極26を形成する(ステップS4)。
(ゲート絶縁層の形成工程)
次に、図3(d)に示すように、ゲート電極26をマスクとし、上記ゲート絶縁層250をパターニングし、ゲート絶縁層25を形成する(ステップS5)。すなわち、ゲート絶縁層25は、ゲート電極26によって自己整合されており、上方から見たゲート電極26の外形は、ゲート絶縁層25の外形とほぼ同じである。
(プラズマ処理又はアニール工程)
次に、酸化物半導体層30におけるゲート絶縁層25及びゲート電極26が形成されていない領域に、Ar又はNH等を用いたプラズマ処理、あるいは真空中のアニールを施す(ステップS6)。
ここで、プラズマ処理やアニールを施すことによって、酸化物半導体層30においてゲート絶縁層25及びゲート電極26が形成されていない領域(すなわち、ソース領域22及びドレイン領域24)に、ゲート絶縁層25内の水素原子が拡散する、あるいは、酸素が脱離して酸素空孔が生成する。これによって、ソース領域22及びドレイン領域24は、キャリア濃度が上昇して抵抗値が減少し、導電体として機能することができる。すなわち、後述する0.0001≦(SR/SRFC)≦1、及び、0.0001≦(SR/SRFC)≦1を実現することができる。
ここで、上述したように、ゲート絶縁層25は、ゲート電極26によって自己整合されているので、上方から見ると、ゲート電極26の外形に、ソース領域22及びドレイン領域24が接している。すなわち、上記によって得られたコプラナー構造の薄膜トランジスタ1は、ゲート電極26とソース領域22とが上下方向にオーバーラップする領域がなく、また、ゲート電極26とドレイン領域24とが上下方向にオーバーラップする領域がない。すなわち、コンデンサとして機能する電極対向領域がないことから、寄生容量を低減することができる。したがって、寄生容量の面内ばらつきが引き起こす輝度ムラや、高速応答性に対する悪影響を低減することができる。
なお、コプラナー構造とは、酸化物半導体層30において、ソース領域22がチャネル領域23に隣接し、ドレイン領域24がチャネル領域23に隣接している構造といった意味である。
(保護絶縁層の成膜工程)
次に、図3(e)に示すように、基板21、ソース領域22、ドレイン領域24及びゲート電極26上に、これらを覆うように、保護絶縁層27を成膜する(ステップS7)。
ここで、好ましくは、保護絶縁層27は、酸素透過性絶縁膜(酸素透過性を有する絶縁膜)であり、かつ、該酸素透過性絶縁膜が、ソース領域22及びドレイン領域24と接しているとよい。
なお、酸素透過性絶縁膜として、例えば、SiO,SiON,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,Hf,CaHf,PbTi,BaTa,SrTiO,SiNx等の酸化物絶縁膜が挙げられる。これらのなかでも、好ましくは、SiO,SiON,Al,Y,Hf,CaHf,SiNxであるとよく、より好ましくは、SiO,SiNx,Alであるとよく、特に好ましくはSiO,SiNxであるとよい。上記の酸素透過性絶縁膜は、プラズマCVD法又はスパッタリング法を用いて形成する。
また、保護絶縁層27は、CVD法(Chemical
Vapor Deposition)によって積層されるとよい。
ここで、好ましくは、CVD法において、保護絶縁層27は、前駆体に水素原子を含むとよい。すなわち、ソース領域22及びドレイン領域24の上に保護絶縁層27を積層した際の(すなわち、積層を行い、次工程に入る前の)、保護絶縁層27における平均水素原子濃度を、1017cm−3以上1022cm−3未満とするとよい。このようにすると、保護絶縁層27内の水素原子が保護絶縁層27とソース領域22とが接触している面から拡散し、ソース領域22が導電膜化し、より優れた導電性を有するソース領域22が形成される。また、保護絶縁層27内の水素原子が保護絶縁層27とドレイン領域24とが接触している面から拡散し、ドレイン領域24が導電膜化し、より優れた導電性を有するドレイン領域24が形成される。
(コンタクトホールの形成工程)
次に、図3(f)に示すように、選択的にエッチングを行い、保護絶縁層27に一対のコンタクトホール271を形成する(ステップS8)。これにより、ソース領域22の上面の少なくとも一部は、コンタクトホール271を介して露出し、また、ドレイン領域24の上面の少なくとも一部は、コンタクトホール271を介して露出する。
(ソース電極及びドレイン電極の形成工程)
次に、図3(g)に示すように、保護絶縁層27、露出したソース領域22及び露出したドレイン領域24の上に、電極層を成膜し、該電極層をパターニングすることにより、ソース電極28及びドレイン電極29を形成する(ステップS9)。
ここで、好ましくは、ソース電極28、ドレイン電極29及びゲート電極26は、Al、Mo、Ti、Cuのうち1種よりなる単層膜、あるいは、Al、Mo、Ti、Cuのうち少なくとも2種よりなる異なる2層以上の導電層を積層した多層膜であるとよい。たとえば、仕事関数が大きいAuなどをソース電極28及びドレイン電極29として用いると、チャネル部23への電子の注入が悪化し、TFT駆動時の電流値が低下するが、上記の構成によれば、このような不具合を回避することができる。
さらに、ソース電極28及びドレイン電極29は、低抵抗配線への要求が強いため、AlやCu等の良導体をTiやMo等の密着性に優れた金属でサンドイッチして使う場合がある。
なお、ゲート絶縁層25の形成工程より後ろの工程において、チャネル領域23の比抵抗を上昇させるようなプロセスを経ることは望ましくない。例えば、ゲート絶縁層25の形成工程より後ろの工程において、400℃以上で大気アニールを行うと、急速に酸素がチャネル領域23に取り込まれ、チャネル領域23のキャリア濃度が均一に低下して、膜中の広がり抵抗の平均値が均一となる。これにより、移動度の低い好ましくない薄膜トランジスタ1が製造されることとなる。
上述した方法によって、薄膜トランジスタ1は、効率よく製造することができる。
次に、薄膜トランジスタ1について説明する。
<薄膜トランジスタ>
上述したように、本実施形態の薄膜トランジスタ1は、基板21、酸化物半導体層30、ゲート絶縁層25、ゲート電極26、保護絶縁層27、ソース電極28及びドレイン電極29などを備えている(図1参照)。
(酸化物半導体層)
酸化物半導体層30は、絶縁性の基板21上に形成されており、ソース領域22、チャネル領域23及びドレイン領域24を有している。
この酸化物半導体層30は、In、Ga、Zn及びSnの少なくとも一つの元素を含んでいる。
また、酸化物半導体層30の材料については、酸化物半導体層30が、ソース電極28及びドレイン電極29を形成する金属よりも酸化還元電位の低い金属元素を、少なくとも1元素含む、単層膜または2種類以上を積層した多層膜であってもよい。
上記の材料を酸化物半導体層30に用いることで、ソース電極層28、及びドレイン電極層29を形成する際に、酸化物半導体層30側の酸素をソース電極28、及びドレイン電極29が取り込み、ソース電極28とドレイン電極29に用いた金属を含む酸化物(MxOy)を3nm程度形成する。また、これにより酸化物半導体30側は酸素が欠乏し、導電膜化する。さらに、ソース電極より電子がMxOyをトンネリングし、半導体側へ注入されやすくなり、その結果、TFT駆動時のS値が低くなる。
ここで、好ましくは、酸化物半導体層30が、In、Ga及びZnを含む、単層膜又は多層膜であり、前記単層膜又は前記多層膜のゲート絶縁層側からの第一層が、Inの原子比In/(In+Ga+Zn)が35%以上90%未満であり、かつ、Gaの原子比Ga/(In+Ga+Zn)が10%以上35%未満であるとよい。
Inの原子比を0.35%以上に増やすことによって、フロントチャネル領域231において、電子が伝導するIn5s軌道の空間的な重なりが大きくなり、移動度が30cm/Vsを達成することができる。
また、Inは酸素との結合力が弱いため酸素空孔を作りやすく、キャリア濃度が上昇しやすい。このことから、Inの原子比を0.35%以上と増やすことによって、ソース領域28、及びドレイン領域29を形成した後の保護絶縁層27の形成によるキャリア濃度の低下を抑えることができる。
また、Inの原子比0.90%以上かつ、酸素との結合力が強いGaの原子比0.10%未満とすると、酸素空孔が過剰に生成され、酸化物半導体層30全体が導電膜化してしまい、TFT駆動時にゲートバイアスに対して常に電流が流れるノーマリーオン状態となる。
また、Gaの原子比が0.35%以上となると、前記のIn5s軌道の空間的な重なりが損なわれ、移動度が低下する。
なお、上記の数値限定により、後述する各実施例に示す良好な特性を発現することができる。
また、好ましくは、酸化物半導体層30が、In、Sn及びZnを含む、単層膜又は多層膜であり、前記単層膜又は前記多層膜のゲート絶縁層側からの第一層が、Inの原子比In/(In+Sn+Zn)が10%以上50%未満であり、より好ましくは0.20%以上0.40%未満であり、かつ、Snの原子比Sn/(In+Sn+Zn)が10%以上50%未満であり、より好ましくは0.10以上0.30未満であるとよい。
SnはIn同様に空間的に広がったs軌道を最低非占有準位として持つため、Snを原子比で0.10%以上を含有すると高い移動度30cm/Vsを保つことができる。一方でSnの原子比が0.30%以上となると、低級酸化物を形成しキャリアの散乱源となり、移動度が低下する。
なお、上記の数値限定により、後述する各実施例に示す良好な特性を発現することができる。
(ゲート絶縁層)
ゲート絶縁層25は、チャネル領域23上に形成されており、上述したように、水素原子を含んでいる。
また、ゲート絶縁層25は、SiO、SiNx又はAlであるとよい。このようにすると、上述したように、ゲート絶縁層250内の水素原子が酸化物半導体層30の表面(上面)から内部へ浸透し、水素原子濃度は、酸化物半導体層30の膜厚方向に順次減少する。そして、酸化物半導体層30において、水素原子はドナーとして振る舞うため、広がり抵抗の平均値は、ゲート絶縁層250の側から膜厚方向に(すなわち、図3においては、上から下に向かって)、順次上昇する。
(ゲート電極)
ゲート電極26は、チャネル領域23の上方であって、ゲート絶縁層25上に形成されている。
(ソース電極及びドレイン電極)
ソース電極28は、ソース領域22の上面に接続されており、ドレイン電極29は、ドレイン領域24の上面に接続されている。
ここで、好ましくは、ソース電極28及びドレイン電極29は、Al、Mo、Ti、Cuのうち1種よりなる単層膜、あるいは、Al、Mo、Ti、Cuのうち少なくとも2種よりなる異なる2層以上の導電層を積層した多層膜であるとよい。このようにすると、上述したように、TFT駆動時の電流値が低下するといった不具合を回避することができる。
なお、ソース電極28がソース領域22の上面に接続され、かつ、ドレイン電極29がドレイン領域24の上面に接続されている構造は、トップコンタクト構造と呼ばれる。
(保護絶縁層)
保護絶縁層27は、基板21、酸化物半導体層30、ゲート絶縁層25及びゲート電極26を覆うように形成されている。
また、保護絶縁層27は、SiO,SiNx又はAlであるとよい。このようにすると、上述したように、保護絶縁層27内の水素原子が保護絶縁層27とソース領域22とが接触している面から拡散し、ソース領域22が導電膜化し、より優れた導電性を有するソース領域22が形成され、また、保護絶縁層27内の水素原子が保護絶縁層27とドレイン領域24とが接触している面から拡散し、ドレイン領域24が導電膜化し、より優れた導電性を有するドレイン領域24が形成される。
(広がり抵抗の平均値)
次に、薄膜トランジスタ1の広がり抵抗の平均値に関する構成について説明する。
薄膜トランジスタ1は、図1(b)に示すように、チャネル領域23において、基板21側の端面(下面)から内側(上側)に距離5nmまでの領域をバックチャネル領域232とする。また、チャネル領域23において、ゲート絶縁層25側の端面(上面)から内側(下側)に距離5nmまでの領域をフロントチャネル領域231とする。
ここで、バックチャネル領域232の広がり抵抗の平均値SRBCに対する、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCの比(SRFC/SRBC)が、
0.00001≦(SRFC/SRBC)≦0.1
である。
さらに好ましくは、0.0001≦(SRFC/SRBC)≦0.01であるとよい。
上記の(SRFC/SRBC)を0.1以下とすることで、TFT駆動時のキャリアの伝導パスを形成するフロントチャネル領域231へのキャリアの蓄積が容易となり、さらにはフロントチャネル領域231の抵抗値が低いことから移動度を高くすることができる。
また、フロントチャネル領域231の下方、すなわち、バックチャネル領域232側のチャネル領域23の部分は、抵抗値が高く導電性に乏しいので、ゲート電界を負に印加した場合、より電子が蓄積されやすいバックチャネル領域232側の伝導が抑制され、off電流の低い薄膜トランジスタが実現される。これらの理由から、本薄膜トランジスタは大きなon−off比も同時に有しているといえる。
なお、広がり抵抗の平均値は、広がり抵抗顕微鏡
(SSRM)から求めることができる。
また、バックチャネル領域232に欠陥が多いと、ゲートバイアスを印加した際のTFTの閾値電圧のシフトである信頼性が悪化する傾向が報告されている。これに対し、上記によって得られた薄膜トランジスタ1においては、バックチャネル側の伝導が抑制されていることから、高い信頼性を得ることができる。
上記構成により、薄膜トランジスタ1は、TFT駆動時にキャリアの伝導パスを形成するフロントチャネル領域231の抵抗値を下げることで、TFTのon動作をしているときに得られる最大電流値が大きくなる。
また、一般的に、抵抗値の低い酸化物半導体は、総じて移動度が大きな傾向を持つため、トランスファー特性から導出されるTFT移動度も高くなる。
さらに、抵抗値の低い酸化物半導体は、キャリアの散乱源となる欠陥が少ないことが自明であり、バンドギャップ内に形成される局在準位が少ない。一般に、TFT駆動時に印可する電圧によって引き起こされる劣化のしにくさの指標である信頼性は、この局在準位が多いと悪化する傾向が知られており、抵抗値の低い酸化物半導体をフロントチャネル領域231として形成することで、これを防ぐことができる。
また、薄膜トランジスタ1は、TFTの印可するゲート電圧に対する電流値の変化を表すS値や、ゲート電圧印可のスイープ方向のプラスマイナスに対する電流値の差であるヒステリシスにおいても、局在準位が一因であることが自明であることから、これらの値を改善することができる。
さらに、バックチャネル領域232の抵抗値を上げることで、TFTのoff状態におけるソース電極28とドレイン電極29との間のリーク電流を低減することができ、高いon-off比を得ることが可能となる。
また、薄膜トランジスタ1は、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCに対する、ソース領域22の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SRFC)が、
0.0001≦(SR/SRFC)≦1
である。
また、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCに対する、ドレイン領域29の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SRFC)が、
0.0001≦(SR/SRFC)≦1
である。
より好ましくは、0.001≦(SR/SRFC)≦1、かつ、0.001≦(SR/SRFC)≦1であるとよく、さらに好ましくは、0.01≦(SR/SRFC)≦1、かつ、0.01≦(SR/SRFC)≦1であるとよい。
このように、(SR/SRFC)を1に近づけることで、TFT駆動時のソース領域22からチャネル領域23へのキャリアの注入性が良好になり、S値が改善する。さらには、ソース領域22又はドレイン領域24とチャネル領域23との接触抵抗が低減することで、移動度の低下を防ぐことができる。また、TFT駆動時のドレイン端への電界集中によるインパクトイオン化や発熱による信頼性悪化を防ぐことが可能となる。
以上の理由から、薄膜トランジスタ1は、寄生抵抗を低減しつつ、高い移動度及び高いon-off比を有し、S値が低く、良好な信頼性と光信頼性を有し、かつ、TFT特性の面内均一性が高いといった特徴を有することができる。
上記のチャネル領域23は、図示してないが、上層と下層とからなる2層構造を有していてもよい。また、この構造において、上層の広がり抵抗の平均値は、下層の広がり抵抗の平均値よりも低いとよい。このようにすると、上述した広がり抵抗の平均値に関する条件を、安定的に実現することができる。
ここで、2層構造とは、異なる酸化物半導体材料からなる二つの層を積層した構造をいい、異なる酸化物半導体材料とは、材料中に含まれる金属元素の一つ以上が原子比として5%以上異なるものをいう。
また、薄膜トランジスタ1の酸化物半導体層30は、ゲート絶縁層25側の端面から内側に所定の距離までの領域が、アモルファスであるとよい。なお、上記の所定の距離とは、通常、たとえば、10nmであり、好ましくは5nmである。
このようにすると、酸化物半導体層30を形成するときに、膜中に拡散する水素を、所定の距離までの領域にのみ拡散することができ、選択的にキャリア濃度を上昇させることができる。
そして、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCの比が、バックチャネル領域232の広がり抵抗の平均値SRBCよりも低い状態を、大面積で均一に形成することができる。
なお、酸化物半導体の結晶性評価は電子顕微鏡によって確認できる。
さらに、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30において、体積比の90%以上がアモルファスであるとよい。
このようにすると、結晶粒界のポテンシャルが移動度低下へ影響しなくなり、大面積で均一な移動度を有するTFT基板を提供することができる。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が、ゲート絶縁層25側の端面から内側に所定の距離までの領域が多結晶であるとよい。なお、上記の所定の距離とは、通常、たとえば、10nmであり、好ましくは5nmである。
このようにすると、アモルファス構造の乱れに起因する裾準位を少なくすることができ、移動度を高く、S値を小さい状態を実現することができる。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30において、体積比の90%以上が多結晶であるとよい。
このようにすると、酸素や水素の吸収や脱離が抑えられ、TFTのバイアスに対する経時劣化である信頼性が改善する。
さらに、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、フロントチャネル領域231の平均水素原子濃度HρFCが、1017cm−3以上1022cm−3以下であるとよい。
水素は、酸化物半導体層30中で電子の散乱源になることは無く、ドナーとして働くことから、移動度を低下させることなくキャリア濃度を高めることができる。したがって、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCが上昇し、TFTとして駆動した際に高移動度が実現する。
また、キャリア濃度が上昇することから酸化物半導体層30中に存在するトラップ準位が満たされ、ゲートバイアスに対する経時劣化である信頼性劣化が改善される。
なお、フロントチャネル領域231の平均水素原子濃度HρFCが、1017cm−3未満とすると、キャリア濃度が低くTFTが駆動しないおそれがある。また、キャリア濃度の上限値は高ければ高いほど良いが、酸化物半導体層30中に存在できるキャリア濃度の上限は1022cm−3である。
また、酸化物半導体層30中の平均水素原子濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS)によって確認できる。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、フロントチャネル領域231の平均水素原子濃度HρFCに対する、前記バックチャネル領域の平均水素原子濃度HρBCの比(HρBC/HρFC)が、
0.0001≦(HρBC/HρFC)≦0.1
であるとよい。
上記の(HρBC/HρFC)を0.1以下とすることで、TFT駆動時のキャリアの伝導パスを形成するフロントチャネル領域231へのキャリアの蓄積が容易となり、さらにはフロントチャネル領域231の抵抗値が低いことから移動度が高くすることができる。
また、(HρBC/HρFC)を0.0001未満とすると、酸化物半導体層30全体のキャリア濃度が減少し、TFTが駆動しない恐れがある。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、ソース領域22の平均水素原子濃度Hρに対する、フロントチャネル領域231の平均水素原子濃度HρFCの比(HρFC/Hρ)が、
0.0001≦(HρFC/Hρ)≦1
であり、
ドレイン領域24の平均水素原子濃度Hρに対する、フロントチャネル領域231の平均水素原子濃度HρFCの比(HρFC/Hρ)が、
0.0001≦(HρFC/Hρ)≦1
であるとよい。
上記の(HρFC/Hρ)が0.0001未満であると、ソース領域22とチャネル領域23との間の障壁が大きくなり、TFT駆動時の電子の注入性が悪くS値の低下、及び移動度の低下を招くからである。また、(HρFC/Hρ)が0.0001未満であると、ドレイン領域24とチャネル領域23との間の障壁が大きくなり、TFT駆動時の電子の注入性が悪くS値の低下、及び移動度の低下を招くからである。
なお、ソース領域22とチャネル領域23との間の障壁を小さくするためには、(HρFC/Hρ)を限りなく1に近づけることが好ましい。また、ドレイン領域24とチャネル領域23との間の障壁を小さくするためには、(HρFC/Hρ)を限りなく1に近づけることが好ましい。
さらに、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、フロントチャネル領域231の平均キャリア濃度CρFCが、1017cm−3以上1022cm−3以下であるとよい。
このようにすると、広がり抵抗の平均値が十分に低くなり、TFTとして駆動した際に高移動度が実現する。また、キャリア濃度が上昇することから酸化物半導体層30中に存在するトラップ準位が満たされ、ゲートバイアスに対する経時劣化である信頼性劣化が改善される。
なお、フロントチャネル領域231の平均キャリア濃度CρFCを1017cm−3未満とすると、TFTが駆動しないおそれがある。また、フロントチャネル領域231の平均キャリア濃度CρFCの上限値は高ければ高いほど良いが、酸化物半導体中に存在できるキャリア濃度の上限は1022cm−3である。
また、酸化物半導体中の平均キャリア濃度は、走査型静電容量顕微鏡法(SCM法)によって確認できる。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、フロントチャネル領域231の平均キャリア濃度CρFCに対する、バックチャネル領域232の平均キャリア濃度CρBCの比(CρBC/CρFC)が、
0.0001≦(CρBC/CρFC)≦0.1
であるとよい。
上記の(CρBC/CρFC)を0.1以下とすることで、TFT駆動時のキャリアの伝導パスを形成するフロントチャネル領域231へのキャリアの蓄積が容易となり、さらにはフロントチャネル領域231の抵抗値が低いことから移動度を高くすることができる。
なお、(CρBC/CρFC)を0.0001未満とすると、酸化物半導体層30全体のキャリア濃度が減少し、TFTが駆動しない恐れがある。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、ソース領域22の平均キャリア濃度Cρに対する、フロントチャネル領域231の平均キャリア濃度CρFCの比(CρFC/Cρ)が、
0.0001≦(CρFC/Cρ)≦1
であり、
ドレイン領域24の平均キャリア濃度Cρに対する、フロントチャネル領域231の平均キャリア濃度CρFCの比(CρFC/Cρ)が、
0.0001≦(CρFC/Cρ)≦1
であるとよい。
上記の(CρFC/Cρ)が0.0001未満であると、ソース領域22とチャネル領域23との間の電子のエネルギー障壁が大きくなり、TFT駆動時の電子の注入性が悪くS値の低下、及び移動度の低下を招くからである。また、(CρFC/Cρ)が0.0001未満であると、ドレイン領域24とチャネル領域23との間の電子のエネルギー障壁が大きくなり、TFT駆動時の電子の注入性が悪くS値の低下、及び移動度の低下を招くからである。
なお、ソース領域22とチャネル領域23との間の電子のエネルギー障壁を小さくするためには、(CρFC/Cρ)を限りなく1に近づけることが好ましい。また、ドレイン領域24とチャネル領域23との間の電子のエネルギー障壁を小さくするためには、(CρFC/Cρ)を限りなく1に近づけることが好ましい。
また、酸化物半導体中の平均キャリア濃度は、走査型静電容量顕微鏡法(SCM法)によって確認できる。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、フロントチャネル領域231の密度ρFCが、バックチャネル領域232の密度ρBCより低く、
ρFCBC
であるとよい。
このようにすると、ゲート絶縁層25を作成するときの水素原子の拡散が、フロントチャネル領域231を超える領域(フロントチャネル領域231の下方の領域)に拡散せず、ゲートバイアスを印加したときの発熱による水素拡散を抑えることができる。これにより、ゲートバイアス印加によるTFTの閾値電圧の経時変化である信頼性を改善することができる。
なお、酸化物半導体の密度は、X線反射率測定(XRR)によって確認できる。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、フロントチャネル領域231のバンドギャップが、2.8eV以上4.2eV以下であとよく、好ましくは2.8eV以上4.0eV以下、より好ましくは2.8eV以上3.5eV以下であるとよい。
ここで、後述するコプラナー型の薄膜トランジスタ1a(図4参照)においては、ソース電極28a及びドレイン電極29aとゲート電極26aとの間に保護絶縁層27aのみが積層している酸化物半導体領域(オフセット領域とも呼ばれる。)が存在し、これがソース領域とチャネル領域との間の、又はチャネル領域とドレイン領域との間の抵抗成分となり、TFT駆動時の移動度が低下する。
ただし、バンドギャップを上記の条件とすることで、ソース電極28及びドレイン電極29をパターニングする際、UV露光によりオフセット領域にキャリアが誘起されて導電膜化し、オフセット領域の抵抗が抑えられる。したがって、TFT駆動時の移動度低下を防ぐことができる。
なお、露光時のUV光の波長分布は2.8eVから3.5eVの範囲であることから、バンドギャップが2.8eVから3.5eVの範囲であることが好ましい。
また、酸化物半導体層30のバンドギャップは分光エリプソメトリーによって確認できる。
また、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体層30が10nmを超える膜厚を有し、フロントチャネル領域231のバンドギャップが、より好ましくは、3.3eV以上4.0eV以下であるとよい。
このようにすると、ディスプレイ用途のTFTでは、素子間から回り込んだ可視光とゲートバイアス印加による経時劣化(光信頼性)が、ディスプレイの輝度ムラとして課題となっている。そこで、バンドギャップを上記の条件とすることで、1.6eVから3.26eVに分布する可視光の光を吸収せず、光信頼性が改善する。
なお、酸化物半導体のバンドギャップは分光エリプソメトリーによって確認できる。
ここで、作製したトップゲート型コプラナー構造のTFTのトランスファー特性を評価すると、ON状態のキャリアの伝導パスは、酸化物半導体薄膜中のゲート絶縁層界面から膜厚方向に5nm以下の領域である。そして、この領域の広がり抵抗の平均値が低いことによって、得られる最大電流値が大きくなる。また、NOプラズマ処理などの処理がフロントチャネル領域231に施されておらず、キャリアの散乱源の少ない膜として形成されている。これにより、移動度30cm/Vs以上の移動度を得ることができる。
このように、薄膜トランジスタ1は、酸化物半導体薄膜30が、薄膜トランジスタのチャネル層として好適であり、酸素欠陥の少ない酸化物半導体層30を備えることによって、信頼性を向上させることができる。
また、優れた信頼性とは、例えばPBS(Positive Bias Stress)が0.5V以下、且つNBIS(Positive Bias Illumination Stress)が−1V以下であることを意味する。
本発明の酸化物半導体を含む電界効果型トランジスタのS値は、好ましくは1V/decade以下、さらに好ましくは0.7V/decade以下、特に好ましくは0.5V/decade以下である。
なお、S値の値が1V/decadeを超えると、駆動電圧が高くなる等トランジスタが良好なスイッチング特性を示さなくなるおそれがある。
本発明の酸化物半導体を含む電界効果型トランジスタは、移動度と閾値電圧の面内均一性が良いことが好ましい。
4インチΦの基板面内の任意の10素子を選択した際の、移動度のバラツキΔμは1cm2/Vs以下、好ましくは0.5cm2/Vs以下である。
移動度のばらつきがΔμは1cm2/Vsを超えると、電流値が安定せずELディスプレイ用途で駆動素子として使う際に、輝度ムラが発生する。
また、4インチΦの基板面内の任意の10素子を選択した際の、閾値電圧のバラツキΔVthは、0.1V以下、好ましくは0.08V以下である。なお、閾値電圧のばらつきが0.1Vを超えると、ゲートバイアスに対する電流値が安定せず、ELディスプレイ用途で駆動素子として使う際に、輝度ムラの原因となる。
なお、本発明に係る薄膜トランジスタは、上記の薄膜トランジスタ1に限定されるものではなく、たとえば、図4に示すトップゲート型のオフセット構造を有する薄膜トランジスタ1aであっても良い。なお、薄膜トランジスタ1aは、トップゲート型、かつ、トップコンタクト型(ソース電極28a及びドレイン電極29aが、酸化物半導体層30aの上面に接続された構造)である。
ここで、オフセット構造は、図4に示すように、薄膜トランジスタ1aを上下から見て、ソース電極28aおよびドレイン電極29aとゲート電極26aとの間に電極が存在していない領域(オフセット領域)形成されている構造をいう。
以上説明したように、本実施形態の薄膜トランジスタ1によれば、寄生抵抗を低減しつつ、高い移動度及び高いon-off比を有し、S値が低く、安定性や信頼性などを向上させることができる。
また、本実施形態の薄膜トランジスタの製造方法によれば、薄膜トランジスタ1を効率よく製造することができる。
次に、薄膜トランジスタ1の実施例及び比較例について説明する(図5〜10の表1〜6を参照)。
図5の表1に示すように、金属比がIn:Sn:Zn=36.5:15:48.5 (原子比)の酸化物のスパッタリングターゲットを用い、スパッタ時の酸素分圧比を50%として酸化物半導体30層の成膜を行った。
なお、他の条件は、
・到達圧力:5.0×10−4(Pa)
・スパッタ圧力:0.5(Pa)
・[O]/([O]+[Ar]):50(%)
・[Ar]/([O]+[Ar]):50(%)
・酸素分圧:2.5E−01(Pa)
・スパッタ方式:DC
・膜厚:50(nm)
・基板温度:25(℃)
この際、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、6.27E+08(Ωcm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で十分に高い値であった。
また、ソース電極28及びドレイン電極29の電極構成は、Ti/Al/Tiであり、膜厚は、20/50/20(nm)であった。
また、ゲート絶縁層25(ゲート絶縁膜)の材質は、SiOであり、膜厚は、200(nm)であった。さらに、ゲート絶縁層25を形成した直後のゲート絶縁層25の平均水素原子濃度は、5×1020(/cm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で、適正な濃度であった。
また、保護絶縁層27(保護膜)の材質は、SiOであり、膜厚は、200(nm)であった。さらに、保護絶縁層27を形成した直後のゲート絶縁層25の平均水素原子濃度は、5×1020(/cm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で、適正な濃度であった。
さらに、TFT作製後のアニール(真空中のアニール)を、300℃にて1時間行った。
なお、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表1に示す。
[広がり抵抗の平均値の測定]
薄膜トランジスタ1の酸化物半導体層30の断面を、水中機械研磨により酸化物半導体層の膜厚が10倍になるように、斜めに切削して得た。
続いて、その断面に対してSSRMによって広がり抵抗の平均値の測定を行った。なお、AFMは日立ハイテクサイエンス(旧SIIナノテクノロジー)製の環境制御型プローブ顕微鏡(NanoNavi/E−sweep)を用い、探針SI−DF40−CD、走査速度:0.5Hz、ステップ256×256、測定視野3μm、サンプルバイアス(−0.5V)の条件下で、実際の素子サイズにおける、バックチャネル領域232の広がり抵抗の平均値SRBCと、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCを求めた。
また、同様にして、チャネル領域23の広がり抵抗の平均値SR、チャネル領域23の広がり抵抗の平均値SRを求め、(SRFC/SRBC)、(SR/SRFC)、(SR/SRFC)を算出した。
結果は、
・(SRFC/SRBC):0.001
・(SR/SRFC):0.10
・(SR/SRFC):0.10
であった。
[平均水素原子(H)濃度の測定]
平均水素原子濃度の測定には、薄膜トランジスタ1の酸化物半導体層30を用いた。すなわち、アルバックファイ社製四重極型二次イオン質量分析装置
(D−SIMS)によって、Csイオン源1kV、一次イオン電流100nA、チャンバー真空度5×10−10 torrの測定条件下で行った。
平均水素原子濃度については、膜中水素濃度が既知のIn−Ga−Zn−O薄膜を用いて、強度の比較から定量化を行い、得られた値を平均水素原子濃度とした。
結果は、
・HρFC:1×1019(/cm
・(HρBC/HρFC):0.003
・(HρFC/Hρ):0.25
であった。
[平均キャリア濃度の評価]
薄膜トランジスタ1と同じ基板に対し、酸化物半導体層30の形成まで、及び、ゲート絶縁層25の形成までの工程を通した。そして、単膜分析エリアの基板をそれぞれ1cm□にカットし、4隅にAu電極をつけた。次に、Au電極と銅線に銀ペーストを接着し、ホール効果測定用の素子とした。
平均キャリア濃度の測定は、室温にてホール効果測定装置
HL−5500PC、ACCENTを用いてホール効果測定を行い、得られた値を平均キャリア濃度とした。
結果は、
・CρFC:5×1018(/cm
・(CρBC/CρFC):0.03
・(CρFC/Cρ):0.1
であった。
[膜密度の測定]
薄膜トランジスタ1と同じ基板に対し、酸化物半導体層30の形成までの工程を通し、該基板を、XRR(X−ray
Reflectometer)を用い、以下の条件で反射率の測定を行った。
得られたスペクトルを用いて、膜厚、密度をパラメーターとしてフィッテングにより膜密度を求めた。測定装置は(株)リガク製の全自動水平型多目的X線回折装置
SmartLab、測定条件はCu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)を用いて、2θ反射率測定、測定範囲2θ=0°〜8°、サンプリング間隔:0.01°で測定を行った。
結果は、
・ρFC:6.53(g/cm
・ρBC:6.56(g/cm
であった。
[バンドギャップの測定]
薄膜トランジスタ1と同基板に、酸化物半導体層30の形成までの工程を通し、該基板を1cm□にカットし、裏面反射が無くなるまで研磨した。室温にて分光エリプソメトリー測定装置M−2000D(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン株式会社製)を用いて偏光の入射角度を基板に垂直方向から50°、60°、70°と変化させ、それぞれについて測定波長を192.3nm〜1689nm、測定幅3.4nmで測定を行った。さらに、得られたスペクトルψとΔから、吸収モデルとしてDrude model、Tauc−Lorentz mode、Gaussian functione modelを置き、二乗誤差MSE=10以下になるまで最適化を行うことで各光のエネルギーに対して吸収係数αを算出した。さらに、光のエネルギー範囲2eV〜5eVに対し、αをプロットし直線を延長させたエネルギー軸との交点をバンドギャップとして算出した。
結果は、
・フロントチャネル領域のバンドギャップ:3.48(eV)
・バックチャネル領域側のバンドギャップ:3.50(eV)
であった。
[薄膜トランジスタの特性評価]
コプラナー型の薄膜トランジスタ1を用い、ゲート電圧(Vg)の変化に伴うドレイン電流(Id)の大きさを測定することにより、その伝達特性の評価を行った。
ドレイン電圧は20Vに設定し、ゲート電圧は−15Vから20Vまで変化させた。また、得られた薄膜トランジスタの電界効果移動度とオフ電流(Ioff)を下記の方法で測定し、信頼性評価を行った。
・電界効果移動度(移動度)(cm/Vs)
飽和領域移動度を導出し、ゲート電圧が−15Vから20Vの範囲での最大値を選択し、電界効果移動度とした。
・Ioff(オフ電流)(A@Vgs=−5V)
ゲート電圧(Vg)=−5Vのときのドレイン電流(Id)をオフ電流(Ioff)とした。
結果は、
・電界効果移動度(移動度):35(cm/Vs)
・S値:0.4(V/decade)
・オフ電流(OFF電流):<1×10−12(A)
であった。
[信頼性評価]
コプラナー型の薄膜トランジスタ1について、ケースレーの4200SCSにセットし、トランジスタの信頼性を評価した。
(1)信頼性 PBS
ストレス条件は、空気中、50℃でゲート電極に+15Vの電圧を10000秒加えた。ストレスをかける前後のVthを比較し、閾値電圧のシフト量(ΔVth)を測定した。
(2)信頼性 NBIS
ストレス条件は、空気中、365nm〜620nmの波長を含む白色光を0.1mWとし、50℃で薄膜トランジスタ1に照射させ、ゲート電極に−15Vの電圧を10000秒加えた。ストレスをかける前後のVthを比較し、閾値電圧のシフト量 (ΔVth)を測定した。
結果は、
・PBS@Vg=15V,1000sec
(V):0.3
・NBIS@Vg=−15V,1000sec (V):0.1
であった。
[バラツキ性評価]
4インチΦの基板面内の任意の10素子を選択した際の、移動度のバラツキΔμ、及び、閾値電圧のバラツキΔVthを測定した。
結果は、
・ΔVth:0.02(V)
・Δμ:0.3(cm/Vs)
であった。
以上説明したように、実施例1の薄膜トランジスタ1は、良好な特性を有していた。
実施例2について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表1に示す。
なお、以下に記載する実施例及び比較例において、測定方法や評価方法などは、実施例1とほぼ同様に行うものとする。
また、実施例2の薄膜トランジスタ1は、表1に示すように、良好なTFT特性を有していた。
[比較例1]
比較例1について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表2に示す。
比較例1において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、5.39E+01(Ωcm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で、高抵抗化が不十分であった。
結果としては、移動度が実施例1、2と比較して悪く、OFF電流が高く、信頼性が悪い薄膜トランジスタとなった。
[比較例2]
比較例2について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表2に示す。
比較例2において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、3.60E+08(Ωcm)であり、十分に高い値であったが、酸化物半導体層30を形成した直後のゲート絶縁膜の平均水素原子濃度が、5×1015(/cm)と濃度が不十分であった。
結果としては、移動度が実施例1、2と比較して悪く、OFF電流が高く、信頼性が悪い薄膜トランジスタとなった。
[比較例3]
比較例3について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表2に示す。
比較例3において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、6.27E+08(Ωcm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で十分に高い値であった。
また、酸化物半導体層30を形成した直後の酸化物半導体層30の平均水素原子濃度は、5×1020(/cm)、及び保護膜(保護絶縁層)形成直後の保護絶縁層の平均水素原子濃度は5×1020(/cm)と本発明の薄膜トランジスタを作製する上で、適正な濃度であった。しかしながら、素子作製後のアニールを実施しなかったため、ゲート絶縁膜、及び保護絶縁層から酸化物半導体膜へ十分に水素が拡散しなかった。
結果としては、酸化物半導体層中のキャリア濃度が低く、薄膜トランジスタとして駆動しなかった。
実施例3について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表3に示す。
また、実施例3においては、さらに、下記の素子構成の評価を行った。
[素子構成の評価]
薄膜トランジスタ1において、保護絶縁層27と酸化物半導体層30との接触面積Aに対する、ソース電極28と酸化物半導体層30との接触面積Asの比(=As/A)を求めた。
なお、1≦As/A<1000であるとよい。
結果は、
・As/A:100
であった。
この実施例3の薄膜トランジスタ1は、表3に示すように、良好なTFT特性を有していた。
実施例4について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表3に示す。
結果としては、実施例4の薄膜トランジスタ1は、表3に示すように、良好なTFT特性を有していた。
実施例5について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表3に示す。
結果としては、実施例5の薄膜トランジスタ1は、表3に示すように、良好なTFT特性を有していた。
[比較例4]
比較例4について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表4に示す。
比較例4において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、6.27E+08(Ωcm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で十分に高い値であった。
ただし、ソース電極28及びドレイン電極29を、Auとした。
ソース電極28及びドレイン電極29をAuとした場合、酸化物半導体層30に形成されたソース領域22及びドレイン領域24との接触抵抗が高く、移動度が低く、ソース電極からの電子の注入性低下によってS値が悪い結果となった。
[比較例5]
比較例5について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表4に示す。
比較例5において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、6.27E+08(Ωcm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で十分に高い値であった。
ただし、素子構成としてソース電極28と酸化物半導体層30との接触面積に対する保護絶縁層27と酸化物半導体層30の接触面積の比(=As/A)を、0.1とした。
比較例5では、保護絶縁層27と酸化物半導体層30の接触面積Aが大きく、抵抗成分として存在し、移動度の低下やS値の劣化を招いた。
[比較例6]
比較例6について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表4に示す。
比較例6において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、6.27E+08(Ωcm)であり、本発明の薄膜トランジスタを作製する上で十分に高い値であった。
ただし、素子構成としてソース電極28と酸化物半導体層30との接触面積に対する保護絶縁層27と酸化物半導体層30の接触面積の比(=As/A)を、100000とした。
比較例6では、ソース電極28と酸化物半導体層30の接触面積Aが大きく、ソース電極28の金属による酸化物半導体層30からの酸素の引き抜き効果が大きく働き、チャネル層(チャネル領域23)が導電膜化した。
実施例6について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表5に示す。
また、実施例6においては、さらに、下記の結晶性の測定を行った。
[結晶性の測定]
薄膜トランジスタ1のチャネル部からイオンミリング法によってサンプルを切り出し、断面TEMを測定した。測定装置は日立製400kV高分解能透過電子顕微鏡、加速電圧400kV条件で測定を行い、断面TEM像、暗視野像、及び制限視野電子線回折パターンより結晶性を評価した。
結果は、
・アモルファス領域の体積率:100%
であった。
この実施例6の薄膜トランジスタ1は、表5に示すように、良好なTFT特性を有していた。
実施例7について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表5に示す。
結果としては、実施例7の薄膜トランジスタ1は、表5に示すように、良好なTFT特性を有していた。
実施例8について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表5に示す。
結果としては、実施例8の薄膜トランジスタ1は、表5に示すように、良好なTFT特性を有していた。
[比較例7]
比較例7について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表6に示す。なお、金属比は、In:Sn:Zn=33.3:33.3:33.3 (原子比)の酸化物のスパッタリングターゲットを用いた。すなわち、各金属の原子比をそれぞれ同じとした。
比較例7において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、1.81E+00(Ωcm)であった。
この比較例7は、Inの濃度が十分でなく、バックチャネル領域232の広がり抵抗の平均値SRBCに対する、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCの比(=(SRFC/SRBC))が、0.900となり、すなわち、フロントチャネル領域231の広がり抵抗の平均値SRFCが十分に低くなく、TFTの移動度が低く、S値も悪かった。
[比較例8]
比較例8について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表6に示す。
比較例8において、酸化物半導体層30の成膜直後の比抵抗の値は、3.39E−02(Ωcm)であった。
この比較例8は、酸化物半導体層30のキャリア濃度が高く、TFTとして駆動せず導電膜化した。
実施例9について、素子製作時の条件、素子作製後の半導体物性、同一の基板上に作製した分析エリアの薄膜の薄膜物性結果、及び、素子製作後のTFT特性(測定結果)を表6に示す。
なお、実施例9では、酸化物半導体層30が第1層(上側の層)及び第二層(下側の層)を有しており、第1層の金属比がIn:Ga:Zn=50:10:40 (原子比)であり、第2層の金属比がIn:Ga:Zn=33.3:33.3:33.3
(原子比)の酸化物のスパッタリングターゲットを用いて成膜し、表6に示す条件で素子と薄膜の作製を行った。すなわち、第1層におけるInの濃度を高くすることで、相対的に第2層における平均水素原子濃度が高い状態((SRFC/SRBC)=0.00005となる状態)とした。
結果としては、実施例9の薄膜トランジスタ1は、表6に示すように、良好なTFT特性を有していた。
[酸化物半導体層の一実施形態]
また、本発明は、新規な酸化物半導体層の発明としても有効である。
この酸化物半導体層は、図示してないが、In、Ga、Zn及びSnの少なくとも一つの元素を含む酸化物半導体層であって、活性領域において、電界が付与される側の端面から内側に所定距離までの領域を電界付与側領域とし、活性領域において、電界が付与される側の反対側の端面から内側に距離5nmまでの領域を反電界付与側領域としたとき、前記反電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRに対する、前記電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRの比が、0.00001≦(SR/SR)≦0.1である構成としてある。
また、好ましくは、前記活性領域と隣接した、制御される電流用のIN側電極領域及びOUT側電極領域を有し、前記電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRに対する、前記IN側電極領域の広がり抵抗の平均値SRINの比が、0.0001≦(SRIN/SR)≦1であり、前記電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRに対する、前記OUT側電極領域の広がり抵抗の平均値SROUTの比が、0.0001≦(SROUT/SR)≦1であるとよい。
この酸化物半導体層は、上述した酸化物半導体層30とほぼ同様の構成を有しており、寄生抵抗を低減しつつ、高い移動度及び高いon-off比を有し、S値が低く、良好な信頼性と光信頼性を有している。
[表示装置の一実施形態]
また、本発明は、表示装置の発明としても有効である。
本実施形態の表示装置は、図示してないが、上述した薄膜トランジスタ1を備えている。
これにより、この表示装置は、画像品質や耐久性になどを向上させることができる。
[半導体装置の一実施形態]
また、本発明は、半導体装置の発明としても有効である。
本実施形態の半導体装置は、図示してないが、上述した薄膜トランジスタ1を備えている。
これにより、この半導体装置は、高速、安定性、均一性、再現性、耐久性などを向上させることができる。
以上、本発明の薄膜トランジスタ、その製造方法、酸化物半導体層、表示装置及び半導体装置について、好ましい実施形態などを示して説明したが、本発明に係る薄膜トランジスタ、その製造方法、酸化物半導体層、表示装置及び半導体装置は、上述した実施形態などにのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
1、1a 薄膜トランジスタ
21 基板
22 ソース領域
23 チャネル領域
24 ドレイン領域
25、25a、250 ゲート絶縁層
26、26a ゲート電極
27、27a 保護絶縁層
28、28a ソース電極
29、29a ドレイン電極
30、30a 酸化物半導体層
260 ゲート電極層

Claims (28)

  1. 基板上に形成された、ソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を有する酸化物半導体層と、
    前記チャネル領域上に形成された、水素原子を含むゲート絶縁層と、
    前記チャネル領域の上方であって、前記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、
    前記基板、前記酸化物半導体層のソース領域及びドレイン領域、並びに、前記ゲート電極層の上に形成された、水素原子を含む保護絶縁層と、
    前記ソース領域と接続されたソース電極と、
    前記ドレイン領域と接続されたドレイン電極と
    を備え、
    前記酸化物半導体層が、In、Ga、Zn及びSnの少なくとも一つの元素を含み、
    前記チャネル領域において、前記基板側の端面から内側に距離5nmまでの領域をバックチャネル領域とし、前記チャネル領域において、前記ゲート絶縁層側の端面から内側に距離5nmまでの領域をフロントチャネル領域としたとき、前記バックチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRBCに対する、前記フロントチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRFCの比(SRFC/SRBC)が、
    0.00001≦(SRFC/SRBC)≦0.1
    であり、
    前記フロントチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRFCに対する、前記ソース領域の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SRFC)が、
    0.0001≦(SR/SRFC)≦1
    であり、
    前記フロントチャネル領域の広がり抵抗の平均値SRFCに対する、前記ドレイン領域の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SRFC)が、
    0.0001≦(SR/SRFC)≦1
    であり、
    前記ゲート絶縁層が、前記ゲート電極によって自己整合されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記チャネル領域が、上層と下層とからなる2層構造を有し、
    前記上層の広がり抵抗の平均値が、前記下層の広がり抵抗の平均値よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記酸化物半導体層が、In、Ga及びZnを含む、単層膜又は多層膜であり、前記単層膜又は前記多層膜のゲート絶縁層側からの第一層が、Inの原子比In/(In+Ga+Zn)が35%以上90%未満であり、かつ、Gaの原子比Ga/(In+Ga+Zn)が10%以上35%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記酸化物半導体層が、In、Sn及びZnを含む、単層膜又は多層膜であり、前記単層膜又は前記多層膜のゲート絶縁層側からの第一層が、Inの原子比In/(In+Sn+Zn)が10%以上50%未満であり、かつ、Snの原子比Sn/(In+Sn+Zn)が10%以上50%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記酸化物半導体層は、前記ゲート絶縁層側の端面から内側に所定の距離までの領域がアモルファスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記酸化物半導体層において、体積比の90%以上がアモルファスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記酸化物半導体層は、前記ゲート絶縁層側の端面から内側に所定の距離までの領域が多結晶であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記酸化物半導体層において、体積比の90%以上が多結晶であることを特徴とする請求項1乃至4、7のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  9. 前記フロントチャネル領域の平均水素原子濃度HρFCが、1017cm−3以上1022cm−3以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  10. 前記フロントチャネル領域の平均水素原子濃度HρFCに対する、前記バックチャネル領域の平均水素原子濃度HρBCの比(HρBC/HρFC)が、
    0.0001≦(HρBC/HρFC)≦0.1
    であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  11. 前記ソース領域の平均水素原子濃度Hρに対する、前記フロントチャネル領域の平均水素原子濃度HρFCの比(HρFC/Hρ)が、
    0.0001≦(HρFC/Hρ)≦1
    であり、
    前記ドレイン領域の平均水素原子濃度Hρに対する、前記フロント領域の平均水素原子濃度HρFCの比(HρFC/Hρ)が、
    0.0001≦(HρFC/Hρ)≦1
    であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  12. 前記フロントチャネル領域の平均キャリア濃度CρFCが、1017cm−3以上1022cm−3以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  13. 前記フロントチャネル領域の平均キャリア濃度CρFCに対する、前記バックチャネル領域の平均キャリア濃度CρBCの比(CρBC/CρFC)が、
    0.0001≦(CρBC/CρFC)≦0.1
    であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  14. 前記ソース領域の平均キャリア濃度Cρに対する、前記フロントチャネル領域の平均キャリア濃度CρFCの比(CρFC/Cρ)が、
    0.0001≦(CρFC/Cρ)≦1
    であり、
    前記ドレイン領域の平均キャリア濃度Cρに対する、前記フロントチャネル領域の平均キャリア濃度CρFCの比(CρFC/Cρ)が、
    0.0001≦(CρFC/Cρ)≦1
    であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  15. 前記フロントチャネル領域の密度ρFCが、前記バックチャネル領域の密度ρBCより低く、
    ρFCBC
    であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  16. 前記フロントチャネル領域のバンドギャップが、2.8eV以上4.2eV以下であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  17. 前記フロントチャネル領域のバンドギャップが、3.3eV以上4.0eV以下であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  18. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、Al、Mo、Ti、Cuのうち1種よりなる単層膜、あるいは、Al、Mo、Ti、Cuのうち少なくとも2種よりなる異なる2層以上の導電層を積層した多層膜であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  19. 前記ゲート絶縁層と前記保護絶縁層が、SiO、SiNx又はAlよりなることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  20. 基板に、スパッタリング法によって酸化物半導体層を成膜し、所定の形状に形成する酸化物半導体層の形成工程と、
    前記酸化物半導体層に対して、酸素雰囲気中で加熱処理を行う酸化物半導体層の加熱処理工程と、
    前記基板及び前記酸化物半導体層の上に、前駆体に水素原子を含むCVD法によってゲート絶縁層を積層するゲート絶縁層の積層工程と、
    前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極の形成工程と、
    前記ゲート電極をマスクとし、前記ゲート絶縁層をパターニングするゲート絶縁層の形成工程と、
    前記酸化物半導体層における前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極が形成されていない領域に、プラズマ処理、又は、真空中のアニールを施すプラズマ処理又はアニール工程と、
    前記基板、前記酸化物半導体層のソース領域及びドレイン領域、並びに、前記ゲート電極層の上に、前駆体に水素原子を含むCVD法によって保護絶縁層を成膜する保護絶縁層の成膜工程と、
    前記保護絶縁層に、一対のコンタクトホールを形成するコンタクトホールの形成工程と、
    前記保護絶縁層、前記コンタクトホールにより露出した前記ソース領域、及び、前記コンタクトホールにより露出した前記ドレイン領域の上に、電極層を成膜し、該電極層をパターニングすることにより、ソース電極及びドレイン電極を形成するソース電極及びドレイン電極の形成工程と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  21. 前記薄膜トランジスタが、上記請求項1〜19のいずれか一項に記載された薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項20に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  22. 前記酸化物半導体層の形成工程において、成膜を行った際の前記酸化物半導体層の比抵抗が、1.0×10Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下であることを特徴とする請求項20又は21に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  23. 前記ゲート絶縁層の積層工程において、前記ゲート絶縁層を積層した際の、該ゲート絶縁層における平均水素原子濃度を、1017cm−3以上1022cm−3未満とすることを特徴とする請求項20乃至22のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  24. 前記保護絶縁層の成膜工程において、前記保護絶縁層を成膜した際の、該保護絶縁層における平均水素原子濃度を1017cm−3以上1022cm−3未満とすることを特徴とする請求項20乃至23のいずれかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  25. 上記請求項1〜19のいずれか一項に記載の電界効果型トランジスタを備えることを特徴とする表示装置。
  26. 上記請求項1〜19のいずれか一項に記載の電界効果型トランジスタを備えることを特徴とする半導体装置。
  27. In、Ga、Zn及びSnの少なくとも一つの元素を含む酸化物半導体層であって、
    活性領域において、電界が付与される側の端面から内側に距離5nmまでの領域を電界付与側領域とし、活性領域において、電界が付与される側の反対側の端面から内側に所定距離までの領域を反電界付与側領域としたとき、前記反電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRに対する、前記電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRの比(SR/SR)が、
    0.00001≦(SR/SR)≦0.1
    であることを特徴とする酸化物半導体層。
  28. 前記活性領域と隣接した、制御される電流用のIN側電極領域及びOUT側電極領域を有し、
    前記電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRに対する、前記IN側電極領域の広がり抵抗の平均値SRINの比(SRIN/SR)が、
    0.0001≦(SRIN/SR)≦1
    であり、
    前記電界付与側領域の広がり抵抗の平均値SRに対する、前記OUT側電極領域の広がり抵抗の平均値SROUTの比(SROUT/SR)が、
    0.0001≦(SROUT/SR)≦1
    であることを特徴とする請求項27に記載の酸化物半導体層。
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