JP2015108539A - レーザレーダ装置 - Google Patents

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Yuichi Nishino
祐一 西野
秀伸 辻
Hidenobu Tsuji
秀伸 辻
秀晃 落水
Hideaki Ochimizu
秀晃 落水
論季 小竹
Nobuki Kotake
論季 小竹
勝治 今城
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勝治 今城
俊平 亀山
Shunpei Kameyama
俊平 亀山
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Abstract

【課題】信号と検知するための閾値を低く設定した場合であっても、誤検知を防止する。
【解決手段】距離演算装置8による同一照射角度での複数回の算出結果に基づいて、距離の分散値を算出する分散値算出回路92と、分散値算出回路92により算出された距離の分散値を予め設定した分散の範囲と比較する比較回路94と、比較回路94による比較結果に基づいて、距離演算装置8による該当する算出結果の有効性を判定する異常値判定回路95とを備え、三次元画像生成装置11は、異常値判定回路95による判定結果に基づいて、目標対象物の三次元画像を生成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、レーザ照射と受信視野とを合わせて二次元走査を行うことで、目標対象物の三次元画像を生成するレーザレーダ装置に関するものである。
従来のレーザレーダ装置では、太陽光の入射等による背景光を除去するため、干渉フィルタを受信光学系に挿入している。これにより、所望の波長の光のみを透過させることができ、上記背景光を除去することができる。
また、干渉フィルタを透過する太陽光成分を除去するため、図10(a)に示すように、信号と検知するための動作閾値電圧を高く設定している(第1の閾値)。これにより、信号と雑音とを識別することができ、測定距離の延伸を図ることができる。
ここで、図10(b)に示すように、動作閾値電圧を高く設定した場合(第1の閾値)であって、照射したレーザに対して目標対象物により反射されたレーザの光強度が低い場合には、信号と判断できない場合がある。一方、この場合には、背景光は入射されないため、雑音は低くなる。したがって、動作閾値電圧を低く設定(第2の閾値)することで、上記レーザを信号と検知することができる。しかしながら、この場合、直接太陽光が入射されると、雑音を信号と誤検知してしまい、異なる距離を算出してしまうことになる。
なお、特許文献1には、S/Nが悪くても、適切に距離を測定することができるレーザレーダ装置が開示されている。このレーザレーダ装置では、距離の演算を所定回数行うように送光、受光及び演算を繰返し制御し、所定回数だけ演算して得られた複数の距離演算値に基づいてヒストグラムを求め、所定範囲から外れたものを廃棄することで、S/Nが悪くても適切に測定を行うことができる。
特開2010−256205号公報
上述したように、特許文献1に開示されたレーザレーダ装置では、S/Nが悪くても適切に距離を測定することができる。しかしながら、この特許文献1に開示されたレーザレーダ装置であっても、動作閾値電圧を低く設定すると、直接太陽光が入射された場合に、雑音を信号と誤検知してしまい、異なる距離を算出してしまうという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、信号と検知するための閾値を低く設定した場合であっても、誤検知を防止することができるレーザレーダ装置を提供することを目的としている。
この発明に係るレーザレーダ装置は、距離演算手段による同一照射角度での複数回の算出結果に基づいて、距離の分散値を算出する分散値算出手段と、分散値算出手段により算出された距離の分散値を予め設定した分散の範囲と比較する比較手段と、比較手段による比較結果に基づいて、距離演算手段による該当する算出結果の有効性を判定する異常値判定手段とを備え、三次元画像生成手段は、異常値判定手段による判定結果に基づいて、目標対象物の三次元画像を生成するものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、信号と検知するための閾値(動作閾値電圧)を低く設定した場合であっても、誤検知を防止することができる。
この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置による全体動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置による距離測定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置において太陽光が直接入射された場合の複数回の受信信号及び確率分布を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置において目標対象物からの反射光を受信した場合の複数回の受信信号及び確率分布を示す図である。 この発明の実施の形態2に係るレーザレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態2に係るレーザレーダ装置による距離測定動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係るレーザレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3に係るレーザレーダ装置による距離測定動作を示すフローチャートである。 従来のレーザレーダ装置における受信信号を示す図であり、(a)太陽光が直接入射された場合の受信信号を示す図であり、(b)目標対象物からの反射光を受信した場合の受信信号を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置の構成を示す図である。
レーザレーダ装置は、図1に示すように、基準トリガ発生装置1、パルス光源2、送信光学系3、受信光学系4、受光器5、直流成分カット回路6、増幅器7、距離演算装置(距離演算手段)8、分散値演算装置9、二次元走査機構(二次元走査手段)10及び三次元画像生成装置(三次元画像生成手段)11から構成されている。
基準トリガ発生装置1は、基準トリガを発生するものである。
パルス光源2は、基準トリガ発生装置1により発生された基準トリガに従い、パルスレーザを発光するものである。
送信光学系3は、パルス光源2により発光されたパルスレーザを目標対象物に向けて照射するものである。この送信光学系3は、送信レンズ等から構成されている。
なお、パルス光源2及び送信光学系3は、本発明の「基準トリガに従いレーザを目標対象物に照射するレーザ照射手段」に相当する。
受信光学系4は、送信光学系3により照射されたパルスレーザに対して目標対象物により反射されたレーザを受光して集光するものである。この受信光学系4は、受信レンズ等から構成されている。
受光器5は、受信光学系4により集光されたレーザを電気信号(受信信号)に変換するものである。この受光器5は、PD(Photo Diode)又はAPD(Avalanche Photo Diode)等の光検出器である。
なお、受信光学系4及び受光器5は、本発明の「前記レーザ照射手段により照射されたレーザに対して前記目標対象物により反射されたレーザを受信するレーザ受信手段」に相当する。
直流成分カット回路6は、受光器5により変換された受信信号の直流成分をカットし、交流成分のみを出力するものである。この直流成分カット回路6は、コンデンサから構成されている。
増幅器7は、直流成分カット回路6により直流成分がカットされた受信信号の信号レベルを所望のレベルまで増幅するものである。
距離演算装置8は、基準トリガ発生装置1により発生された基準トリガに対する、増幅器7により増幅された受信信号の取得(レーザ受信手段によるレーザ受信)の時間差から、目標対象物までの距離を算出するものである。
なお、分散値演算装置9で距離の分散値を算出するため、送信系では同一照射角度で複数回(測距回数分)のレーザ照射を行い、受信系ではこれらに対するレーザ受信及び距離の算出を行う。ここで、測距回数は、予め設定するようにしてもよいし、ユーザが設定するようにしてもよい。
分散値演算装置9は、距離演算装置8による同一照射角度での複数回の算出結果に基づいて距離の分散値を算出し、これに基づいて上記算出結果の有効性を判定するものである。
この分散値演算装置9は、図1に示すように、距離信号保存回路91、分散値算出回路(分散値算出手段)92、平均値算出回路(平均値算出手段)93、比較回路(比較手段)94及び異常値判定回路(異常値判定手段)95から構成されている。
距離信号保存回路91は、測距回数分、距離演算装置8による同一照射角度での算出結果(目標対象物までの距離)を示す距離信号を保存するものである。この距離信号保存回路91は、CPUを実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等から構成されている。
分散値算出回路92は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号に基づいて、距離の分散値を算出するものである。この分散値算出回路92は、CPUを実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等から構成されている。
平均値算出回路93は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号に基づいて、距離の平均値を算出するものである。この平均値算出回路93は、CPUを実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等から構成されている。
比較回路94は、分散値算出回路92により算出された距離の分散値を分散上限値(閾値)と比較するものである。この比較回路94は、CPUを実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等から構成されている。なお、分散上限値は、予め設定するようにしてもよいし、ユーザが設定するようにしてもよい。
異常値判定回路95は、比較回路94の比較結果に基づいて、平均値算出回路93により算出された該当する距離の平均値の有効性を判断するものである。ここで、異常値判定回路95は、距離の分散値が予め設定した分散の範囲内の場合には、該当する距離の平均値は有効であると判定し、当該平均値を示す測距信号を三次元画像生成装置11に出力する。一方、距離の分散値が予め設定した分散の範囲外の場合には、該当する距離の平均値は無効であると判定し、当該平均値を示す測距信号の出力は行わない。また、距離の平均値が無効であると判定した場合には、動作閾値電圧を最初の設定値よりも高い電圧に設定し、再度、比較回路94による比較処理を実施する。なお、設定値は、予め設定するようにしてもよいし、ユーザが設定するようにしてもよい。
二次元走査機構10は、規定回数分(三次元画像生成装置11にて生成する三次元画像の全画素分)、送信光学系3の照射角度を変えて測定を行わせることで、二次元走査を行うものである。なお、規定回数は、予め設定するようにしてもよいし、ユーザが設定するようにしてもよい。
三次元画像生成装置11は、異常値判定回路95により出力された有効な距離の平均値を示す測距信号及び二次元走査機構10による照射角度を示す角度信号に基づいて、目標対象物の三次元画像を生成するものである。
次に、上記のように構成されたレーザレーダ装置の動作について説明する。まず、レーザレーダ装置の全体動作について、図2を参照しながら説明する。
レーザレーダ装置の動作では、図2に示すように、まず、二次元走査機構10は、送信光学系3の照射角度を所定角度に設定する(ステップST201)。
次いで、レーザレーダ装置は、目標対象物までの距離を測定する(ステップST202)。このステップST202における距離測定動作については後述する。
次いで、二次元走査機構10は、規定回数分(三次元画像生成装置11にて生成する三次元画像の全画素分)、走査を行ったかを判断する(ステップST203)。このステップST203において、二次元走査機構10が規定回数分、走査を行っていないと判断した場合には、シーケンスはステップST201に戻る。その後、ステップST201,202を繰返し、二次元走査を行う。
一方、ステップST203において、二次元走査機構10が規定回数分、走査を行ったと判断した場合には、三次元画像生成装置11は、レーザレーダ装置による測定結果(異常値判定回路95により出力された有効な距離の平均値を示す測距信号)及び二次元走査機構10による照射角度を示す角度信号に基づいて、目標対象物の三次元画像を生成する(ステップST204)。
次に、ステップST202における距離測定動作について、図3を参照しながら説明する。
レーザレーダ装置の距離測定動作では、図3に示すように、動作閾値電圧を初期値に設定する(ステップST301)。
次いで、パルス光源2は、基準トリガ発生装置1により発生された基準トリガに従い、パルスレーザを発光し、送信光学系3は、当該パルスレーザを目標対象物に向けて照射する(ステップST302)。その後、目標対象物に照射されたパルスレーザは、当該目標対象物により反射される。
次いで、受信光学系4は、上記目標対象物により反射されたレーザを受光して集光し、受光器5は当該レーザを電気信号(受信信号)に変換する。そして、直流成分カット回路6は、受信信号のうち直流成分をカットし、増幅器7は当該受信信号の信号レベルを所望のレベルまで増幅する(ステップST303)。
次いで、距離演算装置8は、基準トリガ発生装置1により発生された基準トリガに対する、増幅器7により増幅された受信信号の取得の時間差から、目標対象物までの距離を算出する(ステップST304)。ここで、光速をc、基準トリガに対する受信信号の取得の時間差をτとすると、下式(1)により目標対象物までの距離Lを算出することができる。
Figure 2015108539
次いで、距離信号保存回路91は、距離演算装置8により算出された目標対象物までの距離を示す距離信号を保存する(ステップST305)。
次いで、レーザレーダ装置は、測距回数分、距離信号保存回路91にて距離信号を保存したかを判断する(ステップST306)。このステップST306において、測距回数分、距離信号を保存していないと判断した場合には、シーケンスはステップST302に戻る。その後、送信光学系3が同一照射角度の状態で上記ステップST302〜305の処理を繰返す。
一方、ステップST306において、測距回数分、距離信号を保存したと判断した場合には、分散値算出回路92は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号に基づいて、距離の分散値を算出する(ステップST307)。ここで、測距回数をN、距離をLi、距離の平均値をμとすると、下式(2)により距離の分散値σ2を算出することができる。
Figure 2015108539
また、平均値算出回路93は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号に基づいて、距離の平均値を算出する(ステップST308)。
次いで、比較回路94は、分散値算出回路92により算出された距離の分散値が予め設定した分散の範囲内であるかを判定する(ステップST309)。このステップST309において、比較回路94が距離の分散値が予め設定した分散の範囲内であると判定した場合には、異常値判定回路95は、平均値算出回路93により算出された該当する距離の平均値は有効であると判定し、当該平均値を示す測距信号を三次元画像生成装置11に出力する(ステップST310)。
一方、ステップST309において、比較回路94が距離の分散値が予め設定した分散の範囲外であると判定した場合には、異常値判定回路95は、平均値算出回路93により算出された該当する距離の平均値は無効であると判定し、当該平均値を示す測距信号の出力は行わない。そして、異常値判定回路95は、動作閾値電圧を最初の設定値よりも高い電圧に設定する(ステップST311)。その後、シーケンスはステップST302に戻り、再度、比較回路94による比較処理を実施する。
ここで、本発明のレーザレーダ装置に太陽光が直接入射された場合の複数回の受信信号及び確率分布を図4に示し、目標対象物からの反射光を受信した場合の複数回の受信信号及び確率分布を図5に示す。
図4に示すように、太陽光が直接入射された場合、その確率分布は図5に対して大きくなる。よって、信号と検知するための閾値(動作閾値電圧)を低く設定した場合でも誤検知は生じない。
以上のように、この実施の形態1によれば、距離演算装置8による同一照射角度での複数回の算出結果に基づいて、距離の分散値を算出する分散値算出回路92と、距離の平均値を算出する平均値算出回路93と、距離の分散値を分散上限値と比較する比較回路94と、比較結果に基づいて該当する距離の平均値の有効性を判定する異常値判定回路95とを備え、三次元画像生成装置11は有効であると判定された距離の平均値を用いて目標対象物の三次元画像を生成するように構成したので、信号と検知するための閾値(動作閾値電圧)を低く設定した場合であっても、誤検知を防止することができ、測定距離の延伸が可能となる。さらに、距離の分散値を用いて信号か雑音かを判定するため、測距値のピーク電圧を検出しアナログ/デジタル変換で積算する方式に比べて装置を小型化することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、距離の分散値と予め設定した分散の範囲とを比較することで距離の平均値の有効性を判断する場合について示した。これに対して、実施の形態2では、距離の確率分布を作成して任意の関数でフィッティングを行い、その関数から距離の分散値を算出し、また、関数のピーク値を抽出し、当該ピーク値の有効性を判断する場合について示す。
図6はこの発明の実施の形態2に係るレーザレーダ装置の構成を示す図である。図6に示す実施の形態2に係るレーザレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーザレーダ装置にフィッティング関数算出回路(フィッティング関数算出手段)96を追加し、分散値算出回路92及び平均値算出回路93を分散値算出回路(分散値算出手段)92b及びピーク値抽出回路(ピーク値抽出手段)97に変更したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
フィッティング関数算出回路96は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号に基づいて、距離の確率分布を作成し、任意の関数でフィッティングするものである。
分散値算出回路92bは、フィッティング関数算出回路96によりフィッティングされた関数の半値幅又は標準偏差に基づいて、距離の分散値を算出するものである。この分散値算出回路92bは、CPUを実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等から構成されている。
ピーク値抽出回路97は、フィッティング関数算出回路96によりフィッティングされた関数のピーク値を抽出するものである。このピーク値抽出回路97は、CPUを実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等から構成されている。
なお、異常値判定回路95は、比較回路94の比較結果に基づいて、ピーク値抽出回路97により抽出された該当するピーク値の有効性を判断する。ここで、異常値判定回路95は、距離の分散値が予め設定した分散の範囲内の場合には、該当するピーク値は有効であると判定し、当該ピーク値を示す測距信号を三次元画像生成装置11に出力する。一方、距離の分散値が予め設定した分散の範囲外の場合には、該当するピーク値は無効であると判定し、当該ピーク値を示す測距信号の出力は行わない。また、ピーク値が無効であると判定した場合には、動作閾値電圧を最初の設定値よりも高い電圧に設定して、再度、比較回路94による比較処理を実施する。
また、三次元画像生成装置11は、異常値判定回路95により出力された有効なピーク値を示す測距信号及び二次元走査機構10による照射角度を示す角度信号に基づいて、目標対象物の三次元画像を生成する。
次に、上記のように構成されたレーザレーダ装置の距離測定動作について、図7を参照しながら説明する。なお以下では、図7に示す動作のうち、図4に示す動作と異なる部分についてのみ説明を行う。
レーザレーダ装置の距離測定動作では、図7に示すように、ステップST707において、フィッティング関数算出回路96は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号に基づいて、距離の確率分布を作成し、任意の関数でフィッティングする。ここで、フィッティングする関数として、例えば下式(3)に示すガウス関数を用いる。
Figure 2015108539
なお、Aは振幅、μは中心値、σは標準偏差、Cはオフセットである。
そして、フィッティング関数算出回路96は、上記のガウス関数を用いて、x,yにフィットする振幅A、中心値μ、標準偏差σ、オフセットCの値を計算する。下式(4)は、ガウスフィットの結果を示すガウス曲線である。
Figure 2015108539
最小二乗法を使用する場合、下式(5)に従って残差を最小にすることによって、ガウスモデルの振幅A、中心値μ、標準偏差σ、及びオフセットCを検出する。
Figure 2015108539
ここで、Nはyの長さ、Wiは加重のi番目の要素、fiは最良ガウスフィットのi番目の要素、及びyiはyのi番目の要素である。
次いで、分散値算出回路92bは、フィッティング関数算出回路96によりフィッティングされた関数の半値幅又は標準偏差に基づいて、距離の分散値を算出する(ステップST708)。すなわち、分散算出回路9gは、ガウス曲線の半値幅(FWHM)から、下式(6)を用いて分散を算出する。又は、フィッティング関数算出回路96により算出された標準偏差σを二乗して、分散値を算出する。
Figure 2015108539
また、ピーク値抽出回路97は、フィッティング関数算出回路96によりフィッティングされた関数のピーク値を抽出する(ステップST709)。すなわち、ピーク値抽出回路97は、フィッティング関数算出回路96により算出された中心値μを抽出する。
次いで、比較回路94は、分散値算出回路92により算出された距離の分散値が予め設定した分散の範囲内であるかを判定する(ステップST710)。このステップST710において、比較回路94が距離の分散値が予め設定した分散の範囲内であると判定した場合には、異常値判定回路95は、ピーク値抽出回路97により算出された該当するピーク値は有効であると判定し、当該ピーク値を示す測距信号を三次元画像生成装置11に出力する(ステップST711)。
一方、ステップST710において、比較回路94が距離の分散値が予め設定した分散の範囲外であると判定した場合には、異常値判定回路95は、ピーク値抽出回路97により算出された該当するピーク値は無効であると判定し、当該ピーク値を示す測距信号の出力は行わない。そして、異常値判定回路95は、動作閾値電圧を最初の設定値よりも高い電圧に設定する(ステップST712)。その後、シーケンスはステップST702に戻り、再度、比較回路94による比較処理を実施する。
そして、二次元走査が終了した後、三次元画像生成装置11は、異常値判定回路95により出力された有効なピーク値を示す測距信号及び二次元走査機構10による照射角度を示す角度信号に基づいて、目標対象物の三次元画像を生成する。
以上のように、この実施の形態2によれば、距離演算装置8による同一位置での複数会の算出結果に基づいて、距離の確率分布を作成して任意の関数でフィッティングするフィッティング関数算出回路96と、フィッティングされた関数のピーク値を抽出するピーク値抽出回路97と、フィッティングされた関数の半値幅又は標準偏差に基づいて、距離の分散値を算出する分散値算出回路92bとを備えたので、実施の形態1のように距離の平均値を用いた場合に対して、距離の中心値の算出精度を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、距離の確率分布がガウシアン分布であることを前提としてガウス曲線にフィッティングすることにより、そのピーク値を得る場合について示した。これに対して、実施の形態3では、予め、距離演算装置8による複数の導出結果のうち閾値を外れたものを異常値として除去した後に距離の平均値を算出する場合について示す。
図8はこの発明の実施の形態3に係るレーザレーダ装置の構成を示す図である。図8に示す実施の形態3に係るレーダレーダ装置は、図1に示す実施の形態1に係るレーザレーダ装置に異常値除去回路(異常値除去手段)98を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
異常値除去回路98は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号が示す距離のうち、閾値を外れたものを異常値として除外するものである。なお、閾値は、分散値算出回路92により算出された距離の分散値をもとに算出する。この異常値除去回路98は、CPUを実装している半導体集積回路又はワンチップマイコン等から構成されている。
なお、平均値算出回路93は、異常値除去回路98による異常値の除外結果に基づいて、距離の平均値を算出する。
次に、上記のように構成されたレーザレーダ装置の距離測定動作について、図9を参照しながら説明する。なお以下では、図9に示す動作のうち、図4に示す動作と異なる部分についてのみ説明を行う。
レーザレーダ装置の距離測定動作では、図9に示すように、ステップST908において、異常値除去回路98は、距離信号保存回路91に保存された測距回数分の距離信号が示す距離のうち、分散値算出回路92により算出された距離の分散値をもとに算出した閾値を外れたものを異常値として除外する。
次いで、平均値算出回路93は、異常値除去回路98による異常値の除外結果に基づいて、距離の平均値を算出する(ステップST909)。
以上のように、この実施の形態3によれば、距離演算装置10による同一照射角度での複数回の算出結果のうち、閾値を外れたものを異常値として除外する異常値除去回路98を備え、平均値算出回路93は、異常値の除外結果に基づいて、距離の平均値を算出するように構成したので、距離の平均値の精度を向上させることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 基準トリガ発生装置、2 パルス光源、3 送信光学系、4 受信光学系、5 受光器、6 直流成分カット回路、7 増幅器、8 距離演算装置(距離演算手段)、9 分散値演算装置、10 二次元走査機構(二次元走査手段)、11 三次元画像生成装置(三次元画像生成手段)、91 距離信号保存回路、92,92b 分散値算出回路(分散値算出手段)、93 平均値算出回路(平均値算出手段)、94 比較回路(比較手段)、95 異常値判定回路(異常値判定手段)、96 フィッティング関数算出回路(フィッティング関数算出手段)、97 ピーク値抽出回路(ピーク値抽出手段)、98 異常値除去回路(異常値除去手段)。

Claims (6)

  1. 基準トリガに従いレーザを目標対象物に照射するレーザ照射手段と、前記レーザ照射手段により照射されたレーザに対して前記目標対象物により反射されたレーザを受信するレーザ受信手段と、前記基準トリガに対する前記レーザ受信手段によるレーザ受信の時間差から前記目標対象物までの距離を算出する距離演算手段と、前記レーザ照射手段の照射角度を変えて二次元走査を行う二次元走査手段と、前記距離演算手段による算出結果及び前記二次元走査手段による照射角度に基づいて、前記目標対象物の三次元画像を生成する三次元画像生成手段とを備えたレーザレーダ装置において、
    前記距離演算手段による同一照射角度での複数回の算出結果に基づいて、前記距離の分散値を算出する分散値算出手段と、
    前記分散値算出手段により算出された前記距離の分散値を予め設定した分散の範囲と比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記距離演算手段による該当する算出結果の有効性を判定する異常値判定手段とを備え、
    前記三次元画像生成手段は、前記異常値判定手段による判定結果に基づいて、前記目標対象物の三次元画像を生成する
    ことを特徴とするレーザレーダ装置。
  2. 前記距離演算手段による同一照射角度での複数回の算出結果に基づいて、前記距離の平均値を算出する平均値算出手段を備え、
    前記異常値判定手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記平均値算出手段により算出された該当する前記距離の平均値の有効性を判定し、
    前記三次元画像生成手段は、前記異常値判定手段により有効であると判定された前記距離の平均値及び前記二次元走査手段による照射角度に基づいて、前記目標対象物の三次元画像を生成する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記距離演算手段による同一照射角度での複数回の算出結果に基づいて、前記距離の確率分布を作成して任意の関数でフィッティングするフィッティング関数算出手段を備え、
    前記分散値算出手段は、前記フィッティング関数算出手段によりフィッティングされた関数の半値幅又は標準偏差に基づいて、前記距離の分散値を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記フィッティング関数算出手段によりフィッティングされた関数のピーク値を抽出するピーク値抽出手段を備え、
    前記異常値判定手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記ピーク値抽出手段により抽出された該当する前記ピーク値の有効性を判定し、
    前記三次元画像生成手段は、前記異常値判定手段により有効であると判定された該当する前記ピーク値及び前記二次元走査手段による照射角度に基づいて、前記目標対象物の三次元画像を生成する
    ことを特徴とする請求項3記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記距離演算手段による同一照射角度での複数回の算出結果のうち、閾値を外れたものを異常値として除外する異常値除去手段を備え、
    前記平均値算出手段は、前記異常値除去手段による異常値の除外結果に基づいて、前記距離の平均値を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記異常値判定手段は、前記比較手段により前記距離の分散値が予め設定した分散の範囲外であると判定された場合、動作閾値電圧を最初の設定値よりも高い電圧に設定し、
    前記比較手段は、前記異常値判定手段により設定値が加算された動作閾値電圧を用いて、再度、前記分散値算出手段により算出された前記距離の分散値と比較する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のレーザレーダ装置。
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