JP2015222234A - レーザレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象物の3次元形状を高精度に測定することができるレーザレーダ装置を得ることを目的とする。【解決手段】信号処理装置8が、マルチプレクサ20から出力された強度信号が示す強度Vと予め設定されている閾値電圧Vthを比較することで、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aの中で、散乱光を受光して電流信号を出力しているPD12aを特定するとともに、電流信号を出力しているPD12aの位置から、スキャナ5によるファンビームのスキャン角度θを検出し、そのスキャン角度θとマルチプレクサ16から出力された距離信号が示す距離Lから、ターゲットの3次元形状を測定する。【選択図】図1
Description
この発明は、レーザ光をスキャンすることで、測定対象物の3次元形状を測定するレーザレーダ装置に関するものである。
以下の特許文献1に開示されているレーザレーダ装置では、スキャナがレーザ光源から発振されたパルスレーザ光を2次元スキャンしながら、そのパルスレーザ光を測定対象物に照射するようにしている。
また、受光素子アレイが、受信レンズにより集光された散乱光(測定対象物によって散乱された前記パルスレーザ光の散乱光)を受光すると、距離検出回路が、受光素子アレイによる散乱光の受光時刻とレーザ光源によるパルスレーザ光の発振時刻との時刻差から、測定対象物までの距離を算出している。
そして、信号処理部が、スキャナによる2次元スキャンのスキャン角度を測定し、そのスキャン角度に基づいてパルスレーザ光の照射方向を制御している。
また、受光素子アレイが、受信レンズにより集光された散乱光(測定対象物によって散乱された前記パルスレーザ光の散乱光)を受光すると、距離検出回路が、受光素子アレイによる散乱光の受光時刻とレーザ光源によるパルスレーザ光の発振時刻との時刻差から、測定対象物までの距離を算出している。
そして、信号処理部が、スキャナによる2次元スキャンのスキャン角度を測定し、そのスキャン角度に基づいてパルスレーザ光の照射方向を制御している。
従来のレーザレーダ装置は以上のように構成されているので、パルスレーザ光の照射方向の角度精度が、2次元スキャンのスキャン角度の測定精度によって決定される。そのため、スキャン角度のモニタが、例えば、温度特性を有するなどの理由で、十分な測定精度を確保することができない場合、パルスレーザ光の照射方向の角度精度が劣化して、3次元形状の測定精度が低下してしまうなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、測定対象物の3次元形状を高精度に測定することができるレーザレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーザレーダ装置は、レーザ光を強度変調する強度変調手段と、強度変調手段により強度変調されたレーザ光を走査しながら、そのレーザ光を測定対象物に照射するレーザ光走査手段と、測定対象物によって散乱されたレーザ光の散乱光を集光する散乱光集光手段と、散乱光集光手段により集光された散乱光を検出する距離検出用の光検出素子アレイと、距離検出用の光検出素子アレイによる散乱光の検出時刻とレーザ光走査手段によるレーザ光の照射時刻との時刻差から測定対象物までの距離を算出する距離算出手段と、散乱光集光手段により集光された散乱光を検出する角度検出用の光検出素子アレイと、角度検出用の光検出素子アレイを構成している複数の光検出素子による散乱光の検出結果から、レーザ光走査手段によるレーザ光の走査角度を検出する走査角度検出手段とを設け、形状測定手段が、距離算出手段により算出された距離と走査角度検出手段により検出された走査角度から測定対象物の3次元形状を測定するようにしたものである。
この発明によれば、角度検出用の光検出素子アレイを構成している複数の光検出素子による散乱光の検出結果から、レーザ光走査手段によるレーザ光の走査角度を検出する走査角度検出手段を設け、形状測定手段が、距離算出手段により算出された距離と走査角度検出手段により検出された走査角度から測定対象物の3次元形状を測定するように構成したので、測定対象物の3次元形状を高精度に測定することができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーザレーダ装置を示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1によるレーザレーダ装置のアレイ状受信機7を示す構成図である。
図1及び図2において、レーザ光源1はレーザ光を発振する光源である。
発振器2は変調信号を発振する発振源である。
強度変調器3は発振器2により発振された変調信号を用いて、レーザ光源1により発振されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を送信光学系4に出力する。強度変調器3による強度変調は、例えば、パルス変調でもよいし、CW変調でもよい。
なお、レーザ光源1、発振器2及び強度変調器3から強度変調手段が構成されている。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーザレーダ装置を示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1によるレーザレーダ装置のアレイ状受信機7を示す構成図である。
図1及び図2において、レーザ光源1はレーザ光を発振する光源である。
発振器2は変調信号を発振する発振源である。
強度変調器3は発振器2により発振された変調信号を用いて、レーザ光源1により発振されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を送信光学系4に出力する。強度変調器3による強度変調は、例えば、パルス変調でもよいし、CW変調でもよい。
なお、レーザ光源1、発振器2及び強度変調器3から強度変調手段が構成されている。
送信光学系4は強度変調器3により強度変調されたレーザ光を1次元方向に広がるファンビームに整形し、そのファンビームをスキャナ5に出力する。
スキャナ5は送信光学系4から出力されたファンビームの拡がり方向と垂直な方向に、そのファンビームを1次元スキャン(1次元走査)しながら、そのファンビームをターゲット(測定対象物)に照射する。
なお、送信光学系4及びスキャナ5からレーザ光走査手段が構成されている。
スキャナ5は送信光学系4から出力されたファンビームの拡がり方向と垂直な方向に、そのファンビームを1次元スキャン(1次元走査)しながら、そのファンビームをターゲット(測定対象物)に照射する。
なお、送信光学系4及びスキャナ5からレーザ光走査手段が構成されている。
受信レンズ6はターゲットによって散乱されたファンビームの散乱光を集光する散乱光集光手段である。
アレイ状受信機7は受信レンズ6により集光された散乱光を検出することで、ターゲットまでの距離を算出して、その距離を示す距離信号を出力するとともに、スキャナ5によるファンビームのスキャン角度に対応する位置のPD12aを特定するためのスキャン角度検出用信号を出力する。
アレイ状受信機7は受信レンズ6により集光された散乱光を検出することで、ターゲットまでの距離を算出して、その距離を示す距離信号を出力するとともに、スキャナ5によるファンビームのスキャン角度に対応する位置のPD12aを特定するためのスキャン角度検出用信号を出力する。
アレイ状受信機7の長尺PDアレイ11は受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向(ファンビームの1次元スキャンに伴う集光スポットの移動方向であり、図中、水平方向に移動する)に伸びている複数の長尺PD(Photo Diode)11aから構成されている。
複数の長尺PD11aは受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向と垂直方向に配列されており、受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力する。
なお、長尺PDアレイ11は距離検出用の光検出素子アレイを構成している。
複数の長尺PD11aは受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向と垂直方向に配列されており、受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力する。
なお、長尺PDアレイ11は距離検出用の光検出素子アレイを構成している。
スキャン角度検出用PDアレイ12は受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向に複数のPD12aが配列されて構成されており、複数のPD12aは受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力する。なお、スキャン角度検出用PDアレイ12は角度検出用の光検出素子アレイを構成している。
距離検出装置13はトランスインピーダンスアンプアレイであるTIA(Trans Impedance Amplifier)アレイ14、距離検出回路アレイ15及びマルチプレクサ16から構成されている。
TIAアレイ14は複数のTIA14aから構成されており、各TIA14aは長尺PDアレイ11を構成している長尺PD11aから出力された電流信号を電圧信号に変換する。
距離検出回路アレイ15は複数の距離検出回路15aから構成されており、各距離検出回路15aは発振器2からの変調信号の出力時刻とTIAアレイ14を構成しているTIA14aからの電圧信号の出力時刻との時刻差からターゲットまでの距離を算出し、その距離を示す距離信号を出力する。
マルチプレクサ16は距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aから出力された距離信号を順番に信号処理装置8に出力する。
なお、距離検出装置13は距離算出手段を構成している。
TIAアレイ14は複数のTIA14aから構成されており、各TIA14aは長尺PDアレイ11を構成している長尺PD11aから出力された電流信号を電圧信号に変換する。
距離検出回路アレイ15は複数の距離検出回路15aから構成されており、各距離検出回路15aは発振器2からの変調信号の出力時刻とTIAアレイ14を構成しているTIA14aからの電圧信号の出力時刻との時刻差からターゲットまでの距離を算出し、その距離を示す距離信号を出力する。
マルチプレクサ16は距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aから出力された距離信号を順番に信号処理装置8に出力する。
なお、距離検出装置13は距離算出手段を構成している。
強度検出装置17はTIAアレイ18、強度検出回路アレイ19及びマルチプレクサ20から構成されている。
TIAアレイ18は複数のTIA18aから構成されており、各TIA18aはスキャン角度検出用PDアレイ12を構成しているPD12aから出力された電流信号を電圧信号に変換する。
強度検出回路アレイ19は複数の強度検出回路19aから構成されており、各強度検出回路19aはTIAアレイ18を構成しているTIA18aから出力された電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号をスキャン角度検出用信号として出力する。
マルチプレクサ20は強度検出回路アレイ19を構成している複数の強度検出回路19aから出力されたスキャン角度検出用信号を順番に信号処理装置8に出力する。
TIAアレイ18は複数のTIA18aから構成されており、各TIA18aはスキャン角度検出用PDアレイ12を構成しているPD12aから出力された電流信号を電圧信号に変換する。
強度検出回路アレイ19は複数の強度検出回路19aから構成されており、各強度検出回路19aはTIAアレイ18を構成しているTIA18aから出力された電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号をスキャン角度検出用信号として出力する。
マルチプレクサ20は強度検出回路アレイ19を構成している複数の強度検出回路19aから出力されたスキャン角度検出用信号を順番に信号処理装置8に出力する。
信号処理装置8は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、アレイ状受信機7のマルチプレクサ20から出力されたスキャン角度検出用信号が示す強度と予め設定されている閾値電圧を比較することで、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aの中で、散乱光を受光して電流信号を出力しているPD12aを特定し、電流信号を出力しているPD12aの位置から、スキャナ5によるレーザ光のスキャン角度を検出する処理を実施する。
また、信号処理装置8はレーザ光のスキャン角度とアレイ状受信機7のマルチプレクサ16から出力された距離信号が示す距離から、ターゲットの3次元形状を測定する処理を実施する。
なお、強度検出装置17及び信号処理装置8は走査角度検出手段を構成し、信号処理装置8は形状測定手段を構成している。
また、信号処理装置8はレーザ光のスキャン角度とアレイ状受信機7のマルチプレクサ16から出力された距離信号が示す距離から、ターゲットの3次元形状を測定する処理を実施する。
なお、強度検出装置17及び信号処理装置8は走査角度検出手段を構成し、信号処理装置8は形状測定手段を構成している。
次に動作について説明する。
レーザ光源1は、レーザ光を発振し、発振器2は、変調信号を発振する。
強度変調器3は、発振器2により発振された変調信号を用いて、レーザ光源1により発振されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を送信光学系4に出力する。
強度変調器3による強度変調としては、例えば、パルス変調が考えられるが、CW変調などでもよい。
レーザ光源1は、レーザ光を発振し、発振器2は、変調信号を発振する。
強度変調器3は、発振器2により発振された変調信号を用いて、レーザ光源1により発振されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を送信光学系4に出力する。
強度変調器3による強度変調としては、例えば、パルス変調が考えられるが、CW変調などでもよい。
送信光学系4は、強度変調器3から強度変調後のレーザ光を受けると、そのレーザ光を1次元方向に広がるファンビームに整形し、そのファンビームをスキャナ5に出力する。
スキャナ5は、送信光学系4からファンビームを受けると、そのファンビームの拡がり方向と垂直な方向に、そのファンビームを1次元スキャンしながら、そのファンビームをターゲットに照射する。
図1では、垂直方向に広がっているファンビームを水平方向に1次元スキャンしている例を示している。
スキャナ5は、送信光学系4からファンビームを受けると、そのファンビームの拡がり方向と垂直な方向に、そのファンビームを1次元スキャンしながら、そのファンビームをターゲットに照射する。
図1では、垂直方向に広がっているファンビームを水平方向に1次元スキャンしている例を示している。
受信レンズ6は、スキャナ5から放射されたのち、ターゲットによって散乱されたファンビームの散乱光をアレイ状受信機7に集光する。
図2の例では、アレイ状受信機7の長尺PDアレイ11及びスキャン角度検出用PDアレイ12上に集光している。
なお、受信レンズ6による散乱光の集光スポットは、スキャナ5によるファンビームの1次元スキャンに伴って、図中、水平方向に移動する。
図2の例では、アレイ状受信機7の長尺PDアレイ11及びスキャン角度検出用PDアレイ12上に集光している。
なお、受信レンズ6による散乱光の集光スポットは、スキャナ5によるファンビームの1次元スキャンに伴って、図中、水平方向に移動する。
アレイ状受信機7の長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aは、受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力する。
長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aは、受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向に伸びているため、ファンビームが1次元スキャンされて、散乱光の集光スポットが移動しても、常に散乱光を受光して電流信号を出力する。
長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aは、受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向に伸びているため、ファンビームが1次元スキャンされて、散乱光の集光スポットが移動しても、常に散乱光を受光して電流信号を出力する。
距離検出装置13のTIAアレイ14を構成している複数のTIA14aは、長尺PDアレイ11の長尺PD11aから電流信号を受けると、その電流信号を電圧信号に変換し、その電圧信号を出力する。
距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aは、クロックを内蔵しており、発振器2から変調信号が出力された時刻T1と、TIA14aから電圧信号が出力された時刻T2とを計測し、その変調信号の出力時刻T1と電圧信号の出力時刻T2との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出し、その距離Lを示す距離信号を出力する。
式(1)において、Cは光速である。
マルチプレクサ16は、距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aから出力された距離信号を順番に信号処理装置8に出力する。
距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aは、クロックを内蔵しており、発振器2から変調信号が出力された時刻T1と、TIA14aから電圧信号が出力された時刻T2とを計測し、その変調信号の出力時刻T1と電圧信号の出力時刻T2との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出し、その距離Lを示す距離信号を出力する。
式(1)において、Cは光速である。
マルチプレクサ16は、距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aから出力された距離信号を順番に信号処理装置8に出力する。
ここでは、距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aが、変調信号の出力時刻T1と電圧信号の出力時刻T2との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出しているが、発振器2からの変調信号の出力時刻T1と、ファンビームの照射時刻とは厳密には一致しないので、強度変調器3、送信光学系4及びスキャナ5での処理時間を予め測定し、その測定した処理時間を発振器2からの変調信号の出力時刻T1に加算することで、ファンビームの照射時刻を算出するようにしてもよい。
また、TIA14aからの電圧信号の出力時刻T2と、長尺PDアレイ11での散乱光の受光時刻とは厳密には一致しないので、TIAアレイ14での処理時間を予め測定し、TIA14aからの電圧信号の出力時刻T2から、その測定した処理時間を減算することで、散乱光の受光時刻を算出するようにしてもよい。
この場合、ファンビームの照射時刻と散乱光の受光時刻との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出することができるので、より正確に距離Lを算出することができる。
また、TIA14aからの電圧信号の出力時刻T2と、長尺PDアレイ11での散乱光の受光時刻とは厳密には一致しないので、TIAアレイ14での処理時間を予め測定し、TIA14aからの電圧信号の出力時刻T2から、その測定した処理時間を減算することで、散乱光の受光時刻を算出するようにしてもよい。
この場合、ファンビームの照射時刻と散乱光の受光時刻との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出することができるので、より正確に距離Lを算出することができる。
スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aは、受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力する。
スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aは、受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向に配列されているため、散乱光を受光することが可能なPD12aが、ファンビームのスキャン角度の変化に伴って変化する。
図2の例では、一番左側のPD12aが散乱光を受光している。
スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aは、受信レンズ6による散乱光の集光スポットの移動方向に配列されているため、散乱光を受光することが可能なPD12aが、ファンビームのスキャン角度の変化に伴って変化する。
図2の例では、一番左側のPD12aが散乱光を受光している。
TIAアレイ18を構成している複数のTIA18aは、スキャン角度検出用PDアレイ12のPD12aから電流信号を受けると、その電流信号を電圧信号に変換し、その電圧信号を出力する。
強度検出回路アレイ19を構成している複数の強度検出回路19aは、TIAアレイ18のTIA18aから出力された電圧信号の強度Vを検出し、その電圧信号の強度Vを示す強度信号をスキャン角度検出用信号として出力する。
マルチプレクサ20は、強度検出回路アレイ19を構成している複数の強度検出回路19aから出力されたスキャン角度検出用信号を順番に信号処理装置8に出力する。
強度検出回路アレイ19を構成している複数の強度検出回路19aは、TIAアレイ18のTIA18aから出力された電圧信号の強度Vを検出し、その電圧信号の強度Vを示す強度信号をスキャン角度検出用信号として出力する。
マルチプレクサ20は、強度検出回路アレイ19を構成している複数の強度検出回路19aから出力されたスキャン角度検出用信号を順番に信号処理装置8に出力する。
信号処理装置8は、アレイ状受信機7のマルチプレクサ20からスキャン角度検出用信号を受ける毎に、そのスキャン角度検出用信号が示す強度Vと予め設定されている閾値電圧Vthを比較する。ただし、閾値電圧Vthは、0より大きく、かつ、散乱光を受光しているPD12aと対応している強度検出回路19aが出力するスキャン角度検出用信号が示す強度Vより小さい値に設定されているものとする。
信号処理装置8は、そのスキャン角度検出用信号が示す強度Vが閾値電圧Vthより大きい場合(V>Vth)、そのスキャン角度検出用信号を出力している強度検出回路19aに係るPD12aが散乱光を受光しているPD12aであると判定する。
信号処理装置8は、散乱光を受光しているPD12aを判定すると、散乱光を受光しているPD12aの位置と受信レンズ6の焦点距離から、スキャナ5によるファンビームのスキャン角度を算出する。
例えば、スキャン角度検出用PDアレイ12の中心から、散乱光を受光しているPD12aまでの距離をh、受信レンズ6の焦点距離をfとすると、ファンビームのスキャン角度θは、下記の式(2)で表される。
信号処理装置8は、そのスキャン角度検出用信号が示す強度Vが閾値電圧Vthより大きい場合(V>Vth)、そのスキャン角度検出用信号を出力している強度検出回路19aに係るPD12aが散乱光を受光しているPD12aであると判定する。
信号処理装置8は、散乱光を受光しているPD12aを判定すると、散乱光を受光しているPD12aの位置と受信レンズ6の焦点距離から、スキャナ5によるファンビームのスキャン角度を算出する。
例えば、スキャン角度検出用PDアレイ12の中心から、散乱光を受光しているPD12aまでの距離をh、受信レンズ6の焦点距離をfとすると、ファンビームのスキャン角度θは、下記の式(2)で表される。
信号処理装置8は、スキャナ5によるファンビームのスキャン角度θを算出すると、そのスキャン角度θとアレイ状受信機7のマルチプレクサ16から出力された距離信号が示す距離Lから、ターゲットの3次元形状を測定する。
即ち、信号処理装置8は、図1のレーザレーダ装置が極座標の原点に存在するとき、当該レーザレーダ装置からターゲットまでの距離が、アレイ状受信機7のマルチプレクサ16から出力された距離信号が示す距離Lであって、当該レーザレーダ装置からターゲットを見たときの方向が、ファンビームのスキャン角度θであるとして、ターゲットの3次元位置を特定する。そして、ファンビームのスキャン毎に特定したターゲットの3次元位置の集合からターゲットの3次元形状を把握する。
即ち、信号処理装置8は、図1のレーザレーダ装置が極座標の原点に存在するとき、当該レーザレーダ装置からターゲットまでの距離が、アレイ状受信機7のマルチプレクサ16から出力された距離信号が示す距離Lであって、当該レーザレーダ装置からターゲットを見たときの方向が、ファンビームのスキャン角度θであるとして、ターゲットの3次元位置を特定する。そして、ファンビームのスキャン毎に特定したターゲットの3次元位置の集合からターゲットの3次元形状を把握する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、信号処理装置8が、アレイ状受信機7のマルチプレクサ20から出力されたスキャン角度検出用信号が示す強度Vと予め設定されている閾値電圧Vthを比較することで、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aの中で、散乱光を受光して電流信号を出力しているPD12aを特定するとともに、電流信号を出力しているPD12aの位置から、スキャナ5によるファンビームのスキャン角度θを検出し、そのスキャン角度θとアレイ状受信機7のマルチプレクサ16から出力された距離信号が示す距離Lから、ターゲットの3次元形状を測定するように構成したので、ターゲットの3次元形状を高精度に測定することができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1によれば、ファンビームの照射方向をスキャン角度の測定結果にしたがって制御するものではないため、ファンビームの照射方向の制御に用いるスキャン角度のモニタが不要である。このため、スキャン角度のモニタにおける角度測定精度の低下に伴う照射方向の角度精度の劣化が原因で、3次元形状の測定精度が低下してしまう状況が発生しないので、ターゲットの3次元形状を高精度に測定することができる。
即ち、この実施の形態1によれば、ファンビームの照射方向をスキャン角度の測定結果にしたがって制御するものではないため、ファンビームの照射方向の制御に用いるスキャン角度のモニタが不要である。このため、スキャン角度のモニタにおける角度測定精度の低下に伴う照射方向の角度精度の劣化が原因で、3次元形状の測定精度が低下してしまう状況が発生しないので、ターゲットの3次元形状を高精度に測定することができる。
この実施の形態1では、距離検出回路アレイ15を構成している複数の距離検出回路15aがターゲットまでの距離Lを算出して、その距離Lを示す距離信号を出力するものを示したが、さらに、複数の距離検出回路15aが、TIAアレイ14を構成しているTIA14aから出力された電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号を距離信号と一緒に出力するようにしてもよい。
この場合、マルチプレクサ16は、複数の距離検出回路15aから出力された距離信号及び強度信号を順番に信号処理装置8に出力する。
この場合、マルチプレクサ16は、複数の距離検出回路15aから出力された距離信号及び強度信号を順番に信号処理装置8に出力する。
この実施の形態1では、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成しているPD12aが、受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力するものを示したが、受信レンズ6による散乱光の集光スポットがぼけてしまうと、複数のPD12aが同時に散乱光を受光してしまうことがある。
このような場合には、複数の強度検出回路19aから出力されたスキャン角度検出用信号が示す強度Vが閾値電圧Vthより大きくなるので、信号処理装置8が、閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号を出力している複数の強度検出回路19aに係るPD12aの位置の重心位置を演算(散乱光を同時に受光している複数のPD12aの受光強度の重みを考慮した演算)し、その重心位置を式(2)の距離hとして、スキャン角度θを算出するようにすればよい。
これにより、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成しているPD12aの間隔よりも集光スポットが広がっていても、スキャン角度θを正確に算出することができる。
このような場合には、複数の強度検出回路19aから出力されたスキャン角度検出用信号が示す強度Vが閾値電圧Vthより大きくなるので、信号処理装置8が、閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号を出力している複数の強度検出回路19aに係るPD12aの位置の重心位置を演算(散乱光を同時に受光している複数のPD12aの受光強度の重みを考慮した演算)し、その重心位置を式(2)の距離hとして、スキャン角度θを算出するようにすればよい。
これにより、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成しているPD12aの間隔よりも集光スポットが広がっていても、スキャン角度θを正確に算出することができる。
なお、この実施の形態1では、ターゲットの散乱光の強度が弱く、スキャン角度検出用PDアレイ12が十分な散乱光を受光することが困難な場合には、スキャン角度検出用のレーザ光を散乱光の強度が強くなるターゲットの部位に照射(例えば、ファンビームの一部をターゲットの筐体の一部に照射)するようにして、スキャン角度検出用PDアレイ12が散乱光の強度が強くなる部位で散乱された散乱光を受光するようにしてもよい。
これにより、ターゲットの散乱光の強度が弱い場合でも、スキャン角度の測定が可能になる。
これにより、ターゲットの散乱光の強度が弱い場合でも、スキャン角度の測定が可能になる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2によるレーザレーダ装置を示す構成図であり、図4はこの発明の実施の形態2によるレーザレーダ装置のアレイ状受信機23を示す構成図である。
図3及び図4において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信光学系21は強度変調器3により強度変調されたレーザ光を平行光に変換し、平行光であるレーザ光をスキャナ22に出力する。
スキャナ22は送信光学系21から出力されたレーザ光を2次元スキャン(2次元走査)しながら、そのレーザ光をターゲットに照射する。
なお、送信光学系21及びスキャナ22からレーザ光走査手段が構成されている。
図3はこの発明の実施の形態2によるレーザレーダ装置を示す構成図であり、図4はこの発明の実施の形態2によるレーザレーダ装置のアレイ状受信機23を示す構成図である。
図3及び図4において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信光学系21は強度変調器3により強度変調されたレーザ光を平行光に変換し、平行光であるレーザ光をスキャナ22に出力する。
スキャナ22は送信光学系21から出力されたレーザ光を2次元スキャン(2次元走査)しながら、そのレーザ光をターゲットに照射する。
なお、送信光学系21及びスキャナ22からレーザ光走査手段が構成されている。
アレイ状受信機23は受信レンズ6により集光された散乱光を検出することで、ターゲットまでの距離を算出して、その距離を示す距離信号を出力するとともに、スキャナ22によるレーザ光のスキャン角度に対応する位置のPD12aを特定するためのスキャン始点検出用信号及びスキャン角度検出用信号を出力する。
アレイ状受信機23の距離検出装置31はTIAアレイ14、加算回路32及び距離検出回路33から構成されている。
加算回路32はTIAアレイ14を構成している複数のTIA14aから出力された電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を出力する。
距離検出回路33は発振器2からの変調信号の出力時刻と加算回路32からの電圧信号の出力時刻との時刻差からターゲットまでの距離を算出し、その距離を示す距離信号を出力する。
なお、距離検出装置31は距離算出手段を構成している。
アレイ状受信機23の距離検出装置31はTIAアレイ14、加算回路32及び距離検出回路33から構成されている。
加算回路32はTIAアレイ14を構成している複数のTIA14aから出力された電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を出力する。
距離検出回路33は発振器2からの変調信号の出力時刻と加算回路32からの電圧信号の出力時刻との時刻差からターゲットまでの距離を算出し、その距離を示す距離信号を出力する。
なお、距離検出装置31は距離算出手段を構成している。
強度検出装置34はTIAアレイ18、TIA35、強度検出回路36,38及び加算回路37から構成されている。
TIA35はスキャン角度検出用PDアレイ12における図中一番左側のPD12aと対応しており、一番左側のPD12aから出力された電流信号を電圧信号に変換する。
この実施の形態2では、TIAアレイ18を構成している複数のTIA18aは、スキャン角度検出用PDアレイ12における図中一番左側のPD12a以外のPD12aとそれぞれ対応している。
強度検出回路36はTIA35から出力された電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号をスキャン始点検出用信号として信号処理装置24に出力する。
加算回路37はTIAアレイ18を構成している複数のTIA18aから出力された電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を強度検出回路38に出力する。
強度検出回路38は加算回路37から出力された加算後の電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号をスキャン角度検出用信号として信号処理装置24に出力する。
TIA35はスキャン角度検出用PDアレイ12における図中一番左側のPD12aと対応しており、一番左側のPD12aから出力された電流信号を電圧信号に変換する。
この実施の形態2では、TIAアレイ18を構成している複数のTIA18aは、スキャン角度検出用PDアレイ12における図中一番左側のPD12a以外のPD12aとそれぞれ対応している。
強度検出回路36はTIA35から出力された電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号をスキャン始点検出用信号として信号処理装置24に出力する。
加算回路37はTIAアレイ18を構成している複数のTIA18aから出力された電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を強度検出回路38に出力する。
強度検出回路38は加算回路37から出力された加算後の電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号をスキャン角度検出用信号として信号処理装置24に出力する。
信号処理装置24は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、アレイ状受信機23の強度検出回路38からスキャン角度検出用信号が出力される毎に、そのスキャン角度検出用信号が示す強度と予め設定された閾値電圧を比較して、そのスキャン角度検出用信号が示す強度が閾値電圧を上回る回数をカウントし、その閾値電圧を上回る回数から、スキャナ22によるレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度を検出する処理を実施する。
また、信号処理装置24はレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度とアレイ状受信機23の距離検出回路33から出力された距離信号が示す距離から、ターゲットの3次元形状を測定する処理を実施する。
なお、強度検出装置34及び信号処理装置24は走査角度検出手段を構成し、信号処理装置24は形状測定手段を構成している。
また、信号処理装置24はレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度とアレイ状受信機23の距離検出回路33から出力された距離信号が示す距離から、ターゲットの3次元形状を測定する処理を実施する。
なお、強度検出装置34及び信号処理装置24は走査角度検出手段を構成し、信号処理装置24は形状測定手段を構成している。
次に動作について説明する。
レーザ光源1は、レーザ光を発振し、発振器2は、変調信号を発振する。
強度変調器3は、発振器2により発振された変調信号を用いて、レーザ光源1により発振されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を送信光学系21に出力する。
強度変調器3による強度変調としては、例えば、パルス変調が考えられるが、CW変調などでもよい。
レーザ光源1は、レーザ光を発振し、発振器2は、変調信号を発振する。
強度変調器3は、発振器2により発振された変調信号を用いて、レーザ光源1により発振されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を送信光学系21に出力する。
強度変調器3による強度変調としては、例えば、パルス変調が考えられるが、CW変調などでもよい。
送信光学系21は、強度変調器3から強度変調後のレーザ光を受けると、そのレーザ光を平行光に変換し、平行光であるレーザ光をスキャナ22に出力する。
スキャナ22は、送信光学系21から出力されたレーザ光を2次元スキャンしながら、そのレーザ光をターゲットに照射する。
図3の例では、垂直方向にはレーザ光を正弦波状にスキャンし、水平方向にはレーザ光を三角波状にスキャンしている。
また、水平方向片側の1スキャン中において、垂直方向にはスキャン角度検出用PDアレイ12を構成しているPD12aの個数回だけスキャンしている。
スキャナ22は、送信光学系21から出力されたレーザ光を2次元スキャンしながら、そのレーザ光をターゲットに照射する。
図3の例では、垂直方向にはレーザ光を正弦波状にスキャンし、水平方向にはレーザ光を三角波状にスキャンしている。
また、水平方向片側の1スキャン中において、垂直方向にはスキャン角度検出用PDアレイ12を構成しているPD12aの個数回だけスキャンしている。
受信レンズ6は、スキャナ22から放射されたのち、ターゲットによって散乱されたレーザ光の散乱光をアレイ状受信機23に集光する。
図4の例では、アレイ状受信機23の長尺PDアレイ11及びスキャン角度検出用PDアレイ12上に集光している。
なお、受信レンズ6による散乱光の集光スポットは、スキャナ22によるレーザ光の2次元スキャンに伴って、垂直方向には正弦波状に移動し、水平方向には三角波状に移動する。
図4の例では、アレイ状受信機23の長尺PDアレイ11及びスキャン角度検出用PDアレイ12上に集光している。
なお、受信レンズ6による散乱光の集光スポットは、スキャナ22によるレーザ光の2次元スキャンに伴って、垂直方向には正弦波状に移動し、水平方向には三角波状に移動する。
アレイ状受信機23の長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aは、受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力する。
この実施の形態2では、スキャナ22がレーザ光を2次元スキャンするので、長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aのうち、いずれか1つの長尺PD11aだけが受信レンズ6により集光された散乱光を受光する。
ただし、散乱光の集光スポットがスキャン角度検出用PDアレイ12上にある場合には、いずれの長尺PD11aも散乱光を受光しない。
この実施の形態2では、スキャナ22がレーザ光を2次元スキャンするので、長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aのうち、いずれか1つの長尺PD11aだけが受信レンズ6により集光された散乱光を受光する。
ただし、散乱光の集光スポットがスキャン角度検出用PDアレイ12上にある場合には、いずれの長尺PD11aも散乱光を受光しない。
距離検出装置31のTIAアレイ14を構成している複数のTIA14aは、長尺PDアレイ11の長尺PD11aから電流信号を受けると、その電流信号を電圧信号に変換し、その電圧信号を出力する。
加算回路32は、TIAアレイ14を構成している複数のTIA14aから電圧信号を受けると、それらの電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を出力する。
上述したように、長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aのうち、いずれか1つの長尺PD11aだけが散乱光を受光するため、散乱光を受光している長尺PD11aと対応しているTIA14aだけが電圧信号を加算回路32に出力し、その他のTIA14aは電圧信号を加算回路32に出力しない(あるいは、0の電圧信号を加算回路32に出力する)。したがって、加算回路32が加算する対象の電圧信号は、1つのTIA14aが出力する電圧信号であり、加算回路32による加算後の電圧信号は、散乱光を受光している長尺PD11aと対応するTIA14aが出力する電圧信号に相当する。このため、加算回路32は、マルチプレクサとして機能する。
加算回路32は、TIAアレイ14を構成している複数のTIA14aから電圧信号を受けると、それらの電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を出力する。
上述したように、長尺PDアレイ11を構成している複数の長尺PD11aのうち、いずれか1つの長尺PD11aだけが散乱光を受光するため、散乱光を受光している長尺PD11aと対応しているTIA14aだけが電圧信号を加算回路32に出力し、その他のTIA14aは電圧信号を加算回路32に出力しない(あるいは、0の電圧信号を加算回路32に出力する)。したがって、加算回路32が加算する対象の電圧信号は、1つのTIA14aが出力する電圧信号であり、加算回路32による加算後の電圧信号は、散乱光を受光している長尺PD11aと対応するTIA14aが出力する電圧信号に相当する。このため、加算回路32は、マルチプレクサとして機能する。
距離検出回路33は、発振器2からの変調信号の出力時刻T1と、加算回路32からの電圧信号の出力時刻T3との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出し、その距離Lを示す距離信号を信号処理装置24に出力する。
ここでは、距離検出回路33が、変調信号の出力時刻T1と電圧信号の出力時刻T3との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出しているが、発振器2からの変調信号の出力時刻T1と、レーザ光の照射時刻とは厳密には一致しないので、強度変調器3、送信光学系21及びスキャナ22での処理時間を予め測定し、その測定した処理時間を発振器2からの変調信号の出力時刻T1に加算することで、レーザ光の照射時刻を算出するようにしてもよい。
また、加算回路32からの電圧信号の出力時刻T3と、長尺PDアレイ11での散乱光の受光時刻とは厳密には一致しないので、TIAアレイ14及び加算回路32での処理時間を予め測定し、加算回路32からの電圧信号の出力時刻T3から、その測定した処理時間を減算することで、散乱光の受光時刻を算出するようにしてもよい。
この場合、レーザ光の照射時刻と散乱光の受光時刻との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出することができるので、より正確に距離Lを算出することができる。
また、加算回路32からの電圧信号の出力時刻T3と、長尺PDアレイ11での散乱光の受光時刻とは厳密には一致しないので、TIAアレイ14及び加算回路32での処理時間を予め測定し、加算回路32からの電圧信号の出力時刻T3から、その測定した処理時間を減算することで、散乱光の受光時刻を算出するようにしてもよい。
この場合、レーザ光の照射時刻と散乱光の受光時刻との時刻差からターゲットまでの距離Lを算出することができるので、より正確に距離Lを算出することができる。
スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aは、受信レンズ6により集光された散乱光を受光すると、電流信号を出力する。
この実施の形態2では、スキャナ22がレーザ光を2次元スキャンするので、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aのうち、いずれか1つのPD12aだけが受信レンズ6により集光された散乱光を受光する。
ただし、受信レンズ6による散乱光の集光スポットが長尺PDアレイ11にある場合には、いずれのPD12aも散乱光を受光しない。
この実施の形態2では、スキャナ22がレーザ光を2次元スキャンするので、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aのうち、いずれか1つのPD12aだけが受信レンズ6により集光された散乱光を受光する。
ただし、受信レンズ6による散乱光の集光スポットが長尺PDアレイ11にある場合には、いずれのPD12aも散乱光を受光しない。
強度検出装置34のTIA35は、スキャン角度検出用PDアレイ12の一番左側のPD12aから電流信号を受けると、その電流信号を電圧信号に変換し、その電圧信号を出力する。
この実施の形態2では、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aのうち、一番左側のPD12aが最初に散乱光を受光するものとする。
強度検出回路36は、TIA35から電圧信号を受けると、その電圧信号の強度Vを検出し、その電圧信号の強度Vを示す強度信号をスキャン始点検出用信号として信号処理装置24に出力する。
この実施の形態2では、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aのうち、一番左側のPD12aが最初に散乱光を受光するものとする。
強度検出回路36は、TIA35から電圧信号を受けると、その電圧信号の強度Vを検出し、その電圧信号の強度Vを示す強度信号をスキャン始点検出用信号として信号処理装置24に出力する。
TIAアレイ18を構成している複数のTIA18aは、スキャン角度検出用PDアレイ12のPD12aから電流信号を受けると、その電流信号を電圧信号に変換し、その電圧信号を出力する。
加算回路37は、TIAアレイ18を構成している複数のTIA18aから電圧信号を受けると、それらの電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を出力する。
上述したように、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aのうち、いずれか1つのPD12aだけが散乱光を受光するため、散乱光を受光しているPD12aと対応しているTIA18aだけが電圧信号を加算回路37に出力し、その他のTIA18aは電圧信号を加算回路32に出力しない(あるいは、0の電圧信号を加算回路32に出力する)。したがって、加算回路37が加算する対象の電圧信号は、1つのTIA18aが出力する電圧信号であり、加算回路37による加算後の電圧信号は、散乱光を受光しているPD12aと対応するTIA18aが出力する電圧信号に相当する。このため、加算回路37は、マルチプレクサとして機能する。
加算回路37は、TIAアレイ18を構成している複数のTIA18aから電圧信号を受けると、それらの電圧信号を加算し、加算後の電圧信号を出力する。
上述したように、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aのうち、いずれか1つのPD12aだけが散乱光を受光するため、散乱光を受光しているPD12aと対応しているTIA18aだけが電圧信号を加算回路37に出力し、その他のTIA18aは電圧信号を加算回路32に出力しない(あるいは、0の電圧信号を加算回路32に出力する)。したがって、加算回路37が加算する対象の電圧信号は、1つのTIA18aが出力する電圧信号であり、加算回路37による加算後の電圧信号は、散乱光を受光しているPD12aと対応するTIA18aが出力する電圧信号に相当する。このため、加算回路37は、マルチプレクサとして機能する。
強度検出回路38は、加算回路37から加算後の電圧信号を受けると、その電圧信号の強度Vを検出し、その電圧信号の強度Vを示す強度信号をスキャン角度検出用信号として信号処理装置24に出力する。
スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aの中で、いずれかのPD12aが散乱光を受光していれば、強度検出回路38から出力されるスキャン角度検出用信号が示す強度Vは、後述する信号処理装置24が用いる閾値電圧Vthより大きな電圧になるが、いずれのPD12aも散乱光を受光していなければ、閾値電圧Vthより小さな電圧になる。
なお、強度検出回路38は、スキャナ22に同期して、スキャン角度検出用信号を信号処理装置24に出力するので、スキャナ22がスキャン角度を変える毎に、スキャン角度検出用信号を信号処理装置24に出力する。
スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aの中で、いずれかのPD12aが散乱光を受光していれば、強度検出回路38から出力されるスキャン角度検出用信号が示す強度Vは、後述する信号処理装置24が用いる閾値電圧Vthより大きな電圧になるが、いずれのPD12aも散乱光を受光していなければ、閾値電圧Vthより小さな電圧になる。
なお、強度検出回路38は、スキャナ22に同期して、スキャン角度検出用信号を信号処理装置24に出力するので、スキャナ22がスキャン角度を変える毎に、スキャン角度検出用信号を信号処理装置24に出力する。
信号処理装置24は、アレイ状受信機23の強度検出回路36から出力されたスキャン始点検出用信号と強度検出回路38から出力されたスキャン角度検出用信号を用いて、スキャナ22によるレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度を検出する。
以下、信号処理装置24によるレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度の検出処理を具体的に説明する。
図5はレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度の検出処理を説明する説明図である。
以下、信号処理装置24によるレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度の検出処理を具体的に説明する。
図5はレーザ光の水平スキャン角度及び垂直スキャン角度の検出処理を説明する説明図である。
信号処理装置24は、アレイ状受信機23の強度検出回路36から出力されたスキャン始点検出用信号が示す強度Vと予め設定されている閾値電圧Vthを比較する。
信号処理装置24は、そのスキャン始点検出用信号が示す強度Vが閾値電圧Vthより大きい場合、2次元スキャンが開始されたものと判断する。
信号処理装置24は、2次元スキャンが開始されたものと判断すると、アレイ状受信機23の強度検出回路38からスキャン角度検出用信号を受ける毎に、そのスキャン角度検出用信号が示す強度Vと閾値電圧Vthを比較し、強度検出回路38から閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号が出力された回数nをカウントする。
信号処理装置24は、そのスキャン始点検出用信号が示す強度Vが閾値電圧Vthより大きい場合、2次元スキャンが開始されたものと判断する。
信号処理装置24は、2次元スキャンが開始されたものと判断すると、アレイ状受信機23の強度検出回路38からスキャン角度検出用信号を受ける毎に、そのスキャン角度検出用信号が示す強度Vと閾値電圧Vthを比較し、強度検出回路38から閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号が出力された回数nをカウントする。
信号処理装置24は、例えば、スキャン角度検出用PDアレイ12を構成している複数のPD12aの間隔がd、水平スキャン1周期における垂直スキャンの数がN、受信レンズ6の焦点距離がfであるとすれば、下記の式(4)に示すように、閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号が出力された回数nを用いて、水平スキャン角度θHを算出する。
信号処理装置24は、水平スキャン角度θHを算出すると、アレイ状受信機23から出力されるスキャン始点検出用信号及び各スキャン角度検出用信号の間隔から、垂直方向の1スキャン周期を測定し、1スキャン周期内の変調信号の出力時刻(発振器2から変調信号が出力された時刻)と、閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号が出力された時刻との時刻差から垂直スキャン角度θVを算出する。
例えば、変調信号の出力時刻と閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号が出力された時刻との時刻差がΔt、垂直方向の1スキャン周期がTであるとすると、垂直スキャン角度θVは、下記の式(5)で算出することができる。
式(5)において、Bは定数である。
例えば、変調信号の出力時刻と閾値電圧Vthより大きい強度Vを示すスキャン角度検出用信号が出力された時刻との時刻差がΔt、垂直方向の1スキャン周期がTであるとすると、垂直スキャン角度θVは、下記の式(5)で算出することができる。
式(5)において、Bは定数である。
信号処理装置24は、スキャナ22によるレーザ光の水平スキャン角度θH及び垂直スキャン角度θVを算出すると、その水平スキャン角度θH及び垂直スキャン角度θVとアレイ状受信機23の距離検出回路33から出力された距離信号が示す距離Lから、ターゲットの3次元形状を測定する。
即ち、信号処理装置24は、図3のレーザレーダ装置が極座標の原点に存在するとき、当該レーザレーダ装置からターゲットまでの距離が、アレイ状受信機23の距離検出回路33から出力された距離信号が示す距離Lであって、当該レーザレーダ装置からターゲットを見たときの方向が、レーザ光の水平スキャン角度θH及び垂直スキャン角度θVであるとして、ターゲットの3次元位置を特定する。そして、レーザ光のスキャン毎に特定したターゲットの3次元位置の集合からターゲットの3次元形状を把握する。
即ち、信号処理装置24は、図3のレーザレーダ装置が極座標の原点に存在するとき、当該レーザレーダ装置からターゲットまでの距離が、アレイ状受信機23の距離検出回路33から出力された距離信号が示す距離Lであって、当該レーザレーダ装置からターゲットを見たときの方向が、レーザ光の水平スキャン角度θH及び垂直スキャン角度θVであるとして、ターゲットの3次元位置を特定する。そして、レーザ光のスキャン毎に特定したターゲットの3次元位置の集合からターゲットの3次元形状を把握する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、スキャナ22がレーザ光を2次元スキャンしながら、そのレーザ光をターゲットに照射する場合でも、上記実施の形態1と同様に、ターゲットの3次元形状を高精度に測定することができる効果を奏する。
この実施の形態2では、距離検出回路33がターゲットまでの距離Lを算出して、その距離Lを示す距離信号を出力するものを示したが、さらに、距離検出回路33が、加算回路32から出力された電圧信号の強度を検出し、その電圧信号の強度を示す強度信号を距離信号と一緒に信号処理装置24に出力するようにしてもよい。
この実施の形態2では、垂直方向にはレーザ光を正弦波状にスキャンし、水平方向にはレーザ光を三角波状にスキャンしているものを示したが、垂直スキャンと水平スキャンを入れ替えてもよい。
また、垂直方向における正弦波状のスキャンを三角波状にスキャンにしてもよい。
また、垂直方向における正弦波状のスキャンを三角波状にスキャンにしてもよい。
また、この実施の形態2では、ターゲットの散乱光の強度が弱く、スキャン角度検出用PDアレイ12が十分な散乱光を受光することが困難な場合には、スキャン角度検出用のレーザ光を散乱光の強度が強くなるターゲットの部位に照射(例えば、レーザ光の一部をターゲットの筐体の一部に照射)するようにして、スキャン角度検出用PDアレイ12が散乱光の強度が強くなる部位で散乱された散乱光を受光するようにしてもよい。
これにより、ターゲットの散乱光の強度が弱い場合でも、スキャン角度の測定が可能になる。
これにより、ターゲットの散乱光の強度が弱い場合でも、スキャン角度の測定が可能になる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 レーザ光源(強度変調手段)、2 発振器(強度変調手段)、3 強度変調器(強度変調手段)、4 送信光学系(レーザ光走査手段)、5 スキャナ(レーザ光走査手段)、6 受信レンズ(散乱光集光手段)、7 アレイ状受信機、8 信号処理装置(走査角度検出手段、形状測定手段)、11 長尺PDアレイ(距離検出用の光検出素子アレイ)、11a 長尺PD、12 スキャン角度検出用PDアレイ(角度検出用の光検出素子アレイ)、12a PD、13 距離検出装置(距離算出手段)、14 TIAアレイ、14a TIA、15 距離検出回路アレイ、15a 距離検出回路、16 マルチプレクサ、17 強度検出装置(走査角度検出手段)、18 TIAアレイ、18a TIA、19 強度検出回路アレイ、19a 強度検出回路、20 マルチプレクサ、21 送信光学系(レーザ光走査手段)、22 スキャナ(レーザ光走査手段)、23 アレイ状受信機、24 信号処理装置(走査角度検出手段、形状測定手段)、31 距離検出装置(距離算出手段)、32 加算回路、33 距離検出回路、34 強度検出装置(走査角度検出手段)、35 TIA、36,38 強度検出回路、37 加算回路。
Claims (3)
- レーザ光を強度変調する強度変調手段と、
前記強度変調手段により強度変調されたレーザ光を走査しながら、前記レーザ光を測定対象物に照射するレーザ光走査手段と、
前記測定対象物によって散乱された前記レーザ光の散乱光を集光する散乱光集光手段と、
前記散乱光集光手段により集光された散乱光を検出する距離検出用の光検出素子アレイと、
前記距離検出用の光検出素子アレイによる散乱光の検出時刻と前記レーザ光走査手段によるレーザ光の照射時刻との時刻差から前記測定対象物までの距離を算出する距離算出手段と、
前記散乱光集光手段により集光された散乱光を検出する角度検出用の光検出素子アレイと、
前記角度検出用の光検出素子アレイを構成している複数の光検出素子による散乱光の検出結果から、前記レーザ光走査手段によるレーザ光の走査角度を検出する走査角度検出手段と、
前記距離算出手段により算出された距離と前記走査角度検出手段により検出された走査角度から前記測定対象物の3次元形状を測定する形状測定手段と
を備えたレーザレーダ装置。 - 前記レーザ光走査手段は、前記強度変調手段により強度変調されたレーザ光を1次元方向に広がるファンビームに整形して、前記ファンビームの拡がり方向と垂直な方向に、前記ファンビームを1次元走査する1次元スキャナから構成されており、
前記角度検出用の光検出素子アレイを構成している複数の光検出素子は、前記散乱光集光手段による散乱光の集光スポットの移動方向に配列されており、
前記走査角度検出手段は、前記角度検出用の光検出素子アレイを構成している複数の光検出素子の中で、前記散乱光集光手段により集光された散乱光を検出している光検出素子の位置から、前記レーザ光走査手段によるレーザ光の走査角度を検出することを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。 - 前記レーザ光走査手段は、前記強度変調手段により強度変調されたレーザ光を2次元走査する2次元スキャナから構成されており、
前記角度検出用の光検出素子アレイを構成している複数の光検出素子は、前記散乱光集光手段による散乱光の集光スポットの移動方向に配列されており、
前記走査角度検出手段は、前記レーザ光走査手段がレーザ光を走査する毎に、前記角度検出用の光検出素子アレイを構成している複数の光検出素子による散乱光の検出結果を示す信号を加算して、前記信号の加算結果が予め設定されている閾値を上回る回数をカウントし、前記閾値を上回る回数から前記レーザ光走査手段によるレーザ光の走査角度を検出することを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置。
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