JP2015108061A - コーティング組成物及び反射防止膜 - Google Patents

コーティング組成物及び反射防止膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2015108061A
JP2015108061A JP2013251178A JP2013251178A JP2015108061A JP 2015108061 A JP2015108061 A JP 2015108061A JP 2013251178 A JP2013251178 A JP 2013251178A JP 2013251178 A JP2013251178 A JP 2013251178A JP 2015108061 A JP2015108061 A JP 2015108061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating composition
group
metal oxide
antireflection
polymer particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013251178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6270444B2 (ja
Inventor
健太郎 白石
Kentaro Shiraishi
健太郎 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2013251178A priority Critical patent/JP6270444B2/ja
Publication of JP2015108061A publication Critical patent/JP2015108061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6270444B2 publication Critical patent/JP6270444B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】表面凹凸構造を有する基材表面に塗布した場合であっても膜厚ムラを低減でき、反射防止特性に優れた塗膜を実現可能なコーティング組成物及び反射防止層を有する反射防止膜を提供することを目的とする。【解決手段】金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、粘度が5〜50cpであり、表面張力が30〜40mN/mである、コーティング組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング組成物及び反射防止膜に関する。
近年、世界的な温暖化現象により環境に対する意識が高まり、炭酸ガス等の温暖化ガスを発生しない新しいエネルギーシステムが関心を集めている。中でも、安全性や扱いやすさに優れることから、特に太陽電池が注目を浴びている。
太陽電池の多くには、防眩性や光透過性等の観点から、表面に凹凸構造を有するテクスチャーガラス基材が保護カバーとして使用されている。
また、太陽電池保護カバーの光透過性をさらに向上させるために、例えば特許文献1では塗布型の反射防止膜が開示されている。
国際公開第2010/104146号パンフレット
しかしながら、表面凹凸構造を有する基材表面に反射防止膜用塗料を塗布すると、凹み部分に液が溜まり、乾燥させた塗膜の膜厚が基材の凹み部分では厚く、基材の凸部分では薄くなる膜厚ムラが生じる。これにより、塗膜の薄いところでは反射防止性能が低下するという問題が起こる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、表面凹凸構造を有する基材表面に塗布した場合であっても膜厚ムラを低減でき、反射防止特性に優れた塗膜を実現可能なコーティング組成物及び反射防止層を有する反射防止膜を提供することを目的とする。
本発明らは、上記問題点について鋭意検討した結果、金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)とを含み、粘度と表面張力とを所定の範囲に調整したコーティング組成物であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
粘度が5〜50cpであり、
表面張力が30〜40mN/mである、コーティング組成物。
〔2〕
加水分解性珪素化合物(C)をさらに含む、前項〔1〕に記載のコーティング組成物。
〔3〕
前記金属酸化物(A)が、アスペクト比(長径/短径)が3未満の球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の鎖状の金属酸化物(a2)を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のコーティング組成物。
〔4〕
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる重合体粒子を含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
〔5〕
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られる重合体粒子と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体粒子と、を含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
〔6〕
基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物を含む反射防止層と、を有する、反射防止膜。
〔7〕
前記反射防止層は、前記基材上に前記コーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して得られる層である、前項〔6〕に記載の反射防止膜。
〔8〕
前記基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmである、前項〔6〕又は〔7〕に記載の反射防止膜。
〔9〕
基材と、該基材の少なくとも一方の表面に前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して反射防止層を得る工程を含む、反射防止膜の製造方法。
〔10〕
基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、珪素化合物を含む反射防止層と、を有し、
前記基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmであり、
前記反射防止層の膜厚が80〜150nmの範囲にある面積の割合が、70%以上である、反射防止膜。
本発明によれば、表面凹凸構造を有する基材表面に塗布した場合であっても膜厚ムラを低減でき、反射防止特性に優れ、高度な機械的強度及び防汚性能を有する塗膜を実現可能なコーティング組成物及び反射防止層を有する反射防止膜を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
〔コーティング組成物〕
本実施の形態のコーティング組成物は、
金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)とを含み、
粘度が5〜50cpであり、
表面張力が30〜40mN/mである。
本実施の形態のコーティング組成物を用いて得られる反射防止層は、金属酸化物(A)と重合体粒子(B)とがヘテロ凝集したり、金属酸化物(A)同士が凝集したりすることにより、凝集した粒子間に空隙を有すると考えられる。このような空隙を有することにより、反射防止特性がより向上する。
また、本実施の形態のコーティング組成物は、金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)とが、水素結合や縮合(化学結合)等の相互作用することにより反射防止層を形成するものであってもよい。このような相互作用をすることにより、本実施の形態のコーティング組成物から得られる反射防止層は、機械的強度がより向上する。金属酸化物(A)と重合体粒子(B)との相互作用としては、特に限定されないが、具体的には、金属酸化物(A)が有しうる水酸基と、重合体粒子(B)が有しうる2級及び/又は3級アミド基と、の水素結合や、金属酸化物(A)が有しうる水酸基と、重合体粒子(B)が含みうる加水分解性金属化合物の重合生成物の官能基と、の縮合(化学結合)等が挙げられる。
〔粘度〕
本実施の形態のコーティング組成物の粘度は、5〜50cpであり、好ましくは8〜30cpであり、より好ましくは8〜20cpである。コーティング組成物の粘度が5cp以上であることにより、表面凹凸構造を有する基材表面にコーティング組成物を塗布した際の膜厚ムラがより低減する。また、コーティング組成物の粘度が50cp以下であることにより、コーティング組成物の配合安定性がより向上する。
コーティング組成物の粘度を上記範囲に調整する方法としては、特に限定されないが、調整が容易であるため増粘剤をコーティング組成物に添加する方法が挙げられる。増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル、ウレタン変性ポリエーテル、ポリアクリル酸、ポリアクリルスルホン酸塩、ポリビニルアルコール、多糖類等が挙げられる。その中でも配合安定性の観点から、ポリエーテル、変性ポリアクリル系スルホン酸塩、ポリビニルアルコールが好ましい。増粘剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、サンノプコ(製)SNシックナー601(ポリエーテル)、SNシックナー615(変性ポリアクリル系スルホン酸塩)、和光純薬工業(株)製ポリビニルアルコール(重合度約1000)、ポリビニルアルコール(重合度約1500)、ポリビニルアルコール(重合度約2000)等が挙げられる
増粘剤の含有量は、コーティング組成物の総量に対して、好ましくは0.01〜5.0質量%であり、より好ましくは0.05〜3.0質量%であり、さらに好ましくは0.1〜1.0%である。増粘剤の含有量が上記範囲内であることにより、表面凹凸構造を有する基材表面にコーティング組成物を塗布した際の膜厚ムラがより低減し、コーティング組成物の配合安定性がより向上する傾向にある。
〔表面張力〕
本実施の形態のコーティング組成物の表面張力は、30〜40mN/mであり、好ましくは30〜35mN/mである。コーティング組成物の表面張力が上記範囲内であることにより、表面凹凸構造を有する基材表面に塗布した際の膜厚ムラがより低減する。
コーティング組成物の表面張力を上記範囲に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、表面張力調整剤をコーティング組成物に添加する方法が挙げられる。表面張力調整剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系化合物、ビニル系化合物、シリコーン系化合物、フッ素系化合物等のレベリング剤;アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等の有機溶剤;脂肪族系界面活性剤、直鎖アルキルベンゼン系界面活性剤、高級アルコール系界面活性剤、アンモニウム塩系界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。その中でも配合安定性の観点から、2−ブトキシエタノール、テキサノール等のアルコール系溶剤、ドデシルベンゼンスルホン酸等の直鎖アルキルベンゼン系界面活性剤を用いることが好ましい。
表面張力調整剤の含有量は、コーティング組成物の総量に対して、好ましくは0.05〜5.0質量%であり、より好ましくは0.1〜1.0質量%である。表面張力調整剤の含有量が上記範囲内であることにより、表面凹凸構造を有する基材表面に塗布した際の膜厚ムラがより低減する傾向にある。
上記のように、本実施の形態のコーティング組成物の表面張力と粘度は、増粘剤、レべリング剤、及び界面活性剤の種類と量を適宜選択することにより、特定の範囲に調製することができる。このなかでも、特にポリビニルアルコール系増粘剤又は変性ポリアクリル系スルホン酸塩系増粘剤と、アルコール系溶剤と、の組み合わせが好ましい。
〔金属酸化物(A)〕
金属酸化物(A)としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデンなどの酸化物が挙げられる。また、金属酸化物(A)としては、特に限定されないが、例えば、アスペクト比(長径/短径)が3未満の球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の鎖状の金属酸化物(a2)を含むものが好ましい。
(球状の金属酸化物(a1))
ここで、球状の金属酸化物(a1)のアスペクト比(長径/短径)が3未満の粒子状態で存在している金属酸化物をいう。球状の金属酸化物(a1)は、一次粒子であっても、凝集粒子であってもよい。球状の金属酸化物(a1)が凝集粒子である場合には、その形状は、完全な球である必要はなく、例えば、角があってもよい。このような金属酸化物(a1)を有することにより、表面親水性による防汚性がより向上する傾向にある。
球状の金属酸化物(a1)としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデンなどの酸化物が挙げられる。球状の金属酸化物(a1)の市販品としては、日産化学工業株式会社製のスノーテックスOXS、スノーテックスOS、スノーテックスO等が挙げられる。
球状の金属酸化物(a1)のアスペクト比(長径/短径)は、好ましくは3未満であり、より好ましくは2.0〜1.0であり、さらに好ましくは1.5〜1.0である。球状の金属酸化物(a1)のアスペクト比が上記範囲内であることにより、得られる反射防止層の機械的強度がより向上する傾向にある。なお、ここでいうアスペクト比とは、一次粒子そのもので存在しているものについては、一次粒子のアスペクト比をいい、また、凝集粒子として存在しているものについては、凝集粒子のアスペクト比をいう。ここで、球状の金属酸化物(a1)のアスペクト比は、透過型顕微鏡(TEM)で撮影された金属酸化物粒子の短径と長径とを測定し、該測定値から長径/短径を求めることによって決定することができる。なお、短径及び長径とは、各々順に、金属酸化物粒子に外接する面積が最小となる外接長方形の短辺及び長辺である。
球状の金属酸化物(a1)の平均粒子径は、好ましくは1〜100nmであり、より好ましくは1〜50nmであり、さらに好ましくは1〜20nmである。球状の金属酸化物(a1)の平均粒子径が上記範囲内であることにより、得られる反射防止層の透明性と機械的強度がより向上する傾向にある。ここで、平均粒子径とは、粒子が一次粒子の形で存在している場合には一次粒子径を、凝集粒子の形で存在している場合は凝集粒子径(二次粒子径)をいう。なお、平均粒子径は、球状の金属酸化物(a1)の粒子が100個〜200個写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している該当の粒子の粒子径(二軸平均径、すなわち、短径と長径との平均値)を測定し、該測定された各粒子径の平均値を求めることにより決定することができる。
反射防止層の透明性と機械的強度の観点から、球状の金属酸化物(a1)は、アスペクト比(長径/短径)が3〜1であり、平均粒子径が1〜100nmであるものが好ましく、アスペクト比(長径/短径)が2〜1であり、平均粒子径が1〜50nmであるものがより好ましい。
(鎖状の金属酸化物(a2))
鎖状の金属酸化物(a2)は、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の金属酸化物であり、特に限定されないが、例えば、金属酸化物(微)粒子の一次粒子が数珠状に連結した複合粒子などが挙げられる。このような金属酸化物(a2)を用いることにより、塗膜の空隙率が増加し、反射防止特性により優れる傾向にある。
鎖状の金属酸化物(a2)としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデンなどの酸化物が挙げられる。鎖状の金属酸化物(a2)の市販品としては、日産化学工業株式会社製の「スノーテックス−OUP(登録商標)」、同社製「スノーテックス−UP(登録商標)」同社製「スノーテックス−PSSO(登録商標)」及び同社製「スノーテックス−PSS(登録商標)」等が挙げられる。この鎖状のシリカゾルは、三次元的に湾曲した形状を有する。
鎖状の金属酸化物(a2)のアスペクト比(長径/短径)は、好ましくは3〜25であり、より好ましくは3〜15であり、さらに好ましくは3〜10である。なお上記アスペクト比の範囲にある粒子は混合して使用することもできる。鎖状の金属酸化物(a2)のアスペクト比も、球状の金属酸化物(a1)のアスペクト比の測定方法と同様の方法により測定することができる。
また、鎖状の金属酸化物(a2)の平均長径は、好ましくは20〜250nmであり、より好ましくは30〜150nmであり、さらに好ましくは40〜100nmである。鎖状の金属酸化物(a2)の平均長径が上記範囲内であることにより、得られる反射防止層の屈折率が低下し、空隙率、透明性、及び反射防止性能がより向上する傾向にある。なお、鎖状の金属酸化物(a2)の平均長径は、鎖状の金属酸化物(a2)の粒子が100個〜200個写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している該当の粒子の長径を測定し、該測定された各長径の平均値を求めることにより決定することができる。
反射防止層の空隙率、屈折率の観点から、鎖状の金属酸化物(a2)は、アスペクト比(長径/短径)が3以上であり、平均長径が20nm以上であるものが好ましく、透明性、反射防止性能の観点から、アスペクト比(長径/短径)が25以下であり、平均長径は250nm以下であるものが好ましい。
本実施の形態のコーティング組成物には、金属酸化物(a1)及び/又は(a2)の他に、例えば、ホウ素、リン、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデンなどからなる金属酸化物が含まれていてもよい。
〔重合体粒子(B)〕
重合体粒子(B)を構成する重合体としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系重合体、ポリエステル系重合体、ポリ(メタ)アクリレート系重合体、ポリビニルアセテート系重合体、ポリブタジエン系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、塩素化ポリプロピレン系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂などのポリカルボニル化合物などから構成される重合体等が挙げられる。
重合体粒子(B)は、2層以上の層から形成される、コア/シェル構造を有することが好ましい。これにより、得られる反射防止層の機械的物性(強度と柔軟性のバランス等)がより向上する傾向にある。
本実施の形態に用いる重合体粒子(B)としては、特に限定されないが、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる、重合体粒子を含むことが好ましい。このような重合体粒子を含むことにより、得られる反射防止層の耐候性、耐薬品性、光学特性、及び強度等がより向上する傾向にある。
また、重合体粒子(B)は、特に限定されないが、例えば、水及び乳化剤の存在下で加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られる重合体粒子、水及び乳化剤の存在下で2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体粒子、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られる重合体粒子と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体粒子とが複合化した粒子、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる重合体粒子を含んでもよい。このような重合体粒子を含むことにより、得られる反射防止層の耐候性、耐薬品性、光学特性、及び強度等がより向上する傾向にある。なお、複合化の態様としては、特に限定されないが、例えば、水素結合や化学結合等の各種結合により各重合体粒子が複合化することが挙げられる。
重合体粒子(B)の数平均粒子径としては、特に限定されないが、好ましくは10〜800nmである。なお、本実施の形態において、重合体粒子(B)の数平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(加水分解性珪素化合物(b1))
加水分解性珪素化合物(b1)としては、特に限定されず、例えば、下記式(1)で表される化合物、シランカップリング剤、又はこれら1種又は2種以上の縮合生成物等が挙げられる。また、加水分解性珪素化合物(b1)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
SiWxy (1)
(式中、Wは、各々独立に、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアセトキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の加水分解性基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する、加水分解性珪素化合物が挙げられる。このなかでも、ビニル重合性基を有するシランカップリング剤を用いることにより、得られる反射防止層の耐候性がより向上する傾向にある。ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤を用いることにより、得られる反射防止層の耐候性、耐薬品性、光学特性、強度等がより向上する傾向にある。また、シランカップリング剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
加水分解性珪素化合物(b1)としては、特に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等を挙げることができる。
また、これらの加水分解性珪素化合物(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上述の加水分解性珪素化合物(b1)の中で、フェニル基を有する珪素アルコキシド、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等は、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れるため好ましい。
また、上述の加水分解性珪素化合物(b1)の中で、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等のビニル重合性基を有するシランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤は、後述する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と共重合又は連鎖移動反応して化学結合を生成することが可能であるため好ましい。
さらに、加水分解性珪素化合物(b1)が、式(1)で表される化合物及びシランカップリング剤からなる群より選ばれる1種以上の縮合生成物である場合には、該縮合生成物のGPC測定によるポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000であり、さらに好ましくは400〜800である。加水分解性珪素化合物(b1)のポリスチレン換算重量平均分子量が上記範囲内であることにより、重合安定性により優れる傾向にある。
加水分解性珪素化合物(b1)の使用量は、得られる重合体粒子(B)の総量に対して、質量比(b1)/(B)として、好ましくは0.005以上1.0以下であり、より好ましくは0.01以上0.7以下であり、さらに好ましくは0.05以上0.5以下である。加水分解性珪素化合物(b1)の使用量が上記範囲内であることにより、重合安定性により優れる傾向にある。ここで、「得られる重合体粒子(B)の総量」とは、加水分解性珪素化合物(b1)と、ビニル単量体(b2)と、必要に応じて添加するビニル単量体(b3)と、が全て重合した場合に得られる重合生成物の合計質量(計算値)である。
また、ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤の配合量は、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)100質量部に対して0.1質量部以上100質量部以下であることが重合安定性の観点から好ましく、0.5質量部以上50質量部以下がより好ましい。
(2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2))
重合体粒子(B)の製造に用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)としては、特に限定されないが、例えば、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド等を例示することができる。N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドとしては、特に限定されないが、例えばN−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等を挙げることができる。また、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
重合体粒子(B)を製造するために用いるビニル単量体(b2)のアミド基は、2級、3級いずれであってもよいが、3級アミド基を有するビニル単量体を用いると、得られる重合体粒子(B)と、金属酸化物(A)との間の水素結合性がより強くなる傾向にあり、好ましい。その中でも、特に、N,N−ジエチルアクリルアミドは、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に非常に優れるとともに、上述した加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物が有しうる水酸基や金属酸化物(A)が有しうる水酸基と強固な水素結合を形成することが可能であるため、より好ましい。
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、得られる重合体粒子(B)の総量に対して、質量比(b2)/(B)として、好ましくは0.05以上0.7以下であり、より好ましくは0.1以上0.6以下であり、さらに好ましくは0.2以上0.5以下である。2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量が上記範囲内であることにより、水素結合力により優れる傾向にある。ここで、「得られる重合体粒子(B)の総量」とは、加水分解性珪素化合物(b1)と、ビニル単量体(b2)と、必要に応じて添加するビニル単量体(b3)と、が全て重合した場合に得られる重合生成物の合計質量(計算値)である。
(共重合可能な他のビニル単量体(b3))
重合体粒子(B)の重合を、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、該ビニル単量体(b2)と共重合可能な他のビニル単量体(b3)と、共に行うことにより、生成する重合体粒子(B)の特性(ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物との相溶性等)をより効果的に制御することが可能となり好ましい。
ビニル単量体(b3)としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
また、(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、具体的には、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタアクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
重合体粒子(B)中の(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、ビニル単量体(b2)及び(b3)の総量に対して、好ましくは0〜99.9質量%であり、より好ましくは5〜80質量%である。
芳香族ビニル化合物としては、特に限定されず、例えば、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
シアン化ビニル化合物としては、特に限定されず、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、若しくは無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、若しくはフマル酸などの2塩基酸のハーフエステル等が挙げられる。カルボキシル酸基含有のビニル単量体を用いることによって、重合体粒子(B)にカルボキシル基を導入することができ、粒子間の静電的反発力をもたせることで重合体粒子(B)のエマルジョンとしての安定性を向上させ、例えば攪拌時の凝集といった外部からの分散破壊作用に抵抗力を持たせることが可能となる。この際、導入したカルボキシル基は、静電的反発力をさらに向上させるために、一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。
重合体粒子(B)中のカルボキシル基含有ビニル単量体の含有量は、ビニル単量体(b2)及び(b3)の総量に対して、好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%であり、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。カルボキシル基含有ビニル単量体の含有量が上記範囲内であることにより、得られる反射防止膜の耐水性がより向上する傾向にある。
水酸基含有ビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート等のフマル酸のヒドロキシアルキルエステル;アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート;プロピレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート;さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類などを挙げることができる。
水酸基含有ビニル単量体を用いることにより、金属酸化物(A)と重合体粒子(B)との水素結合力を制御することが容易となるとともに、重合体粒子(B)の水分散安定性がより向上する傾向にある。
重合体粒子(B)中の水酸基含有ビニル単量体の含有量は、ビニル単量体(b2)及び(b3)の総量に対して、好ましくは0〜80質量%であり、より好ましくは0.1〜50質量%であり、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。水酸基含有ビニル単量体の含有量が上記範囲内であることにより、金属酸化物(A)と重合体粒子(B)との水素結合力がより向上し、重合体粒子(B)の水分散安定性がより向上する傾向にある。
エポキシ基含有ビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、グリシジル基含有ビニル単量体等が挙げられる。グリシジル基含有ビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等を挙げることができる。エポキシ基含有ビニル単量体を用いることにより、得られる重合体粒子(B)がヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体からなる群より選ばれる1種以上等に対して反応性を有するものとなる。そのため、コーティング組成物が任意成分としてヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体からなる群より選ばれる1種以上等を含む場合には、重合体粒子(B)と、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体からなる群より選ばれる1種以上とが架橋することによって、反射防止層の耐溶剤性等がより向上する傾向にある。
重合体粒子(B)中のエポキシ基含有ビニル単量体の含有量は、ビニル単量体(b2)及び(b3)の総量に対して、好ましくは0〜50質量%である。
カルボニル基含有ビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。カルボニル基含有ビニル単量体を用いることにより、得られる重合体粒子(B)がヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体からなる群より選ばれる1種以上等に対して反応性を有するものとなる。そのため、コーティング組成物が任意成分としてヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体からなる群より選ばれる1種以上等を含む場合には、重合体粒子(B)と、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体からなる群より選ばれる1種以上とが架橋することによって、反射防止層の耐溶剤性等がより向上する傾向にある。
〔重合体粒子(B)の製造方法〕
重合体粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、必要に応じて他のビニル単量体(b3)とを、好ましくは重合触媒存在下で、重合することにより得ることができる。
加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することにより、両者の間で水素結合等によるミクロな有機・無機複合化が達成できるので好ましい。
重合体粒子(B)の数平均粒子径(一次粒子径;重合体粒子(B)の一次粒子の数平均粒子径)は、好ましくは10〜800nmであり、より好ましくは50〜300nmであり、さらに好ましくは50〜300nmである。重合体粒子(B)の数平均粒子径が上記範囲内であることにより、得られる反射防止層の耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等がより向上する傾向にある。また、重合体粒子(B)の数平均粒子径が50〜300nmであることにより、得られる反射防止層の透明性がさらに向上する傾向にある。なお、重合体粒子(B)の数平均粒子径は実施例に記載の方法により測定することができる。
このような数平均粒子径の重合体粒子(B)を得る方法としては、特に限定されないが、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合する、いわゆる乳化重合が好ましい。
乳化重合の具体的な方法としては、特に限定されないが、例えば、加水分解性珪素化合物(b1)、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、及び必要に応じて他のビニル単量体(b3)を、そのまま又は乳化させた状態で、一括若しくは分割して、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧から必要により10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合させる方法が挙げられる。必要に応じて、圧力や反応温度を変更してもよい。加水分解性珪素化合物(b1)、ビニル単量体(b2)、及び他のビニル単量体(b3)の総量と、水との比率については、特に限定されないが、最終固形分量(添加する単量体が全て重合した場合に得られる重合体(ビニル(共)重合体及び加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物)の質量の合計(計算値)を元に計算される値)が、好ましくは0.1〜70質量%となり、より好ましくは1.0〜55質量%となるように設定する。
乳化重合をするにあたり重合体粒子(B)の数平均粒子径を増大又は制御するために、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法を行なってもよい。これにより粒子径がより均一な重合体粒子(B)を得ることができる。シード(核)となる物質は特に限定されず、公知のものを用いることができ、反応条件等に応じて適宜選択することができる。重合反応中のpHは、好ましくは1.0〜10.0であり、より好ましくは1.0〜6.0である。重合反応中のpHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどのpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
重合体粒子(B)を得る方法として、加水分解性珪素化合物(b1)を重合させるのに必要な水及び乳化剤、及び必要に応じて溶剤、の存在下に、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合した後、重合生成物がエマルジョンとなるまで水を添加する方法も採用してもよい。
(乳化剤)
重合体粒子(B)の合成に使用する乳化剤としては、特に限定されず、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
これらの乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤が好ましい。このような反応性乳化剤を用いることにより、重合体粒子(B)の水分散安定性がより一層良好になるとともに、得られる反射防止層の耐水性、耐薬品性、光学特性、及び強度がより向上する傾向にある。
反応性乳化剤としては、特に限定されず、例えば、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩であってもよい、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体;硫酸エステル基を有するビニル単量体;ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体;4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩であってもよい、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性の二重結合と、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよい、スルホン酸基又はスルホネート基と、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜400のポリアルキルエーテル基、炭素数6〜10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基と、を有する化合物;アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよい、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニルスルホネート化合物等が挙げられる。
ラジカル重合性の二重結合と、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよいスルホン酸基と、炭素数1〜20のアルキル基と、を有する化合物としては、特に限定されない。
ラジカル重合性の二重結合と、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよいスルホン酸基と、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜400のポリアルキルエーテル基と、を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、アクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)等を挙げることができる。
ラジカル重合性の二重結合と、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよいスルホン酸基と、炭素数6〜10のアリール基と、を有する化合物としては、特に限定されない。
ラジカル重合性の二重結合と、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよいスルホン酸基と、コハク酸基と、を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、アリルスルホコハク酸塩等が挙げられる。これらは市販品を用いることもでき、特に限定されず、例えば、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成(株)製)、ラテムルS−120、S−180A又はS−180(商品名)(花王(株)製)等が挙げられる。
硫酸エステル基を有するビニル単量体としては、特に限定されない。
ノニオン基を有するビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40等、旭電化工業(株)製)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50等、第一製薬工業(株)製)等が挙げられる。
4級アンモニウム塩を有するビニル単量体としては、特に限定されない。
乳化剤の使用量は、得られる重合体粒子(B)100質量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは0.001〜5質量部である。
(重合触媒)
加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合に用いる単量体の成分等に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類;酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等が挙げられる。これらの中で、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する観点から、酸性乳化剤類が好ましく、炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸がより好ましい。
加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒の使用量は、加水分解性珪素化合物(b1)100質量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは0.1〜7質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合触媒としては、熱又は還元性物質などによってラジカル分解してビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好適であり、例えば、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用される。当該重合触媒の具体例としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合触媒の使用量は、全ビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部であり、より好ましくは0.005〜1質量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部である。なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合をより望むときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
〔加水分解性珪素化合物(C)〕
本実施の形態のコーティング組成物は、加水分解性珪素化合物(C)をさらに含むことが好ましい。本実施の形態のコーティング組成物が加水分解性珪素化合物(C)を含むことにより、加水分解性珪素化合物(C)が有しうるシラノール基と金属酸化物(A)の表面に存在しうる水酸基とが縮合反応をして結合が形成されたり、あるいは、加水分解性珪素化合物(C)と金属酸化物(A)との間に水素結合が形成されると考えられる。これにより、本実施の形態のコーティング組成物から得られる反射防止層の機械的強度がより向上する傾向にある。
加えて、本実施の形態のコーティング組成物から形成される反射防止層は、金属酸化物(A)や加水分解性珪素化合物(C)に起因する表面親水性を有しているので、防汚効果がより向上する傾向にある。すなわち、本実施の形態のコーティング組成物から形成される反射防止層は、表面親水性を有するため、その帯電防止効果によって砂埃等の汚れの付着が低減されると共に、汚れが付着した場合でも雨水により汚れが洗い流されると考えられる。ただし、機序はこれによらない。
本実施の形態に用いる加水分解性珪素化合物(C)としては、特に限定されないが、例えば、下記式(2)、(3)、及び(4)で表される化合物からなる群より選ばれる1種類以上の加水分解性珪素化合物であることが好ましい。
1 nSiX4-n (2)
(式(2)中、R1は、各々独立に、水素原子、又はハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基若しくはエポキシ基を有してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基若しくは炭素数6〜10のアリール基を表す。Xは、各々独立に、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。)
3Si−R2 n−SiX3 (3)
(式(3)中、Xは、各々独立に、加水分解性基を表し、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。)
3−(O−Si(OR32n−OR3 (4)
(式(4)中、R3は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
加水分解性基としては、特に限定されないが、例えば、−OR3が挙げられる。
〔その他の添加剤〕
コーティング組成物には、その用途及び使用方法などに応じて、通常、塗料や成型用樹脂に添加配合される成分、例えば、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等を配合することができる。
コーティング組成物は、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体を含むことが好ましい。所定の組成を有する重合体粒子(B)と、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体及びイソシアネート誘導体からなる群より選ばれる1種以上とが架橋することによって、反射防止層の耐溶剤性等がより向上する傾向にある。
〔反射防止膜〕
第1の態様における反射防止膜は、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、上記コーティング組成物を含む反射防止層と、を有する。本実施の形態の反射防止膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上述のコーティング組成物を基材に塗布及び乾燥させる方法が挙げられる。
(反射防止層)
上述のコーティング組成物を基材に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、バーコート法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
本実施の形態の反射防止層の膜厚は、好ましくは50〜2000nmであり、より好ましくは80〜150nmであり、さらに好ましくは90〜130nmであり、特に好ましくは100〜120nmである。反射防止膜の膜厚が上記範囲内であることにより、透明性、反射防止特性がより向上する傾向にある。
また、反射防止層の膜厚が80〜150nm、好ましくは90〜130nm、より好ましくは100〜120nmの範囲にある反射防止層の面積率(膜厚均一割合)は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。所定の膜厚である反射防止層の面積率(膜厚均一割合)が上記範囲内であることにより、反射防止膜の反射防止効果がより向上する傾向にある。
(基材)
基材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス等の無機基材や、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材や、それらの組み合わせ等を挙げることができる。
本実施の形態の反射防止膜が形成される基材表面の、JIS B0601に規定される十点平均高さRzは、好ましくは1〜1000μmである。基材の十点平均高さRzが上記範囲であることにより、コーティング組成物を基材に塗布、乾燥させた際に、膜厚ムラをさらに低減でき、反射防止膜の反射防止性能がより向上する傾向にある。なお、コーティング組成物を塗布、乾燥させた反射防止膜を作製した後の基材の十点平均高さRzは、SEM断面図により確認することができる。
第2の態様における反射防止膜は、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、珪素化合物を含む反射防止層と、を有し、基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmであり、反射防止層の膜厚が80〜150nmの範囲にある面積の割合が、70%以上である。これにより、表面凹凸構造を有する基材表面に塗布した場合であっても膜厚ムラが低減され、反射防止特性に優れた反射防止膜を提供することを目的とする。
基材、基材表面の十点平均高さRz、反射防止層の膜厚が80〜150nmの範囲にある面積の割合は、上記と同様とする。反射防止層は珪素化合物を含むものであれば特に限定されないが、例えば、本発明のコーティング組成物を含むものが好ましい。
珪素化合物を含む反射防止層としては、特に限定されないが、例えば、上記加水分解性珪素化合物(b1)を含む反射防止層が挙げられる。
(用途)
本実施の形態の反射防止膜は、透明性、反射防止特性に優れているので、太陽電池用の部材(ガラス、及びモジュール等)、太陽電池用集光レンズ、光電池、液晶ディスプレイ、メガネ、窓ガラス、テレビ等において、光透過性の向上及び/又は映り込みの防止を必要としている部材の反射防止膜として用いることができる。
さらに本実施の形態の反射防止膜は、防汚性、防曇性、帯電防止性、耐候性、耐薬品性にも優れているため、太陽光発電用ミラー、建築物、鋼構造物、建材、モルタル、コンクリート、プラスチック、自動車等の防汚コートとして用いることができる。
〔反射防止膜の製造方法〕
反射防止膜の製造方法は、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に上記コーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して反射防止層を得る工程を含む。本実施の形態の反射防止膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上述のコーティング組成物を基材に塗布及び乾燥させる方法が挙げられる。
コーティング組成物を乾燥する方法としては、特に限定されないが、例えば、自然乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥等が挙げられる。乾燥温度は、好ましくは5〜400℃であり、より好ましくは10〜300℃であり、さらに好ましくは20〜200℃である。
さらに、反射防止層は、基材上にコーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、熱処理して得られる層であることが好ましい。このような熱処理により、反射防止層中の有機成分が揮発し、反射防止層中の空隙が増加することで、反射防止特性がより向上する傾向にある。反射防止特性の向上の観点から、熱処理温度は、好ましくは400℃〜1000℃であり、より好ましくは500℃〜800℃である。
以下の実施例、合成例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。実施例、合成例及び比較例において、各種の物性は下記の方法で測定した。
(1)粘度の測定
振動式粘度計CJV5000(AND株式会社製)を用いて、液温25℃におけるコーティング組成物の粘度を評価した。
(2)表面張力の測定
自動表面張力計CBVP−Z(協和界面化学株式会社製)を用いて、液温25℃におけるコーティング組成物の表面張力を評価した。
(3)透過率の測定
分光光度計V670(日本分光株式会社製)を用いて、400〜1100nmの分光透過率を測定し、ISO9050に規定される評価方法に従い、反射防止膜の透過率を評価した。
(4)膜厚の評価
FE−3000型反射分光計(大塚電子株式会社製)を用いて、波長230〜800nmの範囲での反射スペクトルを測定し、最小二乗法解析により反射防止膜の膜厚を評価した。
(5)膜厚均一割合の評価
カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(株式会社キーエンス製)を用いてカラー画像を撮影し、前記FE−3000型反射分光計(大塚電子株式会社製)により評価した膜厚が80〜150nmの範囲と同様の干渉色を示すカラー画像の面積を画像解析ソフトImage Jを用いて算出し、反射防止層の膜厚均一割合を評価した。
(6)十点平均高さRzの測定
カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(株式会社キーエンス製)を用いて、テクスチャーガラス基材表面の、JIS B0601に規定される十点平均高さRzを評価した。
(7)鉛筆硬度の測定
JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400に規定される鉛筆硬度の評価方法に従い、1kg荷重における反射防止膜の鉛筆硬度を評価した。
(8)表面水接触角の測定
反射防止層の表面に脱イオン水の滴(1.0μL)を乗せ、20℃で10秒間放置した後、日本国協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて反射防止膜の初期接触角を測定した。反射防止層に対する水の接触角が小さいほど、皮膜表面の親水性が高いと評価した。
〔合成例1〕
・重合体粒子(B−1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。得られた混合液(1)に、ジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン117gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。次に、得られた混合液(3)に、アクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、数平均粒子径87nmの重合体粒子(B−1)の水分散体(固形分14.09質量%)を得た。
なお、本実施例において、重合体粒子の数平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置UPA−UZ152(日機装株式会社製)により測定した。
〔実施例1〕
27%エタノール水溶液60gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液22.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.50gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−1)を得た。得られたコーティング組成物(D−1)の粘度は10.4cp、表面張力は33.2mN/mであった。
十点平均高さRzが50μmである、表面凹凸構造を有するテクスチャーガラス基材に上記コーティング組成物(D−1)をバーコーターを用いて平均膜厚が120nmとなるように塗布した後、70℃で30分間乾燥を行い、反射防止層(E−1)を有する試験板(F−1)を得た。
得られた試験板(F−1)は、透過率が91.9%で、元の基材の透過率が89.4%であることから、透過率の差(以下「AR」とも記す。)が2.5%となり、非常に良好な反射防止効果を示した。また、反射防止層(E−1)の膜厚均一割合は95%で、非常に均一な反射防止層であった。さらに、反射防止層(E−1)は、鉛筆硬度が7Hであり、非常に良好な硬度を示した。またさらに、反射防止層(E−1)は、表面水接触角が10°未満で非常に良好な防汚性能を示した。
〔実施例2〕
27%エタノール水溶液60gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体9.5g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径15nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)6.7g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.2g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、2000)の5wt%水溶液24.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.5gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−2)を得た。得られたコーティング組成物(D−2)の粘度は11.5cp、表面張力は32.1mN/mであった。
十点平均高さRzが50μmである、表面凹凸構造を有するテクスチャーガラス基材に上記コーティング組成物(D−2)をバーコーターを用いて平均膜厚が120nmとなるように塗布した後、70℃で30分間乾燥した後に、700℃で3分間熱処理を行い、反射防止層(E−2)を有する試験板(F−2)を得た。
得られた試験板(F−2)は、透過率が92.0%で、元の基材の透過率が89.4%であることから、ARが2.6%となり、非常に良好な反射防止効果を示した。また、反射防止層(E−2)の膜厚均一割合は96%で、非常に均一な反射防止層であった。さらに、反射防止層(E−2)は、鉛筆硬度が7Hであり、非常に良好な硬度を示した。またさらに、反射防止層(E−2)は、表面水接触角が10°未満で非常に良好な防汚性能を示した。
〔実施例3〕
27%エタノール水溶液60gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体9.5g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径10nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)7.9g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液24.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.5gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−3)を得た。得られたコーティング組成物(D−3)の粘度は11.3cp、表面張力は32.5mN/mであった。
十点平均高さRzが50μmである、表面凹凸構造を有するテクスチャーガラス基材に上記コーティング組成物(D−3)をバーコーターを用いて平均膜厚が120nmとなるように塗布した後、70℃で30分間乾燥した後に、700℃で3分間熱処理を行い、反射防止層(E−3)を有する試験板(F−3)を得た。
得られた試験板(F−3)は、透過率が92.0%で、元の基材の透過率が89.4%であることから、ARが2.6%となり、非常に良好な反射防止効果を示した。また、反射防止層(E−3)の膜厚均一割合は96%で、非常に均一な反射防止層であった。さらに、反射防止層(E−3)は、鉛筆硬度が7Hであり、非常に良好な硬度を示した。またさらに、反射防止層(E−3)は、表面水接触角が10°未満で非常に良好な防汚性能を示した。
〔比較例1〕
20%エタノール水溶液80gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.50gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−3)を得た。得られたコーティング組成物(D−3)の粘度は3.5cp、表面張力は33.5mN/mであった。
十点平均高さRzが50μmである、表面凹凸構造を有するテクスチャーガラス基材に上記コーティング組成物(D−3)をバーコーターを用いて平均膜厚が120nmとなるように塗布した後、70℃で30分間乾燥を行い、反射防止層(E−3)を有する試験板(G−3)を得た。
得られた試験板(F−1)は、透過率が91.2%で、元の基材の透過率が89.4%であることからARが1.8%となり、反射防止効果は低かった。反射防止層(E−3)の膜厚均一割合は55%で、不均一な反射防止層であった。
〔比較例2〕
純水66gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、及び粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液16.0gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−4)を得た。得られたコーティング組成物(D−4)の粘度は7.5cp、表面張力は46.5mN/mであった。
十点平均高さRzが50μmである、表面凹凸構造を有するテクスチャーガラス基材に上記コーティング組成物(D−4)をバーコーターを用いて平均膜厚が120nmとなるように塗布した後、70℃で30分間乾燥を行い、反射防止層(E−4)を有する試験板(F−4)を得た。
得られた試験板(F−4)は、透過率が91.3%で、元の基材の透過率が89.4%であることからARが1.9%となり、反射防止効果は低かった。反射防止層(E−4)の膜厚均一割合は60%で、不均一な反射防止層であった。
〔比較例3〕
27%エタノール水溶液27gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液55.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.50gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−4)を得た。得られたコーティング組成物(D−4)の粘度は60.5cp、表面張力は35.5mN/mであったが、配合安定性が低くかった。コーティング組成物(D−4)は粘度が高すぎ、試験に使用することができなかった。
各実施例及び各比較例の結果を表1に示す。
Figure 2015108061
表1に示すように各実施例の反射防止層は非常に良好な膜厚の均一性と反射防止効果、反射防止層の機械的強度、表面親水性を示した。一方比較例では反射防止層の機械的強度と表面親水性は優れているものの、膜厚の均一性が低く、反射防止効果は低いことが確認された。
本発明に係るコーティング組成物は、太陽電池、光電池、液晶ディスプレイ、メガネ、窓ガラス、テレビ等の、光透過性の向上及び/又は映り込みの防止を必要としている部材の反射防止膜や、これらの部材の防汚コートの製造に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
    粘度が5〜50cpであり、
    表面張力が30〜40mN/mである、コーティング組成物。
  2. 加水分解性珪素化合物(C)をさらに含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
  3. 前記金属酸化物(A)が、アスペクト比(長径/短径)が3未満の球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の鎖状の金属酸化物(a2)を含む、請求項1又は2に記載のコーティング組成物。
  4. 前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる重合体粒子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  5. 前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られる重合体粒子と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体粒子と、を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  6. 基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング組成物を含む反射防止層と、を有する、反射防止膜。
  7. 前記反射防止層は、前記基材上に前記コーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して得られる層である、請求項6に記載の反射防止膜。
  8. 前記基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmである、請求項6又は7に記載の反射防止膜。
  9. 基材と、該基材の少なくとも一方の表面に請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して反射防止層を得る工程を含む、反射防止膜の製造方法。
  10. 基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、珪素化合物を含む反射防止層と、を有し、
    前記基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmであり、
    前記反射防止層の膜厚が80〜150nmの範囲にある面積の割合が、70%以上である、反射防止膜。
JP2013251178A 2013-12-04 2013-12-04 コーティング組成物及び反射防止膜 Active JP6270444B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013251178A JP6270444B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 コーティング組成物及び反射防止膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013251178A JP6270444B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 コーティング組成物及び反射防止膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015108061A true JP2015108061A (ja) 2015-06-11
JP6270444B2 JP6270444B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=53438667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013251178A Active JP6270444B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 コーティング組成物及び反射防止膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6270444B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017114949A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 旭化成株式会社 ハードコート塗膜
CN107265880A (zh) * 2017-06-26 2017-10-20 信利光电股份有限公司 一种防眩光玻璃镀膜方法
KR20180076459A (ko) * 2016-12-28 2018-07-06 한국세라믹기술원 스크린 프린팅이 가능한 반사방지 코팅 조성물 및 이를 이용한 반사방지막의 제조방법
CN110660880A (zh) * 2019-08-29 2020-01-07 泰州隆基乐叶光伏科技有限公司 背接触太阳能电池组件生产方法及背接触太阳能电池组件
JP2020513471A (ja) * 2016-11-22 2020-05-14 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングBASF Coatings GmbH 低屈折率を有する光学コーティング

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005010470A (ja) * 2003-06-19 2005-01-13 Asahi Kasei Corp 反射防止膜用塗布組成物および反射防止膜
JP2006122889A (ja) * 2004-06-17 2006-05-18 Fuji Photo Film Co Ltd 塗布膜の製造方法、反射防止フィルム及びその製造方法、該フィルムを用いた偏光板、及びこれらを用いた画像表示装置
WO2007069596A1 (ja) * 2005-12-13 2007-06-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation 水系有機・無機複合組成物
JP2007268385A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Fujifilm Corp 塗布装置、塗布方法、および光学フィルムの製造方法
JP2011111533A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Asahi Kasei E-Materials Corp 機能性塗膜

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005010470A (ja) * 2003-06-19 2005-01-13 Asahi Kasei Corp 反射防止膜用塗布組成物および反射防止膜
JP2006122889A (ja) * 2004-06-17 2006-05-18 Fuji Photo Film Co Ltd 塗布膜の製造方法、反射防止フィルム及びその製造方法、該フィルムを用いた偏光板、及びこれらを用いた画像表示装置
WO2007069596A1 (ja) * 2005-12-13 2007-06-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation 水系有機・無機複合組成物
JP2007268385A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Fujifilm Corp 塗布装置、塗布方法、および光学フィルムの製造方法
JP2011111533A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Asahi Kasei E-Materials Corp 機能性塗膜

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017114949A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 旭化成株式会社 ハードコート塗膜
JP2020513471A (ja) * 2016-11-22 2020-05-14 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングBASF Coatings GmbH 低屈折率を有する光学コーティング
JP7073390B2 (ja) 2016-11-22 2022-05-23 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 低屈折率を有する光学コーティング
KR20180076459A (ko) * 2016-12-28 2018-07-06 한국세라믹기술원 스크린 프린팅이 가능한 반사방지 코팅 조성물 및 이를 이용한 반사방지막의 제조방법
KR101981127B1 (ko) * 2016-12-28 2019-05-22 한국세라믹기술원 스크린 프린팅이 가능한 반사방지 코팅 조성물 및 이를 이용한 반사방지막의 제조방법
CN107265880A (zh) * 2017-06-26 2017-10-20 信利光电股份有限公司 一种防眩光玻璃镀膜方法
CN110660880A (zh) * 2019-08-29 2020-01-07 泰州隆基乐叶光伏科技有限公司 背接触太阳能电池组件生产方法及背接触太阳能电池组件
CN110660880B (zh) * 2019-08-29 2021-08-10 泰州隆基乐叶光伏科技有限公司 背接触太阳能电池组件生产方法及背接触太阳能电池组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP6270444B2 (ja) 2018-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6081929B2 (ja) コーティング組成物及び反射防止膜
JP6326199B2 (ja) 光学塗膜、光学塗膜の製造方法、及び反射防止膜
CN108699392B (zh) 高耐久防雾涂膜和涂布组合物
JP6270444B2 (ja) コーティング組成物及び反射防止膜
JP6706059B2 (ja) ハードコート塗膜
JP7051233B2 (ja) コーティング組成物
JP6573445B2 (ja) 光学塗膜、光学塗膜の製造方法、及び反射防止膜
JP6437243B2 (ja) 光学塗膜、光学塗膜の製造方法、及び反射防止膜
JP2015018230A (ja) 光学塗膜形成用前躯体、光学塗膜、及び光学塗膜の製造方法
JP6426975B2 (ja) コーティング組成物および光学塗膜の製造方法
JP2016115927A (ja) 太陽電池用コーティング膜
JP2010235678A (ja) 帯電防止用コーティング組成物
JP2016184023A (ja) 太陽電池カバーガラス用コーティング膜及びその製造方法
JP6425964B2 (ja) 光学塗膜及び反射防止膜
JP2016219545A (ja) 太陽電池用コーティング膜
JP2018172566A (ja) 防曇塗膜およびコーティング組成物
JP6651283B2 (ja) 難燃性付与方法
JP6794151B2 (ja) コーティング膜、コーティング膜の製造方法、及びコーティング組成物
JP6532740B2 (ja) コーティング組成物、反射防止膜、及び反射防止膜の製造方法
JP6457866B2 (ja) 太陽電池用のコーティング膜及びその製造方法
JP2017114950A (ja) 塗膜及び塗膜の製造方法
WO2017204145A1 (ja) 接合用組成物、光学用接着剤及び圧力センサー用接着剤
JP2017036424A (ja) 塗膜及びその製造方法
JP2018188575A (ja) 重合体粒子水分散体、及びコーティング膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6270444

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350