JP2017036424A - 塗膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕
金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
前記(A)に対する前記(B)の質量比(A/B)が、0.3以上5.0以下であり、
屈折率が1.43以上1.60未満である、塗膜。
〔2〕
加水分解性珪素化合物(D)をさらに含む、〔1〕に記載の塗膜。
〔3〕
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる重合体粒子を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の塗膜。
〔4〕
金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む重合体粒子親和性溶剤(C)と、エタノール水溶液と、を含むコーティング組成物であって、前記(A)に対する前記(B)の質量比(A/B)が、0.3以上5.0以下であり、かつ、前記(C)の含有量が1質量%〜10質量%であるコーティング組成物を調製する工程と、
前記コーティング組成物を基材に塗布し、20〜130℃で0.5〜24時間乾燥する工程と、
を含む、塗膜の製造方法。
100μm以下とする場合、均一な塗膜が得やすく、部分的に厚い膜が形成されることが防止される傾向にあり、外観上好ましいといえる。
本実施形態における金属酸化物(A)としては、特に限定されないが、例えば、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデンなどの酸化物が挙げられる。
ここで、金属酸化物(A)の平均粒子径とは、当該粒子が一次粒子の形で存在している場合には一次粒子径を、凝集粒子の形で存在している場合は凝集粒子径(二次粒子径)の平均粒子径であるものとし、当該平均粒子径は、以下の方法により求めることができる。
すなわち、球状の金属酸化物(A)の粒子が100個〜200個写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している該当の粒子の粒子径(二軸平均径、すなわち、短径と長径との平均値)を測定し、当該測定された各粒子径の平均値を算出することにより求めることができる。
本実施形態の塗膜に含まれる重合体粒子(B)は、所定の重合体により構成されている。
当該重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリ(メタ)アクリレート−シリコーン系共重合体、ポリビニルアセテート系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物等から構成される重合体等が挙げられる。
ビニル単量体(b2)には、後述する2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2−2)や、アミノ基を有するビニル単量体、これらと共重合可能なその他のビニル単量体(b3)が含まれ得る。
重合体粒子(B)は、前記(b1)と(b2)とが重合したもの、(b1)と(b2)がそれぞれ重合したものの混合物、複合物のいずれであってもよく、これらの併用であってもよい。
(式(1)中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
なお、重合体粒子(B)の質量は、上述した2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2−2)や、アミノ基を有するビニル重合体(b2−3)、これらと共重合可能なその他のビニル単量体(b3)、さらには加水分解性珪素化合物(b1)が全て重合した場合に得られる重合生成物の質量であるものとする。上述のとおり、塗膜中の重合体粒子(B)の質量は、コーティング組成物中のBの配合量として把握することができる。また、次のような方法で塗膜中の重合体粒子(B)の質量を求めることもできる。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)、あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)写真の中に存在する(A)、および(B)の単位面積当たりの占有面積を測定し、それぞれの密度(既知)から単位面積当たりの質量を計算することができる。なお、それらの比により塗膜中のA/B質量比率を確認することもできる。
前記加水分解性珪素化合物(b1)の含有量は、重合安定性の観点から、重合体粒子(B)100質量%に対して、0.01質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
なお、上述した加水分解性珪素化合物(b1)としては、上述した各種化合物の他、ビニル重合性基やチオール基を有するシランカップリング剤を、単独で又は上述した珪素アルコキシド、その他のシランカップリング剤、及びそれらの縮合生成物と混合若しくは複合化させたものも用いることができる。
なお、前記(b1)や(b2−2)等は、水素結合や化学結合等の各種結合によって複合化されていることが好ましいが、その結合の形態や状態等について何らかの限定を行うものではない。さらに、重合体粒子(B)中の一部分のみにおいて上記したような複合化が行われていてもよい。
アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
前記エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
当該芳香族ビニル化合物は、重合体粒子(B)を構成する全ビニル単量体中において好ましくは0〜99.9質量%、より好ましくは5〜80質量%である。
当該シアン化ビニル化合物は、重合体粒子(B)を構成する全ビニル単量体中において好ましくは0〜99.9質量%、より好ましくは5〜80質量%である。
乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
これらの中で、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する観点から、酸性乳化剤類が好ましく、炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸がより好ましい。
前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体の重合触媒の配合量としては、重合体粒子(B)を構成する全ビニル単量体100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましい。なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合を目的として、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いることが好ましい。
なお、重合体粒子(B)の数平均粒子径は、後述の実施例に記載する方法により測定することができる。
前記シード(核)となる物質は、特に限定されず、公知のものを用いることもでき、反応条件等に応じて適宜選択することができる。
重合反応は、系中のpHが好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜6.0の範囲で進行させればよい。pHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
さらには、重合体粒子(B)は、コア層とシェル層とにおいて、柔軟性が異なるものであることが好ましく、空隙形成の観点からシェル層がコア層よりも硬度が高いことがより好ましい。つまりコア層がシェル層よりも柔軟であることが好ましい。
硬度は、シェル層に加水分解性珪素化合物(b1)を含有させることにより制御できる。
コア層中のビニル単量体(b2)に限れば70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらには好ましくは90質量%以上である。
本実施形態の塗膜は、上述した金属酸化物(A)、重合体粒子(B)に加え、加水分解性珪素化合物(D)を、さらに含有してもよい。
当該加水分解性珪素化合物(D)は、下記式(2)、(3)、及び(4)で表される化合物からなる群より選ばれる1種類以上の加水分解性珪素化合物であることが好ましい。
なお、上述した(b1)加水分解性珪素化合物は、重合体粒子(B)を構成する成分であり、当該(B)成分中に一体として組み込まれており、前記加水分解性珪素化合物(D)は、(A)成分及び(B)成分とは別個独立して添加されるものであり、上述した(b1)加水分解性珪素化合物とは明確に区別される。
(式(2)中、R1は水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、及びエポキシ基からなる群より選ばれるいずれかを有してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。Xは、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。)
(式(3)中、X3は加水分解性基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。)
(式(4)中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
本実施形態に係る塗膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、重合体粒子親和性溶剤(C)と、必要に応じて加水分解性珪素化合物(D)を含むコーティング組成物を調製し、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に当該コーティング組成物を塗布及び乾燥することにより製造する方法等を挙げることができる。
本実施形態におけるコーティング組成物は、(A)数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物粒子と、(B)数平均粒子径が10nm〜400nmの重合体粒子と、(C)重合体粒子親和性溶剤からなるコーティング組成物。透明性の観点からは、(A)及び(B)の粒子径が200nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、金属酸化物(A)及び重合体粒子(B)を含むコーティング組成物を用いることにより、金属酸化物(A)と重合体粒子(B)とのヘテロ凝集、又は金属酸化物(A)同士の凝集が促進される傾向にある。
前記コーティング組成物において、加水分解性珪素化合物(D)をさらに含む場合、加水分解性珪素化合物(D)のシラノール基と前記金属酸化物(A)の表面に存在する水酸基との間の縮合反応により結合が形成したり、あるいは、加水分解性珪素化合物(D)と金属酸化物(A)との間に水素結合が形成したりする。これにより、前記コーティング組成物から得られる本実施形態の塗膜は、機械的強度がより増加する傾向にある。
コーティング組成物は、金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、重合体粒子親和性溶剤(C)とを配合して混合物を得る第1の工程と、当該混合物に酸を添加する第2の工程により、調製することが好ましい。
本実施形態の塗膜は、透明性、密着性、光学特性、帯電防止性に優れ、高温高湿の環境下に曝露する耐候性試験後においても高い密着性を維持可能であることから、家電製品やエレクトロニクス分野の帯電防止フィルム、ヘッドランプカバーやメーターパネルのような車両内外装用保護フィルム、屋外で使用される樹脂製基材の保護フィルムなど、長期の密着性が求められる用途においても樹脂基材用コーティング剤として用いることができる。
本実施形態における基材は、本実施形態の塗膜の用途に応じて、種々選択可能である。基材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、金属、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
その他、太陽光発電用保護材、集光型太陽光発電用ミラー、太陽熱発電用ミラー、太陽チューブ、建築物、鋼構造物、建材、プラスチック、自動車等も基材として挙げられる。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、日本国日本電色工業株式会社製濁度計NDH2000を用いて、JIS K7361−1に規定される方法により、ヘーズを測定した。
後述する実施例及び比較例で製造した塗膜について、大塚電子製、商品名「FE−3000」を用い、積層された塗膜ならびに基材の屈折率を測定した。
後述する実施例及び比較例で製造した塗膜について、小型環境試験器(エスペック(株)製)を用い、温度85℃、湿度85%の環境下、24時間放置する耐候性試験を行った。なお、耐候性試験後の試験板の密着性を下記(4)に記載した方法に従い測定した。
後述する実施例及び比較例で製造した塗膜について、上記(3)に記載した耐候性試験後の密着性を、JIS K5600−5−6に規定される方法により評価した。
後述する実施例及び比較例で製造した塗膜について、超絶縁抵抗/微小電流計(日本国アドバンテスト製TR8601)を用いて測定した。
後述する合成例により製造した重合体粒子(B)の数平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製、商品名マイクロトラックUPA)により測定した。
各例で調製したコーティング組成物における組成比に基づいて、塗膜中におけるA,B成分の質量を特定した。また、これらの質量については、後述するSEM観察でも確認することとした。
以下、後述する実施例及び比較例において用いた重合体粒子(B)の合成例を記載する。
(合成例1)
<重合体粒子(B−1)水分散体の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸12gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層としてジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)151gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層としてアクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gの混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、製水で濃度を調整して数平均粒子径40nmの重合体粒子(B−1)の水分散体(固形分14質量%、pH3.2)を得た。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体4.08g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)5.71g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.20gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)0.60gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−1)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−1)を得た。塗膜F−1のヘーズは0.38、屈折率は1.43、表面抵抗率は3.5×1010 Ωであった。組成比から求めた質量比(A/B)は1.0であった。また、塗膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、得られた写真中に存在する(A)、および(B)の単位面積当たりの占有面積を測定し、それぞれの密度から単位面積当たりの質量を計算した。このようにして算出された(A)、および(B)の質量比(A/B)も1.0であった。なお、後述する実施例2〜6及び比較例1〜6についても上記と同様にして、コーティング組成物における組成比から質量比(A/B)を求め、SEM観察によりその質量比が塗膜中の質量比(A/B)に一致することを確認した。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体4.08g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)5.71g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.20gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1.20gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−2)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−2)を得た。得られた塗膜F−2のヘーズは1.04、屈折率は1.43、表面抵抗率は5.0×1010 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体5.36g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)3.75g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.27gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)0.75gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−3)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−3)を得た。得られた塗膜F−3のヘーズは0.76、屈折率は1.47、表面抵抗率は2.0×109 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体2.76g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)7.74g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.14gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1.16gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−4)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−4)を得た。得られた塗膜F−4のヘーズは0.85、屈折率は1.45、表面抵抗率は2.0×108 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体2.09g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)8.78g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.105gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)1.46gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−5)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−5)を得た。得られた塗膜F−5のヘーズは0.53、屈折率は1.46、表面抵抗率は1.6×108 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体4.29g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)6.00gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)0.30gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−6)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−6)を得た。得られた塗膜F−6のヘーズは0.80、屈折率は1.45、表面抵抗率は1.3×1010 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体4.08g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)5.71g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.20gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、コーティング組成物(E−7)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−7)を得た。得られた塗膜F−7のヘーズは1.60、屈折率は1.37、表面抵抗率は1.0×1010 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体4.08g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)5.71g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.20gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてアセトン((株)製)0.60gを混合、撹拌し、コーティング組成物(E−8)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−8)を得た。得られた塗膜F−8のヘーズは1.63、屈折率は1.36、表面抵抗率は8.9×109 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体4.08g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)5.71g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.20gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてアセトン((株)製)1.20gを混合、撹拌し、コーティング組成物(E−9)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−9)を得た。得られた塗膜F−9のヘーズは1.61、屈折率は1.37、表面抵抗率は9.1×109 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体8.57gを固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)0.60gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−10)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−10)を得た。得られた塗膜F−10のヘーズは0.79、屈折率は1.32、表面抵抗率は8.4×1014 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体4.08g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)5.71g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.20gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)0.05gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−11)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−11)を得た。塗膜F−11のヘーズは1.42、屈折率は1.39、表面抵抗率は1.2×1010 Ωであった。
重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体粒子(B−1)の水分散体2.09g、球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)8.78g、加水分解性珪素化合物(D)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、固形分28質量%)0.105gを混合した。その後固形分が6%となるように20%エタノール水で調整し、水溶性溶剤としてジメチルホルムアミド(和光純薬工業(株)製)0.15gを混合及び撹拌し、コーティング組成物(E−12)を得た。
基材(5cm×5cmのポリカーボネート)に、上記コーティング組成物を、スピンコーターを用いて膜厚が400nmとなるよう塗布した後、25℃で24時間以上乾燥し、塗膜(F−12)を得た。塗膜F−12のヘーズは0.62、屈折率は1.42、表面抵抗率は1.3×108 Ωであった。
Claims (4)
- 金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
前記(A)に対する前記(B)の質量比(A/B)が、0.3以上5.0以下であり、
屈折率が1.43以上1.60未満である、塗膜。 - 加水分解性珪素化合物(D)をさらに含む、請求項1に記載の塗膜。
- 前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる重合体粒子を含む、請求項1又は2に記載の塗膜。
- 金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む重合体粒子親和性溶剤(C)と、エタノール水溶液と、を含むコーティング組成物であって、前記(A)に対する前記(B)の質量比(A/B)が、0.3以上5.0以下であり、かつ、前記(C)の含有量が1質量%〜10質量%であるコーティング組成物を調製する工程と、
前記コーティング組成物を基材に塗布し、20〜130℃で0.5〜24時間乾燥する工程と、
を含む、塗膜の製造方法。
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