JP2015018230A - 光学塗膜形成用前躯体、光学塗膜、及び光学塗膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献5〜7に開示されている方法で得られた多孔体は、機械的強度に乏しいという問題を有している。
さらに、特許文献8及び10に開示されている反射防止膜は、耐候性に改善の余地があるという問題を有している。
さらにまた、特許文献9に開示されている塗膜は、反射防止特性に改善の余地があるという問題を有している。
またさらに、特許文献11に開示されているコーティング組成物は、反射防止特性に改善の余地があるという問題を有している。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する、光学塗膜形成用前駆体。
〔2〕
前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、前記〔1〕に記載の光学塗膜形成用前駆体。
〔3〕
前記〔1〕又は〔2〕に記載の光学塗膜形成用前躯体から、前記樹脂粒子(B)の少なくとも一部が除去されている光学塗膜。
〔4〕
金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する光学塗膜形成用前駆体を、
300℃〜800℃で熱処理し、空隙を形成する、空隙形成工程を有する、
光学塗膜の製造方法。
〔5〕
前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、前記〔4〕に記載の光学塗膜の製造方法。
〔6〕
前記〔4〕又は〔5〕に記載の光学塗膜の製造方法により得られた光学塗膜を含む反射防止膜。
〔7〕
前記〔6〕に記載の反射防止膜を含む太陽電池用ガラス。
〔8〕
前記〔6〕に記載の反射防止膜を含む太陽電池モジュール。
〔9〕
前記〔6〕に記載の反射防止膜を含む太陽電池用集光レンズ。
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体は、
金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する。
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれる金属酸化物(A)は、後述する所定の金属の酸化物であって、塗膜強度の観点から、球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の非球状の金属酸化物(a2)を含むことが好ましい。
なお、アスペクト比は、一次粒子そのもので存在しているものについては、一次粒子のアスペクト比を、また、凝集粒子として存在しているものについては、凝集粒子のアスペクト比を指す。
なお、前記短径及び長径とは、各々順に、金属酸化物粒子に外接する面積が最小となる外接長方形の短辺及び長辺である。
ここで、球状の金属酸化物(a1)の平均粒子径とは、当該粒子が一次粒子の形で存在している場合には一次粒子径を、凝集粒子の形で存在している場合は凝集粒子径(二次粒子径)を指し、以下の方法により決定することができる。すなわち、球状の金属酸化物(a1)の粒子が100個〜200個写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している該当の粒子の粒子径(二軸平均径、すなわち、短径と長径との平均値)を測定し、当該測定された各粒子径の平均値を求めることにより決定することができる。
なお、前記非球状の金属酸化物(a2)の長径は、当該非球状の金属酸化物(a2)の粒子に外接する面積が最小となる外接長方形の長辺である。
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれる樹脂粒子(B)は昇温速度10℃/minで加熱したときの発熱ピークを複数含む。
昇温速度10℃/minで光学塗膜形成用前駆体を加熱するという操作には、後述するように、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を用いて光学塗膜を形成する際、光学塗膜形成用前駆体に加熱処理を施して樹脂粒子(B)を熱分解させて膜中に空隙を形成させる工程における樹脂粒子(B)の分解温度のバラツキを抑制するという意義があり、樹脂粒子(B)が発熱ピークを複数含むことにより、長期耐久性に優れた光学塗膜が得られる。
また、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれる樹脂粒子(B)は、300〜800℃の温度範囲内、すなわち300〜800℃の温度のうちのいずれかの温度で加熱することにより全部又は一部を除去されるが、当該加熱後の樹脂粒子(B)割合(残差量)は50%以下であることが好ましく、600℃に加熱した際には残差量が40%以下であることがより好ましい。
ここで、「残差量」とは、樹脂粒子(B)を上記所定の温度に加熱した際、分解せずに残存する樹脂粒子(B)の質量割合を言う。
前記所定の温度に加熱するという操作には、ガラスを基材として用いる場合には、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体により光学塗膜を形成した場合の熱強化の目的の他、空隙を形成する際、塗膜中の空隙率を高め、反射防止効果を高める目的がある。その際に、300〜800℃の温度範囲内で加熱した際には樹脂粒子(B)の残渣量が50%以下で、600℃に加熱した際には樹脂粒子(B)の残差量が40%以下であると、空隙が効率よく形成されるため好ましい。
300〜800℃の温度範囲内で加熱する場合の加熱時間は、好ましくは15秒以上30分以下であり、より好ましくは30秒以上15分以下、さらに好ましくは1分以上10分以下である。
加熱時間が15秒以上であると十分に空隙を形成することができ、30分以下とすることにより実用上十分な生産性を確保できる。
さらには、後述するように、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を用いて光学塗膜を形成する際、光学塗膜形成用前駆体に加熱処理を施して樹脂粒子(B)を熱分解させて膜中に空隙を形成させる工程において、連通孔の形成を抑制する観点から、樹脂粒子(B)は、昇温10℃/minで加熱した際、上記のように510℃よりも高い温度に発熱ピークを有し、かつ当該510℃よりも高い温度における発熱ピークは、510℃以下のピークよりも発熱量が大きいことが好ましい。
また、樹脂粒子(B)がコア−シェル構造を有する場合には、少なくとも樹脂粒子(B)のシェル層に510℃よりも高い温度における発熱ピークに由来する構造を含むことが好ましい。
樹脂粒子(B)が、510℃よりも高い温度に発熱ピークを有することにより、後述するように、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を用いて光学塗膜を形成する際、光学塗膜形成用前駆体に加熱処理を施して樹脂粒子(B)を熱分解させて膜中に空隙を形成させる工程において、昇温によって樹脂粒子(B)が徐々に分解し、揮発するため、空隙の急激な形成が抑制され、連通孔形成が抑制された光学塗膜が得られ、光学塗膜の長期耐久性の観点から好ましい。
例えば、300〜800℃の温度範囲内で加熱した際の樹脂粒子(B)の残差量を50%以下にするためには、粒子径を80nm以下として表面積を大きくする方法や、空気雰囲気下での加熱条件を選択する方法が挙げられる。
また、上述したように、前記樹脂粒子(B)において、昇温速度10℃/minで加熱した際に、発熱ピークが複数有するようにするためには、樹脂粒子(B)を構成する重合体の材料、重合条件、複数の材料の場合には組成比を調整すればよい。
これらの材料を用い、必要に応じて複合化、共重合化することにより、昇温速度10℃/minで加熱した際に、発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)を製造することができる。
原子間の結合エネルギーの高い加水分解性珪素化合物(b1)と比較的低いビニル単量体(b2)との仕込み比率を調整することにより、樹脂粒子(B)の発熱ピークを調整することができる。
また、加水分解性珪素化合物(b1)の比率を高めることによって、樹脂粒子(B)の発熱ピーク強度を高めることができる。
より詳細には、樹脂粒子(B)は、特に限定されるものではないが、水及び乳化剤の存在下で、前記加水分解性珪素化合物(b1)と、前記ビニル単量体(b2)を重合して製造することが好ましい。
加水分解性珪素化合物(b1)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(1)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤等が挙げられる。
(式(1)中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。
また、x+y=4である。)
樹脂粒子(B)を製造するために用いるビニル単量体(b2)としては、以下に限定されるものではないが、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)が好ましい。
例えば、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等が挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
樹脂粒子(B)の合成の際には、乳化剤を使用してもよい。
乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
前記反応性乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体、それらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体;4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
上述した樹脂粒子(B)の合成の際、加水分解性珪素化合物(b1)及びビニル単量体(b2)の重合は、重合触媒存在下で実施することが好ましい。
樹脂粒子(B)の数平均粒子径(一次粒子径;樹脂粒子(B)の一次粒子の数平均粒子径)は、3〜800nmであると好ましい。樹脂粒子(B)の数平均粒子径を上記範囲に調整することにより、光学特性に優れた光学塗膜を形成することができる。また、得られる光学塗膜の透明性が向上する観点から、樹脂粒子(B)の数平均粒子径は5〜100nmであることがより好ましい。より好ましくは10〜90nm、さらには30nm~60nmである。
なお、樹脂粒子(B)の数平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
前記510℃を超える発熱ピークに由来する構造としては、以下に限定されるものではないが、例えば、加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)を、重合単量体として含むことが挙げられる。
510℃以下の発熱ピークに由来する構造としては、以下に限定されるものではないが、例えば、上述したビニル単量体(b2)が挙げられる。
加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)の好ましい含有量は全加水分解性珪素化合物(b1)とビニル単量体(b2)との合計量に対する質量比率で規定することができる。
すなわち、(b1−3)成分の質量比率は、(b1−3)/((b1)+(b2))で表され、0.05以上0.5以下が好ましく、より好ましくは0.1以上0.35以下である。
(b1−3)が0.5を超えると、後述する光学塗膜において、空隙が十分に形成されず、0.05未満では光学塗膜の強度が低下するおそれがある。
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体は、上述した金属酸化物(A)と樹脂粒子(B)とを含有する。
光学塗膜形成用前駆体は、後述するように、前記金属酸化物(A)と樹脂粒子(B)を含むコーティング組成物を調製し、当該コーティング組成物を所定の基材上に塗布することにより得られる
その凝集体や構成体は、ゼータ電位差やイオン性の差を利用して形成することができる。
金属酸化物(A)の粒子径は樹脂粒子(B)よりも大きくても小さくてもよい。
本実施形態の光学塗膜は、上述した本実施形態の光学塗膜形成用前駆体から、前記樹脂粒子(B)の少なくとも一部が除去された構成を有している。
本実施形態の光学塗膜は、前記光学塗膜形成用前駆体に対して、所定の熱処理を施すことにより製造することができる。
本実施形態の光学塗膜は、詳細は後述するが、金属酸化物(A)と樹脂粒子(B)を含む光学塗膜形成用前駆体を形成し、300〜800℃の温度範囲内、好ましくは500℃以上に加熱することにより樹脂粒子(B)の全部又は一部を除去して空隙を形成する空隙形成工程を実施することにより製造することができる。
その際に、樹脂粒子(B)の周囲の金属酸化物(A)からなる層の縮合が急激に進み、塗膜全体が急激に収縮する。
ここで、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれている樹脂粒子(B)は、所定の昇温速度で加熱した際、昇温過程で複数の発熱ピークを含んでいるため、熱処理によって樹脂粒子(B)が熱分解によって段階的に除去され、塗膜の収縮を緩和し、空隙の崩壊を緩和しながら光学塗膜が得られる。
発熱ピークが単一の場合、塗膜の収縮が急激に生じ、空隙が崩壊する場合があるが、発熱ピークが複数存在することで塗膜の収縮が段階的に生じ、空隙の崩壊を緩和することができる。そのような光学塗膜の空隙は基材に達する貫通孔が生じにくく基材と水との接触を抑制することで高温高湿試験後の光学性能を維持することが可能となる。
樹脂粒子(B)は300〜800℃の温度範囲内で加熱することにより、全部又は一部を除去される。樹脂粒子(B)を加熱後、分解せずに残存している割合(残差量)は50%以下であることが好ましい。
残差量とは加熱前の樹脂粒子(B)の質量を100%とした時に、加熱後に残存している樹脂粒子(B)の質量の割合(%)である。
残差量が50%以下であると、光学塗膜中の樹脂粒子(B)の部分に由来する空隙を十分に確保することができ、高い反射防止効果が得られる。
残差量は少ない方が空隙を形成するためには好ましいが、加熱によって除去された後に空隙が潰れずに保持できるためには、残差量が0.1〜40%が好ましく、より好ましくは0.5〜20%である。
(加水分解性珪素化合物(C))
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体は、上述した金属酸化物(A)、樹脂粒子(B)の他、加水分解性珪素化合物(C)を、さらに含むことが好ましい。
加水分解性珪素化合物(C)を含むことで金属酸化物(A)の層が緻密になり機械的強度がより増加すると考えられる。
当該加水分解性珪素化合物(C)は、下記式(2)、(3)、及び(4)で表される化合物からなる群より選ばれる1種類以上の加水分解性珪素化合物であることが好ましい。
なお、上述した(b1)加水分解性珪素化合物は、樹脂粒子(B)を構成する成分であり、当該(B)成分中に一体として組み込まれており、前記加水分解性珪素化合物(C)は、(A)成分及び(B)成分とは別個独立して添加されるものであり、上述した(b1)加水分解性珪素化合物とは明確に区別される。
(式(2)中、R1は、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、及びエポキシ基からなる群より選ばれるいずれかを有してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。
Xは、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。)
(式(3)中、X3は加水分解性基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。)
(式(4)中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を得るために用いるコーティング組成物においては、金属酸化物(A)と光学塗膜形成用樹脂粒子(B)との質量比率((A):(B))は、耐候性の観点から、1:0.05〜1:10であることが好ましく、1:0.2〜1:4であることがより好ましく、1:0.5〜1:2であることがさらに好ましい。
金属酸化物(A)と加水分解性珪素化合物(C)との質量比率((A):(C))は、塗膜強度の観点から、1:0.05〜1:5であることが好ましく、1:0.1〜1:2であることがより好ましく、1:0.2〜1:0.6であることがさらに好ましい。
本実施形態の光学塗膜の製造方法は、上述した金属酸化物(A)と、上述した樹脂粒子(B)と、必要に応じて上述した加水分解性珪素化合物(C)とを混合してコーティング組成物を調製する工程と、当該コーティング組成物を塗布して乾燥して光学塗膜形成用前駆体を得る工程と、当該光学塗膜形成用前駆体を300〜800℃の温度範囲内で熱処理して空隙を形成する空隙形成工程とを有している。
コーティング組成物の調製においては、金属酸化物(A)、好ましくは球状の金属酸化物(a1)と、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の非球状の金属酸化物(a2)とを含む金属酸化物(A)と、樹脂粒子(B)と、必要に応じて加水分解性珪素化合物(C)を配合して混合物を得る第1の工程と、当該第1の工程で得られた混合物に酸を添加する第2の工程とを実施することが好ましい。
前記「酸」として、加水分解触媒、縮合触媒としての酸を添加する場合、配合安定性の観点から、先に金属酸化物(A)及び樹脂粒子(B)を配合した後に、当該酸を添加することが好ましい。あるいは、金属酸化物(A)等の等電点まで酸を添加することで凝集させた後、塩基で中和して安定化させてから樹脂粒子(B)を加えてもよい。
あるいは、塩基性の水溶液で樹脂粒子(B)が分散している状態で金属酸化物(A)を混合した後、前記酸を添加してpH2付近まで調整して樹脂粒子(B)の周囲に金属酸化物(A)を配置、凝集、析出させてもよい。
前記コーティング組成物を所定の基材に塗布し、乾燥することにより、光学塗膜形成用前駆体が得られる。
上述のコーティング組成物を基材に塗布する膜厚としては、20μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下が好ましい。
20μm以下であれば均一な塗膜が得られ、部分的に厚い膜が形成されることがなく外観上好ましい塗膜が得られる。
上述のコーティング組成物の固形分としては、0.1質量%〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.2質量%〜5質量%、さらに好ましくは0.5質量%〜3質量%である。固形分が15質量%を超えると乾燥後の膜厚を所望の膜厚に制御することが難しくなり、0.1質量%未満の場合、所望の乾燥膜厚を得るためにコーティング組成物を厚く塗装する必要があり現実的では無い。上述のコーティング組成物の粘度としては、塗装の均一性の観点から、好ましくは20℃において0.1〜2000mPa・sであり、より好ましくは1〜100mPa・s、さらに好ましくは2〜50mPa・sである。
生産性の観点からロールコート、スクリーン印刷、グラビア印刷が好ましい。
さらには大判の基材上へ塗装する目的ではロールコート法が好ましい。
ロールコートの塗装条件としてはリバースロールコートが好ましく、塗料が基材に転写される際のロールの速度(X1)と基材の搬送速度(X2)の比率がX1/X2=0.1〜2であることが好ましく、0.5〜1.5であることがより好ましい。X1/X2が0.1以上であると、膜厚の分布に偏りが生じることを防止でき、2以下であると塗装のスジが入ることを防止でき、外観上好ましい。
基材としては、特に限定されないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材や、ガラス等の無機基材や、それらの組み合わせ等を挙げることができる。
前記乾燥温度としては、5〜500℃が好ましく、10〜300℃がより好ましく、20〜200℃がさらに好ましく、さらにより好ましくは25℃〜80℃が好ましい。
さらに、前記塗布、乾燥により、光学塗膜形成用前駆体を得た後、300℃〜800℃の温度範囲内、好ましくは500℃〜700℃、より好ましくは590℃〜650℃で熱処理をし、前記樹脂粒子(B)を熱分解させ、膜中に空隙を形成する。
基材がガラスの場合、ガラスの強化の目的で600℃で3分程度加熱した後、空冷で急冷することが好ましい。
該反射防止膜の表面水接触角は、例えば40℃以下であると親水性の汚れを防ぐ効果があり、40℃以上であると親油性の汚れがふき取りやすくなる効果がある。
なお、本実施の形態において、表面水接触角は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の光学塗膜は、十点平均高さRzが1〜1000μmである基材の表面上に形成され、平均の表面粗さRaが1〜100nmであることが好ましい。
基材のRzが、1μm以上である場合、光取り込み効果が十分に得られ、1000μm以下であることにより、光の散乱を抑制でき、十分な透過光が得られる。
また、光学塗膜のRaが1nm以上の場合は、十分な光学塗膜の親水性が得られ、100nm以下であることにより、汚れ物質の堆積を防止することができる。
ここでRaは、JIS R 1683 原子間力顕微鏡によるファインセラミックス薄膜の表面粗さ測定法に従って測定される。
本実施形態の光学塗膜は、高湿度環境下での反射防止特性に優れているため、太陽電池用の部材(ガラス及びモジュール等)、太陽電池用集光レンズ、光電池、液晶ディスプレイ、眼鏡、窓ガラス、テレビ等において、光透過性の向上及び映りこみの防止を必要としている部材の反射防止膜として用いることができ、その他、太陽光発電用保護材、集光型太陽光発電用ミラー、太陽熱発電用ミラー、太陽熱発電用集光ガラス、建築物、鋼構造物、建材、モルタル、コンクリート、プラスチック、自動車等の防汚コートとしても用いることができる。
((1)平均粒子径の測定)
金属酸化物を、50,000〜100,000倍に拡大し、球状の金属酸化物粒子(A)が100個〜200個写るように調整して透過型顕微鏡写真を撮影した。
次いで、撮影された各金属酸化物粒子(A)の粒子径(長径と短径)を測定し、それらの平均値((長径+短径)/2)を算出し、平均粒子径とした。
加水分解性珪素化合物を(b1)、ビニル単量体を(b2)とし、かつ加水分解性珪素化合物のうち、特に加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物を(b1−3)としたとき、樹脂粒子(B)の、加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)の、ビニル単量体(b2)と全加水分解性珪素化合物(b1)との合計量に対する質量比率((b1−3)/((b1)+(b2))を、算出した。
樹脂粒子(B)の数平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製 マイクロトラックUPA)により測定した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、日本国日本電色工業株式会社製濁度計NDH2000を用いて、JIS K7361−1に規定される方法により、全光線透過率を測定した。
後述する実施例及び比較例で製造した光学塗膜から、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を製造し、当該試験用鉛筆を用いて、JIS K5400に規定される鉛筆硬度の評価方法に従い、1kg荷重における鉛筆硬度を評価した。
後述する実施例及び比較例で製造した光学塗膜の表面に脱イオン水の滴(1.0μL)を乗せ、20℃で10秒間放置した。その後、日本国協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて初期接触角を測定した。光学塗膜に対する水の接触角が小さいほど、光学塗膜表面の親水性が高いと評価した。
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、加速環境試験器(エスペック(株)製、EHS−411)を用い、温度135℃、湿度85%の環境下、4時間放置する耐候性試験を行った。なお、耐候性試験後の試験板の全光線透過率を上記(2)に記載した方法に従い測定した。
示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施し、DTA値から樹脂粒子(B)の発熱ピーク温度と発熱量、残差量(加熱後の残存割合)を求めた。
後述する実施例及び比較例により製造した試験板の、耐候性試験前後の全光線透過率、基材の全光線透過率を用いて、下記式(5)、(6)により、AR値、AR変化率を算出した。
基材の全光線透過率は、91.8%であった。
前記AR変化率の絶対値が50%以下であることにより、耐候性が良好であると評価した。
装置:Bruker AXS製Dimension Icon、測定モード;ScanAsyst、プローブ;ScanAsyst-Air型Si3N4プローブ(先端径2nm)を用いてJIS R 1683に準じて測定した。
その結果をデータ処理し取得した画像に傾き補正(Plane Fit X1次、Y1次)を施し、Raを算出した。
以下、後述する実施例及び比較例において用いた樹脂粒子(B)の合成例を記載する。
(合成例1)
<光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)水分散体の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層形成用の材料として、ジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)117gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層形成用の材料として、アクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gの混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径87nmの光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の水分散体(固形分10質量%、pH3.2)を得た。
さらに溶媒を除去して光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の固形物を採取し、示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施した。その結果、449℃と600℃にそれぞれ発熱ピークが観察された。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、前記(合成例1)で合成した光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の水分散体を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(TEOS 信越化学工業(株)製)を用いた。
これらを、表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で混合し、固形分2%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−1)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に上記コーティング組成物(E−1)を、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗布膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結し、その後、急冷してから塗膜(F−1)を有する試験板(G−1)を得た。
このとき塗膜(F−1)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/45となった。
なお、前記(B’)は、前記焼結後に得られた光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られた加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
得られた試験板(G−1)の評価結果を、下記表1に示す。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、前記(合成例1)で合成した光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の水分散体を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学(株)製の商品名「MS56」)を用いた。
これらを、表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で、まず(B)と(C)を室温で2時間混合し、その後で(A)を加え、更に固形分2%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−2)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に上記コーティング組成物(E−2)を、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗布膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結し、その後、急冷してから塗膜(F−2)を有する試験板(G−2)を得た。
このとき塗膜(F−2)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/90となった。
なお、前記(B’)は、前記焼結後に得られた光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られた加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
得られた試験板(G−2)の評価結果を、下記表1に示す。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−3)(アクリルエマルジョン、固形分45%、pH8、粘度75mPa・s、酸価11、ガラス転移温度21℃、最低成膜温度31℃)を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学(株)製の商品名「MS56」)を用いた。
これらを、表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で、まず(B)と(C)を室温で2時間混合し、その後で(A)を加え、更に固形分2%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−3)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に上記コーティング組成物(E−3)を、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗布膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結し、その後、急冷してから塗膜(F−3)を有する試験板(G−3)を得た。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−3)の固形物を採取し、示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施した。その結果、440℃付近に発熱ピークが複数観察され、510℃以上には発熱ピークが観察されなかった。
このとき塗膜(F−3)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/90となった。
なお、前記(B’)は、前記焼結後に得られた光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られた加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
得られた試験板(G−3)の評価結果を、下記表1に示す。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−2)(アクリルエマルジョン、固形分32%、pH7.7、粘度150mPa・s、酸価39、ガラス転移温度74℃、最低成膜温度−10℃)を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(TEOS 信越化学工業(株)製)を用いた。
これらを、下記表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で混合した。
その後、0.1N塩酸水溶液でpHを2.5に調整し、さらに固形分が2%となるように20%エタノール水で調整してコーティング組成物(E−11)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に、上記コーティング組成物(E−11)を、スピンコーターを用いて膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結した後に急冷してから塗膜(F−11)を有する試験板(G−11)を得た。
このとき、前記塗膜(F−11)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/45となった。
なお、(B’)は、前記焼結後に得られる光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られる加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−2)の固形物を採取し、示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施した。その結果、440℃付近に発熱ピークが観察され、510℃以上には発熱ピークが観察されなかった。
一方、比較例1においては、耐候性試験後において全光線透過率が低下し、反射防止特性が低下したことが確認された。
Claims (9)
- 金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する、光学塗膜形成用前駆体。 - 前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、請求項1に記載の光学塗膜形成用前駆体。
- 請求項1又は2に記載の光学塗膜形成用前躯体から、前記樹脂粒子(B)の少なくとも一部が除去されている光学塗膜。
- 金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する光学塗膜形成用前駆体を、
300℃〜800℃で熱処理し、空隙を形成する、空隙形成工程を有する、
光学塗膜の製造方法。 - 前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、請求項4に記載の光学塗膜の製造方法。
- 請求項4又は5に記載の光学塗膜の製造方法により得られた光学塗膜を含む反射防止膜。
- 請求項6に記載の反射防止膜を含む太陽電池用ガラス。
- 請求項6に記載の反射防止膜を含む太陽電池モジュール。
- 請求項6に記載の反射防止膜を含む太陽電池用集光レンズ。
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