JP2015018230A - 光学塗膜形成用前躯体、光学塗膜、及び光学塗膜の製造方法 - Google Patents

光学塗膜形成用前躯体、光学塗膜、及び光学塗膜の製造方法 Download PDF

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Junichi Hirose
淳一 廣瀬
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Abstract

【課題】多湿環境下で反射防止特性を長期間維持できる光学塗膜を形成可能な光学塗膜形成用前駆体を得る。【解決手段】金属酸化物(A)と、昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)とを含有する光学塗膜形成用前駆体。【選択図】なし

Description

本発明は、光学塗膜形成用前躯体、光学塗膜、及び光学塗膜の製造方法に関する。
従来、光学塗膜である反射防止膜の多くは、塗膜を形成するする第1の工程と、当該塗膜中に空隙を形成させる第2の工程とによって製造されている。このように、塗膜を形成した後、塗膜中に空隙を形成することにより、反射防止膜においては、塗膜屈折率が低下し、反射率の低下が図られる。
例えば、特許文献1〜4においては、多孔起因剤を用いて塗膜中に空隙を導入した多孔体が開示されている。
また、特許文献5〜7においては、多孔起因剤を塗膜から抽出することが不要な低屈折率の多孔体を成膜する方法として、鎖状の金属酸化物を含有する塗布液を用いて多孔体を成膜する方法が開示されている。
さらに、特許文献8及び10においては、鎖状のシリカゾル及び球状微粒子を含有する塗布液を用いて得られた、耐擦傷性に優れた反射防止膜が開示されている。
さらにまた、特許文献9においては、機械的強度、透明性、耐候性、耐薬品性、光学特性、防汚性、防曇性、及び帯電防止性等に優れた水性高分子分散体を用いて形成された塗膜が開示されている。
またさらに、特許文献11においては、防汚性能に優れたコーティング組成物が開示されている。
特開平01−312501号公報 特開平07−140303号公報 特開平03−199043号公報 特開平11−035313号公報 特開2001−188104号公報 特開平11−061043号公報 特開平11−292568号公報 特開2005−10470号公報 国際公開第2007/069596号パンフレット 特表2011−530401号公報 国際公開第2010/104146号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜4に開示されている技術においては、空隙の形成に用いた多孔起因剤を抽出工程で除去する際に、膜が膨潤してしまい、空隙の外観不良や膜剥離を起こすという問題や、成膜工程が煩雑であるという問題を有している。
また、特許文献5〜7に開示されている方法で得られた多孔体は、機械的強度に乏しいという問題を有している。
さらに、特許文献8及び10に開示されている反射防止膜は、耐候性に改善の余地があるという問題を有している。
さらにまた、特許文献9に開示されている塗膜は、反射防止特性に改善の余地があるという問題を有している。
またさらに、特許文献11に開示されているコーティング組成物は、反射防止特性に改善の余地があるという問題を有している。
また、一般的に、ガラスを基材とする反射防止膜は、多湿環境下でガラス内部からアルカリ成分が溶出することが知られており、長期間の環境曝露により、この溶出物が反射防止膜の空隙に侵入し、反射防止効果を低下させるといった、耐侯性不足の問題を有している。
そこで、本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、多湿環境下においても反射防止特性を維持できる光学塗膜を得ることが可能な、光学塗膜前駆体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属酸化物(A)と、所定の条件で昇温した際に、発熱ピークを複数含む樹脂粒子(B)とを含む光学塗膜前駆体を用いた光学塗膜が、多湿環境下で反射防止特性を長期間維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する、光学塗膜形成用前駆体。
〔2〕
前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、前記〔1〕に記載の光学塗膜形成用前駆体。
〔3〕
前記〔1〕又は〔2〕に記載の光学塗膜形成用前躯体から、前記樹脂粒子(B)の少なくとも一部が除去されている光学塗膜。
〔4〕
金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する光学塗膜形成用前駆体を、
300℃〜800℃で熱処理し、空隙を形成する、空隙形成工程を有する、
光学塗膜の製造方法。
〔5〕
前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、前記〔4〕に記載の光学塗膜の製造方法。
〔6〕
前記〔4〕又は〔5〕に記載の光学塗膜の製造方法により得られた光学塗膜を含む反射防止膜。
〔7〕
前記〔6〕に記載の反射防止膜を含む太陽電池用ガラス。
〔8〕
前記〔6〕に記載の反射防止膜を含む太陽電池モジュール。
〔9〕
前記〔6〕に記載の反射防止膜を含む太陽電池用集光レンズ。
本発明の光学塗膜形成用前駆体を用いることにより、多湿環境下で反射防止特性を長期間維持できる光学塗膜が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〔光学塗膜形成用前駆体〕
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体は、
金属酸化物(A)と、
昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
を、含有する。
(金属酸化物(A))
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれる金属酸化物(A)は、後述する所定の金属の酸化物であって、塗膜強度の観点から、球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の非球状の金属酸化物(a2)を含むことが好ましい。
ここで、本明細書において、前記球状の金属酸化物(a1)とは、アスペクト比(長径/短径)が3未満の粒子状態で存在している金属酸化物をいう。
なお、アスペクト比は、一次粒子そのもので存在しているものについては、一次粒子のアスペクト比を、また、凝集粒子として存在しているものについては、凝集粒子のアスペクト比を指す。
前記球状の金属酸化物(a1)の存在形態は、一次粒子であっても、凝集粒子であってもよく、凝集粒子である場合、その形状は、完全な球である必要はなく、例えば、角部を有していてもよい。
ここで、球状の金属酸化物(a1)及び非球状の金属酸化物(a2)のアスペクト比は、透過型顕微鏡(TEM)で撮影された金属酸化物粒子の短径と長径とを測定し、当該測定値から長径/短径を求めることによって決定することができる。
なお、前記短径及び長径とは、各々順に、金属酸化物粒子に外接する面積が最小となる外接長方形の短辺及び長辺である。
球状の金属酸化物(a1)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデン等の酸化物が挙げられる。
前記球状の金属酸化物(a1)の平均粒子径は、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体によって形成される光学塗膜の透明性と機械的強度との発現の観点から、1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは1〜50nm、さらに好ましくは1〜10nmである。
ここで、球状の金属酸化物(a1)の平均粒子径とは、当該粒子が一次粒子の形で存在している場合には一次粒子径を、凝集粒子の形で存在している場合は凝集粒子径(二次粒子径)を指し、以下の方法により決定することができる。すなわち、球状の金属酸化物(a1)の粒子が100個〜200個写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している該当の粒子の粒子径(二軸平均径、すなわち、短径と長径との平均値)を測定し、当該測定された各粒子径の平均値を求めることにより決定することができる。
前記球状の金属酸化物(a1)を形成する材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、日産化学工業株式会社製「スノーテックス−O(登録商標)」、同社製「スノーテックス−OS(登録商標)」、同社製「スノーテックス−OXS(登録商標)」等が挙げられる。
前記非球状の金属酸化物(a2)とは、アスペクト比(長径/短径)が3以上の金属酸化物であり、例えば、金属酸化物(微)粒子の一次粒子が数珠状に連結した複合粒子、繊維状粒子、針状粒子、板状粒子、及びそれらの中空空粒子等が挙げられる。
前記非球状の金属酸化物(a2)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデン等の酸化物が挙げられる。
前記非球状の金属酸化物(a2)は、上述したようにアスペクト比(長径/短径)が3以上であるものとし、3〜25であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10であることがさらに好ましい。
また、前記非球状の金属酸化物(a2)の平均長径は、20〜250nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましく、40〜100nmであることがさらに好ましい。
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体により得られる光学塗膜の空隙率、屈折率の観点から、前記非球状の金属酸化物(a2)は、アスペクト比(長径/短径)が3以上であり、かつ平均長径が20nm以上であることが好ましい。また、透明性、反射防止性能の観点から、前記非球状の金属酸化物(a2)は、アスペクト比(長径/短径)が25以下であり、かつ平均長径が250nm以下であることが好ましい。
なお、前記非球状の金属酸化物(a2)の平均長径は、非球状の金属酸化物(a2)の粒子が100個〜200個写るように調整して撮影した透過型顕微鏡(TEM)写真の中に存在している該当の粒子の長径を測定し、当該測定された各長径の平均値を求めることにより決定することができる。
なお、前記非球状の金属酸化物(a2)の長径は、当該非球状の金属酸化物(a2)の粒子に外接する面積が最小となる外接長方形の長辺である。
非球状の金属酸化物(a2)を形成する材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、日産化学工業株式会社製の「スノーテックス−OUP(登録商標)」、同社製「スノーテックス−UP(登録商標)」同社製「スノーテックス−PSSO(登録商標)」及び同社製「スノーテックス−PSS(登録商標)」、アルミナゾル、擬ベーマイト系アルミナ、旭硝子株式会社製の鱗片状シリカ「サンラブリー」等が挙げられる。これらは、三次元的に湾曲した形状を有していてもよい。
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体により得られる光学塗膜の機械的強度と反射防止効果を向上させる観点から、前記球状の金属酸化物(a1)と前記非球状の金属酸化物(a2)との混合比率(質量比)は、1:1〜1:40が好ましく、より好ましくは1:3〜1:20、さらに好ましくは1:3〜1:10である。
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体には、前記球状の金属酸化物(a1)及び非球状の金属酸化物(a2)の他に、例えば、ホウ素、リン、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデン等からなるその他の金属酸化物が含まれていてもよい。
(樹脂粒子(B))
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれる樹脂粒子(B)は昇温速度10℃/minで加熱したときの発熱ピークを複数含む。
昇温速度10℃/minで光学塗膜形成用前駆体を加熱するという操作には、後述するように、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を用いて光学塗膜を形成する際、光学塗膜形成用前駆体に加熱処理を施して樹脂粒子(B)を熱分解させて膜中に空隙を形成させる工程における樹脂粒子(B)の分解温度のバラツキを抑制するという意義があり、樹脂粒子(B)が発熱ピークを複数含むことにより、長期耐久性に優れた光学塗膜が得られる。
また、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれる樹脂粒子(B)は、300〜800℃の温度範囲内、すなわち300〜800℃の温度のうちのいずれかの温度で加熱することにより全部又は一部を除去されるが、当該加熱後の樹脂粒子(B)割合(残差量)は50%以下であることが好ましく、600℃に加熱した際には残差量が40%以下であることがより好ましい。
ここで、「残差量」とは、樹脂粒子(B)を上記所定の温度に加熱した際、分解せずに残存する樹脂粒子(B)の質量割合を言う。
前記所定の温度に加熱するという操作には、ガラスを基材として用いる場合には、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体により光学塗膜を形成した場合の熱強化の目的の他、空隙を形成する際、塗膜中の空隙率を高め、反射防止効果を高める目的がある。その際に、300〜800℃の温度範囲内で加熱した際には樹脂粒子(B)の残渣量が50%以下で、600℃に加熱した際には樹脂粒子(B)の残差量が40%以下であると、空隙が効率よく形成されるため好ましい。
300〜800℃の温度範囲内で加熱する場合の加熱時間は、好ましくは15秒以上30分以下であり、より好ましくは30秒以上15分以下、さらに好ましくは1分以上10分以下である。
加熱時間が15秒以上であると十分に空隙を形成することができ、30分以下とすることにより実用上十分な生産性を確保できる。
前記樹脂粒子(B)は、昇温速度10℃/minで加熱したときの複数の発熱ピークのうち、少なくとも1つが510℃を超えていることが好ましい。
さらには、後述するように、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を用いて光学塗膜を形成する際、光学塗膜形成用前駆体に加熱処理を施して樹脂粒子(B)を熱分解させて膜中に空隙を形成させる工程において、連通孔の形成を抑制する観点から、樹脂粒子(B)は、昇温10℃/minで加熱した際、上記のように510℃よりも高い温度に発熱ピークを有し、かつ当該510℃よりも高い温度における発熱ピークは、510℃以下のピークよりも発熱量が大きいことが好ましい。
また、樹脂粒子(B)がコア−シェル構造を有する場合には、少なくとも樹脂粒子(B)のシェル層に510℃よりも高い温度における発熱ピークに由来する構造を含むことが好ましい。
樹脂粒子(B)が、510℃よりも高い温度に発熱ピークを有することにより、後述するように、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を用いて光学塗膜を形成する際、光学塗膜形成用前駆体に加熱処理を施して樹脂粒子(B)を熱分解させて膜中に空隙を形成させる工程において、昇温によって樹脂粒子(B)が徐々に分解し、揮発するため、空隙の急激な形成が抑制され、連通孔形成が抑制された光学塗膜が得られ、光学塗膜の長期耐久性の観点から好ましい。
上述したように、前記樹脂粒子(B)を300〜800℃の温度範囲内で加熱した際の残差量を50%以下にするための方法としては、樹脂粒子(B)を構成する重合体の材料、重合条件、複数の材料の場合には組成比を調整する方法や、さらには、分子量、不純物、粒子径を調整する方法が挙げられる。
例えば、300〜800℃の温度範囲内で加熱した際の樹脂粒子(B)の残差量を50%以下にするためには、粒子径を80nm以下として表面積を大きくする方法や、空気雰囲気下での加熱条件を選択する方法が挙げられる。
また、上述したように、前記樹脂粒子(B)において、昇温速度10℃/minで加熱した際に、発熱ピークが複数有するようにするためには、樹脂粒子(B)を構成する重合体の材料、重合条件、複数の材料の場合には組成比を調整すればよい。
樹脂粒子(B)を構成する重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ(メタ)アクリレート系、シリコーン系、ポリ(メタ)アクリレート−シリコーン系共重合体、ポリビニルアセテート系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール共重合体等から構成される重合体等が挙げられる。
これらの材料を用い、必要に応じて複合化、共重合化することにより、昇温速度10℃/minで加熱した際に、発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)を製造することができる。
前記樹脂粒子(B)が、複数の材料で構成される場合には、樹脂粒子(B)は、例えば、加水分解性珪素化合物(b1)とビニル単量体(b2)とを重合する方法が好ましい樹脂粒子(B)の製造方法として挙げられる。
原子間の結合エネルギーの高い加水分解性珪素化合物(b1)と比較的低いビニル単量体(b2)との仕込み比率を調整することにより、樹脂粒子(B)の発熱ピークを調整することができる。
また、加水分解性珪素化合物(b1)の比率を高めることによって、樹脂粒子(B)の発熱ピーク強度を高めることができる。
<加水分解性珪素化合物(b1)>
より詳細には、樹脂粒子(B)は、特に限定されるものではないが、水及び乳化剤の存在下で、前記加水分解性珪素化合物(b1)と、前記ビニル単量体(b2)を重合して製造することが好ましい。
加水分解性珪素化合物(b1)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(1)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤等が挙げられる。
SiWxRy ・・・(1)
(式(1)中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。
また、x+y=4である。)
前記加水分解珪素化合物(b1)の一例である前記シランカップリング剤とは、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する、加水分解性珪素化合物である。
前記加水分解性珪素化合物(b1)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等を挙げることができる。
また、これらの加水分解性珪素化合物(b1)は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
加水分解性珪素化合物(b1)は、縮合生成物として使用してもよく、かかる場合、縮合生成物のGPC測定によるポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは200〜5000、より好ましくは300〜1000である。
上述の加水分解性珪素化合物(b1)の中で、フェニル基を有する珪素アルコキシド、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等は、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れ、樹脂粒子(B)の熱分解時の発熱ピークの温度及び/又はピーク強度が高くなるため好ましい。
また、上述の加水分解性珪素化合物(b1)の中で、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等のビニル重合性基を有するシランカップリング剤や、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤は、後述するビニル単量体(b2)が、アミド基等、水素結合性の官能基を有する場合、ビニル単量体(b2)との共重合時に水素結合を介した相互作用、又は連鎖移動反応をし、化学結合を生成することが可能である。
加水分解性珪素化合物(b1)の含有量は、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を用いて形成した光学塗膜における、樹脂粒子(B)の熱分解によって形成された空隙強度の観点から、樹脂粒子(B)に対する質量比(b1)/(B)として0.005以上0.95以下であることが好ましく、0.01以上0.5以下であることがより好ましく、0.1以上0.4以下であることがさらに好ましい。
前記加水分解性珪素化合物(b1)としては、ビニル重合性基を有するシランカップリング剤を用いることは、本実施形態の光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)を、均一な粒子に形成する観点からより好ましい。
<ビニル単量体(b2)>
樹脂粒子(B)を製造するために用いるビニル単量体(b2)としては、以下に限定されるものではないが、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)が好ましい。
例えば、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等が挙げられる。
ビニル単量体(b2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物の他、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル単量体、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体のような官能基を含有する単量体等も挙げられる。
ビニル単量体(b2)としての前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
前記(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタアクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
前記ビニル単量体(b2)としての(メタ)アクリル酸エステルの使用量(複数の(メタ)アクリル酸エステルを使用する場合には、その合計量)は、樹脂粒子(B)を製造するために用いる全ビニル単量体中において好ましくは0〜99.9質量%、より好ましくは5〜80質量%さらには10〜30質量%である。
前記ビニル単量体(b2)としての芳香族ビニル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
前記ビニル単量体(b2)としてのシアン化ビニル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記ビニル単量体(b2)としてのカルボキシル基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸等の2塩基酸のハーフエステル等が挙げられる。
前記ビニル単量体(b2)としての水酸基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート等のフマル酸のヒドロキシアルキルエステル;アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート;プロピレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート;さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類等が挙げられる。
前記ビニル単量体(b2)としてのエポキシ基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、グリシジル基含有ビニル単量体等が挙げられる。グリシジル基含有ビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記ビニル単量体(b2)としてのカルボニル含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ダイアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
<乳化剤>
樹脂粒子(B)の合成の際には、乳化剤を使用してもよい。
乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
これらの乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤を選択すると、樹脂粒子(B)の水分散安定性がより一層良好になり粒度分布が狭く光学特性、強度等に優れた塗膜を形成することができるため、さらに好ましい。
前記反応性乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体、それらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体;4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
前記反応性乳化剤としてのスルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体の塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、炭素数6又は10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物;スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物等が挙げられる。
前記反応性乳化剤としてのスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換されたコハク酸基を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アリルスルホコハク酸塩等が挙げられる。これらは市販品を用いることもでき、例えば、エレミノールJS−2(商品名)(三洋化成(株)製)、ラテムルS−120、S−180A又はS−180(商品名)(花王(株)製)等が挙げられる。
前記反応性乳化剤としてのスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数2〜4のアルキルエーテル基又は炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクアロンHS−10又はKH−1025(商品名)(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−1025N又はSR−1025(商品名)(旭電化工業(株)製)等が挙げられる。
前記反応性乳化剤としてのノニオン基を有するビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ヒドロキシポリオキシエチレン(商品名:アデカリアソープNE−20、NE−30、NE−40等、旭電化工業(株)製)、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル(商品名:アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50等、第一製薬工業(株)製)等が挙げられる。
乳化剤の使用量としては、得られる光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下となる範囲内が好ましく、0.001〜5質量部となる範囲内がより好ましい。
<重合触媒>
上述した樹脂粒子(B)の合成の際、加水分解性珪素化合物(b1)及びビニル単量体(b2)の重合は、重合触媒存在下で実施することが好ましい。
加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合に用いる単量体の成分等に応じて適宜選択でき、以下に限定されるものではないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等が挙げられる。これらの中で、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する観点から、酸性乳化剤類が好ましく、炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸がさらに好ましい。
ビニル単量体(b2)の重合触媒としては、熱又は還元性物質等によってラジカル分解してビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好ましく、以下に限定されるものではないが、例えば、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用される。当該重合触媒の具体例としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。当該重合触媒の配合量としては、樹脂粒子(B)を構成する全ビニル単量体100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましい。なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合をより望むときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いることが好ましい。
上述したように、樹脂粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)とビニル単量体(b2)を、好ましくは重合触媒存在下で、重合することにより得ることができる。
加水分解性珪素化合物(b1)と、ビニル単量体(b2)との重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することにより、両者の間で水素結合等によるミクロな有機・無機複合化が達成できるので好ましい。
<樹脂粒子(B)の数平均粒子径>
樹脂粒子(B)の数平均粒子径(一次粒子径;樹脂粒子(B)の一次粒子の数平均粒子径)は、3〜800nmであると好ましい。樹脂粒子(B)の数平均粒子径を上記範囲に調整することにより、光学特性に優れた光学塗膜を形成することができる。また、得られる光学塗膜の透明性が向上する観点から、樹脂粒子(B)の数平均粒子径は5〜100nmであることがより好ましい。より好ましくは10〜90nm、さらには30nm~60nmである。
なお、樹脂粒子(B)の数平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上述したように、樹脂粒子(B)は、昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有し、当該発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えていることが好ましい。
前記510℃を超える発熱ピークに由来する構造としては、以下に限定されるものではないが、例えば、加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)を、重合単量体として含むことが挙げられる。
510℃以下の発熱ピークに由来する構造としては、以下に限定されるものではないが、例えば、上述したビニル単量体(b2)が挙げられる。
加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)の好ましい含有量は全加水分解性珪素化合物(b1)とビニル単量体(b2)との合計量に対する質量比率で規定することができる。
すなわち、(b1−3)成分の質量比率は、(b1−3)/((b1)+(b2))で表され、0.05以上0.5以下が好ましく、より好ましくは0.1以上0.35以下である。
(b1−3)が0.5を超えると、後述する光学塗膜において、空隙が十分に形成されず、0.05未満では光学塗膜の強度が低下するおそれがある。
加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類が挙げられる。
(光学塗膜形成用前駆体の製造方法)
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体は、上述した金属酸化物(A)と樹脂粒子(B)とを含有する。
光学塗膜形成用前駆体は、後述するように、前記金属酸化物(A)と樹脂粒子(B)を含むコーティング組成物を調製し、当該コーティング組成物を所定の基材上に塗布することにより得られる
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体は、金属酸化物(A)と樹脂粒子(B)との凝集体、金属酸化物(A)又は樹脂粒子(B)同士の凝集体、樹脂粒子(B)の周囲の一部又は全部が金属酸化物(A)で配置された構成体を具備していてもよい。
その凝集体や構成体は、ゼータ電位差やイオン性の差を利用して形成することができる。
金属酸化物(A)の粒子径は樹脂粒子(B)よりも大きくても小さくてもよい。
〔光学塗膜〕
本実施形態の光学塗膜は、上述した本実施形態の光学塗膜形成用前駆体から、前記樹脂粒子(B)の少なくとも一部が除去された構成を有している。
本実施形態の光学塗膜は、前記光学塗膜形成用前駆体に対して、所定の熱処理を施すことにより製造することができる。
本実施形態の光学塗膜は、詳細は後述するが、金属酸化物(A)と樹脂粒子(B)を含む光学塗膜形成用前駆体を形成し、300〜800℃の温度範囲内、好ましくは500℃以上に加熱することにより樹脂粒子(B)の全部又は一部を除去して空隙を形成する空隙形成工程を実施することにより製造することができる。
その際に、樹脂粒子(B)の周囲の金属酸化物(A)からなる層の縮合が急激に進み、塗膜全体が急激に収縮する。
ここで、本実施形態の光学塗膜形成用前駆体に含まれている樹脂粒子(B)は、所定の昇温速度で加熱した際、昇温過程で複数の発熱ピークを含んでいるため、熱処理によって樹脂粒子(B)が熱分解によって段階的に除去され、塗膜の収縮を緩和し、空隙の崩壊を緩和しながら光学塗膜が得られる。
発熱ピークが単一の場合、塗膜の収縮が急激に生じ、空隙が崩壊する場合があるが、発熱ピークが複数存在することで塗膜の収縮が段階的に生じ、空隙の崩壊を緩和することができる。そのような光学塗膜の空隙は基材に達する貫通孔が生じにくく基材と水との接触を抑制することで高温高湿試験後の光学性能を維持することが可能となる。
前記空隙は、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することができ、その全てあるいは一部に空気層が充填されており、屈折率が1に極めて近い。
樹脂粒子(B)は300〜800℃の温度範囲内で加熱することにより、全部又は一部を除去される。樹脂粒子(B)を加熱後、分解せずに残存している割合(残差量)は50%以下であることが好ましい。
残差量とは加熱前の樹脂粒子(B)の質量を100%とした時に、加熱後に残存している樹脂粒子(B)の質量の割合(%)である。
残差量が50%以下であると、光学塗膜中の樹脂粒子(B)の部分に由来する空隙を十分に確保することができ、高い反射防止効果が得られる。
残差量は少ない方が空隙を形成するためには好ましいが、加熱によって除去された後に空隙が潰れずに保持できるためには、残差量が0.1〜40%が好ましく、より好ましくは0.5〜20%である。
〔その他の材料〕
(加水分解性珪素化合物(C))
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体は、上述した金属酸化物(A)、樹脂粒子(B)の他、加水分解性珪素化合物(C)を、さらに含むことが好ましい。
加水分解性珪素化合物(C)を含むことで金属酸化物(A)の層が緻密になり機械的強度がより増加すると考えられる。
当該加水分解性珪素化合物(C)は、下記式(2)、(3)、及び(4)で表される化合物からなる群より選ばれる1種類以上の加水分解性珪素化合物であることが好ましい。
なお、上述した(b1)加水分解性珪素化合物は、樹脂粒子(B)を構成する成分であり、当該(B)成分中に一体として組み込まれており、前記加水分解性珪素化合物(C)は、(A)成分及び(B)成分とは別個独立して添加されるものであり、上述した(b1)加水分解性珪素化合物とは明確に区別される。
1 nSiX4-n ・・・(2)
(式(2)中、R1は、水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、及びエポキシ基からなる群より選ばれるいずれかを有してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。
Xは、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。)
3Si−R2 n−SiX3 ・・・(3)
(式(3)中、X3は加水分解性基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。)
3−(O−Si(OR32n−OR3 ・・・(4)
(式(4)中、R3は炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
(各成分の含有比率)
本実施形態の光学塗膜形成用前駆体を得るために用いるコーティング組成物においては、金属酸化物(A)と光学塗膜形成用樹脂粒子(B)との質量比率((A):(B))は、耐候性の観点から、1:0.05〜1:10であることが好ましく、1:0.2〜1:4であることがより好ましく、1:0.5〜1:2であることがさらに好ましい。
金属酸化物(A)と加水分解性珪素化合物(C)との質量比率((A):(C))は、塗膜強度の観点から、1:0.05〜1:5であることが好ましく、1:0.1〜1:2であることがより好ましく、1:0.2〜1:0.6であることがさらに好ましい。
なお、加水分解性珪素化合物(C)の質量とは、加水分解性珪素化合物(C)が加水分解、縮合した後のSiO2換算での質量である。
〔光学塗膜の製造方法〕
本実施形態の光学塗膜の製造方法は、上述した金属酸化物(A)と、上述した樹脂粒子(B)と、必要に応じて上述した加水分解性珪素化合物(C)とを混合してコーティング組成物を調製する工程と、当該コーティング組成物を塗布して乾燥して光学塗膜形成用前駆体を得る工程と、当該光学塗膜形成用前駆体を300〜800℃の温度範囲内で熱処理して空隙を形成する空隙形成工程とを有している。
<コーティング組成物の調製>
コーティング組成物の調製においては、金属酸化物(A)、好ましくは球状の金属酸化物(a1)と、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の非球状の金属酸化物(a2)とを含む金属酸化物(A)と、樹脂粒子(B)と、必要に応じて加水分解性珪素化合物(C)を配合して混合物を得る第1の工程と、当該第1の工程で得られた混合物に酸を添加する第2の工程とを実施することが好ましい。
前記「酸」として、加水分解触媒、縮合触媒としての酸を添加する場合、配合安定性の観点から、先に金属酸化物(A)及び樹脂粒子(B)を配合した後に、当該酸を添加することが好ましい。あるいは、金属酸化物(A)等の等電点まで酸を添加することで凝集させた後、塩基で中和して安定化させてから樹脂粒子(B)を加えてもよい。
あるいは、塩基性の水溶液で樹脂粒子(B)が分散している状態で金属酸化物(A)を混合した後、前記酸を添加してpH2付近まで調整して樹脂粒子(B)の周囲に金属酸化物(A)を配置、凝集、析出させてもよい。
前記酸は、以下に限定されるものではないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類;酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類等が挙げられる。
<光学塗膜形成用前駆体の形成>
前記コーティング組成物を所定の基材に塗布し、乾燥することにより、光学塗膜形成用前駆体が得られる。
上述のコーティング組成物を基材に塗布する膜厚としては、20μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下が好ましい。
20μm以下であれば均一な塗膜が得られ、部分的に厚い膜が形成されることがなく外観上好ましい塗膜が得られる。
上述のコーティング組成物の固形分としては、0.1質量%〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.2質量%〜5質量%、さらに好ましくは0.5質量%〜3質量%である。固形分が15質量%を超えると乾燥後の膜厚を所望の膜厚に制御することが難しくなり、0.1質量%未満の場合、所望の乾燥膜厚を得るためにコーティング組成物を厚く塗装する必要があり現実的では無い。上述のコーティング組成物の粘度としては、塗装の均一性の観点から、好ましくは20℃において0.1〜2000mPa・sであり、より好ましくは1〜100mPa・s、さらに好ましくは2〜50mPa・sである。
上述のコーティング組成物を基材に塗布する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
生産性の観点からロールコート、スクリーン印刷、グラビア印刷が好ましい。
さらには大判の基材上へ塗装する目的ではロールコート法が好ましい。
ロールコートの塗装条件としてはリバースロールコートが好ましく、塗料が基材に転写される際のロールの速度(X1)と基材の搬送速度(X2)の比率がX1/X2=0.1〜2であることが好ましく、0.5〜1.5であることがより好ましい。X1/X2が0.1以上であると、膜厚の分布に偏りが生じることを防止でき、2以下であると塗装のスジが入ることを防止でき、外観上好ましい。
基材としては、特に限定されないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材や、ガラス等の無機基材や、それらの組み合わせ等を挙げることができる。
前記乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、自然乾燥、冷風乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥等、これらの組み合わせが挙げられる。
前記乾燥温度としては、5〜500℃が好ましく、10〜300℃がより好ましく、20〜200℃がさらに好ましく、さらにより好ましくは25℃〜80℃が好ましい。
<空隙形成工程>
さらに、前記塗布、乾燥により、光学塗膜形成用前駆体を得た後、300℃〜800℃の温度範囲内、好ましくは500℃〜700℃、より好ましくは590℃〜650℃で熱処理をし、前記樹脂粒子(B)を熱分解させ、膜中に空隙を形成する。
基材がガラスの場合、ガラスの強化の目的で600℃で3分程度加熱した後、空冷で急冷することが好ましい。
本実施形態の光学塗膜の厚みとしては、透明性、反射防止特性の面から、0.05〜10μmが好ましい。さらには0.08〜0.2μm、さらに好ましくは0.1〜0.15μmである。
本実施形態の光学塗膜は、表面水接触角が、防汚性の観点から120°以下であることが好ましく、より好ましくは40°以下、さらに好ましくは20°以下である。
該反射防止膜の表面水接触角は、例えば40℃以下であると親水性の汚れを防ぐ効果があり、40℃以上であると親油性の汚れがふき取りやすくなる効果がある。
なお、本実施の形態において、表面水接触角は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の光学塗膜は、十点平均高さRzが1〜1000μmである基材の表面上に形成され、平均の表面粗さRaが1〜100nmであることが好ましい。
基材のRzが、1μm以上である場合、光取り込み効果が十分に得られ、1000μm以下であることにより、光の散乱を抑制でき、十分な透過光が得られる。
また、光学塗膜のRaが1nm以上の場合は、十分な光学塗膜の親水性が得られ、100nm以下であることにより、汚れ物質の堆積を防止することができる。
ここでRaは、JIS R 1683 原子間力顕微鏡によるファインセラミックス薄膜の表面粗さ測定法に従って測定される。
(用途)
本実施形態の光学塗膜は、高湿度環境下での反射防止特性に優れているため、太陽電池用の部材(ガラス及びモジュール等)、太陽電池用集光レンズ、光電池、液晶ディスプレイ、眼鏡、窓ガラス、テレビ等において、光透過性の向上及び映りこみの防止を必要としている部材の反射防止膜として用いることができ、その他、太陽光発電用保護材、集光型太陽光発電用ミラー、太陽熱発電用ミラー、太陽熱発電用集光ガラス、建築物、鋼構造物、建材、モルタル、コンクリート、プラスチック、自動車等の防汚コートとしても用いることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
後述する合成例、実施例及び比較例における、各種の物性は下記の方法で測定した。
((1)平均粒子径の測定)
金属酸化物を、50,000〜100,000倍に拡大し、球状の金属酸化物粒子(A)が100個〜200個写るように調整して透過型顕微鏡写真を撮影した。
次いで、撮影された各金属酸化物粒子(A)の粒子径(長径と短径)を測定し、それらの平均値((長径+短径)/2)を算出し、平均粒子径とした。
((2)樹脂粒子(B)の(b1−3)比率)
加水分解性珪素化合物を(b1)、ビニル単量体を(b2)とし、かつ加水分解性珪素化合物のうち、特に加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物を(b1−3)としたとき、樹脂粒子(B)の、加水分解性官能基を3個以上含む加水分解性珪素化合物(b1−3)の、ビニル単量体(b2)と全加水分解性珪素化合物(b1)との合計量に対する質量比率((b1−3)/((b1)+(b2))を、算出した。
((3)樹脂粒子(B)の数平均粒子径)
樹脂粒子(B)の数平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製 マイクロトラックUPA)により測定した。
((4)全光線透過率の測定)
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、日本国日本電色工業株式会社製濁度計NDH2000を用いて、JIS K7361−1に規定される方法により、全光線透過率を測定した。
((5)鉛筆硬度の測定)
後述する実施例及び比較例で製造した光学塗膜から、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を製造し、当該試験用鉛筆を用いて、JIS K5400に規定される鉛筆硬度の評価方法に従い、1kg荷重における鉛筆硬度を評価した。
((6)表面水接触角の測定)
後述する実施例及び比較例で製造した光学塗膜の表面に脱イオン水の滴(1.0μL)を乗せ、20℃で10秒間放置した。その後、日本国協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて初期接触角を測定した。光学塗膜に対する水の接触角が小さいほど、光学塗膜表面の親水性が高いと評価した。
((7)耐候性試験後の全光線透過率)
後述する実施例及び比較例で製造した試験板について、加速環境試験器(エスペック(株)製、EHS−411)を用い、温度135℃、湿度85%の環境下、4時間放置する耐候性試験を行った。なお、耐候性試験後の試験板の全光線透過率を上記(2)に記載した方法に従い測定した。
((8)発熱ピーク、発熱量、及び残差量の測定)
示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施し、DTA値から樹脂粒子(B)の発熱ピーク温度と発熱量、残差量(加熱後の残存割合)を求めた。
((9)AR値、AR変化率)
後述する実施例及び比較例により製造した試験板の、耐候性試験前後の全光線透過率、基材の全光線透過率を用いて、下記式(5)、(6)により、AR値、AR変化率を算出した。
基材の全光線透過率は、91.8%であった。
Figure 2015018230
Figure 2015018230
上記ARが2%以上であることにより、反射防止特性が良好であると評価した。
前記AR変化率の絶対値が50%以下であることにより、耐候性が良好であると評価した。
((10)表面粗さRa(nm))
装置:Bruker AXS製Dimension Icon、測定モード;ScanAsyst、プローブ;ScanAsyst-Air型Si34プローブ(先端径2nm)を用いてJIS R 1683に準じて測定した。
その結果をデータ処理し取得した画像に傾き補正(Plane Fit X1次、Y1次)を施し、Raを算出した。
〔合成例〕
以下、後述する実施例及び比較例において用いた樹脂粒子(B)の合成例を記載する。
(合成例1)
<光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)水分散体の合成>
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。
得られた混合液(1)に、コア層形成用の材料として、ジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン(b1−3)117gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。
その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。
次に、得られた混合液(3)に、シェル層形成用の材料として、アクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン(b1−3)30g、フェニルトリメトキシシラン(b1−3)145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(b1−3)1.3gの混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。
その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、精製水で濃度を調整して数平均粒子径87nmの光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の水分散体(固形分10質量%、pH3.2)を得た。
さらに溶媒を除去して光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の固形物を採取し、示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施した。その結果、449℃と600℃にそれぞれ発熱ピークが観察された。
〔実施例1〕
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、前記(合成例1)で合成した光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の水分散体を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(TEOS 信越化学工業(株)製)を用いた。
これらを、表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で混合し、固形分2%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−1)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に上記コーティング組成物(E−1)を、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗布膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結し、その後、急冷してから塗膜(F−1)を有する試験板(G−1)を得た。
このとき塗膜(F−1)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/45となった。
なお、前記(B’)は、前記焼結後に得られた光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られた加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
得られた試験板(G−1)の評価結果を、下記表1に示す。
〔実施例2〕
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、前記(合成例1)で合成した光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−1)の水分散体を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学(株)製の商品名「MS56」)を用いた。
これらを、表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で、まず(B)と(C)を室温で2時間混合し、その後で(A)を加え、更に固形分2%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−2)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に上記コーティング組成物(E−2)を、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗布膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結し、その後、急冷してから塗膜(F−2)を有する試験板(G−2)を得た。
このとき塗膜(F−2)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/90となった。
なお、前記(B’)は、前記焼結後に得られた光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られた加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
得られた試験板(G−2)の評価結果を、下記表1に示す。
〔実施例3〕
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−3)(アクリルエマルジョン、固形分45%、pH8、粘度75mPa・s、酸価11、ガラス転移温度21℃、最低成膜温度31℃)を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)を用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラメトキシシランオリゴマー(三菱化学(株)製の商品名「MS56」)を用いた。
これらを、表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で、まず(B)と(C)を室温で2時間混合し、その後で(A)を加え、更に固形分2%となるように20%エタノール水で調整した後、攪拌し、コーティング組成物(E−3)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に上記コーティング組成物(E−3)を、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗布膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結し、その後、急冷してから塗膜(F−3)を有する試験板(G−3)を得た。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−3)の固形物を採取し、示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施した。その結果、440℃付近に発熱ピークが複数観察され、510℃以上には発熱ピークが観察されなかった。
このとき塗膜(F−3)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/90となった。
なお、前記(B’)は、前記焼結後に得られた光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られた加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
得られた試験板(G−3)の評価結果を、下記表1に示す。
〔比較例1〕
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)として、光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−2)(アクリルエマルジョン、固形分32%、pH7.7、粘度150mPa・s、酸価39、ガラス転移温度74℃、最低成膜温度−10℃)を用いた。
球状の金属酸化物(A)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」(ST−OXS)、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)用いた。
加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(TEOS 信越化学工業(株)製)を用いた。
これらを、下記表1に記載の固形分質量比(A:B:C質量比率)で混合した。
その後、0.1N塩酸水溶液でpHを2.5に調整し、さらに固形分が2%となるように20%エタノール水で調整してコーティング組成物(E−11)を得た。
基材(5cm×5cmの白板ガラス)に、上記コーティング組成物(E−11)を、スピンコーターを用いて膜厚が150nmとなるよう塗布した後、25℃で60分間乾燥し、光学塗膜形成用前駆体を得た。
さらに電気炉中で600℃、3分間焼結した後に急冷してから塗膜(F−11)を有する試験板(G−11)を得た。
このとき、前記塗膜(F−11)中の組成比(コーティング組成物の固形分換算で計算した各成分の質量比率と同様)は、(A)/(B’)/(C’)=300/100/45となった。
なお、(B’)は、前記焼結後に得られる光学塗膜形成用の樹脂粒子(B)に由来する重合体粒子であり、(C’)は、前記焼結後に得られる加水分解性珪素化合物(C)の加水分解縮合物とする。
光学塗膜形成用の樹脂粒子(B−2)の固形物を採取し、示差熱・熱重量分析装置(島津社製 DTG−60/60H、サンプル量8mg、昇温速度10℃/分、空気流量250ml/分、白金パン)で熱分析を実施した。その結果、440℃付近に発熱ピークが観察され、510℃以上には発熱ピークが観察されなかった。
上述した実施例1及び比較例1の評価結果を下記表1に示す。
Figure 2015018230
なお、表1中、発熱ピーク数の「1以上」、「2以上」とは、それぞれ、少なくとも1個、2個確認されたことを意味し、複数のサンプルに対して測定を行った場合には、それぞれ1個、2個を上回る場合もあることを意味する。
表1に示すように、実施例1においては、耐候性試験後においても全光線透過率が高く、優れた反射防止効果を有し、また、実用上十分な機械的強度を有していることが分かった。
一方、比較例1においては、耐候性試験後において全光線透過率が低下し、反射防止特性が低下したことが確認された。
本発明の光学塗膜形成用前駆体により得られる光学塗膜は、太陽電池、光電池、液晶ディスプレイ、メガネ、窓ガラス、テレビ等の、光透過性の向上及び/又は映り込みの防止を必要としている部材の反射防止膜形成用の材料として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (9)

  1. 金属酸化物(A)と、
    昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
    を、含有する、光学塗膜形成用前駆体。
  2. 前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、請求項1に記載の光学塗膜形成用前駆体。
  3. 請求項1又は2に記載の光学塗膜形成用前躯体から、前記樹脂粒子(B)の少なくとも一部が除去されている光学塗膜。
  4. 金属酸化物(A)と、
    昇温速度10℃/minで加熱した際に発熱ピークを複数有する樹脂粒子(B)と、
    を、含有する光学塗膜形成用前駆体を、
    300℃〜800℃で熱処理し、空隙を形成する、空隙形成工程を有する、
    光学塗膜の製造方法。
  5. 前記発熱ピークの少なくとも1つが510℃を超えている、請求項4に記載の光学塗膜の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の光学塗膜の製造方法により得られた光学塗膜を含む反射防止膜。
  7. 請求項6に記載の反射防止膜を含む太陽電池用ガラス。
  8. 請求項6に記載の反射防止膜を含む太陽電池モジュール。
  9. 請求項6に記載の反射防止膜を含む太陽電池用集光レンズ。
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